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研究分野紹介 免疫・感染制御研究分野

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 免疫・感染制御研究分野のメインテーマは「腸管IgA抗体による腸内細菌叢制御機構の解析とその 応用」です。腸内常在細菌叢の異常(dysbiosis)が多くの疾患の発症に関連しており、各種疾患の治 療とdysbiosisの治療は密接に関連すると考えられています。腸内細菌の刺激によって宿主の免疫系 は成熟しIgA抗体の産生も始まります。そして腸内細菌の刺激によって産生されるIgA抗体が腸内常 在細菌叢を制御するというように、腸内常在細菌と宿主の免疫系は相互に作用しています。腸管にお いて産生される抗体の主なアイソタイプはIgA抗体であり、IgA産生細胞は非感染時において全身の 抗体産生細胞の80%を占めるほど多量に腸管に存在します。抗体は獲得免疫の主たるプレーヤーです ので、病原菌の感染時には病原菌特異的な抗体が検出可能です。一方、腸内常在細菌叢は少なくとも 100種以上の菌種で構成されており、食事や抗生物質などの外的要因で日々変化しています。このよ うな状況において、腸管IgA抗体が腸内常在細菌の何を認識して腸内細菌叢を制御するかについては ほとんど明らかにされておらず、漠然と腸内細菌に結合して何らかの制御を行っていると考えられて きました。この疑問に答えるために私たちはマウスの小腸IgA産生細胞からハイブリドーマを作製し、

各モノクローナルIgA抗体が認識する腸内常在細菌由来分子を同定してきました。そして腸内細菌叢 制御に有用なIgA抗体とはどのような抗体かを見極めるべく研究をしています。

 抗体のクラススイッチは正常に起こるが体細胞突然変異が障害されているマウス(AID

G23S

マウ ス)の病態解析から、細菌に強く結合するIgAを産生できないと腸内細菌の異常増殖(dysbiosis)や

目 次 研究分野紹介(免疫・感染制御研究分野)��������� 1 研究最前線(生体有機化学研究分野、発生・再生研究分野、

     蛋白質複合体解析研究分野)���������� 4 受賞者紹介����������������������� 5 研究紹介(藤木克則、清水一道)������������� 6 着任のご挨拶(新藏礼子、奥山輝大、深谷雄志、清水一道)� 7 ドクターへの道(坪山幸太郎)�������������� 8 海外ウォッチング(藤井晋也)�������������� 9 OBの手記(宮地弘幸)������������������ 10 留学生手記(岳 欣辰)����������������� 11

研究室名物行事(RNA機能研究分野)����������� 12 第22回分生研シンポジウム ��������������� 13 研究倫理セミナー�������������������� 13 平成29年度動物慰霊祭 ����������������� 14 平成29年度総合防災訓練 ���������������� 14 平成29年度高校生のためのオープンキャンパス ������ 14 所内レクリエーション報告���������������� 15 お店探訪������������������������ 16 知ってネット���������������������� 16 編集後記������������������������ 16

研究分野紹介 免疫・感染制御研究分野

免疫・感染制御研究分野 教授  新藏礼子

IMCB

University of Tokyo The University of Tokyo

Institute of Molecular and Cellular Biosciences

1月号(第59号)2018. 1

東京大学 分子細胞生物学研究所 広報誌

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腸炎が発症することを明らかにしてきました(Wei M & Shinkura R et al. Nat Immunol. 12: 264- 70, 2011)。この病態の治療には野生型マウス由来の腸内細菌に強い結合力を持つIgA抗体を経口で 補充することが有効ではないかと考え、野生型マウスの腸管IgA産生細胞からハイブリドーマを多 数作製して、その中から多くの腸内細菌に最も高い結合力を示したW27モノクローナル抗体を選 択しました。W27抗体は大腸菌や Pseudomonas fulva などProteobacteriaには強く結合しましたが、

Lactobacillus casei (L. casei) や Bifidobacterium bifidum のようないわゆる善玉菌には結合しない ように細菌を識別する抗体であることがわかりました。どうやって良い菌と悪い菌を区別してい るかを知るために、質量分析によりW27が認識する大腸菌の抗原分子を特定しました。抗体が認識 するので、細菌の表面分子であろうという予測に反して、W27抗体が特異的に認識したのはserine hydroxymethyltransferase(SHMT)という代謝酵素であることがわかりました。またその分子内エ ピトープ(EEHI)も同定しました(図1)。驚いたことに、異なる系統の複数のマウス個体から得ら れたIgA抗体の実に95%のクローンがすべてSHMTの同じエピトープを認識しました(図1)。W27抗 体はこのエピトープ部分のアミノ酸の違いを識別して、大腸菌と L. casei への結合力が異なることも 明らかにしました。

 さらにW27抗体は強く結合する大腸菌の増殖を抑制しましたが、ほとんど結合しない L. casei の増 殖は抑制しませんでした(図2)。すなわち、 「悪い菌」を識別して結合しその増殖を抑え、一方で「良 い菌」には結合しないため「良い菌」の増殖を阻害せずにこのIgA抗体は腸内細菌叢を制御している という作業仮説が成り立つことがわかりました。また、SHMTのエピトープ部分がEEHI配列を持つ 細菌をリストアップすると、ほとんどが大腸菌や多くの病原菌を含むProteobacteriaであることがわ かり、W27抗体は「悪い菌」をまとめて制御するためにマウスの中で選択された抗体であるようです。

 実際、W27抗体をマウスに経口投与することで、腸内細菌叢のバランスが変化し、腸管のB細胞

図1 (左)W27抗体が認識する分子とそのエピトープの同定

 W27抗体が認識する分子は代謝酵素serinehydroxymethyltransferase(SHMT)であることを大腸菌の抽出タンパク質を用 いたマス解析により明らかにした。さらに大腸菌SHMT分子のエピトープがアミノ酸25-45番目の領域であり、その中のEEHI 配列であることを確定した。この部分の配列がEHNIであるLactobacilluscaseiのSHMTはW27抗体によって認識されない。

 (右)EEHIを含むペプチド(P1.1)のBSAコンジュゲートをELISAプレートにコーティングして、系統や飼育場所が異なる 計6匹のマウス由来の腸管IgA抗体を反応させた。44クローン中42クローンがSHMT-P1.1を認識したが、その中でW27抗体 の結合力は群を抜いて強かった。SHMT-P1.1に結合しないクローン #ミエローマ由来マウスIgA(Negativecontrol)

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の過剰増殖を抑制し炎症を抑制する大腸の制御性T細胞(Treg細胞)を誘導することも示しました。

さらにW27抗体をマウス腸炎モデル(DSS誘導性腸炎、およびT細胞移入腸炎)に経口投与し、腸 内細菌叢変化を介したW27抗体の腸炎抑制効果も確認しました(図3)(Okai & Usui et al. Nature Microbiol 1:16103, 2016, Okai & Usui et al. Gut Microbes 6:1, 2017)。

 以上のように、W27抗体が腸内細菌叢改善に有効な経口治療薬候補であることを明らかにしてきま した。W27抗体は抗炎症剤や免疫抑制剤のように宿主の免疫系をターゲットにするのではなく、あく まで腸内細菌叢という外的環境を改善する薬の候補です。炎症性腸疾患だけでなくdysbiosisが関与す ると考えられる種々の病気の治療あるいは予防へつながる可能性があると考えます。一方で、基礎研 究として、細菌のSHMTを認識することで酵素活性が実際に抑制されるのか、また、通常は細胞内に 存在すると考えられる代謝酵素SHMTをIgA抗体が認識できるか、などの問題はまだ解決していませ ん。加えて、将来のヒトへの応用を考えるとマウスのW27抗体がヒト腸内細菌叢改善効果を示すかど うかも検討する必要があり、今後一つずつ課題を克服していきたいと考えています。

 私たちの研究室では、腸管IgAの研究以外にも、IgAを特異的に誘導する新規化合物の研究や抗体 遺伝子の編集機構の分子機構の研究も行っています。別の機会にご紹介できればと思います。

図2 W27抗体の細菌表面への結合と増殖抑制効果

図3 W27抗体によるDysbiosisの改善と臨床応用への期待

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ハンチントン病原因タンパク質huntingtin を分解に導く小分子の創製

Shusuke Tomoshige, Sayaka Nomura, Kenji Ohgane, Yuichi Hashimoto, Minoru Ishikawa

Discovery of small molecules that induce degradation of huntingtin.

Angew. Chem. Int. Ed. 56, 11530-11533(2017).

 ハンチントン病(HD)は、アルツハイマー病等と同じ神 経変性疾患の一つです。HDを発症すると運動機能や認知機 能が徐々におかされ、20年ほどで死に至ります。しかし現時 点で根治療法は見出されておらず、その開発が喫緊の課題と なっています。HDはhuntingtinタンパク質(Htt)の変異が 原因とされています。変異したHtt(mHtt)はβシートに富 んだ構造のために凝集性を有し、その凝集体は細胞毒性を示 します。そのため、mHtt凝集体を減らすことが効果的な治 療法になると期待されています。

 当研究分野では、小分子によって標的タンパク質の分解を 誘導する手法を開発しています。この手法では、標的タンパ ク質のリガンドと、ユビキチンリガーゼ活性を有するタンパ ク質IAPsのリガンドを連結した小分子によって、標的タン パク質のユビキチン化とプロテアソームによる分解を誘導し ます。私たちは、この手法をmHttに適用することで、mHtt を減らすことができると考えました。

 しかし、Httに対する小分子リガンドは見つかっておらず、

従来の方針では分子設計が行えませんでした。そこで私たち は、mHttの凝集性に着目し、タンパク質凝集体を認識する 小分子をIAPのリガンドと連結させた連結小分子ST081およ

びST170を設計・合成しました。合成した連結小分子はどち らも、HD患者由来細胞においてmHttタンパク質の存在量を 顕著に減少させました。

 今回の成果は、小分子によってmHttの存在量を減少させ た最初の例であり、新たなHD治療アプローチの提案に繋が るものと期待しています。また、HD以外にも、タンパク質 凝集体が原因となる神経変性疾患がいくつか報告されていま す。今回創製した連結小分子がHD以外の神経変性疾患にも 応用できる可能性があり、現在、さらなる研究を進めていま す。(友重秀介)

ヒトiPS細胞からの肝臓モデル構築

Yuta Koui, Taketomo Kido, Toshimasa Ito, Hiroki Oyama, Shin-Wei Chen, Yuki Katou, Katsuhiko Shirahige, Atsushi Miyajima

An In Vitro Human Liver Model by iPSC-Derived Parenchymal and Non-parenchymal Cells

Stem Cell Reports 9, 490-498.

 肝臓は、代謝、解毒、恒常性の維持など多様な機能を有す る臓器であり、これらの肝機能を担う肝細胞(肝実質細胞)

と肝類洞内皮細胞や肝星細胞などの肝非実質細胞から構成さ れています。特に、肝細胞は肝機能の中心を担うことから、

近年、創薬研究や再生医療研究への応用を目的として、ヒト iPS細胞から肝細胞を誘導する試みが活発に行われています。

肝臓の発生過程において、肝前駆細胞は、肝非実質細胞と相 互作用することで肝細胞へ分化するため、ヒトiPS細胞由来 肝細胞の高機能化においても、肝類洞内皮細胞や肝星細胞が 寄与する可能性が考えられます。また、肝非実質細胞は、肝 細胞の分化・成熟や機能維持に寄与するだけでなく、様々な 肝疾患においても重要な役割を果たしています。したがっ て、肝非実質細胞は多様な肝機能を備えた肝組織の構築やin

vitro肝疾患モデルの開発において極めて重要です。

 本論文では、マウス肝発生過程の解析から、肝類洞内皮細

胞や肝星細胞の前駆細胞の同定・分取に成功し、それらの分 化・成熟には、それぞれTGFβシグナル、Rhoシグナルが関 与することを見出しました。さらに、これらマウス非実質 細胞の前駆細胞の分離法および増幅・成熟化培養系をヒト iPS細胞からの分化誘導系に応用して、ヒトiPS細胞由来の肝 類洞内皮細胞および肝星細胞の誘導法を開発しました。ヒ トiPS細胞由来の肝類洞内皮細胞と肝星細胞は、肝細胞の成 熟化に関与する分泌因子や細胞外マトリクス等を高発現し、

iPS細胞由来肝前駆細胞との共培養により、肝前駆細胞の増 殖と肝細胞への分化・成熟を支持することを明らかにしまし た。今後は、構築したヒト肝臓モデルを肝線維化やウイルス 感染系などの肝疾患モデルへと応用し、肝疾患に対する新た な予防・診断・治療薬の開発を目指します。

図 本研究のコンセプト、およびST081とST170の構造

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不良ミトコンドリアの目印を除去する仕 組み

*Yusuke Sato, *Kei Okatsu, Yasushi Saeki, Koji Yamano, Noriyuki Matsuda, Ai Kaiho, *Atsushi Yamagata, *Sakurako Goto-Ito, Minoru Ishikawa, Yuichi Hashimoto, Keiji Tanaka and *Shuya Fukai

*蛋白質複合体解析研究分野(放射光分野融合国際卓越拠

点))

Nat. Struct. Mol. Biol., 24, 911-919(2017)(doi: 10. 1038/

nsmb. 3469)

 神経変性疾患の一つであるパーキンソン病は、高齢になる ほど有病率が高くなるため、社会の高齢化に伴って患者数は 増加しつづけており、発症メカニズムの解明と根本的な治療 法の確立が社会的に強く望まれています。共同研究者の田中 啓二 東京都医学総合研究所 所長の研究グループは、パー キンソン病の原因の1つに、神経細胞における不良ミトコン ドリアの蓄積があることを明らかにしてきました。通常の細 胞では、健常なミトコンドリアが不良ミトコンドリアになる とユビキチン鎖が付加され、それを目印としてオートファ ジーによる分解が行われます。一方、USP30は常にミトコン ドリア外膜上に存在し、ミトコンドリア上のユビキチン鎖を 切断除去することで、ミトコンドリアの過剰な分解が起きな いように制御していると考えられています(図1)。しかし、

USP30がどのようにしてユビキチン鎖の切断除去を行うの か、そのメカニズムは不明でした。本研究では、USP30とユ ビキチン鎖との複合体の立体構造を高分解能で決定して切断 メカニズムを明らかにしました(図2)。さらに、田中所長 らとの共同研究で、最先端の質量分析法を駆使して、USP30

によるミトコンドリア上のユビキチン鎖の切断を解析しま した。USP30の阻害は不良ミトコンドリアの除去を促進させ ることから、USP30の阻害剤はパーキンソン病に対する治療 薬の候補として注目されています。本研究で解明したUSP30 の高分解能の構造情報は、阻害剤設計の重要な足がかりとな り、パーキンソン病の治療薬開発につながることが期待され ます。

図1 不良ミトコンドリアの蓄積を原因とするパーキンソン 病とUSP30との関係

図2 Lys6を介して結合したユビキチン鎖とUSP30との複 合体の立体構造

受賞者紹介

受 賞 者 名: 友重 秀介、野村さやか、山下 博子、大金 賢司 橋本 祐一、石川  稔

賞   名: 平成29年度日本薬学会メディシナルケミストリーシンポジウム優秀賞 受 賞 日:2017年10月27日

受賞課題名: 神経変性疾患原因タンパク質のケミカルノックダウン

石川  稔

受 賞 者 名:藤井 晋也

賞   名: Best Poster Award, 17th International Conference on Heterocycles in Bioorganic Chemistry(Galway, Ireland)

受 賞 日:2017年5月31日

受賞課題名: A p p l i c a t i o n o f B o r o n C l u s t e r s i n M e d i c i n a l C h e m i s t r y -Development of Carborane-Based Nuclear Receptor Modulators-

受 賞 者 名:山下 博子

賞   名: 第12回日本ケミカルバイオロジー学会年会RSC・Organic & Biomolecular Chemistryポスター賞

受 賞 日:2017年6月9日

受賞課題名:神経変性疾患関連凝集タンパク質分解誘導剤の開発

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ゲノム高次構造の理解に向けた新たな研究手法 の開発

ゲノム情報解析研究分野 先端的研究教育プログラム 助教 藤木克則

 ゲノムが持つ情報は、ヌクレオソーム、ヒストン修飾、プ ロモーター・エンハンサーなどの機能ユニットやこれらに結 合するタンパク質、TADや染色体テリトリーなど、様々な 次元で制御されています。クロマチン領域の相互の物理的位 置関係もその機能の発揮に非常に重要であり、ゲノム情報 の制御に深く関わっています。このようなクロマチン高次 構造を解析する手法としてHi-C、HiChIP、ChIA-PETなどの 方法が確立されていますが、これらは核内で隣接する2つ のDNA領域を酵素的に接合して解析を行うため、基本的に 2領域間の相互作用しか検出できません。しかし、核内には もっと多くの領域からなる相互作用も存在していると予想さ れます。そこで私は、このような多領域間相互作用を検出す るための新たな手法の開発に取り組んでいます。

 生細胞中で相互作用するゲノム領域をタンパク質-DNA複 合体として薬剤架橋し、適宜断片化して必要に応じChIPを 行なったのち、毎秒数百というペースで液滴を生成するマイ クロ流体デバイスによってこの複合体を微小液滴中に封入し

ます。このとき同時に、バーコード配列を持つランダムプラ イマーを付着したビーズとPCR酵素等も液滴に入れておきま す。このバーコードはビーズごとに異なっており、液滴中で 増幅反応を行うことで複合体に含まれる様々な領域のDNA を共通のバーコードでラベルすることができます。増幅後の DNAを次世代シーケンサーで解読し、バーコードにより相 互作用していたゲノム領域を再構成します。現在はこの手法 の反応条件の最適化段階にあり、今後この手法を用いてコ ヒーシン・CTCF等によるクロマチン高次構造の解析を行い たいと考えています。

ショウジョウバエの記憶形成におけるシナプス 可塑性の解析

先導的研究教育プログラム(神経生物学研究分野)

助教 清水一道

 学習や記憶は個体の生存にとって必須の神経機能であり、

神経系を持つ多くの動物に保存された生命現象です。様々な 種を用いてこのような記憶の過程を行動実験的に再現するこ とが可能で、ショウジョウバエにおいてもいくつかの記憶・

学習のパラダイムが存在します。なかでも匂い刺激と電気 ショックを組み合わせた忌避性の古典的条件付けは最も広 く用いられてきたものの一つで、学習過程において匂いAを 電気ショックの存在下で、匂いBを電気ショックの非存在下 で提示すると、その後の記憶テストでは匂いAを忌避し匂い Bに誘引されるようになる、というものです。近年、神経細 胞の遺伝学的操作と上記の行動実験を組み合わせることによ り、記憶形成に関与する神経回路の理解が単一細胞レベルで 進んできており、キノコ体と呼ばれる神経構造やその周辺の 細胞群が重要な役割を果たすことがわかってきました。

 より微視的には、神経細胞間のシナプスにおける神経伝達 効率の変化(シナプス可塑性)が学習や記憶の成立過程にお いて重要な役割を果たすと考えられており、アメフラシから マウスまで多くの生物がシナプス可塑性研究のモデルとして 用いられてきました。しかし、ショウジョウバエの記憶・学 習研究においてはシナプス可塑性が直接示された例がなく、

記憶の本質的な理解には至っていません。そこで我々は、キ ノコ体やその周辺の細胞群における記憶形成前後でのシナプ ス可塑性を観察することを目標としています。具体的には時 空間分解能やS/N比に優れた電気生理学的手法を用いて記憶 形成前後での後シナプス電位のサイズ変化を調べる系の確立 を目指しています(図)。さらにこれを足がかりとして、過 去の行動実験や遺伝子発現解析から記憶形成に寄与すること が示唆されている因子群がシナプス可塑性にどのように関与 するかを明らかにしていきたいと考えています。

図:ショウジョウバエ中枢神経系におけるシナプス結合の例  光で活性化するように遺伝子操作されたシナプス前細胞

(左)と、シナプス前細胞からの入力による後シナプス電位

(右)

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着任のご挨拶

卓越フロンティア研究分野 准教授  奥山輝大

 12月より着任致しました奥山輝大です。学部から博士まで、理学系研究科の生物科学専攻で過ごしましたが、

その間、非常に優秀な友人達が、続々と分生研へと進学していくのを見て、「なんて恐ろしい研究所だ……」

と常々慄いておりました。まさか自分の新拠点になろうとは、夢にも思っていませんでした。

 大学院時代は、久保健雄先生と竹内秀明先生のラボで、メダカの恋愛行動を研究していました。メダカはオ スが必死にメスに求愛し、メスが配偶相手の選択を行いますが、その際に、メスはよく知っている馴染みのオ スを受け入れる傾向があります。その神経メカニズムを調べたところ、メスの脳内のGnRH3ニューロンとい う神経が、求愛の受け入れから拒絶へのスイッチングを制御することで、「メスの好み」が形作られている事 を見つけました。しかしこの研究の中で、「どのようにして個々の友達の事を区別して覚えているのか」とい う謎は完全にブラックボックスのままで、どうにも攻めあぐねてしまいました。そこで、モデル動物をマウス へと変え、MITの利根川進先生のラボで、「友達記憶」のメカニズムを調べ始めました。幸いにも、友達記憶 に特化した海馬の小領域を見つけ、その領域のニューロンの活動を操作することで、記憶そのものを直接操作 することに成功しました。例えば、ある友達の記憶と、電気ショックやコカインによる正負の情動を連合させ ると、その友達を人為的に嫌いにも好きにもさせられます。

 これまでは行動神経科学を扱ってきましたが、せっかく分生研という素晴らしい分子生物学の研究所に来た

のですから、積極的に新しい要素を混ぜ合わせて、面白い現象を発見していければなと願っています。アーサー・クラークというSF作家 は「十分に発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」と言っていますが、分生研から「魔法のような科学」を発信していけるよう に頑張りますので、皆様どうぞよろしくお願いいたします。

免疫・感染制御研究分野 教授  新藏礼子

 2017年11月1日に免疫・感染制御研究分野の教授として着任いたしました、新藏礼子(しんくられいこ)と 申します。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 私は1986年に京都大学医学部卒業後6年間、一般病院で麻酔臨床医としてほぼ1日中手術室で過ごしました。

その間、人間という生物の持つ恒常性維持機構の巧妙なしくみに驚かされるばかりで、時には自分の行う処置 が本来の恒常性維持機構の邪魔をしているのではないかと反省いたしました。大学院入学後は、当時の京都大 学大学院医学研究科医化学第一講座・本庶 佑教授(現京都大学特別教授)のもとで免疫学、なかでも抗体遺 伝子の編集機構の研究をさせていただきました。本来個々の細胞は遺伝子の変異を見つけるとすぐさま修復す るはずですが、抗体を産生するリンパ球の抗体遺伝子は例外で、新しい強力な抗体を作るためにその遺伝子に 能動的に変異を入れる機構が備わっています。しかもすべての遺伝子ではなく、抗体遺伝子のある部分に高率 に変異が導入されるように調節されており、ランダムな遺伝子変異による細胞のがん化を抑制する仕組みが構 築されています。生物のしたたかさに感激した大学院生時代からの思いは今も変わりません。長い進化の過程 で選ばれたその調節機構を解明することなど私にはハードルが高すぎると諦めかけておりましたが、分子細胞 生物学研究所諸先生のハイレベルな研究を拝見し、この環境で再度挑戦をさせていただきたく思いますので、

ご指導よろしくお願い申し上げます。

 大好きな言葉があります。“明歴々露堂々” という禅語です。真理は奥深いところに隠れていて皆が簡単に見ることはできないと考えられが ちですが、実は明らかに露(あら)われており、見る気がないから見えないのだ、というような意味と理解しております。サイエンスはまさ にそういうものではないかと思います。先入観に囚われず曇りのない目で真実を見極めたいと常に自分を戒めたいと思います。百聞は一見に 如かずと申しますが、逆に目に見えないinvisibleなものにも真実はあると思います。私たちの健康と深い関係にあり、最近注目を浴びている 宿主と共生する微生物叢はまさにinvisibleではありますが、厳然と存在しており無視できない影響を私たちの身体に及ぼします。腸内細菌と 宿主の抗体の相互作用解析を現在研究室のメインテーマとして取り組んでおりますが、抗体が認識する細菌由来の分子は想像もしなかった分 子であり、ますます先入観のないクリアな目で見えないものも見る努力が必要であると実感しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

卓越フロンティア研究分野 講師  深谷雄志

 12月1日よりエピゲノム疾患研究センター卓越フロンティア研究分野講師として着任いたしました深谷雄志 と申します。2014年に東京大学新領域創成科学研究科で学位取得後、UC Berkeleyで一年三ヶ月、Princeton大 学で二年半をポスドクとして過ごしました。これまで私は一貫して “どのように遺伝子発現が制御されている のか” という問いに取り組んできました。現在は特に、エンハンサーと呼ばれる非コードDNAを介した転写 制御に着目して研究を行っています。近年のシークエンシング技術の発展によってゲノム中に存在するエンハ ンサーが網羅的に同定されてきていますが、一方でそれらが転写を制御する基本的な仕組みには未だに数多く の謎が残されています。特にダイナミクスという観点からの理解は立ち遅れていました。私はショウジョウバ エ初期胚において転写活性をリアルタイムに可視化するライブイメージング法を駆使して、この謎の解明に取 り組んでいます。分生研では、従来のライブイメージングだけではなく、ゲノム編集や生化学といった幅広い 手法を組み合わせながら、エンハンサーを介した転写制御における基本的な仕組みの解明に挑みたいと考えて います。同時に、新たな実験技術の開発にも積極的に取り組み、独自の切り口から遺伝子発現制御を理解した いと考えています。皆様のご助力・ご指導を賜りながら、他人の手垢のついていないオリジナルな研究分野を 切り開くことを目指していきたいと思います。色々とご迷惑おかけすることもあるかもしれませんが、どうぞ よろしくお願いします。

先導的研究教育プログラム 助教  清水一道

 2017年7月1日付けで、神経生物学研究分野(多羽田研究室)の先導的研究教育プログラム助教に着任いたし ました清水一道と申します。修士・博士課程の5年間は多羽田哲也教授のご指導の下でショウジョウバエの神経 発生研究を行い、その後ポスドクとしてアメリカ国立衛生研究所のMark Stopfer研究室でパッチクランプ法によ るショウジョウバエ嗅覚系の微小回路解析に取り組みました。ショウジョウバエの嗅覚系において、匂い情報は投 射神経と呼ばれる細胞群の時空間的活動パターンとして表現されていると考えられており、その活動パターン形成 に寄与する新規細胞群の探索、およびこれら細胞群間のシナプス結合を光遺伝学や薬理学を用いて解析しました。

 この4月からはかねてより多羽田研究室の研究テーマであったショウジョウバエの記憶形成メカニズムの解 明に取り組んでいます。記憶の細胞学的メカニズムに関しては、マウスの海馬における長期増強現象などの解 析からシナプス間の結合強度の変化(シナプス可塑性)が記憶の本質であると広く考えられてきましたが、ショ ウジョウバエにおいては記憶形成につながるシナプス可塑性が直接示された例がありません。一方で近年、行 動実験や分子生物学・遺伝学により記憶形成に関与する神経回路の理解が進み、シナプス可塑性を明らかにす るための解剖学的な基盤が整ってきました。そこで、アメリカ留学中に習得したパッチクランプ法の技術を活 かし、シナプス可塑性の直接的な観察やその分子メカニズムの解明を目指しています。

 分生研では、二光子顕微鏡や共焦点顕微鏡など神経生理学研究に必要な多くのリソースが利用可能で、日々 その恵まれた環境に感謝しています。至らぬ点も多々あると思いますが、何とぞご指導ご鞭撻のほどよろしく お願い申し上げます。

(8)

 高校生の頃、10年前に小学生だった自分からの手 紙が送られてきました。小学校の創立記念式の一環 でタイムカプセルに未来の自分への手紙を入れたと いうことをすっかり忘れていたので、とてもびっく りしましたが、その中には「目指すは理科です」と 書かれていました。受け取った高校生の自分は、理 科への興味を失っており、現実的なことを様々思案 した結果、医学部へ進学しました。が、結局もとに 戻って研究者を今は目指しています。

 研究者を目指しているのは、1つには学部時代に 水島教授にお世話になった際の経験によります。こ こでは顕微鏡を用いてオートファジーの研究を行っ ていました。思い通りにはいかないことも数多く有 りましたが、世界で初めてとある現象を運良く目撃 することが出来、その後の帰り道でこの現象を見た のは少なくとも今は世界の中で自分だけであるとと ても興奮した覚えがあります。その後、その現象の 再現性を確認することで大きな苦労することになる とは、その当時の自分は認識していませんでしたが。

 2つめは、学部時代の授業で、医学・生物学が、

他の分野に比べて理解が遅れていることを実感した からです。丁度2年前の私は以下のような国家試験 問題を説いていました。

57歳の男性。倦怠感を主訴に来院した。3日前から 倦怠感があり、食欲も低下している。尿の濃染にも 気付いていた。海外渡航歴はない。《中略;肝臓の 機能障害を疑う検査結果》

確認すべきことは何か。

a生貝の摂食 b生肉の摂食 c刺青の経験 d健康食品の摂取

 この問題は医学的知識と言うよりは医療的な状況 を反映している問題で、答えはdになります。実際 に、このような肝機能障害は健康食品によって引き 起こされうるという警鐘を鳴らしている問題です。

患者にはむやみに健康食品などを取らないように指 導するというのが医学生用の参考書の解説には記載

されています。が、授業の中でとある整形外科の先 生は、それは医師や医学の傲慢で、医学が患者さん の要求に答えられていないから、患者さんはこのよ うな代替手段に頼ってしまうのだと仰っていました。

 「膝の痛みで患者さんは良くお越しになるが、ほ ぼ全員がコンドロイチン入りの健康食品を摂取され ている。医者はなぜそんな無駄なことをと思う人が 多いが、患者さんもそんなことは当然理解してい る。理解しているが、藁をもすがる思いでそのよう な健康食品を使っている。

 物理・化学・工学・地学の分野は、多大に人類に 貢献してきた。だからこそ雨乞いをやる農家はいな いし、飛行機があるからこそ鳥になれる翼のような 馬鹿げた商品は無い。大半の健康食品は同様に碌で もないものであるが、これが多いに売れているのは、

患者さんの問題ではなく医学・生物学が未熟で社会 の期待に応えられていないからに他ならない。だか ら私は膝の軟骨の再生の研究を行っている。」

 今のところ、私自身はこのような医療現場で直接 役立つ研究を行う予定はなく、あくまで生物学的に 興味深い内容の研究を行いたいと思っています。一 方で、自身の研究がいつの日か社会に間接的にでも 貢献出来ることを願い、そのようなことを常に念頭 におきたいとも感じています。幸いなことに楽しん で研究を現在行っておりますが、今後は自身の興味 や楽しみを軸にしながらも、幅広い視野を持ち謙虚 に真摯に研究に向き合えるような研究者になること ができれば、理想的だと考えています。今後共、ご 指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い申し上げます。

ドクターへの道

RNA機能研究分野 博士課程2年  坪山 幸太郎

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 2016年10月から断続的に約1年間、IGBMC(フ ランス)のHinrich Gronemeyer Labにて研究活動 を行なってきました。生物・化学系の研究者にとっ て留学渡航先の多くは米国(たまにドイツ)、この

「海外ウォッチング」も米国留学記が多いかと思い ます。ということで、今回は少々珍しいフランスで の研究生活について気ままに記そうと思います。

 珍しい、と書きましたが、IGBMCは転写研究の 一大拠点なのでご存知の方も多いと思います。フラ ンス東部のアルザス地方、ストラスブール郊外にあ るIGBMCは、約50の研究チームに1,000人弱の人が 在籍する大きな研究所です。多国籍なのも特徴で、

50か国ほどの人がいるそうです。実際、私が派遣さ れたGronemeyer Labも、ドイツ人のボスのほか、

ボリビア人、インド人、ロシア人、レバノン人など が在籍していました。事務職員や技術職員も含めて ほぼ皆が英語でコミュニケーションでき、また研究 所の事務連絡も英仏2カ国語で送られるので、外国 人にも過ごしやすい環境だと思います。IGBMCで は、国内外の著名な研究者の講演会が頻繁に行われ るほか、研究所メンバーによるconfidentialな内部 セミナーも行われ(全て英語)、常に鮮度の高い情 報に触れることができます。Gronemeyer Labはシ ステムズバイオロジーを中心にした研究室で、私は 主に生物活性低分子が標的とする遺伝子の網羅的な 解析法に関するウェットな実験を行っていました。

化学、分子生物学、数学、プログラミングなど様々 なバックグラウンドを持つ人が活発にディスカッ ションし、面白いことを見つけようと励む様子は非 常に刺激的でした。また、通常のラボミーティン グのほか、金曜日の夕方にはTGIF(Thanks God, It’ s Friday:花金)パーティーとしてお酒を飲み ながら様々なアイデアを出し合いました。講演会や ミーティングでの活発なディスカッションは、研究 活動がinteractiveなものであることを実感させてく れます。また、ヨーロッパ各地で開催される国際学 会に比較的気軽に参加できることも、アイデアの interactionを加速させると感じました。

 研究所の外に出ると、フランスの片田舎なので言 葉を含めて困難はありますが、大学の街であること や(ストラスブール大学は約五百年の歴史を持つ)、

ドイツおよびスイス国境に近いこともあり(アルザ ス地方は歴史的に独仏の領土争いの場)、外国人に とてもオープンで、困っていると誰かしら助けてく れます。また、フランス人はわがままで自己主張が 強くあまり働かないという話(イメージ)に身構え ていましたが、実際に住んでみると皆フレンドリー で親切でした。これは外国人に対してのみではなく、

常日頃からお互いに助け合う、共助の精神が根付い ていると感じました。例えば、街は決してバリアフ リーではありませんが、お年寄りや子供連れ、障碍

者などには、近くにいる人が自然にサポートします。

トラムに駆け込み乗車(本当はダメですが)しよう とすると、知らない人が閉まらないようにドアを押 さえて待っていてくれたりします。田舎ということ もありますが、人々が余裕を持って生きていました。

もちろん、フランス的な余裕は良いことばかりでは ありません。特に役所や大学事務にかかる「時間的 余裕」は過大で、効率が悪い事この上ありません。

私も出国に必要な役所のハンコ1個もらうのに3か 月かかり、一時帰国できず航空券をキャンセルする 羽目になりました。日本に帰って、仕事の速さや丁 寧さ、責任感に改めて感服しますが、逆にフランス では予定通り進まないのが当たり前なので、余裕を 持てる(持たざるを得ない)のかなとも思います。

 私事としては、家族を残して単身で出発したの で心配や寂しさがありましたが、毎日テレビ電話

(FaceTime)をしていたので、出発当時3歳と0 歳の子供に顔を忘れられることもなく帰ることがで きました。こういった文明の利器の発達も、海外に 向かう人を大いに後押ししてくれます。出発前はも ちろん不安でしたが、結果として、タフさ、そして フランス的な余裕を身に着けたのかなと思います。

また、ストラスブールにいる日本人はさほど多くな いですが、それが却って様々な職業や分野の人々と の、かけがえのない出会いをもたらしてくれました。

 以上、思いつくままに記しましたが、この経験を さらに価値のあるものにするために、今まで以上に 研究・教育に精進しようと思います。最後に、この 機会を下さったJSPS拠点形成事業、1年間のわが ままをお許し頂いた橋本教授はじめ生体有機化学研 究分野の教室員の皆さまに感謝を申し上げ、拙稿を 締めたいと思います。お読み頂きありがとうござい ました。

Institut de Génétique et de Biologie Moléculaire et Cellulaire(IGBMC)

藤井晋也(生体有機化学研究分野)

海外ウォッチング

ある日のTGIFにて。この日は日本の酒を提供。左からフラ ンス人、日本人(筆者)、ドイツ人(ボス)、ボリビア人、

インド人。写真を撮っているのはレバノン人。

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 分生研ニュースのOBの手記に執筆の機会を頂き ました、東京大学創薬機構構造展開ユニットの宮地 です。還暦近いOBの手記が役に立つか?心配です。

しかし、若手研究者に、20年後30年後の自分を夢想 するきっかけになれば幸いです。私の分生研時代、

岡山大学時代、そして現在の創薬機構構造展開ユ ニットに関しまして紹介します。

【分生研時代】

 私は、2004年4月に杏林製薬(株)より分生研生体 有機化学研究分野(橋本研)助教授として着任させ て頂きました。橋本先生は、私の学位論文の主査で、

1996年よりご指導を頂いています。当時の橋本研 は、生物応答調節剤、特に核内受容体リガンドの分 子医薬化学研究を精力的に展開されておりました。

特に、橋本先生が直接創製に関与された、合成レチ ノイドタミバロテンが上市目前でした。私は、橋本 研の核内受容体リガンド研究をさらに発展させるべ く、研究対象を代謝性核内受容体(PPAR、FXR、

LXR)にまで拡大し、選択的リガンドの創製を展 開しました。2004年4月~ 2008年9月までの4年 半で、本テーマで2名が博士号、8名が修士号を取 得し、分生研より巣立ちました。大学院生が無事に 博士号を取得でき、アカデミア教員として、大変な 自信となりました。

 一方、企業転出者として悩まされたのが科研費で した。審査員の心に響く申請書が、なんとしてもイ メージ出来ず、在籍期間中3回の科研費申請は全敗 でした。橋本先生の脛かじりでしたが、幸い3年目 に文科省大型研究(ターゲット蛋白)の分担研究者 となり、潤沢な研究費を頂くことが出来ました。お かげで核内受容体リガンド創製研究を大きく展開す ることが出来ました。

【岡山大学時代】

 2008年10月に、岡山大学大学院医歯薬学総合研究 科教授として転出しました。縁もゆかりもない、新 幹線で東京から三時間半もかかる岡山県の国立大学 です。設備はまあまあかと期待しましたが、ガッカ リでした。旧態依然の化学設備、実験室は独特の臭 気を放っていました。ターゲット蛋白研究費を岡山 大に移し、実験設備は総取り替えしました。岡山大 学転出後は、科研費や民間財団助成も順当に採択さ れ、有機合成と活性評価の両方を、研究者が実施出 来る体制を確立しました。さらにターゲット蛋白の 後継事業(PDIS)に岡山大学代表者として採択頂 き、研究面は充実出来ました。岡山大学では、ゲノ

ミックな核内受容体リガンド 創製と、ノンゲノミックな核 内受容体リガンド創製を展開 しました。また、岡山オリジ ナル研究として、岡山大学が 歴史的に感染症研究に強みが あることを踏まえ、耐性菌に 対する新規メカニズムの抗菌

薬研究を行いました。天然由来の大環状化合物に抗 MRSA活性を発見し、その活性向上を目指した研究、

作用メカニズム研究を効率良く展開出来ました。正 に “地の利” の成せる技でした。

 一方、中堅教授となり、学内外の管理職を兼務す るようになりました。薬学部副学部長、医歯薬学総 合研究科副研究科長を歴任しましたが、研究の時間 がさかれ、ストレスフルでした。さらに、大学内の 裁判沙汰に巻き込まれかなり疲弊致しました。そん な時、現職、東京大学創薬機構構造展開ユニット特 任教授就任の話をいただき、あまり悩みもせず、こ れまでの承継教授職を辞し、東京へ戻った次第です。

【創薬機構構造展開ユニット】

 従来のアカデミア創薬では、“ヒット化合物” か らリード化合物への構造展開(HTL)がボトルネッ クであり、いわゆる “魔の川” と言われる障壁があ りました。この障壁を乗り越える組織として、日 本医療研究開発機構(AMED)が、新たに設立し たのが構造展開ユニット(LEU)です。アカデミ ア創薬における “ヒット化合物の構造展開支援強 化” を目的として、LEUが、創薬機構内組織として 設立されました。LEU最大の特徴は、製薬企業現 役研究員が出向で事業に参画していることと、従来 のアカデミアでは実現が困難であった、薬物動態・

物性評価を加味した、一体的構造展開を実施可能と した点です。言わば “アカデミア内の初期創薬プロ 集団” です。LEUの主たる取組は、“ヒット化合物”

から “リード化合物” への構造展開で、ヒット化合 物からリード化合物へと磨きをかける組織です。

 アカデミア創薬は今や国家プロジェクトとして推 進されています。基礎研究から非臨床研究、臨床研 究の、まさに一気通貫創薬事業展開がAMEDによ り強力に推進されています。アカデミア発医薬品創 出確率を向上させるために、アカデミアライフサ イエンス研究者の創薬研究を一段と効率的に進め、

アカデミア発医薬品創出確立の向上に繋がるよう、

LEUは邁進致します。アカデミア創薬に興味を持 つ多くの若手研究者の参画を歓迎致します。

OBの手記 

東京大学創薬機構構造展開ユニット 特任教授

宮地 弘幸

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 3年前、今みたいに留学生として、日本で、東京 大学で勉強するとは思っていませんでした。子供の 頃から、第一外国語として英語を学びました。十数 年英語を学ぶことは、まるで欧米国家へ留学に行く 準備です。大学3年生のある日、卒業後の進路を考 えていたときに、ある大胆な考えがふと胸に浮かび ました。「日本に留学しないのですか?」躊躇せず に、私はこの決定を下しました。そして、人生の新 たな挑戦が始まりました。

 私はテレビで日本のアニメを見て育ちました。ア ニメの主題歌と一緒にハミングするのは、日本語勉 強の始まりです。その後数年間、断続的に日本語を 自学自習しました。大学入学するまでに、日本語は 簡単な日常会話のレベルに達しました。日本に留 学することを決めたあと、棚の中の「The Official Guide to the Toefl Test」が「新編標準日本語」に 置き換えられました。勉強していた時に、自分の不 足をますます感じていましたし、この決定は確かに 大きなチャレンジであると認識しました。日本語を 学んでいる外国人の中には、日本語能力試験に合格 することは日本語勉強の出発点であるという言葉が あります。日本に来た後、この言葉を深く感じま した。N2合格のわたしは日本語を分かりませんし、

話せませんし、まるで聾唖者のようです。幸い小林 先生と研究室の皆さんはとても優しくて、私が日本 語を勉強したいと知っていますから、いつも親切に 助けてくれます。私も速い進歩を遂げます。

 実は、私はとてもおしゃべりやですが、日本に来 た後、言葉が通じないから、普段はほとんど話しま せん。でもそのために、日本人の行動方式を観察す るのに余裕があります。これは、とても興味深いこ とです。もともとは、中国人も日本人も同じ米を食 べていて、漢字を使っているので、文化も非常に似 ているはずと思いましたが、いろいろな違いを見つ けました。日本人は細かいことも真面目にします。

それに、他の人を褒めることも得意です。違う髪色、

またはネイルアートを褒められます。“かわいい”、

“きれい”、そういう小さなサプライズに私は人生の 素晴らしさを感じます。また、日本人はいつも整然 としています。例えば、実験室の試薬は全てアル ファベット順に並べられ、見つけるのは簡単です。

 日本人にはたくさんの長所がありますが、いくつ かの短所も見つけました。ここで、私が一番言いた いのは、長所であると同時に短所でもある日本人の

特徴です。それは“誰にも迷惑をかけない”という ことです。迷惑をかけないことは、実に他人のため を考えていることです。これは間違いなく善良な性 質ですが、中国人としてはあまり賛成しません。

偶々他の人に迷惑をかけることは、人間関係の構築 のために、重要だと思います。「助けてもらってい い?」の意味は「私に迷惑をかけても大丈夫!」。

お互いに、困ったときには迷惑をかけあい、助け合 うと、問題解決の効率も上がります。またこの過程 で、他人と友達になれます。私から見ると、迷惑を かけない人は偉いですが、近づきにくい方です。逆 に、わがままに迷惑をかける人は近づいてもOKの シグナルを送っていると思います。

 もう一つ気になるのは日本人が常に「すみませ ん」を言うことです。私には、それはミスを犯した と思う時にしか言わない言葉です。勉強によって、

日本で「すみません」は「Sorry」以上の意味があ ることがだんだん分かってきました。多くの場合、

「Excuse me」または「Thank you」の意味も表示 されています。まだ完全に慣れていませんが、これ はいわゆる「カルチャーショック」だと思います。

異国文化を体験する時の楽しみですね!本格的な日 本式表現を覚える前なので、私は素直に「ありがと う」で感謝の気持ちを伝えます。

 ありがとうございます!では、これからもよろし くお願いします!

留学生手記

ゲノム再生研究分野 研究生   岳 欣辰

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 大学院に入学し、泊研究室で研究をし始めてから 早くも半年が過ぎました。今回、研究室名物行事紹 介の執筆を拝命いたしましたので、この半年間の中 で印象に残った泊研の行事を紹介させていただこう と思います。

 入学する前の4月には上野公園での新入生歓迎会 兼お花見会がありました。入学前なのでまだ研究室 のメンバー全員とは面識がない上に顔と名前が一致 しない状態での参加だったのでとても緊張しました が、桜の花が咲き乱れる下で皆さんが楽しく談話し ている姿を見て、すぐに打ち解けて楽しく会話でき るようになりました。留学生の方も花見という日本 文化にふれる機会ができて、とても楽しそうにされ ていたのを記憶しています。そこで仲良くなった留 学生達とは今でも毎日一緒にお昼ご飯を食べに行っ たり、土日も博物館やお祭りに一緒に行ったりして いるので、今思い起こせばこの最初のイベントがと ても良い機会であったと実感し、とても感謝してお ります。

 泊研では、毎年関東地方や中部地方の名所を巡る 研究室旅行を行っていたそうです。今年は秋に長野 県軽井沢市に行きました。旅行中は買い物や軽井沢

ならではの食事を堪能しましたが、特に印象に残っ たのはムササビウオッチングです。それは、とある ホテルの駐車場にムササビの巣が設置されており、

ムササビを目の前で見えるというものでした。メン バーと息をひそめながら観察していると巣から何匹 ものムササビが軽やかに木々を飛び歩く姿を観察す ることが出来ました。また、夜には泊先生含め研究 員、技術補助の方、学生のみんながトランプや花札 遊びを楽しみ、とても面白かったです。

 最近新たに始まったイベントとして、ハロウィー ンパーティーが行われました。各自がそれぞれ思い 思いに、魔女や猫、ウサギ、サンタクロース、工事 現場の人?など仮装を楽しみながら、お菓子を食べ 雑談したりしました。いつもは研究グループで分か れていたり、研究場所が異なっていたりしてなかな か集まれない人たちも集うことができて有意義な時 間を過ごせたと感じました。来年もこのイベントが 開催されたらいいなと思います。

 このように泊研では四季を通してイベントを開催 し、メンバーとの交流を深めています。分子生物学 研究所の人ともこのようなイベントを通して交流を 深めていけたらいいなと思います。

新領域創成科学研究科メディカル情報生命専攻(RNA機能研究分野) 修士課程一年   櫻井友理希

研究室名物行事

四月の花見の様子

ラボ旅行 ハロウィーンパーティー

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 平成29年8月4日に東京大学中島董一郎記念ホー ルにて、公益財団法人応用微生物学・分子細胞生物 学研究奨励会との共催により、分生研シンポジウム が開催されました。分生研シンポジウムは例年、何 らかのテーマ設定のもと特定の研究領域に焦点を当 てて開催されます(第19回「生き物の寿命は何が決 めるか?―細胞から個体レベルまで―」;第20回「い まノンコーディングRNAを考える」;第21回「発生 再生のダイナミズムと細胞間相互作用」)。ですが、

22回目を迎えた今回のシンポジウムのテーマは「生 命科学の若手フロンティア」。研究領域を限定する ことなく、生命科学の多様な領域で最前線を走る国 内外の若手研究者の先生方がご登壇下さいました。

シンポジウムはフロンティアという言葉通りの素晴 らしいご講演の数々で、思わず息を飲むようなデー タに会場が静まりかえるシーンが何度もありまし た。その度に、ホール外の蝉の鳴き声が微かに聞こ えてきたことが印象に残っています。30代を中心と した若手の先生方のご講演は、学会の基調講演等と はまた異なる熱量があり、着目する生物種(酵母・

ハエ・マウス・ヒト・植物など)も生命現象(DNA 修復・記憶・転写・膜電位・炎症・染色体異常・

RNAサイレンシングなど)も多岐に渡る内容でした が、会場全体がスクリーンに引き込まれていました。

学内外からホール内で立ち見が出るほどのご参加を 頂いた会場からは、途切れることなく質疑が沸き起 こり、8月の東京に勝る熱気あるシンポジウムとな りました。

 本シンポジウムにおいて、RNA機能研究分野 泊 研究室は事務部の皆様と共に、当日の会場運営に関 わらせて頂きました。微力を尽くしただけの立場で 申し上げるのも恐縮ではありますが、この素晴らし いシンポジウムの企画・運営・開催にあたりご尽力 頂きました分生研の先生方、奨励会の皆様、事務部 の皆様、またご参加頂いた皆様、そしてご講演頂い た先生方に心より御礼申し上げます。

担当:RNA機能研究分野 小林 穂高

第22回分生研シンポジウム

 平成29年9月5日(火)に弥生講堂・一条ホール にて、第2回研究倫理セミナーを開催致しました。

 日経サイエンス編集長の古田彩氏にご講演いただ き、聴講者からは「大変勉強になった」「不正調査 の大切さを再確認できた」「記者の視点から研究不 正について解説していただき、大変分かりやすく興 味深かった」などの意見が寄せられました。

・「メディアから見た研究不正」

日経サイエンス編集長 古田彩様

研究倫理セミナー

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平成29年度動物慰霊祭

 東京大学分子細胞生物学研究所(分生研)では毎年、研究活動に尊い命を捧げてくれた動物達の御霊に感謝と追悼 の意を表すため、実験動物慰霊祭を行っています。今回で20回目となる慰霊祭は、平成29年10月24日(火)に、農学 部附属動物医療センター奥の動物慰霊碑前において執り行われました。当日は爽やかな秋晴れの空の下で55名の参列 者があり、本年4月から所長に就任された白髭教授からのご挨拶、動物実験委員長から一年間の動物実験概要の報告 の後、一分間の黙祷と焼香を行いました。

 分生研では多くの教職員・学生等が遺伝子改変マウスの作製やその解析、タンパク質の精製、抗体の作製などの目的で 実験動物を使用しています。過去一年間の動物使用数はマウス13,394匹、ウサギ1羽という報告でした。ちなみに平成25 年度のマウス使用数は22,272匹でしたので、過去3年間で40%減となっています。さらに特筆すべきは、過去一年間にお いて、A棟SPFにおける感染事故、プレハブ棟における新たな感染事故、さらに全施設で咬傷等実験中の事故の報告がゼ ロであったことです。皆様が適切に動物および施設を使用されている成果の現れであることに加え、動物実験施設の円滑 な運営に日々ご尽力いただいておりますJAC様に御礼申し上げます。

 動物実験は過去数年減少・抑制傾向にありましたが、一方で CRISPRなど遺伝子編集技術の目覚ましい発展・普及により、今後 は特に基礎研究分野においてマウスの使用が増えると予想しており ます。動物実験で失われた尊い命を有意義な研究成果にかえられる よう、今後も明確な研究目的をもって動物実験に取り組み、適切な 動物実験計画に基づいた3Rの堅守をお願い申し上げます。また最 近他部局において、マウス実験の実施自体が疑義となった研究不正 疑惑がありましたが、日々の動物実験においても適正なノートや記 録の管理を、改めてお願いします次第です。

 最後に慰霊祭の準備・後片付けを担当してくださった分生研事務 部の皆様に、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

動物実験委員長 岡田由紀

 平成29年12月5日(火)、台風のため延期されていた農学部との 合同総合防災訓練が実施されました。今回の訓練は震度6弱の強い 地震が発生したという想定で行われ、分生研の教職員・学生、本館 に入居する他部局の教職員など、133名が参加しました。

 12時00分に全学放送システムによる緊急地震速報が流れ、避難指 示の館内放送が入ると、参加者が建物内から整然と避難を開始し、

一時避難場所である本館前に速やかに集合しました。点呼終了後、

二次避難場所である農学部グラウンドへの避難を行いました。最後 に本郷消防署からの防災・防火に対する心構えなどの講評をいただ き、訓練は無事終了しました。多くの方に参加していただき、防災 意識を高めるよい機会となりました。

平成29年度総合防災訓練

一時避難場所(分生研本館前)での点呼の様子

 平成29年8月2日(水)・3日(木)に本郷キャン パスで『高校生のための東京大学オープンキャンパス 2017』が開催され、弊所では3日(木)に模擬講義及び 研究室見学を実施しました。

 当日は、午後1時より生命科学総合研究棟B 301会議 室において、お二人の先生がそれぞれ30分間、合計1時 間の模擬講義を行い、午後3時より45分間、生命科学総 合研究等3階顕微鏡室-オリンパス-バイオイメージング センター(TOBIC)で、最新の顕微鏡を使用して水中 の生物を観察しました。

 どちらの企画にも、最先端の生命科学研究の一端に触 れてみたいという熱意にあふれた高校生が集まり、模擬 講義41名、研究室見学7名が参加しました。

 模擬講義の内容は以下のとおりです。

  「肝臓の中を観てみよう」

発生・再生研究分野   伊藤 暢 准教授   「ゲノミクスについて知ろう!」

ゲノム情報解析研究分野 須谷尚史  講師

平成29年度高校生のためのオープンキャンパス

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 去る10月27日(金)正午より農学部グラウンドにて分生研ソフトドッジボール大会が開催されました。参 加者は24名で事務部+ゲノム再生チームと蛋白質複合体解析+RNA機能チームとの戦いになりました。結果 は2対0で事務部+ゲノム再生チームの圧勝に終わりました。ソフトボール大会から競技変更後2回目とな る本年度は、前年度よりさらに軽いボールを採用しました。飛距離こそ出ませんでしたが、恐怖心なく競技 ができるようになり改善できたと思います。私もプレイヤーとして今回の目玉賞品である「日めくりまいにち、

修造!」そして「イケメン付箋」を獲得すべく全力を尽くしましたが、力及ばず2試合とも外野で試合終了 となりました。今年も晴天に恵まれ、秋空のもと気持ちのよい汗をかくことができました。

参加者の声

RNA機能研究分野 木村悠介さん  初めて参加させていただきまし たが、久しぶりに良い運動ができ ました。ドッジボールは学生の多 い研究室が強いのかと予想してい ましたが、意外にも事務部の皆さ んが圧倒的な力を発揮し、完敗し ました。まだまだ学生には負けな い、という社会人の強い思いを感 じることができました。修造カレ ンダーなどの素晴らしい賞品をい ただくことはできませんでした が、運動した充実感と気持ちの良 い気候のおかげで、満足して帰る ことができました。次回は賞品獲 得のため“もっと熱く”なりたい と思います。

所内レクリエーション報告 

分生研親睦会ソフトドッジボール大会担当 RNA機能研究分野 岩川弘宙

分生研親睦会ボウリング大会担当 生体有機化学研究分野  ゲノム情報解析研究分野

 去る11月8日(水)午後7時より、東京ドームボウリングセンターにて分生研ボウリング大会を開催いた しました。21名の方々にご参加頂きました。今年度は、4レーンの予約となり、1レーンあたり4~7人で のゲームになりましたが、皆様のご協力により2ゲームを無事時間内に終えることができました。大会後、各 参加者の2ゲームの合計スコアをもとに、男女別の1位から3位、またブービー賞を決定し、表彰させて頂 きました。

 当初は参加者が集まらず、開催が 危惧されましたが、なんとか無事に 終えることができました。企画・進 行をお手伝い下さいました事務部の 黒野さん、土居さん、円滑な進行に ご協力頂きました参加者の皆様には 大変感謝しております。来年度以降 も事務部や各研究分野の方々との交 流の場として大会を続けていくこと ができるようにと思います。本当に ありがとうございました。(横田)

男子1位 鷺 森 郁 也(生体有機化学)

男子2位 高 橋   元(事務部・財務)

男子3位 青 木 秀 夫(事務部・財務)

女子1位 粕 谷 真理子(事務部・総務)

女子2位 定 永 尚 代(事務部・総務)

女子3位 黒 野 優 菜(事務部・総務)

ブービー賞 Anhsao Nguyen (ゲノム情報解析)

(敬称略)

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