Title
香港会計基準書について−第1,2,3,5号−
Author(s)
奥山, 正剛
Citation
沖大経済論叢 = OKIDAI KEIZAI RONSO, 20(1): 1-35
Issue Date
1998-03-20
URL
http://hdl.handle.net/20.500.12001/6825
香港会計基準書について
-第1,2,3,5号一
奥山正剛
目次 香港会計基準書第1号 香港会計基準書第2号 香港会計基準書第3号 香港会計基準書第5号 ●●●● 『0日勺一(山/】〈叩く釦)・勾麺」今 香港公認会計士協会(HongKongSocietyofAccountants)は、1995年6月 現在、会計実務基準に関して15のステイトメント(StatementsofStandards AccountingPractice:SSAP)を、また7の会計指針(AccountingGuideline :AG)を公表してきている。 香港では、会社法(CompanyOrdinance)とこのステイトメントが会計制度 の中核を形成している。 本稿では、第1号:会計方針の開示、第2号:異常損益項目及び前期損益修 正、第3号:棚卸資産、第5号:一株あたり利益について、その内容を見て いく。 一 『一口ロロロー第1号会計方針の開示
STATEMENT2101DISCLOSUREOFACCOUNTINGPOLICIES1.はじめに
香港会計基準書(HKSSAP)第1号では基礎的諸概念が取り上げられているが、 これは一般には、公準、コンベンション、前提など様々に称され、その内容、 定義、数などにおいてもいつも論争の対象である。しかし、会計方針の開示そ のものについては、世界的にも承認されており、特に大きな問題を抱えてはい ない。このHKSSAPも比較的平易な内容である。*’2.HKSSAP第1号の目的。意義
認められた会計基準が複数ある場合、財務諸表の作成において、その状況下 で最も適する会計基準を選択しなければならず、さらに、いかなる会計基準が 採択されたかが、財務諸表の表示に影響をもたらす。したがって、採択された 会計基準の開示が財務諸表の解釈に際して重要になってくる。(Secl) HKSSAP第1号は、採択された会計基準の明瞭な説明が財務諸表の中で開示さ れることを求めている。そのことによって、財務諸表を通じて開示される情報 の質が高まり、財務諸表利用者の理解が促進されると考えられている。(Secl)3.基礎的諸概念
当基準書は、「基礎的諸概念」(Fundamentalaccountingconcepts)を財務 諸表の基礎になる幅広い基礎的諸前提、と説明し、以下の4つを挙げている。 (Sec2) *1W.F・HuiandP.H・NgAccountinginHongKong:RegulatoryFramework andAdvancedAccountingPractice,1995,p、148. 2-基礎的諸前提といった場合、これはわが国で一般にいう会計公準に相当する と思われるが、その内容においてはかなり異なっている。 (1)続企業概念(Thegoingconcernconcept) これは、予見できる将来にわたって企業は経営活動を行い続ける、という 前提であり、特に損益計算書と貸借対照表は、企業の清算あるいは経営規模 の縮小を前提とすることなく作成されることを意味している。 これは、わが国でいう継続企業の公準に相当すると思われる。 (2)発生概念(Theaccrualsconcepts) 収益と費用は、発生し(したがって現金の受領あるいは支払いの時点でな く、その稼得あるいは生起の時に認識される)、それらの対応関係が確かめ られるか、正当に推定される場合に、お互いに対応せられ、かかる会計期間 に損益計上される、とするものである。 この発生概念が次の慎重性概念と矛盾する場合は、慎重性概念が優先する と考えられている。 わが国でいう損益計算上の認識基準である発生主義の原則と費用収益対応 の原則を包摂した内容に思われる。 (3)継続性概念(Theconsistencyconcept) 異なった会計期間内で、同一項目の会計処理は一貫性を保たなければなら ない。 これはわが国の企業会計原則一般原則にいう継続性の原則に相当すると思 われる。 (4)慎重性概念(Theconceptofprudence) 収益あるいは利益は予測で計上することができず、現金、または合理的確 実性でもって最終的現金化が予測できる資産の形で実現したとき、損益計算 に含めるべく認識ができる。 負債性の引当金について(費用もしくは損失がもたらされる)、金額が確 実である場合、また、入手可能な情報に照らして最良の見積もりであって も、この概念の下で計上される。 -3-
4.会計基準
HKSSAp第1号においては、「会計基準」(Accountingbases)とは、財務諸表 作成のために。特に、(1)損益が損益計算書上で認識される期間決定のために、 (2)貸借対照表上で計上される項目の金額決定のために、財務的取引や項目に対 して基礎的諸概念を適用するために開発されてきた方法(methods)である、と 説明される。(SeQ3) 会計基準は、業種あるいは営業取引の多様さ、複雑さに相応して開発されて きたものであり、それ故に、基礎的諸概念に比べて多様であり、数多く存在 し、特定の事象を処理するのに認められた会計基準は複数存在する、と説明さ れている(Secll)。例えば、固定資産の減価償却、研究開発費・特許権・商標 権のような無形資産の処理及び償却、棚卸資産、長期請負契約、繰延税金など の場合に見られるという。(Sec17) より具体的には、固定資産の減価償却計算方法として、定額法や定率法が認 められているが、これらの方法がここにいう会計基準に相当すると思われる。 会計基準は、経営成績及び財政状態の期間報告のための秩序ある首尾一貫し たフレームワークを提供するものであるため、当該企業は、一定の状況下で適 合し、経営成績と財政状態を公正に表示するのに最も適した会計基準を、認め られた会計基準のうちから選択する事が必要になる。(Sec18) 会計基準の意義は、判断が行使される領域に制限を加えることと、その他の 客観的な尺度が存在しない場合に、人為的な、過度な、あるいは不当な修正へ のチェック機能を果たすことにある、とHKSSAPでは説明される。(Secl8)5.会計方針
HKSSAp第1号においては、「会計方針」(Accountingpolicies)とは、状況 に応じて最も適切であり、経営成績や財政状態を公正に表示するのに最適と判 断され、企業によって選択され、継続適用されている特定の会計基準である、 と説明される。(SeQ4) 4-認められた会計基準が複数ある場合、経営成績と財政状態を表示する上にお いて最も適する会計基準を選択しなければならず、その際に採用された会計基 準が当該企業の会計方針になる。例えば、減価償却の算定において、定額法が 最適と判断されて採択されたならば、それが当該企業の会計方針になる。 複数の会計基準が認められているような場合、どのような会計基準を選択す るかが経営成績.財政状態に影響を及ぼすが故に、選択された会計基準、つま り会計方針が説明されることによってのみ財務諸表によって提示される概要の 評価が可能となるのである。こうした理由から、会計方針の開示は財務諸表の 公正な表示にとって本質的なものなのである。(Secl9)
6.会計方針の例示
当基準書は、複数の会計基準が認められ、経営成績と財政状態に重要な影響 を及ぼす可能性のある事項として、以下のものを掲げている。(Sec21) ・固定資産の減価償却 ・研究開発費、特許権また商標権のような無形資産の処理と償却 ・商・製品及び仕掛品 ・長期請負契約 .繰延税金 ・買取選択権付きリース及び割賦販売 ・リース取引 ・外貨の換算 ・修繕と更新 ・連結 ・不動産開発取引 ・製品あるいはサービスの保証 -5-7.開示
損益の決定と財政状態表示にとって重要と判断される項目にかかる、採択さ れた会計方針とその会計方針の変更、また、その変更によって生じた変化は、 財務諸表への注記によって開示されなければならない。また、前述した4つの 基礎的諸前提と異なる前提で財務諸表が作成されている場合は、その事実を開 示すべきである、としている。(SeQ6) -6-第2号異常損益項目及び前期損益修正
STATEHENT2,102EXTRAORDINARYITEllSAND PRIORPERIODADJUSTMENT(1993年改訂版) 1.はじめに HKSSAP第2号は、異常損益項目と前期損益修正項目の扱いを標準化すること を意図しているようである。異常損益項目あるいは前期損益修正項目を損益計 算に取り入れるかどうかは、いわゆる当期業績主義と包括主義の古くからの対 立である。HKSSAPは、基本的には、“-会計期間に認識されたすべての損益項 目はその期の損益計算に含まれるべきだ”(Sec、4)としながら、同時に、これ らの項目が当該期の損益に影響を及ぼさないよう配慮している掌'。2.HKSSAP第2号の目的
HKSSAP第2号は、「序」において、損益計算書を以下のように意義付ける。 損益計算書は、当該期の企業成績を報告するために作成される。その業績に 関する情報、特に、収益力に関しては、当該企業が将来において支配するであ ろう経済資源の評価に必要である。また、当該企業が将来において現金(同等 物)を生み出す能力の予測にもしばしば利用される。この点でも業績に関する 情報が重要である。(Introduction) そのような意義付けの下に、HKSSAPは、企業内での期間比較、また、他企業 との比較可能性という観点から、損益計算書の標準化を目的として、損益計算 書に記載されるべく異常損益項目と前期損益修正項目の扱いを、そしてそれと の関連で、会計上の見積もり変更、基本的エラー、会計方針の変更などに言及 している。 *1W.F・HuiandP.H・Ng,op.cit.,p、154. -7-3.例外事項
当基準書は、期間純利益を、通常の営業活動から生じる損益(Profitand Lossfromordinaryactivities)と異常損益項目(Extraordinaryitems)の2 つの要素からなるものとし、それぞれ別個に開示されるべきだと考えている (SeQ6)。その通常の営業活動から生じる損益として、例外事項が取り上げら れる。 HKSSAPの定義によれば、例外事項(Exceptionalitems)とは、通常の営業活 動から生じる損益項目に含まれる損益を生じさせる事項であるが、その性質、 大きさ、影響範囲からして、企業の業績を説明しあるいは公正な外観を呈する に際して、その開示がレリバントと思われる事項である。例として以下のよう な事項が挙げられている。(SeQ3,9) ・商・製品および仕掛品の正味実現可能価額までの切り下げ ・営業活動の組織替え ・固定設備の処分 ・長期投資の処分 ・営業の中止 ・訴訟の解決 営業の中止(Discontinuedoperation)は、物的にも機能的にもまた財務報告 上でも区別された企業の営業の一部を、譲渡するもしくは廃棄することから生 じるもの(SeQ3)。 この営業の中止については、以下のような開示がなされるべきだとしている (Secll)。 ①中止された営業の種類とその地理的セグメント ②中止の曰 ③中止の方法(売却あるいは廃棄) ④中止に伴う利得もしくは損失とその算定のために用いた会計方針 ⑤前期と比較できる様式で、当該期の通常の営業活動から生じた収益と損益 -8-4.異常損益項目 異常損益項目(Extraordinryitems)は、「企業の通常の経営活動から明確に 区別された事象や取引から生じる損益項目であり、それ故経常的に生じると予 想されないもの」と定義される。多数の企業にとって異常損益項目となる例と して、資産のexpropriationと自然災害が挙げられている。(SeQ3,11) この異常損益項目は損益計算書の中の別区分で、もしくは財務諸表への注記 の形で、その性質と金額が開示されることが求められている。(Sec17)
5.会計的見積もりの変更
会計的見積もりは、回収不能の受取債権、商・製品及び仕掛品の陳腐化、償 却資産の耐用年数等の事項について一般に生じる。 その見積もりの変更が当該期にのみ影響を及ぼすのであれば、その期の損益 に算入され、将来期にも影響するのであれば、将来期にわたっての損益に算入 される。 例えば、不良債権金額の見積もりにおける変更は現在期にのみ影響を及ぼす ものであるが、償却資産の耐用年数の見積もり変更は、現在のみならず、将来 にわたっても影響を及ぼす。現在期への影響は当期の損益として認識され、将 来期への影響は将来の損益として認識される。(Sec18) また、財務諸表の期間比較という観点から、その影響は、以前の見積の際に 使用されたのと同じ勘定分類の下で分類される。したがって、以前に通常の営 業活動からの損益項目に含められた会計見積もりの変更の影響は、そのような 損益項目として分類されるべきであるし、以前に異常項目として分類された見 積もりの変更の影響は、異常項目として分類されることになる。(Sec、21,22) 当該期に大きな影響を及ぼすか、あるいは将来期にわたって大きな影響を及 ぼすような見積の変更は、その性質と金額が開示されるべきである。金額の算 定が困難であれば、その事実が開示されるべき。(SeQ24) -9-6.前期損益修正
前期損益修正(Priorperiodadjustments)は、会計方針の変更もしくは基本 的なエラーの修正から生じる前期損益の重大な修正であり、前期になされた会 計的見積の経常的な修正は含まれない、とHKSSAPは定義する。(Sec8) かかる修正が今期の損益計算にどのように係わるかについて、HKSSAPは、留 保利益の期首残高(Theopeningbalanceofretainedprofitsorreserves) に係わらしめるのはごくまれであり、会計方針の変更から生じる項目と、基本 的エラーの訂正から生じる項目とに限定される、という。修正項目の大部分 は、当該期の損益計算で扱われる。(Sec25) 前期損益修正を表示した留保利益計算書(Astatementofretainedprofits /reserves)は当期の損益計算書に続けて提示される。(SeQ26)7.基本的エラー
ここにいう基本的なエラー(Fundamentalerrors)とは、当期に発見されたエ ラーで、前期の財務諸表の真実かつ公正な概観を損なうほどの影響を持つもの で、もしその時点で認識されておれば財務諸表は訂正されていたであろうと思 われるもの、と基準書は定義する。 こうしたエラーは、例えば、数的間違い、会計方針適応上の間違い、事実の 誤解、詐欺、見落としなどの結果として生じる。(SeQ3) こうしたエラーが存在する場合、財務諸表への信頼性が損なわれる場合があ り、したがって、かかるエラーを訂正し、比較情報を改訂するという会計処理 が必要になる。 こうした基本的エラーは会計的見積もりの変更と区別されなければならな い。見積りの変更は、本来は、次期以降に追加的情報が見出された場合に修正 される必要のある概算である。以前に確実に見積もれなかった偶発事象の発生 によって認識された損益は基本的エラーの訂正にはならない。(Sec、27,28,29) 基本的エラーの修正は、財務諸表に対して、その修正が各期ごとになされて -10-きたかのように比較情報を提示ことを要求する。したがって、こうしたエラー の修正によって生じた金額は、当該期間の純利益算定に含められ、前期に関係 する訂正金額は、比較情報の最初の期の留保利益の期首残高を修正することで 報告されるべきである。(Sec、30,31) 基本的エラーの内容と各期ごとの修正額は独立して開示されるべきだ。(Sec M) 8.会計方針の変更 財務諸表の期間比較を確保するために、一旦採択された会計方針は継続して 適用されるべきであるが、法令あるいは会計基準によって他の会計方針の採用 が要求された場合、あるいは、会計方針の変更によってより適切に企業の財務 諸表の表示ができる場合には、変更がなされるべきである。(SecB5) 以前に生起した取引.事象とは実質的に異なる取引・事象を扱うための会計 方針の採用は、変更ではない。また、過去に生起したことのない、あるいは過 去にほとんど影響を持たなかった取引・事象を扱うための新たな会計方針の採 用は変更ではない。(SeQ37) 会計方針の変更には、過去的な場合と将来的な場合がある。過去的な場合 は、新たな会計方針があたかも過去からずっと適用されてきたかのように扱う 場合であり、新たな会計方針を遡及的に適用することになる。将来的な場合 は、過去についての一切の修正は行わないのであり、新たな会計方針は変更の 曰から適用されることになる。(SeQ38) 当基準書は、基本的には過去的な場合を指示している。したがって、会計方 針の変更は、過去に影響を及ぼす金額を、合理的に算定できるなら、留保利益 の期首残高を修正し、比較情報を改訂して報告し、開示すべきであり、財務諸 表に対して、その新たな会計方針がずっと採用されてきたかのように比較情報 を提示ことを要求する。したがって、比較情報は新たな会計方針を反映するよ う改訂され、前期に関係する訂正金額は、比較情報の最初の期の留保利益の期 首残高を修正することで報告されることになる。 -11-
しかし、この留保利益の期首残高への修正となる金額が合理的に算定できな い場合は、会計方針の変更は将来的となる、と容認している。(SeQ44)
9.会計方針の変更と会計的見積もりの変更
会計方針の変更と会計的見積もりの変更は区別されなければならない。この 基準書の説明にしたがえば、例えば減価償却の場合の耐用年数の延長あるいは 短縮は会計見積もりの変更となり、過去の損益の修正ということは生じない。 しかし、計算方法の定率法から定額法への変更は会計方針の変更となり、変更 に伴う影響額は前期損益修正として処理されることになる。HKSSAPではこう考 えられていると思われる。 なお、会計的見積もりの変更か会計方針の変更か、判断が難しい場合、その 変更は、適切に開示されることによって、会計的見積の変更として取り扱うこ とをHKSSAPは指示している。(Secl9)10.開示
会計方針の変更が当期もしくは次期に大きな影響を持つ場合は、変更による 影響が、変更年度に、変更理由とともに数量化され、開示されるべきである。 数量化が困難ならこの事実が開示されるべきである。(SeM5)11.損益計算書の例示
HKSSAPは、損益計算書と留保利益計算書の例示を挙げている。(APPENDIX) -12-損益計算書及び留保利益計算書 1993年12月31曰に終了する年度の損益計算書 19931992 -13- 1993 1992 [売上高] 継続中の営業 中止営業 178,000 5,000 183,000 136,000 22,000 158,000 [営業損益] 継続中の 営業 継続中の営業の資産売却に伴う 例外的損益 ■■■●●●●●●●■●□●●C●●●●Ce●の●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●B●●●●●●●●●●●●■●●●●●●0 17,700 3,200 20,900 16,500 16,500 中止営業 中止営業の処分に伴  ̄ つ 例外的損失 j j 0 0 0 0 0 0 4 9 5 く く J 0 0 0 9 9 く (4,500) (4,500) 通常の営業活動からの課税前利益 課税額 異常損益項目前の利益 異常項目課税 当・期利益 配当 当期留保利益 ⅡⅡⅡ’Ⅱ別Ⅲ 927 788 999 L29 953 1 019 Ⅲ加川|Ⅱ弱開 935 945 990 229 1
留保利益計算書 19931992 3,8405,565 53,13049,290 -14- 1993 1992 当期留保利益 3,840 5,565 期首留保利益 以 巳■_ 月リ ■●_ 月Ⅱ に報告済みのもの 期損益修正 ●●●●●●●●●ロ■●●●●●●●●●●●●■■⑪●●●●●●●●DC●●●●●●●●G●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●0 49,740 (450) ロ●●●●巳■C●●●●●■■●●●●●●●●●●●● 49,290 44,000 (275) 43,725 期末留保利益 53,130 49,290
第3号棚卸資産
STATEKENT2.103STOCKANDWORKINPROGRESS1.HKSSAP第3号の目的
HKSSAPでは、棚卸資産の評価の問題は会計実務においてかなりの差異が生じ る領域であると認識されており、その実務における差異を狭め、財務諸表での 適切な開示を確保することが意図されている。(Secl) ここでは、取得原価の決定、原価配分、長期請負契約から生じる仕掛品など が取り上げられている。2.棚卸資産の定義
棚卸資産(Stockandworkinprogress)は以下のように定義される。(Sec、 2) ①販売目的のために購入された財貨またはその他の資産 ②消耗品 ③製品の製造のために購入された原材料及び部品 ④完成途上の製品及びサービス ⑤完成品3.取得原価の決定
原価(Cost)は、正常な営業過程において、その財貨または用役を現在の状態 ・位置にする上に要した支出として、それぞれの棚卸資産の種類に関連づけて 定義され、この支出には、購入原価に加えて、現在の位置・状態にするのにか かった加工費が加算される。(Sec、3) ここにいう購入原価(CoStofpurchase)は、購入価格に輸入税、輸送費、取 扱費用その他の帰属費用を加算し、仕入値引、割戻、補助金を控除した金額で -15-ある。(SeM)また、ここにいう加工費(Costofconversion)は、(1)直接労務 費、直接経費、また外注加工費といった生産単位に個別に帰属させる原価、(2) 製造間接費、(3)現在の状態にもたらすのに要した、帰属させるべきその他の間 接費から成る。(SeQ5) 4.原価の配分 個別法、平均原価法、先入先出法等の選択に際しては、その選択された方法 が、その財貨を現在の状態にするのに生じた実際の支出額に対して最も公正な 可能な限りの近似値となるよう、配慮を行うべきである、とHKSSAPは指示して いる。例えば、特殊な状況下では、現在の販売価額から正常な総利益を控除し て評価することも認められる、としている。(Sec22,34) 基準棚卸法(Basestock)あるいは後人先出法は、貸借対照表上の金額が現在 の原価水準を表しておらず、したがって、流動資産の表示が誤ったものとな り、また次期の損益計算を歪めてしまうおそれがあるため適切ではない、と し、(SeO34)また、いわゆる最終仕入原価法は、その金額が必ずしも実際原価 と同じではないし、物価上昇時には未実現利益を計上することにもなる、とい う理由で基本的には否定されている。(SeQ35) 十分な原価計算制度が採用されていない場合で、実際原価の合理的な近似値 が得られる保証があるなら、売価から見積もり利益を控除する方法を用いるこ とが容認されている。 (SecB6)
5.棚卸資産の評価
貸借対照表上に計上される年度末評価については、原価と正味実現可能価額 を比較して低い方の額とすべきである、と低価法を指示している。(Sec11) 両者の比較に際しては、原則として棚卸資産の個々の品目ごと、それが不可 能な場合は類似品目をまとめたグループごとに行うべきである、としている。 -16-(SeQ20) 正味実現可能価額とは、実際の、もしくは見積もりの販売価格(売上値引は 控除し、売上割引は控除しない)から、(1)完成までのすべての追加費用と、 (2)マーケティング、販売、そして流通に要するすべての費用を控除した額をい う。(Sec、7,38)
6.長期請負契約
長期請負契約(Long-termcontract)とは、一つの堅牢な物の設計、製造また は建設するための契約または用役の提供の契約であって、契約完遂までの活動 が2会計期間以上の期間にまたがるほどの長期の契約をいう。(SecB)長期で あるがために、契約の完了時点で損益計上を行うことは、当該年度の企業の活 動の公正な概観が損益計算書に反映されないことになる。したがって、契約未 完了であっても、確認できる利益を計上することが適切であり(SeM5)、計上 される利益は、決算曰までに遂行された作業の割合を反映すべきである(Sec、 46)とし、わが国でいう工事進行基準を指示している。 ここで計上される利益をHKSSAPは帰属利益(Attributableprofit)と呼んで いる。帰属利益は、契約の期間に生じる現在見積もられた全体利益の ̄部であ って、決算曰までに遂行された作業の当該部分に帰属する利益を反映したも の、と定義している。(SeQ9) この損益計算書に計上される金額は、決算曰までに遂行された作業に対応す る全体利益の適切な部分から、前期までにすでに計上された利益を控除した額 である。(SeQ55) この長期請負契約から生じる仕掛品は、原価に帰属利益を加え、予想損失と 未成工事受入金を控除して評価する。(Sec、12,15,45) この予想損失(Foreseeablelosses)とは、補修及び維持の見積額、そして契 約の条件下では保証してもらえないコストの増加額を考慮した後の、契約の期 間に生じる現在見積もられた損失、と定義される。(Sec10) 個々の契約における予想損失が、当該曰までに発生した原価から未成工事受 -17-入額を控除した額を超過する場合は、その超過額が引当計上され、区分して表 示されるべきだとしている。(Sec、12)この引当計上は慎重性の概念に従う処理 であり、引当計上することは、結果的には正味実現可能価額にまで評価額を切 り下げることになる。(Sec、47)
7.製造間接費
製造間接費(Productionoverheads)は、正常な操業度の下で、毎年平均して
生じる、製造のための原材料費、労務費、用役費の間接費、と定義される。
(Sec6)原価計算方法が、合理的かつ首尾一貫した方法ですべての費目を確実に配賦
するよう考案されていたとしても、間接費は、個人的判断の行使が大いに伴 い、様々な問題を生起する、とし、HKSSAPは間接費の範囲、分類、棚卸資産へ の配分など多くの指導をしている。(Sec23-32)8.開示
HKSSApは、棚卸資産にかかる開示を三点指示している。(Sec、13,14,15) 第一に、原価、正味実現可能価額、帰属利益および予想損失を算定する際に 採用した会計方針を開示しなければならないこと、第二に、棚卸資産は、貸借対照表上に、または注記で、再分類され、それぞれの大分類の下での金額を表
示すること、第三に、長期請負契約においての原価に帰属利益を加え予想損失
を控除した額と未成工事受入額を開示することである。 未成工事受入額は、原価に帰属利益を加え予想損失を控除した額と区分して 注記すべきである、としている。(SeQ58) -18-第5号一株当たり利益
STATEHENT2105EARNINGSPERSHARE(1995年改訂) 1.はじめに 一株当たり利益は、企業の業績を判断する上で、投資家によって利用される 最も基本的な数値になってきている。この基準書も、上場企業の株主にとって 特に大きな利害問題は一株当たり利益、 ̄株当たり配当額そしてこれら数字の 数年間の趨勢である、としている。(Sec1) 利益は増加傾向にあっても一株当たりの利益がそれに伴って増加していない 場合もあり、損益計算書の数年間の傾向だけでは過去の業績を判断する上で十 分な基準とはいえない。(Sec2) _株当たり利益は、株価収益率(Price-earningsratio)算定の基礎として利 用される。株価収益率は、過去と将来の利益に関連し、相対的な株価を判断す る上で投資家に広く利用されており(Sec、3)、他企業の業績との比較に際して 有用な数値である。 したがって、HKSSAP5は、認められた基準に従って算定された ̄株当たり利 益を、上場企業は財務諸表上で開示すべきだとしている。(SeQ4)2.一株当たり利益
一株あたり利益(Earningspershare)とは、普通株式一株あたりの利益を意 味し、それは、異常損益項目加減前で、税金、少数株主持分と優先配当控除後 の連結利益を、当期の配当に参加する発行済み普通株式数で除したものをい う。(SeQ7) 異常損益項目を排除するのは、一株当たり利益の算定にこれらを含めること は、過去の業績判断に支障が生じるためであり、また、優先株は ̄定の配当率 *1W.F・HuiandPH、Ng,op、Cit.,p、184. -19-を有しており、その率は企業の業績によって影響を受けないものであるため、 一株当たり利益の算定には関連づけない。*’
3.開示
一株当たり利益は、当期及び前期の損益計算書上で開示されるべきであり、 さらに、一株当たり利益算定の基礎、特に利益額と株式数が、損益計算書上で もしくはその注記で開示されるべきであることが、要求されている。(Sec、9, 10) 企業が、当該年度末以降に新株を発行することをその決算曰に決定している とか、あるいは、将来に配当に参加する株式をすでに発行している場合など、 そうした状況下では将来の一株当たり利益は希薄化してしまう結果になる。 そこで基準書は以下のような場合には、希薄化した一株当たり利益(Diluted eamingspershare)も併せて開示すべきことを求めている。(Seclla,b,c) (1)当期は配当に参加してはいないが、将来に参加するであろう別種の普通株 を発行している場合 (2)普通株への転換権を有した社債(あるいは優先株)を発行している場合 (3)普通株に対する株式購入選択権(Options)あるいは新株引受権(Warrants) を発行している場合 希薄化した一株当たり利益の開示において、基準書は以下のような注意を喚 起している。(Seclli-iv) (1)希薄化した一株当たり利益算定の基礎、特に利益金額と株式数は、開示さ れなければならないこと (2)重要性のない希薄化した一株当たり利益は開示される必要はない。その重 要性の判断において、本来の一株当たり利益の5%以上の希薄化は重要と判 断される。 (3)前期に適用された算定の基礎が今期に至ってもはや妥当しない場合は、前 期の希薄化した一株当たり利益は開示される必要はない。 -20-(4)本来の一株当たり利益と希薄化した一株当たり利益は、その開示に優劣は ない。
4.追加的数値情報の開示
上述した本来の一株当たり利益と希薄化した一株当たり利益の開示以外に、 特に企業が、異なった基礎で算定された一株当たり利益の追加的数値の開示を 望むなら、以下の点に注意して開示するようHKSSAP5は求めている。(Secl2) (1)本来の一株当たり利益と希薄化した一株当たり利益の開示以上に際だった 開示を行わないこと。 (2)各会計期間に継続して開示すること。 (3)本来の一株当たり利益と希薄化した一株当たり利益と調整され、その調整 が開示されること。 (4)その追加的数値開示の理由説明が適切に行われること。 (5)財務諸表の明瞭性を損なわないよう、追加的情報の数は最小限に押さえる こと。 (6)追加的数値情報は財務諸表の注記で開示されるべきであるが、もし損益計 算書上で開示する場合は、本来の一株当たり利益と希薄化した一株当たり利 益の下に、明確に区別して開示するべきこと。 (7)調整や説明は一株当たり利益の近くに開示し、明瞭な前後参照の形を取る べきこと。 (8)希薄化した一株当たり利益の開示に関する注意は、追加的数値情報の開示 にも適用される。5.例示
HKSSAP5はいくつかの状況の下での計算例を挙げている。(Appendixl) (例1)資本構成が単純な場合 A資本構成 -21-発行済み株式:額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 B営業成績 年度末12月31日 19*119*0 $5,500,000$4,500,000 税引後利益 この2年間に発行済み株式資本に変動はなかったとする。 C一株当たり利益の計算 19*1 $5,500,000 500,000 $5,000,000 19*0 $4,500,000 500,000 $4,000,000 税引後利益 (控除)優先配当 利益 普通株式数 4,000,000 4,000,000 D損益計算書における表示 年度末12月31曰 19*119*0 額面$2.50の普通株式一株当たりの利益$1.25$1.00 (例2)完全な市場価格で株式発行がなされた場合 この場合は、時間を基準にした加重平均の株 この場合は、時間を基準にした加重平均の株式数で利益を除して計算する ことをHKSSAP5は求めている。 A資本構成 19*1年9月30曰までの発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面i$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株
19*1年10月1曰普通株1,000,000株を時価発行した
-22-B営業成績 年度末12月31日 19*119*0 $5,500,000$4,500,000 税引後利益 C一株当たり利益の計算 19*1 $5,500,000 500,000 $5,000,000 19*0 $4,500,000 500,000 税引後利益 (控除)優先配当 利益 加重平均普通株式数 1月1曰現在 19*1年10月1日発行 1,000,000×3/12 株式数 $4,000,000 4,000,000 4,000,000 250,000 -4,250,000 4,000,000 D損益計算書における表示 年度末12月31曰 19*119*0 額面$2.50の普通株式一株当たりの利益$1.18$1.00 (例3)資本組入れによる新株発行の場合 この場合、資本組入れによって増加した株式数を基礎にして計算するこ と、また、比較可能性確保のため、それに伴っての前期一株当たり利益数値 の修正をHKSSAP5は求めている。 A資本構成 19*1年9月30曰までの発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 -23-
額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 19*1年10月1日剰余金の資本組入れによって、4株に対[ 普通株1,000,000株を発行した B営業成績 年度末12月31日 19*119*0 税引後利益$5,500,000$4,500,000 4株に対し1株の割合で C一株当たり利益の計算 19*1 $5,500,000 500,000 $5,000,000 19*0 $4,500,000 500,000 税引後利益 (控除)優先配当 利益 普通株式数 1月1曰現在 資本組入れ 19*1年10月1曰 株式数 $4,000,000 4,000,000 4000,000 1,000,000  ̄ 5,000,000 1,000,000 5,000,000 D損益計算書における表示 年度末12月31曰 19*119*0 額面$2.50の普通株式一株当たりの利益$1.00$0.80 (例4)新たな子会社の株式との交換に発行された場合 この場合、新たな子会社の利益が当該企業グルー この場合、新たな子会社の利益が当該企業グループの利益に含められはじ める曰に発行されたものと見なして一株当たり利益を算定することをHKSSAP 5は求めている。 A資本構成 -24-
19*1年6月30日までの発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 19*1年7月1曰新たな子会社取得のために優先株500,000株と普通株 2,000,000株を発行した B営業成績 年度末12月31日 19*119*0 $5,500,000$4,500,000 税引後利益 C一株当たり利益の計算 19*0 $4,500,000 19*1 $5,500,000 税引後利益 (控除)優先配当 19*1年に対して発生主義で 利益 株式数 1月1曰現在 7月1曰発行2,000,000×6/12 株式数 750,000  ̄ $4,750,000 500,000 - $4,000,000 4,000,000 1,000,000 4,000,000 5,000,0004,000,000 D損益計算書における表示 年度末12月31日 19*119*0 $0.95$1.00 額面$2.50の普通株式一株当たりの利益 (例5)株主割当てによる発行の場合 完全な時価発行で株主割当てによる株式発行がなされた場合は、 上述した -25-
(例2)に準じて処理すればいいが、時価以下で発行された場合には、HKSSAP 5は一定の係数(Factors)によって過去の一株当たり利益あるいは発行株式数 を調整することを指示している。 過去の一株当たり利益数値の調整のための係数は以下のようである。 理論上の権利落ち(Ex-Rights)株価 権利付き株価相場最終曰の実際の権利付き(Cum-Rights)株価 また、株式数調整に際しては、割当て発行がなされる前の株式資本の割合
を算定し、それに上述した係数の逆数を乗じ、それに割当て後の発行資本の
割合を加算して算定する。 A資本構成 19*1年6月30日までの発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 19*1年7月1日1株$5で、4株に対し1株の割合で普通株の株主割当発行 を1,000,000株($5,000,000)行った。 B営業成績 年度末12月31日 19*119*0 税引後利益$4,750,000$4,500,000 権利付き株式相場の最終曰の普通株価は$10であったとする。 C一株当たり利益の計算 (1)係数 普通株100株保有者が権利を行使し、$125で50株引受を申し出た。他の条件に変化がないとすれば、その株主は$1,125の価値の株式を125株保有
することになり、1株当たり$9の価値である。したがって、過去の利益を
修正するための係数は以下のようである。 -26-権利落ち(Ex-rights) 9  ̄ 10 権利付き(Cum-rights) 株式数修正のための逆数係数は 権利付き(Cum-rights) 10  ̄ 9 権利落ち(Ex-rights) (2)利益 19*0 $4,500,000 500,000 $4,000,000 19*1 $4,750,000 500,000 税引後利益 (控除)優先配当 利益 $4,250,000 (3)一株当たり利益-19*O 昨年報告された一株当たり利益=$100 割当て発行のための修正$1.00×9(Ex)/10(cum) $0.90 (4)一株当たり利益-19*1 株式数 4,000,000×6/12×10(Cu、)/9(Ex) 5,000,000×6/12 株式数 一株当たり利益 2,222,222 2,500,000 4,722,222 $0.90 D損益計算書における表示 年度末12月31日 19*119*0 $0.90$0.90 額面$2.50の普通株式一株当たりの利益 -27-
(例6)将来の配当に参加する別種類の普通株式の場合 この場合、基本的な一株当たり利益のほかに、この種の普通株式が配当に 参加しているであろうと仮定して算定された希薄化一株当たり利益を算定し なければならない。 A資本構成 19*1年6月30日までの発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 19*1年7月1日普通株1,000,000株と19*4年12月31日に額面で普通株式 に転換される配当請求権を有しない額面$2.50の。A”株式を 1,000,000株発行した B営業成績 年度末12月31日 19*119*0 $5,500,000$4,500,000 税引後利益 C一株当たり利益の計算 19*1 19*0 (1)基本的一株当たり利益 税引後利益 (控除)優先配当 利益 株式数 1月1曰現在 7月1曰発行 1,000,000×6/12 株式数 (2)希薄化一株当たり利益 $5,500,000 500,000 $5,000,000 4,000,0004,000,000 500,000 4,500,0004,000,000 -28-
上述した利益 $5,000,000 19*0 19*1 発行株式数4,500,000 転換株式数1,000,000×6/12500,000 両株式数合計5,000,000 D損益計算書における表示 19*119*0 額面$2.50の普通株式基本的一株当たりの利益$1.11$1.00 額面$2.50の普通株式希薄化一株当たりの利益$1.00 (例7)転換証券一当該年度に転換が行われない場合 A資本構成 発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 19*0年4月1日8%利付き転換社債を$12,500,000発行した。 額面$1,000が19*4年から19*7年にかけて以下のような普通株式数に 転換される。 19*4年12月31日124株 19*5年12月31日120株 19*6年12月31曰115株 19*7年12月31日110株 B営業成績 年度末12月31曰 19*119*0 $11,000,000$9,750,000 1,000,000750,000 利息税引き前利益 転換社債の8%利息 税引き前利益 10,000,000 9,000,000 -29-
法人税 税引後利益 1,500,000 -1,350,000 $7,650,000 $8,500,000 C一株当たり利益の計算 19*1 19*0 (1)基本的一株当たり利益 税引後利益 (控除)優先配当 利益 株式数 (2)希薄化一株当たり利益 上述した利益 加算:転換社債利息 減算:法人税 $8,500,000 500,000 $7,650,000 500,000 $8,000,000$7,150,000 4,000,0004,000,000 $8,000,000 $1,000,000 150,000 7,150,000 750,000 110,000 640,000 850,000 調整後利益 $8,850,000$7,790,000 株式数 19*3年までに発行できる 株式最大数は$1,000に対して 124株の割合、つまり1,550,000株 であり、合計すると 19*0年時点で発行済み、また 発行可能な加重平均株式数は 19*1 19*0 5,500,000 4,000,000の1/4と5,500,000の3/4である。5,162,500 D損益計算書における表示 19*1 額面$2.50の普通株式基本的一株当たりの利益$2.00 19*0 $1.79 -30-
額面$2.50の普通株式希薄化一株当たりの利益$1.59$1.51 (例8)転換証券一当該年度に-部が転換される場合 A資本構成 上の(例7)で仮定された数値に対して、19*4年12月31日に転換社債保有者 の半数が転換権を行使したとする。即ち、$6,250,000の8%利付き転換社債 が額面$2.5の普通株式775,000株(額面$1,000につき124株の割合で)に転換 される。残り$6,250,000については、次の転換曰に750,000の株式(額面 $1,000に対して120株の割合で)に転換される。 B営業成績 年度末12月31曰 19*419*3 $11,000,000$10,000,000 1,000,0001,000,000 利息税引き前利益 転換社債の8%利息 税引き前利益 法人税 税引後利益 9,000,000 1,350,000 10,000,000 1,500,000 $8,500,000$7,650,000 C一株当たり利益の計算 19*4 19*3 (1)基本的一株当たり利益 税引後利益 (控除)優先配当 利益 株式数 $7,650,000 500,000 $7,150,000 $8,500,000 500,000 $8,000,000 4,000,000 4,000,000 (2)希薄化一株当たり利益 上述した利益 加算:転換社債利息 00 00 00 90 00 00 00 8L $$ -31-
減算:法人税150,000 850,000 調整後利益$8,850,000 株式数 19*4年発行済株式数4,000,000 19*4年12月31曰発行775,000 $100につき120株発行可能750,000 19*4 5,525,000 D損益計算書における表示 19*3 $1.79 19*4 $2.00 $1.60 額面$2.50の普通株式基本的一株当たりの利益 額面$2.50の普通株式希薄化一株当たりの利益 (例9)転換証券一当該年度に最終転換される A資本構成 上の(例7,8)で仮定された数値に対して、19*4年12月31日に転換社債保 有者の半数が額面$1,000につき124株の割合で転換権を行使し、残りの保有 者が19*5年12月31日に、額面$1,000に対して120株の割合で転換権を行使し たとする。 B営業成績 年度末12月31日 19*519*4 $12,500,000$11,000,000 500,0001,000,000 利息税引き前利益 転換社債の8%利息 税引き前利益 法人税 12,000,000 1,800,000 10,000,000 1,500,000 -32-
税引後利益 $10,200,000$8,500,000 C一株当たり利益の計算 19*5 19*4 (1)基本的一株当たり利益 税引後利益 (控除)優先配当 利益 株式数 (2)希薄化一株当たり利益 上述した利益 加算:転換社債利息 減算:法人税 $10,200,000 500,000 $9,700,000 $8,500,000 500,000 $8,000,000 4,775,000 4,000,000 $9,700,000 $500,000 75,000 425,000 調整後利益$10,125,000 発行済み及び将来の配当に参加する株式数5,525,000 D損益計算書における表示 19*5 $2.03 $1.83 19*4 $2.00 額面$2.50の普通株式基本的一株当たりの利益 額面$2.50の普通株式希薄化一株当たりの利益 (例10)オプション(株式購入選択権)あるいはワラント(新株引受権証書) この場合、オプションあるいはワラントの条件下で、新株が最大数発行さ れたものと仮定して、また、当該期の期首または発行日に権利行使が行われ たと仮定して、当該期の希薄化一株当たり利益を算定すること。また、当該 期の利益は、払込金額が、当該期の初曰の最良の入手可能な金利で主要銀行 の12ヶ月香港ドル定期預金に預けられたものとして調整される。 -33-
A資本構成 発行済み株式資本: 額面$10の10%利付き累積的優先株$5,000,000 額面$2.5の普通株$10,000,000=4,000,000株 19*0年4月1曰に、19*4年12月31日以前に額面$2.50の普通株式 1,000,000株に申し込みできるワラントを$10,000,000で発行した。 B営業成績 年度末12月31曰 19*119*0 $5,500,000$4,500,000 税引後利益 前提 1.19*1年1月1曰の主要銀行の12ヶ月香港ドル定期預金の利用可能な最 良の金利は、税引後5%とする。(19*0年5%) 2.発行曰から19*1年12月31日の間、新株引受権の行使は無かった。 C一株当たり利益の計算 19*1 19*0 (1)基本的一株当たり利益 税引後利益 (控除)優先配当 $5,500,000 500,000 $4,500,000 500,000 $4,000,000 $5,000,000 株式数 4,000,0004,000,000 19*1 19*0 (2)希薄化一株当たり利益 上述した利益 払込金額の仮想の利息 19*0年$10,000,000×9/12の5% 19*1年$10,000,000の5% $5,000,0004,000,000 375,000 $500,000 -34-
調整後利益 発行株式数 発行可能株式数 19*0年1,000,000×9/12 19*1年 両株式数合計 $5,500,0004,375,000 4,000,0004,000,000 750,000 1,000,000  ̄ 5,000,000 4,750,000 D損益計算書における表示 19*0 $1.00 $0.92 19*1 $125 $1.10 額面$2.50の普通株式基本的一株当たりの利益 額面$2.50の普通株式希薄化一株当たりの利益 -35-