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岩手県 追補

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Academic year: 2021

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岩手県 追補

著者 編集部

雑誌名 植物地理・分類研究

巻 60

号 2

ページ 4

発行年 2013‑03‑01

URL http://doi.org/10.24517/00053492

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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3.岩手県 追補 編集部

(A) 植物誌

『岩手県植物誌』(岩手植物の会 1970)の改訂を 目指した調査が岩手県植物誌調査会によって行われ ているが,具体的な発行スケジュールは決まってい ない。フロラや県新記録,稀産分類群に関する情報 は,『岩手植物の会会報』『東北植物研究』『岩手県 植物誌調査会ニュースレター』によく掲載される。

また『北上市立博物館研究報告』『岩手県立博物館 調査研究報告書』『秋田県立博物館研究報告』にも 岩手県のフロラに関する研究が掲載されている。

(B) 研究機関

岩手大学人文社会科学部に植物生態学研究室があ り,森林や湿原,農村などに発達する植物群落を,

生育環境や人間活動との関係を中心に研究してい る。

同大農学部に森林保全生態学研究室があり,植物 と動物との相互作用,二次的植生,開発地における 自然再生などを中心に研究している。

岩手県立大学総合政策学部に環境政策講座の研究 室があり,進化生物学,保全生物学,植生学,景観 生態学の分野で研究活動が行われている。

盛岡市の森林総合研究所東北支所では,主に森林 生態学と林業に関連する幅広い研究が行われている。

岩手県環境保健研究センター地球科学部・自然環 境研究室では,希少な野生動植物の分布や生育状況,

保全と増殖に関する研究を行っている。2011年の大 津波による岩手県沿岸部の希少植物への影響や,減 少・消失の原因に関する調査結果がHP上で公開さ れている。ハヤチネウスユキソウやアツモリソウな ど希少植物の増殖法の開発にも成果を挙げている。

盛岡市の岩手県立博物館には1名の植物担当学芸 員が在籍し,県内フロラや絶滅危惧植物の調査を 行っている。

岩手県植物誌調査会は,2007年に岩手県植物誌 調査委員会として発足し2008年に名称変更した任 意団体で,「岩手植物の会」を中心に岩手県内の植 物愛好家と専門家が集い,『岩手県植物誌』の改訂 を目指して全県的な調査・普及活動を行っている。

会長は竹原明秀氏(岩手大学人文社会科学部教授)

で,岩手県立博物館の植物担当学芸員が事務局を務 め,月1回ニュースレターを発行している。

(C) 植物標本

2002年の本誌記事でも紹介されている陸前高田 市立博物館収蔵の植物標本が,2011311日に 発生した東北地方太平洋沖地震・津波により被災。

市職員と岩手県教育委員会・岩手県立博物館などが 中心となり海水や泥を被った植物標本15000点(蘚 苔類・地衣類を含む)を回収し,全国の博物館に修 復の協力を呼びかけた。その結果,北海道から福 岡県まで31の博物館等研究機関で被災標本の洗浄 と乾燥が行われ,全国の博物館が連携して標本救済 を行う初めてのケースとなった。さく葉標本につ いては現在,岩手県立博物館で台紙への再貼付が 進められ,また島根大学生物資源科学部秋廣高志 研究室の協力によりデジタル画像化が行われてお り,画像は同研究室のデジタル標本館で順次公開 さ れ る 予 定(http://tayousei.life.shimane-u.ac.jp/

harbarium/)。なお,被災した植物標本の回収率は

95%以上と見られている。

山田町立鯨と海の科学館には,故・吉崎誠東邦 大学名誉教授が収集し2010年に町に寄贈した約

80000点の海藻標本が所蔵されていたが,津波で大

半が流失した。回収された約13000点の標本は,現 在は岩手県立博物館に寄託され,整理中である。

『一関市植物誌』の著者である故・千田善喜氏の 収集標本が,御遺族から岩手県立博物館へ2007 に寄贈された。他に岩手植物の会・岩手県植物誌調 査会会員等からの寄贈もあり,同館の標本は整理済 27000点,未整理10000点となっている。整理 済み標本のデータは国立科学博物館が運営するサイ エンスミュージアムネットで公開されている。

(D) レッドデータブック

平成13年に発行された『いわてレッドデータブッ ク~岩手県の希少野生生物~』についての見直し 作業が完了し,20133月から概要とリストが岩 手県自然保護課のウェブサイトで公開されている。

2011年の大津波とその後の復旧工事等による影響 が危惧される海岸生植物を含め,新規追加されたも のが101種,カテゴリー変更されたものが128種,

削除されたものが34種で,合計621種が掲載され ている。平成25年度中に印刷物としてのレッドデー タブックが発刊される予定である。

(E) 植物群落

東日本大震災発生後,海岸植生の現状と保全に関 する様々な調査研究が行われている。たとえば,(公 財)日本自然保護協会による「東日本海岸調査」事 業では,市民調査による海岸植物群落調査などが実 施されている。詳細はウェブサイトhttp://tohoku.

ikimonomap.info/を参照。

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植物地理・分類研究 第 60 巻第 2 号 2013 年 3 月

参照

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