[学界展望] 経済成長理論と国際貿易理論の交流 : ヒックス・ジョンソン命題の発展について
その他のタイトル [Survey] An Interchange between the Theory of Economic Growth and the Theory of
International Trade : A Development of the Hicks‑Johnson Theorem
著者 山本 繁綽
雑誌名 關西大學經済論集
巻 10
号 4
ページ 433‑451
発行年 1960‑12‑20
URL http://hdl.handle.net/10112/15542
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
経 済 成 長 理 論 と 国 際 貿 易 理 論 の 交 流
ー ヒ ッ ク ス
・ ジ ョ ン ソ ン 命 題 の 発 展 に つ い て
1
現在︑最も広い意味で経済成長理論といわれる場合︑微分方
程式或いは定差方程式を用いる従来の所謂成長理論のほか︑動
学的プログラミング或いは動学的レオンティエフ分析等の位相
解析による方法が含まれている︒しかし︑この二つの方法の優
劣は一概にいうことが出来ないのであって︑それは適用される
目標によって判定されるべきものである︒概していえば︑前者
適切であるということも出来よう︒ところで︑前者の従来の成
長理論の内部においても更にまた二つの型が存在していること の方法は自由経済に︑後者の方法は計画経済に用いられるのが
学 界 展 茎
九五
合も同様に︑両理論の優劣は適用される目標に従って判定され が認められている︒いうまでもなく︑その︱つはハロッド・ドマール型の理論であり︑今︱つはロビンソン型の理論である︒替的な生産函数が仮定されているのに対し︑ロビンソン理論においては代替的な生産函数が仮定されている︒けれどもこの場 されているし︑また︑ハロッド・ドマール理論においては非代 ソン理論においてはそれが資本蓄積というストックの面で把握 が所得投資等のフローの面で把握されているのに対し︑ロビン ある︒すなわち︑ハロッド・ドマール理論においては経済成長 この二つの理論の差異は︑その理論構成上の仮定によるもので 山
本
繁
綽
434
ンソンを始め多くの諸家によって発展され精密化されてきたの して発展してきたものである︒周知の様にヒックスがドルモン 以下︑われわれがこの展望において経済成長理論というと
ヒックス︹8︺は相互に貿易する
A
B二国が存在し︑二国と ヒックスの議論だけは比較的詳細に説明しよう︒ こ
とに
しよ
う︒
︱つは国際貿易が経済成長に与える効することにしよう︒そうして︑最後の節ではそれらの各説の要 に編成して発展させた諸家の業績を一定の方法で整理して紹介 ところで︑国際経済学は一種の応用経済学であるから︑経済 経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
るべきものであろう︒
成長理論に国際貿易を導入する場合︑右のいずれの成長理論に
ついても行うことが出来ることはいうまでもない︒その場合︑
経済成長理論と国際貿易理論との交流が二つの面から行われて
いることが注目される︒
( 1 )
果という面からであり︑他は経済成長が国際貿易に与える効果
という面からである︒勿論この二面分析は分析上の便宜による
ものであり︑現実には分けられるものではない︒
き︑それはハロッド・ドマール理論をのみ指すこととし︑そう
して︑それと国際貿易理論の関係というとき︑右の後者の面す
なわち経済成長が貿易収支や交易条件に与える効果の面の考察
に限定することにする︒さて︑経済成長が国際貿易にどの様な
効果を与えるかという問題はもともと長期的ドル不足の理論と
ド講座教授の就任の辞において︑慢性的なドル不足の原因が米
国の生産性の急速な上昇にあると述べて以来︑その主張がジョ である︒そうして︑それらは現在の国際経済学において最も進んだ論議の︱つであると考えられている︒われわれの展望はこの系統の諸説に関するものである︒先ず︑次節ではこのヒックスの主張をなるぺ<忠実に紹介し︑その次の節ではそれを数式約とそれらの分析方法に共通する欠陥を指摘して批判に代える
註
( 1
)
この面の分析の例としては︑ハロッド︹7︺L e
c t
u r
e
F o
u r
,
( a
) T
h e
F o r e i g n
B a l
a n c e
,
及び ジ ョ ン ソ ン
︹11︺
があ
る︒
も輸出財産業と輸入競争︵代替︶財産業があると仮定する︒そ
うして︑分析の便宜上生産性の上昇はA国にのみ行われて︑B
国には行われないと仮定する︒
先ず
︑
Aの生産性の上昇が輸出財産業と輸入競争財産業の両
方に一様に
( u
n i
f o
r m
l y
)
に行われる場合について考察しよう︒九 六
バークー︵実物︶効果についてみるために︑Aの貨幣所得が生
産性上昇の限度まで増加する場合を想定しよう︒そうすると︑
が改善されることを意味する︒もし︑この場合両国の貿易収支
が変化しないとすれば︑BはAから以前と同じ輸出に対して以
前より多くの輸入をすればよいのであって︑それは商品交易条
貨幣所得の変化を考慮に入れると︑貿易収支が変化しないため
には︑Aの貨幣所得はBのそれよりも大きく増加しなければな
らない︒それは言葉を変えていうと︑要素交易条件が
B
に悪化することになる︒但し︑これらの場合︑もし︑Aの生産性の上
昇が非常に急速でその貨幣所得の増加が生産性の上昇に比べ或
る適切な率
( a
p p
r o
p r
i a
t e
r a
t e
)
以下であるとすれば︑
B
はデ
になるであろう︒もし︑そうしなければ貿易収支がBに対して
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶ 次に︑Aの生産性の上昇が輸出財産業に集中される場合︑す
九七
素交易条件もともに
B
国に悪化することを意味することになる 悪化することは明らかである︒ フレを余儀なくされ︑そうして商品交易条件も悪化させること 産性の上昇の場合について考える︒同じく貨幣所得一定を仮定 件がBに好転することを意味する︒ここで貨幣的効果すなわち所得
は変
らず
︑
輸入は仮定によって一定であるから︑このことはBの貿易収支
から
︑
A
の輸
入
(B
の輸出︶は増加するはずである︒
一方
B
の AB両国の価格は総て不変であるが︑Aの所得は増加している なわち︑ヒックスのいう輸出偏向的( e
x p
o r
t
b i
a s
e d
)
な生産性
の上昇の場合について考える︒両国の貨幣所得が一定であると
仮定
する
と︑
B
の輸出財価格は不変であるが︑Aのそれは低下する
から
︑
Aの輸出量は増加するであろう︒しかし︑輸出財価
格が低下しているから︑輸出総額が増加するということは決し
てない︒従つて︑商品交易条件はBに好転するが︑両国の貨幣
︵すなわち︑要素交易条件が一定で︶貿易収支
の均衡が保たれるということは充分可能である︒勿論︑一般的
には貿易収支がどうなるかいえない︒けれどもそれだからとい
集中
され
る場
合︑
つて
︑
Bが貨幣的困難を蒙るということはないのである︒
第三
に︑
Aの生産性の上昇がAの輸入競争︵代替︶財産業に
すなわち輸入偏向的
( i m p o r t
b i
a s
e d
)
な生
すると︑Aの輸入競争財の価格が低下して︑AのBからの輸入
は減
少す
るが
︑
BのAからの輸入は変らないから︑Bの貿易収
支は悪化するであろう︒この場合︑貿易収支の均衡が保たれる
には
︑
Aの輸出が減少する様にAの貨幣所得が増加して輸出価
格が上昇しなければならない︒このことは︑商品交易条件も要
436
すれば実質所得の増加とも解することが出来るであろう︒この
た
諸結果を見ていこう。これらの諸結果はヒックスの結果と異
I 貿 易 収 支
i商品交易条件
一様な生 適切な率以上
産性上向 適切な率以下 + +
輸出偏向的な生産性上昇 ?
輸入偏向的な生産性上昇 + +
に︑生産性の上昇は人口を一定と 経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
ので
ある
︒
以上のヒックスの三つの場合の分析を整理すると︑次の表の
足の原因が米国の輸入偏向的な生
産性の上昇が行われる場合にある
. ( 1 )
と考たた︒︵右のA国を
米国
︑
B
国をその他の諸国とせよ︒︶二〇
財となった工業製品に著しい生産
( 2 )
性の上昇が行われたからである︒
しかし︑このヒックスの分析は何
貿易収支や交易条件に与える影響
の分析と考えることが出来る︒更
この節では前節のヒックスの主張を数式に編成して発展させ 一般に生産性の上昇が もドル不足という特定の問題に限定
され
ず︑
世紀になって以来米国の輸入競争 場合を暗黙のうちに仮定している様である︒そこで︑その後多 さて︑ヒックスは慢性的ドル不 様になる︒+はA国に好転することを︑
とをそれぞれ示す︒
(B
国についてはその逆である︒︶
ーは
A国に悪化するこ 様に考えると︑ヒックスの主張は実質所得の増加すなわち経済の成長が貿易収支や交易条件に与える効果の分析であるともいえる︒この様に︑ヒックスは経済成長が貿易収支や交易条件に
与える効果を分析する端緒をなしたものであるが︑もともと講
演として述べられたものであるから︑決して精密な分析といえ
( 3 )
るものではなく︑例えば︑輸入需要の弾力性についても特定の
くの諸家がこのヒックスの命題を数学的に精密化することによ
つて発展させてきたのである︑次にそれを見ていこう︒
註
( 1 )
厳密にいうとドル不足に関する生産性説の嘴矢は︑
ヒックスより先に︑ヒックス自身︹8︺の初めに指摘し
ているウィリアムス︹
2 2 ︺と︑別にパロッグのいくつか
の論
文︹
5︺における指摘がある︒
(2
)
この点について︑ヒックスの命題の実証的な批判と
してはレティチェ︹
1 6 ︺
マッ
クド
ウガ
ル︹
1 7
︺があ
る︒
(3
)
ヒックスの理論そのものの数式的定式化としては天
野 ︹
4︺があり︑需要側の条件や三国の存在等を含んだ広範な幾何学的な定式化として小島︹
1 5 ︺
があ
る︒
︒
九八
‑ ' ‑ --—---~-
‑‑‑ ‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑‑―‑‑‑‑‑‑る場合等のいろいろな付随的な条件を加えて考察していくので
ある︒そうして︑ヒックスにおけると同様に相互に貿易する
I
両
I I
国を
仮定
し︑
I
国に経済成長が行われる( I I
国には行われ
ない︶場合を仮定しよう︒また︑以下の各説を通じて国際収支
の変化を貿易差額によって表わすのではなしに︑その国の輸入
( e
x p
o r
t r
a t i o
)
と呼ぶことにしよう︒この概念を用いること
によって貿易差額の変化が成長率によって表わされるのであ
る︒なお︑以下の各説は輸出率も交易条件も所得も価格いずれ
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶ ︹12︺が始めて用いた概念であって︑ジョンソンに従って輸出率
九九
である︒そこで︑先の輸出入函数を用いて輸出率の成長率
RT
1
を求
める
と︑
R T 1
は両国の価格の成長率
r 1
r 2
と実質所得の
成長率
R1
R2
を含む二つの項からなる方程式によって示され
e q
u a
t i
o n
)
と名
付け
︑
る︒ジョンソンはこの方程式を基本方程式
( b a s
i c
. a n a
l y t i
c a l
それによると
I
国の出超はR3
Vo
入
超は
RT
1A
0
で表
わさ
れる
︒
の国の輸出額の比率︶で表わすことにする︒これはジョンソン 額に対する輸出額の比率︵すなわち相手国の輸出額に対するそ
P1
X1
1 t : X
1
" "
P2
X2
X2
Ti
1 1
これ
から
︑
I
国の輸出率T1
は
Y "
賑圧隣
P1
P2
n " "
x
る
⇔ 圧
M : 1
華>
化する場合︑偏向的成長の場合︑輸出供給の弾力性が有限であ
X1
1 1
M2
"
"
1 2
( 7 r :
Y ,
2)
すれば︶交易条件に与える効果とであり︑それに貨幣所得が変
X2
1 1
M1
1 1
t i (
誓 ︶
p "
宦荼 は︑経済の成長が貿易収支に与える効果と︵貿易収支を不変と に
しよ
う︒
われわれが以下の諸説において特に注目すること 僅かではあるが意識的な修正を加えて全体の統一をはかること 法にもとづいているものではない︒しかし︑以下の紹介は極< り︑いずれも数学的に導かれたものであるから︑精密であり旦つ複雑である︒また︑これらの結果は必ずしも同一の前提や方
ジョ
ンソ
ンー
︹
︺1 2 い も成長率による分析である︒次に大体それを発表年代順に見ァ
こう
︒
ヒッ
クス
︹
8︺の両産業とも一様に生産性
が上昇する場合を精密化したのがジョンソン
I
である︒その場合価格を変数として導入することによって貨幣所得の変化を表
わす︒両国の輸出入函数を次の様に仮定しよう︒
438
( 1 1
試屈︶旦§冒畠蓄塁篇
X 1
8 1 &
き
g(1
1や
零 ︶
H
息更喜嵐塁益)I 国 S
塞>韻湘S 革寧睾辻席
ーY2
f ) X 1
c2
ー
(叶 塁
この方程式において
RT
11
10
とすれば︑貿易収支を不変に保
つ様な商品交易条件︵以下交易条件というとき必ず商品交易条
( 1 )
件を指す︶の成長率
R7が求められる︒
•………
••(1
b )
c2
R2
1 c
1R
1
' 1 } 1
+7
21
1
R7
11
右の
1一方程式から︑貨幣所得︵従って価格︶変化の異るいろい
ろな場合における経済成長が貿易収支及び交易条件に与える効
果が求められるであろう︒その効果は次の表に示される︒表中
, F
は I 国に対して好転することを︑一は I 国に対して悪化する
ことを表わす︒なお︑ヒックスの場合におけると同様経済の成
長が I 国にのみ行われる場合︑
すなわち右の方程式において
( 2 )
R1
︒>
"
R2
11
0
の場合について考察することにしよう︒
このジョンソン I の場合はヒックス︹
8︺の生産性の一様な上
呈的 1 1
芯 ︶
H
国畠旦
悶喜
畠喜
由
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
RT
l 1 1
( 7 ] 1
+ ミ ー
1)
(r
2‑
r1
)
+ e
2R
2 1
e1R1•
…
••(La)
していない︒すなわち︑不完全特化の場合については考察してい 張であって︑輸出偏向的及び輸入偏向的な場合については考察 貿 易 収 支
交 易
条 件
両国とも価格一定 (r1=r2= 0)
゜
I 国は価格低下
I I 国は価格一定
(r1 = ‑R1, r2= 0)
1~1 十nや 1十E1Iり1 知く 1+E1
' 1 1 十 1 1 2 > 1 刀 1 十り 2<1
+ +
合はいずれもヒックス︹
8︺ の 一
様に生産性が上昇する場合の拡 3
︺ジョンソン I
︹ 認
︺ の
場
ジョンソン
I I
︹ 認
︺ ・
天 野
︹ 2
ル・ラーナーの為替安定条件で
( 3 )
ある︒
7 / 1
' +
IJ
2>
l
はマーシャ 成立っためには貿易収支に対し る︒その結果ヒックスの命題が 場合は適切な率以下の場合に当 国は価格低下
I l
国は価格一定の クスの適切な率以上の場合︑ I
て は
' I J 1
十 ゞ
2>
1+
c 1
交易条件
に対してはき
1+
2S
>1
なる条
件が満されなければならない︒
な お
︑
昇の場合に当り︑更に右の様に
両国とも価格一定の場合はヒッ
1 0
0
I
i ・
、~-、- ‑̲̲̲̲ ̲; ‑‑
RT1
1 1
︵ さ
1+
17
2‑
l)
(
r2
ー
r1
)
+︵
821Q20
2)
02R2
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶ わす基本方程式も次の様に変更される︒ と変更される︒これを用いて輸出率及び交易条件の成長率を表
1 0
この偏向の定義を用いて︑右の基本方程式から
I
国の偏向的y
f )
C
0 ︑
( I I n l 3 )
匿丘
s
璽喜誓誓喜酵ー
y
E )
露>装曲淀
8
国翌井黍8 賑圧騨埋辻
゜ (
│ 崎 翌 席
p
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9
< : b
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肌
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P
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. .
A 1
P 0 p
OY
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Y P 帯>蔀亘菩 Y
p p
••
1
^ 0 ^
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.
.
01
11
e 1 1 '
︵ } ー
Q d ) 0
p ^ 0 p oY Y
0 ^
ハ
,•
O A 0 A 1
C は
から国内供給P
を差引いたものであり︑輸入需要の所得弾力性 として天野氏の分析に従うことにする︒偏向的な成長を構成す ないのである︒けれども︑ジョンソンは今︱つの論文︹1 3 ︺
でこ
の様な偏向的な場合について分析している︒しかし︑それは或
る農業国と工業国を仮定した特定の場合についてであって︑ま
( 4 )
た︑ジョンソンに珍らしく完全な数式化を行っていない︒天野
氏 ︹ 2.3
︺はこのジョンソン
l I
︹認︺と同じ偏向的な場合の経済成長が交易条件に与える効果の一般的な分析を行った︒以下主
るため両国が輸出財と輸入競争財の両方を生産する不完全特化
の場合を仮定する︒従って︑この場合一国の輸入
M
は総需要c
. .
O M 2 0
ー 雲
ー
(0 1
ー
!J
1d
1)
81R1
…•…
..
..
..
..
..
..
..
⁝
⁝
⁝
⁝
⁝
( 2
a
)
・ ・ ・
( 2 b )
︵き
ーや
S )
きき
ー︵
l h
1SJ
1<
11
)8
1R
1
' l / 1
+72
— 1
Rm
11
̲
さて︑この場合は不完全特化であるから一国において二財が
生産されているわけで︑その国の所得は輸出財の産出量
X
と輸入競争財の産出量
P
とに或るウェイトをつけて合計したもので︐: .1 =
) .
念 +
P
零この式から各種の偏向を次の様に定義しよう︒ここでヒック
スにない超偏向的という概念が出てくる︒
肌︒
0 p
翌 Y 1
J
1X
+PP
ある
︒
膝 審
一 三
薪 ︳
芸 H
審 已
ま ︱
n J 菩
函雲>嗣国菩
成長の場合における貿易収支や交易条件に与える効果が分析さ
れる︒その結果は次の表に示されるであろう︒なお︑この場合
440
要 す る に
、 わ れ わ れ は 以 上 に お い て
、 ジ ョ ン ソ
ンと
I
ジ ョ
ン 交 易 条 件
貿易収支
111+11•>1 I 1 1 1 五 <l
超輸出偏向的
61=01cr1
むくら
超輸入偏向的
が︑輸入偏向的な場合は 立
った
めに
は︑
i ] 1
十 さ
2>1
の条件︵交易条件に 当るわけであるが︑その時のヒックスの命題が成
対し
ての
み︶
の外
︑輸
出偏
向的な場合はき
V
!J
i<
11
き ^
! J 1 <
' 1
が仮定され
なければならず︑そうして︑超偏向的な場合にのみ完全にヒッ
クスの命題が成立つことが判るのである︒
ソン
I I
・天野の結果はヒックスの結果を複雑化し厳密化したも
のであり︑従つてそれらの結果の各弾力性に特定の値を仮定す の偏向的な成長の場合に 経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
はジョンソン
I
の場合と違つて貨幣所得従つて価格変化の効果の方は無視することにする︒すなわち所得効果だけを考えるこ
とにするのである︒
このジョンソン
J I
・天
野の場合は先のヒックス
説による限り︑両国の相対価格の変化と為替相場の変化とは等 の様な輸出供給︵対数値で表わされた︶函数を導入する︒そう
r"
互濾濡膨噂曲輌︵滋寿芦︶
P N
"
A
湾濡宦苓︵対澪蔀︶一様
成長
のジ
ョン
ソン
ー︹
︺の場合について︑建
1 2
元助教授はそれが輸出供給の価格弾力性無限大を仮定している
ことを指摘し︑輸入函数の外に
X 1 1 e ( r + p
ぃ︶
e
る霧圧
穿諮
S
甫苓湿辻寄︵滋澤齊︶して︑それを用いて次の様な﹁より一般化された﹂基本方程式
( 6 )
を作
成す
る︒
ー
r 翌
2 ( e 1 + e
ー
2
1
) +
e 1 e 2 ( ' 1 /
1
1)}.E!:̲+72
ーdt
︵ 予
e 2
) ︵ q 2 + S )
ぎ+ 桑 元 咤 ぎ ー 呉 託
︶
R 1
:·………
•(3
a )
この建元助教授の基本方程式はジョンソン
I
の基本方程式( 1
a )
に比べて
e 1
e 2
がはいつて一層複雑になつている外︑両
国の価格の成長率
T1
T 2 ・
が消
失し
て︑
その代りに為替相場の
成長率dr‑dtがはいつている︒しかし︑後者の点は購売力平価
ので
ある
︒
( 5 )
建元
︹
2 1
︺ ることによってヒックスの命題を容易に導き出せることを知る1 0
霧ン華瀬 e 茸苓嘩吐南汁渇寸 f
︒ )
この概念を見ると輸出供給の産出量弾力性が加っただけ今迄
と異る︒さて︑シートンは
I
国はX財を輸出しI l
国は財を輸y
る ︒
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
︵ 汁 祈 .
o .竺で︑呼
HH
汁 8
h t .
内 h ポ h 霧圧荒壼洋
g式だけ示すと次の様になる︒ き︑る要>謙湘0 渕寧埋辻席
( 3
a)に
おい
て︑
e 1 = ,
c e 2
1 1 8
とお
けば
︑
( 3
a)は
容易
にジ
ョ
ンソ
ン
I
の基本方程式( 1
a )
に全く一致する︒なお︑この基本
方程式
(
3
a)の第一項の係数はメッラーの為替安定条件であシートンは国際的構造
( I n t
e r n a
t i o n
a l ・ s
t r u c ,
t u
r e
)
という概念を提起して︑若干異なる方法でヒックス︹8︺
の価格変化が明確でない偏向的成長の場合と︑ジョンソン
I
︹12︺の価格変化を伴う一様的成長の場合とを綜合しようとす
る︒その国際的構造というのは世界市場におけるウェイトを表
わすものと思われるが︑相対所得弾力性という概念によって示
され
る︒
︐そ
れを
1国について示すと次の様である︒
< 1
181
︑ ︑
き︑
+忠
︑
̀
l h o
︑
1 1
S
︑+
8 2
︑01 0
︑1 1
S
︑る
奎圧
穿部
8
隈圧卿浬辻喋P"Y
淀 S
守囲宰77て寄遼
シー
トン
︹
2 0
︺ N= S 1 ( t 1 ,
-¾-)
1 1 D 2 ( t 1
. さy
ぶ︵ 斗
. さ
D i ( ‑
1 1
/ ; ‑ , f )
p
盲 t 1
7 ) H
国 0
冷珈冷字p "
碑甫苓
x
f ( I l l R l e ) 詈さx
7 て
塁 醤 各 ︵ 上 守
︶ "
Y 蕊
R "
x
淀 0
併蹄甫わす
︒
しいはずで二者択一的なものである︒
s4y7 て E
辻寄避刈 7 て寄速
1 0
三 e
ょ濾
黍渕
嘩
q "
Y
淀室苓右の輸出入函数をジョンソン
I
︹認
︺・
建元
︹2
1︺
の場
合と
比較
すると
t
は全く相対価格冗に一致するけれども︑6 ‑ q ︑
n ‑ P
は実質所得
Y
に近い概念であるということが出来てもyそのものではない︒さて︑これらの式から︑交易条件の成長率を求め
PN
よう︒また︑輸出率
T 1 1 1
│ │ 1 1
ードを作ってその成長率を
t i
q y y
求めよう︒その求め方は非常に面倒であるが︑結果の基本方程
︵︵
は成
長率
を表
わす
︒︶
ゃ
" ー 中 ゃ 函 ー
( 5
ふ
︶
+m 2
⁝ ⁝
⁝
( 4
a)
ゃ"ー
4i ー k 叫怜:·:·…………·… ••(4
b )
なお︑この基本方程式出するとして両国の輸出供給函数︑輸入需要函数を次の様に表
442
はそれらの相当する場合におけるヒックス・ジョンソン
In
の して第三の欄は輸入偏向的な場合にそれぞれ相当し︑その結果
,-,L ——~- ‑‑ ‑ ‑‑
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶
‑ 1
< J i
+
82
0 ' 2
+
01
+
S
︑十
き︑
S
︑+
81
︑
RI
I
A1
1き
10
︑ー
0'
10
︑1
10
20
︑ー
02 0 ︑
n1
1̀
1︑
き︒
︑+
き︑
S20
︑I
IS
2︑
ぎ1
0︑
+ 0 2 ︑ 0
' 1 0 ︑
S1
11
+̀
1+
d2
ー(
0'
1+
82
) 0 '
10
︑ー
(d
2+
0 1 ) 0
' 2 0 ︑
Q1
1R
H+
S ,
1 ,
( b
11
翡︵
旬1
1
的
1ー
ぎ︶
︑ j ヽ ノ
︑
` ノ ヽ ノ
︑ ー
/ ヽ ノ
a1
10
10
︑a
1+
02
oa
2,
/ J 1 1 0
10
/J
1 +
02
0P
2.
( 5 1
ー 即
2)
ヽ ノ
︑
︶ー
0'
1︑
02
0︑
(a
1ー
a2
)+
01
︑0
2 0 ︑
01
︑0
20
︑十
01
︑0
'2
0︑
A
このシートンの基本方程式は非常に複雑であるが
RSQ
がぃずれも正値をとることから︑貨幣所得の変化を伴う生産性の
上昇及び偏向的な生産性の上昇が
I
国の貿易収支や交易条件に( 7 )
及ぼす効果は次の表の様に求められる︒︵なお︑この場合の十
一は基本方程式
( Z
l (
t l
全体の値ではなくして︑
題とする項の部分的な値である︒︶ そのうちの問
いから︑厳密ではないけれども︑いままでの諸結果と比較して
みよう︒例えば︑シートンの表の第一の欄は
I
国の価格がn
国よりも低下する場合に︑第二の欄は輸出偏向的な場合に︑そう
プラ
ック
︹
6︺ そうして︑ヒックスの偏向的な場合と︑ジョンソンの場合との一応の結
易収支と交易条件に与える影響を分析した︒このブラックのモ
デルはヒックス︹8
︺や
ジョ
ンソ
ン
︹
I I
認︺
・天
野︹
2.
3︺
の場
合
プラックはまた少し異る方法で経済成長が貿
る ︒ どの様に異るかを正確に明らかにすることが出来ないのであ この結果は基本方程式の部分結果であって全体の結果ではなた基本方程式が余り複雑なため︑ジョンソン等の基本方程式と
給 の 産 出 量 弾 力 性 や 実
質所得に当る概念が)少し異るためへま
1
貿易収支!交易条件貨幣所得の増加が
I
国よJ>O
( り ^ ( ! ) I l >
国0
に)大きい場合J<O +
生産性デフレが輸入財よ
( り ^ a
輸>出f i ^
財)に大きい場合生産性デフレが輸出財よ
( り a "
輸<入/ 3 "
財)に大きい場合+ +
︵例
えば
︑輸
出供
用している概念が トンの場合は︑使 合
も 行 わ れ て い
る︒しかし︑シー 貨幣所得の変化の る
もの
では
ない
︒
結果と本質的に異
1 0
四
e 4 自 国
0
露圧痒諮0
宦苓奎辻宰さて︑この場合︑輸出率を
T(
11
5萎︶︑交易条件を
経済成長理論と国際貿易理論の交流︵山本︶ e a
H
国8 0
: 零詮穿帯含 苓 ・ 睾
! j J
喋
e2
"
H
国 0 零
I >
嘩湘〇甫苓宝
ij
寄 と同様︑偏向的成長を取扱うことが出来るモデルである︒また︑プラックは貿易されない国内財を導入し輸出入を国内財価格に相対的な輸出入価格の函数とし︑しかも対数線型函数として取扱っているが︑後者の点は建元︹
2 1
︺と同
じで
ある
︒ナ
す迂
わち
︑
n
国の輸入需要D x I
国の輸入需要︑D i
国の輸出供給出︑及I
︑び
n
国の輸出供給はそれぞれ次の様な函数として表わされ
S i
る︒
︵な
お︑
I
国の国内財価格を1とす
る︒
︶
D"
11
A1(P~)
ー`1D F 1 1
2 A
(P
,)
‑ ̀ 2
( r ) ̲
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1 1 A s
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1 1 A 4
( P ; )
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ゃ ~H 国 8 零忌淀甫荼. ptH 国 8 零 i) 造甫苓
H国
0
国互速宦荼‑r"
洒鳶濡肪噂曲差H国
0
II
国
0
国西速宦苓Ie 1
: l I
国
S 帯 > 識 漉 0
宦苓埋辻穿1 0
五
p 1 1
│
としよう︒前記の輸出入函数及び輸出入各々の需
や ︐
( p i )
給均衡の定義から︑
T
︑P
はそれぞれA i
︑ん︑
A S
︑ムの函数として求められる︒従つてそれから︑計算は省略するが︑輸出率
の成長率江及び交易条件の成長率
e P
は次の様に求められる︒これがプラックの場合の甚本方程式である︒
eT
11
yヽ ︹
︵ 罪 ︶
a︑ ー (
戸 ︶
Pヽ ︺ ← ︹
︵
ii
i)
a
ー (iii)P
〕+忠・・・………•し.
. .
.
︵
5
a)
ep11(R 杯い ooy) +(心十い 48) + ter· …… ••(5
b )
e 1 e 2
ー
8 3 8 4
t1 ー
e3
(1
18 1
ー)
e2
(1
+e
4)
ー
q —ー (81
+ e 8 e 2 +
84)•(1+e3)
(
82
+e
4)
1・
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1
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11
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︑
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0丹焙
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︒︶
先に述ぺた様に︑プラックのモデルは偏向的成長の場合も取