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Academic year: 2021

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論文の内容の要旨

氏名:

専攻分野の名称:博士(医学)

論文題名:

Lenalidomide

による悪性神経膠腫細胞株への抗腫瘍効果の検討

悪性神経膠腫は高度な増殖能と浸潤能を有する悪性の脳腫瘍である。手術、および

temozolomide

によ る化学療法と放射線治療を組み合わせた集学的治療にも関わらず、いまだに予後不良な疾患である。

Lenalidomide

thalidomide

誘導体であり、

thalidomide

の副作用を減らし抗腫瘍効果を高める目的で 開発された薬剤である。血液系の腫瘍に対して予後の改善効果が示され、現在の臨床現場で多く使用され ている。血液腫瘍に対する

lenalidomide

の抗腫瘍効果を検討した研究は数多くあるが、悪性神経膠腫に対 する

lenalidomide

の抗腫瘍効果を検討した報告は少ない。今回我々は、

lenalidomide

が悪性神経膠腫に対 する新規治療薬となる可能性があると仮説を立て、本研究を計画した。

Lenalidomide

の悪性神経膠腫に対 する治療効果を検証するために、悪性神経膠腫細胞株への抗腫瘍効果について検討を行った。

6

種類の悪性神経膠腫細胞株

(A-172

AM-38

T98G

U-138MG

U-251MG

YH-13)

を用いて、

lenalidomide

処理による細胞増殖抑制実験を行った。実験は

coulter counter

を使用して行い、生存細胞の 細胞数を計測した。

Lenalidomide

処理により、全ての悪性神経膠腫細胞株は濃度依存的な細胞増殖抑制効 果を認めた。

悪性神経膠腫細胞に対する

lenalidomide

の抗腫瘍作用の機序を検討するために、

A-172

AM-38

を用 いて

fluorescence-activated cell sorter (FACS)

による細胞周期分布解析と

apoptosis

誘導解析を行った。

また細胞周期停止と

apoptosis

誘導について評価する目的で、

Western blot

によるタンパク質の発現解析、

real-time quantitative reverse transcriptional polymerase chain reaction

による

RNA

の発現解析を行っ た。

細胞周期分布解析では、

A-172

AM-38

双方の細胞株において

lenalidomide

処理により細胞周期の停 止を意味する

G

0

/G

1期の細胞が増加していた。

Western blot

において

p53

のリン酸化の増加と

p21

発現の 増加が確認され、

RNA

発現解析で

p53

p21

の発現が増加していた。

Lenalidomide

は悪性神経膠腫細胞 の細胞周期を停止させる効果があることが示唆された。

一方、

apoptosis

誘導解析では外因系経路である

cleaved Caspase-8

の程度は

lenalidomide

処理によっ て変化しなかった。また、内因系経路である

Bax

の発現増加、

Caspase-9

Caspase-3

cleavage

が確認 されたが、最終的な

apoptosis

の実行を行う

cleaved poly [adenosine diphosphate - ribose] polymerase

Western blot

において確認されなかった。

FACS

による

apoptosis

誘導解析においても、

apoptosis

誘導 は認めなかった。この結果は、血液腫瘍に対する

lenalidomide

の抗腫瘍効果のメカニズムと異なっている 可能性が示唆された。

悪性神経膠腫細胞株において、

lenalidomide

は細胞周期を停止させることによる抗腫瘍効果を持つことが 示された。

Lenalidomide

は悪性神経膠腫に対する新たな治療戦略になり得ることが示唆された。

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