宇宙論における美

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宇宙における美 宇宙における美

日本大学文理学部物理学科 日本大学文理学部物理学科

千葉千葉 剛剛

(2)

日本大学文理学部物理学科 日本大学文理学部物理学科

千葉千葉 剛剛

宇宙論における美

宇宙論における美

(3)

宇宙 宇宙 (Universe) (Universe)

• • 地球(惑星) 地球(惑星)

• • 太陽(恒星) 太陽(恒星)

• • 銀河 銀河

• • 宇宙の 宇宙の

大規模構造

大規模構造

(4)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 44

宇宙論 宇宙論 (Physical Cosmology) (Physical Cosmology)

• • 宇宙全体も含めた宇宙における階層構造 宇宙全体も含めた宇宙における階層構造 ( ( 星、銀河、宇宙の大規模構造)の起源・ 星、銀河、宇宙の大規模構造)の起源・

進化を物理学の手法

進化を物理学の手法 ( ( 実験・観測による 実験・観測による 検証 検証 ) ) により研究する学問分野 により研究する学問分野

神話・宗教的宇宙論(観)

神話・宗教的宇宙論(観)

哲学的宇宙論

哲学的宇宙論

(5)

目次 目次

• • 第一回: 第一回: 宇宙論研究の現在までの流れ 宇宙論研究の現在までの流れ と宇宙論における「美」の役割 と宇宙論における「美」の役割

• • 第二回: 第二回: 宇宙論の最新の成果 宇宙論の最新の成果

(6)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 66

古代の宇宙論~宇宙観(世界観)

古代の宇宙論~宇宙観(世界観)

根源的な問い:

根源的な問い:

• •

この世の中はどうなっているのかこの世の中はどうなっているのか

• •

何からできているのか何からできているのか

(7)

古代の宇宙論(インド)

古代の宇宙論(インド)

(8)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 88

古代の宇宙論(バビロニア)

古代の宇宙論(バビロニア)

• •

チグリス・ユーフラテスがチグリス・ユーフラテスが 世界の中心

世界の中心

• •

世界の果てに高い山世界の果てに高い山

(アララット山)が取り囲む

(アララット山)が取り囲む

• •

天空は山にのっか天空は山にのっか

世界の上に覆いかぶさる 世界の上に覆いかぶさる

• •

太陽は天空を横切ったあと地下のトンネル太陽は天空を横切ったあと地下のトンネルにに ももぐるぐる

(9)

古代の宇宙論(ギリシャ)

古代の宇宙論(ギリシャ)

• • 宇宙 宇宙

• • Universe Universe

• • Cosmos = Cosmos = 「美しい秩序」 「美しい秩序」

(cf. cosmetic(

(cf. cosmetic( 化粧品) 化粧品) ) )

宇宙は美しい秩序の中にある

宇宙は美しい秩序の中にある

(10)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 1010

古代の宇宙論(ギリシャ)

古代の宇宙論(ギリシャ)

• •

アリストテレス(アリストテレス(

BC384 BC384 - - 322) 322)

物質観:物質観: 4元素(火4元素(火 空気空気 土土 水:地上の世界)水:地上の世界)

第五元素(天体の世界):

第五元素(天体の世界):

自発的な円運動をする元素 自発的な円運動をする元素

火 火 空気 空気

土 土 水 水 直線運動 直線運動

円運動 円運動

( ( 完全 完全 ) )

(11)

古代の宇宙論(ギリシャ)

古代の宇宙論(ギリシャ)

• •

アリストテレス(アリストテレス(

BC384 BC384 - - 322) 322)

宇宙観:宇宙観:九天説九天説(天動説)(天動説)

地地

- -

月月

- -

水水

- -

金金

- -

太陽太陽

- -

火火

- -

木木

- -

土土

- -

恒星天恒星天 (有限宇宙)(有限宇宙)

地球中心の調和のとれた宇宙

地球中心の調和のとれた宇宙

(12)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 1212

地球は丸い 地球は丸い

• •

エラトステネスエラトステネス

(BC275 (BC275 - - 184) 184)

パピルス「6月21日の正午には垂直に立てた棒に パピルス「6月21日の正午には垂直に立てた棒に

影ができない」

影ができない」

800km x (360/7.2) 800km x (360/7.2)

=40000 km

=40000 km

半径半径

6366 6366

kmkm

!! !!

6378 6378

km)km)

(13)

古代の宇宙論(ギリシャ)

古代の宇宙論(ギリシャ)

• •

プトレマイオスプトレマイオス

(AD85 (AD85 - - 165) 165)

『『アルマゲストアルマゲスト』』:天体のさまざまな運動:天体のさまざまな運動 の精密な数学的モデル の精密な数学的モデル

アリストテレスの宇宙観の アリストテレスの宇宙観の

数学的 数学的 集大成 集大成 ( ( アルマゲスト アルマゲスト ) )

(14)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 1414

古代の宇宙論(ギリシャ)

古代の宇宙論(ギリシャ)

• •

プトレマイオスプトレマイオス

(AD85 (AD85 - - 165) 165)

• •

周転円(アポロニウス)周転円(アポロニウス)の導入の導入

• •

離心円離心円(地球中心からの(地球中心からの離脱離脱)の導入)の導入

地球地球

離心円離心円

中心中心

(15)

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

コペルニクス(1473-1543)コペルニクス(1473-1543)

天動説:複雑(周転円、

天動説:複雑(周転円、

離心円離心円←地球中心からの←地球中心からのずれずれ)) 惑星は太陽中心の

惑星は太陽中心の円運動円運動をしているをしている とすると周転円が不要・モデルが簡潔 とすると周転円が不要・モデルが簡潔

(地動説:コペルニクス的転回)

(地動説:コペルニクス的転回)

むしろむしろギリシャへの回帰ギリシャへの回帰

( (

新プラトン主義新プラトン主義

) )

(16)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 1616

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

ヘリオス(太陽の神)信仰(ギリシャ)ヘリオス(太陽の神)信仰(ギリシャ)

++ キリスト教(ヤハヴェの神のみ信仰)キリスト教(ヤハヴェの神のみ信仰)

新プラトン主義新プラトン主義::太陽は神の世界創造のためのもっと太陽は神の世界創造のためのもっと も重要で始原的なもの、神の手に最も近い神聖なもの も重要で始原的なもの、神の手に最も近い神聖なもの

「はじめに神は天と地とを創造された。地は形なく、むな

「はじめに神は天と地とを創造された。地は形なく、むな しく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてを しく、やみが淵のおもてにあり、神の霊が水のおもてを

おおっていた。

おおっていた。

神は「光あれ」と言われた。すると光があった。神はそ 神は「光あれ」と言われた。すると光があった。神はそ の光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕となり、

の光を昼と名づけ、やみを夜と名づけられた。夕となり、

また朝となった。第一日である。

また朝となった。第一日である。(旧約聖書「創世記」)(旧約聖書「創世記」)

(17)

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

「天球の回転について」(1543)「天球の回転について」(1543)

「「宇宙の中心に宇宙の中心に太陽太陽が静止している。が静止している。

この美しい殿堂の中で、この光り輝く この美しい殿堂の中で、この光り輝く ものを、あらゆる場所に光を送ること ものを、あらゆる場所に光を送ること

のできる中心という場所以外のどこに のできる中心という場所以外のどこに

置くことができよう。」

置くことができよう。」

(18)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 1818

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

ブルーノ(1548-1600)ブルーノ(1548-1600)

「神は宇宙を平等に創りたもう」

「神は宇宙を平等に創りたもう」

宇宙は宇宙は無限無限

宇宙は宇宙は一様一様(特別な場所はない)(特別な場所はない)

⇒⇒ 宇宙原理宇宙原理

太陽は宇宙の中心ですらない!

太陽は宇宙の中心ですらない!

異端者異端者

火刑(火刑(

1600 1600

))

(19)

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

ティコ・ブラーエ(1546-1601)ティコ・ブラーエ(1546-1601)

天体の運行の

天体の運行の詳細な詳細な観測観測

• •

ケプラー(1571-1630)ケプラー(1571-1630)

観測記録を解析 観測記録を解析

惑星の運動に関する

惑星の運動に関する

3 3

法則法則

( (

ケプラーの法則ケプラーの法則

) )

宇宙は有限(さもないと夜空は星の 宇宙は有限(さもないと夜空は星の

光で明るいはず 光で明るいはず

) )

(20)

2020

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

ケプラーケプラーの法則の法則

第第11法則法則.惑星は太陽を焦点とする.惑星は太陽を焦点とする 楕円軌道楕円軌道を描くを描く

第第22法則法則.面積速度一定.面積速度一定

第第33法則法則..

( (

周期周期

) )

22はは

(軌道(軌道の長軸の長軸半径)半径)に比例に比例

ケプラー的転回 ケプラー的転回

(アニミズムから機械論的宇宙観へ)

(アニミズムから機械論的宇宙観へ)

(21)

ケプラーと宇宙の神秘 ケプラーと宇宙の神秘

「太陽は「太陽は動かす霊動かす霊を持っている」(宇宙誌の神秘)を持っている」(宇宙誌の神秘)

自然=神の書いた書物 自然=神の書いた書物

宇宙の中に描き込まれた 宇宙の中に描き込まれた 数的な比数的な比を読み取ることを読み取ること

(第(第

3 3

法則:法則:

2 2

乗乗 3乗)3乗)

自由4科目(算術、幾何学、

自由4科目(算術、幾何学、

天文学、音楽)

天文学、音楽)

(22)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 2222

2004年ノーベル物理学賞 2004年ノーベル物理学賞

• •

Gross, Gross, WilczekWilczek, , PolitzerPolitzer

• •

クォーク間に働く「強い力」のクォーク間に働く「強い力」の 漸近的自由性の発見

漸近的自由性の発見 Gross, Nobel Lecture:

Gross, Nobel Lecture:

Acknowledgments Acknowledgments

““As I end, I would like to thank not only the Nobel As I end, I would like to thank not only the Nobel Foundation, but

Foundation, but naturenature itself, who has given us the itself, who has given us the oppotunity

oppotunity to explore to explore her secretsher secrets and the fortune to and the fortune to have revealed one of

have revealed one of her most mysterious and her most mysterious and beautiful aspects

beautiful aspects –– the strong force.the strong force.””

(23)

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)ガリレオ・ガリレイ(1564-1642)

ガリレオ望遠鏡

ガリレオ望遠鏡

( (

口径口径

4 cm)による 4 cm

)による 詳細な観測:

詳細な観測: 木星に木星に

4 4

つの衛星つの衛星 月に月に凸凹凸凹 ⇒⇒ 天空の世界の天空の世界の

完全さ完全さ

( (

円円

) )

の崩壊の崩壊

「天文対話」

「天文対話」 :アリストテレス的宇宙観への批判:アリストテレス的宇宙観への批判 地動説を支持

地動説を支持

(24)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 2424

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

ニュートン(1642-1727)ニュートン(1642-1727)

微分積分学+

微分積分学+万有引力万有引力の発見の発見

ケプラーの三法則を演繹的に導出 ケプラーの三法則を演繹的に導出

(プリンキピア(1687))

(プリンキピア(1687))

• •

科学的太陽系モデル科学的太陽系モデル

宇宙は無限(宇宙には端はない)

宇宙は無限(宇宙には端はない)

(25)

16・17世紀の宇宙論 16・17世紀の宇宙論

• •

デカルト(1596-1650)デカルト(1596-1650)

宇宙はプレナムと 宇宙はプレナムと

よばれる媒質で よばれる媒質で 満たされている 満たされている

渦動説渦動説:物が動くと:物が動くと

周りのプレナムも動き、

周りのプレナムも動き、

渦動となって遠くに伝わる 渦動となって遠くに伝わる

無限宇宙無限宇宙

(26)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 2626

ニュートン

ニュートン vs vs デカルト デカルト

• •

ニュートン:真空説ニュートン:真空説

物体どうしの間には何も媒介せずに万有引力働く 物体どうしの間には何も媒介せずに万有引力働く

• •

遠隔作用(宇宙がどうなっているかは問わず)遠隔作用(宇宙がどうなっているかは問わず)

←← 要素還元主義要素還元主義

• •

天体の運行天体の運行予言可能予言可能

(27)

ニュートン

ニュートン vs vs デカルト デカルト

• •

デカルト:充満説デカルト:充満説

宇宙はプレナム(エーテル)で満たされている 宇宙はプレナム(エーテル)で満たされている

• •

近接作用(媒質を通じ宇宙のあらゆる出来事が近接作用(媒質を通じ宇宙のあらゆる出来事が 関連)関連) ⇒⇒ 現代物理学の現代物理学の「場」「場」の考えの考え

• •

天体の運行天体の運行予言できず予言できず

(28)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 2828

ニュートン

ニュートン vs vs デカルト デカルト

• •

ニュートン:真空説ニュートン:真空説

物体どうしの間には何も 物体どうしの間には何も

媒介せずに万有引力働く 媒介せずに万有引力働く

• •

遠隔作用(宇宙がどう遠隔作用(宇宙がどう

なっているかは問わず)

なっているかは問わず)

• •

天体の運行天体の運行予言可能予言可能

• •

デカルト:充満説デカルト:充満説

宇宙はプレナム(エーテル)

宇宙はプレナム(エーテル)

で満たされている で満たされている

• •

近接作用(媒質を通じ近接作用(媒質を通じ

宇宙のあらゆる出来事が 宇宙のあらゆる出来事が 関連)関連)

• •

天体の運行天体の運行予言できず予言できず

(29)

ここまでのまとめ

ここまでのまとめ ( ( 古代から近代へ 古代から近代へ ) )

運動: 運動:

• • 運動 運動 地球中心 地球中心 (アリストテレス ( アリストテレス ) )

• • 周転円 周転円 離心円 離心円 (プトレマイオス ( プトレマイオス ) )

• • 円運動 円運動 太陽中心 太陽中心 ( ( コペルニクス コペルニクス ) )

• • 楕円 楕円 運動 運動 太陽焦点 太陽焦点 ( ( ケプラー ケプラー ) )

• • 万有引力(ニュートン) 万有引力(ニュートン)

⇒ ⇒ ケプラーの法則 ケプラーの法則 観測的裏づけ

観測的裏づけ ( ( ガリレオ ガリレオ ) )

(30)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 3030

ここまでのまとめ

ここまでのまとめ ( ( 古代から近代へ 古代から近代へ ) )

宇宙観:宇宙観:

• •

有限有限宇宙宇宙 天動説天動説

( (

地球中心地球中心

)( )(

アリストテレス、アリストテレス、

プトレマイオス プトレマイオス

) )

• •

有限宇宙有限宇宙 地動説地動説

( (

太陽中心太陽中心

)( )(

コペルニクス、コペルニクス、

ケプラーケプラー

) )

• •

無限無限宇宙宇宙 一様宇宙一様宇宙

( (

中心はない中心はない

)( )(

ブルーノブルーノ

) )

• •

無限宇宙無限宇宙 充満説充満説

( (

デカルトデカルト

) )

• •

無限宇宙無限宇宙 真空説(ニュートン)真空説(ニュートン)

理論 理論 ( ( 哲学 哲学 )先行 ) 先行 観測的裏付けなし 観測的裏付けなし

( ( metaphysics) metaphysics)

(31)

近代宇宙論の誕生 近代宇宙論の誕生

• •

ニュートン力学(17世紀):ニュートン力学(17世紀):

絶対時間・空間(入れ物としての時空)

絶対時間・空間(入れ物としての時空)

時間・空間は未来永劫に不変 時間・空間は未来永劫に不変

• •

特殊特殊相対性原理(1905):相対性原理(1905):

互いに互いに等速運動等速運動する人から見て物理法則は不変する人から見て物理法則は不変

((光の速度は不変光の速度は不変)) 時間は相対的

時間は相対的(観測者によって時間異なる)(観測者によって時間異なる)

空間は依然として不変 空間は依然として不変

(32)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 3232

近代宇宙論の誕生 近代宇宙論の誕生

• •

一般一般相対性原理(1915):相対性原理(1915):

加速度加速度運動する人から見ても物理法則は不変運動する人から見ても物理法則は不変 重力はいつでも消せる(重力は

重力はいつでも消せる(重力は時空のゆが時空のゆが みみと同じ)と同じ)

時間・空間は変化する 時間・空間は変化する 一般相対性理論

一般相対性理論(幾何学としての重力の理論)(幾何学としての重力の理論)

(33)

相対性理論と日常生活:カーナビと相対論 相対性理論と日常生活:カーナビと相対論

• •

カーナビ:カーナビ:

GPS GPS

衛星による衛星による 地上の車の位置決定

地上の車の位置決定

• • GPS GPS

衛星:衛星: 電波電波

( (

光光

) )

によるによる 地上との交信

地上との交信

光速:光速: 秒速秒速

30 30

万万

km km (1 (1

秒間に地球を7周半秒間に地球を7周半

) )

(34)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 3434

カーナビと相対論 カーナビと相対論

• •

地上の時計と地上の時計と

GPS GPS

の時計はの時計は 進みが違う

進みが違う

•• 特殊相対論:特殊相対論: 運動する時計運動する時計(GPS)は地上の時計より(GPS)は地上の時計よりゆっくりゆっくり 進む進む (1日で(1日で 7 x 107 x 10-6-6 秒)秒)

•• 一般相対論:一般相対論: 重力が弱いところにある時計重力が弱いところにある時計(GPS)は強いと(GPS)は強いと ころの時計

ころの時計(地上(地上)より)より早く進む早く進む(1日で(1日で 45 x 1045 x 10-6-6 秒)秒)

•• 二つの効果を考慮しないと二つの効果を考慮しないと

1日で1日で10 km(=(4510 km(=(45--7) x 107) x 10-6-6 x 30 万x 30 km/km/秒)秒)

((2分で2分で15 m15 m)もずれてしまい、使い物にならない!)もずれてしまい、使い物にならない!

光速:光速: 秒速秒速3030 kmkm (1(1秒間に地球を7周半秒間に地球を7周半))

(35)

近代宇宙論の誕生 近代宇宙論の誕生

• •

一般相対性理論(1915年:アインシュタイン)一般相対性理論(1915年:アインシュタイン)

• •

時間空間(時空)は未来永劫不変ではなく、時間空間(時空)は未来永劫不変ではなく、

物質の分布により変化するダイナミカルな実体 物質の分布により変化するダイナミカルな実体

時空の曲がり具合

時空の曲がり具合 物質の分布の仕方物質の分布の仕方

(36)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 3636

近代宇宙論の誕生(アインシュタインの

近代宇宙論の誕生(アインシュタインの 静止 静止 宇宙) 宇宙)

• •

時空はダイナミカルな実体時空はダイナミカルな実体 宇宙は膨張(収縮)宇宙は膨張(収縮)

するする

• •

アインシュタインは宇宙は膨張も収縮もしないと考えアインシュタインは宇宙は膨張も収縮もしないと考え

斥力斥力の役割をするの役割をする宇宙項宇宙項を導入(1917)を導入(1917)

時空の曲がり具合

時空の曲がり具合 物質の分布の仕方物質の分布の仕方

宇宙項 宇宙項

(37)

近代 宇宙論の誕生(膨張宇宙論) 宇宙論の誕生(膨張宇宙論)

• •

ド・ジッター(1917)ド・ジッター(1917)

• •

ル・メートルル・メートル フリードマンフリードマン ロバートソンロバートソン

ウォーカー

ウォーカー 宇宙モデル宇宙モデル(1922-1927)(1922-1927)

仮定:宇宙には

仮定:宇宙には特別な場所特別な場所やや特別な方向特別な方向はないはない

(一様・等方)

(一様・等方)

宇宙の民主主義:宇宙原理

宇宙の民主主義:宇宙原理

( (

コペルニクス原理コペルニクス原理

) )

(38)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 3838

宇宙(一様・等方空間)の形 宇宙(一様・等方空間)の形

• •

曲率(空間の曲がり具合)によって3つに分類曲率(空間の曲がり具合)によって3つに分類

22次元空間)次元空間)

– –

正曲率正曲率 ((球面球面ボールの表面ボールの表面

– –

曲率0(平坦)曲率0(平坦) ((ユークリッド空間ユークリッド空間)平板平板

– –

負曲率負曲率 ((ロバチェフスキー空間ロバチェフスキー空間 ポテトチップスの表面 ポテトチップスの表面

重力重力

( (

物質物質

) )

によって空間が曲げられる!によって空間が曲げられる!

(39)

一様・等方空間の形 一様・等方空間の形

• •

曲率(空間の曲がり具合)によって3つに分類曲率(空間の曲がり具合)によって3つに分類

(40)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 4040

一様・等方空間の形 一様・等方空間の形

• •

曲率(空間の曲がり具合)によって曲率(空間の曲がり具合)によって 3つに分類

3つに分類 2次元空間)2次元空間)

– –

正曲率正曲率 ((球面球面ボールの表面ボールの表面

(41)

一様・等方空間の形 一様・等方空間の形

• •

曲率(空間の曲がり具合)によって曲率(空間の曲がり具合)によって 3つに分類

3つに分類 2次元空間)2次元空間)

– –

正曲率正曲率 ((球面球面ボールの表面ボールの表面

– –

曲率0(平坦)曲率0(平坦) ((ユークリッド空間ユークリッド空間平板平板

– –

負曲率負曲率 ((ロバチェフスキー空間ロバチェフスキー空間 ポテトチップスの表面 ポテトチップスの表面

(42)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 4242

一様・等方空間の形 一様・等方空間の形

• •

曲率(空間の曲がり具合)によって曲率(空間の曲がり具合)によって 3つに分類

3つに分類 2次元空間)2次元空間)

– –

正曲率正曲率 ((球面球面ボールの表面ボールの表面

– –

曲率0(平坦)曲率0(平坦) ((ユークリッド空間ユークリッド空間平板平板

– –

負曲率負曲率 ((ロバチェフスキー空間ロバチェフスキー空間 ポテトチップスの表面 ポテトチップスの表面

どの宇宙が選ばれるかは観測で どの宇宙が選ばれるかは観測で

決められる

決められる

( (

理論では決まらない理論では決まらない

) )

(43)

宇宙論における美、思い込み、先入観 宇宙論における美、思い込み、先入観

• •

アインシュタインの静的宇宙アインシュタインの静的宇宙

• •

宇宙は閉じている(アインシュタイン)宇宙は閉じている(アインシュタイン)

境界条件の設定は不要 境界条件の設定は不要

• •

宇宙は平坦で物質のみ(宇宙項はない)宇宙は平坦で物質のみ(宇宙項はない)

8080年代の宇宙論年代の宇宙論((余計なパラメターは不要)余計なパラメターは不要)

すべて観測事実と相容れない すべて観測事実と相容れない

! !

( (

宇宙は平坦で宇宙項あり宇宙は平坦で宇宙項あり

) )

(44)

日本大学文理学部公開講座

日本大学文理学部公開講座 4444

結果として

結果として の美 の美 ・ ・ 原因 原因 としての美 としての美

• •

自然現象自然現象 一見複雑一見複雑

• •

背後に潜む規則・法則背後に潜む規則・法則 (なぜか(なぜか簡潔簡潔:対称性:対称性

(マックスウェル方程式、

(マックスウェル方程式、

アインシュタイン方程式、ゲージ理論)

アインシュタイン方程式、ゲージ理論)

対称性のある理論

対称性のある理論 現実世界現実世界(自発的対称性の破れ(自発的対称性の破れ))

• •

一見もっともらし一見もっともらしい理屈・理論は理屈・理論は

必ずしも自然現象を正しく記述しない 必ずしも自然現象を正しく記述しない

((定常宇宙論、ブランスディッケ理論、定常宇宙論、ブランスディッケ理論、bootstrapbootstrap理論理論))

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