染色体不対合による箆麻の不対合現象

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(1)九州大学学術情報リポジトリ Kyushu University Institutional Repository. 染色体不対合による箆麻の不対合現象 片山, 平 九州大学農学部植物育種学. https://doi.org/10.15017/21268 出版情報:九州大學農學部學藝雜誌. 14 (1), pp.1-6, 1953-02. 九州大學農學部 バージョン: 権利関係:.

(2) 第14巻. 九州大學農學部學藝雑誌. 第1審. 昭 和28年2月. 染色体 不対合 による箆麻 の不対合現象 片. An asynaptic. 山. caster-oil. plant. Taira. 平". (Ricinus. 箆 麻(RicinaseommunisL.)の. (1937),長. 染 色 体 数 はN6mex(1910),Suessenguth(1921) し て 報 告 さ れ て ゐ る.Richharia 謂 ご 次 対 合 な る 現i象の あ る こ. 此 の 植 物 は5を. の ゲ ノ ム 構 成 は,AAABBCCDDEで に,箆. ・20と. 田(1946,1949)は,所. と を 報 告 し,又Richharia(1937)は. 筆 者 は,1944年. 言. に よ つ て,n=10,2n・. 尾 及 び 真 島(1941),栗. 体 を 見 出 し,こ. L.). Katayarna. 1.緒. 及 びTaylor(1926)等. communis. 基 本 数 とす る 二 次 的 倍 数 体 で,そ. あ る と し て ゐ る・ 麻 栽 培 中 た ま た ま 高 度 の 不 稔 現 象 に よつ て 特 色 づ け られ た1個. の 個 体 に 於 て 下 に 述 べ る 如 き染 色 体 不 対 合 の 起 つ て 居 る こ と を 確 め た ・. IL材. 料. 倉 敷 市 農 会 が 一 般 へ 配 布 し た 箆 麻 種 子(産. 地 並 び に 品 種 名 不 明)に. り大 原 農 業 研 究 所 圃 場 で 系 統 分 離 を 行 つ てい た が,1944年. つい て,1942年. に そ の82系. 統384個. よ 体 中に. 1不 稔 個 体(No.81‑3)を. 発 見 し た ・ 本 観 察 は こ れ に つVsて 行 は れ た もの で あ る・ 対 照. と し て は 同 系 統(No.81)に. 属 す る正 常 個 体(個. .形. 系 統No.81は. 青 茎,有. 従 つ て 果 穂 は 下 垂 し,枝 100粒. *旧. 姓 杉本 .. び. に 性. 状. III. 蝋 で 茎 は稍々 細 く横 張 性 で あ る ・蒴果. 最 も重 く,31.949に. も の が 多い),種. 不 稔 個 体(No.81‑3)と. 並. 用い た ・. もや 瓦下 方 に 轡 曲 し て ゐ た ・ 種 子 は 稔. 重 は 栽 培 せ る82系統中. で25〜279の. 態. 体 数4本)を. 達 し(そ. は 有 刺 で 硬 く且 つ 重 く, 扁 平 に し て 大 き く,そ. の. の 他 の 系 統 は21・17〜28・049. 子 は 濃 茶 褐 色 を 呈 し て ゐ た.. 正 常 個 体 との 諸 特 性 はTable1に. 明 らか な る 如 く,不 稔 個 体 は.

(3) 2. Table1.Comparisonbetweellnormalandsterileplantof caster‑oilPlant(Ricinusco〃1〃mnisL.),1944.. N:Normalplant.S:Sterileplant.. 正 常 個 体 に比 して草 丈 は 僅 か に高 く,分 枝 数 及 び 全 花 穂 数 は 夫 々約30%増 し,蒴果 数 及 び 種子 数 は夫々 正 常 個 体 の3及 び1%に 後 代 を検 定 す るた め,得. られ た 種 子4粒 IV.細. す ぎす著 しい 不 稔 性 を示 した.そ の. を翌 年 播 種 した けれ ど も未 発 芽 に終 つ た. 胞. 学. 的 観. 察. 観 察 は 凡 て花 粉 母細 胞 に つい て の み行 つ た.固 定 は カル ノア液 を用い,ア 染 色 の"な す りつ け法"に. セ トカ ー ミン. よつ た.. 〔正 常個 体 〕:移 動 期 の母 細 胞 で は10ケ 1),や. した の に対. の 二価 染 色 体 が 核 内 に分 散 して ゐ るが(Fig・. が て 之 等 二価 染 色体 は一 平 面上 に な らび 核 板 を形 成 して 中期 とな る.こ の時 の 各. Figs.1・‑4.Pollenlnothercellsofnormalplantin Ricinus%s60〃z〃zunisL. 1.Diakinesis,showing1011.2.MetaphaseI,showing1011. 3.MetaphaseII.4.AnaphaseII..

(4) 3. 染 色 体 は 小 球 状 を 示 し,殆 後 期,終. 期,第. ん ど 同 大 で 形 態 的 に 区 別 す る こ と は 困 難 で あ つ た(Fig.2).. 二 分 裂 及 び 四 分 子 を 通 じ て 異 常 は 見 られ な か つ た(Figs.3及. び4).ア. bカ ー ミ ン で 染 色 され る 花 粉 を 正 常 と 見 徹 し て 正 常 花 粉 率 を 調 べ た と こ ろ94.62%を し,そ. セ 示. の 人 い さ も 略 ζ 均 一 で あ つ た.. 〔不 稔 個 体 〕:移 動 期 及 び 中 期 で は20ケ 及 び8),稀. に1〜3個. 極 め て 稀 に5〜6個. の 一 価 染 色 体 が 数 へ られ る 場 合 が 多 く(Figs.5. の 二 価 染 色 体 を 混 在 す る 場 合 が 観 察 され た(Figs.6,9及 の 二 価染色体. を 形 成 す る 核 板 に 遭 遇 し た が(Figs.7及. Figs. 5-11. Pollen mother cells of a sterile plant (No. 81-3) Ricinus communis L., showing various irregularities. 5-7. Diakinesis, showing various numbers of bivarents . 5. 20i. 6. 111+181. 7. 611+81. 8. Polar view of metaphase I, showing 20j. 9. 111+181. 10. 3n+14i. 11. 5ii+101.. び10). び11),10ヶ. in. の 二価 染 色 体 を形 成 した 場 合 は観 察 出来 なか つ た.後 期 及 び 中 間期 に於 て は,紡 錘体 上 に 若 干 の 遅 滞 染 色 体 が 数 え られ(首igs.12及. び13),更. 減 数 に 由 来 す る退 行 現 象 が見 られ た(Fig.14).第. に極 く稀 な異 常 と して 第 一分 裂 の非 二分 裂 中期 に於 け る染 色 体 数 は 不定 で. あつ た.叉 四分 子 相 当時 期 に一 分 子,二 分 子,三 分子,四 分 子,五 分 子 〜 八 分子 等 の所 謂 多 分 子 が 見 られ た.夫 等 の 頻 度 はTable2に. 示 す 如 く,285個. る四分 子 は(ア セ トカ ー ミン に よ く染 ま り,各 小 胞子 の大 き さ晦 常 の ない もの)32.28%で,残. り67.71%は. 中外 観 上 正 常 と思 はれ 等 し く,且 つ 形 状 に異. 種 々の 異 常 分 子 で あ つ た.斯. た 花 粉 の 中,正 常 と思 はれ る もの は 僅 か4.54%に. す ぎ なか つ た.. くし て生 成 され.

(5) 4. Figs.. 12-15.. Pollen. in Ricinus 12. Late. mother. communis anaphase,. cells. showing. 14. Regression.. 15. Cytokinesis,. and. instead. 2 laggards. of a sterile. L., showing. plant. various. laggards.. 13.. showing. (No. 81-3). irregularities. Interkinesis.. 6 micronucleus. of 4 micronucleus.. Table 2.. The frequencies of PMCs in sporads stage of caster-oil plant (R. communis L.), 1944.. V.総 1944年,系. 統栽培中の. 不 稔 の 原 因 は,そ. 括. 箆 麻 に 偶 発 し た 高 度 の 不 稔 性 を 示 し た1個. の 細 胞 学 的 観 察 の 結 果 か ら,既. 体(No.81‑3)の. に 述 べ た 如 く,染 色 体 不 対 合 に 由 来 す る. もの で あ る こ と が 明 か に さ れ た. こ の 不 稔 個 体 の 遺 伝 様 式 は 明 か に す る こ とが 出 来 な か つ た け れ ど も,染. 色 体 不対 合 に よ. る 不 稔 現 象 に 関 す る従 来 の 研 究 結 果(Blakeslee,1928;Schwemmle,1928;Beadle, 1930;Clausen,1931;Ekstrand,1932;片. 山(杉. 本),1953)等. か ら類 推 し て,こ. 稔 個 体 も 又 単 因 子 の 劣 性 比 に 分 離 す る もの で は ない か と考 え られ る.. の不.

(6) 5. 本 研 究 は大 原農 業 研究 所 在職中に 開 始 され た もの で,当 時終 始 指 導 と激 励 を与 へ られ た 前 所 長 近 藤 博 士 に 対 し,叉 草 稿 の校 閲 を賜 つた 永 松 助教授 に対 し深二 薩な る謝 意 を表 す る.. 文. 献. Beadle,G.W.1930.GeneticalandcytologicalstudiesofMendelianasynapsisinZea mapts.CornellUniv.Agr.Exp.Sta.Memoir,129:1‑23. Blakeslee,A,F.1928.(notitle)QuotedinCarnegieInst,Washington,Yearbook,27 :42. Ekstrand,H.1932.EillFallvonerblicherAsyndesebeiH「ordeum.Svensk.Bot.Tidskr. 26:293・‑302. Clau,e隷,RE.1931.Inh・rlt。nceinNic・tianat・bacttm.XI.Th・flut・dassembl・g・.. Amer.Nat.65:316‑331. 片 山(杉. 本)平,1953.原. 就 い て,II.(九. 子 爆 弾 に 依 り誘 発 さ れ た エ ピ ス グ サ(CassiaToraL.)の. 大 農 学 部 芸 雑 誌 に 発 表 予 定).. 木 原 均 ・山 本 幸 雄 。細 野 重 雄,1931.植 栗 田 正 秀,1946.ヒ '!1949.ト. 物 染 色 体 数 の 研 究.(東. マ に 於 け る 染 色 体 の 二 次 対 合,遣. 盛 永 俊 太 郎,1947.栽. 培 植 物 と倍 数 性,農. 京).'. 伝 学 雑 誌,21:63.. ウ ゴ マ に 於 け る 染 色 体 の 二 次 対 合,染. 永 松 土 己,1949.原. 不稔現象 に. 色 体,5‑‑6:225‑‑226.. 学 綜 報 第1集(倍. 数 性).(東. 京)・. 爆 地 で 採 種 し た 染 色 体 不 対 合 に よ る 不 稔 性 ハ ブ ソ ウ の 細 胞 遺 伝,遺. 伝 学 雑 誌,. 24:46. 長 尾 正 入 ・真 島 勇 雄,1941.箆. 麻 に 於 け る 染 色 体 排 列,植. 物 及 動 物9,10;329‑330・. Richharia,RH1937.AnoteonthecytogeneticsofRicinuscommunisL.lnd.Jour. Agric.Science7. Schwemmle,J.1928.GenetischeundzytologischeUntersuchungenanEu・Oenothera. 1.Jahrb.f.WissenschaftlicheBot.67:849‑876.. Résumé The morphological. and cytological. (No. 81---3) discovered 1944. Total. number. cent more than number. spontaneously. of branches that. of capsules. observations among. and strobils. of the branches. were. 384 caster-oil. of the sterile. and the strobils. and seeds produced. by the. done on a sterile. sterile. plant. plants. plant. grown. was about 30 per. of normal plant. plant.. roughly. The corres-. ponded to 3 and 1 per cent respectively of that of the normal one. It was observed that the sterility of the sterile plant was concerned asynapsis. of the chromosomes.. 6 , were counted. at diakinesis. such as the lagging anaphase. Various. and metaphase. chromosomes. I and interkinesis.. numbers. Tetrad. and the. of bivalent I. Irregularities. regression,. formation. of the. were sterile. in. chromosomes,. with 0 to. of the division, also plant. observed was. at very.

(7) 6. abnormal;. consequently. percentage. to 4.54 per cent as compared. of normal. pollen. grains. with 94.62 per cent for the. was reduced. normal. plant.. only.

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