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きゅうりの産地の維持・発展に向けた環境制御技術の確立(中部農業改良普及センター)

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Academic year: 2018

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   儲かる農業の実現

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1 活動のねらい

   中部地域のきゅうり栽培においては、平成 23 年度からCO2発生装置の導入が始ま り、増収効果が確認されたことから徐々に導入数が増加し、一方でさらなる増収を目指 し 24 年度には環境測定装置の導入も始まりました。しかしながら、当初は膨大なデー タの収集、現状把握に留まり、十分に活用されていない状況でした。

   当センターでは、平成 27 年度から環境測定装置を導入したきゅうり生産者 11 名に よる自主的な勉強会グループ「ラプター会」(宮崎市田野)が発足したことを契機として、 JAと連携して各種データの収集・分析活動等の支援をスタートし、平成 28 年度には 同研究会を重点対象集団に位置づけ、生産現場で活用できる環境制御技術の確立に向け た取り組みを進めてきました。

2 活動の経過又は普及の関わり

 ⑴ ハウス内環境測定データ等の分析支援

    環境測定データと生育、収量との関係を明らかにするため、高 収量者に共通する温度や湿度、飽差等の傾向を把握し、その関係 性の整理を行い、改めて午前中の湿度確保が重要であることを確 認しました。

    さらに、平成 29 年度には会員自らが行う生育調査の内容を共 有するため、スマートフォンのアプリを活用して収量、開花・収 穫日、かん水量について各会員で入力する体制を支援しています。  ⑵ 定期的な現地研修会の実施

    発足当初から毎月2回程度行う生育調査会において、2週間毎の環境データの推移 から推測される生育への影響や時期別の天候の特徴、今後の予測さらには病害虫対策 等基本的な栽培管理のポイントについて解説を行いました。

    また、作終了時には実績検討会を行い、今作の反省、来作に向けた課題の整理を行 い、個人ごとの改善目標を明確にしました。

 ⑶ 総合農試と連携した活動支援

    ハウス内環境データの分析手法や植物生理との因果関係等についての助言をもらい

非接触式葉温測定器

生育調査会の様子 栽培管理の説明 生育調査データの入力

(2)

ij ながら、会員が興味を持っている内容については、総合農試の「非接触式葉温測定器」 を活用し葉温を調査するなど、要望にも柔軟に対応し支援しました。

3 活動の成果

 ⑴ 会員の意識の変化と単収向上

    活動の当初は、会員の興味が環境データや測定機器類に向いていましたが、徐々に かん水や施肥、病害虫防除等、基本的な栽培管理の重要性に気づくようになり、更に は作業方法や雇用のあり方といった経営管理にも関心を示すようになりました。     また、栽培経験年数の少ない会員にあっては、高収量者の具体的な環境データが見

える化されることによって、ポイントを押さえた栽培管理ができるようになり、グル ープの平成 28 年産の平均単収は、平成 26 年産に比べ 17%増加しました。

 ⑵ 部会内への環境制御技術の浸透

    グループ活動で得られた環境データや取組については、速やかに部会全体へ情報が 提供されるとともに、栽培暦に反映し活用されており、その結果、部会田野支部では CO2発生装置がほぼ全戸に導入され、平成 28 年産の平均単収が、平成 26 年産に 比べ 21%増加しました。

 ⑶ 地域への取組の波及

    ラプター会の取組が刺激となり、管内の他地域のきゅうりにおいても環境制御を中 心とした自主的な勉強会グループが新たに3箇所立ち上がりました。

4 今後の方向

   試験研究や民間等との連携を強化し、きゅうりの生産量を最大化するため、最適な環 境管理を明らかにするとともに、パソコン等を活用して自ら環境測定データの分析を行 い、それを活用し栽培管理ができる人材の育成を行いたいと思います。

   さらに、現在の設備に対する投資効果を明確にし、今後さらに高度化すると思われる 機器等の整備や規模拡大につなげていきたいと思います。

5 対象集団又は対象農家の声

   環境制御技術の導入が当たり前となってきている時代の中で、気象データや基本技術 の大切さを改めて実感し、基本ができてこその環境制御技術だという事が認識できた。    今後は、環境データと植物の状態をリンクして観察できる目を身につけ、さらなる増

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