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農産物の貯蔵・加工に係わる諸物性に関する研究

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九州大学学術情報リポジトリ

Kyushu University Institutional Repository

農産物の貯蔵・加工に係わる諸物性に関する研究

中野, 浩平

九州大学農学研究科農業工学専攻

https://doi.org/10.11501/3135073

出版情報:Kyushu University, 1997, 博士(農学), 課程博士 バージョン:

権利関係:

(2)

5.1 緒 日

第5章 液体窒素による大豆の急速凍結

沸騰は固体-液体または液体-液体聞に温度差があり, 低温側液 体がその圧力での沸点以上に過熱された結果生じる現象である。 こ の沸騰による熱伝達は, 同じ圧力のもとでの沸点以下の熱伝達に比

較して伝熱能力が飛躍的に向上する特徴を持つ。

そこで本研究では, 凍結粉砕などの前処理として従来研究の進め られてきた低温室素ガスによる農産物の凍結の代りに, 液体窒素の 蒸発時冷熱を伝熱効率の高い 沸騰熱伝達を直接利用して Hydro­

freezingを行う方法について基礎的実験と理論的解析を行った。

測定には脂質が多く凍結粉砕による粉末化が行われている大豆を供 試材料として用いて, 液体窒素による大豆の直接凍結中の温度変化 の測定と, 表面沸騰状態の撮影を行い, 大豆の凍結シミュレーショ

ンに必要な物性値を計算した。

なお, 大豆の凍結粉砕は通常低水分で行われ, 凍結による力学的 特性の変化に関する研究などはこれまでにも報告はある88)。一方,

満田89), 福里90), 松下91)の低温室素ガスによる種々の農産物に対す る凍結試験の結果によれば, 高水分大豆の凍結曲線には鞍状の温度 変化が現れており, このような水分増加に伴う特異な現象をも同時 にシミュレーショシできれば, 将来的に高水分状態での凍結を利用 した新しい農産物加工方法の基礎資料となることから, 本研究では 高水分大豆についても凍結試験を行った

-83-

(3)

5.2 測定方法

供試材料の大豆には, 1991年11月9日に福岡県農業試験場で収穫 した ‘タマホマレ'を使用した。

供試用の大豆は, できるだけ表面に傷がつかぬようにすることが 望ましく, このためビーンハーベスターなどを使わずに, 圃場より そのまま引き抜いた状態で収穫し, 実験に供するまでの間, 庫内温 度を約3 ocに設定した低 温庫に保存した。

図5・1は実験装置の概略である。 実験では, 冷却 ・ 凍結中の大豆 表面の状態を写真撮影するが, 通常のデュワーピンでは内部に鏡面 処理を施しているため, 内部の撮影は困難である。 そこで実験では,

内部の鏡面処理を施していないガラス製デュワーピン(円柱形:内 径9bmm, 高さ: 190mm)を新たに作成し, 真空ポンプで内部空

隙圧力を下げる方法をとった。

供試大豆の冷却 ・ 凍結中の温度変化を測定するために, 中心に線 径O.lmm のT熱電対を挿入する必要があるが, 大豆は水分による

体積変化が著しく, 含水率の低い状態で熱電対を挿入して水分調整 を行うと, 高水分では, 熱電対挿入のために開けた穴と熱電対との 聞に空洞ができ, 密着が悪くなる。 また, 含水率の低い状態から水 分を加えて水分調整を行えば, 表面に大豆特有の敏や裂皮などの外 部損傷を生じる。 このため, 供試大豆の水分調整と熱電対の挿入は,

次の方法で行った。 すなわち, 大豆約50粒を純水の入ったビーカ ーに入れて1日放置することによって飽和水分状態にし, きわめて 軟質となった大豆粒子のへそ側の最長粒径方向からT熱電対を挿入 し, 少量の瞬間接着剤によって固定した。 次にこの高水分大豆を冷

-84-

(4)

蔵庫内で除湿乾燥し, 1日おきに1サンプルの大豆を取り出して実 験に供試することとした。 ただし, 熱電対の挿入深さは, 調整目標 水分によって異なる。 これは, 大豆の乾燥による水分調整の際, 熱 電対を固定するために塗布した接着剤のついた部分の大豆表面は,

大豆の乾燥による水分調整の際, 固定されたままのため, 大豆のそ の他の部分の収縮によって熱電対の接点が挿入時よりも前方に進み,

中心からかなりずれてしまうためである。 水分調整は, 上記のよう な方法で行ったため, 加湿調整による方法に比べて正確に調整でき ないが, 水分は12.1,

28.4, 39.4%,w.b.とした。

水分の測定方法は, 大豆の場合, 揮発性物質としての油成分を多 く含むため, 標準的な測定方法は決定しておらず, 常圧定温乾燥法,

カールフイツシャ一法, トルエン蒸留法, 赤外線乾燥法など種々の 方法92)が提案されているが, 実験では A.O.C.S.の測定方法を改良 し た堤らの方法93)である10g 粒-1300C- 4 h法により, 供試大豆 と共に水分測定用に入れた大豆の水分の定量を行い, 供試大豆の水 分とした。 これは供試大豆が単粒であり, 1Ogに満たないこと, 及

び液体窒素から引き上げた際に大豆表面に霜がつくため, 正確な水 分測定が困難なためである。

実験は,ガラス製デュワーピンの空隙圧力を油回転真空ポンプ(佐 藤真空製 SV・2)で絶対圧力約267Paまで減じた後, 液体窒素(沸 点 ・195.790C, 101325Pa)約1 L程度を入れ, 投入直後のデュワ ービン内面温度による液体窒素の沸騰が収数し, デュワービン周辺 大気の放射伝熱による熱を受けてわずかな内面発泡が発生する程度 となった時点で,大豆粒子周辺の液体窒素温度測定用のT熱電対(線

径O.3mm)と共に大豆粒子をガラス棒の先端約2cm の位置に固定

whu QU

(5)

した状態で液体窒素中に投入し, 冷却 ・ 凍結中の大豆中心温度と周 辺液体窒素温度をぺンレコーダー(National製VP・6541A)で記 録すると同時に, 高感度モノクロームフィルム(ASA: 1600), 50mm 接写レンズを使用してシャッタースピード1/4000秒(カメラ: Nicon 製FM・2)で大豆表面に発生する沸騰気泡の撮影を行った。

-86-

(6)

ガラス製デュワーピン

む の

真空ポンプ

T熱電対 デジタルマルチメータ

φφ

ロ|\

ベンレコーダ 液体窒素

図5・1 実験装置の概略

Fig.5・1 Schematic diagram

of

the experimental apparatus

-87-

(7)

5.3結果および考察

5.3.1粒子温度と表面沸騰状態

液体窒素による大豆凍結時の伝熱状態を解析するためには, 大豆 表面における液体窒素の沸騰状態を明らかにしなければならない。

すなわち, 沸騰の形態により伝熱機構が異なり, 大豆の冷却特性に も大きな影響が現れるものと考えられる。 以下に沸騰現象の一般的 原理と, 水の沸騰現象を例に, 沸騰形態およびその伝熱特性につい て述べる。

液体が気体に相変化する現象が, いわゆる蒸発であるが, 例えば,

液体を入れた容器を静かに加熱すると, 自由液面に蒸発が生じ, こ のとき蒸発する分子は自由液面で潜熱を吸収する。 そしてこの潜熱 は, 自由液面下, 約lmm程度の深さの液層内に生ずる温度勾配に より, 主として熱伝導によって液体内部から蒸発面に伝えられる。

従って自由液面が飽和蒸気に接して蒸発を生じているとき, 液体内 部(対流のため温度はほとんど一様)は過熱状態にある。

容器の加熱を強めるとそれに比例して蒸発量も増す。 そして必要 な蒸発潜熱を自由液面に伝えるために液体内部の過熱度も大きくな る。 しかし過熱液は準安定状態であるから, 無制限の過熱は許され ない。

分子論的には, 液体分子のいくつかは一般に平均より大きなエネ

ルギーを持つが, 過熱度が増すにつれて, 蒸発を生ずるに十分な高 エネルギ一分子が一個所に集まる確率が増す。 そして多数の活性分 子が集まってー塊になると気泡が液内に発生する可能性がある。

しかし実際には, 極めて僅かな過熱度で定常的な液内蒸発を開始

-88-

(8)

するが, これがし、わゆる沸騰と言われる現象である。 一般に加熱面 上で気泡を発生するが, これは現実の伝熱面に存在する微少な割れ 目, 不純物, あるいは液中にひそむ気体が, それに直接接する過熱 液の蒸発を助けてしまうためである。

図5・2は水の沸騰曲線を示したものである。 縦軸は伝熱面より単 位時間 ・ 面積当たり水に伝わる熱量, 横軸は伝熱面温度と飽和温度 の差である。

水中の伝熱面の温度を上げていくと, 伝熱面温度が飽和温度より ある程度高くなるまでは, まだ普通の自然対流による熱伝達が支配 的である。 これが図5・2におけるAB 部分である。

しかしそれを越えると急激に沸騰の影響が現われ, 熱伝達は異な った機構に支配されるようになる。 図5・2における BCD の領域に 移るや, それまでとはかなり明確に区別される沸騰固有の伝熱特性 を示すのであって,核沸騰と呼ばれている。 ただし核沸騰のうちBC 部分では, 発泡点の数は伝熱面温度と共に増していくものの, まだ 多くなく浮上中の気泡も互いに分離している。 また各発泡点から離 脱する気泡の大きさ, 発生周期は, 統計的に言えばかなり一定の値 に保たれる。

しかし, 伝熱面温度の上昇と共に, 伝熱面上の発泡点の数が増し

てCDの部分に入ってくると, 再び様相が非常に変わってくる。 す なわちここでは発泡点どうしの干渉が顕著になるのであって, たと えば隣接発泡反に生長する気泡の上部が結合したり, 伝熱面を離脱 後さらに合体したりするものが生じ始める。 また発泡点における気 泡発生周期は短くなるが, やがて前後の気泡が干渉して連続に近い 蒸気柱が伝熱面上の多数の点から吹き出し, それらがさらに伝熱面

-89-

(9)

のすぐ上方で多数結合して大きな蒸気塊になったり, 大きな蒸気の 流れを形成したりするに至る。

しかし, 熱流束が増し蒸発量が多くなると, この形式の沸騰はや がて安定を失って成立しなくなる。 図5・2の D点はこれを示すもの である。

次にひるがえって, 伝熱面温度が極端に高い方から考えると, こ の際, 液体に許される過熱度には上限があるから, 高温伝熱面に液 体が触れる形式の熱伝達は生じ得ない。 すなわも伝熱面と液体聞を 極めて薄く, かつ安定な蒸気膜がへだて, 蒸気膜内の熱伝導で伝え

られる熱量により気液界面に蒸発が生ずる。 そして水平伝熱面の場 合, 発生蒸気は伝熱面上にかなり規則正しく並んだ比較的大きな泡 を生じ液中に離脱上昇する。 図5・2でEFG は上記形式の沸騰に連 なるもので, 膜沸騰といわれる。 蒸気膜が存在するため, 同じ熱量 を伝えるのに核沸騰よりはるかに高い温度差を必要とする94)。

-90-

(10)

1/ G D

106

1/ ノ\十E

z ,L,同吋‘、

c、J

...

105

,以u

、‘・...

。司

E議酬j

104

V

A

1 10 102 103

乙- 1;

CC)

図5・2 水の沸騰曲線94)

Fig.5・2 Boiling curve of water94)

-91-

(11)

図5・3は, 大豆(水分12.10/0) を液体窒素中へ投じた直後から,

大豆粒子の温度が液体窒素の常圧沸点である・195.790C(77.36K) に達し, 表面沸騰が収飲するまでの温度変化を示したものである。

測定値はぺンレコーダーで記録しているので, 連続した曲線になる が,この図では写真撮影を行った時刻のデータのみをプロ ットした。

実線は, 後述する凍結シミュレーションによる計算値である。

また, 図5・4"'-'図5・6は, 撮影した写真の中から代表的な表面沸騰 の状態を選び出したものであり, 各図の括弧内の数字は図5・3の測 定点に付した番号の位置の状態であることを示している。

図5・4のように大豆投入初期1.5秒(中心温度・69.50C) と2.9秒(・

85.10C)では, 核沸騰によって発生した気泡が合体してきのこ状に なっており, 膜沸騰に近い状態であるが, 発生気泡が大豆粒子全体 を覆ってはいないため, 基本的には核沸騰であると考えられる。 気 泡球の直径は, 大豆の大きさから計算して0.6"'-'1.0mm程度である。

8.6秒 後(-151.30C) および6.2秒(・125.30C)

では, 核沸騰の様子 がはっきり現れてきている(図5・5)。 また, 発生気泡の上昇によっ て大豆上部の伝熱が遅れるため, 気泡発生前線は大豆下部から上部 へと後退していくのがわかる。

ヮ“QU

(12)

-50

ふJ 倒 ・100 持層

-150

-200

0 5

Tso= 15. OO(OC) TL=-19 5.8(OC)

� e

=0.2(s)

10 15

時間 (5)

20 25 30

W=3.0

x

10・4(kg) A=4.00

x

10・4(m2)

m=12.1( %w.b.) α=2.26X10 ・6(kJ/h・ OC3.3)

図5・3 大豆の凍結シミュレ・ーション(水分12.10/0)

Fig.5・3 Freezing sim ulation for soybeans

(at moisture content of 12.1 %)

-93-

(13)

① 投入後 1.5秒, 中心温度 -69.50C

② 投入後 2.9秒, 中心温度 -85.10C

図5・4 大豆表面の沸騰状態

Fig.5・4 Boiling state on the surface of soybeans

AHτ Qυ

(14)

③ 投入後

6.2秒, 中心温度 -125.30C

④ 投入後 8.6秒, 中心温度 一151.30C

図5・5 大豆表面の沸騰状態

Fig.5・5 Boiling state on the surface of soybeans

whU Qυ

(15)

投入後

14.1秒, 中心温度 -188.20C

図5・6 大豆表面の沸騰状態

Fig.5・6 Boiling state on the surface of soybeans

ハbQU

(16)

5.3.2凍結率と粒子温度の関係

図5・7は, 1種類の溶質が固体溶媒としての氷 に溶けない場合の 水溶液の一般的な温度と組成の関係を示した模式図であるが, 例え

ば凍結前の農産物の状態がA点のような温度と水溶液組成の場合,

農産物の冷却に伴って, AからBへと垂直に変化をし, B点で最初 の氷が生成され, さらに農産物の温度が下がり, C点のような温度 に達すると, 氷がさらに生成されるが, 溶質は氷にはとけ込まない ため, 水溶液の濃度は, B点から液相線に沿ってD点のような濃度 の濃い水溶液となる。 このとき, 生成した氷と水溶液の割合は, て この規則によって線分CD :CEのようになる。 最後に, 共晶点温

度に達すると, 水溶液中の溶質を含めて全体が凍結する95)96)。

大豆に限らず野菜や果実などおよそすべての農産物の含有水分中 には, 可溶成分が少なからず含まれているため, 含有水分の凍結の 進行に伴い, このような水溶液中の可溶成分濃度増加, いわゆる濃 縮による氷点降下を起こしているものと考えられる。

氷点降下に関するRaoultの法則から凍結率Xと食品の温度Tsと の関係が次のように導き出されている97)98)。

X

=1一一ι

Tr

Ts (5.1)

しかし, 農産物中に含まれる可溶成分は1種類であることは希で あるので, この式では当てはまらないことが多い。 村田99)は, 流動 層凍結理論の中で, 上式に類似した次式を用いること により, グリ ンピースの流動層凍結について精密なシミュレーションに成功して いる。 ただし, この式における氷結温度 Tfには, 凍結率 X がゼロ となる点をとって補正した。

-97-

(17)

x=y-

f (5.2)

そこで大豆の場合も, この式を適用することにしたが, 大豆の凍 結率Xと粒子温度Tsとの実測例がないため, 加藤の文献97)に記載

された豆類に関するRiedelの測定値を利用した。

図5・8は最小二乗法による当てはめ結果であり, (5.2)式のγ, 8

の値を次のように得た。

γ二1.03

[-J

,8二一0.949

[OCJ

ただし, このデータは初期水分89%,w. b.の値であり, 任意初期 水分m'の凍結率X'を推定するに必要なパラメータ8'およびγ3は,

以下のように誘導した。

初期含水率が異なっていても, 凍結開始後は, 同じ温度における,

未凍結水溶液の濃度は等しい。 水溶液の凍結では水のみが固体(氷) となるので, 溶液の量が等しいとすれば(乾燥による水分変化は,

溶質量の変化を伴わぬ) , 結局これは未凍結水の量が等しいことを 意味する。 したがって, 次式が成立.する。

m (l-

X

)

=

m

'

(l

-

X

'

)

上式を変形すると,

X'=l-竺;-(1- m X )

これは, 初期水分mで凍結率がXであったとして, 初期水分が m'の場合の同じ温度における凍結率X'を推定する式である。 これ に(5.2)式を代入すれば,

X'= ( 1- 3- ;,( )

-98-

(18)

となり, 任意初期水分m'における凍結率式,

X'=y' 手

におけるパラメータγ'および8 'は次式で得られる。

y' = 1-呉 (l-y) m

ð'=竺8

m

-99-

(5.3)

(5.4)

(5.5)

(19)

A

E

均質水溶液

員 I I

氷+水溶液

,/国相線

氷+溶質の固体 北日占

、日日,.、、

PA ハU

溶質モル分率 1

図5・7 1成分系の相変化模式図

Fig.5・7 Scheme of phase changes for one component system

-100-

(20)

0.6

0.4

0.2 1.2

(,)川町掠帳、 0.8

0.2 0.15

粒子温度の逆数 -1 /T s (-, /t)

0.05 0.1

データは文献97)による (豆類)

凍結率と粒子温度の関係

図5・8

Relationships between freezing ratio and particle temperature (for beans)

-101- Fig.5・8

(21)

5.3.3沸騰熱伝達式

写真撮影で明らかになったように, 大立の沸騰は核沸騰であり,

温度変化をシミュレーションするためには, 核沸騰熱伝達の式が必 要となるが, 核沸騰熱伝達現象の複雑さから研究者によって提唱さ れている機構がまちまちなため, 種々の実験式が報告されている。

本研究では, その中から代表的な次の3つの核沸騰熱伝達式につい て, 後述する大豆の凍結シミュレーションによって適用性を検討し た。

Kutateladzeの式100)

\1111111Jノ 、E/ 一2 ハり 一、 t t y FD 一、 l /

- J tk

一V

一 ρ

一 P一一 7惚 1 aE‘ 一〆' 一 ρ ' L /Illl1111\

× FL rA PA × \BIll--,ノ 一V

l p

nu 一 rA一V

/Illit--t\

ハU × ハU サ/ 一一

n h一 一 一Ti - F L ー一九

TAS

西川と山県の式101)

♂TL十O.8{(出113 (会)l/3j×Prl/3(fJ/3 (5.7)

ただし, B, Cは定数で次の値を持つ。

B= 900 [11m], C= 7

.119 [kJ/h]

Labountzovの式102)

fJ.L=D

vLLpv

として,

D< 10・2のとき

_ _ _ _(

q _l

) � 1/3

� _ l =

0.0625

1 CJ.s' 1 Pr,

乙一九λL '- vLLρv )

(5.8)

D>

10・2のとき

-102-

(22)

\111111ノ

V

l

ρ

仏 一 FA一V /Illi--\ 戸、J 今,JM ハU 一一

一FL一 ー一九

中i nhて

一 ma--t

s

(5.9)

ただし, 式(5.6),(5.7)に現れるlは, 次の式で定義される長さの 次元を持つ量である。

1

=

-lgいL

I /

E

ん))

1

また, 式(5.8),

(5.9)のlは上式の重力加速度gを含まない代表

長さである。

:. :. �こ,

g:重力加速度[m/ S2

J

L:液体窒素の蒸発潜熱[kJ/kgJ p:系の圧力[PaJ

Pa :標準大気圧[

PaJ

PrL :液体のプラントル数[-J qs :熱流束[kJ/皿2・hJ

TL :液体窒素温度[OCJ T_ :粒子温度[ 'tJ

ε:液体窒素の表面張力[皿N/mJ λL •液体の熱伝達率[J/moh・OCJ

V L :液体の動粘性係数[m2/sJ

ρV •飽和蒸気の密度

[

kg/皿3J

したがって, 3式を qsについて整理し, 他の物理量を一定と考 えると, 熱流束qsと過熱度Ts-TLの関係、は, それぞれ次のようにな る。

Kutateladzeの式の場合

-

1 0 3

-

(23)

qsぽ (乙一九 )110.3 = (乙一九y .3

西川と山県の式の場合

qsぽ(久一九y

Labountzovの式の場合

qsぽ(え一九y

qsぽ(久一九)110.35

(D< 10・2) (D> 10・2)

5.3.4粒子冷却 ・ 凍結の方程式

(5.10)

(5.11)

(5.12 )

前項から核沸騰熱伝達では, 熱流束が過熱度の2.0�3.3乗前後に 比例するので, 乗数をnとおき, 比例定数をαとし, かっ, 大豆粒

子の大きさが小さいことから, 内部温度分布を無視して熱収支の式 をたてると, 次式が導かれる。

一三(CsWTs)+ oWm笠=純一九r

θθ 0θ

=- =- �こ,

Cs :粒子の比熱[kJ/kg・OC]

m:水分[%,w. b.

J

TJ:粒子温度[ 'tJ

W:粒子質量[kgJ X:凍結率[ -]

α:比例定数[kJ/h・ocn]

e :時間[h]

a :純氷の融解潜熱[kJ/kg]

(5.13)

左辺第1項は顕熱の変化, 第2項は大豆内水分の凍結に伴って得 られる凝固熱の変化を表している。

-104-

(24)

さて, 粒子の比熱 Cs [kJ/kg・OCJ と水分m [%, w. b. J, 凍結率X [-Jの関係については, 氷の比熱をC1 [kJ /kg・OCJ, 水の比熱を

C2

[kJ/kg・OCJ, 氷と水以外の構成物質の比熱をC3 [kJ/kg・OCJ と した次のSiebelの式99)

C s = {C

1

X + C 2 (1 - X )}m

+

C

3

(1

-m

)

= {C

1

X + C 2 (1 - X ) - C 3 }m

+

C 3 (5.14)

から,

に= (3.352 - 2. 149X)m + 1.159 (5.15 )

となる。 C3は, 大豆に含まれる水分以外の乾物の比熱と考えられ,

比熱は一般に温度の関数であるが, 村田ら82)が測定した DSCによ る穀物比熱の研究によれば穀物の比熱は一般に次式のように摂氏温 度に対して2次関数的関係にあり, 低温ではある一定値に漸近する

傾向を示す。

Cs= い え2 +bTs +c+dえ2+e乙+f

a�f:ノミラメータ

この研究では, 乾物に対する測定も行われており, T=O, m=Oと

(5.16)

すれば, 大豆乾物の比熱Csは

Cs=f=0.2 76 7 [cal/g・OCJ=1.159 [J/g・OCJ

となる。 式(5.13)を展開し, 式(5.3)と(5.15)を代入して整理すると,

TJ一羽

『U-FC

(5.1 7)

を得る。

-105-

(25)

5.3.5核沸騰時の熱伝達率と凍結シミュレーション

図5・3, 図5・9, 図5・10は, (5.17)式から Runge -Ku tta-Gill法に よって行った凍結シミュレーションの結果である。 前述した核沸騰 熱伝達に関する3つの式の適合性を比較するため, これらの図には 各式によって計算したシミュレーション曲線を入れてあるが, 計算 値の曲線が1本に見えるのは, 3式から各々計算した曲線はほとん ど重なったためである。 この図から明らかなように, 3つの核沸騰 熱伝達式は ほとんど同じ適合性を示しており, 計算値は水分増加に

伴う大豆粒子の凍結曲線の変曲した点の特徴もよく捉えている。

なお, 大豆の表面積は大豆種子を, 大豆種子の幼根と臓を通る断面 の最長方向の長さを直径とする球とし,その表面積を計算に用いた。

このシミュレーションの結果, Kutateladze の式に対する比例定 数αが図中に示したように求められた。 なお, シミュレーションに

よるαの最適値の推定は, 測定値と計算値聞の標準偏差を評価関数 として, コンピュータ上でα/Wの値を逐次ずらしながら標準偏差

が最小となる値を繰り返し計算によって求めた。

この比例定数αの値から実際の熱伝達率h [kJ/m2・h・OCJを求め るには, 熱伝達率の定義から

α(え一九y=九4(乙一九) h=α([s一九Y-l

A

(5.18)

で計

すればよい。 すなわち, 凍結の進行とともに熱伝達率は変化 するのである。 この式によって計算した熱伝達率の値は,

図5-3 (過熱度2110C) 1. 25 X 103 [kJ / m 2・h・OCJ

図5-9 (過熱度2120C) 1.31X103 [kJ/m2・h・OCJ

-106-

(26)

図5-10 (過熱度2080C) 1. 44 x 103

[kJ /皿2・h・OCJ

であり, 核沸騰熱、伝達時の熱伝達率は, 過熱度218CC)すなわち200C の大豆を投入した場合の 熱 伝 達 率に換算して平均で1.45 X 1 03

[kJ/m2・h・OCJとなった。

-107-

(27)

-50

ρ

・100

制関

同150

-200

0 5

Tso二16.04(OC) T

L

=

-

1 95

.

8 C C)

ß e

=0 . 2( s )

10 15

時間 (s)

20 25 30

W=3.0

x

10・4(kg) A=4.08

x

10・4(m2)

m=28. 4(%w. b.) α二2.39X10 ・6(kJ/h・t 3.3)

図5・9 大豆の凍結シミュレーション(水分28.40/0)

Fig.5・9 Freezing sim ulation for soybeans

(at moisture content of 28.4%)

-108-

(28)

-50

制 ・100

-150

-200

0 5

Tso=

12. 27 (OC) TL= -195.8(OC)

ð e

=0.2(s)

10 15

時間 (s)

20 25 30

W=3.0

x

10・4(kg) A=3.00

x

10・4(m2)

m=39.4(%w.b.) α=2.01XI0・6(kJ/h・OC3.3)

図5・10 大豆の凍結シミュレーション(水分39.40/0)

Fig.5・10 Freezing sim ulation for soybeans

(at moisture content of 39.4%)

-1

09

-

(29)

5.4 摘 要

大豆の凍結に伝熱効率の良い沸騰熱伝達を利用する上で必要な基 礎データを提供するため, 粒子凍結時の粒子温度の変化を測定し,

同時に表面沸騰状態を高感度フィルムと高速度シャッターカメラに よって写真観測し解析を行った結果, 次の結論を得た。

1 )粒子径が小さいことから, 粒内温度分布を無視し, 粒子温度の 関数としての凍結率式を考慮した次の熱収支式を Runge-Kutta­

Gill法で逐次計算することで, 大豆 粒子の凍結シミュレーション は可能である。

TS一JV九U一'u

2 )通常大気温度から凍結された大豆の沸騰熱伝達の沸騰形態は核 沸騰であり, 凍結シミュレーションによって, 核沸騰熱伝達時の熱 伝達率が次のように求められた。

h =1. 45 X 103

[kJ/m2・h・OCJ

(過熱度2180Cの時)

-110-

(30)

第6章 総 括

本論文では ポストハーベスト技術の合理化を目指し, 乾燥, 貯

蔵, 加工及び流通と広範にわたるプロセスにおいて特に重要となる 農産物の諸物性の測定及びシミュレーションモデルの構築を行った。

以下に得られた知見をまとめた。

第2章では, 高精度赤外線ガス分析計を用いて籾 ・ 小麦を対象と して, 穀物の最適貯蔵条件を考察するための指標となる呼吸特性の 測定を行った。 呼吸速度の穀温, 含水率との関係は, 籾に関しては どちらとも指数関数的に上昇したが, 小麦については含水率につい てやや異なり, 高含水率域で、指数関数的 上昇傾向から直線あるいは S字型の上昇傾向を示した。 呼吸速度の温度依存性は籾, 小麦両者 とも Arrhenius 式に極めてよく一致し, 呼吸速度を化学反応速度 とみることの正しさを確認できた。 また, 得られたデータより, 呼 吸速度の Arrnenius 型温度依存性, および穀物による含水率依存 性の違いを考慮、した実験式を得た。 この実験式は温度, 含水率につ いて広範囲にわたりよく適合しており, 貯留あるいは貯蔵における 呼吸熱による層中の畜熱状況を推定する基礎資料となるばかりでな く, 貯蔵中の穀物間隙中の酸素濃度低下による層中の穀物の呼吸障

害を知る基礎ともなると考えられる。

第3章では, 長期貯蔵環境とは異なり非定常的環境になりがちな 流通過程を想定し, 動的環境下での農産物の呼吸速度測定に有効な パウチ法により, 低温感受性作物であるキュウリ果実を対象に呼吸 速度の測定を行い, ガス環境変化が呼吸性質に及ぼす影響を検討し た。 急速な O2濃度の減少, CO2濃度の増加が起こるガス環境では

官­唱EA司I

(31)

呼吸速度が減少し, 特に, キュウリ果実においては, CO2濃度より O2濃度変化が呼吸抑制効果に影響を及ぼすことが示唆された。 さ らに, 急激なガス環境変化は呼吸に対しストレスとなり, 呼吸商は 増大したが, それはガス環境変化に対して時間遅れが認められた。

低温感受性作物であるキュウリは低温でCO2排出速度は増大した

が, O2消費量の増加は少なく, その呼吸商は2前後となることが 分かった。 以上に得られた知見は, 流通過程における合理的鮮度管 理技術の構築に大きく寄与するものと考える。

第4章では, 穀類の品質維持を目的として行われている乾燥操作 に焦点をあて, 高速 ・ 高品質乾燥が可能とされる誘電加熱法を穀物 乾燥に適応するための基礎実験として, 籾を対象にマイクロ波乾燥 実験を行い, その 理論的解析および品質に与える影響を検討した。

乾燥特性は拡散理論を用い, 昇温特性は新たに熱収支式をたてマイ クロ波乾燥シミュレーションモデルを構築し直行選点法により数値 計算を行った。 計算値は実測値とよく一致しモデルの妥当性が示さ れた。 本シミュレーションを用いると, 発芽率を維持し得る限界マ イクロ波出力はO.23W/gであることが示唆された。 脂肪酸度の変化 については特にマイクロ波乾燥の影響は見出せなかった。 本研究で 導出されたシミュレーションモデルはマイクロ波加熱を籾乾燥に適 用するに際し 重要な指針を与え得るものと考える。

第5章では, 農産物加工技術として広く用いられている凍結粉砕 等の前処理として 従来研究の行われてきた低温室素ガスによる農 産物の凍結 の代りに, 液体窒素の蒸発時冷熱と伝熱効率の高い沸騰 熱 伝達を直接利用 した Hydro -freezingを行う方法について, 大豆 を対象に基礎実験と理論的解析を行った。 大豆粒子の凍結シミュレ

-112-

(32)

ーション式として, 粒子温度の関数としての凍結率式を考慮、した熱 収支式を導出した。 また, 通常大気温度から凍結された大豆粒子の 沸騰形態は核沸騰であることが確認され, 凍結シミュレーションに よって核沸騰熱伝達時の熱伝達率は, 過熱度2 1 8(OC)すなわち200C の大豆を投入した場合, 平均で 1. 45 x 1 03

(k

J / m 2・h・OC)と推定され た。 本シミュレーションモデルは大豆の含有水分増加に伴う, 凍結

曲線に表れる特異な現象をも表現が可能であり, 将来的に高水分状 態での凍結を利用した新しい農産加工方法の基礎資料となり得るも のと考えられる。

。リ'EA 唱EA

(33)

謝 辞

本研究を遂行するにあたり, 九州大学農学部秋元浩一教授には,

終始熱心な御指導と御助言を賜りました。 ここに心より感謝の意を 表します。 九州大学農学部橋口公一教授ならびに九州大学農学部内 野敏剛助教授には, 本論文作成にあたり, 御校閲と貴重な御助言を 頂きました。 また, 村田敏前九州大学農学部教授(現, 名誉教授) には, 本研究遂行にあたり熱心な御指導を頂きました。 ここに厚く 御礼申し上げます。

さらに, 九州大学農学部井上英二助教授, 九州大学農学部河野俊 夫助手, ならびに九州大学農学部堀 善昭技官には数々の御便宜,

御協力を頂きました。 深く感謝致します。

本研究を行うに際し, 胡文忠氏をはじめとする九州大学農学部農 産機械工学講座の大学院生, 学部生, 卒業生諸氏ならびに山中捷一 郎助手, 田代克己技官, 岡安崇史氏をはじめとする九州大学農学部 農業機械学講座のスタッフ, 学生諸氏には多大な御協力を頂きまし た。 ここに厚く御礼申し上げます。

-114-

1998年1月 中野浩平

(34)

Material Properties of Agricultural Products for Storage and Processing

Kohei N akano

Summary

In this paper, the measurement methods of the material properties of agricultural products and the simulation models which are important at each process from drying, storage and processing down to distribution were developed to establish rational technology for quality preservation,

freshness keeping and processing of agricultural products,

First, the concentration of carbon dioxide gas generated from rough rice and wheat seeds under various temperature and moisture conditions ranging from 273.15 to 313.15(K) and 19 to 35(%,d.b.) , respectively were measured with the infrared gas analyzer which is capable of reading 1 ppm of carbon dioxide gas concentration. The measured carbon dioxide gas concentration was supposed as the ideal gas and transformed into the value of C02mg per unit time and dry matter weight. The results of the transformation revealed that the respiratory rate of both grains increased exponentially with grain temperature as reported by many investigators.

The respiratory rate of rough rice also increased exponentially with moisture content, however the increasing tendency of respiratory characteristics of wheat changed from exponential shape at a low moisture content to straight or S ・shape at a high moisture content. An

Fhu 咽Ei''i

(35)

ー-司r

empirical equation describing the respiratory rate was proposed and parameters were obtained by fitting with least square methods. The proposed equation takes into consideration that the respiratory rate of the grains expressed by the Arrhenius type equation with seed temperature and differs in the inclination with moisture content between both grains

Second, in order to clarify the respiratory characteristics of cucumber fruits under unsteady gas condition, respiratory rate was measured by the pouch method using two kinds of films. The results indicated that respiratory rate was declined under the concentration of oxygen and carbon dioxide sharply decreased and increased, respectively. It was suggested that an inhibition of the respiration of cucumber fruits was mainly effected by the changing in the concentration of oxygen.

Moreover, it was considered that the changing rate of gas concentration influenced respiratory metabolism because the respiratory quotient was increased under very quickly decreasing rate of oxygen concentration.

As regards cucumber frui ts which is sensi ti ve to chilling inj ury, the respiratory quotient was raised into about 2 under low temperature condition due to the high carbon dioxide evolution and the slight low oxygen consumphon

Third, as one of the basic study for applying dielectric heating method to the drying of grains, the microwave drying test for rough rice was performed. The dielectric heating is different from the conventional method and shows unique characteristics in grain heating. Equations for drying and heating were introduced using the diffusion theory and the

-116-

(36)

heat balance, respectively. Then, the obtained equations were transformed into simultaneous differential equations with the orthogonal collocation method which is one of the method of the weighted residuals,

and were calculated numerically by Runge-Kutta-Gill method to compare with experimental data. In addition, the germination rate and the fatty acid content of rough rice were determined to investigate the effect of the microwave drying on the quality of grains

At last, as one of the basic study for applying t'Ì1e Hydro-freezing method using liquid nitrogen to freezing of agricultural products, the direct freezing of soybeans by liquid nitrogen were tested at various moisture contents. The photographs of bubbles on the soybean surfaces during freezing revealed that the boiling mode was a nucleate boiling.

Moreover, a differential equation for freezing considering the heat balance and the freezing ratio was developed. The equation was solved numerically by Runge-Kutta-Gill method and the nucleate boiling heat transfer coefficient was determined by fitting the predicted curves to the observed values.

円i唱,A唱I

(37)

ー『唱司V

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参照

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