読解問題
の
設問
パ
タ
ー
ン
と
そ
の
攻略法
試験本番で 必ず 役立つ！ 〈解説〉あらゆる中学入試・高校入試・大学入試で出題されるパターンです。 多くは、 筆者独自の言い回し（特に比喩表現） を言いかえることを求める設問です。 言いかえる設問 パターン ② 〈問い〉 「この言葉には、 なぜ 『 』 がついている のか」 「この言葉には、 なぜ 〝 〟がついている のか」 〈鉄則〉 鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 16 〈解説〉同様の設問は、これまで、筑波大学附属駒場高校、山形大学、その他多くの学校で出題され ました。 「なぜ」とありますが、 「たどる力」よりも「言いかえる力」が武器となります。パ ターン①と同様の設問です。たとえば、 「料理の味」と「料理の『味』 」では、意味が変わり 得ます。後者は、 「料理の個性」といった意味にもなるのです。 「 」や〝 〟がついた言葉 をこうして言いかえさせる設問は、多くの中学入試・高校入試・大学入試で出題されていま す。 言いかえる設問 パターン ③ 〈問い〉 「─
とは、 どういうことをたとえて いるのか」 〈鉄則〉 鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 16 〈解説〉同様の設問は、これまで、東京学芸大学附属高校、ラ・サール高校、その他多くの学校で出〈
１
〉「言
い
か
え
る
力」
で
立
ち
向
か
え
！
言いかえる設問 パターン ① 〈問い〉 「─
とは、 どういうこと か」 「─
とあるが、これは どういうこと を言っているのか」 「─
とは、 どのようなこと か」 「─
とは、 どのような意味 か」 「─
の意味を、 分かりや すく説明 せよ」 「─
とあるが、 それを説明 したものとして最もふさわしいものを選べ」 〈鉄則〉 鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 16 （注）この本は高校受験生向けですが、国語力＝論理的思考力の習得には本来、小中高の区別は関係あり ません。解説の中で中学入試や大学入試についても触れているのは、そのためです。／ ラインが引かれた 鉄則 は、その項目に特に関連が深いことを意味します。／ 鉄則１～５ や 21は全ての問いに関連します。パターン ⑥ 「筆者は、
─
について どのように述べている か。 文章全体を踏まえ 、一〇〇字以内で説明 せ よ 」「 筆 者 が こ の 文 章 全 体 で 述 べ て い る─
の 特 徴 と は、 ど の よ う な こ と か。 六 〇 字 程 度 で説明せよ」 （字数は一例） 鉄則３、鉄則６、鉄則７、鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15 た。 「 文 章 全 体 を 踏 ま え て 」 と い う の は、 文 章 全 体 の 骨 組 み、 つ ま り 筆 者 が 最 も 伝 え た い こ とがらをまとめよということです。次のパターン⑦も同様です。 パターン ⑦ 「本文の……の範囲を五〇字以内で 要約しなさい 。─
に対する筆者の考えとその根拠に触 れること」 「次の文章を八〇字以上一〇〇字以内に 要約しなさい 」（字数は一例） 鉄則３、鉄則６、鉄則７、鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15 れ ま し た。 要 約 と は、 抽 象 化 の 作 業 で す。 「 言 い か え る 力 」 が、 そ の た め の 第 一 の 武 器 で す。 ただし、要約すべき範囲が全体に及ぶほど、そこには対比関係・因果関係を含むようになる 題 さ れ ま し た。 こ れ も、 パ タ ー ン ①・ ② と 本 質 的 に は 同 じ 設 問 で す。 た と え ば、 「 猿 も 木 か ら落ちる」はどういうことをたとえているのか、と問われたら、答えは「名人でも失敗する ということ」などと抽象化して答えます。 パターン ④ 問 い 〉 「─
は 具 体 的 に は ど う い う こ と か 」「─
と あ る が、 そ れ を 具 体 的 に 述 べ て い る 部 分 を 三〇字以内で抜き出せ」 （字数は一例） 鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 16 パターン①と同様ですが、特に具体化を要求する設問です。 パターン ⑤ 問 い 〉 「─
を 比 喩 的 に 言 い か え た 箇 所 を 抜 き 出 せ 」「─
と あ る が、 こ の 部 分 を た と え を 用 い て 表した 一文を抜き出せ」 鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 16 これは、パターン③の逆です。〈問い〉 「本文に書かれている内容に 合うもの を、あるだけ選べ」 〈鉄則〉 鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 21 〈解説〉あらゆる中学入試・高校入試・大学入試で出題されるパターンです。選択肢はいずれも、文 章の細部または全体について多少とも表現を言いかえた形で書かれています。 言いかえる設問 パターン ⑩ 〈問い〉 「
─
部『 それ 』が指し示す内容を説明せよ」 〈鉄則〉 鉄則９、鉄則 13、鉄則 18 〈解説〉あらゆる中学入試・高校入試・大学入試で出題されるパターンです。〈
２
〉「
く
ら
べ
る
力」
で
立
ち
向
か
え
！
くらべる設問 パターン ① 〈問い〉 「─
③と─
④とでは、○○（人物名）の○○に対する 気持ちが変化している 。○○の 気 持 ち の 変 化 を、 そ の き っ か け と な っ た こ と も 含 め、 九 〇 字 以 内 で 説 明 せ よ 」「 ○ ○ が こ の よ う な 思 い に な る ま で の 気 持 ち の 変 化 を 説 明 し た も の と し て 最 も 適 当 な も の を 選 べ 」「 ○ ○ の ため、結局は「３つの力」をすべて発揮する必要が出てきます。たとえば、先の〈問い〉の うち「根拠に触れること」というのは、 「たどる力」を要求しているわけです。 言いかえる設問 パターン ⑧ 〈問い〉 「国語の授業でこの文章を読んだ後、─
というテーマで 自分の意見 を発表することになっ た。このときにあなたが話す言葉を、 具体的な体験や見聞も含めて 二〇〇字以内で書きなさ い 」「─
と あ る が、 そ の よ う な 人 間 社 会 の 問 題 の 具 体 例 を 挙 げ た 上 で 、 あ な た の 考 え る 問 題 解 決 の 糸 口 を 二 五 〇 字 以 内 で 書 き な さ い 」「 こ の 文 章 に 書 か れ て い る こ と を 参 考 に し て、─
について あなたが考えたこと を二〇〇字以内で書きなさい」 〈鉄則〉 鉄則２、鉄則３、鉄則９、鉄則 10、鉄則 13、鉄則 14、鉄則 15、鉄則 22 〈解説〉同様の設問は、これまで、東京都立高校、都立日比谷高校、都立西高校、都立八王子東高校、 その他多くの学校で出題されました。まず文章の骨組みをイメージし、それから書き出す必 要があります。その意味では、パターン⑥・⑦などと同じです。そこに、パターン④と同様、 具 体 化 の 作 業 を 加 え て い き ま す。 パ タ ー ン ⑦ で も 述 べ た よ う に、 「 根 拠 を 示 す こ と 」 な ど と あれば、 「たどる力」も同時に必要になります。 言いかえる設問 パターン ⑨高校） 、「展開する」 と 「展開しがち」 （信州大学） 、「シャーマン的な交通」 と 「プリースト （司 祭）的な交通」 （名古屋市立大学）など、 類似したＡとＢとの間の相違点 を 説 明 さ せ る 設 問 が多々出題されています。また、類似したものごとを例示した上で、それとは違う別の例を 挙げて説明することを要求する設問もあります。たとえば、 「技」と「技術」 ・「聞く」と「聴 く」 ・「楽しい」 と 「面白い」 を例示しておいて他の例を挙げさせる設問 （秋田県立高校） 、「ア イ ス ク リ ー ム 」 と「 ク リ ー ム 」、 「 う つ ろ 」 と「 か ら っ ぽ 」 ※ を 例 示 し て お い て 他 の 例 を 挙 げ させる設問（慶應義塾湘南藤沢中等部）などです（※「うつろとからっぽ」という谷川俊太 郎の詩） 。なお、 相違点のみならず共通点も同時に挙げさせる場合も、 多々あります。 「教養」 と「趣味」の共通点・相違点を説明させる設問（京都大学）などです。 パターン ③ 「（ ア ）は（ Ａ ）だが、 （ イ ）は（ Ｂ ）である。空欄を埋めよ」 鉄則４、鉄則６、鉄則７、鉄則８、鉄則 10、鉄則 11 「 ○ ○（ 人 物 名 ） が（ ） と 言 っ た の に 対 し、 ○ ○ は（ ） と 答 え た の で、 …… と と ら えている」といった形での記述を求める設問（岐阜県立高校） 、「
─
とあるが、筆者がそう 気持ちが変化 したのは、○○のことをどのように感じるようになったからか。～感じていた が、 ～ 感 じ る よ う に な っ た か ら。 と い う 形 で、 八 〇 字 以 内 で 説 明 せ よ 」「─
と あ る が、 こ こで○○はどういうことに 気づき始めた のか。二〇〇字以内で詳しく説明せよ」 鉄則３、鉄則８、鉄則 19 県立高校、岡山県立高校、広島県立高校、香川大学、宮崎大学、その他多くの学校で出題さ れました。 文学（物語・小説）とはそもそも、人物の変化（特に対比的変化）を描くもの で す。こういった設問が多いのは、必然であると言えるでしょう。 パターン ② 「（ ア ）と（ イ ）は、 どう違う か。説明せよ」 鉄則４、鉄則６、鉄則７、鉄則 10、鉄則 11 「会う」と「見かける」 （開成中学校） 、「旅」と「観光旅行」 （雙葉中学校） 、「手品師」と「魔 法使い」 （学習院女子中等科） 、「ザバーン！」 と 「ザバンッ！」 （筑波大学附属駒場中学校） 、「理 解」と「認識」 （開成高校） 、「クリックする行為」と「めくる行為」 （お茶の水女子大学附属こ う 感 じ た の は な ぜ か。 そ の き っ か け と な っ た ○ ○（ 人 物 名 ） の 言 葉 を 書 き 抜 け 」「 …… が ～ ～ だ と 言 え る の は、 …… が ど の よ う な も の だ か ら か 」「 …… と は、 ど の よ う な 気 持 ち か ら 生じたものか」 〈鉄則〉 鉄則８、鉄則 12、鉄則 13、鉄則 19、鉄則 20 〈解説〉あらゆる中学入試・高校入試・大学入試で出題されるパターンです。文章から読み取れる因 果関係がジャンプしている（飛躍している）ときにその間を埋めさせる設問、あるいは、文 章に書かれた理由が冗長であるため短くまとめさせるような設問が、その主流です。 たどる設問 パターン ② 〈問い〉 「
─
とあるが、この表現から読み取れる ○○（人物名）の気持ち に近いものはどれか」 「─
とあるが、このときの ○○（人物名）の気持ち はどのようなものだと考えられるか」 〈鉄則〉 鉄則８、鉄則９、鉄則 10、鉄則 19、鉄則 20 〈 解 説 〉 あ ら ゆ る 中 学 入 試・ 高 校 入 試・ 大 学 入 試 で 出 題 さ れ る パ タ ー ン で す。 た と え ば、 「 う な だ れ て い た 」 と い う 表 現 か ら 読 み 取 れ る の は、 「 失 望 」「 落 胆 」「 残 念 に 思 う 気 持 ち 」 な ど と な る でしょう。 「失望した→だから→うなだれた」ということです。 「このように言ったのは、こ う い う 心 情 だ っ た か ら だ ろ う 」 と 考 え ま す。 な お、 「 た ど る 」 と い う よ り も「 言 い か え る 」 述べるわけを次のように説明する。空欄を埋めよ。ヒト以外が（ ）であるのに対し、ヒ トだけが （ ） だから」 といった形での記述を求める設問 （都立西高校） 、「一般的には （ ）なものと考えられがちな『無駄や脱線』が、実は（ ）ものであることを強調してい る 」 と い っ た 形 で の 記 述 を 求 め る 設 問（ 秋 田 県 立 高 校 ） な ど で す。 ま た、 「 敗 者 以 上 に 勝 者 が悲劇的であるのはなぜか」 というように逆説の理由を問う設問 （広島大学附属高校） や、 「Ａ とＢ二つのポスターのうちどちらを選ぶか。理由とともに述べよ」というように対比を根拠 に 主 張 さ せ る 設 問（ 静 岡 県 立 高 校 ） な ど、 「 た ど る 力 」 も 同 時 に 求 め ら れ る タ イ プ も よ く 出 ます。〈
３
〉「
た
ど
る
力」
で
立
ち
向
か
え
！
たどる設問 パターン ① 〈 問 い 〉 「─
と あ る が、 な ぜ そ う 言 え る の か 」「─
と あ る が、 こ の よ う に 言 え る の は な ぜ か。 最 も 適 切 な も の を 選 べ 」「─
と あ る が、 筆 者 が こ の よ う に 述 べ た の は な ぜ か。 最 も 適 切 な も のを選べ」 「─
とあるが、 『私』が～～した わけ として最も適切なものはどれか」 「『私』が整 除 は、 「 本 文 中 の こ の 部 分 は、 文 が バ ラ バ ラ に 並 ん で い ま す。 並 べ 替 え る と ど う な り ま す か 」 な 「３つの力」のそれぞれを必要に応じて使えば、解決できます。たとえば、 「脱文 入 」 に お い て 脱 文 の 文 末 に「～ か ら で す 」 な ど と あ れ ば、 そ の 文 は「 原 因（ 理 由 ）」 で す。 脱 文 の 」が書かれているはずです。この場合は、 「たどる力」を発揮する 「文頭接続語」及び「文中・文末接続語」です （鉄則 18）。 段 落 関 係 は、 「 こ の 文 章 に お け る 第 七 段 落 の 役 割 を 説 明 し た も の と し て 最 も 適 切 な も の は ど れ か 」 「３ （鉄則 17）。 に近い考え方になる場合もあります（たとえば、
