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論 文 内 容 要 旨 論文題目

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Academic year: 2021

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論 文 内 容 要 旨

論文題目

蝸牛におけるζ型ジアシルグリセロールキナーゼの局在と 音響障害による影響

責任講座:耳鼻咽喉・頭頸部外科学 講座 氏 名: 新川 智佳子

【内容要旨】

1,200

字以内)

ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)はジアシルグリセロール(DG)をリン酸 化してホスファチジン酸(PA)に変換する酵素であり、

DG

PA

の量を変化させ ることで、様々な細胞内シグナル伝達系を調節している。しかし、これまで内 耳における

DGK

について検討した報告はなく、今回、内耳蝸牛での

DGK

アイ ソザイムの発現とその局在、さらには音響障害による影響を検討した。

はじめに、聴力正常のモルモット蝸牛から

RNA

を採取し、

RT-PCR

にて

DGK

アイソザイムの発現を検討したところ、DGKα、DGKε、DGKζが強く発現 していることがわかった。そこで、細胞のストレス障害に関与するアイゾザイ ムとして報告されている

DGKζに着目し、免疫組織染色を行った。正常蝸牛に

おいて

DGKζは内有毛細胞、支持細胞に強く発現し、外有毛細胞にも中等度の

発現がみられた。いずれも

DGKζの細胞内局在は核であった。また、らせん神

経節細胞の核にも局在していたが、その周囲のグリア細胞には発現していなか った。

次に

DGKζの音響障害による影響を検討するために適切な音響障害モデル

の音響暴露条件を検討した。音は

4-8kHz

のバンドノイズを用い、125dB・2 間 (mild)、125dB・3時間 (moderate)、130dB・2時間 (severe)

3

条件で 音響暴露を行い、その聴力の変化と外有毛細胞の消失率を免疫組織学的に検討 した。すべての条件において、暴露後一日目には重度難聴を示すが、徐々に回 復し、音響暴露後

2

週間で

mild

では中等度難聴、moderate、severe では高度 難聴にまで回復した。組織学的には暴露後

2

週間での外有毛細胞消失率が、

mild

では約

2

割、moderate では約

8

割、severe では約

9

割であり、今回は聴力の 回復程度と外有毛細胞の消失率より、

moderate

の音響暴露が適当であると考え た。さらにこの

moderate

の条件では音響暴露後

24

時間では外有毛細胞消失率 は約

6

割であることを確認した。

moderate

の音響障害モデルにおいて、音響暴露後

24

時間、

1

週、

2

週におけ

DGKζの発現を組織学的に検討した。暴露後 24

時間では、正常と同様に外

有毛細胞の核に

DGKζは局在していたが、音響暴露後 1

週後、2週後では外有 毛細胞の

DGKζの発現は低下していた。

今回著者は

DGKζが聴覚伝導路において重要な内有毛細胞、らせん神経節細

胞、支持細胞の核に強く発現し、外有毛細胞の核にも中等度発現していること を確認した。これまで他臓器において、ストレス障害を受けた細胞では

DGKζ

の発現が低下しアポトーシスが起こることが報告されており、蝸牛においても 同様の現象が起きていることが推測された。

(2)

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