招待論文
2.4 GHz
ウェイクアップ受信機の試作と評価
平松
正太
†池辺
将之
††a)佐野
栄一
†Design and Fabrication of 2.4 GHz Wake-up Receiver
Shota HIRAMATSU
†, Masayuki IKEBE
††a), and Eiichi SANO
†あらまし ワイヤレスセンサネットワーク (WSN) や IoT (Internet of Things) 実現のため,センサの消費電 力削減が必須である.このため,ウェイクアップ受信機が提案され,研究が活発化している.センサ用 LSI の小 型化のためにはアナログフロントエンドともにウェイクアップ信号をディジタル再生するクロックデータ再生回 路の集積化が望まれる.しかしながら,クロック再生回路は論理スイッチングの際に雑音を発生し,この雑音が シリコン基板を伝搬しチップ内のアナログ回路部分に流入し,アナログ回路の性能を劣化させる可能性があり, 更には正確な動作を妨げる可能性がある.本論文では,マイクロワット級ウェイクアップ受信機における,クロッ クデータ再生回路からアナログ回路である包絡線検波回路の入力ポートへの基板雑音流入を実験により検証した. 基板雑音の伝搬経路は,試作回路の測定結果と,等価回路シミュレーションを比較することによって明らかにし た.得られた知見をもとに,雑音対策を施したウェイクアップ受信機を設計した.試作したウェイクアップ受信 機を評価した結果,キャリア周波数 2.4 GHz において PWM 変調信号を 100 kbps で受信することに成功した. キーワード センサネットワーク,IoT,ウェイクアップ受信機,サブスレッショルド,スイッチング雑音,ミッ クストシグナル
1.
ま え が き
ワイヤレスセンサネットワーク(WSN)や,IoT (In-ternet of Things)の実現のため,センサの消費電力 を低減することは必須課題となっている.その理由は, (1) WSNでは多数の通信ノードが点在し,消費電力 は膨大なものとなることが予想される,(2)膨大な量 のセンサノードを保守・運用管理するのは難しく,低 消費電力化することにより小型バッテリーでの長期動 作を可能とし,メンテナンス頻度を低くすることがで きる.太陽光などの環境エネルギーを用いたエナジー ハーベスティングにより運用できるのが将来的には望 ましい. WSNにおいて,センサノードが収集したセンシン グデータはデータ収集ノードに送られる.その際,常 †北海道大学量子集積エレクトロニクス研究センター,札幌市 Research Center for Integrated Quantum Electronics, Hokkaido University, North 13, West 8, Sapporo-shi, 060– 8628 Japan††北海道大学大学院情報科学研究科,札幌市
Graduate School of Information Science and Technology, Hokkaido University, North 14, West 9, Sapporo-shi, 060– 0814 Japan
a) E-mail: [email protected]
図 1 ウェイクアップ受信機を用いたオンデマンド型通信
Fig. 1 On-demand communication using wake-up re-ceiver. 時送信すると電力消費が大きくなり10年程度の長期 動作は困難である.また,タイマーを内蔵し定期的に 送る場合,通信の衝突を避けるためのMACプロトコ ルが必要となってくる.そのため,データ収集ノード が通信制御し,要求があった場合のみセンサノードが 送信するような,オンデマンド型のセンサが注目され ている.オンデマンド型通信の概念を図1に示す.オ ンデマンド型通信のためにウェイクアップ型の受信機 が提案された[1].ウェイクアップ受信機は受信した信 号によって回路の一部の動作,停止を制御することで 電力の削減を図る技術である.この方式では常に信号
を監視している部分と,ウェイクアップ信号を受けた ときのみ起動する部分に回路全体を分ける.前段は常 に信号を監視しているため,低消費電力であることが 求められる.大容量ボタン電池で10年程度使用する こと,Bluetooth LEのスリープモード時の消費電力 などを考慮すると,ウェイクアップ受信機の消費電力 としては10 μW程度が目標となる. ウェイクアップ信号の受信方式には,直接検波方 式[2]と,疑似的なヘテロダイン方式[3], [4]がある. 直接検波方式は消費電力が大きい局部発振器(LO)を 排除することにより低電力化できるが,感度に関して は不利である.一方,LO周波数とキャリア周波数を 一致させない疑似的なヘテロダイン(uncertain-IFや dual IF)方式では,位相同期回路(PLL)や低雑音増 幅器(LNA)の排除により低消費電力化が可能となる. 直接検波方式において,直接検波した後にベースバン ドLNAを用いる場合もある. これまでに報告されている代表的なウェイクアップ 受信機を紹介する.疑似的なヘテロダイン方式は通信 速度,感度共に良好であるが,LOを用いているため 消費電力が10 μWを超えていることがわかる[5], [6]. また,直接検波方式を採用し,LNAを用いたものも感 度は良好であるが,LNAを搭載したため消費電力が 10 μWを超えている[7].文献[8]では低消費電力を達 成しているが,インピーダンス整合のために外付け表 面弾性波(SAW)フィルタが必要である.文献[10]の 直接検波方式ウェイクアップ受信機は,クロックデー タ再生回路を集積化しており,タイミングクロックと データの復調もオンチップで行うことができる点が利 点である. 本研究では,低消費電力のために直接検波方式を採 用し,インピーダンス整合回路,クロックデータ再生 回路も集積したウェイクアップ受信機を実現すること を目的としている.一般的に,低電力動作を主眼に置 いた回路は雑音の影響を受けやすく,その対策を考慮 する必要がある.本ウェイクアップ受信機はディジタ ル回路部分とマイクロワット級のアナログ回路部分を 混載したミックストシグナルLSIとなっており,ディ ジタル回路の論理スイッチングの際に生じる雑音の影 響を受け,動作が妨げられる場合がある.本論文では スイッチング雑音の影響を実験と等価回路シミュレー ションにより明確化し,低雑音化を図った設計により 正常な回路動作を実現したので以下に詳細を示す.
2.
ウェイクアップ受信機の構成
本ウェイクアップ受信機は,図2に示すように,イ ンピーダンス整合回路,包絡線検波回路,高利得増幅 器,クロックデータ再生回路(Clock Data Recovery; CDR)で構成されている. 2. 1 包絡線検波回路,高利得増幅器 包絡線検波回路と高利得ベースバンド増幅器は,同 じユニット回路を用いており,包絡線検波回路は入力 をサブスレッショルド領域にバイアスすることで,ド レイン電流の非線形性を利用して検波する[10]. 図3にユニット回路の構成と非線形性検波を模式的 に示す.MOSFETの動作周波数を超えたキャリアを もつオン・オフ信号も検波することができ,60 GHz での検波[10],更には,テラヘルツ領域での検波も可 能であることを確認している[12]. ベースバンド増幅器は約100 dB程度の利得をもって おり,オフセットが問題になるが,本回路はサブスレッ ショルド領域にバイアスさせたオペアンプをフィード バック回路として用いることで,その遅い時定数から DCオフセットを除去することができ,出力のバイア スをVCMに固定することができる[13]. 2. 2 インピーダンス整合回路 ミリ波やマイクロ波領域では受信された電力を効率 良く入力するためにインピーダンス整合が必須となっ 図 2 ウェイクアップ受信機の構成Fig. 2 Block diagram of our wake-up receiver.
図 3 (a)ユニット回路の構成,(b) 非線形性検波の概要 Fig. 3 (a) Configuration of unit circuit, (b)
ている.アンテナから続く伝送線路の特性インピーダ ンスと,アナログフロントエンド部分のインピーダン スの整合がとれていないと,信号の反射が起き,受信 された電力を全て利用することができない.インピー ダンス整合をとるには幾つかの方法がある.バルク弾 性波(BAW)やSAWを利用したフィルタはモジュー ル化する場合にはよい候補となる[5], [8].一方,小型 化のためにモノリシック集積化する場合にはオンチッ プ整合回路が必要となる.60 GHzのようなミリ波領 域ではマイクロストリップラインのような伝送線路を 組み合わせてインピーダンス整合をとることができ る[10].しかし,2.4 GHzのようなマイクロ波領域で は,ミリ波領域に比べて波長が長くなるため,伝送線 路を用いたインピーダンス整合が難しくなる.そのた め,スパイラルインダクタをチップ上に形成する必要 がある[6], [11].この場合,Q値の低下を避けるため に,下層配線層を用いずに,最上位配線層でインダク 図 4 ILO型 CDR 回路の構成 Fig. 4 Block diagram of ILO-type CDR circuit.
図 5 PWM型 CDR 回路の構成 Fig. 5 Block diagram of PWM-type CDR circuit.
タを形成する.
2. 3 CDR回路
CDR回路は,受信した信号に同期したクロックと そのデータを再生するものであり,本研究では,注入 同期(Injection Locking Oscillator: ILO)型と,パル ス幅変調(Pulse Width Modulation: PWM)型を用 いた[9], [10].各々の回路構成を図4及び図5に示す. ILO型はクロック再生とD-F/Fによって構成され, 再生されたクロックを用いてデータを復調するものと なっている.クロック再生はILOと短パルス生成回 路から構成され,検波器を経たベースバンド信号が遅 延時間の異なる二つの経路を通り遅延時間が大きい方 がHigh,遅延時間が小さい方がLowの場合のみ立ち 上がるよう設計することでベースバンド信号の半周期 に同期したパルスが生成される.これをILOに注入 することでベースバンド信号に同期したクロックを再 生することができる.ILOはインバータのリングオシ レータの初段をNAND回路にし,前述のパルスを入 力することで同期する. PWM型においては,デューティが50%以上のRZ 信号を論理“1”,50%以下のRZ信号を論理“0”と定 義したPWM信号からクロックを再生し,再生したク ロックを用いてPWM信号からNRZ信号に変換して いる.入力PWM信号の立ち上がりを検出し,リン グ発振器を起動,カウンタで信号1周期分のパルスを 計測し,次の信号立ち上がり時に計測値の半分をレジ スタへ転送,レジスタ記憶値と計測値を比較し,記憶 値より下回っていればLow,上回っていればHighを 出力する.これによってクロックを生成し,クロック
立ち上がり時でのPWM信号を判定することでNRZ データを復調する.このタイプは信号が入力したと きのみ動作するようになっており,低消費電力化が期 待できる.更に,リング発振器の発振周波数の1/4∼ 1/2n−2(n:カウンタ段数)の広範囲なクロックを再生 できるという利点を有している.
3.
基板雑音の評価
ディジタル回路は論理スイッチングの際に雑音を発 生する[14].これは論理スイッチングの際にMOSFET のドレインと基板の間の容量性結合によって電流が流 れるためである.この電流が基板の抵抗を介してポテ ンシャルの変動となり,アナログ回路部分に伝播する と,アナログ回路部分の基板のポテンシャルが変わり, しきい値が変動してしまう.低電力動作を目的とした, しきい値近辺で動作している回路ではこれは致命的な ものとなる[15], [16]. インピーダンス整合をとる際に,マイクロストリッ プ構造のように信号線の下がGNDで覆われている場 合,基板からの雑音の影響を受けない.しかし,GND で覆われていないオンチップインダクタや,MIMキャ パシタは基板と容量性結合をし,基板からの雑音の影 響を受ける. 過去に試作した回路ではインピーダンス整合回路に, MIMキャパシタと,オンチップインダクタを二つ用 いていた.この構造では基板から雑音の影響を受ける 可能性がある[17]. 雑音の影響を評価するため,ILO型のCDR回路を 搭載したウェイクアップ受信機を測定した.入力信号 に同期する構成であるが,信号が入力されていない場 合にはリング発振器はフリーラン状態であるので,リ ング発振器で発生するスイッチング雑音の影響を評価 することができる.オンウェハプローブを用いて測定 した結果を図6に示す. このとき,CDR回路のみ電源オンとし,アナログ 回路の電源はオフ,信号も入力していない.図6にお いて,RFinが信号入力端子であり,IDETは包絡線検 波回路の入力MOSFETのバイアスとオペアンプのバ イアスを設定するために外部から電流を与えている端 子である.また,クロックはCDR回路におけるタイ ミングクロック出力端子である.図6から,IDET端 子においてCDRのフリーランクロックより73 dB小 さい雑音を確認できる.このとき,RFinはスペクト ラムアナライザの測定限界を下回っている.本ウェイ 図 6 試作回路の各端子におけるスペクトル測定結果Fig. 6 Measured spectra of detector input port and clock port.
図 7 矩形波を入力したときの IDET端子の測定波形
Fig. 7 Measured waveforms of input port IDET and applied square wave.
クアップ受信機の高利得増幅器は100 dB程の利得を もつので,この雑音が正ループを構成すると発振して しまい,回路の動作を妨げることになる.そのため, 雑音の伝搬を回路の利得以下に抑える必要がある. 更に,CDRのクロック出力とIDET端子間の雑音の 結合を確認するために,回路全体を電源オフにした状 態で,クロック出力端子に振幅1.5 Vp−pの377 kHz 矩形波を入力した.この状態でIDET端子を測定した 結果を図7に示す.矩形波の立ち上がりと立下り時に, 約50 mVのリンギング波形がIDET端子に現れている ことが確認できる.この状態ではバイアスが安定しな いため正常な動作を妨げる. これまでの測定結果を等価回路モデリングし,評価
図 8 シミュレーションで用いた等価回路図
Fig. 8 Schematic circuit model for simulating substrate noise coupling.
図 9 矩形波を入力したときの IDET シミュレーション
波形
Fig. 9 Simulated waveforms of input port IDETand applied square wave.
した.図8にシミュレーションした回路図を示す.イ ンダクタとMIMキャパシタに関してはファウンドリ から提供されている寄生素子を含んだものを使用して いる.素子値はそれぞれ,CS1は約70 fF,CS2は約 360 fF,CS3は約120 fF,RS1は300 Ω,RS2は200 Ω である.ガードリングとMOSFET部分の基板コンタ クトの抵抗値は,だ円近似を用いて導出した[18], [19]. また,レイアウトでMIMキャパシタがクロック出力 バッファの近傍にあったことも原因であると考え,回 路シミュレーションに組み込んだ.図9にシミュレー ション波形を示す.図7に示したクロック出力波形 とIDET端子測定波形をよく再現している.この際, 基板抵抗の値を1∼1000のオーダーで変化させたが, 波形はほとんど変化せず,容量性結合が支配的であっ た.このシミュレーションにより,主に雑音はCDR のVSSから,MIMキャパシタの寄生容量CSと基板 の抵抗を介してIDET端子へ伝搬する経路,クロック の出力配線と基板間の容量と,基板の抵抗を介し伝搬 する,二つの経路で伝搬していることがわかった.
4.
低雑音化設計
測定とシミュレーションにより,CDR回路で発生 するクロック雑音が検波器の入力部に伝搬し,正帰還 ループを形成している可能性があることが分かった. この雑音を抑えるための回路設計を行った.まず,信 号の変調方式を,NRZではなくPWMとした.この ため,ILO型[10]と異なり,入力信号がない限り内部 で発振器が動作しないPWM型[9]に変更し,動作時 のリング発振器の発振周波数をベースバンド周波数よ りも1桁高い2 MHzに設定し,高利得増幅器の帯域 から外れるように設計した. また,雑音の影響を低減するべく,ベースバンド増 幅器を差動構成にする方法もあるが,これに関しては, ・ベースバンド信号のduty比が変化しないように するためには電流を大きくする必要があること.・十分な同相除去比と帯域を確保するためには電流 を大きくする必要があること. ・バランが必要となり,回路面積が大きくなってし まうこと. 以上のことから差動構成ではなく,今まで通り単相 構成とした. 更に,CDR回路からの雑音の伝搬を低減するため に,CDR回路の出力バッファを構成するMOSFET
をDeep N-Well (DNW)を用いたRF MOSFETに 置換し,配線はマイクロストリップ構造とすること で基板の電位の安定を図った.更に,Vddに接続した DNWを用いたガードリングでCDR回路全体を囲む ことで雑音の伝搬を抑えた[20].更に,インピーダン ス整合回路に関しても,インダクタの数を2から1へ と変更し,雑音の影響を受け得る部分を減らした.こ れらの変更を盛り込んで試作を行った.
5.
測 定 結 果
180 nm RF/Mixed signal CMOSプロセスを用い て試作した.試作チップを図10に示す.電源,信号入 力,信号出力にはオンウェハプローブを用いた.本回 路において,信号の“0”と“1”はPWMにて表し,パ ルスのデューティ比が25%の場合を“0”とし,75%の 場合を“1”とした.NRZからPWMへと変換するモ ジュールを市販の汎用ロジックICを用いて試作し, 図 10 試作チップ写真
Fig. 10 Microphotograph of fabricated circuit.
NRZの疑似ランダムビット列(PRBS)を入力すること で,疑似ランダムなPWM信号を生成した.2.4 GHz のCWを疑似ランダムPWM信号で変調しウェイク アップ受信機へ入力した.入力電力は−30 dBmであ る.図11に測定波形を示す.最上部の波形が変調に 用いた100 kbps PWM信号であり,このPWM信号 からNRZのデータとクロックを再生できていること がわかり,回路の正確な動作を達成することができた. ビット誤り率(BER) = 10−3で規定したときの感度 は−32 dBmであった.また,雑音と変換効率により 計算される感度は以下の式で与えられる[21]. Sensitivity = 3.5 N (f )df γ (1) ここで,N (f )は雑音電力密度であり,γは変換効 率[出力電圧/入力電力(V/W)]である.式(1)より 計算された感度は,−46 dBmであった.BERが大き くなっている原因は測定系の雑音除去が完全ではない ことに依るものと考えている.包絡線検波回路と高利 得増幅器を合わせた消費電力は11.3 μWであり,ク ロックとデータの出力バッファと,CDR回路を含めた 消費電力は83.7 μWであった.ただし,CDR回路は ウェイクアップ信号入力時にのみ動作するので,待ち 受け時の消費電力は11.3 μWである.図12にベクト ルネットワークアナライザを用いて測定したリターン ロスを示す.2.4 GHzで−20 dBを達成しており,設 計値とよく一致していることがわかる. 図13にクロックの出力端子に矩形波を入力した場合 のIDET端子の測定波形を示す.図7と同一条件で測 図 11 疑似ランダム PWM 信号入力時の測定波形
Fig. 11 Measured waveforms of PWM baseband sig-nal, recovered NRZ data, and clock.
表 1 ウェイクアップ受信機の性能比較 Table 1 Performance comparison of wake-up receivers.
図 12 入力リターンロス S11
Fig. 12 Measured and designed S11 of wake-up re-ceiver. 定しているが,IDET端子に電圧の変動は見られず,基 板を介した雑音の伝搬を抑えることに成功した.表1 に本研究の試作回路と先行研究との性能比較を示す. 本研究ではミキサ,LNA,かつ他の部品を用いずに ディジタル回路であるCDR回路も集積化し,動作さ せることに成功した.
6.
む す び
インピーダンス整合回路,包絡線検波回路,高利得 図 13 低雑音化ウェイクアップ受信機の測定波形Fig. 13 Measured waveforms of input port IDETand applied square wave for modified wake-up re-ceiver. 増幅器,CDR回路から構成されたマイクロワット級 ウェイクアップ受信機において,CDR回路からの雑 音が包絡線検波回路の入力端子まで伝搬することを 測定より明らかにした.また,測定結果と,基板の等 価回路を用いた回路シミュレーションの結果から,雑 音の伝搬経路が明らかになった.これらの知見をもと に,雑音を抑制する手法を盛り込んだ設計を行った. 試作した回路は雑音の影響を低減することに成功し, キャリア周波数2.4 GHzで100 kbpsのPWM信号を 検波,ディジタル再生することに成功した. 謝 辞 本 研 究 開 発 は 総 務 省 SCOPE (受 付 番 号
151301001)の委託を受けたものである.本研究開 発の一部は総務省SCOPE (受付番号101501001)の 委託を受けたものである.本研究の一部はVDECを 通し,日本ケイデンス株式会社・メンター株式会社・ アジレントテクノロジー株式会社の協力で行われたも のである. 文 献
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(平成 29 年 6 月 16 日受付,10 月 4 日再受付, 30年 2 月 13 日公開)
平松 正太 (学生員) 2016北海道大学・工卒.同年同大大学院 修士課程進学.現在,CMOS テラヘルツ イメージング,センサネットワーク用ウェ イクアップ受信器の研究に従事. 池辺 将之 (正員) 1995北海道大学・工卒.1997 同大大学 院修士課程了.2000 同博士 (工学).大日 本印刷(株)入社 2001–2002 豊橋技術科 学大学受託研究員として,近距離無線シス テムの研究に従事.2004 北海道大学大学 院情報科学研究科准教授.画像・無線通信 用信号処理アルゴリズムとその集積化の研究に従事.通信分野 の研究に従事. 佐野 栄一 (正員:フェロー) 1975東京大学・工卒.1977 同大大学院 修士課程了.1998 同博士 (工学).1977 日 本電信電話入社.2001 北海道大学.現在, グラフェン・カーボンナノチューブの電子 応用,メタマテリアル,CMOS テラヘル ツ検出器の研究に従事.