マイクロ波半導体回路研究の黎明期
——
立体回路から平面トランジ
スタ回路へ
——
本城
和彦
†a)高山洋一郎
††Early Developments of the Research on Microwave Semiconductor Circuits
Kazuhiko HONJO
†a)and Yoichiro TAKAYAMA
††あらまし マイクロ波能動素子回路は通信,リモートセンシング,産業応用,無線電力伝送など今日の社会を 底辺から支える重要な技術である.その起源は2 極真空管の発明に遡ることができ,100 年の歴史を有している. この分野の発展は各種能動素子の発明,その回路応用の基本的アイデアの出現,更にマイクロ波帯への展開と いったステップを歩んできた.本論文ではこの100 年を振り返り,特に著者らが経験した立体マイクロ波能動回 路から平面マイクロ波半導体回路への質的転換期に焦点をあて研究開発を振り返る. キーワード マイクロ波,能動素子,半導体回路,トランジスタ,ダイオード,電子管
1.
ま え が き
本年は電子情報通信学会設立
100
周年,更にマイク
ロ波研究専門委員会設立
50
周年で記念すべき年であ
る.一方,著者らが現役の研究者・技術者・教育者と
して活動した
1960
年代後半から
2010
年代後半までの
時期もほぼ
50
年であり,ある意味区切りがよい.こ
の時期は,マイクロ波工学の分野では真空管回路,ダ
イオード回路の時代からトランジスタ回路,集積回路
の時代へと大きく転換されている.そこで,本論文で
はマイクロ波半導体回路黎明期を,それに前後する技
術の大きな歴史的流れと対比しながら振り返り,技術
の源泉と発展の関係を我々の研究を具体例として述べ,
更に今後の展望に付いても述べたいと思う.
2.
能動素子の出現とマイクロ波回路研究
マイクロ波帯のような超高周波帯での新しい技術の
実用化は,
(a)
基本コンセプトの発明と実証,
(b)
超高
†電気通信大学大学院,調布市Graduate School of Informatics and Engineering, The University of Electro-Communications, 1–5–1 Chofugaoka, Chofu-shi, 182–8585 Japan
††電気通信大学AWCC,調布市
Advanced Wireless Communication Research Center, The University of Electro-Communications, 1–5–1 Chofugaoka, Chofu-shi, 182–8585 Japan a) E-mail: [email protected]
周波化のためのブレークスルー技術の創出とマイクロ
波帯効果実証,更に
(c)
これらの製造・量産化技術の
確立という三つのステップを踏んでいる.そこで本章
では先ず,能動素子自体と能動素子回路の二つに分け,
前述の
(a)
と
(b)
の視点を中心に,それぞれの歴史を
振り返る.
2. 1
電子管からマイクロ波半導体へ
図
1
に示すように能動素子の起源は,
1904
年の
Fleming
による
2
極真空管の発明後
1907
年に
Forest
によって発明された
3
極管に遡ることができる.グリッ
ドに加えられた負電圧によりアノードとカソードの間
の電子流を制御する原理の
3
極管の回路応用は,その
後発明される電界効果トランジスタやバイポーラ接合
トランジスタの回路応用と共通する部分が多い.この
ため種々の回路的基本アイデアは真空管の時代に発明
されている.
20
世紀前半においては,このような真空
管の寸法を微細化した板極管により超高周波の応用が
図られたが性能的に十分でなく,マグネトロン,クラ
イストロン,進行波管(
TWT
)といった電子の動き
と電磁波を直接作用させるタイプの電子管の全盛時代
となった.同時にこの時代は固体物理・量子力学の進
展が著しく,固体真空管の出現が望まれ,
1925
年には
Lilienfeld
により電界効果トランジスタが発明されて
いる
[1]
.能動素子の固体化が大きく前進するのは,能
動素子を構築する上での基本要素ブロックとなる半導
図 1 能動素子の発明とマイクロ波への展開
Fig. 1 Invention of active devices and their microwave application.
体
PN
接合,オーミック接合,ショットキー接合,及び
MIS (Metal Insulator Semiconductor)
構造に関する
技術が確立される
1950
年以後となる.
Schockley
は
1948
年に,順方向バイアス
PN
接合の小さな入力抵
抗で誘発された電流を,そのまま逆方向バイアスされ
た第二の
PN
接合による高抵抗層に遷移させ,電力利
得を発生させるバイポーラ接合トランジスタ(
BJT
)
を発明した
[2]
.驚くべきことにこの発明の中にはヘ
テロ接合バイポーラトランジスタ(
HBT
)やカスコー
ド接続増幅器も含まれており,その後の
50
年の研究
方向が示されている.このように
20
世紀後半は固体
素子への期待が大きくなったが,
1950
年代において
はまだトランジスタの超高周波性能は十分でなく,マ
イクロ波に対応できる新たな半導体素子が望まれてい
た.このような中,
1958
年にはトンネル効果を利用
する江崎ダイオード,なだれ降伏とキャリア走行遅延
によりマイクロ波電力を発生する
IMPATT
ダイオー
ドが出現し,
1963
年には
GaAs
中の電子が有効質量
の軽い谷から重い谷へ遷移するときに発生する負性抵
抗を用いた
Gunn
ダイオードが出現した.これにより
1960
年から
1975
年の時期のマイクロ波能動素子回路
は,これらのダイオードと,当時導波路として主流で
あった導波管を用いて回路応用がなされた.
1966
年
には
C.A. Mead
によりショットキーゲートを有する
GaAs FET
が提案され
[3]
,更にゲート長の微細化が
図られ
1971
年にはマイクロ波応用が可能なレベルに
達した.分子線エピタキシー技術
(MBE)
の進展で,
二次元電子ガスの生成が可能となり
[4]
,
1980
年には
HEMT
が発明された
[5]
.ここで使用されるヘテロ接
合結晶系も
GaAs
基板をベースにした
AlGaAs/GaAs
系,
AlGaAs/InGaAs
ひずみ格子系から,
InP
基板を
ベースにした
InAlAs/InGaAs
系へと発展し,マイク
ロ波からミリ波帯への回路展開の基礎が形成された.
更に
1993
年には
GaAs
の
10
倍の高耐圧特性と同等の
電子飽和速度を有する
GaN
を電子チャネルに用いた
SiC
基板上の
AlGaN/GaN HEMT
が開発され,マイ
クロ波トランジスタの高出力化が容易になった.
一方バイポーラ接合トランジスタ
(BJT)
の系統では
1977
年に液相成長法を用いたヘテロ接合バイポーラト
ランジスタ
(HBT)
の試作が行われ,
MBE
の進展と
ともに
1982
年には,マイクロ波帯で動作する
GaAs
系
HBT
が現れ,その後
HBT
の高
f
max(
最大発振周
波数
)
化や低位相雑音化など,システム指向の強いデ
バイス開発が行われた.また
1990
年には,
SiGe
を
用いて
Si
系
BJT
にも
HBT
構造が構成できるように
なった.
2. 2
能動回路の起源とマイクロ波展開
図
2
に示すように,プッシュプル増幅回路,スーパー
ヘテロダイン,注入同期,負帰還増幅器,分布増幅器,
ドハティ増幅器,ミラー分周器など現在使われる能動
図 2 能動素子回路技術の源泉とマイクロ波応用 Fig. 2 Origin of active circuits and microwave applications.
電子回路のアイデアの大部分は
20
世紀前半の真空管
の時代に発明されている.
20
世紀後半は半導体の時
代となるが,
1964
年には高抵抗
Si
基板を用いた
Si
MMIC (Monolithic Microwave Integrated Circuit)
のコンセプトが提示され研究が行われたが
[6]
,基板の
高抵抗が維持できず課題が残った
[7]
.
1968
年には高
抵抗基板が容易に得られる
GaAs
が注目され,マイク
ロストリップ線路
[13]
とショットキーダイオードとで
構成された
94 GHz
帯
MMIC
が出現した
[8]
.その後,
日本企業を中心に低雑音
GaAs FET
,高出力
GaAs
FET
などのディスクリート化合物半導体素子の製品
化・実用化が進み,高信頼度維持のため気密封止され
たパッケージ内に広帯域マイクロ波大信号整合回路を
内蔵させる内部整合の技術が生まれた.
1978
年に第
1
回の
GaAs IC Symposium
が開催され,集積化プ
ロセスの要素技術や増幅器,スイッチなどの個別機能
GaAs MMIC
が発表され,
1984
年には低雑音増幅,
フィルタリング,混合,
IF
増幅などの機能が
1
チップ
化された多機能
MMIC
が発表された.
1980
年代前半
には新しい回路型式開拓の
IMPATT
ダイオードやマ
グネトロンなどのそれまでのマイクロ波回路と異なり,
GaAs FET
は直流からマイクロ波帯まで増幅能力を
有するため,新しいマイクロ波回路型式を考案する機
運が一気に高まった.この結果として負帰還回路に周
波数選択性をもたせる整合帰還増幅器
[9]
や,低周波
数帯では抵抗負荷,マイクロ波帯では無損失整合負荷
として動作する抵抗整合増幅器
[10]
,
MMIC
分布型増
幅器
[11]
,マイクロ波帯ミラー分周器
MMIC [12]
な
どが考案された.また回路性能の一層の向上のため
F
級増幅器など高調波処理を適切に行う技術やひずみ補
償の技術が開発された.
1960
年代に物理現象として注
目された負性群遅延現象や左手系物質の概念は,
2000
年代には
MMIC
など種々のマイクロ波回路に応用さ
れた
[14], [15]
.
3.
立体回路から平面集積化回路へ
3. 1
導波管実装マイクロ波ダイオード回路
1960
年前後にかけて登場したマイクロ波・ミリ波で
動作が可能な半導体負性抵抗ダイオードである
Gunn
及び
IMPATT
ダイオードにより,これまでの電子管
マイクロ波通信装置の小型化,低消費電力化,高信頼
度化などを実現する発振器や増幅器の固体化が期待さ
れ,
1968
年頃から発振器・増幅器の精力的な研究開発
が進められた
[16]
∼
[19]
.回路は導波管により構成さ
れ,ダイオードは棒状の導体ポストに装着されて導波
管に挿入された.
3. 1. 1
発
振
器
各種マイクロ波発振器に
X
帯からミリ波帯の
IM-PATT
及び
Gunn
ダイオードを用いた構成が開発実用
化された.特に通信機の局部発振器は,温度変化が小
さい合金
(
インバー
)
により加工された反射形,通過形
あるいは帯域反射形の空胴共振器を導波管発振回路に
付加して,
Q
値が大きい空胴共振器共振周波数近傍に
発振周波数を設定することにより温度変化に対する周
波数の安定化及び位相雑音の低減を実現した
[20], [21]
.
なお,位相雑音は
Gunn
発振器の方が良い.
3. 1. 2
増
幅
器
RF
入力と出力を分離するためにサーキュレータを
用いて反射形に構成した.基本構成を図
3
に示す.負
性抵抗ダイオードはダイオードが見る負荷の大きさに
より発振状態と発振を生じない安定状態になる.発振
状態に強制的に
RF
信号を入力して発振周波数を入力
周波数に引き込んで増幅する動作を注入同期増幅モー
ド,発振が生じない安定状態での増幅動作を安定増幅
モードと呼んだ
[22]
.注入同期モードで増幅が可能で
あるためには,自励発振が入力信号周波数に同期する
必要がある.発振状態の注入同期が可能な周波数帯域
は入力信号電力に依存し,入力電力が大きいほど同期
する周波数帯域が大きくなる
[23]
.注入同期モードで
の増幅は利得が大きくなる利点はあるが,入力電力に
より安定増幅帯域が変わり,また線形性も良くない.
なお,数百
mW
の出力電力を数
GHz
からミリ波帯の
周波数帯で得ることができたので実用化も比較的早く
進んだ.
Gunn
ダイオードは雑音特性や動作電圧の点
で,
IMPATT
ダイオードに比べて有利であり,素子
の
Q
値も低く回路的にも扱いやすい.
3. 1. 3
注入同期及び安定モード増幅動作
反射形回路構成において,信号入力が存在する増幅
器(注入同期及び安定モード)動作でのダイオード負
性抵抗回路アドミタンス
Y
1が見る負荷は,入力信号
及び出力回路負荷を等価的に見た単一の負荷アドミタ
ンス
Y
2であり,
Y
2=
−Y
1により動作点が決まる.
Y
1は一定周波数での電圧の大きさにより決まるアドミタ
ンス軌跡であらわされ,
Y
2は入力信号電力のレベルに
依存して変化する.ダイオードのアドミタンス軌跡及
び等価負荷により決まる動作点を図示することにより
図 3 IMPATTダイオード反射形増幅器 Fig. 3 Reflection-type IMPATT- diode amplifier.増幅動作の入力信号に対する振る舞いを図式的に理解
できる
[22]
.
3. 2
平面化
GaAsFET
マイクロ波回路の実用化
半導体素子を実用システムに応用するには,信頼
性を確保するため窒素などを充てんした気密封止パッ
ケージ内に実装する必要がある.一般に高出力半導体
素子は微小セルの並列配置により低インピーダンス化
しているため,パッケージングによる寄生リアクタン
スの介在により広帯域化することが難しく,更にわず
かな抵抗で大きな損失を生じる.内部整合回路はこの
ような問題を一気に解決した
[24]
.図
4
に示すように
インピーダンスが大きく低下する入力側にはボンディ
ングワイヤのインダクタンスと
MIM
キャパシタを用
図 4 2段チェビシェフ入力インピーダンス整合回路と大 信号最適負荷回路を備えた 50 Ω 系内部整合化高出 力 GaAsFET [25] とこれを用いたマイクロ波自動 着陸装置用 5 GHz 帯電力増幅器 [26]Fig. 4 Internal Matching Network with a two-stage Chebyshev input matching circuit and a large signal optimum load circuit [25], and its appli-cation to 5 GHz power amplifier for Microwave Landing System [26].
いてチェビシェフ型インピーダンス変換回路を構成し,
出力側には
50 Ω
負荷をロードプルにより得られた最
適大信号負荷に変換する回路を設けた
[25]
.トランジ
スタの出力と帯域を決めると回路サイズはどのメーカ
でもほぼ同じとなるため,内部整合パッケージは標準
化され,それまで高度な専門的知識が必要であったマ
イクロ波電力増幅器の設計が,
50 Ω
系でシステムブ
ロックだけで実現可能となる技術革新を果した
[26]
.
一方マイクロ波トランジスタの相互コンダクタンス
はマイクロ波からミリ波に亘って周波数依存性をもた
ず一定値となる.このため回路を工夫すると極めて広
帯域な増幅器を実現できるようになる.一般に演算増
幅器などの広帯域増幅器で用いる抵抗負荷増幅器では,
比帯域は大きくとれるが,抵抗損失を誘発するためト
ランジスタの最大有能電力利得を引きだすことはでき
ない.一方無損失整合回路を用いた整合増幅器では,
リアクタンス素子の周波数特性のため高々
1
オクター
ブの帯域しかとれない.図
5
の抵抗整合増幅器は,低
域通過型インピーダンス変成器を用いて低域側で負荷
となる抵抗を,マイクロ波帯では高インピーダンスに
変換するとともに低域通過型無損失整合回路に内蔵さ
せることによりこの課題を一気に解決し,超広帯域増
幅回路の方向性を示した
[10]
.
1970
年代後半より加速
図 5 超広帯域増幅特性を実現する抵抗整合型増幅器 [10] と整合帰還増幅器 [9] と分布型増幅器 [11] の比較と, プロトタイプ抵抗整合型増幅器 [10] の写真と等価 回路Fig. 5 Comparison of Resistive matched amplifier [10], matched feedback amplifier [9], and dis-tributed amplifier [11] as broadband ampli-fiers, and a photograph of prototype resistive matched amplifier [10].
された
GaAs MMIC
開発において,
1984
年の
GaAs
IC Symposium
で図
6
に示す最初の多機能
MMIC
が
発表された
[27]
.この時代はまだオンウエハー測定装
置の出現前であるが,
12 GHz
帯の
3
段低雑音増幅器,
イメージ除去フィルタ,デュアルゲート
FET
ミクサ,
IF
増幅器が一体化されている.イオン注入による能
動層均一化並びにビアホール接地が導入され,
MMIC
の総合機能と個別機能の両方が実施できるレイアウト
になっており
[28]
,システムオンチップの走りとなっ
たマイクロ波集積回路である.
3. 3 FET
分布定数スイッチ
周波数資源の拡大にはミリ波帯の利用が重要な課
題であるが,特に車載レーダの実用化に向けてミリ
波
MMIC
の開発が活発化し,スイッチは重要なコン
ポーネントとして研究開発が進められた.こうした状
況を背景に新概念の
FET
を用いた分布定数スイッチ
が
1997
年に提案された
[29]
.基本構成を図
7
に示す.
ソース及びドレーン電極は伝送線路を構成している.
PIN
ダイオードや
FET
を複数個用いる疑似分布構成
は高域遮断周波数を有するが,完全な分布型回路であ
図 6 12 GHz帯多機能集積化周波数コンバータ MMIC [27]Fig. 6 Multi-function 12-GHz MMIC frequency con-verter [27].
図 7 FET分布定数スイッチ [29] Fig. 7 FET traveling-wave switch [29].
る本構成は高域遮断特性を示さない特徴をもち,伝送
線路モデルの導入により動作解析及び設計法も確立さ
れた.この結果,車載レーダなど広帯域ミリ波スイッ
チに実用化されている.
4.
マイクロ波電力増幅器技術の高度化
4. 1
アクティブロードプルによる増幅器設計
マイクロ波電力増幅器の設計には使用するトランジ
スタの最適信号源及び負荷インピーダンスを測定あ
るいは回路シミュレーションにより求めて,これらを
実現する入力及び出力整合回路を設計する.回路設
計にはシミュレータが利用されるが,基本データであ
る最適インピーダンスの測定はチューナシステムが利
用される.一般には,メカニカル構造のチューナが用
いられてきたが
[30]
,回路損失やインピーダンス校正
に課題があり,これらの問題を解決するメカニカル・
チューナを用いない方法が
1976
年に提案された
[31]
.
この方法の原理は図
8
に示すように,トランジスタ
の入力に信号を加えると同時に負荷側からも信号を加
えてその大きさ及び位相を制御することによりトラン
ジスタの負荷インピーダンスを等価的に変える,すな
わち負荷への信号入力によるロードプルを実現する.
現在,この技術は受動負荷であるチューナを用いない
で負荷を換えるため,アクティブロードプル(
Active
Load-Pull
)法と呼ばれており,高調波チューニング
が可能なシステムが製品化されている.
4. 2
高調波処理による電力効率の向上
1958
年に
Tyler
により
F
級増幅器が提案されて以
来
[32]
,
E
級,逆
F
級,逆
E
級,
J
級など数多くの
電力増幅器の高効率化手法が提案されてきた.これら
の高効率化の原理を要約すると,トランジスタの電流
図 8 トランジスタアクティブロードプル測定システム Fig. 8 Active load-pull measurement system forpower transistors.
電圧特性の制限を受けつつ,時間領域での瞬時ドレー
ン電流波形と瞬時ドレーン電圧波形の重なりを除去し
てトランジスタ内消費電力を極小化すると同時に,基
本波出力を最大化することである.このことをエネル
ギー保存則から表現すると,トランジスタの非線形性
から生成される高調波出力電力を無効化し,基本波出
力と直流投入電力がバランスするように基本波の力率
を調整する必要がある
[33]
.これを忠実に実行するた
めに,高調波に関しては純リアクタンス負荷とし,基
本波に関して力率を最適化する構造の高調波リアクタ
ンス負荷型(
R
級)が提案され,
C
帯で
90%
のドレー
ン効率が達成された
[34]
.なお,信号源側の二次高調
波リアクティブ終端がドレーン効率に大きく関与して
いることも知られている.このような設計手法は高調
波ロード
/
ソースプルによる実験的結果と矛盾しない.
4. 3
マイクロ波ドハティ増幅器
移動体通信方式など高度なデジタル化により変調信
号の振幅変動の増大や信号電力制御の導入などが進み,
送信電力増幅器に対して入出力信号電力に対してバッ
クオフが大きい動作でも高効率増幅が可能なドハティ
増幅器が重要なマイクロ波電力増幅器となっている.
1936
年に提案されたドハティ増幅器
[35]
は,
B
級増幅
器
(CA)
,
C
級バイアスの増幅器
(PA)
及び両増幅器
を結合する四分の一波長
(
λ/4)
インピーダンス反転回
路から構成されている
[36]
.この増幅器は入力信号レ
ベルの変化に対して両増幅器の負荷が変化して(
load
modulation
と呼ぶ),
CA
が低
RF
入力及び飽和領域
で高効率動作を,
PA
が飽和領域で高効率動作となり,
増幅器の総合特性は高
RF
入力領域まで高効率動作を
実現する.
ドハティは並列負荷型及び直列負荷型を提案した.
高インピーダンス変換が実現できる特徴がある直列型
はマイクロ波域での構成が容易ではないため報告は見
られなかったが,バランにより可能なことが
2008
年
に発表され,詳細は
IEEE Trans. MTT [37]
に掲載さ
れた.更に,インピーダンス整合回路が必要なマイク
ロ波増幅器では,インピーダンス反転機能を整合回路
が兼ねるように設計することにより
λ/4
インピーダン
ス反転回路を設けない構成が
2012
年に提案され,回
路の広帯域化,小型化が可能になった
[38]
.図
9
に従
来構成及び提案された構成を示す.
4. 4
時間反転双対原理の増幅器・整流器への展開
回路網一般において,内部電位は至る所で同じとし,
電流の向きは全て逆とし,更に時間軸に対して電圧・
図 9 マイクロ波ドハティ増幅器の構成;(a) 従来型,(b)
λ/4 線路なし
Fig. 9 Block diagram of Doherty amplifiers (a) with and (b) withoutλ/4-inverting line.
電流波形をミラー反転させると,電力の流れを逆転で
きる.このような状態を時間反転双対と呼ぶことが
1990
年に
D.C. Hamil
により提唱された
[39]
.高出力
増幅器やインバータなどトランジスタの大信号スイッ
チング動作を含む回路の場合には,出力側から信号を
逆注入するとともにトランジスタのスイッチングタイ
ミングを逆相とすることで時間反転双対化できる.パ
ワーエレクトロニクスの分野では,この原理は双方向
性
DC-DC
コンバータとして応用されてきている.
一方
4. 2
で述べたマイクロ波高効率高出力増幅器
は,直流エネルギーをマイクロ波エネルギーに高効率
で変換する機能を有するが,この回路の時間反転双対
状態を実現するとマイクロ波電力を直流電力に変換す
る高効率整流器としての機能を有する.この原理を用
いて
5.6 GHz
帯においても,高調波リアクタンス負荷
型高効率増幅・整流回路が開発されている
[40]
.
5.
発振器技術の基礎の確立
5. 1 IMPATT
発振器からトランジスタ発振器へ
3. 1. 1
で説明したように,
Gunn
ダイオード及び
IMPATT
ダイオード発振器はミリ波帯までの通信
装置の固体化に寄与した.その後,
Si BJT
の進歩,
GaAs FET
及び
HBT
の登場により
MIC (Microwave
Integrated Circuit)
,更には
MMIC
発振器の開発が
進んだ.トランジスタは
3
端子デバイスであり,自身
の内部容量あるいは外部付加回路により端子間に正帰
還をかけて,
2
端子負性抵抗を示す回路構成を実現す
る.帰還の実現にはさまざまな回路構成が検討された
が,
FET
ではソース直列帰還,
BJT
ではエミッタ直
列帰還が最も利用しやすい.
既に述べたように,一般に発振器には発振周波数の
安定化及び位相雑音の抑制が最大の課題である.デバ
イス固有の雑音はチャネルが表面に沿った構造の
FET
は縦型の
BJT
に比べて表面の影響が大きく,
FET
に
比べて
BJT
は低周波域の雑音が少なく,発振器の位
相雑音が少ない.このため,
Si BJT
は直接発振周波
数の高周波化が困難な場合は逓倍して広く利用され
た.なお,
RF
熱雑音は
FET
の方が少なく,
RF
雑音
が問題となる受信増幅器では
FET
が広く用いられて
いる.固定周波数用途のトランジスタ発振器は
MIC
,
MMIC
化とともに,低損失,低温度係数の高誘電率誘
電体による高
Q
共振器を装荷した
C
帯からミ
ki
リ波
帯の周波数安定化,低雑音化発振器が開発された
[41]
.
マイクロ波ミリ波応用が容易な化合物
HBT
素子自体
の
1/f
雑音を,一層低減する技術として表面再結合速
度の小さい
InAlAs /InGaAs
系を利用した低位相雑音
HBT [42]
や,より実用的な
AlGaAs/GaAs
系
HBT
に対して
AlGaAs
パッシベ
—
ション技術が開発され,
20 dB
程度の
1/f
雑音低減が達成された
[43], [44]
.
5. 2
位相同期発振器
また,
IC
,
LSI
技術の進歩により,位相同期ループ
(
Phase Locked Loop
)による周波数の安定化及び位
相雑音の低減,更には複数の周波数信号を合成する周
波数シンセサイザが広く利用されるようになった.こ
れらの発振器にはバラクタ・ダイオードを組み込んだ電
圧制御発振器
(Voltage Controlled Oscillator)
が用い
られる.なお,
PLL
の発想は既に
1932
年に登場して
いる
[45]
.マイクロ波帯で
PLL
を実現する上でネック
となるのはマイクロ波分周器の実現である.分周器は
一般にデジタル回路系のトグルフリップフロップから
実現されるが,
1980
年代中頃までは論理ゲートの遅延
が十分低減されておらず実現不可能であった.しかし,
アナログ系のミラー分周の原理を応用して,
1985
年に
X
帯のアナログ
1/4
分周器(図
10
)が
GaAs MMIC
技術により実現され,マイクロ波帯も
PLL
の時代の
幕開けとなった
[12]
.アナログ分周の技術は今日では
図 10 X帯アナログ 1/4 分周器 MMIC [12] Fig. 10 X band divide by four analog frequency divider
MMIC [12].
ミリ波帯の
Si MMIC
でも利用されている.
6.
研究開発を振り返って
著者らが研究を開始した
50
年前においては,マイク
ロ波技術は既に成熟しているので学術的な研究フェー
ズから利益追求の産業応用フェーズに移っているとも
いわれていた.振り返ってみて確かにそのとおりの
面もあったが,蓄積された学術知識を発展させると
ともに新しい視点を追加して化合物半導体デバイス,
MMIC
,大規模集積回路,デジタル変復調,ビーム
フォーミング,超小型実装,システムインテグレーショ
ン,
CAD
,自動化された計測システム,
THz
技術な
ど新領域が次々と開拓されてきた.これにより,現在
ではマイクロ波技術は特殊なものではなく,日常生活
に必要不可欠な一般的なものとなった.
今日マイクロ波分野で期待されている応用例として,
第五世代(
5 G
)携帯電話システム,エネルギーハーべ
スティングを含めた無線電力伝送,自動運転など
ITS
関連などがあり,これらに対する種々の研究開発が活
発に進められている.これらの研究開発が効率的に実
施されるためには,これまで蓄積された高度学術体系
を効率良く学ぶ環境と手段を整え,新しい学問領域を
創造していくことが要求される.
このためには,他機関の研究成果を自機関研究成果
と同様に重用し活用するオープンイノベーションの理
念を正しく理解し,推進する必要がある
[46]
.大学の
研究計画・研究成果と,企業の研究開発計画とを同期
させるだけの度量と信頼感が企業側にも,大学側にも
求められる.また,多くの人に活用されるように,学
会論文の閲覧制度も改善されることが必要である.更
に,日本語による知識データベース・書籍の一層の充
実も,英語によるものと同様に重視すべきである.ま
た研究者自身も臆することなく海外研究者と協調し,
競争していくことが重要である.
7.
む す び
マイクロ波能動素子回路の
100
年の歴史を振り返
り,特に著者らが経験した立体マイクロ波能動回路か
ら平面マイクロ波半導体回路への質的転換期に焦点を
あて研究開発を振り返った.更に今後の研究開発に向
けて重要な視点について述べた.
謝辞 本論文をまとめるに当たり,協力頂いた関連
諸氏に感謝致します.
文
献
[1] L. Lilienfeld, “Method and apparatus for controlling electric currents,” US Patent, 1745175, 1925. [2] W. Shockley, “Circuit element utilizing
semiconduc-tive material,” US Patent 2569347, 1948.
[3] C.A. Mead, “Schottky barrier gate field effect tran-sistor,” Proc. IEEE, vol.54, pp.307–308, 1966. [4] R. Dingle, H.L. St¨ormer, A.C. Gossard, and W.
Wiegman, “Electron mobility in modulation-doped semiconductor hetrojunction superlattices,” Appl. Phys. Lett., vol.33, p.665, 1978.
[5] T. Mimura, S. Hiyamizu, T. Fujii, and K. Nanbu, “A new field-eeffect transistor with selectively doped GaAs/n-AlGaAs hhetero-junctions,” Jpn. J. Appl. Phys. Lett., vol.19, p.225, May 1980.
[6] T.M. Hyltin, “Microstrip transmission on semicon-ductor dielectrics,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.13, no.6, pp.777–781, Nov. 1965.
[7] R.A. Pucel, Monolithic Microwave Integrated Cir-cuits, pp.1–9, IEEE Press, 1985.
[8] E.W. Mehal and R.W. Wacker, “GaAs Integrated Microwave Circuits,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.MTT-16, pp.451–454, July 1968. [9] K.B. Niclas, W.T. Wilser, R.B. Gold, and
W.R. Hitchens, “The matched feedback amplifier: Ultrawide-band microwave amplification with GaAs MESFET’s,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.28, no.4, pp.285–294, April 1980.
[10] K. Honjo and Y. Takayama, “GaAs FET ultrabroad-band amplifiers for Gbit/s data rate systems,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.29, no.7, pp.629– 636, July 1981.
[11] Y. Ayasli, L.D. Reynolds, Jr., J.L. Vorhaus, and L.K. Hanes, “2-20-GHz GaAs traveling-wave amplifier,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.32, no.1, pp.71–77, Jan. 1984.
[12] K. Honjo and M. Madihian, “Novel design approach for X-band GaAs monolithic analog 1/4 frequency divider,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.34, no.4, pp.436–441, April 1986.
[13] D.D. Grieg and H.F. Engelmann, “Microstrip-A new transmission technique for the klilomegacycle range,”
Proc. IRE, vol.40, no.12, pp.1644–1650, Dec. 1952. [14] K.-P. Ahn, R. Ishikawa, and K. Honjo, “Group delay
equalized UWB InGaP/GaAs HBT MMIC amplifier using negative group delay circuits,” IEEE Trans. Mi-crow. Theory Tech., vol.57, no.9, pp.2139–2147, Sept. 2009.
[15] K. Murase, R. Ishikawa, and K. Honjo, “Group de-lay equalized MMIC amplifier for UWB based on right/left-handed transmission line design approach,” IET Microwaves, Antennas & Propagation, vol.3, no.6, pp.967–973, Sept. 2009.
[16] J.B. Gunn, “Microwave oscillations of current in III - V semiconductors,” Solid State Commu., vol.1, pp.88–91, Sept. 1963.
[17] R.L. Johnston, B.C. De Loach, and B.G. Cohen, “A silicon diode microwave oscillator,” Bell Syst. Tech. J., vol.44, pp.369–372, Feb. 1965.
[18] T.P. Lee, R.D. Standley, and T. Misawa, “A 50-GHz silicon IMPATT diode oscillator and amplifier,” IEEE Trans. Electron Devices, vol.ED-15, no.10, pp.741–747, Oct. 1968.
[19] T.E. Walsh, B.S. Perlman, and R.E. Enstrom, “Sta-bilized supercritical transferred electron amplifiers,” IEEE J. Solid-State Circuits, vol.SC-4, pp.374–376, Dec. 1969.
[20] 近藤秀俊,長野成通,村上博美,“11GHz 帯インパット発 振器の高安定化,”信学論(B),vol.52-B, no.9, pp.558– 559, Sept. 1969.
[21] 白幡 潔,小木曽弘司,“BRF 装荷による固体発振器の安 定化,”信学論(B),vol.54-B, no.11, pp.752–758, Nov. 1971.
[22] Y. Takayama, “Power amplification with IMPATT diodes in stable and injection-locked modes,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.MTT-20, no.4, pp.266–272, April 1972.
[23] R. Adler, “A study of locking phenomena in oscilla-tor,” Proc. IRE, vol.34, no.6, pp.351–357, June 1946. [24] Y. Takayama, K. Honjo, A. Higashisaka, and F. Hasegawa, “Internally matched microwave broad-band linear power FET,” ISSCC1977, Dig. 166-167, Feb. 1977.
[25] K. Honjo, Y. Takayama, and A. Higashisaka, “Broad-band internal matching of microwave power GaAs FET’s,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.27, no.1, pp.3–8, Jan. 1979.
[26] K. Honjo and Y. Takayama, “A 25-W, 5-GHz GaAs-FET amplifier for a microwave landing system,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.29, no.1, pp.579–582, June 1981.
[27] K. Honjo, Y. Hosono, and T. Sugiura, “X-band low-noise GaAs monolithic frequency converter,” 1984 GaAs IC Symposium, Digest, pp.177–180, Oct. 1984. [28] K. Honjo, Y. Hosono, and T. Sugiura, “X-band low-noise GaAs monolithic frequency converter,” IEEE Trans. Microw. Theory Tech., vol.33, no.11, pp.1231–
1235, Nov. 1985.
[29] H. Mizutani and Y. Takayama, “A DC-60 GHz GaAs MMIC switch using novel distributed FET,” IEEE MTT-S Int. Microwave Symp. Dig., pp.439–442, June 1997.
[30] J.M. Cusack, S.M. Perlow, and B.S. Perlman, “Au-tomatic load contour mapping for microwave power transistors,” IEEE Trans. Microw. Thoery Tech., vol.MTT-22, no.12, pp.1146–1152, Dec. 1974. [31] Y. Takayama, “A new load pull characterization
method for microwave power transistors,” IEEE MTT-S Int. Microwave Symp. Dig., pp.218–220, June 1976.
[32] V.J. Tyler, “A new high-efficiency high-power ampli-fier,” Marconi Rev., vol.21, pp.96–109, 1958. [33] 本城和彦,高山洋一郎,石川 亮,“マイクロ波電力増幅器
の統一的設計理論とその応用,”信学論(C),vol.J97-C, no.12, pp.446–455, Dec. 2014.
[34] M. Kamiyama, R. Ishikawa, and K. Honjo, “5.65 GHz high-efficiency GaN HEMT power amplifier with har-monic treatment up to fourth order,” IEEE Microw. Wireless Compon. Lett., vol.22, no.6, pp.315–317, June 2012.
[35] W.H. Doherty, “A new high efficiency power ampli-fier for modulated waves,” Proc. IRE, vol.24, no.9, pp.1163–1182, Sept. 1936.
[36] R.J. McMorrow, D.M. Upton, and P.R. Maloney, “The microwave Doherty amplifier,” 1994 IEEE MTT-S Int. Microwave Symp. Digest, pp.1653–1656, 1994.
[37] S. Kawai, Y. Takayama, R. Ishikawa, and K. Honjo, “A high-efficiency low-distortion GaN HEMT Do-herty power amplifier with a series-connected load,” IEEE Trans. Microw. Thoery Tech., vol.60, no.2, pp.352–360, Feb. 2012.
[38] S. Watanabe, Y. Takayama, R. Ishikawa, and K. Honjo, “A broadband Doherty power amplifier without a quarter-wave impedance inverting net-work,” Proc. Asia-Pacific Microw. Conf., pp.361–363, Taiwan, Dec. 2012.
[39] D.C. Hamil, “Time reversal duality and the synthe-sis of a double class E DC-DC converter,” 21st An-nual IEEE Power Electronics Specialist Conference, pp.512–521, San Antonio, 1990.
[40] K. Honjo and R. Ishikawa, “High efficiency GaN HEMT power amplifier/rectifier module design us-ing time reversal duality,” 2015 IEEE Compound Semiconductor Integrated Circuit Symposium, Di-gest, DOI: 10.1109/CSICS.2015.7314507, Oct. 2015. [41] H. Abe, Y. Takayama, A. Higashisaka, and H.
Takamizawa, “A stabilized, low-noise GaAs FET in-tegrated oscillator with a dielectric resonator at C-band,” IEEE Int. Solid-State Circuits Conf. Digest, pp.168–169, Feb. 1977.
Mizuta, and K. Honjo, “Low-frequency noise perfor-mance of self-aligned InAlAs /InGaAs heterojunction bipolar transistors,” Electron. Lett., vol.26, no.18, pp.1438–1439, 30th Aug. 1990.
[43] N. Hayama and K. Honjo, “1/f noise reduction in self-aligned AlGaAs/GaAs HBT with AlGaAs sur-face passivation layer,” IEEE Trans. Electron De-vices, vol.39, no.9, pp.2180–2182, Sept. 1992. [44] N. Hayama and K. Honjo, “Emitter size effect on
cur-rent gain in fully self-aligned AlGaAs/GaAs HBT’s with AlGaAs surface passivation layer,” IEEE Elec-tron Device Lett., vol.11, pp.388–390, Sept. 1990. [45] H. de. Bellescize, “La reception synchrone,” L’Onde
Electrique, vol.11, pp.230–240, June 1932.
[46] 大塚哲洋,“日本企業の競争力低下要因を探る—研究開発 の視点からみた問題と課題—,”みずほ総研論集 2011 年 II号,pp.43–72, June 2011. (平成 29 年 1 月 26 日受付,4 月 24 日再受付, 9月 12 日公開)