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続・法科大学院・未修者への憲法教育 : 3年間の実績からの考察

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Academic year: 2021

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(1)研究ノート. . 続・法科大学院・未修者への憲法教育 ──3年間の実績からの考察──. 君  塚  正  臣. はじめに. 伸びないなどと決めつけることは,少なくとも 憲法科目に関してはおよそ根拠がないのではな.  2006 年,法科大学院制度は3年目を迎えた.. いか,ということであった.. 横浜国立大学でも,2004 年4月入学の 11 名の.  問題は,このような「速報版」的なまとめが. 既修者(2年修了) のうち1名が既に旧司法試. その後も維持できるか,である.これは2つの. 験に合格して中退し,残る 10 名も欠けること. 点で検討が必要であろう.第1に,2004 年度. なく 2006 年3月に全員修了を迎えた.そして,. の一年生はその後も同様の傾向を維持して進級. 新司法試験でも5名の合格者を出すこととなっ. しているのか,という点である.第2に,2005. た.法学部や法学科のなかった大学で,かつ既. 年度,2006 年度の一年生についても同じ傾向. 修者の殆どが他大学出身という状況下で,(欲を. があるのか,という点である.. 言えば7割以上の合格を欲するところではあるが) 一.  これらの点を検証することが本稿の目的であ. 定の成果を収めたと言えるように思われる.. る.それにあたっては,2年前の小論と平行す.  さて,法学部や法学科のなかった大学の法科. る形式を採り,比較対照を容易にするように心. 大学院であれば,その真価が問われるのは,未. がけた.本稿の限りでは必ずしも適切ではない. 修者(3年修了)についてであろう.筆者はその. 章建てとのご批判もあろうが,その趣旨を汲み. 意味を重視して,2年前に,法科大学院初年度. 取って戴きたいと思う次第である.. の「憲法」の未修者教育について検討を行った ことがある1).そこでの分析の結果,以下のよ うな当座の結論を得た.. Ⅰ.講義計画.  2004 年度と現在とでは,公法系科目は何ら.  法学科出身者は4割に満たない未修者であっ. 変更点がない.年度進行に伴い,2005 年度か. たが,中間実力判定試験(6月初頭)の結果は高. ら「公法総合演習」が開講され,「公法演習Ⅰ」. く,既修者クラスで同じ試験を行った結果に肉. と「公法演習Ⅱ」が2クラス編成になったこと,. 薄した.このときには論述力には不安があった. 2006 年度からは「公法総合演習」も2クラス. が,平常点を加味した最終成績では,全員が合. 編成になったことがある程度である(2006 年度,. 格し,41 名中 18 名に 80 点以上がつけられた.. 開講時に公表した内容等は巻末の【別表】参照) .「憲. しかも,論述力の底上げもはっきりみられた.. 法Ⅰ」と「憲法Ⅱ」は 2005 年度から開講時期. 非法学部出身者の成績もよく,特に自然科学系. が変更され, 「憲法Ⅰ」が1年前期に, 「憲法Ⅱ」. 学部出身者の平均点は法学科出身者のそれを上. が1年後期になっている.憲法科目の,法学部. 回った.大学時代の憲法履修の有無などによる. 専門科目を基準とする圧縮の度合いが高いこと. 差も殆どなくなった.つまり,他学部出身者は. は変わらず,相当の工夫が必要な状態が続いて いる(特に2単位科目の「行政法」では深刻であり,. 1)君塚正臣「法科大学院・未修者への憲法教 育─初年度前期実績からの考察」エコノミア 55 巻 2号 79 頁(2004).. 未修者用同科目の4単位化は必要である)..  筆者の担当は 2005 年度から「憲法Ⅰ」に変 更になったが,「憲法Ⅰ」では,憲法総論や人. 『エコノミア』第 57 巻第2号(2006 年 11 月) ,71 − 86 頁[Economia Vol. 57 No. 2(November 2006),pp.71 − 86].

(2) . 権総論から始まるのではなく,具体的で重要度. が開講された.当初の予定4) では,項目が憲. の高い「精神的自由」から講義を開始し, 「経. 法に偏っていたため,担当者により変更がなさ. 済的自由」に展開し,自由権との対比で社会権. れた.2006 年度は,2クラス構成となったが,. や国務請求権,参政権に進み,以上の実体的権. 開講時間帯が隔週の月曜4・5限となったこと. 利との対比で手続的権利を講義し,このような. でもあり,両クラスの担当を分離せず,三邊夏. 個別的人権との対比で包括的人権に進み,最後. 雄教授と原田一明教授のペア,岩崎政明教授と. に人権総論を講ずる構成とした. 抽象度が高く,. 君塚のペアが,原則として2時限毎に両クラス. その重要性が講義時点では見えにくい内容から. を交互に担当する体制を採った.. 始めることは,入学当初の初学者には負担であ.  「Tutorial Ⅰ」では,2004 年度と同様に,1. ると考えたからである.この点は,法科大学院. 年次の夏休みの初めに,3日間8コマの授業を. 設立前に予定していたことである2).. 行った.方法は 2006 年度まで変更はない..  「公法演習Ⅰ」では,2004 年度の第1回で行. Ⅱ.実施. っていた,憲法訴訟概論講義を取りやめ,2005 年度以降は毎回ゼミ形式で行われることとなっ.   「憲法Ⅰ」では,非法学科出身者や,およそ. た.また,年度進行に伴い,2クラス構成とな. 憲法の講義を受講したことのない者が多いであ. った.A組を君塚,B組を原田一明教授(2005. ろうことを踏まえて,従来の法学部の人権部. 年4月着任) が担当した.2004 年度3) との変更. 分の講義の進め方とは異なるべきとした点など. 点では, 「訴えの利益」の対象判例が「板まん. は,計画を予定通り実施した.2004 年度新入. だら」事件(最判昭和 56 年4月7日民集 35 巻3号. 生と異なり,2005 年度新入生では法学部出身. 443 頁)から日蓮正宗管長事件(最判平成5年9月. 者が多数を占め,授業評価の中には,憲法総論. 7日民集 47 巻7号 4667 頁)になったこと,最終回. や人権総論から講義を始める従前のスタイルを. に「それ以外の救済方法」という項目を新設し,. 求める意見もあった.しかし,後述のように,. 郵便法違憲判決(最大判平成 14 年9月 11 日民集 56. この学年の受講生は,法学部出身が多いのとは. 巻7号 1439 頁) をここに回し,と北方ジャーナ. 裏腹に総じて成績が振るわなかった.結局,本. ル事件(最大判昭和 61 年6月 11 日民集 40 巻4号 872. 科目担当の教員側の対応は,初学者が多数の場. 頁)と共に検討してもらうことにしたことであ. 合と同様でよかったと思われる.2006 年度も. る.前者は,主に,2004 年度の授業時に,よ. 同様の方法を維持したが,特に異論は示されな. り多くの論点を含む判例への変更の必要性を感. かった.基本的には,「憲法Ⅰ・Ⅱ」を担当す. じたためである.後者は,1回分学生報告の回. る際には,現行のスタイルは継続する方針であ. が加わったため,2004 年度には窮屈な構成と. る.. なっていた最終回を再考し,事実上,この回の.  予習と復習のために,A4判 20 ページから. 内容を分割して,項目を加えることとしたため. なるプリントを前期開講前に「憲法Ⅰ」受講生. である.. に配布した.この方法は 2004 年度と変わらな.   「公法総合演習」は,年度進行に伴い,2005. い.また,講義途中の人権と立憲主義の歴史を. 年 度 か ら 開 講 さ れ た 科 目 で あ る. 初 年 度 は. 語る部分の講義のレジュメとして,「歴史ノー. 2004 年度入学の既修者 10 名が対象で,三邊夏. ト」10 ページを同時に配布した.また,2006. 雄教授と原田一明教授合同による1クラスのみ. 年度からは全 14 講のレジュメも第1講時まで に配布することとした.. 2)同上 91-92 頁参照. 3)同上 95-96 頁参照. 4)同上 93-94 頁参照..  受講生は 2005 年度が未修者 36 名, 既修者(憲 法については未修) 7名の 43 名,2006 年度が未. 修者 40 名,既修者(憲法については未修)2名の.

(3) . 42 名であった.2004 年度が 41 名であったとこ. すらこの状況であるとすれば,他の大学は調べ. ろで,ほぼこのあたりで安定している.2005. るまでもなく,法科大学院が,広く様々な専門. 年度は既修者が多かったが,それでも憲法につ. を学んだ学生を集めるとした理念にほころびが. いては未修扱いとなった者が多かった.結局の. 見えているようにも思えた.. ところ,憲法について既修であると認められる.  この総社会科学系集中傾向は,中間実力判. 人数は,入学定員 50 名に対して 10 名前後で安. 定試験の際に調査している,受講生の高校時代. 定していることが判明してきている.. の得意科目等にも次第に表れてきている.2005.  平均年齢は 2005 年度が 27.84 歳,2006 年度. 年度は理科に対する苦手意識が強いものの,他. が 26.22 と,2004 年度の 29.88 歳から下がって. の科目での差は大きくなかった.しかし,2006. きている.25 歳未満の者は, 2005 年度が 18 名,. 年度受講生は,得意科目に英語,国語,社会〈地. 2006 年度は 22 名と,これも 2004 年度の 14 名. 歴・公民〉 を回答する者が大半となり,明らか. から増加している.社会人がその職を投げうっ. に数学を苦手にしているなど,文系の特徴が顕. て挑戦したり,苦節十年型の旧司法試験受験生. 著となっている(【グラフ1】参照).また,大学. から転進したりという学生が次第に少数になっ. 時代の憲法履修傾向でも,2005 年度は専門科. ていく傾向が推測できよう.出身大学は,2005. 目では 32 名,教養科目では 15 名が,2006 年. 年度が早稲田 12,東京6,中央5,東京都立3,. 度は専門科目では 27 名,教養科目では 20 名が. 学習院3が目立つが,18 大学に分散している.. 履修済みであり,何れでも履修していないのは. 2006 年度は早稲田8,東京5,横浜国立3,. それぞれ8名,6名に留まった.完全未履修者. 中央3,青山学院3が目立つが,21 大学に分. が 12 名もあった 2004 年度と比べて,大学時代. 散している.2004 年度は 17 大学であったから,. の憲法履修は年々進んでいることがわかる5).. 出身大学の分散化傾向も明らかである.依然と. 但し,このことが,基礎は十分であるから,そ. して早稲田,東京両大学の1・2位は変わって. の次のレベルから講義を始めればよいことには. いないが,慶応義塾の減少は著しい.. 直結しないように感じられた..  次に,出身学部別に見ると,2004 年度は法.   「憲法Ⅰ」でも,法科大学院設立時に宣言し. 学科出身者は 16 名に過ぎず,バランスがよか. た通りに,より具体的で重要な部分から講義を. ったが,2005 年度は自然科学系3名(理工系3),. 始める方式を採った.時間延長はときに5分程. 人文科学系1名(文1),法学を除く社会科学系. 度はあったが,休み時間をほぼ全部奪うような. 10 名(経済・経営5,社会2,政治3),法学科(法. ケースはなく,また補講も休講もなかった.両. 律学科などを当然に含む)29 名と,法学科出身者. 年度とも,2004 年度と同様に,第7講終了時. の割合が3分の2を占め,社会科学系以外の学. あたりで中間実力判定試験を配布し,独自に解. 部出身者が4名に過ぎないという偏りが見られ. 答して翌週に持参することを指示した.. た.2006 年度は,自然科学系2名(農1,理工系1), 人文科学系4名(文3,外国語1),法学を除く 社会科学系 10 名(経済・経営7,社会2,政治3), 法学科(法律学科などを当然に含む)24 名と,そ の傾向は若干緩和されたものの,法学科出身の 比率はなお6割弱である.未修者と言えども, 5割以上が法学科出身となり,社会科学系以外 の学部出身者は 10 名に満たないということが 続いており,初年度が寧ろ例外であったという 印象である.法学部を持たない横浜国立大学で. 5)憲法既修者として合格した者は,2005 年度 に 10 名,2006 年度に 10 名あったが,2006 年度に 経済・経営系,政治が1名ずついるほかは全員が 法学科卒業であった.このうち専門科目として憲 法を未修であった者は各年度1名ずつ(2006 年度 は1名不明)に過ぎない.他方,教養科目として 憲法を履修済みの者は各年度3名ずつに過ぎなか った.2005 年度の6名,2006 年度の4名が最不得 意科目に理科を挙げるなど,さすがに文系色は強 い..

(4) . グラフ 1  「憲法Ⅰ」受講生の高校時代の最得意・最不得意科目 上:2005 年度,下:2006 年度(何れも左:得意,右:不得意).  2004 年と同様に,択一式の基本問題(設問Ⅰ). 係ない内容であるためか,学年によっては真剣. 30 点,択一式の論理整合問題(設問Ⅱ)30 点,. 味にやや欠ける空気が流れることもあった.だ. 論述式(設問Ⅲ)40 点で行い,最終成績には加. が,日本国憲法の解釈を支える意味で,このよ. 味しないこととした.これにはアンケートも添. うな内容は重要である.1年次科目でこれを講. 付し,成績等分析の資料とした.同試験は全員. 義する意味を十分に示しつつ,工夫を加えて講. から提出があった(2006 年度の長期欠席者を除く).. 義していくことが肝要であろう.立憲主義の歴. なお,中間実力判定試験の結果と講評について. 史についても,同様である.. はA4判4ページの配布物を作成した.また,.   「公法演習Ⅰ」では,2005 年度に2クラス. 添削の後,答案を返却し,そこでは学習上注意. 編成とし,両クラスで同一の項目を取り扱い,. すべき点も指摘した.. また,同時進行することとした.2005 年度,.  2005 年度,2006 年度とも,予定通り授業は. 2006 年度とも,予定通り授業は完了した.と. 完了した.5分程度の授業延長は数回あったが,. ころが,最終段階で,専攻長より期末試験の統. 積み残しや前倒しを行うことは殆どなかった.. 一を求める要請があり,担当者は混乱した.結. 補講もなかった.2005 年度までは,授業前に. 局,クラス別に試験を行うことを前提に,それ. 多くの板書を行うことで,効率よく授業を進め. ぞれの方針で演習を行ってきたことから,この. ることに尽力していたが,2006 年度にはレジ. 段階での試験問題の統一は行わず,公平な結果. ュメ配布を終えていたことで,同様の成果を得. になるよう,得点調整を行うに留めた.. ることができたと思われる.精神的自由の講義.  しかし,法科大学院における“平等”の要求. が終了した第5回の講義の後半は,日本憲法史. は,従前の学部や大学院におけるものの比では. を語る時間となったが,新司法試験には直接関. ない.2004 年度の「Tutorial Ⅰ」において,グ.

(5) . 表1 2005 年度「憲法Ⅱ」受講生の成績状況. ループの実力のばらつきや,ある設問が(総点. 自由」を守ることとした.だが,これに類する. で2∼3点のウエイトである程度であるにも拘わらず). ことは,学生の当面の目的が新司法試験合格に. 完全未修者に不利であったことを抗議するコメ. 収斂している法科大学院では恒常的に起こるこ. 「公法演習Ⅰ」 ントも寄せられた6).そのため,. とであり,難しい対応を迫られよう.. でも,2006 年度には期末試験の統一を行うこ.  「Tutorial Ⅰ」では,2004 年度に未修者であ. ととした.しかし,両クラスを教員が毎週交互. る1年生の殆どが履修登録し,その殆どが参. に担当するような“平等”化は見送り,講義担. 加するという意外な盛況となったのであるが,. 当者の個性を生かすことを優先して, 「教授の. 2005 年度になると,未修者 36 名に対して履修. 6)君塚前掲註1)研究 89-90 頁参照.. 登録者 28 名,まともに参加して単位を取得し た者 14 名と大きく落ち込んだ.民法について.

(6) . 表2 2006 年度「憲法Ⅱ」受講生の成績状況. の同様の科目である「Tutorial Ⅱa」が直前に. 題の両クラス統一を行った(追試験・再試験も同. 開講されていたことなども理由であろうが,結. 様).これで定着しそうである.. 局,参加に必要な課題をこなせなかった者が多.  「公法総合演習」では,2003 年度に2クラス. かったようである.2006 年度は,未修者 40 名. 編成となるに当たって,“平等”化要求に応え. に対し,登録者は 31 名(うち2名は既修者),単. る実験として,両クラスを両教員ペアが2時限. 位取得者 27 名と復活傾向にある.授業内容の. 毎に交互に担当する方式を採用した.これは,. 変更はない.但し,2005 年度のみ,初日の開. 隔週2時限連続という変則的な時間割りとなっ. 始が午後となったことに伴い,授業の順序を一. たため,逆に2時限連続の効果を利用して,同. 部入れ換えた.. 一テーマを集中的に学習することを図ることが.  若干ではあるが,2年次以降の演習科目につ. 可能になり,教員ペアが交互に登場することが. いても触れておく. 「公法演習Ⅰ」では,2006. やりやすくなったことが理由でもある.. 年度には,演習項目と対象判例の更なる見直し.  この科目では,「公法演習Ⅰ・Ⅱ」までに基. を行った7).また,前述のように,期末試験問. 本的内容の修得は完了していることを前提に,.

(7) . グラフ 2 成績状況 上:2005 年度,下:2006 年度(共に左:憲法Ⅱ,右:Tutorial Ⅰ). 複数の論点を含むか,抽象度の高い問題を多く 含むもの,最近の判例に目立ったものがある事 7)具体的には以下の通り.「当事者適格」と「訴 えの利益」を合併し,対象判例には,2004 年度に は「訴えの利益」の対象判例であった「板まんだら」 事件を復活させた.もんじゅ訴訟(最判平成4年 9月 22 日民集 46 巻6号 571 頁)を対象判例から 外し, 日蓮正宗管長事件は「司法権の限界−自律権・ 部分社会」の対象判例に回し,共産党袴田事件(最 判昭和 63 年 12 月 20 日判時 1307 号 113 頁)を関 連判例扱いとした.「立法の不作為」という項目は なくし,新たに, 「司法審査基準」という項目を立て, その対象判例には森林法判決(最大判昭和 62 年4 月 22 日民集 41 巻3号 408 頁)を選んだ.また, 「そ れ以外の救済方法」を「文面審査の可能性」と「国 家賠償と救済方法」に分割し,北方ジャーナル事 件と郵便法事件をそれぞれそこに配置した.第3 回から第7回には,報告時に触れることを明確に 要求される関連判例の指示を行い,前述の共産党 袴田事件のほか,朝日訴訟(最大判昭和 42 年5月 24 日民集 21 巻5号 1043 頁),苫米地事件(最大判 昭和 35 年6月8日民集 14 巻7号 1206 頁),全農 林警職法事件(最大判昭和 48 年4月 25 日刑集 27 巻4号 547 頁),按摩鍼灸師法事件(最大判昭和 35 年2月 15 日刑集 15 巻2号 347 頁)がこれに当て られた.. 項を取り上げ,やはり判例研究を行いながら授 業を進めることにした.前述のように,行政法 の学習がやや遅れ易いことに鑑みて,この科目 では若干,行政法にシフトした対応を行った. 本科目は3年次配当で,公法系科目では修了資 格審査という意味を持つことから,授業中に, 予告した設問について教員が順番に指し,解答 を求める方式を採用した.期末試験も統一試験 問題を作成し, 180 分での解答を求めた(追試験・ 再試験も統一問題だが試験時間は 90 分) .. Ⅲ.成績等分析   (1) 「憲法Ⅰ」について.  このような方法により,どのような成果が 上がったか.「憲法Ⅰ」では,中間実力判定試 験を行い,2005 年度は 73.79 点,2006 年度は 77.41 点を記録した.実は,成績評価に無関係 であることから,両年度とも同一の問題を解答 してもらった.2006 年度がややできがよいと.

(8) . いうのは教員の実感に適うものである.択一式.  出身学部との関係で言えば,2004 年以来の. の設問での得点は 2005 年度の方がよいくらい. 自然科学系出身者の優位は変わらない. 次第に,. であるが,論述式の部分(配点 40 点) で,2005. サンプルが少なくなっており,確定的なことは. 年度は平均 19.93 点であるのに,2006 年度は. 言いにくいが,期末試験成績で見ると,2006. 26.79 点と高得点であることがこの結果を生ん. 年に2位になった以外は,他の年度では4つの. でいる.論述力に限っては,この学年はこの科. 類型中1位を維持してきており,平均してコン. 目に関しては,2004 年度受講生を上回る印象. スタントに成績優秀者が多い.これに対して,. がある.. 人文科学系出身者は,期末試験成績で見ると,.  期末試験自体(平常点を加味しないもの)の平均. 2004 年度の3位を除いては,4類型中4位が. 点は,2005 年度は 73.79 点,2006 年度は 74.72. 定位置になりかかっている.この間,法学科以. 点となった.僅差に見えるが,平常点を加味. 外の社会科学系出身者の期末試験成績は,2004. すると,両年度の印象はかなり異なる.2006. 年度の4位,2005 年度の3位,2006 年度の1. 年度は過半数の者に 80 点以上の評点が与えら. 位と躍進しているが,理由は不明である.法学. れた.これは,2004 年度を上回る出来である.. 科出身者は,期末試験で見ると2位か3位であ. この傾向は「Tutorial Ⅰ」まで続いた(【グラフ2】. る.中間実力判定試験の成績では1位でありな. 参照) .これは,中間実力判定試験時に聞いた,. がら,期末試験までに逆転されるパターンが多. 予習・復習時間の平均値に比例している.. く,2005 年度に至っては中間段階で追いつか.  学部段階での憲法学習の有無はどのように反. れていた.結局,法学科出身であるアドバンテ. 映されているか(以下,【表1・2】参照).2005. ージは,憲法に関しては2カ月少々でほぼ消滅. 年度を見ると,中間実力判定試験の成績に関し. してしまい,前期末では意味をなさなくなるこ. ては,寧ろ履修がない学生の方が好成績である. とが,3年間の一貫した傾向として表れた.こ. 傾向が強く,期末試験についても,殆ど差がな. の限りで言えば,法科大学院の入学者は法学科. い.2006 年度を見ると,中間実力判定試験の. 出身であることを期待するということはなく,. 成績に関しては,教養の憲法履修の効果がある. 広く様々な専門的知識と法学的素養を有する学. ように見えるが,期末試験段階では完全未履修. 生を求めるということは,妥当であろう.. 者の成績が4つの類型の中では最高であった..  高校時代の得意科目については,傾向が混沌.  2004 年度は,授業進行に従って,学部時代. としている.2004 年度では英語に正の相関が. の憲法学習の意味は徐々になくなっていく傾向. 多少ありそうであったが,2005 年度以降には. にはあったものの,それでも,期末試験段階で,. そのような傾向が見られない.逆に,ときどき. 教養・専門科目両方での履修者と完全未履修者. 数学に正の相関が見られる場合があるが,はっ. との差は8点近くあった.だが,2005 年度以. きりとは言えない.国語に若干の負の相関があ. 降は,両者の関係は僅かながら逆転しており,. りそうであったが,2005 年以後のデータで見. 学部時代の憲法学習の意味は,1年生前期終了. る限り,この傾向は顕著になっている.このた. 時に完全に消滅すると言ってよい状況が続いて. め,いわゆる「国語力」に特化した入試問題は. いる.このことは,法科大学院に入学する以上. 避けることが, 憲法担当者からの要求となろう.. は,学部時代に憲法を少し勉強していた(特に,.  既修者認定試験の受験状況では,2004 年度. 芦部信喜・佐藤幸治以前のスタイルの憲法学は,法科. 以来,中間実力判定試験の成績は,既修者認定. 大学院での学習に対応できない印象である)というプ. 試験を受けながら不合格になり,「憲法Ⅰ・Ⅱ」. ライドは捨て,最初からやり直す方が早道であ. から受講している者の成績が最もよい. しかし,. ること,未履修者でも追いついていけることを. 期末試験段階では,既修者認定試験を受験しな. 示しているのではないだろうか.. かった完全未修者が,中間では例年8点程度あ.

(9) . った差を3点以内に詰めており,特に 2005 年. との相関は比較的高い.また,憲法の演習であ. 度には僅かながら逆転している.. る「公法演習Ⅰ」との相関は中程度であり,2.  年齢については,例年殆ど期末試験での差は. 年後の最終科目である「公法総合演習」との相. 生じない.強いて言えば,2006 年度の 30 歳代. 関が,意外なことに高かった8).. は優秀であるが,特異なデータと見るべきであ.   「公法総合演習」との相関では,「憲法Ⅰ」が. ろう.性別についても,2004 年度では有意な. 0.25, 「行政法」が 0.33, 「公法演習Ⅰ」が 0.39, 「公. 差がなく,2005 年度の期末試験の成績の平均. 法演習Ⅱ」が 0.04 であるから,最も初期の科. も男性 76.24 点,女性 76.11 点と誤差の範囲内. 目である「憲法Ⅱ」の相関が最も高いというの. である.2006 年度のそれは,男性 77.26 点,女. は意外である.もしもこれが一般的に言えるの. 性 71.06 点と開いたが,中間実力判定試験の成. であれば,最初が肝心であると同時に,入学者. 績では男性 77.13 点,女性 77.81 点であり,特. について同科目を分析して述べたことは,修了. 異なデータと見るべきであろう.. に至るまであまり変わらないと言えるかもしれ.  結局,学部時代の憲法学習の意味や,法学. ない.要するに,学部時代に憲法を履修してい. 科出身であることが前期末でほぼ消滅している. るとか(行政法については,履修率が非常に低く,頼. という,2004 年度のデータで示された内容は,. りにしたくてもできない) ,法学科出身であるとか. その後の2年度を通しても証明できると言えよ. いうことは,最終段階まで見たとしても,あま. う.また,年齢や性別では有意な差がないとい. り関係ないのではないかということである.1. うことも維持できよう.高校時代の得意科目に. 年次前期の総合成績と後期の総合成績との相関. 関しては,国語の負の相関はかなり色濃くなっ. は 0.8 程度で非常に高いという話もある.だと. ているが,英語が正の相関であるかは曖昧にな. すれば,総じて,成績の交錯はないのであって,. り,或いは数学に寧ろ正の相関がある印象もあ. 1年次前期の分析で,当該学年のその後もかな. り,これら科目のインパクトについては,なお. り占えるとさえ言えるのかもしれなかった(但. 明確なことが言えない段階にあると言えよう.. し,この学年はまだ修了しておらず,新司法試験も受.  . 験していない.そこまで傾向が一貫することを見ずし.  (2) 高年次科目との関係について. て,法科大学院では多くを語らない慎重さも必要であ.  さて,このような傾向は,高学年まで維持さ. ろう)9).. れるものであろうか.維持されないとすれば,.   「公法総合演習」の成績を出身学部別に見る. ここでの主張は,単に,未修者1年生クラスを. と,その本試験(平常点を含む)の平均点は,自. 無難に乗りきるための戦略を語っているに過ぎ. 然科学系が 64.83 点,人文科学系が 64.57 点,. ず,無事修了,最終的な新司法試験合格,そし て良き法曹を育成していくことにはつながらな いからである.  この点,3年次まで達し,公法系科目の履 修が一応は修了している 2004 年度入学の未修 者について,簡単な追跡を行った.その結果, 2004 年度の「憲法Ⅱ」とその後の科目の成績 の相関を調べると, 「憲法Ⅰ」が 0.16, 「行政法」 が 0.52, 「公法演習Ⅰ」が 0.34, 「公法演習Ⅱ」 が 0.21, 「公法総合演習」が 0.50 であった.さ すがに,負の相関はない. 「憲法Ⅰ」との相関 が非常に低いことは意外である. 他方, 「行政法」. 8)公法各科目間の相関を調べると, 「憲法Ⅰ」 と「公法演習Ⅰ」のそれが 0.36 と中程度であるこ となどは理解できるが, 「行政法」と「公法演習Ⅱ」 のそれが 0.10 であることなどは, 「憲法Ⅰ・Ⅱ」相 互間の低い相関以上に理由がよくわからない. 「公 法演習Ⅱ」は「公法演習Ⅰ」と 0.14, 「公法総合演習」 との相関が 0.04 しかないなど,他の公法科目との 相関が押し並べて低い特徴がある. 9)2006 年度の新司法試験の合格者と不合格者 を比べると, 「公法演習Ⅰ」 では 4.8 点, 「公法演習Ⅱ」 では 4.4 点の差があったが,「公法総合演習」では 2.0 点しか差がなかった.入試の成績からも有意な 差は表れなかった..

(10) . グラフ 3 2006 年度総合授業評価(左:「憲法Ⅰ」,右:「Tutorial Ⅰ」). 社会科学系(法学科を除く) が 60.82 点,法学科. が 0.28,「公法演習Ⅰ」が 0.33 であり,大きな. が 62.47 点であり,2年前の「憲法Ⅱ」の時点. 傾向の変化はない.. の傾向とあまり変化がない.それどころか,法.  以上の分析からすれば,取り敢えず,2年前. 学科出身者の沈下傾向がはっきりしたとさえ言. の分析はかなり有効であったことは確認できよ. える.これは,専門科目で憲法を履修したかど. う.次年度以降もこの傾向が継続するかは,更. うかにもほぼ同じことが言え,入学して半年で. なる追跡を要するが,あと数回の追跡で,一定. 消えた,学部時代の履修の効果が復活すること. の傾向が明らかになると思われる.. はないのである 10).  また,学部時代の履修状況でも,教養・専門. Ⅳ.授業評価. とも履修しなかった者の同科目の平均は 61.00.  授業評価については,2005 年度に研究高度. 点,専門のみ履修者で 63.79 点,教養のみ履. 化委員会が実施した内容がラフなものであった. 修者で 62.88 点,教養・専門とも履修した者で. ため,授業改善にあまり役立たないものであっ. 63.33 点と僅差である. 「憲法Ⅱ」(平常点を含む). た.このため,この項目は,2006 年度に力点. の総合点で7点以上あった差(教養・専門とも履. を置いて分析を進めたい.なお,2006 年度の. 修しなかった者では 73.18 点,両方とも履修した者では. 授業評価は,それまでと異なり,よい方が1,. 80.50 点)はほぼ消滅した.高校時代の得意科目. 悪い方が5となっていたため,複数年度比較. の影響は残っており,この学年では英語を得意. のため,裏返しにして(よい方が5,悪い方が1). とした者の優位が続いている(平均点は,英語が. 表記することにする(複数年度比較のためには,こ. 得意の者は 63.88 点,不得意な者は 58.46 点,これに対. のようなアンケート方法の変更はしないことが望まれ. して,数学が得意な者は 59.67 点,不得意な者は 64.32. る) .また,「公法総合演習」の授業評価は他の. 点であった).入学時 25-29 歳の者の平均点がこ. 教員のものも含むため,公表しない.. の科目だけ突出している(この年齢層の平均点は.  2004 年 度 の「 憲 法 Ⅱ 」 の 総 合 評 価 は 4.26. 69.22 点で,他は本試験 60 点前後であった)が,理由. で あ っ た が,2005 年 度 の「 憲 法 Ⅰ 」 の そ れ. はよくわからない.. は 3.86 に 下 が り,2006 年 度 は 4.17 に 回 復 し.  因みに,2005 年度入学生に関しては,筆者. た.興味深さ 4.19,授業理解 3.94,意欲や熱意. の担当した「憲法Ⅰ」との相関では, 「憲法Ⅱ」. 4.47,わかりやすさ 4.33,シラバス通りの進行 4.81 という内容からすると,特にシラバス通り. 10)2004 年入学未修者の「公法総合演習」の成 績と入試成績との相関は 0.15 であり,なきに等し かった.. の進行を守りつつ,熱意を示したということを 評価している印象である 11).難易度 3.47,分量 3.47,スピード 3.44(何れも,3がちょうどよいと.

(11)  いう評価) というのは,それぞれほぼ適度であ. が,「憲法Ⅱ」の総合評価の傾向と併せて考え. ったと考えられる.多少の負担は感じていた感. ると,或いは単純に,2005 年度入学生との相. もあるが,適度な負担であったとも言えよう.. 性の悪さ,もしくは評価の厳しさに帰着するか.  2005 年度の平均予習時間は 2.1 時間,復習時. もしれない.特に,授業方法に関する注文はな. 間は 4.3 時間であり,復習に時間をかける特異. く,報告担当の順番等(試験前には当たりたくない,. な学年であったことが言えよう.2006 年度は,. グループの実力のばらつきが大きい) に関する“平. 授業評価の内容から3時間を少し超える予習時. 等”を求める声がやはりあった.担当の順番は,. 間と,3時間と少しの復習時間が平均的姿であ. 最初の数回以外は受講生に委ねており,改善に. ると読み取れ,2004 年度の傾向(予習 2.9 時間,. も限度がある.要するに,理解力不足,勉強不. 復習 1.4 時間)に近づいた.しかし,全般に予習・. 足を授業運営システムの責任に転嫁する傾向が. 復習にかける時間は年々増加する傾向にあり,. 2006 年の2年生には見られる,と読むべきで. 好ましいことである.. はなかろうか..  なお,個別の表記の中で,2005 年度に,レ.   「Tutorial Ⅰ 」 で は,2004 年 度 の 総 合 評 価. ジュメを配布すべきという声があった.レジュ. 4.40 に続き,2006 年度には 4.57 が示され,高. メの配布は,そのままノートを取らなくなるこ. い支持を受けている(夏季集中講義については 2005. とに直結し,最も集中している授業中に重要事. 年度は授業評価を行わなかったようである) .興味深. 項や論点を理解して覚えなくなることから,避. さ 4.82,意欲や熱意 4.78,わかりやすい説明. けてきたことである.しかし,2006 年度には,. 4.50 などと何れの項目も評価が高い.難易度. レジュメの配布,それも全 14 回分を学期初め. 3.71,分量 3.18,スピード 3.18 ということから,. に全て配布することに踏み切った.2006 年度 に限っては,特にこのことによる授業態度の変 化はなかったようであり,当面,この方法を継 続してみる予定である.ほかの点では,強い改 善意見はなく,この点からも,現在の授業スタ イル・内容を維持してよいものと思えた 12).  「公法演習Ⅰ」では,2005 年度の総合評価は 3.79 であったが,2006 年度は 3.48 と低下した. 意欲や熱意 4.19,興味深さ 3.95 と高かったが, 授業理解 3.52,わかりやすい説明 3.57 という 項目が低く,足を引っ張った.また,難易度 3.95,分量 3.75,スピード 3.48 ということか ら,内容が難しいと感じた受講生が多かった. 授業内容は毎年精査しており,また,取り上げ る項目が年々難化しているとは思えない.授業 方法の改善は検討しなければならないであろう. 11)教養講義についてではあるが,シラバス通 りの進行ということが,授業の総合評価や,当該 クラスの成績と高い相関があることが示されてい る.君塚正臣「東海大学教育研究所研究資料集」 4号1頁,20 頁(1996).. 12)ところで,2005 年度後期には筆者は教養科 目の「日本国憲法」を担当したが,授業満足度は 3.63(回答者数 64 名)と低目に出た.これは,教 科書として指定していた君塚正臣=藤井樹也=毛 利透『Vir tual 憲法』(悠々社,2006)の刊行が 11 月中にずれ込み,教科書の指定した部分を読んで あることを前提に授業を進める当初の予定が狂っ たことと,90 分いっぱいいっぱいの講義は,教養 の授業としてはどちらかと言えば学生の反感を買 うこと,その結果,学生の理解度の印象が 3.41 と 低くなったことが挙げられよう.授業の密度を下 げ,トピックス中心の講義を行うか,授業の進度 を下げて丁寧に進めるかの選択が,2006 年度には 必要であろう.  なお、このクラスで「憲法 9 号は改正したほう がよいか」と聞いたところ, 「非常にそう思う」が 11 名, 「そう思う」が 8 名,「どちらともいえない」 が 10 名,「あまりそう思わない」が 9 名,「まっ たくそう思わない」が 22 名で,5段階評価の平均 で 2.62(やや改正反対傾向)であった.また, 「憲 法裁判所を設置する憲法改正をしたほうがよいか」 と聞いたところ,「非常にそう思う」が8名, 「そ う思う」 が 20 名, 「どちらとも言えない」が 19 名, 「あ まりそう思わない」が6名, 「まったくそう思わな い」が7名で,5段階評価の平均で 3.27(わずか に改正賛成傾向)であった..

(12) . 量もスピードも適度で,やや歯ごたえのある内. 2006 年度が実質初年度であった「公法総合演. 容であり,満足度が高かったことが伺える.1. 習」については,或いは次年度も修正を余儀な. 年次科目では,どうしても基本事項を教えるこ. くされるかもしれないが,他の科目については. とが重視され,双方向性の若干低い授業が展開. 大きな変更を要しない程度になってきている.. されやすいが,夏季集中講義は,多くの学生が. 受講生の成績データからも,その傾向はあまり. 不安を抱えているであろう論述を実践し,添削. 変わらず,初年度になされた対策の多く,提言. を受ける機会が多くなり,学生の満足度も高く. の多くは,今なお有効であろうと確信するに至. なるのだと思われる.但し,その分,担当教員. っている 13).今後は,入学する学生の微妙な変. の負担も非常に大きく,年齢と共に現在の方法. 化に注意しつつ,講義方法やスタイルに微修正. は維持できなくなる感もある.. を加えると共に, 判例や学説の動向を踏まえて,. おわりに. 講義内容や演習項目を少しずつ修正していくこ とに尽力すべき段階にきていると思われる..  法科大学院も3年目を迎えて,成果の一部を 示すに至った.4年目である 2007 年には,未 修者コースから最初の修了者が出る.入学前の 蓄積を頼りにせず,法学適性を各法科大学院が 認定して入学を決めた学生であり,その成果 は,各法科大学院の実力を測るものとなるかも しれない.2006 年度の新司法試験の結果より, 2007 年度のそれを,各法科大学院は戦々恐々 として見つめることとなろう.そして,優勝劣 敗は比較的早く表れるという風評が既にある. 当分の間,法科大学院制度が激動に晒されるこ とは避けられないのかもしれない.  他方,3年目にして,入学する学生が落ち着 いた水準になってきた印象もあり,2007 年度 入試を経てもこれが激変することはないように 感じられる.過剰な期待に包まれた初年度,新 司法試験合格率の予定が公表され,冷や水を 浴びせられた2年目のような事情はない.今後 は,一定の覚悟を有する受験生が,質的激戦を. 【別表】 配布物等に示された講義計画  憲法Ⅰ(憲法と人権)  Ⅰ 授業の目的と到達目標  本科目では,法学未修者を対象に,憲法の人権論全 体を講義する.高度複合問題はなるべく2年次科目に 回す一方,初段階を理解するために必要基本事項をき っちり学習させることを主眼とする.  これまで法学部の「憲法(基本的人権)」講義では, 人権の歴史に始まり,人権総論に進むのが通例であっ たが,抽象論から始まる講義は初学者にはわかりづら く,また裁判の場で直接有用なものが後回しになると いう問題があった.そこで,本科目ではより具体的な 個別的権利から入り,特に憲法論としては重要論点の 多い精神的自由から講義を始め,対比関係を有する分 野に議論を広げていき,人権総論などの抽象的な部分 は,理解が進んでから講義することとする.学問的に 或いは教養としては重要なものでも,訴訟論として不 必要なものはカットし,内容を精選する.. 経て入学し,比較的安定した水準の学生が講義 に現れるものと予想している.非法学部出身者 が大量に押し寄せることはないが,法学部出身 者の多くは基本科目の基礎がためを必要として おり,現在のような未修者・既修者の比率が均 衡点となっていく予感である.また,法学部の 存在意義は問われていくであろう.  法科大学院の授業スタイルは,試行錯誤の段 階を終えて,かなり確立してきたのではないか とも思える.筆者の担当する科目においても,. 13)このような傾向は,憲法に限ったことなの かもしれない.例えば,刑法では,独特の用語や 哲学的な総論体系などがあるので,やはり多少は 履修したことのある法学科出身者が有利,という ことはあるかもしれないし,民事訴訟法では,予 習の大変さなどから,過去の履修実績が意味があ るのかもしれない.これらの科目まで含めての一 般化は難しい.なお,対比として,川又伸彦=渡 井理佳子「アメリカの法科大学院における公法系 科目の教育方法」日大院法務研究 2 号 135 頁(2006) も参照..

(13)   Ⅰ−1 関連科目との関係. 第 15 回 試験.  本科目は, 同じく1年次配当の「憲法Ⅱ(憲法と権力) 」. ※講義内容を詰める段階で,題目・内容を若干変更した. とともに,憲法に関する基礎科目である.これら2つ. ※適宜,近代立憲主義・人権の歴史を組み込む予定です. の科目のうえに,「公法演習Ⅰ・Ⅱ」と「公法総合演習」.  授業を進める上での留意点. がある..  最初に学生を指名して,前回の重要事項について,.  Ⅱ 授業方法. 解答を求める..  本科目が法学未修者を対象とする初級段階であるた.  次に,適宜さまざまな角度からの質問を発しながら,. め,講義スタイルを中心にする.また,予習より復習. (1) 学説はどのような点で対立し,どのような点. に力点をおき,講義の最初5分程度は前回の要点確認. で一致しているかを理解させ, 法律学において「唯. に当てる.予習指定事項については適宜質問を行う.. 一の正解」はなく,議論が大切であることを体感. 従来の法学部のマス・プロ講義の弊害が指摘されてき たことに鑑み,受講生をランダムに指名したり,小テ ストを行ったりする.本科目が法学未修者用科目であ るため,基本事項や論点についての到達度を確認する 最終試験を行う.平常点とその試験結果を合わせて成 績とする.追試験を行うことも検討される.  Ⅱ−1 教科書・参考資料など. させ, (2) 判例はどのような読み方が可能かを示し,批 評の方法を学ばせ, (3)  教科書・参考書は,漠然とではなく注意深く読 むことを理解させ, (4)  問題を体系的に考え,事例に根拠ある結論を 導き出させ,.  教科書は川岸令和ほか『憲法』 〔新版〕 (青林書院). (5)  憲法と他の法分野との関連性を認識させる(特. を使い,佐藤幸治ほか編『判例講義憲法Ⅰ・Ⅱ』 (未刊,. に,これまでの憲法学がときに独自の観念論・哲. 悠々社)又は戸波江二ほか編『法科大学院ケースブッ. 学などに陥りがちであった点は継承しない).. ク憲法』(日本評論社)を予習・復習用テキストとして 指定するが,芦部信喜ほか編『憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ』 (第 4版,有斐閣),長谷部恭男ほか編『ケースブック憲法』 (弘文堂),初宿正典=戸松秀典編『憲法判例』 (第4版 補訂版,有斐閣)でもよい.参考書として,君塚正臣= 藤井樹也=毛利透『VIR TUAL 憲法』 (悠々社)を指定 する.  Ⅲ 授業計画(主題と内容) 第1回 精神的自由(1) :内心の自由・表現の自由(1) 第2回 精神的自由(2):表現の自由(2) 第3回 精神的自由(3):表現の自由(3)・集会結 社の自由 第4回 精神的自由(4) :信教の自由と政教分離(1) 第5回 精神的自由(5) :信教の自由と政教分離(2) ・ 学問の自由と大学の自治,日本憲法史 第6回 経済的自由,憲法の歴史(その1) 第7回 社会権 第8回 身体的自由と手続的権利 第9回 国務請求権と参政権,憲法の歴史(その2) 第 10 回 平等権,憲法の歴史(その3) 第 11 回 幸福追求権,人権の体系 第 12 回 公共の福祉と二重の基準論,憲法の歴史(そ の4) 第 13 回 人権享有主体,憲法総論(その1) 第 14 回 人権規定の射程,憲法総論(その2).  公法演習Ⅰ(憲法訴訟の諸問題)  本科目は,1年次の「憲法Ⅰ」および「憲法Ⅱ」を 履修した者を対象に,憲法訴訟の理論的問題の検討を 行う.憲法訴訟という独自の訴訟手続があるわけでは ないので,民事事件,刑事事件,行政事件のなかで争 われる憲法問題に関して,争うための基本的要件など, 主に憲法訴訟の手続的側面について研究する.前半で は日本国憲法の司法権概念,具体的事件争訟性を軸に, 一般に裁判所が事件として採り上げる類型を検討する. 後半は,裁判所が憲法事件として扱う際に特有の問題 を検討する.受講生の判例報告を端緒に,講義担当者 による質問,それに対する回答と討論で授業を進める. 1)現実的事件性−警察予備隊訴訟(最大判 1952・ 10・8 民集 6 巻 9 号 783 頁) 2)当事者適格・訴えの利益−「板まんだら」事件(最 判 1981・4・7 民集 35 巻 3 号 443 頁) 3)終局性−皇居外苑使用不許可取消事件(最大判 1953・12・23 民集 7 巻 13 号 1561 頁)〔関連判例〕 朝日訴訟 (最大判 1967・5・24 民集 21 巻 5 号 1043 頁) 4)司法権の限界−自律権・部分社会 ? 日蓮正宗 管長事件(最判 1993・9・7 民集 47 巻 7 号 4667 頁) 〔関連判例〕共産党袴田事件(最判 1988・12・20 判時 1307 号 113 頁) 5)司法権の限界−統治行為論−砂川事件(最大判 1959・12・16 刑 集 13 巻 13 号 3225 頁 )  〔 関 連 判.

(14)  例〕苫米地事件(最大判 1960・6・8 民集 14 巻 7.  ・ 指定した判例のそれ以外の憲法上の論点も指摘し, 簡単に解説すること. 号 1206 頁) 6)先例拘束性・判決の効力−尊属殺重罰違憲判決 (最大判 1973・4・4 刑集 27 巻 3 号 265 頁) 〔関連 判例〕全農林警職法事件(最大判 1973・4・25 刑.  報告者以外の者  ・指定した判例を読み,論点を把握すること  ・ 最低限,指定した教科書の該当箇所は読んでおく こと. 集 27 巻 4 号 547 頁) 7)司法審査基準−森林法判決(最大判 1987・4・22.  ・ 自分の立場を決め,議論に参加できるようにして おくこと. 民集 41 巻 3 号 408 頁)   〔関連判例〕按摩鍼灸師法 事件(最大判 1960・2・15 刑集 15 巻 2 号 347 頁).  ・ キー・ ワードを復習しておく(必要があれば1年次 科目に戻る). 8)憲法訴訟上の当事者適格−第三者所有物没収事 件(最大判 1962・11・28 刑集 16 巻 11 号 1593 頁) 9)憲法判断回避−恵庭事件(札幌地判 1967・3・29 下刑集 9 巻 3 号 359 頁) 10)合憲限定解釈・特別権力関係−東京都教組事件(最 大判 1969・4・2 刑集 23 巻 5 号 305 頁) 11)適用違憲と合憲性判断テスト−猿払事件(旭川 地判 1968・3・25 下刑集 10 巻 3 号 293 頁) 12)法令違憲と救済方法−衆議院の議員定数不均衡 (最大判 1976・4・14 民集 30 巻 3 号 223 頁) 13)文面審査の可能性−北方ジャーナル事件(最大 判 1986・6・11 民集 40 巻 4 号 872 頁) 14)国家賠償と救済方法−郵便法事件(最大判 2002・9・ 11 民集 56 巻 7 号 1439 頁).  ◎演習の進め方  報告者:A4 横書き表裏刷 4?8 頁のレジュメを冒頭に (できれば事前に)配布 インターネット経由の配布も 許すが,教員には紙媒体も渡すこと 30 分程度で報告 を終える 報告者以外の者,教員からの質問に回答し, 自説を防御する  全員:報告に対して,事実関係や議論の前提につい てまず質問する その後,報告者の立場(判例の理解 など主観的な部分)に質問する 立場を異にする学生 からの反論に応答する 教員はランダムに指すので, その質問に答える  ◎ 演習終了後  全文読んでいない関連する判例は読んでおく 議論.  演習の進め方. についていけなかったこと,不明だったことは調べる.  *報告者:当初4回程度は,担当教員が原則として.  十分立論できなかった点は,さらに理由を固めるべ. 3名ずつ,未修者新2年生から名簿順に指名する.そ. く学習する 不足が指摘された事項は,次週に補足レ. れ以降は,受講生が相談して担当を決めること.なお. ジュメを配布すること それでも疑問が残れば,メー. その際に,全員が2回以上報告を担当するようにする. ルで予約の上,オフィスアワーに来る 憲法の基本書. こと,既修者・再履修者のみ,もしくは未修者新2年. は,2年次(既修者は1年次)夏休みまでに1冊熟読. 生だけが報告者となることは避けること.再履修者は,. する. それまで担当した判例以外を担当するようにすること..  成績評価. 各回の報告者が決まったら,責任者が担当教員まで4.  試験(6割)と平常点(出席,報告,発言・態度). 月中に知らせること..  試験:仮の事例につき,当事者双方の主張を考え,.  ◎予習事項. 最終結論を出す形式が標準 問題については原則とし.  報告者(各3−4名). て,担当教員相談の上,共通問題とする.  ・論点について,主要学説を把握し,まとめること.  但し,出席(遅刻・早退も一部欠席と換算)が3分の. (報告者で相談し,立場を別にする2つ以上意見を 提示すること). 2未満である者,発言が極端に少ない者,予習・復習 の欠如が繰り返された者,報告を無断欠席した者,や. 特に,報告者全員判例全面賛成(反対)という報. むを得ない事情がないにも拘わらず演習運営に支障が. 告はしないこと. ない措置をせずに報告を欠席・遅刻した者,報告内容が.  ・ 指定した判例(関連判例も含む)を全部読んで, まとめてくること  ・指定外の, 関連すると思う判例を「百選」などで読み, 概略を紹介すること  ・論点について自説をまとめ,理由を付すこと. 著しく水準を欠き修正がなされなかった者,教員の指 示に従わないことが頻繁である者,その他演習の運営 に著しい損失を与えた者,法曹の資質に重大な疑義の ある者は,受験資格を与えず単位を付与しない場合が ある..

(15)   以上により 60 点に達しない者は再試験となる(平常 点はないので注意すること)  教科書:長谷部恭男ほか編『ケースブック憲法』 (弘 文堂). 裁ホームページ),近鉄特急事件(最判平成 1 年 4 月 13 日判時 1313 号 121 頁)  3)まちづくりをめぐる行政紛争  担当 三辺・ 原田  宝塚市パチンコ店規制条例事件(最判平成.  予習・復習用テキスト:川岸令和ほか『憲法』 〔新版〕 (青. 14 年 7 月 9 日 民 集 56 巻 6 号 1134 頁, 大 阪 高 判. 林書院), 芦部信喜(高橋和之補訂) 『憲法』 〔第三版〕 (岩. 平成 10 年 6 月 2 日判時 1668 号 37 頁, 神戸地判. 波書店),戸波江二ほか編『法科大学院ケースブック憲. 平成 9 年 4 月 28 日判時 1613 号 36 頁),国立マン. 法』 (日本評論社),芦部信喜ほか編『憲法判例百選Ⅰ・Ⅱ』. ション訴訟(東京地判平成 14 年 12 月 18 日判時. 〔第四版〕(有斐閣),佐藤幸治ほか編『判例講義憲法Ⅰ・. 1829 号 36 頁,東京高判平成 16 年 10 月 27 日(判. Ⅱ』(未刊,悠々社). 時 1877 号 40 頁).   参 考 書: 初 宿 正 典 = 戸 松 秀 典 編『 憲 法 判 例 』 (第.  4)立法不作為及び公法上の確認訴訟  担当 岩. 四版補訂版,有斐閣) ,君塚正臣=藤井樹也=毛利透. 崎・君塚 在外邦人選挙権事件(最大判平成 17 年. 『VIRTUAL 憲法』(悠々社)  基本書:野中ほか,高橋,長谷部,佐藤幸治,松井 など適当なものを1冊. 9 月 14 日判時 1908 号 36 頁),在宅投票制度廃止事 件 (最判昭和 60 年 11 月 21 日民集 39 巻 7 号 1512 頁)  5)外国人の公務就任権と公務員制度  担当 三.   〔講義要綱記載事項(念のため) 〕. 辺・原田 東京都管理職試験受験資格判決(最大.  1−2 履修目標. 判平成 17 年 1 月 26 日判時 1885 号 3 頁),外国人.  判例を自ら読み,自らの理解力で整理し,特に憲法. の地方参政権(最判平成 7 年 2 月 28 日民集 49 巻. 訴訟上,何が論点であるかを指摘し,判例や学説を踏 まえて自分なりの結論を導く「力」の養成を目的とする.. 2 号 639 頁)  6)情報公開   担当 岩崎・君塚 知事交際費. そこでは,一般の民事・刑事・行政の訴訟がいかにし. 公開請求事件(最判平成 6 年 1 月 27 日民集 48 巻. て憲法訴訟として争われることになるのか,憲法訴訟. 1 号 53 頁),知事交際費第二次上告審判決(最判. 上の問題点はどのようなところにあるかなどについて の基本的な考え方を身につけることを目標とする.. 平成 13 年 3 月 27 日(民集 55 巻 2 号 530 頁)  7)行政手続と靖国訴訟 担当 合同 成田新法事.  1−3 関連科目との関係. 件 (最大判平成 4 年 7 月 1 日民集 46 巻 5 号 437 頁),.  1年次の「憲法Ⅰ」および「憲法Ⅱ」を履修した者. 靖国訴訟(大阪地判平成 16 年 2 月 27 日,松山地. を対象としている.したがって,本科目を履修するた. 判平成 16 年 3 月 16 日,福岡地判平成 16 年 4 月 7. めには,これらの科目を履修しているか,憲法の既修. 日判時 1859 号 76 頁). 者認定を受けていることが必要である.さらに,本科 目は,2年次の「公法演習Ⅱ」とともに,3年前期の「公.  Tutorial Ⅰ. 法総合演習」を履修するための前提となる科目である..  期日:8月2日(水)−4日(金).  *蛇足であるが,「行政法」の勉強を早めに固めるこ.  時間:2 - 4限(10:30 - 12:00,13:00 - 16:10). とが肝要である.全国的にみても「行政法」を苦手と.  最終日のみ 14:30 終了を目標とする.. する法科大学院生は多い.先手を打てれば,極めて有.  教室:国経法棟 305. 利だ.憲法訴訟に絡めて行政訴訟(と民事訴訟!)を.  目的:主として「憲法Ⅰ」の点検を行い,特に論述. 理解しよう. に慣れること..  .  2日:択一・論述問題を作り,解き,解説をする.3日:.  公法総合演習. 自己点検問題・ 「憲法Ⅰ」期末試験を解き,解説をする..  1)処分性(取消訴訟の対象)  担当 三辺・原田 . 「憲法Ⅰ」要点を復習し, 「憲法Ⅱ」重要事項を予習する.. 医療法 30 条の 7 に基づく「勧告取消請求事件」 (最. 4日:新問題を解き,解説をする.基本書のクリニッ. 判平成 17 年 10 月 25 日最高裁HP) ,勧告取消等. クをする.. 請求事件(最判平成 17 年 7 月 15 日判時 1905 号.  授業方法:主に,討論による作問・解答と,教員に. 49 頁). よる解答と解説.  2)取消訴訟の原告適格  担当 岩崎・君塚 小.  課題:(開講までに次のことを行い,A4横書きでま. 田急高架橋訴訟(最大判平成 17 年 12 月 7 日最高. とめておくこと) 1.4者又は5者択一の問題で正解.

(16)  率 60%程度の憲法の問題を作れ 2.新司法試験に相.  〔付記〕  本研究に当たっては,三邊夏雄教授,岩崎. 応しい憲法の論述問題(採点基準付き)を作れ 3.自. 政明教授,原田一明教授,大学院国際社会科学研究科. 己点検問題のうち各回2番の問題から1つ,解答を作. 事務室のご協力を得ました.記して感謝いたします.. れ 4. 「憲法Ⅰ」期末試験(論述)の答案を再度作れ.  なお,2007 年度より,「公法演習Ⅰ・Ⅱ」についても,.  5.以下の旧司法試験論文本試験問題第1問(省略). 両クラスを両教員が1時限毎に交互に担当する方式を. の解答を作れ  . 採用する見込みである..  *課題は,記名して各々別の紙に書き,別々に提出.  また,筆者の授業の試験等については,君塚正臣「実. できるようにすること.また,現時点で読むべきだと考. 践応用演習・憲法−全未修者対応の学習段階・学年に. えた憲法の基本書を1つ選定せよ.. 応じた試み」ロースクール研究4号 141 - 152 頁(2007).  評価方法:課題及び授業中の発言等を主とする. (原. も参照されたい.. 則として課題未提出者・丸1日を超えて欠席した者は 評価外とする.)  その他:質問があれば,メールを出してください.  . (横浜国立大学大学院国際社会科学研究科教授).

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