1.はじめに
全国の景気動向をみると前年に比べ回
復傾向にあるが、地方経済まで浸透して いないのが現状である。この中で賃金は、2008年以降、ゆるやかな上昇傾向にある。
しかし、沖縄県の賃金は、2013年平均で
22万3千円であり、全国平均29万6千円
の約75%と全国都道府県中第46位となっ ており、一人当たり県民所得と同様、下 位に低迷している。また、県内の産業間 でみても賃金格差が存在している。この ような賃金格差の要因として何があるの だろうか。1人当たり賃金は労働生産性 と労働分配率に分解できるのだが、県内 企業について、経営的視点から収益構造 を分析した研究では、労働分配率の低さ、労働生産性の低さが指摘されている。
そこで、本稿では労働生産性に着目 し、その要因分析を行った。労働生産性 は通常1人当たり付加価値額が用いられ
るが、労働生産性には、県内産業の特性 が反映されていると想定されるからであ る。つまり、産業構造、就業者数など地 域に賦存する要因と企業規模、年齢、学 歴、離職率など統計的に把握できるよう な労働の質的条件、あるいは労働者の能 力・スキルといった把握できない要因な どが考えられ、これらは沖縄県の産業が 持つ特性を色濃く反映していると考えら れるのである。本稿では、労働生産性を 決める要因を主に労働の質的側面から分 析し、それを通して沖縄県の産業の特性 を明示しようと試みた。労働生産性の要 因が抽出できれば、生産性向上のための 対策としての戦略が図れると期待され る。また、それが県民所得の向上にもつ ながり、沖縄県の政策にも貢献できよう。
本稿の内容は生産性を決める要因は何 かという問題設定にもとづき、分析・検 討を進めたものである。
まず、沖縄県の企業の特性についてそ
労働生産性から見た沖縄県産業の特性分析
Analysis on the Characteristics of Industry in Okinawa Viewed from Labor Productivity
名嘉座 元 一
Hajime Nakaza
目 次 1.はじめに
2.県内企業の特性
3.労働生産性、労働分配率からみた企業特性 4.生産性格差と労働の質に関する実証分析 5.地域間比較による県内産業の特性 6.まとめ
の概要を述べ、低い賃金の要因として労 働生産性があることを賃金の要因分析か ら導き、その労働生産性について、全国 都道府県別データをもちいたクロスセク ション分析によって、労働生産性を決定 する要因を分析した。最後に生産性から みた県内産業の特性を全国との比較にお いて明らかにし、生産性向上のためのい くつかの提案を提示した。
2.県内企業の特性
ここでは、県内企業の特性について概 観する。
⑴ 事業所数、従業員数、経営組織、
企業規模
沖縄県内の事業所数は2011年(平成23 年 ) で62,997件、 従 業 員 数 は514,802人 となっている。表1は県内企業の特性を 示すため、全国との比較でみたものであ る。まず、経営組織別にみると、沖縄県 は個人企業が58.5%と約6割近く、全国 の52.7%に比し多い。また、1事業所当 たりの従業員数は8.2人、付加価値額は
2,926万円となっているが、いずれの数
値も全国と比べると小さい(全国は事業 所当たり従業員数10.2人、付加価値額5,324 万円)。特に付加価値額は全国の約半分で ある。さらに、従業員規模別では、1~4人が63.5%と大半を占めており、300人 以上は0.1%でしかない。全国は、1~4 人は58.8%であり、5人以上100人未満で は沖縄県の構成比を上回っている。
このようにみると、沖縄県の事業所は、
個人企業を中心とした中小零細企業が大 きな割合を占めており、従業員数や付加 価値も小さいことが分かる。
⑵ 開廃業率
また、沖縄県の事業所の大きな特徴と して高い開業・廃業率が挙げられる。沖 縄県の開業率は、
10.9%で全国一高い(全
国平均6.4%)。また、廃業率も8.2%で これも全国一高い(全国平均6.5%)なお、ここで開業率・廃業率は2004年~2006年 の年平均開業・廃業事業所数/
2004年
時点の事業所数である(中小企業庁「2010 年版中小企業白書」)。第2位が東京、第 3位が大阪であることを考えると、沖縄 は都市部並に産業の新陳代謝が激しくベ ンチャー企業の起業など活性化が進んで いるといえそうであるが、そうではなく、①家族の支援が得られやすい ②起業意 欲の高さ ③高失業率が要因であると考 えられる(沖縄振興開発金融公庫調査部
「県内の新規開業の現状と創業支援調査」
2000年)。廃業の理由の多くが過小資本
であることから、それが生産性の低さに 影響を与えていると推察される。表1 県内企業の特性
沖縄 全国
実数 構成比 実数 構成比
事業所数 62,977 - 4,128,215 -
従業員数 514,802 - 55,837,252 -
経営組織
個人経営 41,829 58.5 2,175,262 52.7
法人 25,813 40.0 1,952,953 47.3
1事業所当たり 従業員数
8.2 - 10.2 -
1事業所当たり
付加価値額(万円) 2926 - 5,324 - 従業員規模別
事業所数
1-4人 39,885 63.5 3,196,052 58.8 5-9人 11,688 18.6 1,078,187 19.8 10-19人 6,396 10.2 628,403 11.6 20-29人 1,999 3.2 221,617 4.1 30-99人 2,338 3.7 247,681 4.6 100-299人 381 0.6 48,694 0.9 300人以上 84 0.1 11,952 0.2
資料出所:「平成24年経済センサス」沖縄県
⑶ 賃金
県内企業の平均賃金をみると、所定内 賃金(残業代を含まない賃金)は、22 万3千円であり、全国平均の29万6千円 とは7万3千円の差がある。また全都道 府県ランキングでは下から2番目となっ ている(「毎勤統計年報2012年」より)。
このように全国平均に比べ賃金の低い ことが沖縄の特徴であるが、県内企業間 の格差も大きい。賃金を産業別にみたの が、図1である。それによると「宿泊業、
飲食サービス業」が最も低く11万3千円
で全国平均とは18万円以上の差がある。
次いで「生活関連サービス業」となって いる。最も高いのが「電気・ガス・熱供 給・水道業」の36万円であり最も低い「宿 泊業、飲食サービス業」とは約3倍の差 があり、産業間の格差もかなり大きいも のとなっている。
⑷ 労働生産性
このように県内企業は全国平均に比べ 賃金が低いのだが、これに対応して生産 性も低いことが予想される。図2は生産
511-111 461-111 411-111 361-111 311-111 261-111 211-111 61-111 1
348-619 348-619
294-778 294-778
362-354 362-354 471-321 471-321
292-28:
292-28:
275-::5 275-::5
366-792 366-792
2:4-522 2:4-522
368-64:
368-64:
224-465 224-465243-719243-719
3::-368 3::-368
33:-364 33:-364 339-528339-528
252-176 252-176
資料出所:沖縄県「毎月勤労統計年報」
図1 産業別賃金(2012 年)
資料出所:沖縄県「県民経済計算」、内閣府「国民経済計算」
図 2 沖縄と全国の生産性
0 20 40 60 80 100 120 140 160 180 200
0 100 200 300 400 500 600 700 800 900
2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 沖縄 全国 差(右目盛)
性について全国との比較でみたものであ る。2011年で沖縄の労働生産性(名目県 内総生産÷県内就業者数)は613万円となっ ており、全国(753万円)とは140万円の 差がある。2001年から生産性は低下して おり、全国との差も177万円~140万円で 推移しており、縮小する傾向は窺えない。
3.労働生産性、労働分配率からみた企 業特性
ここでは、県内企業の特性をみるため、
労働生産性と労働分配率について全国と 比較しつつ検討する。
生産性と分配率について分析する前 に、1人当たり人件費をみる。1人当た り人件費は企業の収益構造において、人 件費を従業員数で除したものである。な お、データの出所は「中小企業基本実態 調査」(中小企業庁)である。この調査 では都道府県別に概ね300人以下の中小 企業の収益構造を公表している。ただ
し、サンプル数の関係から地域別に、産 業別・企業規模別のデータは示されてい ない。
図3は同調査により1人当たり人件費 の推移をみたものである。2011年で沖縄 県は168.5万円に対して全国は210.5万円 と42万円の差がある。2007年では22.7万 円の差であったのが2010年を除きその差 は拡大している。
1人当たり人件費は以下の式で示され
るように、労働生産性と労働分配率の積 に分解することができる。1 人当たり人件費 人件費 平均従業員数
= 付加価値額 平均従業員数
人件費 付加価値額 (労働生産性) (労働分配率)
×
労働生産性とは、労働者1人当たりで どの程度の付加価値を生み出すのかを示 す指標であり、この数値が大きいほど生 産性に優れ効率的であるといえる。労働 分配率は、付加価値額の中に占める人件 費の割合を示す指標である。なお、付加 図3 1人当たり人件費の推移(全国、沖縄)
資料出所:中小企業庁「中小企業実態調査」
価値額は企業の収益(いわゆる純利益)、
地代・賃貸料、配当金、人件費で構成さ れる。1人当たり人件費がほぼ賃金に相 当すると考えると、この2つの指標の貢 献度をみることによって、1人当たり賃 金の低さの要因を分析することができ る。図4はこの2つの指標の推移をみた ものである。
労働生産性は2010年で、沖縄県が29万 円にたいし、全国は30万5千円となって
いる。また、労働分配率は、沖縄県の0.61 に対し全国は、0.71となっている。2011 年で労働分配率が急激に上がっているが この要因についてはよく分からない。お そらくサンプル数の関係もあるかもしれ ない。いずれにせよ沖縄県は、全国に比 べ労働生産性は低い。これが沖縄県の賃 金が低い大きな要因として考えられる。
より明確に労働生産性の要因を分析す るため、1人当たり人件費を労働生産性
資料出所:図3に同じ
図4 労働生産性と労働分配率の推移(全国、沖縄)
図5 1人当たり人件費(対数値)の全国平均との差とその要因分解
資料出所:図3に同じ
(注)1人当たり人件費=労働生産性×労働分配率の関係から両辺の自然対数をと り、全国平均との差を労働生産要因と労働分配率要因に分解した。
ln (1人当たり人件費)=ln(労働生産性)+ln(労働分配率)
0.5 0.6 0.7 0.8 0.9 1
0 50 100 150 200 250 300 350
ປാ⏕⏘ᛶ 䠄Ἀ⦖䠅 ປാ⏕⏘ᛶ 䠄ᅜ䠅 ປാศ㓄⋡
䠄Ἀ⦖䠅 ປാศ㓄⋡
䠄ᅜ䠅
-0.30 -0.25 -0.20 -0.15 -0.10 -0.05 0.00 0.05 0.10 0.15
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要因と分配率要因に分解し、地域別にみ たのが図5である。
地域ブロック別にみると、1人当たり
人件費が全国平均以上なのは関東と近畿 であり、それ以外の地域は平均以下と なっている。沖縄は最も全国平均とのか い離が大きく、その要因のかなりの部分 は労働生産性要因である。労働生産性が 1人当たり人件費の押し下げ要因となっ ていることが分かる。北海道などの他地 域をみても、全国とのかい離の大半は労 働生産性要因であることが分かる。これは、1人当たり県民所得格差の視 点から分析することもできる。沖縄県の 1人当たり県民所得は2011年度で202万 円と全国最下位であり、全国平均(273 万円)と約70万円の差がある。
1人当たり県民所得は、所得生産比率、
労働生産性、修正就業率の3つの要因に 分解することができる。この3つの要因 の寄与度をみることによって、どの要因
が県民所得格差に大きく影響を与えてい るのかを分析することができる。
県民所得
県内総人口= 県民所得 名目県内総生産
名目県内総生産 県内就業者数
県内就業者数 県内総人口
(所得生産比率) (労働生産性) (修正就業率)
ここで、修正就業率としているのは、
就業者を15歳以上人口で除した通常の就 業率の定義とは異なるためである。
2011年の都道府県別に1人当たり県民
所得の全国平均との差を労働生産性、修 正就業率、所得生産比率に分解した計算 結果が図6に示されている。それによる と、1人当たり所得が全国平均を上回っ ているのは東京を始めとする5地域であ り、東京は生産性要因と就業率要因が1 人当たり県民所得を押し上げている要因 であるが、他の4地域は就業率要因が押 し上げの要因となっている。1人当たり 県民所得が全国平均を下回る地域はその 多くが労働生産性要因によるものとなっ ている。沖縄県はすべての要因が押し下げ に働いているが、その中でも労働生産性要
-0.6
-0.4 -0.2 0 0.2 0.4 0.6
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図6 都道府県別1人当たり所得(対数値)の全国平均との差とその要因分解
資料出所:内閣府「県民経済計算」より作成
(注)ln(1人当たり県民所得)=ln(所得生産比率)+ln(労働生産性)+ln(修正就業率)
因が大部分を占めていることが分かる。
これまでの分析結果から、沖縄県の賃 金や所得の全国との格差要因として労働 生産性が大きな要因であることが分かっ た。労働生産性は生産の効率性や企業の 収益性に関わる重要な指標であり、これ を引き上げることが地域戦略として重要 になってくる。
次にこの労働生産性についてさらに分 析を深めることにしよう。図7は労働生 産性を都道府県別にみたものである。沖 縄県は最下位となっており、これは全国
トップの東京都の約半分以下(0.45倍)
である。下位グループには宮崎県、鹿児 島県などがあるが、これらは沖縄県を含 め1人当たり県民所得でも下位を形成す る地域である。
また、労働生産性は産業別でも格差が
ある。図8は沖縄県の産業別の労働生産 性をみたものであり、それによると、「電 気・ガス・熱供給・水道業」が最も高く、次いで「金融業・保険業」、「情報通信業」
と続いている。特に前の2つの産業が突 出しているのが特徴となっている。最も
3.1 2.8 16.4
6.5
2.4 2.9 9.1
3.1 3.4
1.2 2.5 2.3 3.5 4.0
1.9 0.0
2.0 4.0 6.0 8.0 10.0 12.0 14.0 16.0 18.0 0 1 2 3 4 5 6 7
図7 都道府県別労働生産性(2012年)
資料出所:総務省「経済センサス2012年」より作成
(注)ここでの労働生産性は1人当たり付加価値額である。
資料出所:図7に同じ
図8 沖縄県の産業別生産性(2012年)
労働生産性が低いのは「宿泊業、飲食サー ビス業」であり、「電気・ガス・熱供給・水 道業」はこの産業の約14倍の大きさとなっ ている。このように県内産業でも大きな生 産性格差が生じていることが分かる。
4.生産性格差と労働の質に関する実証 分析
これまでの分析でみてきたように、県 内企業の特性として、労働生産性が低い ことが示された。それが、県内企業の低 賃金や県民所得を低めている要因である ことが分かった。そこで、ここでは労働 生産性について全国データを用いた統計 分析により考察を深めていくこととする。
⑴ モデルの考え方
労働生産性は、従業員一人当たりでど の程度企業の収益に貢献しているのかを 示す指標である。そのため、労働者の質 や労働環境の影響も受けると考えられる。
このような労働者の質や労働環境をまと めて、労働の質として議論を進めていく。
本稿ではモデルとして、労働生産性を 被説明変数とする重回帰式を作成した。
回帰モデルは加重最小二乗分析(WLS)
と通常の最小二乗分析(OLS)で行った。
後述するように、クロス分析では地域に よって変数のばらつきが違うため、不均 一分散となる可能性が高いと予想され る。そのため、分散の大きい地域に大き なウェイトをおいて分析する加重最小二 乗法を用いた。説明変数としては、学歴、
年齢、正規従業員か非正規従業員、職業 訓練・自己啓発の有無、労働時間など労 働の質や労働環境を表すと考えられる変 数を採用した。
分析の基本的なモデルは、下記のよう に設定した。
労働生産性=ƒ(学歴、労働時間、年齢、
正規従業員比率、離職希望者比率、職 業訓練・自己啓発)
モデル式における各説明変数と被説明 変数(労働生産性)の理論的関係は次の ようになる。
まず、モデル作成に当たっては、都道 府県別産業別の集計量を用いたクロスセ クション分析とした。産業別としたのは、
産業別に生産性を規定する要因が違うと 推察されたからである。この回帰式は、
特定理論から導かれた構造方程式ではな く、変数間に推論される相互関係を検証 するクロスセクション分析である。
被説明変数である労働生産性は、付加 価値額を従業員数で除した1人当たり付 加価値額とした。
次に、各変数の定義と労働生産性への 影響について記述する。まず、「学歴」
は高卒、短大・高専卒、大卒者の有業者 に占める割合である。学歴の高い従業員 が多いほど、効率的な作業配分や仕事に 対する高い理解力・問題解決力によって 労働生産性が高くなることが予想され る。「労働時間」は、1人当たり月間総 労働時間である。労働生産性と労働時間 の関係は必ずしも明確な関係ではない が、労働生産性の高い地域は労働時間が 短く、労働生産性の低い地域は労働時間 が長くなる傾向がある。「年齢」は、15 歳~34歳、35歳~44歳、45歳~64歳、65 歳以上に分けた。これは、年齢構造をコ ントロールして、年齢構造の影響を除く
ための変数である。「正規従業員比率」は、
当該産業の全雇用者に占める正規従業員 の割合である。この割合が高いほど労働 生産性の向上への貢献度が高くなること が期待される。「離職希望者比率」は、
当該産業の全雇用者に占める離職を希望 する従業員の割合である。この比率が高 まることは、現在の仕事内容や組織体制、
職場内での人間関係に不満を持っている ことが想定され、労働生産性を低める方 向に作用すると考えられる。最後の「職 業訓練・自己啓発」は、当該産業の全雇 用者に占める職業訓練を受けた者あるい は自己啓発を行った者の割合であり、こ の割合が高いほど労働生産性を高めるこ とが期待される。
⑵ データ
次に、各変数のデータ定義および出所 を示す(表2)。以下のデータはすべて 都道府県別産業別のデータである。なお、
産業分類は、産業大分類であり、農林水 産業と鉱業、採石業、砂利採取業を除い た15産業である。被説明変数である労働 生産性は、付加価値額を従業員数で除し たもので、付加価値額及び従業員数は、
総務省「経済センサス」(平成24年)か
ら採った。「月間総労働時間」は、各都 道府県より提供される「毎月勤労統計年 報」より採った。学歴以下は、総務省「就 業構造基本調査」(平成24年)から採っ た。まず、「学歴」は、高卒(旧制中学卒)、
短大・専門学校・高専卒、大学・大学院 卒に分けそれぞれの在学者を除く産業別 の有業者に占める割合である。「正規従 業員数割合」は、産業別の雇用者総数に 占める割合である。「職業訓練・自己啓 発を行った者の割合」は産業別の職業訓 練・自己啓発を行った者を産業別の有業 者で除したものである。「転職希望者割 合」は、産業別有業者に占める転職希望 者の割合である。「年齢」は、
15歳~34歳、
35歳~44歳、45歳~64歳、65歳以上の各
年齢層が産業別の有業者数に占める割合 を算出し、それを採用した。今回の推計における産業分類は表3の ようになり、「日本標準産業分類(平成
19年11月改訂)」で定義された産業大分
類である(ただし農林水産業、鉱業、採 石業、砂利採取業を除く)。各データの記述統計量は、表4に示す
通りである。以上、推計に用いる労働生産性と説明
変数としての諸変数についてその定義を表2 変数の定義と出所
༢
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含めて説明した。
⑶ 県内産業における労働生産性と主
要変数との相関ここでは推計に先だち、労働生産性(1 人当たり付加価値額)と主要な変数の関 係について検討する。
まず、大学・大学院卒比と労働生産性 の関係をみたのが、図9の①である。相 関係数は0.61であり正の相関となってい る。生産性が最も高い「電気・ガス・熱 供給・水道業」を始めとして、「金融業,
保険業」、「情報通信業」はおおむね大学・
大学院卒比と比例している。生産性が最
も低い「複合サービス事業」は大卒比率 も低いものとなっている。
次に正規従業員比率(図9の②)も生 産性との相関係数は0.68であり、高い正 の相関関係となっている。最も正規従業 員比率が高いのは「電気・ガス・熱供 給・水道業」であり生産性も一番高い。
一方、「宿泊業,飲食サービス業」は正 社員比率が最も低く、生産性も最も低い。
それ以外の正規従業員比率の低い「卸売 業,小売業」、「サービス業(他に分類さ れないもの)」も生産性は低いものとなっ ている。
職業訓練・自己啓発と労働生産性の相 関係数は0.64であり、正の相関関係であ る(図9の③)。「電気・ガス・熱供給・
水道業」、「教育,学習支援業」、「金融業,
保険業」の順で職業訓練・自己啓発比率 は高いのであるが、この中で「教育,学 習支援業は生産性は低いものとなってい る。職業訓練・自己啓発比率の低いのは、
「宿泊業,飲食サービス業」であるが生 産性も最も低い産業である。
離職希望者比率と生産性の相関係数は
-0.74であり、負の相関がある(図9の
表4 データの記述統計量 表3 産業分類一覧
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④)。「電気・ガス・熱供給・水道業」は 離職希望者比率がゼロであり、次いで離 職希望者比率の小さな産業は、「教育,
学習支援業」、「医療,福祉」と続くが、
これらは生産性は高い産業に位置してい る。離職希望者比率の最も高い産業は、
「宿泊業,飲食サービス業」、「生活関連 サービス業,娯楽業」、「不動産業,物品 賃貸業」であるが、これら産業も概ね生 産性は低いものとなっている。
この他、総労働時間、高卒者比、短大・
専門学校・高専卒比と生産性との関連も みたが、明確な相関は見られなかった。
⑷ 推計結果と考察
以上で説明したデータを用いて、労働
生産性を被説明変数とする47都道府県別 データのクロスセクションによる重回帰 分析を行った。クロスセクションで回帰 する場合、不均一分散が想定されるので、
加重最小二乗分析(WLS)と通常の最 小二乗分析(OLS)を行った。加重最 小二乗分析では、ウェイトにどのような 変数を用いるかが問題となる。クロスセ クションであるので、地域によって分散 にばらつきがあるので、それを補正する ようなウェイトが望ましい。人口、従業 員数、事業所数がウェイトの候補として 挙げられるが、ここでは、事業所数を採 用した。なお、推計されたパラメータの 統計的有意性は、不均一分散のもとでも 一致性はあるが、分散は大きくなるため、
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①大学・大学院卒と生産性 ②正規従業員比率と生産性
③職業訓練・自己啓発と生産性 ④離職希望者比率と生産性 図9 労働生産性と主要変数との相関(県内産業)
資料出所:総務省「経済センサス」、「毎月勤労統計年報」より作成
本来有意でない推計値が通常のt値では 有意性検定を通ってしまう可能性がある ため、より幅広いt値検定が推奨されて いる。そのため推計では頑健推計による 検定を行っている。
分析の結果を表5に示す。
ア.最小二乗法による推計結果 職業訓練比は統計的に有意となってお り、生産性に与える影響は想定通りと なっている。高卒比、専門・短大比、大 卒比は符号が予想と一致せず、統計的に
も有意ではない。正規比、転職比は符号 条件は一致したが、統計的には有意では ない。15歳~34歳、35~44歳、45歳~64 歳は符号が予想と逆である。
自由度調整済み決定係数は、0.73であ るのでモデルの説明力は十分高いといえ よう。
イ.加重最小二乗法による推計結果 次に、加重最小二乗法で推計した結果 をみる。通常の回帰に比べ統計的に有意 な変数が増えた。
(注)t値は分散不均一性を考慮した標準誤差に基づく 有意水準:*** 1%、** 5%、* 10%
D2~D15は産業ダミー
表5 最小二乗法と加重最小二乗法(WLS:ウェイト=事業所数)による推計結果
変 数 重回帰 加重最小二乗
Coefficient t-Statistic Coefficient t-Statistic
定数項
0.5807 ** 2.3485 0.0621 *** 2.9579
総労働時間
0.0002 0.2648 -0.0001 *** -2.7462
高卒比
-0.1963 -1.1455 0.0039 0.2332
大卒比
-0.2756 -1.4994 0.0436 *** 2.6850
専門・短大比
-0.2165 -1.3460 -0.0018 -0.0719
正規比
0.0078 0.3171 0.0173 ** 2.0441
転職希望
-0.2901 -0.8045 -0.0069 -0.2584
職業訓練比
0.2693 *** 2.7922 0.0368 ** 1.9253
大企業比率0.1248 0.6590 0.2031 1.6094
15 ~ 34 歳-0.0829 -0.3682 0.0042 0.1655
35 ~ 44 歳-0.3189 -1.4645 -0.0357 ** -0.9988
45 ~ 64 歳-0.5092 ** -2.1923 -0.0424 ** -1.3452
D2 -0.0028 -0.7773 0.0184 0.7420
D3 0.0278 1.4927 0.1772 3.0362
D4 -0.0006 -0.1115 0.0966 2.6842
D5 -0.0050 -1.0306 0.0323 2.0562
D6 -0.0020 -0.5862 0.0235 0.7991
D7 0.0360 6.5964 0.2122 5.0665
D8 -0.0018 -0.4910 -0.0015 -0.0548
D9 0.0007 0.1664 0.1191 3.9254
D10 -0.0172 -3.7201 -0.0598 -1.2372
D11 -0.0086 -1.6933 -0.0227 -0.9985
D12 -0.0126 -1.8230 0.2015 3.9908
D13 0.0038 0.5808 0.1216 2.9538
D14 0.0053 1.2436 0.1602 4.4092
D15 -0.0097 -3.3084 0.0249 1.0201
決定係数
0.74028 0.781336
調整済み決定係数
0.730276 0.772913
観測数
675 675
総労働時間、大卒比、正規比、職業訓 練比、35~44歳、45歳~64歳の6個が有 意な変数となった(定数項除く)。学歴 に関する変数は専門・短大比を除き符号 も予想と一致した。正規比、職業訓練比 は符号は予想と一致し、しかも統計的に も有意である。転職希望比、大企業比は 符号は予想通りであるが、統計的に有意 ではない。
自由度調整済み決定係数は、0.78であ るのでモデルの説明力は十分高いといえ よう。
ウ.考察
クロスセクション回帰による生産性の 要因分析を踏まえると、以下のように要 約される。
・労働生産性を引き上げる要因として、
まず学歴要因があり、高学歴になるほ ど生産性を上げる。
・次に、従業員の中に占める正規従業員 比率がある。正規従業員の構成比が高 いほど生産性を上げる。
・職業訓練・自己啓発比率(職業訓練・
自己啓発を行った者/総従業員数)も 生産性を引き上げる要因である。これ は、通常回帰(OLS)でも加重回帰(W LS)でも強い統計的有意性を示した。
・労働生産性を引き下げる要因として は、転職希望者比率がある。これは転 職には至っていないものの潜在的な転 職者としての比率であり、この比率が 高いと継続就業意欲の高い者にくらべ 仕事への取組み姿勢が違ってくると推 察され、それが生産性を引き下げるこ とになるのであろう。
5.地域間比較による県内産業の特性
以上のような推計結果となったのであ るが、これは全国都道府県産業別のデー タを用いて推計した結果である。全国の 産業全体に適応できる推計結果であり、
もちろん沖縄県の産業についても当ては まると考えられる。ここでは、推計結果 を踏まえて、県内産業の特性についてさ らに考察を深めてみる。
⑴
就業構造と生産性図10は、県内産業の就業者構成比と生 産性をみたものである。まず、就業者の 構成比でみると、「卸売・小売業」が最 も高く、次いで「医療・福祉」、「宿泊 業・飲食サービス業」、「サービス業(他 に分類されないもの)」の順となってい る。しかしながら、生産性をみると、構 成比の高い産業はどれも生産性は低い産
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図10 沖縄の就業構造と生産性
資料出所:沖縄県「2012年就業構造基本調査」、 「2012年経済センサス」より作成
業となっている。逆に生産性の高い産業 は、「電気・ガス・熱供給業」、「金融業・
保険業」、「情報通信業」であるが、構成 比はいずれも低いものとなっている。こ の3産業を合わせても「卸・小売業」の 構成比に及ばない。このことが沖縄全体 の生産性を低めていると言えよう。
⑵
主要変数の全国ランキングでみ た産業特性表6は県内15産業のクロスセクション 分析に用いた主要変数の全国ランキング を示したものであり、当該産業の全国同 一産業における位置づけを行ったもので ある。シャドウ部分は全国でワースト5 に入ることを示す。例えば1人当たり付 加価値額の「製造業」の47は全国都道府 県の製造業中第47位である。それによる と、1人当たり付加価値額は、
15産業中、
半分以上の8産業がワースト5に入って いる。上位にあるのが、「電気・ガス・
熱供給・水道業」(13位)、「情報通信業」
(16位)、「生活関連サービス業,娯楽業」
(12位)である。大学・大学院卒者比率は、
ワースト5には「建設業」(43位)を始 めとして、3産業が入っている。以下、ワー スト5にランキングされるのは、正規従 業員比率で、6産業、転職希望者比率では、
6産業、大企業比率では、4産業、1人 当たり給与額では5産業となっている。
産業別にみると、ワーストにランキン グされる変数が多いのは、「製造業」と
「卸・小売業」である。「卸・小売業」は 4つの変数がワースト5入りしており、
これが生産性の低さの要因となっている のであろう。「金融業・保険業」は正社 員比が45位と全国同産業では低く、大卒 比は29位、転職希望者比率が8位となっ
ている。それが生産性が25位と全国の中 で中位となっている要因だろうか。「宿 泊業,飲食サービス業」は生産性は47位 と全国最下位であるが、転職希望者比率 が全国第1位となっている以外はそれほ ど悪いランクではない。ただ、給与額は 県内産業の中でも低く、労働者の質は比 較的高いが労働環境が悪いため生産性が 低くなっているのであろうか。
また、全産業に共通しているのが、15
~34歳の割合が上位に位置していること で、全体的に若い就業員の比率が高いと いえる。このことが給与の低さや生産性 の低さに影響しているのかもしれない。
⑶
生産性の高い地域と低い地域の特 性次に図7をもとに、生産性を地域別に みて高い地域3都府県と低い3県を比較 したのが表7である。生産性の高い地域 は、東京都、大阪府、神奈川県であり、
低い県は沖縄県、宮崎県、鹿児島県と なっている。生産性の高い地域の特性と しては、大卒割合の高さがある。東京都、
39.1%、大阪府27.9%、神奈川県33.3%
となっている。また、職業訓練・自己啓 発比率も高い、東京都、42.8%、大阪府
36.6%、神奈川県41.8%となっている。
転職者比率及び非正規雇用者比率はワー スト3の地域より若干低いものの、さほ ど大きな差はない。生産性の低いワース ト3の地域をみると、大卒割合が上位3 地域に比べ低く、沖縄県18.7%、宮崎県
16.1%、鹿児島県15.7%となっている。
また、職業訓練・自己啓発比率は、沖縄 県32.7%、宮崎県、鹿児島県36.2%と生 産性の高い地域と大きな差があることが 分かる。
6.まとめ
これまでの分析を踏まえ、労働生産性 と労働の質という観点からみた沖縄県産 業の特性は以下のようにまとめることが できる。
① 企業特性として、零細小規模企業が 圧倒的に多く、そのため資本金規模も 小さい。また、経営形態をみると自営 業の割合が高い。
② 就業構造をみると、全国に比べて製 造業の構成比が低く、3次産業の構成
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表7 生産性地域別トップ3とワースト3でみた特性
資料出所:表2にもとづくデータをランキング 表6 県内産業の特性(産業別の全国ランキング)
数字は全国当該産業内の順位
1人当たり
付加価値額
1人当たり
給 与15
~34歳
大 卒 比 率
正社員 比 率
転職希 望者比
職業訓練・
自己啓発比 大企業比
建設業
40 39 4 43 40 6 47 8
製造業
47 47 1 36 45 2 45 47
電気・ガス・熱供給・水道業
13 18 14 1 26 - 16 45
情報通信業
16 47 1 47 46 28 44 46
運輸業,郵便業
47 47 7 20 18 28 44 12
卸売業,小売業
46 43 1 42 47 3 47 27
金融業,保険業
25 37 7 29 45 8 46 10
不動産業,物品賃貸業
45 36 4 45 10 2 42 2
学術研究,専門・技術サービス業
47 41 2 37 9 8 47 26
宿泊業,飲食サービス業47 8 10 27 19 1 22 14
生活関連サービス業,娯楽業12 46 2 33 9 2 6 18
教育,学習支援業
46 16 16 29 36 4 47 46
医療,福祉
39 25 3 30 32 14 47 15
複合サービス事業
29 36 8 19 46 12 37 34
サービス業(他に分類されないもの)
46 47 1 33 43 16 44 11
(注)シャドウ部分はワースト5 ただし、転職希望者比率は1位から5位までがワースト5 資料出所:表2にもとづくデータをランキング
比が高い。3次産業の中でも、卸・小 売業、宿泊業・飲食サービス業、医療・
福祉、教育、学習支援産業、その他サー ビス業の割合が高い。
③ 全国との比較で産業特性についてみ ると、従業者の内訳では非正規従業員 の割合が高い。大卒等の高学歴者の割 合は低い、また、従業者の離職率は全 国一高く、さらに労働の質を高めるよ うな従業員の職業訓練・自己啓発比率 は低い。労働時間は全国平均に比べ長 い。開廃業率も全国平均に比べ高い。
④ 生産性は全国平均に比し低く、産業 別にみると、宿泊業・飲食サービス業、
教育サービス業、医療・福祉、教育、
学習支援産業、その他サービス業、な どの生産性が低い。
⑤ 県民所得格差を要因分解すると、一 人当たり県民所得の低い地域は、その 大部分が労働生産性の格差によって説 明できる。沖縄県の所得格差要因も労 働生産性格差によるものであることが 分かった。
⑥ 労働生産性に影響を与える労働・雇 用環境を全国都道府県データを用いた クロスセクション回帰分析を行ったと ころ、学歴、正規従業者比率、職業訓練・
自己啓発比率が正の効果を与え、離職 率は負の効果を与えることが分かった。
⑦ 労働生産性の要因分析を踏まえ、沖 縄と他都道府県の比較でみると、沖縄 の特性が鮮明になる。つまり、生産性 の高い地域は、学歴も高く、正規従業 員比率、職業訓練・自己啓発の割合も 高い、これが労働の質を上げて、労働 生産性を高めていると推察される。
上述したまとめを踏まえると、労働生 産性に影響を与えると考えられる、学歴、
正規従業員比率、職業訓練・自己啓発比 率の低さが沖縄県の労働生産性の低いこ との要因であると推察される。また、労 働生産性の低い産業の構成比が高いこと も全体としての労働生産性、さらには一 人当たりの県民所得格差の要因であるこ とも分かった。
したがって、個々の企業の労働生産性 を高めること、特に労働生産性の低い産 業への対策が必要である。なぜならば、
建設業、宿泊業・飲食サービス業、医療・
福祉サービス業は生産性が低い産業であ ると同時に県産業構造に占める割合の高 い産業なのである。具体的な対策として は、学歴、正規従業員比率、職業訓練・
自己啓発比率といった、労働の質を高め ることである。例えば正規従業員比率を 高めることは、働くモチベーションを高 め、職業訓練・自己啓発を行う機会も多 くなり生産性向上に大きく寄与すること が期待される。ちなみに、非正規従業員 は職業訓練・自己啓発を受ける機会は少な い(「就業構造基本調査」)。また、離職率 対策も重要である。離職率は労働生産性に マイナスの影響を与えることから、あらゆ る側面からの離職率対策が必要である。
県が策定した21世紀ビジョンを踏ま え、戦略的に見るならば、観光関連産業 としての宿泊業・飲食サービス業、長寿 健康産業としての医療・福祉サービス系 の産業、今後、効率的な公共事業を展開 するための受け皿としての建設業といっ た産業における労働生産性向上策は重要 である。
本論文は、労働生産性の観点から県内 産業の特性を分析したものであるが、労 働生産性分析に当たっては、本来は企業 の個票を用いた分析が相応しいと考えら
れる。筆者も就業構造基本調査のオーダ メイド統計の仕組みを利用して個票を入 手し、分析することを計画していたが、
残念ながら個票入手には至らなかった。
そのため、就業構造調査や毎月勤労統計、
経済センサスを用いた集計データをもと に分析せざるを得なかったという事情が ある。また、今回の分析では有給休暇や 介護休暇などの取得率との関連もデータ として取り込みワークライフバランスと 生産性の関連についても分析したかっ た。ワークライフバランスと企業収益な どの分析はいくつか研究事例(脇坂2009 年)もあり、今後、ワークライフバランス 導入を進めるためにも注目される分野であ る。また資本装備率と労働生産性も大きな 関係を持っているが、本論文においては 都道府県別産業別のデータで分析するこ とに主眼を置いたため、資本装備率のデー タは入手できなかった。
今後の課題としては、ワークライフバ ランス関連変数や資本増備率などの変数 を含んだ企業別の個票データを用い、労 働の質、雇用環境などが労働生産性に与 える影響の分析を行いたい。
参考文献
総務省(2012年)「毎月勤労統計」
―――(2012年)「就業構造基本調査」
―――(2012年)「経済センサス」
沖縄県(2013年)「労働力調査」
内閣府(2013年)「県民経済計算」
―――(2013年)「国民経済計算」
中小企業庁(2013年)「中小企業実態調査」
独立行政法人労働政策研究・研修機構
(2007年)「雇用戦略に関連する分析 データ編」
―――(2011年)「中小企業におけるワー ク・ライフ・バランスの現状と課題」
『労働政策研究報告書』No.135 岡 室 博 之、 小 林 伸 生(2005年 )「 地 域
データによる開業率の決定要因分析」
RIETI Discusson paper Series
独 立 行政法人経済産業研究所國代尚章(2014年)「沖縄県の県民所得 に関する考察」厚生労働省労働分析レ ポート 第39号
猿田正機(1995年)「変革期における中 小企業労働問題の研究課題」『三田商 学研究』Vol38 No6
徳井丞次他(2013年)「地域間の人的資 本格差と生産性」RIETI Discussion
paper Series 独立行政法人経済産業研
究所野崎四郎(2005年)「失業の要因分析と 将来予測」『沖縄国際大学経済論集』
Vol.1 No.1
深尾京司他(2014年)「生産性と賃金の 企業規模間格差」『日本労働研究雑誌』
No.649 pp14-29
脇坂 明(2009年)「WLBの定着・浸透
―制度・実態ギャップと中小企業」『日 本労働研究雑誌』No583
付属資料 各変数の産業別の現状(2012年)
0 20 4060 80 100 120140 160 180 200
0 100000 200000 300000 400000 500000 600000
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7
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0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 0.9
0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25
0.050.10 0.150.2 0.250.3 0.350.4 0.450.5
0 0.05 0.1 0.15 0.2 0.25 0.3 0.35 0.4 0.45
0 0.050.1 0.150.2 0.250.3 0.350.4 0.450.5
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35䡚44ṓᵓᡂẚ 45䡚64ṓᵓᡂẚ
0 0.02 0.04 0.06 0.08 0.1 0.12
0 0.01 0.02 0.03 0.04 0.05 0.06 0.07
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