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<研究ノート> 注釈・フランス家族法(8)

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(1)Kwansei Gakuin University Repository. Title. <研究ノート> 注釈・フランス家族法(8). Author(s). Tanaka, Michihiro, 田中, 通裕. Citation. 法と政治, 63(4): 133(1146)-158(1121). Issue Date. 2013-01-20. URL. http://hdl.handle.net/10236/10386. Right. http://kgur.kawansei.ac.jp/dspace.

(2) 【研究ノート】 研 究. 注釈・フランス家族法 (8). ノ ー. 田. 中. 通. 裕. 目次 Ⅰ. 序説. Ⅱ. 民法典第1編第5章 「婚姻」. Ⅲ. 民法典第1編第13章 「民事連帯協約及び内縁」. Ⅳ. 民法典第1編第6章 「離婚」. 第3節. (以上, 61巻3号, 4号, 62巻2号, 3号). 第1節. 離婚事由 (229条∼247条の2). 第2節. 離婚の手続 (248条∼259条の3). 第3節. 離婚の諸結果 (260条∼295条). (62巻4号) (以上, 63巻2号) (63巻3号) (277条まで, 本号). 離婚の諸結果 (Des        du divorce). 本節は, 第1款 「離婚の効果が発生する日」, 第2款 「夫婦についての離婚 の諸結果」, 第3款 「子についての離婚の諸結果」 から構成される。 離婚は, 離婚した夫婦の間に一定の効果を発生させる。 離婚が離婚した夫婦 間にもたらす効果は, 身分上の関係における効果と財産関係におけるそれとに 大別できる。 前者に属する効果には, 婚姻から生じる義務の消滅 (⇒260条の 注釈 [二] 参照), 再婚の自由 (⇒263条), 他方配偶者の氏の使用についての 効果 (⇒264条) などがある。 財産関係について, 本節では, 離婚が夫婦間の 贈与や夫婦財産制上の利益に及ぼす影響 (⇒265条) などについての規定が置 かれている。 また, 損害賠償の規定 (⇒266条), さらには 「補償給付」 (prestation compensatoire) の制度 (⇒270条以下) が注目される。 最後に 「住 居」 についての規定 (⇒285条の1) も置かれている。 なお, 「補償給付」 の制 度は, 1975年法によって創設されたが, その後2000年6月30日の法律による改 正を受けた。 この改正は制度導入後生じていた様々な弊害に対応するものであ り, これにより補償給付の改定条件の緩和, 債務者の相続人の保護などが図ら 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 133( 1146 ). ト.

(3) れた。 さらに, 2004年法がこの制度に関する規定の多くを改正した。 離婚は, 夫婦間の子に対する親権行使, 養育義務の履行形態に影響を及ぼす。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法. そのため, 1975年法では, 「子についての離婚の諸結果」 に関する規定 (286条 ∼295条) が本章第3節の第3款に設けられた。 しかし, 親権に関する2002年 3月4日の法律は, 婚内子と婚外子の差異をできる限り解消するために, これ らの規定を民法典第1編第9章 「親権」 (371条以下) に移動させた。 現行法で は, 本節の第3款 「子についての離婚の諸結果」 には, 第286条が残るのみで. (. ある。. ). 8 第1款 離婚の効果が発生する日 (De la date laquelle se produisent les effets du divorce). 第260条. (1975年7月11日の法律第617号) 離婚を言い渡す裁判は, それ. が既判力を生ずる日に婚姻を解消させる。 Art. 260. (L. n75617 du 11 juill. 1975) La .   . qui prononce le di-. vorce dissout le mariage la date laquelle elle prend force de chose      [一] 本条は, 離婚によって生ずる婚姻解消の日について規定する。 民法典 第227条が規定するように, 「婚姻は, 適法に言い渡される離婚によって解消す る」。 離婚は婚姻を解消させる点において, 婚姻関係を維持する制度である別 居 (     . de corps) とは異なる。 また, 将来に向けての (遡及効のない) 婚姻の解消である点で, 原則として婚姻を遡及的に消滅させる婚姻無効とも異 なる。 離婚による婚姻の解消は, 夫婦の身分上の関係および財産上の関係に一 定の効果を発生させる。 [二] 本条によれば, 離婚による身分上の効果は, 離婚を言い渡す裁判が既 判力を生ずる日に発生する。 このような身分上の効果としてまず挙げることが できるのは, 婚姻から生ずる義務の消滅である。 すなわち, 生活共同の義務 (devoir de .

(4)

(5)   de vie) (⇒215条) ―すでに勧解不調命令によって停 止 さ れ て い る ― , お よ び そ の 必 然 的 帰 結 で あ る 扶 助 の 義 務 (devoir d’assistance) (⇒212条) は消滅する。 また, 貞操義務 (devoir de         ) (⇒ 134( 1145 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(6) 212条) も消滅する (父子関係の推定の排除については⇒313条)。 離婚によっ て, 夫婦の各々は再婚することも可能となる。 離婚した夫婦同士が新たに婚姻 することも (新たな挙式が必要である⇒263条), 離婚した夫婦の各々が第三者 と再婚することも, 何の制約もなく自由である。 伝統的に, 女性が再婚する場 合には前婚の解消から300日の待婚期間 (   de       ) を経なければなら なかったが (旧228条・261条), 2004年5月26日の法律によってこのような制 約は廃止された。 なお, 離婚によって婚姻関係は解消するが, 婚姻によって発生した一定の効 果は離婚後も継続する。 未成年配偶者の未成年解放 ( . 

(7)   . ) の効果は 離婚によって消滅せず, フランス人との婚姻によってフランス国籍を取得した 外国人配偶者は離婚後もフランス国籍を維持する。 また, 姻族関係 (lien d’alliance) は離婚によって消滅するが, 直系姻族間の婚姻障害は継続する (免 除もない⇒164条)。 氏については⇒264条。 [三] 離婚は夫婦間および夫婦と第三者間の財産関係にも影響を及ぼす。 離 婚による財産上の効果が発生する日については, 本条ではなく別の規定に従う (⇒262条, 262条の1)。 もっとも, 相続資格が消滅するのは, 本条による身分 上の効果の発生する日と同じである。. 第261条乃至第261条の2. 第262条. 2004年5月26日の法律第439号により削除. (1975年7月11日の法律第617号) 離婚判決は, 夫婦の財産に関. しては, 身分 (証書) の規則によって規定される余白記載の方法が満たさ れた日から第三者に対抗できる。 Art. 262. (L. n75 617 du 11 juill. 1975) Le jugement de divorce est oppos-. able aux tiers, en ce qui concerne les biens des 

(8) , partir du jour les .       de mention en marge prescrites par les      de      civil ont    accomplies. 本条は, 離婚による財産上の効果を第三者 (たとえば, 使用者, 銀行, 健康 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 135( 1144 ). 研 究 ノ ー ト.

(9) 保険基金, 賃貸人など) に対抗することができるのは身分証書による公示が完 了した日からであることを規定する (民事訴訟法典第1082条も参照)。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 (. (2004年5月26日の法律第439号) ①離婚判決は, 夫婦の財. 産に関しては, (次に規定する) 日から夫婦間の関係において効果を生ず る。 ―離婚が相互の同意によって言い渡されるときには, 離婚の諸結果の総体 を定める約定の認可の日。 ただし, 約定が異なる規定をする場合はこの限. ). 8. 第262条の1. りではない。 ―離婚が婚姻解消の原則の承諾, 夫婦関係の決定的変質, 又は有責行為に よって言い渡されるときには, 勧解不調命令の日。 ②夫婦の一方の請求に基づいて, 裁判官は判決の効果を夫婦の同居及び協 力が止んだ日に定めることができる。 この請求は, 離婚訴訟に際してしか 提起されえない。 夫婦の一方のみによる婚姻住居の用益は勧解不調命令ま では無償の性質を保持する。 ただし, 裁判官の反対の決定がある場合はこ の限りではない。 Art. 262 1. (L. n2004439 du 26 mai 2004) Le jugement de divorce. prend effet dans les rapports entre les  , en ce qui concerne leurs biens : ― lorsqu’il est     par consentement mutuel, la date de l’homologation de la convention  

(10). l’ensemble des        du divorce,. moins que celle-ci n’en dispose autrement ; ― lorsqu’il est     pour acceptation du principe de la rupture du mariage, pour

(11)  .         du lien conjugal ou pour faute, la date de l’ordonnance de non-conciliation. A la demande de l’un des  , le juge peut fixer les effets du jugement. la date laquelle ils ont   de cohabiter et de collaborer. Cette demande ne peut        . l’occasion de l’action en divorce. La jouissance du logement conjugal par un seul des  conserve un . .    gratuit    . l’ordonnance de non-conciliation, sauf .     contraire du juge. 136( 1143 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(12) [一] 本条は, 離婚による財産上の効果が夫婦間において発生する日につい て規定する。 本条1項によれば, 「相互の同意による離婚」 については約定の 認 可 の 日 , そ の 他 の 離 婚 に つ い て は 勧 解 不 調 命 令 (ordonnance de nonconciliation) の日に, 原則としてこのような効果が発生する。 したがって, 夫 婦財産制が終了する, とりわけ夫婦財産共通制 (     ) が終了すると. 研 究 ノ ー. みなされるのはこの日である。 2004年5月26日の法律による本条の改正までは, ト 「離婚判決は, 夫婦の財産に関しては, 召喚 (assignation) の日から直ちに夫 婦間の関係において効果を生ずる」 と規定されていた (旧262条の1・1項― しかし, 「同意離婚」 の手続には 「召喚」 が含まれないため立法的欠陥があっ た)。 2004年法は, 「相互の同意による離婚」 を他の3つ離婚と異なって扱うと ともに, 他の3つの離婚についても, 「召喚」 の日から 「勧解不調命令」 の日 に変更した。 [二] 本条2項は, 1項の原則にかかわらず, 離婚による財産上の効果の発 生日を事実上の別居の日にまで遡らせることができることを規定する。 自らの 活動で得た儲けが, 夫婦財産共通制のもとで一緒に暮らしていない相手に利益 をもたらすことを避けるための規定である。 2004年法による本条の改正までは, 「夫婦の一方は, この判決の効果を他方の過失によって夫婦の同居及び協力が 止んだ日に繰り上げることを請求することができる」 (旧262条の1・2項) と 規定されていた。 すなわち, 旧規定のもとでは, 別居について主に過誤 (責任) のある夫婦の一方はこのような請求はできなかったが, 新規定はそれをも可能 にした。 この点には, 夫婦の過誤の帰属と離婚の財産的効果との関連の切断と いう, 2004年法の立法者意思が表れている。 また, 2004年法は, 「この請求が 離婚訴訟に際してしか提起されえない」 ことを明文で規定する。 改正前はこの ような規定はなく, 争いが生じた。 破毀院は, 「離婚判決がこの点について判 示していなくても, この請求は離婚後, 夫婦財産制の清算の手続中でも可能で ある」 (Civ. 2e, 7 dec. 1994, Bull. civ. II, n 255) としていたが, このような判 例とは逆の立法的解決が図られた。 [三] 離婚によって生ずる財産上の効果としては, 夫婦財産制の解消のほか 次のような効果がある。 婚姻によって発生した救護の義務 (devoir de secours) (⇒212条), 婚姻費用の分担 (contribution aux charges du mariage) (⇒214条) 法と政治 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 137( 1142 ).

(13) の消滅。 配偶者としての相続資格の消滅も離婚の効果である。 もっとも, この 相続資格の消滅という効果の発生時は, 本条には従わず, 離婚判決が既判力を 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 (. 第262条の2. (1975年7月11日の法律第617号) 最初の申請の後に, 夫婦. の一方が夫婦の財産共同体の負担において締結したすべての債務, 夫婦の 一方がその者の権限の限度内で行った共通財産のすべての譲渡は, 他方配 偶者の権利に対する詐害があったことが証明される場合には, 無効と宣言. ). 8. 生ずる日であるとされる。. される。 (L. n75617 du 11 juill. 1975) Toute obligation   

(14).    . Art. 262 2. par l’un des    la charge de la      toute        de biens communs faite par l’un d’eux dans la limite de ses pouvoirs,    

(15)   

(16)    la

(17)    initiale, sera   .

(18)  nulle, s’il est

(19)   qu’il y a eu fraude aux droits de l’autre conjoint. 本条は, 一方配偶者による詐害的行為の被害者である他方配偶者を保護する ために, 他方配偶者が第三者に対してその行為の無効を主張できることを規定 する。. 第2款. 夫婦についての離婚の諸結果 (Des         du divorce pour les   . ). §1. 一般規定 (Dispositions  

(20).    ). 第263条. (1975年7月11日の法律第617号) 離婚した夫婦がそれらの者の. 間で再度の結合を締結しようとする場合には, 婚姻の新たな挙式が必要で ある。 Art. 263. (L. n75 617 du 11 juill. 1975) Si les       

(21)   veulent. contracter entre eux une autre union, une nouvelle     

(22).    du mariage est    . 

(23)  138( 1141 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(24) 本条は, 離婚した夫婦同士が新たな挙式をして再び婚姻することができるこ とを規定する。 1804年のナポレオン法典 (295条) においては, 離婚原因を問 わず離婚した者同士は婚姻できないと規定されていたが, このような禁止規定 はその後廃止された。 なお, 離婚の際に裁判によって定められた補償給付 (prestation compensatoire) は, 離婚した夫婦同士の再婚によって将来に向かって失効する (Civ. 1re, 17 oct. 2007, D. 2008. 200)。. 第264条. (2004年5月26日の法律第439号) ①夫婦の各々は, 離婚の結果,. その配偶者の氏の使用を失う。 ②ただし, 夫婦の一方は, あるいは他方の同意を得て, あるいはその者又 は子にとっての特別の利益を証明する場合には裁判官の許可を得て, 他方 の氏の使用を保持することができる。 Art. 264. (L. n2004439 du 26 mai 2004) A la suite du divorce, chacun des.   perd l’usage du nom de son conjoint. L’un des   peut   .  conserver l’usage du nom de l’autre, soit avec l’accord de celui-ci, soit avec l’autorisation du juge, s’il justifie d’un. 

(25) . 

(26) particulier pour lui ou pour les enfants. [一] 本条は, 離婚後の氏について規定する。 離婚によって, 夫婦のそれぞ れはその配偶者の氏の使用を失うのが原則である (1項)。 しかし, 二つの場 合 (他方の同意がある場合または裁判官の許可を得た場合) には, この原則の 例外として, 夫または妻は離婚後もその配偶者の氏を使用することができる (2項)。 2004年法による改正前は, 「夫婦の各々は, 離婚の結果, その氏の使 用を回復する」 (旧264条1項) との原則が規定された後, 例外的に, 夫の請求 に基づき 「共同生活の破綻による離婚」 が言い渡された場合には妻は夫の氏の 使用を保持する権利を有すること (旧264条2項), さらには夫の同意がある場 合または裁判官の許可を得た場合にも妻が夫の氏の使用を保持できること (旧 264条3項) が規定されていた。 しかし, 2004年改正法は, 旧264条2項の規定 を削除して, 離婚事由 (離婚形態) による例外を廃止した。 また, 改正前は, 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 139( 1140 ). 研 究 ノ ー ト.

(27) 例外の場合には, 「妻」 が 「夫」 の氏を使用できるとの文言であったが, 改正 法では, 夫が妻の氏を使用することにも対応できる文言となっている。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ( ). 8. [二] 夫婦の一方が裁判官の許可を得るには, 「特別の利益」 の証明が必要 であるが, 妻が夫の氏で職業活動を行ってきた場合に夫の氏を使用すること, 妻が同居する子と同一の氏を称することなどが 「特別の利益」 に当たることに なろう。 なお, 他方の同意または裁判官の許可を得て, 他方の氏を使用する夫 婦の一方が再婚した場合に, 前者の場合については原則として同意は効力を失 うが (通説・判例), 後者の場合には再婚の事実によって許可が失効するわけ ではない。. 第264条の1. 第265条. 2004年5月26日の法律第439号により削除. (2004年5月26日の法律第439号) ①離婚は, 婚姻中に効力が発. 生する夫婦財産制上の利益, 及びその形式が如何なるものであれ現在財産 の贈与について影響を及ぼさない。 ②離婚は, 夫婦財産制の解消又は夫婦の一方の死亡によってのみ効力が発 生する夫婦財産制上の利益, 及び夫婦財産契約によって又は婚姻中に夫婦 の一方によってその配偶者に対して与えられた死因処分の当然の撤回をも たらす。 ただし, それらに同意した夫婦が反対の意思を表明したときは, この限りでない。 この意思は離婚の言渡しの時に裁判官によって確認され, 維持される利益又は処分を撤回不可能にする。 ③ (2006年6月23日の法律第728号)《ただし, 夫婦財産契約が定めている 場合には, 夫婦は常に夫婦の財産共同体に持ち寄った財産を取り戻すこと ができる。》 Art. 265. (L. n2004 439 du 26 mai 2004) Le divorce est sans incidence. sur les avantages matrimoniaux qui prennent effet au cours du mariage et sur les donations de biens      quelle que soit leur forme. Le divorce emporte  .

(28) . de plein droit des avantages matrimoniaux 140( 1139 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(29) qui ne prennent effet   la dissolution du  . matrimonial ou au 

(30). de l’un des   et des dispositions cause de mort, 

(31)

(32)  .  par un    envers son conjoint par contrat de mariage ou pendant l’union, sauf      . 研 究. contraire de    qui les a consentis. Cette      est

(33)      . par le. ノ. juge au moment du    

(34) du divorce et rend      

(35)   . l’avantage ou la. ー ト. disposition maintenus. (L. n2006 728 du 23 juin 2006)  Toutefois, si le contrat de mariage le     les   pourront toujours reprendre les biens qu’ils auront       la

(36)       本条は, 離婚が夫婦間の贈与や夫婦財産制上の利益 (avantages matrimoniaux) について及ぼす影響について規定する。 2004年法による改正までは, 265 条∼269条に次のように整理できる規定が存在していた。 ① 「破綻離婚」 の被 告または 「有責離婚」 において過誤の存在しない者については, 贈与や夫婦財 産制上の利益は維持される, ②一方的な過誤を有する者または 「破綻離婚」 の 原告については, 贈与・利益は当然に失われる, ③双方的過誤によって離婚が 言い渡されるとき, または 「配偶者の一方によって請求され, 他方によって認 諾される離婚」 の場合は, 一方は他方に同意していた贈与および利益を撤回す ることができる。 しかし, 2004年改正法は, 過誤の帰属と離婚の財産的効果と の関連の切断を行い, より単純な規定に改めた。 2004年の改正による本条は, 次のように規定する。 ①婚姻中に効果が発生する夫婦財産制上の利益・贈与に ついて, 離婚は影響を及ぼさない, ②夫婦財産制の解消または夫婦の一方の死 亡によってのみ効力が発生する利益および死因処分は, 原則として (本条2項 ただし書は例外を規定する) 離婚によって当然に撤回される。 2004年法による 第1096条の改正も参照。. 第265条の1. (2004年5月26日の法律第439号) 離婚は, 夫婦の一方又は. 他方が法律又は第三者と締結した約定から得た権利について影響を及ぼさ ない。 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 141( 1138 ).

(37) Art. 265 1 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ( ). 8. (L. n2004439 du 26 mai 2004) Le divorce est sans inci-. dence sur les droits que l’un ou l’autre des  tient de la loi ou des conventions 

(38)    avec des tiers. 2004年の改正までは, 第265条に, その者の一方的過誤によって離婚が言い 渡された者, または 「破綻離婚」 の原告は, 法律または第三者と締結された合 意が付与した権利を離婚によって失うことが規定されていた。 しかし, 過誤の 帰属と離婚の財産的効果との関連の切断を企図した2004年改正法は, 本条のよ うに, 離婚がこのような権利に影響を及ぼさないことを規定した。 1978年7月 17日の法律は, 転換年金 (pension de       ) の受給権を離婚したすべて の配偶者に認めるに至ったが, 新しい本条の規定はそれとの整合性を有するこ とになった。. 第265条の2. (1975年7月11日の法律第617号, 2004年5月26日の法律第. 439号) ①夫婦は, 離婚訴訟中に, (2004年5月26日の法律第439号)《その 夫婦財産制の》清算及び分割についてすべての約定を締結することができ る。 ②《その清算が土地公示に従う財産に及ぶときは, その約定は公証人証書 によって締結されなければならない。》 Art. 265 2. (L. n75617 du 11 juill. 1975 ; L. n2004 439 du 26 mai. 2004) Les   peuvent, pendant l’instance en divorce, passer toutes conventions pour la liquidation et le partage (L. n2004 439 du 26 mai 2004) de leur   . matrimonial.  Lorsque la liquidation porte sur des biens soumis la    . .        la convention doit   

(39)    par acte .

(40)     本条は, 離婚訴訟中に夫婦財産制の清算・分割についての約定を締結するこ とが可能であることを規定する。 従来, 判例は離婚訴訟中における共通財産制 ( . 

(41) ) の清算に関する約定を無効としていたが, 1975年法は第1450条 にそれを有効と規定した。 2004年改正法は, 第1450条の規定を本条へ場所を移 142( 1137 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(42) すとともに, 「共通財産制」 の清算・分割を 「夫婦財産制」 の清算・分割と改 め, 一般化した。 なお, このような約定の効果は離婚の言渡しまで停止し, 裁 判官は夫婦の一方の請求に基づき判決によって定められた離婚の諸結果が清算・ 分割の基礎と抵触する場合にはこの約定を修正することができる (⇒1451条)。. 研 究 ノ ー. §2 相互の同意による離婚以外の離婚に固有の諸結果 (Des          ト propres aux divorces autres que par consentement mutuel). 第266条. (2004年5月26日の法律第439号) ①あるいは, 夫婦の一方が夫. 婦関係の決定的変質によって言い渡される離婚 (訴訟) の被告であり, か つ, 自らいかなる離婚の請求をも提起しなかった場合, あるいは, 離婚が その配偶者の一方的過誤によって言い渡された場合には, 第270条の適用 を損なうことなく, 夫婦の一方が婚姻の解消の事実によって被った特別重 大な諸結果の補償として損害賠償がその者に与えられる。 ②この請求は, 離婚の訴に際してでなければ提起されえない。 Art. 266. (L. n 2004 439 du 26 mai 2004) Sans. 

(43)    de l’application. de l’article 270, des dommages et     peuvent  .    .  un .   en . .     des        d’une .       .     qu’il subit du fait de la dissolution du mariage soit lorsqu’il          un divorce.     pour                 du lien conjugal et qu’il n’avait lui-  .  aucune demande en divorce, soit lorsque le divorce est.    aux torts exclusifs de son conjoint. Cette demande ne peut .  .   l’occasion de l’action en divorce. [一] 本条は, 夫婦の一方が婚姻解消によって被った特別重大な結果の補償 としての損害賠償について規定する。 このような損害賠償が与えられるのは, 次の2つの場合である。 第1に, その一方的過誤により離婚が言い渡された夫 婦の一方が損害賠償を負う場合であり, 第2は, 夫婦関係の決定的変質によっ て言い渡される離婚 (⇒237条以下) の被告がその配偶者に損害賠償を請求す る場合である。 後者の場合には, さらに, 夫婦関係の決定的変質によって言い 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 143( 1136 ).

(44) 渡される離婚の被告がいかなる離婚の請求をも提起しなかったことが要件とさ れる。 したがって, この被告が有責離婚の反訴請求をする場合は, この要件を 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ( ). 8. 充足せず損害賠償請求は認められない。 もっとも, その場合に, 相手配偶者の 一方的過誤による離婚が言い渡されると損害賠償が可能となる。 したがって, 夫婦関係の決定的変質によって言い渡される離婚の被告には, 2つの選択肢が あるということになる。 1つは, 反訴請求をせず損害賠償請求権を取得するこ と, 今1つは, 有責離婚の反訴請求をし, 相手配偶者の一方的過誤による離婚 を得ること (損害賠償請求権を取得するとともに補償給付を免れうる―270条 参照―。 しかし結局, 双方の過誤を理由とする離婚が言い渡され, すべてを失 う危険もある) である。 なお, 「相互の同意による離婚」 (⇒230条以下), 「承 諾される離婚」 (⇒233条以下) の場合には, 本条による損害賠償は認められな い。 1975年法は上の第1の場合のみを規定していたが, 2004年改正法は第2の場 合を追加して, この損害賠償が認められる場合を拡大した。 1975年法は 「破綻 離婚」 につき苛酷条項を有していたが (旧240条⇒237条の注釈参照), 2004年 改正法は 「夫婦関係の決定的変質による離婚」 につき苛酷条項を廃したため, この代わりに, 離婚を課せられる被告の苦しみを考慮してこの損害賠償を認め たのである。 [二] 1975年法では, 婚姻の解消によって被った 「物質的又は精神的損害」 が損害賠償の対象と規定されていたが, 2004年改正法はその対象を婚姻解消の 事実によって被った 「特別重大な諸結果」 と規定する。 新法では, 離婚によっ て特別重大な結果が惹起されないかぎり損害賠償は認められない。 また, 新法 では文言上は明確ではないが, その重大な結果には物質的・精神的損害の両者 が含まれる。 しかし, 物質的・金銭的損害については原則として補償給付によっ て償われるので例外的なものにとどまり, 本条の適用により適するのは精神的 損害ということになろう (たとえば, 離婚によって一方が受けた通常ではない 苦痛・不評)。 なお, 本条とは別に, 民法典第1382条に基づき (同条の規定する要件が充足 されるかぎり) 損害賠償が認められることは否定されない。 1975年法のもとで, 破毀院はそのことを認めたが (Civ. 2e, 2 avr. 1979, Bull. civ. II, n110), 2004 144( 1135 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(45) 年改正法以降もそれを変更する理由はない。 したがって, 夫の暴力や不貞に苦 しんだ妻が, 夫に対して, 第1382条に基づき損害賠償請求することは可能であ 研. る。 本条による損害賠償請求は離婚の訴に際してでなければ提起されえないが (2項), 第1382条による損害賠償請求の場合は離婚後も可能である。. 第267条. (2004年5月26日の法律第439号) ①夫婦による合意的解決がな. い場合には, 裁判官は, 離婚を言い渡し, 財産上の利益の清算及び分割を 命ずる。 ②裁判官は, 不分割の継続又は優先分配の請求について裁判する。 ③裁判官は, また夫婦の一方又は双方に共通財産又は不分割財産の持分に ついて前払いを与えることができる。 ④第255条に基づき指名された公証人によって作成された夫婦財産制の清 算案が充分な情報を含んでいる場合には, 裁判官は, 夫婦の一方又は他方 の請求に基づき, 夫婦間の持続する不一致について裁判する。 Art. 267. (L. n2004439 du 26 mai 2004) A     d’un .

(46)

(47) . conventionnel par les  , le juge, en      le divorce, ordonne la liquidation et le partage de leurs     patrimoniaux. Il statue sur les demandes de maintien dans l’indivision ou d’attribution     

(48)  

(49) .

(50)  Il peut aussi accorder l’un des  ou aux deux une avance sur sa part de     ou de biens indivis. Si le projet de liquidation du   

(51) matrimonial    . par le notaire    .  sur le fondement du 10de l’article 255 contient des informations suffisantes, le juge, la demande de l’un ou l’autre des  , statue sur les           persistant entre eux. 本条は, 裁判官が離婚を言い渡すときの夫婦財産制の清算についての権限を 規定する。 離婚の言渡し時に離婚の効果について出来るだけの決着をつけ, 離婚後に問題 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 145( 1134 ). 究 ノ ー ト.

(52) を持ち越さず離婚後の紛争を避けることを目的として, 裁判官の権限の拡大・ 強化が図られた。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 (. (2009年5月12日の法律第526号) 夫婦の財産上の利益の清. 算及び分割の実行は, 民事訴訟法典によって定められた規定に従って進行 する。 Art. 267 1. (L. n2009526 du 12 mai 2009) Les       . de liquida-. tion et de partage des    . patrimoniaux des 

(53) se    

(54)   suivant les. ). 8. 第267条の1.    .    . par le code de    

(55)  civile.. 第268条. (2004年5月26日の法律第439号) ①夫婦は, 訴訟中に, 離婚の. 諸結果の全部又は一部を定める約定を裁判官の認可に服せしめることがで きる。 ②裁判官は, 夫婦の各々及び子の利益が保護されることを確認した後に, 離婚を言い渡し, その約定を認可する。 Art. 268. (L. n2004439 du 26 mai 2004) Les  

(56) peuvent, pendant. l’instance, soumettre l’homologation du juge des conventions      tout ou partie des  .  

(57)    du divorce. Le juge,    avoir      que les    . . de chacun des  

(58) et des enfants sont  .  . homologue les conventions en      le divorce. 本条は, 離婚訴訟中に夫婦が離婚の効果についての約定を締結し, それを裁 判官の認可に服せしめることができることを規定する。 「相互の同意による離 婚」 以外の離婚形態においても, 夫婦による離婚の効果についての約定の締結 が可能となる。 離婚の 「契約化」 (contractualisation) の一つの表れである。. 第268条の1及び269条. 146( 1133 ). 2004年5月26日の法律第439号により削除. 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(59) 補償給付 (Des prestations compensatoires). §3. 研 第270条. (2004年5月26日の法律第439号) ①離婚は, 夫婦間の救護の義. 務を終了させる。 ②夫婦の一方は, 他方に対し, 婚姻の解消が各々の生活条件に作り出す不 均衡を可能な限り償うための給付を支払う義務を負うことがある。 この給 付は一括みなし的な性格を有する。 この給付は元本の形式をとり, その額 は裁判官によって定められる。 ③ただし, 裁判官は, 公平がそれを命じる場合には, あるいは, 第271条 に規定される基準を考慮して, あるいは, 離婚がこの給付の利益を請求す る夫婦の (一方の) 一方的過誤によって言い渡されたときに (婚姻) 解消 の特別の事情に照らして, このような給付を与えることを拒否することが できる。 Art. 270. (L. n2004439 du 26 mai 2004) Le divorce met fin au devoir de. secours entre  . L’un des   peut . tenu de verser l’autre une prestation

(60).   . compenser, autant qu’il est possible, la

(61) . .   que la rupture du mariage .  dans les conditions de vie respectives. Cette prestation a un  .    . forfaitaire. Elle prend la forme d’un capital dont le montant est    par le juge. Toutefois, le juge peut refuser d’accorder une telle prestation si       le commande, soit en    

(62)      des .   .     l’article 271, soit lorsque le divorce est     aux torts exclusifs de     qui demande le    . de cette prestation, au regard des circonstances .      . de la rupture. [一] 本条以下は, 補償給付 (prestation compensatoire) について規定する。 まず, 本条1項は, 離婚によって夫婦間の救護の義務 (devoir de secours) (⇒212条) が消滅することを規定する。 離婚によって, 婚姻は消滅するのであ り, 婚姻によって発生した義務, とりわけ夫婦間の救護の義務が消滅するのは 当然である。 しかし, 1975年法までは, 民法典第301条に離婚後も扶養定期金 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 147( 1132 ). 究 ノ ー ト.

(63) の形で救護の義務が延長されうることが規定されていた。 1975年法は, このよ うな離婚後の扶養定期金制度を廃止し, それに代って補償給付制度を創設した。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ( ). 8. もっとも, 1975年法のもとでは, その一方的過誤により離婚が言い渡された 夫婦の一方は補償給付を失うとされるとともに (それが公平に反すると思われ る場合には例外的補償金が認められることがある―旧280条の1), 「破綻離婚」 の場合にも補償給付が発生しないとされた (最初に離婚請求を提出した夫婦の 一方は他方に対して継続して救護の義務を負う―旧281条1項)。 2004年改正法 は, 1975年法の規定を改正し, 離婚事由にかかわらずすべての離婚において補 償給付が認められることとした。 もっとも, 本条3項は, 例外的に裁判官が補 償給付を拒否しうる2つの場合を規定する。 第1は, 第271条の基準を考慮し て拒否する場合である。 この規定は必ずしも明確ではないが, たとえば婚姻前 の財産状態にかなりの差がある場合に, 一方が補償給付を得るために短い婚姻 期間の後に離婚を請求するときには, この規定により補償給付が拒否されるこ とになろう。 今1つは, その一方的過誤により離婚が言い渡された夫婦の一方 の補償給付を婚姻解消の 「特別の事情」 によって拒否する場合である。 より富 裕な夫婦の一方が他方の明白な重大性を有する過誤 (たとえば暴力) の被害者 である場合には, この規定により夫婦の一方は補償給付を免れる。 2004年法の 目的の1つである, 夫婦の過誤の帰属と離婚の財産的効果との関連の切断とい う観点からは, 例外的にであれこのような拒否事由を残したことは不徹底のそ しりを免れないが, 立法者にはこのような場合にまで補償給付を認めることが かえって不公正を招くとの判断があったのであろう。 [二] 本条2項は, この補償給付の目的・趣旨が 「婚姻の解消が各々の生活 条件に作り出す不均衡 (       ) を可能な限り償う」 ことにあることを規定 する。 また, 同項は, 補償給付が 「一括みなし的な性格」 (   . . 

(64). 

(65)      . ) を有することを規定する。 補償給付にこのような性格を付与するのは, 離婚し た夫婦の離婚後の紛争を避けることを目的としている。 このような性質から, 補償給付が改定されえないという原則が導かれる。 しかし, 1975年法によって 採られたこの原則はその後も維持されてはいるが, 2000年6月30日の法律によっ て (2004年法もその方向性を承認する), 補償給付の不改定性 (   . .  non       . ) が若干緩和されていることも事実である (⇒275条2項, 276条の3)。 148( 1131 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(66) さらに, 補償給付は原則として元本の形式をとる (276条はその例外)。 1975年 法による旧274条は 「債務者である夫婦 (の一方) の財産の構成がそれを許す ときは補償給付は元本の形式をとる」 と規定していたが, 2004年改正法は 「財 産の構成」 への言及をしていない。. 研 究 ノ ー ト. 第271条. (1975年7月11日の法律第617号) ①補償給付は, 離婚時の状況. 及び予見可能な将来におけるその変動を考慮して, それが支払われる夫婦 の (一方の) の必要, 及び他方の収入に応じて定められる。 ② (2004年5月26日の法律第439号)《そのために, 裁判官は (次の事柄を) 考慮する。 ―婚姻の期間 ―夫婦の年齢及び健康状態 ―夫婦の職業的な資格及び地位 ―子の育成のために共同生活の間に夫婦の一方によってなされた職業的選 択の諸結果, 及びなおそれに当てるべき時間, 又は自分のそれを犠牲にし てその配偶者の職業を助けるために (なされた職業的選択の諸結果) ―夫婦財産制の清算後の, 元本並びに収入としての, 夫婦の概算され又は 予見可能な資産 ―既存の, 及び予見可能な夫婦の権利 ―退職年金に関する各々の地位》 Art. 271. (L. n75617 du 11 juill. 1975) La prestation compensatoire est.     selon les besoins de   . 

(67) qui elle est     et les ressources de l’autre en tenant compte de la situation au moment du divorce et de   .   .  de celle-ci dans un avenir         (L. n2004439 du 26 mai 2004)  A cet effet, le juge prend en .         . notamment :   du mariage ; ― la      et     de    des . ; ―  ― leur qualification et leur situation professionnelles ; 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 149( 1130 ).

(68)  . . 

(69) 

(70) des choix professionnels faits par l’un des   pen― les  注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 ( ). 8. dant la vie commune pour         des enfants et du temps qu’il faudra encore y consacrer ou pour favoriser la      

(71) de son conjoint au      

(72) de la sienne ; ― le patrimoine

(73).   ou   .   

(74) des    , tant en capital qu’en revenu,   . la liquidation du   

(75) matrimonial ;.  .   

(76)  ― leurs droits existants et .   

(77) de pensions de retraite ―leur situation respective en  本条は, 補償給付額の決定基準について規定する。 まず, 補償給付の額は, 夫婦の一方の必要と他方の収入に応じて定められる (1項)。 また, 必要およ び収入の判断について裁判官が考慮すべき種々の要素が列挙される (2項)。 「子の育成のために共同生活の間に夫婦の一方によってなされた職業的選択」 に当たるのは, たとえば妻が子の育成に専念するために仕事をやめた場合であ る。 「その配偶者の職業を助けるためになされた職業的選択」 には, たとえば 農業・商業経営に従事する夫を手助けするために妻が自らの仕事をやめた場合 が当たる。 「夫婦財産制の清算後の, 元本並びに収入としての, 夫婦の概算され又は予 見可能な資産」 も考慮されうる要素である。 夫婦財産制の清算によって, たと えば重要な共通財産 (    ) の半分が帰属することになれば, 補償給 付の債権者の必要を減少させることになる。 逆に夫婦が別産制のもとに婚姻し, 財産が補償給付の債務者たる夫婦の一方の手に集中している場合には, 補償給 付の額は夫婦の不均衡を緩和するために大きくならざるをえないであろう。 子の養育のために支払われる家族手当 (allocations familliales) は, 子を養育 する親の収入として考慮してはならない。 逆に, 補償給付の債務者によって子 の養育のために支払われた一定の金額は, 債務者の収入からは減額されなけれ ばならない。 相続開始前の推定相続人の権利も, 「既存の, 及び予見可能な夫婦の権利」 として考慮される。. 150( 1129 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(78) 第272条. (2000年6月30日の法律第596号, 2004年5月26日の法律第439. 条) ①裁判官又は当事者による補償給付の確定の範囲において, 又は改定. 研. の請求の際に, 当事者は裁判官にその者の収入, 所得, 資産及び生活条件. 究 ノ. の正確さを誓って証明する申述を行う。 ② (2005年2月11日の法律第102号)《必要および収入の決定においては, 裁判官は, 労働災害の補償を理由として支払われた金額および障害補償の 権利を理由として支払われた金額を考慮しない。》 Art. 272. (L. n2000 596 du 30 juin 2000 ; L. n2004 439 du 26 mai 2004). Dans le cadre de la fixation d’une prestation compensatoire, par le juge ou par les parties, ou l’occasion d’une demande de      . les parties fournissent au juge une 

(79).       certifiant sur l’honneur l’exactitude de leurs ressources, revenus, patrimoine et conditions de vie. (L. n2005 102 du 11     2005)  Dans la         des besoins et des ressources, le juge ne prend pas en

(80)   .      les sommes       au titre de la        des accidents du travail et les sommes       au titre du droit compensation d’un handicap. 補償給付の評価作業は, 裁判官にとっては困難を伴う。 そこで, 本条1項は, この裁判官の職務を容易にするために, 当事者に 「その者の収入, 所得, 資産 及び生活条件の正確さを誓って (sur l’honneur) 証明する」 申述を要求する。. 第273条. 2004年5月26日の法律第439号により削除. 第274条. (2004年5月26日の法律第439号) 裁判官は, 元本としての補償. 給付を行う態様を, 次の形式のなかから決定する。 一. 一定額の現金の支払い, (この場合には) 離婚の言渡しは (その効果. を) 第277条に規定される担保の設定に服せしめることができる。 二 財産の所有権の, 又は使用, 居住若しくは用益の一時的若しくは終身 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 151( 1128 ). ー ト.

(81) 的権利の帰属, (この場合には) 判決は, 債権者のための強制譲渡を行う。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法. ただし, 債務者たる配偶者が相続又は贈与によって得た財産の所有権の帰. (.

(82)     la constitution des garanties   

(83) l’article 277 ;. Art. 274. (L. n2004439 du 26 mai 2004) Le juge      des  . . 

(84). selon lesquelles

(85).     la prestation compensatoire en capital parmi les formes suivantes : 1Versement d’une somme d’argent, le     du divorce pouvant .  . ). 8. 属のためには, その者の同意が要求される。. 2Attribution de biens en      ou d’un droit temporaire ou viager d’usage, d’habitation ou d’usufruit, le jugement   .  cession      en faveur du   .    Toutefois, l’accord de.      .  est     pour l’attribution en      de biens qu’il a   

(86) par succession ou donation. 補償給付は, 元本の形式をとるのが原則である (⇒270条2項)。 本条は, こ の元本としての補償給付の形式について規定する。 1975年法による旧275条に は, 「一定の額の現金の支払い」, 「動産又は不動産の財産の, ただし用益権 (usufruit) のみの現物による委付 (abandon)」, 「給付の債権者である夫婦 (の 一方) に所定の期限まで収入を支払う任に当たる第三者の手への, 収入を生ず る有価証券の寄託」 の三つの形式が規定されていた。 2004年改正法は, 最後の 形式を実際には利用されていないとして廃止するとともに, 財産の完全な所有 権の帰属をも可能にした。 もっとも, 債務者たる夫婦の一方が相続または贈与 によって取得した財産の所有権の債権者への帰属についいては, 債務者の同意 が必要である。 なお, 「相互の同意による離婚」 の場合には (⇒278条), 夫婦は本条の規定 とは異なる形式を合意することができる (しかし, 裁判官はその合意が不公平 であるときはその約定の認可を拒否する)。. 第275条. (2000年6月30日の法律第596号, 2004年5月26日の法律第439. 号) ①債務者が第274条によって規定される条件で元本を支払うことがで 152( 1127 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(87) きないときは, 裁判官は, 8年の制限内で, 扶養定期金に適用される規定 に従ってスライド化される定期的な支払いの形式のもと, 元本の支払いの 態様を定める。 ②債務者は, その地位の重要な変化の場合には, これらの支払いの態様の 改定を請求することができる。 そのときには例外的に, 裁判官は特別なか つ理由を付した判決によって, 8年を超える全期間のうちで元本の支払い を許可することができる。 ③2004年5月26日の法律第439号により削除 ④債務者はスライド化される元本の残額を何時でも弁済することができる。 ⑤夫婦財産制の清算後, 補償給付の債権者は, 裁判官にスライド化される 元本の残額の支払いの請求を求めることができる。 Art. 275. (L. n2000 596 du 30 juin 2000 ; L. n2004 439 du 26 mai 2004). Lorsque le      n’est pas en mesure de verser le capital dans les conditions. . 

(88) par l’article 274, le juge fixe les       

(89) de paiement du capital, dans la limite de huit  

(90) sous forme de versements .      

(91)   

(92) selon les   

(93) applicables aux pensions alimentaires. Le      peut demander la  

(94)   de ces       

(95) de paiement en cas de changement important de sa situation. A titre exceptionnel, le juge peut alors, par   

(96)   

(97).     et     autoriser le versement du capital sur une   totale

(98)       huit ans. Le       peut se      tout moment du solde du capital      ! ". 

(99) la liquidation du  matrimonial, le .      de la prestation compensatoire peut saisir le juge d’une demande en paiement du solde du capital     ! 前条は元本の支払いの形式を規定するが, 本条1項は, 前条による形式で支 払うことができない場合に, 年賦または月賦での支払いが可能であることを規 定する。 また本条2項は, 補償給付の債務者の地位に 「重要な」 変化があった 場合には, 債務者が本条1項に従って定められた支払いの態様の改定を請求す ることができることを規定する。 債権者は, この改定を請求することができな 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 153( 1126 ). 研 究 ノ ー ト.

(100) い。 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 (. (2004年5月26日の法律第439号) 第275条1項に規定され. る支払いの態様は, 第274条によって規定される形態での元本の一部の支 払いと両立できる。 (L. n2004439 du 26 mai 2004) Les      . de verse-. Art. 275 1. ment

(101) . au premier     de l’article 275 ne sont pas exclusives du versement d’une partie du capital dans les formes

(102). . par l’article 274.. ). 8. 第275条の1. 本条は, 前条1項の支払い態様が第274条によって規定される形態での元本 の一部の支払いと結合しうることを規定する。 したがって, 最大8年の年賦ま たは月賦による元本の支払いと, 所有権ないしは使用・居住の一時的・終身的 権利の帰属とを併用する形態も可能である。. 第276条. (2004年5月26日の法律第439号) ①例外的に, 債権者の年齢又. は健康状態がその者に必要を賄うことを許さないときには, 裁判官は, 特 別に理由を付した判決によって, 終身定期金の形式での補償給付を定める。 裁判官は, 第271条に規定される評価の要素を考慮する。 ②定期金の額は, 事情がそれを課するときには, 第274条に規定される形 式のなかの元本の一部の帰属によって減額されうる。 Art. 276. (L. n2004439 du 26 mai 2004) A titre exceptionnel, le juge. peut, par   .   .       . lorsque     ou  .   de.   du 

(103).    

(104) ne lui permet pas de subvenir ses besoins, fixer la prestation compensatoire sous forme de rente    

(105)  Il prend en   .  .

(106)     les. . .  

(107)       

(108).  l’artcle 271. Le montant de la rente peut 

(109)  

(110) lorsque les circonstances l’imposent, par l’attribution d’une fraction en capital parmi les formes

(111). .  l’article 274. 補償給付は原則として元本の形式をとるが (⇒270条2項), 本条1項は, 例 154( 1125 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(112) 外的に終身定期金の形式 (rente     ) によることができることを規定する。 このように終身定期金の形式がとられるためには, 債権者の年齢・健康状態が その者に必要 (費) を賄うことを許さないことが必要である。 立法者は, 高齢・. 研 究. 疾病によって雇用を見つけられない場合を想定している。 1975年法のもとでは, ノ 「元本がない場合又は元本が十分でない場合」 には定期金の形式がとられるこ ー とが規定され (旧276条), 債務者の財産の状況がその条件となっていたが, 2004年改正法は, このような債務者側の条件を廃し, 債権者側の年齢・健康状 態を条件とした。 また, 1975年法では, 「定期金は, 債権者である夫婦 (の一 方) の生存と等しい期間又はそれを下まわる期間を予定して, 分与される」 と 規定されていたが (旧276条の1), 本条では 「終身」 定期金でなければならな いとされている。 本条2項は, 元本の形式と定期金の形式が両立 (並存) すること, およびそ の場合には, 後者の額が減額されうることを規定する。. 第276条の1. (1975年7月11日の法律第617号, 2000年6月30日の法律第. 596号) ①定期金は, スライド化される。 その指標は, 扶養定期金につい てと同様に決定される。 ②スライド化の前における定期金の額は, その期間のすべてについて一様 な方法で定められ, 又は収入及び必要のありうべき変動にしたがって相次 ぐ時期ごとに変わりうる。 Art. 276 1. (L. n

(113) 75 617 du 11 juill. 1975 ; L. n° 2000 596 du 30 juin. 2000) La rente est   .  l’indice est     comme en      de pension alimentaire. Le montant de la rente avant indexation est  . de     uniforme pour toute sa  ou peut varier par    .  successives suivant  .        probable des ressources et des besoins. 本条は, 前条によって終身定期金の形式での補償給付が認められる場合のそ の額について, それがスライド化 (  . ) されることなどを規定する。. 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 155( 1124 ). ト.

(114) 第276条の2. 2004年5月26日の法律第439号により, 改正されて, 280条. 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法. の2に移動. (. ② (2000年6月30日の法律第596号) 改定は, 定期金を裁判官によって最. ① (2004年5月26日の法律第439号)《定期金の形式のもと. に定められた補償給付は, 当事者の一方又は他方の収入又は必要における 重要な変化の場合には, 改定され, 停止され, 廃止されうる。》. ). 8. 第276条の3. 初に定められたのを超える額にする効果を招きえない。 ③2004年5月26日第439号の法律により削除 Art. 276 3. (L. n2004439 du 26 mai 2004) La prestation compensa-. toire    sous forme de rente peut . . . 

(115)  suspendue ou

(116) .   en cas de changement important dans les ressources ou les besoins de l’une ou l’autre des parties. (L. n2000596 du 30 juin 2000) La.  

(117)   ne peut avoir pour effet de porter la rente un montant

(118) .   celui   initialement par le juge. 本条は, 定期金の形式での補償給付の改定・停止・廃止が可能であることを 規定する。 1975年法のもとでは, 「改定のないことが, 配偶者の一方にとって 例外的に重大な結果をもたらすべき場合に」 のみ改定が認められることが規定 されていたが (旧273条ただし書), 本条はその規定をより柔軟化した。 債権者 の再婚はそれだけで改定の原因となるわけではないが, 債務者は債権者の地位 の改善によって債権者の収入に重要な増大が生じたことを証明して定期金の額 の改定を請求することができる。 しかし, 1975年法のもとでは, 債権者は定期金の 「増額」 改定も可能であっ たが, 本条2項では, このような増額的改定は禁止されている。 したがって, 収入のない老齢の債権者は, たとえ最初の決定の後に生じた疾病や障害のため に定期金の増額が必要となっても, 増額を請求することができない。. 156( 1123 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

(119) 第276条の4. ① (2004年5月26日の法律第439号)《定期金の形式の補償. 給付の債務者は, 何時でも, 定期金の全部又は一部の元本への切り替えの 請求を裁判官に求めることができる。 この切り替えは, コンセーユ・デタ のデクレによって定められた態様に従って行われる。》 ② (2000年6月30日の法律第596号) 補償給付の債権者は, 債務者の地位 の変更がこの切り替えを許すことを証明した場合には, とくに夫婦財産制 の清算に際して, 同様の請求を提起することができる。 ③ (2004年5月26日の法律第439号)《第274条, 275条及び275条の1に規 定される実行の態様が適用される。 定期金の全部又は一部の元本への切り 替えを裁判官が拒否するには, 特別に理由が付されなければならない。》 Art. 276 4. (L. n2004439 du 26 mai 2004) Le      . d’une. prestation compensatoire sous forme de rente peut, tout moment, saisir le juge d’une demande de substitution d’un capital tout ou partie de la rente. La substitution s’effectue selon des

(120)         par   .  en Conseil        (L. n 2000596 du 30 juin 2000) Le .     . de la prestation compensatoire peut former la

(121) 

(122) demande s’il       qu’une modification de la situation du     . permet cette substitution, notamment lors de la liquidation du.   

(123) matrimonial. (L. n2004439 du 26 mai 2004)  Les

(124)             . .    aux articles 274, 275 et 275 1 sont applicables. Le refus du juge de substituer un capital tout ou partie de la rente doit .       

(125)  

(126)       本条は, 定期金の全部または一部の元本への切り替え (substitution) が可能 であることを規定する。 この切り替えには2つの方法がある。 第1は, 補償給 付の債務者が請求する場合である (1項)。 この場合には債務者は何時でもこ の切り替えを請求でき, 債権者の同意は求められない。 第2は, 債権者が請求 する場合であり, この場合には債権者は債務者の地位の変更がこの切り替えを 許すことを証明することが必要である (2項)。. 法と政治. 63 巻 4 号. ( 2013 年 1 月). 157( 1122 ). 研 究 ノ ー ト.

(127) 第277条 注 釈 ・ フ ラ ン ス 家 族 法 (. 抵当権とは独立に, 債務者たる夫婦 (の一方) に質権を設定し, 保証人を 立て, 又は定期金若しくは元本の支払いを担保する契約を締結することを 課することができる。 Art. 277. (L. n 2000596 du 30 juin 2000)     

(128)   de.     . 

(129). ou judiciaire, le juge peut imposer .        . de constituer un gage, de donner caution ou de souscrire un contrat garantissant le paiement de la rente ou du capital.. ). 8. (2000年6月30日の法律第596号) 裁判官は, 法定又は裁判上の. 本条は, 補償給付の債務の担保方法について規定する。 1975年法では, 法定 または裁判上の抵当権 (   . 

(130). ou judiciaire), 質権 (gage), 保証 人 (caution) のみが規定されていた (旧277条) ため, 破毀院はこの列挙が制 限的であると解し, 債務者たる夫婦の一方が死亡・廃疾保険契約を締結するこ とを義務づけることはできないと判示した (Civ. 2e, 24 nov. 1993, D. 1995. 11)。 2000年6月30日の法律は, 「定期金若しくは元本の支払いを担保する契約を締 結すること」 を追加し, そのような方法も可能とした。. 158( 1121 ). 法と政治 63 巻 4 号 ( 2013 年 1 月).

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参照

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