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人間科学研究 Vol. 28, Supplement(2015)

修士論文要旨

在宅緩和ケアにおける看取りに関する介護支援専門員の役割と限界の考察

-遺族・医師・訪問看護師・介護支援専門員の聞き取り調査から-

Care managers' roles and limitations on death of patients who received home-based palliative care:Interview survey among bereaved families, doctors, visiting nurses,

and care managers

羽鳥 栄子(Eiko Hatori)  指導:小野 充一

Ⅰ.研究目的

 今日、日本において「がん」は、国民病とも呼ばれてい る。このがんの発症リスクは加齢により高まるため、超高 齢化社会を迎えた日本では、医療技術の高度化に伴い、今 後増加が予想される。介護が必要な高齢者、がんなどの看 取り期の患者に対して、緩和ケアの推進と共に、住み慣れ た家庭や地域での療養が選択できるよう、在宅医療の充実 が求められる。そのためには、在宅看取りを希望するがん 患者や家族の抱えている不安や悩み、要望を把握すると共 に、関わったチームの関係性やサービス内容について関係 者の評価と満足感などを把握する必要があると考えられる。

これまで、遺族、サービスを提供した関係者などの職種ご とを対象とした調査研究は多くみられるが、関係者全員を 一体的に評価、検討した例は少ない。そこで、がん患者の 看取りを経験した遺族、在宅医師、訪問看護師、介護支援 専門員の4者を対象にした聴き取り調査を行い、在宅看取り での介護支援専門員に求められたと考えられる役割と限界 を評価、考察することを目的とした。

Ⅱ.研究方法

 研究対象:東京23区内で、がん患者の在宅看取りを経験 した遺族とそれを支援した在宅医師、訪問看護師、介護支 援専門員の4者を1組として、4組、計16名とした。

調査期間:2014年6月下旬~8月一杯の約2ヵ月間 調査方法:個別と2組のグループの半構造化面接(約60分 /1人)、面接内容は、協力者の了解を得て録音し、逐語録 を作成した。

分析方法:データを時系列に並び替えて、関係者の看取り 時のケアや関係性に関する発現事象を抽出して、発現事象 を縦軸、横軸は関係者の語りのマトリックス表を作成、4 者のケアに対するズレや関係性を評価、検討した。次に、発 現事象をカテゴリー化してまとめ、介護支援専門員に求め られた役割とそこに存在した限界を抽出した。その際、デー タを時系列的に、1)告知・病状説明、2)退院支援・調 整、3)在宅開始直後、4)看取り半ば、5)臨死期の5 区分に看取り期を便宜的に分けて検討した。データの収集 および取り扱いに関しては早稲田大学の「人を対象とする 研究に関する倫理委員会」の承認を得て実施した。

Ⅲ.結果と考察

 4組の遺族、医師、看護師、介護支援専門員に対して聴 き取り調査を実施した結果、在宅看取りにおける介護支援 専門員に求められたと考え得る役割や限界は以下のように 抽出された。

役割:看取りにおける介護支援専門員が果たすべき役割は 18個、大きく8個の長期的と10個の短期的の2つの役割に 分けることができた。長期的な役割は、看取りにかかわら ず、在宅療養全体あるいは前記看取りの区分の幾つかの区 分で患者や家族および在宅関係者から要望があった、ある いは果たすべき役割であった。短期的な役割は、一つの区 分だけに求められたスポット的な説明や相談、あるいは必 ずしも果たすことが求められていない役割、介護支援専門 員が必要と判断した場合に果たすような、説明や調整作業 などでの関わり合いが強い役割と捉えることができた。限 界:起因する相手により介護支援専門員、医療者、他のサー ビス提供者、患者や家族、制度上・社会状況等の問題など の5種類、計18個の限界が抽出された。

 また、本事例におけるグループ聴き取りの有効性につい て、相互誘発的な効果があったこと、幾つか追加情報が得 られたこと、認識の違いや思い違いの補足・修正ができた こと、それに、退院前カンファレンスや担当者会議および お互いの役割とケアの再認識ができたこと、そして、ケア の振り返りや癒しの機会でもあったことなどから、デスカ ンファレンスの機能が存在したことなどが考えられた。

Ⅳ.結論

 在宅看取りにおいて、多くの限界や課題の中で、多忙な 業務を行っている介護支援専門員に求められたと考え得る 役割やそこに存在した限界の一端を把握することができた。

 看取りにおいて、在宅看取りの意思がなく、介護力に不 安がある家族でも、良い医師・看護師・介護支援専門員お よびその他の多くのサービス提供者との出会いによって、

看取りの支援体制が整備されていれば満足のいく在宅看取 りは可能であることが示唆された。

 本研究のように4者の語りを同時に分析する場合は、個 別と研究対象者全員参加のグループ聴き取りのそれぞれの 役割を考慮した聴き取り調査の有効性が示唆された。

参照

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