26-02
5
0
0
全文
(2) 第 55 回土木計画学研究発表会・講演集. 状況を定量的に把握し, 交通事故対策や維持管理の効率 (2) 調査区間 4) 的・効果的な実施手法について検討を行っている . 地震による被害が大きいと想定される, 国道3号 本研究では, 民間プローブデータの位置(DRMリンク) 長六橋交差点(熊本市)~松原交差点(宇土市)を調 情報と速度情報, スマートフォンのセンサーから取得さ 査区間に設定した. れた位置情報(座標), 速度, 加速度情報等を組み合わせ 長六橋交差点 ることにより, 大規模災害発生後に迅速かつ簡易的に道 路の路面損傷状況を把握する手法の検討を行った.. 2. 調査手法 (1) 分析対象としたデータ ①上下加速度データ 上下加速度はスマートフォンの3軸加速度センサーに より取得した. Andorodスマートフォン上において,GPS座標と3軸加速 度を取得するアプリを使用し,取得時間とともに記録し た.. 延長 12.1 ㎞. このスマートフォンを自動車内のダッシュボード上に 固定し, 後述する対象区間を走行した. 取得したデータから緯度経度情報, 上下加速度を抽出 した.. 松原交差点. 図2 調査対象区間. ・傾きとXYZ軸の加速度から上 下加速度を算出 ・加速度とともにGPSによる位 置情報を記録. (3) データの抽出 上下加速度データの抽出にあたっては, 規制速度内で 自由走行できる時速50km/hで走行し測定した.また, 渋滞 等による速度低下による影響を避けるため, 調査時間は 時速50km/hで走行できる深夜時間帯に実施した.. 図1 アプリによるデータ取得画面. 表2. 調査日 調査時間. ②民間プローブデータ 前述の①と重ね合わせて使用するデータとして,デ ータ取得範囲やデータ取得頻度の多い民間プローブデ ータを選定した. 路面損傷箇所においては運転者が目視判断により, 速度を低下させ走行する状況を現地にて確認したため, 速度低下が生じている箇所を把握することにより,何 らかの損傷が道路に生じていると推察された. 速度変化を把握する方法として, 地震発生前後の平 均旅行速度を民間プローブデータにより集計した.な お, 交通量増加による速度低下を回避するため, 自由走 行できる夜間時間帯(22時~26時)のプローブデータ. (4) 比較対象区間の上下加速度結果 調査対象区間の被災前データとの比較が本来望ましい ものの, 被災前の上下加速度データが存在しなかったた め, 今回の熊本地震による被害がない福岡県内の国道3号 のうち, 調査対象区間の交通量(5万台/日前後)と同程 度の区間(榎田交差点(福岡市)~大宰府IC(太宰府 市))を比較対象区間(損傷無区間)として走行し上下 加速度を取得した. 被害が無い区間の上下加速度差の平均は2.2m/s2 となっ ており, 最大値は13.3m/s2であった.. を使用した.. 本研究ではこの数値は被害無区間の数値として,前提 条件とする.. 表1 民間プローブデータ集計期間. 調査日 調査時間. 加速度データ取得期間. H28年5月16日(月) 22:00~26:00. 発生前:H28.4.9~H28.4.14 発生後:H28.5.1~H28.5.8 22:00~26:00. 2.
(3) 第 55 回土木計画学研究発表会・講演集. 凡例 ◆ ~ 5 m/s2 ◆ 5~10 m/s2 ◆ 10~14 m/s2 ◆ 14~20 m/s2 ◆ 20~ m/s2. 榎田交差点. 下り方向(鹿児島方面)の上下加速度差の平均は 5.6m/s2, 最大値は20.6m/s2であり, 福岡県と比較して, 平均 は2.5倍, 最大は1.5倍と高く, 地震により路面状況に影響 が出ていると想定される.. 平均加速度差 2.2m/s2. 凡例 ◆ ~ 5 m/s2 ◆ 5~10 m/s2 ◆ 10~14 m/s2 ◆ 14~20 m/s2 ◆ 20~ m/s2. ▼上下加速度差. 長六橋. 平均加速度差 5.6m/s2. 最大加速度差 13.3m/s2. 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 大宰府IC. 図3 比較対象区間における上下加速度. (1)上下加速度データ 上り方向(福岡方面)の上下加速度差の平均は7.9m/s2, 最大値は54.9m/s2であり, 福岡県の比較対象区間と比べて, 平均は3.6倍, 最大は4.1倍と高く, 地震により路面状況に 影響が出ていると想定される.. ◆ ◆ ◆ ◆ ◆. 0. 10. 20. 30. m/s2 m/s2 m/s2 m/s2 m/s2. 最大加速度差 20.6m/s2. ▼上下加速度差. 長六橋. 40. ▼上下加速度差 凡例 ~ 5 5~10 10~14 14~20 20~. 0. 10. 20. 30. 60. 松原 交差点. 40. 平均加速度差 7.9m/s2. 50. 凡例 ◆ ~ 5 m/s2 ◆ 5~10 m/s2 ◆ 10~14 m/s2 ◆ 14~20 m/s2 ◆ 20~ m/s2. 50. 60. 3. 各種データの抽出結果. (2)民間プローブデータ 対象区間である長六橋~松原交差点間においては, 約 11%の区間で, 地震発生前と比較して5km/h以上の速度低 下が確認された.. 0. 10. 20. 30. 40. 60. 50. 図5 上下加速度観測結果(上り方向). ▼上下加速度差 凡例 ◆ ~ 5 m/s2 ◆ 5~10 m/s2 ◆ 10~14 m/s2 ◆ 14~20 m/s2 ◆ 20~ m/s2. 10km/h以上 低下, 4.2%. 最大加速度差 54.9m/s2. 5~10km/h 低下, 6.9%. 速度低下な し, 25.3%. 0~2km/h低 下, 28.7%. 図6 速度低下の割合. 0. 10. 20. 30. 40. 50. 60. 松原 交差点. 2~5km/h低 下, 35.0%. 図4 上下加速度観測結果(上り方向). 3.
(4) 第 55 回土木計画学研究発表会・講演集. ― 5~10km/h低下 ― 10km/h~低下. ● 上下加速度 ― 5~10km/h低下 ― 10km/h~低下 上下加速度、速 度低下が重複す る区間. ― 5~10km/h低下 ― 10km/h~低下. 段差あり. 「段差あり」の看板はないものの、 「段差あり」の看板はないものの、 IRI及び上下加速度による路面悪化 上下加速度による路面悪化区間、 区間、箇所であることを現地踏査で 箇所であることを現地踏査で確認 確認. 段差あり. 資料:民間プローブデータ. 図7 地震発生前後の速度低下区間 ● 上下加速度 ― 5~10km/h低下 ― 10km/h~低下 上下加速度、速度 低下が重複する 区間. 4. 組合せ結果の妥当性検証 熊本地震が道路状況に与えた影響を評価するため, 以 下の「上下加速度」, 「平均加速度」の2つの指標につ. 「段差あり」の看板設置区間では、 上下加速度による路面悪化区間、 箇所となることを確認. 段差あり. いて解析を実施した.併せて, 対象区間の走行状況をビ デオ撮影し, 実際の路面損傷状況を確認した. 「段差あり」の看板はないものの、 上下加速度による路面悪化区間、 箇所であることを現地踏査で確認. 表3 評価指標 上下加速度. 平均旅行速 度. 影響評価の考え方. 評価の考え方 ・走行中における瞬間の段差 状況を示す「上下加速度」 を基に, 地震による被害が ない福岡県内と比較するこ とで, 路面の悪化状況を評 価 ・路面不良箇所においては, 走行性の低下が懸念される ことから, 民間プローブデ ータにより, 地震発生前と 発生後の平均旅行速度差を 算出することで影響を評価 ・なお, 評価は渋滞による速 度低下の影響を避けるた め, 深夜時間帯の平均旅行 速度を比較. 評価の基準値 ・福岡県の走行調査 結果の上下加速 度差の最大値 13.8m/s2を閾値と して設定. 段差あり. ・5km/hを閾値とし て設定. 段差あり. 「段差あり」の看板設置区間では、 上下加速度による路面悪化区間、 箇所となることを確認. 図8 上下加速度と平均旅行速度重ね合わせ. 5. 災害に備えたデータ取得方法及び簡易評価手 法の提案. その結果, 上下加速度差が大きい区間では旅行速度も 低下した区間と重複することが確認された.また, ビデ オ撮影による路面損傷状況と照合した結果, 「段差あり」 の注意看板設置箇所では, 上下加速度による路面悪化区 間, 箇所となることが確認された他, 注意看板設置箇所 がない箇所においても上下加速度による路面悪化区間, 箇所であることが確認された.. 今回の検討を通して, 路面損傷を受けた区間では民間プロー ブデータのリンク平均旅行速度とともに,上下加速度にも特徴 的な値が出現することを確認した. 単体のデータのみではなく,複数のデータを組合せることに より,損傷把握の精度が向上することから,通常時に比較可能な データを取得し,複数のデータと組み合わせた分析を実施,関係 性を把握しておくことで,災害発生時に単体のデータ取得から 迅速に道路損傷状況を簡易的に判定できる可能性が考えらえる.. 4.
(5) 第 55 回土木計画学研究発表会・講演集. 参考文献 1) 2). 3). 4). 5). 国土交通省:熊本地震による被災及び復旧状況, HP 発 表資料 https://www.mlit.go.jp/common/001135910.pdf 藤井琢哉, 仲条仁, 長沢端子, 石川良文:東日本大震災 における応急復旧活動・被災者支援活動のための長距 離移動・輸送の特性把握と問題点に関する一考察, 土木 計画学研究・講演集, Vol45, 2012 橋本浩良, 水木智英, 門間俊幸, 上坂克巳, 田名部淳:プ ローブデータを用いた交差点における交通動向分析のケ ーススタディ, 土木計画学研究・講演集, Vol45, 2012 藤井琢哉, 高橋孝治, 清橋秀聡, 馬場範夫:民間プローブ データを用いた事故対策の評価と効果モニタリング・評価 手法の検討, 土木計画学研究・講演集, Vol49, 2014 八木浩一:自動車のばね上観測加速度からの路面縦断 プロファイルの推定とその精度検証, 土木学会論文集 E1 (舗装工学), Vol69, No3(舗装工学論文集 第 18 巻), I_1-I_7, 2013 (2017.4.27 受付). 5.
(6)
関連したドキュメント
短時間で作業することができる. GeoCord アプリとはアンドロイドのスマートフォンを用い て 作 成 し
は、
お わ り
の取得が可能であり,取得した距離データは単一のサーバ
【住民情報入手への支援】が,《専門職との連携》と【住民との関係構築】の芯になっているこ とが図1から読み取れる。
得税を徴収させ,これを納付させる制度である 1)
により,偽の古い年代が得られる可能性が高いと思われたが, 精度と信頼性の高い Buluk Member Tuff の U-Pb
ド系移民社会の背景を考えることは関心の主眼になってこなかった。またインド系移民の