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ドイツにおける1973年リース会計基準の顚末 : 会計基準の設定・修正・廃止に関するIdWの公表物を手掛かりとして

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②1973 年基準廃止後の商法上のリース会計基準 このようにして,1973 年基準は廃止されることとなったが,その後の商法 上のリース会計基準はどのような展開を見せることになったのであろうか。結 論を示すならば,結局のところ,その後,商法上固有のリース会計基準が成立 することはなかったのである。商法固有の基準形成に代え,現在では,1970 年 1 月 26 日のリース判決がリースに対する商法上の GoB の基礎となり,その 後公布されたリース通達がその具体的限定基準として作用している36。すなわ ち,商法上の基準として,税法上の基準が援用して適用されており,実質的に 税法上と商法上でリース会計基準が一体化して機能しているのである。 4.おわりに 以上,本稿では,ドイツにおける商法上のリース会計基準として 1973 年に 経済監査士協会より公表されたリース会計基準を取り上げ,その設定から廃止 に至る過程を IdW の公表物を手掛かりに明らかにしてきた。その内容を要約 して示せば,下記の 3 点にまとめることができるであろう。 第一は,1973 年基準が,その内容や成立時期から判断して,それに先行し て公布された税法基準を範として形成された点である。これら基準は,ともに 経済的帰属性の論理に従いリース契約の貸借対照表への計上を導く点,具体的 にはリース資産の耐用年数とリース期間との比較考量,オプションの有無の重 視,および特別仕様リースであるか否かを判断基準として用いている点で共通 している。 第二は,両基準の異質点である。1973 年基準は経済的帰属性の論理に従い リース契約の計上判断を行うことを原則としながらも,商法上の GoB の将来 の展開を意図して,経済的所有権の存在が疑われる場合であっても,リース契 約を借り手の側で計上する規定を含んでいる。これに対して税法基準はリース

36 Werner et al.(2005)S. 230,および Hommel et al.(2006)S. 89 を参照。リース通

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判決で示された経済的帰属性の論理をリース通達が具体化するよう形成されて おり,一貫して経済的帰属基準が適用されている。 第三は,1973 年基準が,経済的所有権の存在が疑われる場合であっても リース契約を借り手の側で資産計上することを要請する点で批判を受け,修正 そして廃止へと至った点である。1973 年基準が廃止されたのは,当該基準自 体に問題があったため実務に根ずくことがなかったことに加え,実務ではすで に税法基準が商法上の基準としても定着していたからである。その結果,現在 では,リース契約の会計処理としては税法上も商法上も税法基準が適用される ことになっているのである。 参考文献 木下勝一(1985)『リース会計の論理』森山書店。 菱山淳(2014a)「ドイツ税法におけるリース取引の帰属基準―とくに連邦大蔵省の リース通達に焦点をあてて―」『経理研究』第 57 号,中央大学経理研究所,2014 年 3 月,pp. 291−304。 菱山淳(2014b)「ドイツリース会計に対する米国会計基準の影響―とくに 1970 年ド イツ連邦財政裁判所のリース判決を題材として―」所収倉田幸路編著『財務会計 の現状と展望』白桃書房,2014 年。 森川八洲男(1991)「リース会計(XI)」『税経通信』4 月号,1991 年 4 月,pp. 31−37。 弥永真生(2005)「ドイツにおけるリース会計」『リース研究』第 1 号,pp. 65−81。

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参照

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