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群行動モデルを用いた最適配置問題の解法に関する基礎研究: University of the Ryukyus Repository

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Title

群行動モデルを用いた最適配置問題の解法に関する基礎

研究

Author(s)

長浜, 竜太; 遠藤, 聡志; 山田, 孝治

Citation

琉球大学工学部紀要(56): 95-100

Issue Date

1998-09

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12000/14747

Rights

(2)

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Dynamic agent arrangenlent using collective behavior model

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Abstract

The boid model proposed by C. Reynolds is one of the famous artificial life model and it performs the collective behavior in the computer world. To solve complex problems using multi-agent system, it is necessary to make coodinated behavior within each agent. Therefore we proposed the boid model based multi-agent system aand applied this system to the problem of dynamic agent arrangement. Furthermore we designed some computer simulations to investigate the characteristics of our system. The experimental results show that our system has the ability of environmental adaptation.

Key Words: Multi-agent system, Artificial life, Boid model, Collective behavior .

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長浜・遠藤・山田:群行動モデルを用いた最適配置問題の解法に関する基礎研究 96 1.低速,ルーヅンゲn球より辻し0ところ'二いもロゼr

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白のオ9イド仏 NewTanの計算式は(1)式で表すことができる. スピードアブプ ノVewTa狐=Tan+(CoPWejWxCOPg) +(Ceねteru,ei9htxCenter) 図3にBoidの行動決定アルゴリズムを示す. 住みのポUru スローダウン (1) 。、■クル・・ジン7厘ばょID正しOLころ↓ニいる凶⑭ 。 ( ̄孟房一〕

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T⑪'四VE向いている方向の単ロベクトJL coPTsab道にい0件因の閂6の甲位ベクトル cmLoz;8Vの中心0加均0の津位ベクトル w■TmEz衣】南O、何Us bcLLs函呵ごB各ギイドのスピード■ 山ロヒョ。」・亡竺~・早蜀クルージング田■ 図aBoidの行動決定アルゴリズム 3.動的配置問題 動的配置問題とは,動的に変化する環境の下で,各エー ジェントを如何に効果的に配置するかを決定する問題と捉 えることが出来る.本研究では動的配置問題の一例として タクシー配置問題を設定する.タクシー配置問題とは,不 規則に出現する乗客の存在する空間において,効率良く乗 客を極得するタクシー群を配置・運用し,出来るだけ多く の客を獲得することを目的とした問題と定義される. 3.1問題設定 本論文で扱うタクシー配置問題は,問題空間を2次元 トーラス空間として実現する.各々のマス目には客の出現 確率が与えられ,その出現確率に応じて客が出現・消滅を 繰り返す.客の出現中にタクシーエージェントがそのます 目を通過した場合,タクシーエージェントは客を獲得した ことになる. この問題では乗客の出現率によって様々な環境が設定可 能である.また時間変化を伴う出現確率を導入することで 動的問題環境を扱うことが可能になる.このような問題環 境の上で,タクシーエージェントはあらゆる状況に対応で

きるように常に周りのタクシーとの協調動作によって,動

的に変化する問題に対して,適応的に問題解決を行なうこ ことが要求される. 図4は,本研究で作成したシミュレータの環境画面で ある. 3.2タクシーエージェントの設計

一般にエージェントは以下のように定義される[51[61.

0エージェント(agent)

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金鮒………ご…

…三二二掌…

…。才二i)〉*

図2.Boidの単位ベクトルの導出 また,合成される各方向ベクトルに対して,その重要度 の度合を示す重みを与えることで,各エージェントの行動

決定パターンを調節することが可能である.例えば,現在

自分の向いている方向のTan以外の方向ベクトルである copyとCenterに00から1.0までのウェイトを設定する. copyのウェイト変数をCopyweight,Centerのウェイト 変数をCenterweightとすると,次のBoidの方向ベクトル

(4)

琉球大学工学部紀要第56号,1998年 97

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i 図5.タクシーエージェントの棡成

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3.2.1センサ入力 タクシーエージェントヘの入力は以下の4情報である. L現在の自分の位置と進行方向 2.他のタクシーエージェントまでの距離とその進行方向 3.群の中心の位置 4.タクシーエージェントの最多乗客獲得の場所 ここで,第1~3のパラメータはBoidモデルと同様であ る.また,第4の入力はBoidモデルに基づいたタクシー エージェントを設計する上で新たに導入したパラメータで ある.最多乗客独得ポイントへのバイアスを導入すること で,群行動により問題空間の全域をカバーしながら,客出 現頻度の高い領域で重点的に行動するマルチエージェント システムが実現されると考えられる. 3.2.2判断アルゴリズムと行動 判断アルゴリズムにより,各エージェントの次行動が決 定される.タクシーエージェントの判断アルゴリズムを図6 に示す. 本研究では問題空間としてグリッドマップを採用したこ とから,タクシーエージェントが移動できる方向は上下左 右の4方向に制限される.しかし,タクシーの中心の位置 への向きCenterや,新たに設定した客が頻繁に出現する 位置への向きBestは,上下左右の4方向で記述できない. ● 0 JDB ゛q, ■ ̄-T ̄ 。。÷- b il9 タクシーエーージェントの方向決定 22$ 図7. 4.計算機実験 4.3実験設定 タクシー配置問題に対して,設計したタクシーエージェ ントモデルを適用し,乗客獲得に関する計算機実験を行 なう. 計算機シミュレーションの目的は,以下の2点である. 、作成したタクシーエージェントの振る舞いの観測 ・乗客穫得状況の検証 本研究では,客出現頻度設定の異なる2つの実験を行なう. 両実験に共通する設定を以下に示す. ・実験空間:20×20のトーラス空間 lllllIllllllllllllll t LⅡ

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(5)

長浜・遠藤・山田:群行動モデルを用いた最適配置問題の解法に関する基礎研究 98 、エージェントの移動:上下左右の4方向に1stepで1マ ス移動可能 実験1では,客の出現するピークを図8のように-箇所 設定する.また,タクシーエージェントの基本的な振る舞 いを観測する目的から,戻るべき基地を-箇所設定した. また,実験2では、客の出現するピークを図9のように2 箇所設定した.実験2においても実験lと同様に戻るべき 基地を-箇所設定した. 客の出現率は,ピークのグリッドで10%,以下同心円状 に5%,2.5%,1%とし,それ以外のグリッドでは乗客出現 確率をOとした.乗客を獲得したエージェントは,一旦基 地に戻り,保持している自身の方向をリセットし,ランダ ムに新たな自身の向きを決定する.以後行動決定アルゴリ p、韓aIin」 V X ズムに従って行動する. 両実験に共通するパラメータ設定を表lに示す. 表1パラメータの設定 図9.実験2の客出現率設定 DC此1全ta_ひ300

y peakl-tia」

X 図10.0-300ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 出現頻度の高い領域への偏りが見られる.この段階におい てもまだ,客出現頻度がピークとなるグリッド座標を獲得 したタクシーエージェントは存在していない. 図12は,601~900ステップの各グリッドでの通過頻度 を示している.基地からピークの方向に向かっての行動が 多く見られ始めている.また,この段階で,客出現頻度が ピークのとなるグリッド座標を獲得したタクシーエージェ ントが2つ存在した.よって,この段階は,広域的な群行 … 。$907日DUG エ 和 回O⑪5■O5-IDI-15ロ15.2■2.25 回25.3■3-.5Dm5-4■4-45■45-5 図8.実験1の客出現率設定 4.4実験1の実験結果および考察 総ステップ数を1500とし,300ステップ毎( 上でのタクシーの通過頻度をグラフに示した. peakI・dBtq301-600 300ステップ毎の各グリット 図10はO~300ステップの各グリットでの通過頻度を示 している.エージェント通過頻度の集中が基地付近以外で は見られず、比較的広範囲でタクシーが行動していること がわかる.また,客出現頻度がピークとなるグリットの座 標を獲得したタクシーエージェントはこの時点では存在し ていない.このことから,このステップの間では,各エー ジェントは目的を持たない単なる群行動を行なっている段 階であると見ることができる.図11は,301~600ステッ プの各グリッドでの通過頻度を示している.0~300ステッ プのときと同様に,比較的広範囲でタクシーエージェント が行動している.しかし,最初の300ステップに比べて客 X 図11.301-600ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 客の出現から消滅までのステップ数 10 タクシーエージェント数 10 many-point 3 tanweight 065 copywelght 0.55 centerweigllt 0.85 bestweight 1.00

(6)

琉球大学工学部紀要第56号,1998年 99 に収束した段階とみなすことが出来る. これらのデータから,客出現頻度のピーク一箇所を固定 した環境設定の実験において,設計したタクシーエージェ ントモデルが群行動に基づく広域的探索行動から客獲得の 目的行動への移行が確認された. 次に各段階における乗客の独得率の推移を図15に示す. グラフは300step毎の客獲得率の推移を表している.エー ジェントの行動収束に伴い,客獲得率の上昇が見られた. この結果から,Boidモデルに基づくエージェントモデルに よる目的行動獲得が可能であると考えられる. PC畝1-dstq60I-900 y

IpI 采恩田得車の惟移 X 図12.601-900ステップでのエーージエントの各グリッド通過頻度 08 000 CO OH 動段階から客獲得の目的行動段階への移行段階と見ること ができる.図13は901~1200ステップの各グリッドでの 通過頻度を示していろ.基地からピークの方向への行動の 収束が見られる.この段階で,ピークのグリッド座標獲得 エージェントは5であった. 且00 客 HoH I6 罪09 O19 DO O■ kis⑥ki凸土tq901-1200

い、0が奴⑪酎無0U団・I榊1901・HUGO 300ステップこと0,ステップ8t 図15.各段階における乗客獲得率の推移 4.5実験2の実験結果と考察 総ステップ数を1000とし,200ステップ毎の各グリット 上でのタクシーの通過頻度をグラフに示した. pU韓2.陣●kDQZOO 図13.901-1200ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 ped8L申tB-1201-l500 y y 図16.0-200ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 図16はO~200ステップの各グリッドでの通過頻度を示 している.グラフでは部分的にピークへの収束が起こって いるように見えるが,客出現頻度のピーク座標を獲得でき たタクシーエージェントは存在していない.よって,この 段階は目的を持たない群行動を行なっている段階であると 考えられる. 図17は200~400ステップの各グリッドでの通過頻度を 示している.基地近辺以外での行動の収束は見られない. また,比較的広範囲での行動がみられる.この段階で,客 X 図14.1201-1500ステップでのエージェントの各グ'ノツド通過頻度 図14は1201~1500ステップの各グリッドでの通過頻度 を示している.基地とピークの方向への完全な行動の収束 が見られる.ピーク付近での衝突回避行動が頻繁に見られ, また,すべてのタクシーエージェントが客出現頻度がピー クとなる座標を獲得した.よって,この段階で,目的行動

(7)

100 長浜・遠藤・山田:群行動モデルを用いた最適配圃問題の解法に関する基礎研究 が右下のピーク座標を獲得していた.この段階は,右下の ピークに向かう行動収束の初期段階であるとみなすことが 出来る.図20は801~1000ステップの各グリッドでの通過 〆●8匁D■U価□ ̄C◎ 戸△2)⑪凸□⑩0,口 T ▼ 023▲00『、BIO1IOrIDOOPOUOO700U9扣 ■ 図17.201-400ステップでのエージェントの各グリッドjln過頻度 出現頻度のピーク座標を狼得したタクシーエージェントは 存在していない.よって,目的を持たない群行動を行なっ ている段階であると考えられる. 図20.801-1000ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 頻度を示している.この段階では,最短経路での右下ピー クへの行動収束が見られた.このとき7エージェントが右 下ピーク座標を獲得していた.一方,左上のピーク座標を 獲得したタクシーエージェントは最終ステップまで存在し なかかった. 5.むすび 本研究では,群行動モデルであるBoidを動的配置問題 の解決手段として取り上げ,動的配置問題の一例であるタ クシー配置問題に適用した.また,設計したBoidモデル に基づくタクシーエージェントによる計算機実験を行ない, 群行動モデルの振る舞いの観測と検証を行なった.実験か ら,Boidに基づく群行動モデルでは,単純な問題環境に 対しては,広域探索的な群行動から目的行動への移行とい う,マルチエージェントシステム構成に不可欠な動的配置 の性質を示した.一方で,2-ピーク実験のような複雑な環 境では,群行動の性質が行動の局所収束を招く場合がある ことが確認された.このような問題に対して,群の重心計 算などの拡張による群分割法の導入などが今後の検討課題 である. 謝辞 本研究の一部は,財団法人テレコム先端技術研究支援セ ンターの支援により実施した. p・公2よわいHCDGnO 図18401-600ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 図18は401~600ステップのステップの各グリッドでの 通過頻度を示している.この段階では,グラフ右下の客出 現頻度のピーク座標への行動が確認された.また,そのピー ク座標を猶得したエージェント数は1であった.図19は 戸■2.t■cLmO-鋪0 7 文献 LSttepIMmArtificialLi化:TheQuestlbrNewCrc. ⑧tion,PantIleon、1992. RどynoldsIC.W・Flockg0Herds,mudSchools,ADistribuLed BehavioralModel,ComputerGTaphics1Vo1.21,No.4,1987. RUDYRUCKER著者日暮雅通山田和子共訳ルーデイ・ラッ カーの人工生命研究室onWindowsl996、 上田完次下原勝愈伊庭斉志人工生命の方法―そのパラダイムと 研究鼠前線-,工業鯛盃会,1995. 広田鷲知能工学概騰,昭晃堂1996. s・RusselIlP・NoTvig,Artificiallntelligence-Amodernnp‐ proach‐,PrenticeHalllnc.,1995. 服部佳人工生命の世界オーム社1994. ---11-- 1234567 ------1 Ⅱ 図19.601-80(〕ステップでのエージェントの各グリッド通過頻度 601~800ステップの各グリッドでの通過頻度を示してい る.この段階では,基地とグラフ右下の客出現頻度のピー ク座標への行動収束が見られる.このとき3エージェント

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