お く の ほ そ 道 ③ 《序 文 そ の 三 》 中 学 国 語 古 文 講 座
【 担 当 講 師 】 秀 浦 り き
基 本 の 解 説 と 問 題
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も も 引 き の 破 れ を つ づ り 、 笠 の 緒 つ け か へ て 、 8
三 里 に 灸 据 ゆ る よ り 、
をしている様子★
もも引きの破れをつづって、笠のひもを付け替えて、
ひざの三里に灸を据えた頃から、 〔訳〕
松 島 の 月 ま づ 心 に か か り て 、 住 め る か た は 9
人 に 譲 り て 、 杉 風 が 別 墅 に 移 る に 、 ⑱ ⑰
松島の月がまずはじめに()、
今まで()は人に譲って、 〔訳〕
杉風の別荘に移ると (語句)⑰心にかかりて=
⑱住めるかた==
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草 の 戸 も 住 み 替 は る 代 ぞ 雛 の 家 10 ⑲ ⑳
このわびしい草葺きの家も住む人が変わる時節
となったことだよ。この家にも三月の節句には、 〔解釈〕
華やかにひな人形が飾られる光景が見られるこ (語句)⑲草の戸=草葺きの家=
⑳雛=ひな人形
面 八 句 を 庵 の 柱 に 懸 け 置 く 。
11
とだろう。
面八句を、庵の柱に掛けておいた。〔訳〕 ※ 面八句=俳諧の連句百句を二つ折りにした懐紙四枚に書くとき、
一枚目の表側に記す八句のこと。 ひな
月 日 は 百 代 の 過 客 に し て 、 行 き か ふ 年 も ま た 旅 人 な り 。 舟 の 上 に 生 涯 を 浮 か べ 、 馬 の 口 と ら へ て 老 い を 迎 ふ る 者 は 、 日 々 旅 に し て 旅 を す み か と す 。 古 人 も 多 く 旅 に 死 せ る あ り 。 予 も い づ れ の 年 よ り か 、 片 雲 の 風 に 誘 は れ て 、 漂 泊 の 思 い や ま ず 、 海 浜 に さ す ら へ 、 去 年 の 秋 、 江 上 の 破 屋 に く も の 古 巣 を 払 ひ て 、 や や 年 も 暮 れ 、 春 立 て る 霞 の 空 に 、 白 河 の 関 越 え む と 、 そ ぞ ろ 神 の 物 に つ き て 心 を 狂 は せ 、 道 祖 神 の 招 き に 会 ひ て 取 る も の 手 に つ か ず 。 も も 引 き の 破 れ を つ づ り 、 笠 の 緒 つ け か へ て 、 三 里 に 灸 据 ゆ る よ り 、 松 島 の 月 ま づ 心 に か か り て 、 住 め る か た は 人 に 譲 り て 、 杉 風 が 別 墅 に 移 る に 、
草 の 戸 も 住 み 替 は る 代 ぞ 雛 の 家 面 八 句 を 庵 の 柱 に 懸 け 置 く 。 お く の ほ そ 道 《序 文 》
も も 引 き の 破 れ を つ づ り 、 笠 の 緒 つ け か へ て 、 三 里 に 灸 据 ゆ る よ り 、 松 島 の 月 ま づ 心 に か か り て 、 住 め る か た は 人 に 譲 り て 、 杉 風 が 別 墅 に 移 る に 、
草 の 戸 も 住 み 替 は る 代 ぞ 雛 の 家 面 八 句 を 庵 の 柱 に 懸 け 置 く 。
松 島 の 月 ま づ 心 に か か り て 、 住 め る か た は 9
人 に 譲 り て 、 杉 風 が 別 墅 に 移 る に 、
() ()も も 引 き の 破 れ を つ づ り 、 笠 の 緒 つ け か へ て 、 8
三 里 に 灸 据 ゆ る よ り 、
旅の準備をしている様子★ もも引きの破れをつづって、笠のひもを付け替えて、
ひざの三里に灸を据えた頃から、 〔訳〕
⑱ ⑰
えず
=
の松島の月がまずはじめに()、
今まで()は人に譲って、 〔訳〕 が
気にかかって
住んでいた家
杉風の別荘に移ると (語句)⑰心にかかりて=気にかかって
⑱住めるかた=住んでいた家=江上の破屋 べっしょ 《序文その三》ポイント
草 の 戸 も 住 み 替 は る 代 ぞ 雛 の 家 10
()わ
⑲ ⑳
このわびしい草葺きの家も住む人が変わる時節
となったことだよ。この家にも三月の節句には、 〔解釈〕
華やかにひな人形が飾られる光景が見られるこ (語句)⑲草の戸=草葺きの家=江上の破屋 =
春の季語二句切れ (切れ字)
⑳雛=ひな人形 =
体言止め
面 八 句 を 庵 の 柱 に 懸 け 置 く 。
11
とだろう。
面八句を、庵の柱に掛けておいた。〔訳〕 (住めるかた)
※ 面八句=俳諧の 連句百句を 二つ 折り に し た 懐紙四枚に 書く と き 、
一枚目の 表側に 記す八句の こ と 。
ひな基 本 問 題
●次の 問い に 答え な さい 。
( 1 ) 次 の 語句 の 読み 方 を 答え な さい 。
① 「 別
墅」
( 2 ) 次 の 語句 の 意 味 を 答 え な さい 。
①「 つ づ る 」
②「 住め る か た 」
③「 別
墅」
( 3 ) 「 草 の 戸も 住 み 替 は る 代ぞ 雛 の 家」 に つ い て 次 の 問い に 答え な さ い 。
①季語は 何か 。
②季節は い つ か 。 《 基本問題 》
●次の 問い に 答え な さい 。
( 1 ) 次 の 語句 の 読み 方 を 答え な さい 。
① 「 別
墅」
( 2 ) 次 の 語句 の 意 味 を 答 え な さい 。
①「 つ づ る 」
②「 住め る か た 」
③「 別
墅」
( 3 ) 「 草 の 戸も 住 み 替 は る 代ぞ 雛 の 家」 に つ い て 次 の 問い に 答え な さ い 。
①季語は 何か 。
②季節は い つ か 。 《 基本問題 》
べっしょ
つくろう
住んでいた家
別荘(別宅)
雛
春 解答
応 用 問 題
●次の文章を読んで、あとの問いに答えなさい。
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。
舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、
日々旅にして旅をすみかとす。古人も多く旅に死せるあ
り。予もいづれの年よりか、片雲の風に誘はれて、漂泊の
思いやまず、海浜にさすらへ、去年の秋、江上の破屋にく
もの古巣を払ひて、やや年も暮れ、春立てる霞の空に、
白河の関越えむと、そぞろ神の物につきて心を狂はせ、
道祖神の招きに会ひて取るもの手につかず。もも引きの破
れをつづり、笠の緒つけかへて、三里に灸据ゆるより、松島
の月まづ心にかかりて、住めるかたは人に譲りて、杉風が
別墅に移るに、
草の戸も住み替はる代ぞ雛の家
面八句を庵の柱に懸け置く。
a
② 《 応用問題 》
(1)
の主語を文章中から抜き出しなさい。
①
ア
イ ウ
エ
a
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(3)②「草の戸」と同じ場所を指している語句を、文章中から
二か所(どちらも五字)抜き出しなさい。
(4)文章中の俳句「草の戸も住み替はる代ぞ雛の家」について、
次の問いに答えなさい。 (2)①「住めるかたは人に譲りて」とあるが、これより前の文
で、作者が旅の準備をしている様子がわかる部分を三十字
以内で抜き出し、はじめの五字と終わりの五字を書きなさ
い。
~
A
この俳句の季語と季節を書きなさい。季語季節
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B
この俳句は何句切れか。答えなさい。C
この俳句で使われている表現技法を答えなさい。(5)旅の準備をした作者が、まず最初に気にかかり、見たいと
思ったのは何か。文章中から抜き出しなさい。
(6)ア~エの「の」のはたらきの中で、一つだけ他の三つと違うも
のを一つ選び、記号を書きなさい。
【問題は以上で終わりです】