• 検索結果がありません。

2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告"

Copied!
22
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)Title. 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告. Author(s) Citation. 釧路論集 : 北海道教育大学釧路校研究紀要, 第39号: 73-93. Issue Date. 2007-11. URL. http://s-ir.sap.hokkyodai.ac.jp/dspace/handle/123456789/1093. Rights. Hokkaido University of Education.

(2) 釧路論集一北海道教育大学釧路校研究紀要一第39号(平成19年). KushiroRonshu,−JournalofHokkaidoUniversityofEducationat Kushiro−No.39(2007):73−93.. 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告 彦史也一子子美. 克清慎浩朗牧俊. 生瀬居川岡野山. ● ● ●. ●. 良 輝 夫. ●. ●. 本 あゆみ・照 井 貴 幸・庄 子. ●. 司剛. ●. 田 絵理奈・大 西 康 史・佐 藤. ●. ●. 嶋 倫 子・工 藤 晋 子・久保田. ゆ. 下 智 之・濱 渕 雅 樹・田 崎. ●. 川 義 孝・水 上 俊 司・辻 川. 麻村土荒亀小室. 階 美 幸・大 野 孝 喜・小 林. り博宏久文. ●. さ一智博浩. ●. 織祥久輔也雄. 香敬克大哲文. 田林田島輪田木. 佐二笹森寺中渕比. ●. 孝諭. 政. 林太小柴森花造大. 藤 毅・斉 藤 敦 司・大 月. 北海道教育大学附属釧路小学校 ●. 北海道教育大学附属釧路中学校 北海道教育大学釧路校. Report on cooperative research with Hokkaido University of Education Kushiro campus andits attached Elementary andJuniorin2006 Masataka HAYASHI,TakeshiSATO,AtsushiSAITO,SayuriOHTSUKI,Katsuhiko Aso, SatoshiOHTA,MiyukiNIKAI,KohkiOHNO,Kazuhiro KoBAYASHT,KiyofumiMuRASE, KaoriKoBAYASHI,Yoshitaka SASAGAWA,ShunjiMIZUKAMI,Tomohiro TsuJIKAWA, Shinya DoI,YukiyoshiSHIBATA,TomoyukiMoRISHITA,MasakiHAMABUCHl, Hirohisa TASAKT,KohoichiARAKAWA,Katsuhisa MoRISHIMA,Tomoko TERASHIMA, Shinko KuDO,HirofumiKuBOTA,Akiko KAMEOKA,Daisuke HANAWA,Erina NAKATA YasushiOHNISHT,Tukasa SATO,Makiko ONO,Tetsuya ZoHODA,AyumiFucHIMOTO, TakayukiTERUl,TakeshiSHOHJI,ToshimiMuROYAMA,Fumio OHKI,Teruo HIRA. Kushiro Elementary Schoolattached to Hokkaido University of Education KushiroJunior High Schoolattached to Hokkaido University of Education Hokkaido University ofEducation Kushiro campus. 要 旨 本学では、2004年度より附属小・中学校と大学による協同研究委員会を組織し、教育研究の推進に着手し、 今年で3年目を迎える。2006年度は、附属小・中学校合同研究会において全教科で研究発表を行った。本稿 ではそれらを中心に、2006年度におけるその活動の概略を記した。. 究委員会を組織し、それらの活動に取り組んできた。一方、. Ⅰ 目 的. 同じく中期目標・中期計画では、附属学校圃が小一申達携. 大学と附属学校圃の連携による研究が、これまでは必ず や異校種連携を内容とした研究推進を行い、新しい授業や しも活発とは言えないという課題に取り組むべく、. 中期目 カリキュラムなどの開発といった成果を教育現場に広く還. 標■中期計画が策定され、その実現と活性化が求められて 元させるという役割を担うことが示されている。 いる。本学においては、附属小・中学校と大学との共同研 そこで、本学においても2004年度より大学教員を共同研. −73−.

(3) 林 政孝 他 究者に加え、附属小・中学校の連携研究を推進する活動を. 以上のことから、小学校と中学校とが従来の「小学校の. スタートさせた。本稿では、2006年度の附属小・中共同研. 概念」「中学校の概念」を取り外し、義務教育9年間におけ. 究大会での研究発表を中心にその活動を報告する。. る児童生徒の学びや成長という視点から、改めて「小学校 の役割」「中学校の役割」を見直す必要がある。そのため、 小学校と中学校の9年間を通した連携は非常に重要である。. Ⅱ 総 論 1 小申達携の必要性. 2 研究のねらい. 義務教育の目的は、一人一人の国民の人格形成と、国家・. 今日の学校教育では、「生きる力」という生涯にわたって. 社会の形成者の育成の2点に集約することができ、この両. 心身ともに健康で豊かな人生を送るための基礎的な資質や. 者の調和のとれた教育を実現することが必要である。この. 能力をはぐくむために、「確かな学力」、「豊かな心」、「健康. ため、学校では児童生徒に「確かな学力」を育むとともに. と体力」のバランスの取れた児童生徒を育てることが求め. 「豊かな心」「健やかな体」を培い、これまで以上に知・徳・. られている。. 体のバランスの取れた教育を行うことが求められている。. 本研究では、義務教育9年間で目指す児童生徒の姿を明. しかし、平成16年12月に公表された国際的な学力検査の. らかにし、その実現のために、9年間を通して児童生徒の. 結果では、児童生徒の学力についての課題が指摘された。. 多様な資質や能力を伸ばす系統的・継続的な学習、心の教. また、平成17年4月に公表された国立教育政策研究所の教. 育のあり方を求めていこうとするものである。. 育課程実施状況調査の結果からはそれらに加え、学習意欲. また、望ましい生活習慣のもとで健康の身体がはぐくま. 学習習慣、生活習慣なども引き続き課題として指摘されて. れ、それが学校生括の活力となり、学習意欲の向上とにつ. いる。特に基本的な生活習慣が身に付いていることがうか. ながることを示し、知・徳・体の調和のとれた児童生徒を. がえる児童生徒については、ペーパーテストの得点が高い. はぐくむ教育活動のあり方を探っていく。. 傾向にあり、学力と生活習慣の関連性が明らかになったこ とは大変注目すべきことである。. 3 研究主題. 義務教育に関する制度についても、義務教育を中心とす. 『生きる力』をはぐくむ義務教育あり方. る学校間の連携・接続のあり方に課題があることがかねて から指摘されている。また、〔義務教育に関する意識調査〕. 本研究においては、「健康な身体」は「確かな学力」や「豊. (平成17年11月公表∼ベネッセコーポレーション・ベネッ. かな心」をはぐくむための基盤(土台)であると考えてい. セ教育研究センター実施∼)によると学校の楽しさや教科 の好き嫌いなどについて、従来言われてい. る。生活習慣が改善され、健康で意欲に満ち溢れた状態が. る6・3制の中. 「健康な身体」である。これが学校生括全体に活力を与え. で、小学校から中学校への区切り時点の他でも発達上の段. 「確かな学力」や「豊かな心」をささえる力となる。また. 差があることが伺われる。. これらは双方向にはたらき、その効果を発揮するものであ. 今日の学校教育では、「生きる力」という生涯学習の基礎 的な資質や能力の育成を目指し、それぞれの役割を果たさ. る。 さらに、学校教育だけでなく、家庭との連携・協力が必. なければならない。しかし、小学校と中学校の方針や教師. 要である。また、「『生きる力』を身につけた児童生徒」は. の意識には少なからず違いがあり、それがギャップとなる. 我々が「義務教育9年間で育てたい児童生徒像」であり「本. 場合がある。それは、大学の附属学校であり同じ敷地内に. 研究で目指す、附属小中9年間の連携の中で育てたい児童. 隣接している本校(附属釧路小・中学校)においても同様. 生徒の姿」ととらえている。具体的には『心身ともに健康. である。. で、物事や人とのかかわりから新たな見方や考え方を発見. 小、中学校ではそれぞれの考え方で役割を果たし、どち. 創造し自らの生活を積極的に高め続けようとすることがで. らも児童生徒が生涯にわたって健康でたくましく、学び続. きる児童生徒』を育てたい児童生徒の姿として研究を進め. ける存在となることを願っている。しかし、小学校の教師. ていく。. は中学校の指導に対して、「学んだ力」だけでなく「学び方」 を重視してもらいたいと考えることがあり、中学校の教師. 4 研究仮説. は、小学校の指導に対し、知識や技能をさらに定着させて. 義務教育9年間を通して、児童生徒の多様な資質能力. ほしいと願うことが多いことも事実である。小学校から中. を伸ばす系統的、継統的な学習、心の教育、生改善の指. 学校に進学する児童生徒にとって、こういった考え方や指. 導を行うことによって、児童生徒の生きるがはぐくまれ. 導方法の違いが、隔たり(ギャップ)となり、義務教育9. るであろう。. 年間での成長に大きなマイナス要因になっている。しかも、 このギャップは児童生徒にとって全く不必要なものであり、 できるだけ少ないことが望ましい。. −74−.

(4) 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告 5 2006年度の研究. は、「表現力」「読解力」「コミュニケーション能力」の弱さ. (1)研究の方法・内容. である。また、これらは、我々がこれまでの研究や実践か. ○確かな学力を育成する. ら経験的に感じていた「人と人とのかかわりの中で自分の. [確かな学力]を育成するために、まず、小学校と中学. 思いや考えを言葉で表現したり、それを的確に理解したり. 校とで共通の学力観をもつようにした。具体的には、各教. する力が十分ではない」という児童生徒の印象と一致する. 科等の存在意義や、教科における目標や培いたい力、目指. ものであった。. す児童生徒の姿、さらには評価の観点等について共通の認. そこで今年度は、これまでの研究の取り組みに加えて、. 識をもつようにした。そしてそれらの相互関係を明らかに. 児童生徒の課題を解決し、研究としてもさらに大きな成果. し、附属釧路小学校・中学校が考える各教科等における学. を得られるように、全教科と総合的な学習の時間において. 力の構造を提示できるようにした。. 『言葉で伝え合う場』を意図的に学習場面に取り入れるこ. それと同時に、各種諸検査(CRT、NRT、AAI). とを共通の視点として研究を進めることとした。. の結果や考察を交流したり、実際の授業を参観し合ったり. つまり、各教科等で身につけさせたい力(=確かな学力). することによって、児童生徒及び相互の授業方法の実態把. の育成には、「ある事柄」を言葉で伝え合うような活動・方. 握し、情報を共有し、相互理解を深めてきた。. 法が有効に機能するであろうと考えたのである。また、こ. さらに昨年度は、9年間を見通して各教科の学習内容を確. の「ある事柄」を「テキスト」と置き換えて考えれば、「言. 認し、系統性や連続性を意識し、それらが一覧できるカリ. 葉で伝え合う」ことは、PISA型読解力の育成にもつながる. キュラム(年間指導計画)を構成した。. ものと考える。. そして、それらをふまえて目指す児責生徒の姿に迫るた. そのために、これまでの研究の成果と課題をふまえ、目. めの小学校としての手立て、中学校としての手立て、そし. 指す児童生徒の姿と、教科における目標や重点、評価の観. て小学校と中学校共通の手立てを講じて授業実践してきた。. 点等の相互関係等、あらためて各教科における学力の構造. また、その実践成果の評価及び検証を行った。具体的に. を再確認する。. は、あらかじめプロトコル、プレ・ポストテストといった. そのうえで、今年度の研究の視点である「言葉で伝え合. 児童生徒の変容を見取るための手立てを計画しておき、実. う」ことを、各教科でその意味を理解し、具体的にどのよ. 際の授業を経て、児童生徒による評価(スクールサーベイ. うな方法で学習活動に取り入れるのかを検討する。そして、. など)・授業交流による評価(授業観察視点票)・授業者自. 実践を通して、手立てとして有効であったのかを明らかに. 身の評価(授業記録など)等から得られるデータを集約・. する。. 分析し、考察した。当然のことながら、このことは、次の 授業実践の計画(手立て)や評価・検証方法の改善、連続. Ⅲ 各教科における共同的研究内容. した研究(学習活動)の展開につながるものである。. しかし昨年度は、具体的な検証を全ての実践では行うこと. 【国吉吾科】. ができず、課題となった。また、評価・検証の視点が不明. 1 はじめに. 瞭であったため、各教科で共通した成果が得られなかった。. 日本人の母国語である日本語は、我々にとって最大のコ. そこで今年度は、何をどのような手法で評価・検証するの. ミュニケーション手段である。また、様々な考え方を知り、. かをより具体的に明らかにしたうえで研究を進める。. 自分のこれまでの見方・考え方を広げることは自己を成長. (2)研究の視点. させるうえで欠くことのできない営みであるが、それも日. 前述の通り、これまでの研究では、小学校、中学校の教. 本語を介して初めて可能となる。さらに、日本語は非常に. 科担当者がそれぞれの教科等についての論議をしたことは. 長い歴史の中で徐々に変化しつつこれまで守られてきた固. 大変意義のあるものであった。そして、その中で、小学校、. 有の言語であり、これを継承することは極めて睾要である。. 中学校の区別なく、担当教科等の本質、今日的な課題、培. これらのことからも、児童生徒が国語を学ぶ意義は極めて. わなければならない力などがある程度明らかにすることが. 深く、国語科の果たす役割はとてつもなく大きいといえる。. できた。. では、教師はなぜ国語という教科を教えるのか。. 今年度も、これまでの取り組みを継続し、進化させ、よ. 一つめのコミュニケーション手段という点からは、児童 生徒が他者とのコミュニケーションをより円滑に行うため. り[健康な身体][確かな学力]の育成を図る。. さらに我々は、どの教科等にも共通した視点をもって研. の技能を習得させる必要があるからである。技能教科とし. 究・実践を進めることで、さらに大きな研究の成果を得る. ての側面がそこにはある。また、獲得した技能を適切に使. ことができるのではないかと考えた。. おうとする態度を育成するためでもある。二つめの、見方. そこで改めて児壷生徒の実態、各教科での課題等を再検. や考え方を広げるという点からは、様々な優れた文章に触. 討した。国際的な学力調査や国内の諸検査、さらには本校. れる場を提供すると同時に、内容を捉え分析する力や味わ. 児童生徒の実態調査・アンケート等から明らかになったの. う感性を培い、その場を児童生徒自らが広げようとする態. 75一.

(5) 林 政孝 他 度を育成する必要があるからである。ここには内容教科と. 昨年度の研究を図に示すと次のようになる。. しての側面がある。三つめの伝統文化の尊重という点であ るが、常に変化する言語にあって、不易と流行を峻別し、. −・一一・・・−−  ̄. ■▲. l. 1■ t+■■■・十. .. よりよい日本語を作り上げていくための知識を獲得させる. r二藍≡三乗誓. 「 ̄−=■▲= ̄ ̄. 必要があるためである。. 照一抑1∩. 、. 彗l三 亡 t= ね■ 彙さ」弓l■:■■ 責■ 辱 t■ ね ■色 す⊃. ヱ∴・㌻∴・、 −−− −=⇒=亡ヂ弓=ン ノ」. ニ ユ●. −−・−・、_. これら国語科指導の重要性を再認識したとき、「話す聞く」 「辛く」「読む」といった各領域の力と、「日本語を尊重す る態度」のバランスのとれた育成が重要であることがわか る。附属釧路小・中学校では、研究主題「生きてはたらく 確かな言語能力の育成」を目指すことで、前述した国語科 L三二==−=−t■. としての役割を果たしていきたいと考えている。. さらに、言語能力の高まりを見取る手立てとして、「実技ヒ アリングテスト」「自己評価、他者評価」「逐語録や記録」「教. 2 研究の経過. 師による授業評価」等を行い、研究の妥当性を検討するこ. 昨年度から両校では、「生きてはたらく確かな言語能力の 育成」を研究主題として研究実践に取り組んだ。この主題. ととした。. は、児童生徒の国語科における実態から導き出されたこれ. 昨年度の研究では、次のような成果と課題が明らかとなっ. までの両校の研究のキーワードと、平成10年4月に改訂さ. た。. れた学習指導要領における国語科改訂の趣旨(「言語の教育」. 手立て①に関わって. としての立場を重視することが謳われ、これまで以上に言. 成果 「指導事項」を焦点化することは有効である. 語能力を確実に育成することが重視されている。)を踏まえ. 課題 小中で指導事項が重複している部分があるため、. 設定した。各領域の力をバランスよく培い、その力を日常・. 系統性と反復性を考慮して指導計画の修正を図る. 社会生活に発拝できる児童生徒の姿を期待してのものであ. 必要がある。. る。 「確かな言語能力」. 手立て②に関わって 成果 「話すこと・聞くこと」領域においては有効であ. 言語を駆使する際の3領域1事項の指導事項そのもの。 言語を的確に話したり、聞いたり、辛いたり、読んだり. る。 課題 他領域とりわけ「読むこと」領域における有効性. する能力と押さえた。. については今後の検討が必要である。 「生きてはたらく」 これまでに授業で獲得した考え方や知識・技能を国語 3 今年度の研究の視点(重点). 科の同領域・他領域や他教科、ひいては日常生活に結び. 平成15年度に実施された小中学校教育課程実施状況調査. つけようという態度及び結びつける行為と押さえた。. における国語科の課題として「場面に応じて立場を明らか 研究にあたっては当然全領域が対象となる。しかし、単. にし自分の考えを書くこと」「筆者の表現の方法や工夫を評. 年度で全領域を研究対象とすることは物理的に困難である. 価すること」「条件や目的に応じ、自分の考えを相手に伝え. ことから、昨年度は日常的なコミュニケーション手段とし. ること」があげられている。この3点はいずれも領域の違. て中核となる「話すこと・聞くこと」の領域において研究. いはあれ、「自分の考えを適切に表現する能力」に課題があ. を行った。. ることを示しており、近年の国語教育の課題がそこにある. 研究の手立てとしては、まず「確かな言語能力」育成の. ことが指摘されている。. ために. 昨年度末及び今年度行ったNRT・CRT検査によると、 附属釧路小・中学校の児童生徒は、得点率で全国平均を大. ①小中の系統性を把握して、指導事項を焦点化し教材や. きく上回っている。しかし、「国語への関心・意欲・態度」. 指導方法の工夫をすることで、その定着を図る。. については他の領域に比べて全国との差が少ない。また、. を設定するとともに、「言語能力」を「生きてはたらく」も. NRT・CRTの結果に反映されない「自分の考えを適切. のにするために、. に文字または音声で表現する」ことにおいては、日常の記 述や発言から、両校においても課題があるといえる。さら. ②児老生徒が必要感、有用感を持って取り組めるような. に、授業を離れた日常場面における言葉遣いも適切だとは. 学習活動を展開する。. いえない現状がある。 「国語への関心・意欲・態度」が獲得している技能の割. を設定した。. 一76−.

(6) 2006年度北梅道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告 に低いこと、「自分の考えを適切に文字または音声で表現す. の実態から、国語への関心・論理的思考力という共通の課. る」ことに弱さがあるという点は、国語科における大きな. 題を見出し、発達段階に応じた国語への関心を高める手立. 課題であり、研究主題「生きてはたらく確かな言語能力の. てをとるとともに、論理的思考力の育成を目指す手立ての. 育成」のためには、その課題を克服する必要がある。その. 共通化を図った。これは、小・中学校国語科における9カ. ためには、3領域1事項全ての学習において何らかの手立. 年通しての一貫した手立てとした。. てをとっていく必要がある。. 小学校と中学校では、国語科においての役割も自ずから. 「自分の考えを適切に表現する」ためには、まず「ある. 異なってくる。小学校とくに低学年から中学年にかけては、. 課題に対する自分の考えを持つこと」、次いで「その考えを. 多様な言語活動の経験が何より重要なものとなる。多くの. 順序立てて他者にわかるように説明すること」が必要とな. 言語活動を通して児童は語彙力を高め、言語能力の基礎が. る。それらを結ぶ力として「論理的思考力」が重要である. 培われていく。中学年から高学年にかけては、言語を体系. と考えた。また、「論理的思考力」は、「自分の考えを適切. として獲得することが少しずつ可能になってくる。したがっ. に表現する」ことのみならず、あらゆる言語能力と密接に. て、これまで獲得した言葉というものがどのように成り立っ. 関連しており、言語能力を支える力として欠くことのでき. ているのか、また、どのように考えて用いるべきなのかを. ないものであると考えた。. 改めて捉え直す活動が必要になってくる。この段階でもも. 以上のことから、今年度の研究の重点を. ちろん多様な言語活動の経験を重要視することに変わりは ない。中学校段階では、小学校で経験した多様な言語活動. ①国語への関心・意欲・態度の向上. を基にして、より体系としての言語を認識し、効果的に言. ②論理的思考力の向上。. 語を用いる意識を高めていくことが重要となる。これら互. の2点とし、今年度研究副主題を「言葉への関心を高め、. いの役割の違いを認識し、国語科教育にあたることが重要. 論理的に考えることのできる児童生徒の育成」と設定した。. である。. 4 研究仮説. 7 成果と課題. 今年度附属釧路小・中学校では、「言葉への関心を高め、. 単元において、次の手立てを講じれば、児童生徒は言. 論理的に考えることのできる児童生徒の育成」を目指して. 葉への関心を高め、論理的に考える力が身に付くであろ. 研究を行ってきた。小・中学校がそれぞれの役割を確認し、. う。. 目指す子供像を統一して教育にあたることは大変重要であ. ◆小学校の手立て. る。その意味で、培いたい力を限定し研究の視点を明確に. (1)言語活動の効果的な活用. することができたことは大きな成果であると言える。 具体的には、論理的思考力の育成を共通の課題として、. (2)単元構成の工夫. 目指す児童・生徒像を明らかにしたことで、国語科の授業. (3)ワークシートの工夫. における一つの重点が見えたことである。. (4)論理的に言葉で伝え合う場の設定 ◆中学校の手立て. 課題としてはやはり9カ年を見通したときの小学校と中. (1)他領域・他教科・日常生活に応用・転用できるこ とが実感できる場の設定. 学校の接続の難しさがある。学級担任制から教科担任制に. (2)意見の対立が発生する課題の設定. たりを軽減するためには、さらに中学校は小学校を踏まえ. (3)自分の立場・考えを論理的に伝え合う場の設定. た、小学校は中学校を見据えた指導が必要である。. 変わる時点で児童・生徒は大きな隔たりを感じる。その隔. また、国語への関心・論理的思考力の伸びを捉える検証 5 「言葉で伝え合う場」の教科のおさえ. 方法にも課題が残る。いずれも、長期的な視点で見ていか なければならないものであり、単元レベルでの検証には難. 国語科では、「論≡哩的に伝え合う場」とおさえる。自分の 考えは、他者の交流において検討されて初めてその妥当性. しさが残った。. が明らかになる。そのためには、他者に自らの考えを明確. さらに、小学校と中学校ともに、それぞれの役割を確実. に伝える必要がある。また、他者の考えを聞くことによっ. に果たすための授業改善が必要であることは言うまでもな. て、自らの考えを修正する判断を下す場合もある。その過. い。ご批正を賜りたい。. 程の中には、たえず論理的思考がはたらいており、そのよ うな場を意図的に設定することで、論理的思考力を培うこ とができると考えた。 6 小学校国語科と中学校国語科をつなぐために 小学校国語科と中学校国語科をつなぐため、児童・生徒. 77.

(7) 林 政孝 他 【社会科】 1 はじめに. 児童生徒が生活する現代社会は、緊迫する国際情勢、情 報化・国際化が急速に進展する一方で価値観が多様化する など、これまでの論理が通用しにくい社会となってきてい る。このような時代だからこそ、急速な社会の変化に対し て、主体的・柔軟に対応し、生きる力を身につけた人間の 育成が求められる。そして、その役割を担っている教科こ そが、社会科であるといってもよい。なぜならば、社会科 は、「公民的資質」の基礎を育成することを臼標としており、 「公民的資質」とは、義務や社会的責任の理解に基づき、 正しい判断や行動ができる能力や意識などをさすからであ. 2 研究の経過. る。附属釧路小・中学校社会科が考える、社会科の学力構. 養うために、目指す児童・生徒像を「社会的事象を鋭く見. 造とめざす児童・生徒の姿とをつなぐイメージは、下図の. つめ、調べ■考える児童・生徒の育成」として研究を進め. とおりである。. ている。社会科では、図のように、学力の要素である「見. 附属釧路小・中学校社会科では、「公民的資質の基礎」を. つめる力」「調べる力」「知識」「考える力」が相互に関連し 合って社会認識を広げ、めざす児童・生徒像の実現につな がると考えた。それぞれが培われた姿を発達段階ごとに記 述すると以下のようになる。 力 珊. 見つめる力. 知 識. 調べる力. 考える力. 小 身近な地域の事象につい 探検・見学調査やインタビュ 主に一つの事象から一 中 て、何?なぜ?知りたい ーなど、直接体験をもとに調べ 事実認識ができる。. 判断して、社会的事象に対す る意見を持つことができる。. 臼 年 指. 小 広い空間的な事象や、時間 地図帳や資料集、参考図書、 いくつかの事象から−一つの いくつかの事実認識から自己 判断して、社会的事象に対す る意見を持つことができる。. す 姿. 学. や価値を考えようとすること. とめて伝えることができる。. 中 あらゆる事象に対して、 何を調べるのか見通しを持っ 複数の事象から一つの事 ′三シ ∫ ̄ 意味や価値を考えようとする て、自ら調べる方法を選択し、 識ができる。 様々な表現方法で調べたことを 生 こと 伝えることができる。 観点. 社会的事象への関心・意欲・態度. 観察・資料活用の技能・表現. また、附属釧路小・中学校社会科がめざす児童・生徒を 実現させるためには、「見つめる」「調べて知識を得る」「獲. 面的・多角的に考察し、意 見を持つことができる. 社会的事象についての知識・理解. 社会的な思考・、剛断. ことで、社会的事象を鋭く見つめ、調べ・考えることがで きる児童・生徒を育成を目指したい。. 得した知識をもとに考える」という学習の過程を重視する 必要があると考えている。. 3.今年度の研究の視点. 「見つめる」段階では、社会的事象に対しての課題を見. 今年度は、「学びの道筋」を意識した、系統的な指導のあ. 出し、その解決に向けて意欲的に学習に取り組む態度の育 成が必要となる。 次に、「調べる」段階では、資料の見方・活用の仕方・用. り方についてさらに研究を進めていく。特に、小学校・中 学校それぞれにおいて、「学びの道筋」に合わせた具体的な 指導のあり方を考えていく。. 具の使い方等のスキルの習得とともに、調べてみたいこと. また、学習場面において「考える力」を高めていくため. を見つけ、その解決に向けての見通しを持つことなどが必. に有効な手立てとして、『言葉で伝え合う場』を設定する。. 要となる。 続いて、調べることによって、事実として認識された事. とは、児童・生徒同士がお互いの考えを確認し、高め合う. 柄を「知識」として得る段階があり、最後に「考える」段. 場といえる。教師が意岡的に、発達段階や学習活動に応じ. 階がある。ここでは、事実認識をもとに、社会的事象の意. て、学習課題の解決に最もふさわしい形態(個別・ペア・. 味・意義を客観的に、かつ多面的・多角的に考察すること. グループ・全体)を設定し、児童・生徒が調べてわかった. が必要となる。 この学習の過程を「学びの道筋」としておさえ、小学校. 事実やそれに対する思い等を言葉で伝え合うことによって、 周囲との関わりを通した意見形成が行われる。そこでは、. 中学年から中学生まで発達段階に応じた実践を重ねていく. より多くの事実認識から自己への自信や客観性が身に付き、. 附属釧路小・中学校社会科が考える『言葉で伝え合う場』. 7b−.

(8) 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告 不明確なことが明確になり、より広い社会認識に支えられ. 6 成果と課題. 以下は、今年度の取り組みを踏まえ、明らかになった成. た根拠を持つことができるようになる。. 果と課題である。 4.研究仮説. 単元において、探求・発見的な要素を含んだ課題を設 定し、「学びの道筋」に沿い、「言葉で伝え合う場」を設 定した学習を展開すれば、自己の意見形成が促され、社. 小中7カ年を見通した教科研究 2年次の成果と課題. 会的事象を見つめ、調べ、考えることのできる児童・生. く成果〉. 徒が育成されるであろう。. ○教科研究、合同研修の機会を多く持つことにより、児 童・生徒の実態把握、小中学校間の意思疎通を図るこ とができた。. 5 小学校社会科と中学校社会科をつなぐために. ○社会科として培いたい力が明確化された。. 小学校社会科と中学校社会科をつなぐために、今年度は、. ○目指す児童・生徒の姿に近づくために、「学びの道筋」. 「学びの道筋」のサイクルを確認した。附属小中が考える. の習得が必要であることが確認された。. 「学びの道筋」とは、「見つめる」「調べる」「知識を習得す. O「考える力」の育成が、社会科で最終的に育てたい力. る」「考える」という学習過程を指す。小学校中学年・高学. であり、今後発達段階に応じた手だてをとることが確. 年と中学校では、発達段階によって「学びの道筋」のおさ. 認された。. えは異なってくる。今後は実践を重ね、小学校中学年から. ○社会科としての「言葉で伝え合う場」をおさえ、今後. 中学校まで発達段階に応じた事実認識を高めるために、各. 取り組むべき内容が確認された。. 段階の内容や重点の検討を進めていく。. 〈課題〉. さらに、小中7年間における「考える力」を系統的にお. ●「学びの道筋」の検証が必要であること。. さえた。「考える力」は、社会的事象の意味を追究し、多面. ●「考える力」を育成するため、各発達段階に応じた実. 的・多角的に考察できる力の育成を目指す附属小中社会科. 践の集積。 ●「言葉で伝え合う場」のおさえの見直し、検証が必要. として、最終的に育てたい力である。このことで、各発達 段階で育てたい「考える力」が明確になり、今後はさらに. であること。. 実践を蓄積することで、目指す児童・生徒の姿に近づけて. ●小学校と中学校での、学習規律の認識の違い。. いきたい。 また、事実認識を高めるため、「言葉で伝え合う場」を学. 今後は、今年度の成果と反省を精査し、小中7カ年にお. 習活動に位置づけ、発達段階に応じた手だてを確認した。. ける社会科学習のあり方を具体的に例示できる研究を進め. 具体的には、学習課題の解決に最もふさわしい形態(個別・. ていきたい。次年度に向けて、以下の3つを研究の視点と. ペア・グループ・全体)の選択、特に/ト学校では、掲示物の. して考えた。. 工夫・活用、中学校では、ワークシートを使用した文字に. ①「考える力」の見取り、検証方法. よる記述などである。「言葉で伝え合う場」が有効に機能す. ②「学びの道筋」の検証. るためには、双方向のコミュニケーションが図られなけれ. ③「言葉で伝え合う場」での実践、形態・方法の検証. ばならない。. 今後とも、できることから確実に数多くの実践や検証を. 昨年度から始まった小申達携による教科研究であるが、. 積み重ね、次年度に向けた研究に邁進していきたいと考え. その取り組みはようやく歩み始めた段階に過ぎない。しか. いる。御参会の皆様の忌博のない御指摘・御助言をいただ. しながら、昨年度以上に研究に対する多くの時間を共有す. ければ幸いです。. ることで、成果を上げた部分と、逆に見えてきた課題が明 確になってきた。. 【算数科・数学科】 1 はじめに. 自然界や日常の生活の中で起きる様々な現象には、一定 の法則に従っているものが多い。こうした自然現象や社会 現象を数理的に解析するための手段を獲得することが算数・. 数学を学ぶ意義の1つであると考えられる。これは、氾濫 する情報の中から自分にとって必要な情報を取捨選択し活 用するといった、これからの社会の中で求められる物事の 本質を的確に担える能力や態度、すなわち「生きる力」に 繋がるものである。. ー79一.

(9) 林 政孝 他 本研究では、教科主題を「数理的に考察できる児童生徒. 到達率が低い傾向が全学年に共通する。特に中学2年生は. の育成」とした。「数理的に考察できる児童生徒」とは、「こ. 顕著である。. れまでの経験や既習内容と照らして知識や技能、数学的な. ■「算数・数学はおもしろい」という意識は学年の上昇に従っ. 見方や考え方を駆使して現実の問題や数学の世界に関係す. て低下する。. る問題を自ら解決できる児童生徒」と規定する。本教科で. ・問題解決場面での「別な解き方を考える」という意識は. は小申達携研究の機を得て、「生きる力」の育成の方途を明. 年々低下する。. らかにするとともに、連携の在り方を実践を通して検討し ていく。. 3 今年度の研究の視点. 「学力」は「知識や技能に加え、学ぶ意欲や自ら考え…」. 自分の考えを伝える力、いわば表現力はそれ自体「生き. と規定されるように、様々な要素の総体と捉えることが今. る力」に直結する。算数・数学の授業においては、「言葉で. 日一般的であろう。算数■数学においても特定の知識や技. 伝え合う活動」はさらに様々な効果が期待できると考えた。. 能の習得に偏ることなく、児童生徒が意欲的に問題に取り. ・他との違いを知ることで自分自身の思考を明確にし、さ. 組み、自ら学ぶ授業を展開. らに深い理解を得ることができる。[理解や思考の深化]. しなければならない。. ・算数・数学のよさを体得し、学ぶ意欲を高めることがで. 右図は算数■数学科が目. きる。[意欲の向上]. 指す理想の授業をモデル化. ・互いに認め合うなどの協同の意識や態度の育成に繋がる。. したものである。数学にお. [学習意識の向上]. ける様々な知識や技能、数. 等である。即ち、「言葉で伝え合う場」は本教科で規定する. 学的な態度を学習の所産と. 「学力」の諸要素に深くかかわり、それらを総合的に高め. 挺え、それらをより高次な ものにするための原動力と して「学ぶ意欲」や「思考・. るのではないかと考え、積極的に授業に放り入れることと した。算数・数学における「言葉で伝え合う場」は、所謂、. [図1]理想の授業. 「数学的コミュニケ←ション活動」と同義と考え、次のよ. 判断・表現」を位置付けた。それぞれの要素をバランスよ. うに規定する。. く育てていきたいと考える。したがって、「どんな力を身に. ◆算数・数学の「伝え合う場」=「数学的コミュニケー. 付けるか」という学習の成果を明らかにするともに、「どの. ション活動」. ように意欲や思考を引き出すか」という学習の経過を重視. 問題解決において、算数・数学のさまざまな表現(文. した授業を構築しなければならない。. 章、式・表・グラフ、図形、モデル等)を用いて、自分 の疑問や考えを発表したり、他の考えを比較し討議した. 2 研究の経過. りする表現活動。. 4年次研究の初年度は、児童生徒の実態調査の結果から 算数・数学科の課題と、小中が連携して行う実践的研究の. 小学校、中学校共通の基盤として、問題解決の各過程に. 方向性を検討した。特に、両校における児童生徒の実態か. おけるコミュニケーション活動の在り方をまとめたものが. ら、原理や諸概念への深い理解とともに、算数・数学の学. [下表]である。. 習に対する意識など態度的な側面における課題が浮き彫り になった。他の観点と比べて「数学的な見方や考え方」の [表]各過程における数学的コミュニケーション活動. 役 割 学 習 活. の見通しをもつための「コミュ. 求めることを明らかにする。. ◆根拠を明らかにして説明する。 確かめる。. [簡潔で論理的な説明]. [実験や操作活動の促進]. ◆学んだことが使えないかを考 ◆根拠を明らかにして解決する。 [数学的推論への導引]. [見通しの焦点化]. 動. り上げのための「コミュニケーション」. ニケーション」. ◆他の方法を考える。 [拡散的思考]. ◆自他の考えを比較しながらよりよい方 法を求める。 [よりよい方法の追究]. ◆解決の過程を振り返って、その意味やよ さを考える。 [学習に対する内省]. −80一.

(10) 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告 児童生徒同士による活発なコミュニケーションを期待す. ために次の取組を行うこととした。. るのは、「比較・検討」の過程である。しかし、個々の問題. 1 指導内容の重複或いは内容の飛躍を解消し、指導内. の理解や考えがない場合、わかったものがわからないもの. 容の見直しと重点化を図る。. への一方的な伝達になってしまい、コミュニケーションは. 2 実践を通した教師間交流を進め、小中め乗り入れ授. 成立しない。また、問題の解決ばかりではなく、自ら問題. 業やTT授業を実施する。. を見つけたり、問題を創ったりする活動も乗車である。そ. 時間的制約もあり成果と呼べる取組にはなっていな. のため、「問題把握」「解決・追究」においても積極的にコ. いが、継続して実施する予定である。. ミュニケーションできるようにする。 文部科学省では、高等学校の数学に対して「生徒が自分. 5 成果と課長喜. の考えを表現し合い、お互いの考えを比較したり不備な点. 小申達携の研究を開始して2年が過ぎた。ようやく目指. を指摘し合ったりしてよりよい考えに到達するような指導. す授業づくりの一端が見えてきた状態である。これまでの. の工夫が必要」と指摘している。(「PISA調査(読解力)の. 取組の成果と改善しなければならない諸点について記述す. 結果を踏まえた指導の改善」2005年)この指摘は、単に高. る。 ・「数学的コミュニケーション活動」は「確かな学力」を獲. 等学校の問題ではなく、義務教育9年間の授業改善の方向 を示していると思われる。. 得するために不可欠であるという知見を得ることができ. そこで、小学校・中学校の連携という視点に立って、各. た。今後、一層「数学的コミュニケーション活動」の充. 学校段階で我々が考える望ましい態度を設定した。特に、. 実(日常化等)を図りたい。また、児童生徒の変容をど. その意義について納得させるなどの継続的な指導は、数学 的コミュニケーション活動を支える要因と考えた。勿論、. のように見取るか、という仮説の検証方法についても検 討が必要である。. 実際の授業では明確な区分ができないであろうし、一応目. ・小中の連携について、学習内容の系統性を生かすととも. 安ということなる。また、学級の実態や個人差を考慮しな. に、継続した指導を行わなければ期待する効果は得られ. ければならない。. ないであろう。実践を通した共通理解を一層図なければ ならない。同時に、小学校、中学校それぞれの学び方を. 小学校. 中学校. 高等学校. 定着させるなど、教科の枠を超えた取組を実施していき. 望 ロ ◆自分の考えをわ ◆根拠を明らかに 自分の考えを段取. ま. かりやすく発表す して、自分の考え よく整理し、より を発表する。. し し\. ・学校の乗り入れ授業やTT授業は、児童生徒に少なから. かりやすく説明. ず影響を与えると思われる。時間的制約は大きいが、可 能な限り実践を深めたいところである。. 児 童 生 徒. 今後一層の研費を轟ねていく所存です。拙い実践研究で. の. はありますが、諸先生の忌悼のない御指導、御指摘をいた. く 度. たい。. だければ幸いに思います。. がら聞く。. 実践では、小学校・中学校それぞれの発達段階や実態、. 【理科】. 学習内容等を考慮して次に示す具体的な手だてを講じるこ. 1 はじめに. 私たちは、事前の事物・現象と豊かにかかわり、共に学. ととした。小学校・中学校それぞれの研究ではこれらを意 図的に選んで実践する。. ぶ中で科学的な見方や考え方を自ら構築できるようにし、「自 然ってすばらしいね」というような、児童生徒の感性から. ①コミュニケーションができる教材や問題の開発. うまれる実感のこもった吉葉を大切にした「生命観・自然. ②問題解決の各段階における教師の指示・説明・発間の. 観」を形成していく教育の充実、つまり「自然のすばらし. 在り方. さに感動できる理科教育」を目指している。. ③児童・生徒の発表や発言に対するKR. 学校教育においては、自然と畳にかかわり、自然と人間. ④学習形態の工夫. のよりよい関係を求めていこうとする力の育成が望まれて いる。私たち人間がこの地球のあらゆる生命と共に生きて 聞くためには、自然や環境と、人とのかかわりを考え、こ. 4 小学校算数科と中学校数学科をつなぐために. れらを意識して生活できる心を持ち合わせていることが大. 今日、大きく2つのギャップ「小1プロブレム」「中1ギャッ. プ」の存在が問題視されている。全国的に「小申達携研究」. 切だと考える。このようなことから、私たちは、研究主題. や「′ト中一貫教育」が拡大されていることはその現れと思. を「自然のすばらしさに感動でき、生活を科学的に見つめ. われる。互いの学校の実態や文化といった独自性を踏まえ. る児童生徒の育成」と設定した。 義務教育理科で培うべき力は、目標(図1内右)からも. ながら、小学校と中学校との間の段差にスロープをかける. ー81.

(11) 林 政孝 他 わかるように、「科学的な見方や考え方」である。この「科. うと思考し、直接体験を基本に据えた目的的な観察・実験. 学的な見方や考え方」とは、自然から感じられる「不思議. を行い、きまりや法則を見いだしていく流れである。 この一連の追究過程には、初めに出会った事象も「だか. さ」「驚き」「感動」などの情意的側面に支えられた科学的 な思考や見通し、追究の方法や技能、そして、その結果導. らそうだったんだ」と振り返って説明づけられる深まりと. かれた事実やきまり、法則の獲得状況を総合的にとらえた. 広がりがある。つまり、4観点全てがかかわる総合的な力. 力を意味する。. である。これが児童生徒の獲得する科学的な見方や考え方. この力は、高等教育における「科学的な自然観」の基礎. になる。 このように考える. をなす力として押さえることができる。. と、私たちには、児 童生徒が4観点(関. 2 研究の経過. 図2は、児竜生徒が自然事象についての事実やきまりを. 心・意欲・態度、思. 見いだしていく追究過程を、4観点との関係で示している。. 考、技能・表現、知. 自らの内面に自然事象を調べてみようとする興味・関心が. 識・理解)をバラン. 喚起され、外見や特長・性質を事象に当てはめて説明しよ. スよく獲得できる指 導力を求められてい. d個■■についてのtl■・t■. I. l. ヽ. ■■■▼■のげ■・ホ■ ■l. M仲川」川■. ⊥T¶・−−−−−−二 ̄ ̄ ̄二∴−・「、 ■さ■●についてのl■心・▲t・■■. ることになる。  ̄ ̄−、−、■−ヽ. 私たちは、この4. げ十一−…一軍−−−−−−−一. 山「I店Ⅰの嶺鍋肌鮒予・ 1ヒ単量エー−−−−・−な−−−1−」・∴−−. 蔓本‘′A.  ̄. ご_こ主コ. 基本さ−. 観点のバランスのよ. A 什’. 帽嶽・・=−−・・一塩ト 、 ____攣町了旦.−・−−・−・▼一‘. 国2 4観点の相関と科学的な見方や 考え方. い穫得が自然のすば らしさに感動できる素養となり、児童生徒がこれらから自. 蔓ホl・8. 然を見つめていくときのものさし(基準)だと考えている。. 鴨脛_L‖__彙;撃】−−・=・⊥h」∴ ・・一機事一【.__‖..生物Ⅰ. そして、このものさしを持ち合わせることが、科学的な自 然観をつくりあげていくために必要な初歩的な科学的な態 度であり、義務教育理科の大きな役割のひとつだと押さえ. 中珊昌僧 白壁に対する内心を晶め.目. 中学校戎村. 的莞議をもって観葉、草韓な ている。 どをニラい、閂学的Eさlベる悟空. カと蛙虔を育てるとともに自 私たちはこれまで、科学的な素養(科学的リテラシーと 然の事物・土旦更についての頭 青蔓を深め.車斗字的な見方や賓. 同義語)を、科学的な問題解決の能力と科学的な態度に大. え方を革う.. 別し、それぞれの力を培っていくために適した素材分析と 教材化、これを用いた実践を積み上げてきた。(視点は表1). 講コ 〔津5芋年目倭). 小冊執邑環 自然に紺しみ.見 違しをもって観零 科学的な素養を育むことに重点を置く学習の構築は、児 与二輔なとを行い 問題自軍決の留巨力と 童生徒の思考の流れに沿った学習活動の構築を意味する。 自然を愛するI由一専 を千丁てるとともに. すなわち、事象との出会いから内発的動機付けがなされ、 思考・判断、観察・実験で得られるデータなどの習得とそ. 白鳥ノ1の事拍・聞象 粥Z (芦4半年目喋). Lっいての理解を 因り.科学的な見 方や考え方を最う。. 調】. の分析、一般化していく流れである。単元の構想では、児. (帯3学年日揮). 子供の先行経繁、紫外な見方や考え方. 衆生徒の発達特性を踏まえた問題解決的な能力と態度を培. 園1 理科教育構造図. うための場の設定を基本としながら、以下のような視点を 持って授業づくりを行う。 表1 素材分析の視点表 比べる、比べようとする力. 外見から判断されれる色や形、位置などの事実の認識、事実と事実の比較から共通点やよ毘点、変化な どを見つける能力と態度. 要因を抽出する、要因を抽出しようとする力 比較から浮かび上がる違いや変化の要因を別の要因と関係付けながら探る能力と態度 条件を制御する、条件を整えて調べようとす かかわる要因を見いだすために、理性をもってその現象をとらえ、時間的、空間的な見方や考え方を取 り入れ、変化にかかわる要因を整理して観察・実験を行い、かかるわ要因を特定する能力と態度 る力 多面的に考察する、多面的に捉えようとする力 他者とのかかわり、自分の見方や考え方を確かめながら、新しい見方や考え方を再構成する能力と態度 論理的な思考、、乱明づけようとする力. メカニズムを解明するた裾こ、科学的知識をもとに説明づけながら論理立てて考える能力と態度. 分析と総合、巨視的・微視的に捉えようとす 事象に見られる傾向や法則仲をもとにモデル化などして説明づけ、時間と空間を広げ、自然に潜む事実 る力 と. −82−.

(12) 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告 小学校教師は児童がこの先で学ぶ中学校理科の学習内容. 4 研究仮説. を見通し、中学校教師はこれまで生徒が学んできた小学校. ●学習活動を構想するために、児童生徒の実態をあらか. 理科を踏まえるといった、お互いの校種における理科学習. じめ把握. の展開について、理解し合う姿勢を謙虚に成立させること. ●直接体験を基本とした学習活動の構想と展開. が小中学校の理科を接続する上で大切なものなのである。. ●自らの生活を見つめ直し、今後の学習への意欲化が期. 義務教育理科7年間を貫くものの一つに「教材」が挙げ. 待できる心に残る教材や事象の開発. られる。自然を探究するため目的に合った器具や道具をは. これらを踏まえ、今年度の研究仮説を以下に示す。. じめ、身の回りの植物や動物なども含め、その範囲は広い。 この教材を、どの単元で、どこまでの内容で扱われている. 児童生徒の発達特性を踏まえた素地の教材化、及び直. のか、操作についてどこまで指導されていて、どこから指. 接体験を根幹に据えた単元の構成と展開によって、児童. 導が可能なのかなど、義務教育理科の流れを小学校・中学. 生徒は自然に潜む事実やきまり、法則を見いだすための. 校教師がお互いに理解し合う上で、共通の土俵に立って見. 友達との自発的なかかわりを求め、自然のすばらしさに. つめることのできる指標ということができる。. 感動し、理解を求め、自らの生活を科学的に見つめてい. 今後は、教材の取扱いの系統性を明らかにし、互いに接. こうとするであろう。. 続を意識した指導の可能性を探るとともに、校種を超えた 新しい試みも予測できる。. 5 小学校理科と中学校理科をつなぐために 【英語活動・英語科】. 現代の生活は、これまでの科学の進歩の上に成り立って いる。しかし、私たちの生活と科学の結びつきを意識する. 1 はじめに. 機会も極めて少ないのが実情である。 だからといって、最先端の技術や考え方を即学んだとし. 今年3月の中教審教育課程部会外国語専門部会より、小 学校英語活動の必修化を視野に入れた提言がなされた。そ. てもそこには、新たなものを創造する思考も、行動も生ま. れによると小学校英語活動と中学校英語を貫く柱は「積極. れてこない。児童生徒が直接体験し、獲得する一つ一つの. 的にコミュニケーションを図ろうとする態度の育成(国際. 事実や関係をもとにして、筋道を立てて考え、分析・総合. 理解面)」である。また、必修化に伴い、中学校の指導にお. したりして適切な判断をし、合理的に処理していく能力や. いては、「英語を聞くこと、話すことについての一定の素地. 態度がなければ新しい発想や考え方は生まれてこないと考. があることを踏まえて」読むこと、苦くことを含めて四技. える。. 能を指導することが可能となる(スキル面)とも述べられ ている。 我々附属釧路小・中の連携は2年目で、昨年に引き続き. (1)自然に潜むきまりや法則・関係に感動できる場を大. 中学校は英語科教員が、そして小学校は専門外の教員が研. 切にすること. 究を推進している。外国語教育の改善・充実が求められて. (2)自然の事象を自ら獲得した科学用語を用いて説明づ. いるこの時期に、小・中の担当者が互いの立場を尊重しな. けていくこと. がら、より良い英語教育のあり方を探ることは大変意義深. 理科部会におけるこれまでの研究を振り返ると、児童生. いものである。我々は、互いに児童生徒の実態を見つめ、. 徒の科学的な見方や考え方を高めていくためには、次の2. 義務教育9年間で目指す児童生徒像、そして英語教育の在. つを成果として取り上げることができる。. り方を検討することから研究を開始した。. 児童生徒の科学的な見方や考え方を培っていくためには 小学校と中学校が同じ目線にたって「理科」という教科を. 2 研究の経過. 見つめるところがスタートではないかと考える。それは、. 我々は「一斉指導における協同的な学び」をテーマとし、. 小学校理科は6年生で終了するのではないという認識、中. 研究を進めた。その結果、発達.段階や一般的な指導方法の. 学校理科は中学校1年生からはじまるものではないという. 違いを認識することにより、逆に共通に伸ばしていかなけ. 認識を小中共に持ち、その目線でお互いを見つめるという. ればならないことに関して一致した考えを持つことができ. ことである。つまり、義務教育理科が小・中で貫かれてい. た。また、各校では以下の成果を挙げることができた。 小学校では、ALTに全て任せるのではなく担任主導で授. ることをもう一度私たちが捉え直すことを意味する。. 業を展開した結果、児童の実態にあった学習活動を展開す. ・小学校3年生からはじまり、中学校3年生までの7年. ることができた。そして、活動形態の工夫により自信を持っ. 間であること. て学習に取り組む児童が増え、以前に比べ積極的にコミュ. ・義務教育理科の究極の目標は、科学的な見方や考え方. ニケーションをとろうとするようになった。また、児童が. を育てること. 英語を用いることをより楽しむためには、基礎基本に十分. 一83一.

(13) 林 政孝 他 に慣れるよう授業を進めた上でゲーム的要素を含む活動を 行う必要があることも明らかになった。 中学校では、ペアやグループ学習を行って教えあい相談 一斉指轄の協同的学びにおける. しあう場面を設けた。その結果、習熟度の低い生徒にとっ. 「活動形態の工夫」「学び方の指導」「目的意識のもてる授業展開」. て学習内容を理解する機会となり、習熟度の高い生徒も時 間をもて余さず、逆に学習意欲を高めた。つまり従来から. 英語活動・英語科の言葉で伝え合う場(授業そのもの)の活発化. 存在していた「生徒の習熟度の違い」による問題をある程 度軽減できた。 協同的な学びは、コミュニケーション活動に生かすこと ができることで意見の一致を見たが、発達段階によって具. 【目指す児黄像】、11. 体的にどのような活動が可能であるかをさらに探る必要性. 1・目指す生楓. が残った。 3 今年度の研究の視点 全体論を受け、英語活動・英語科における「言葉で伝え 合う場」を次の3点とする。(彰相談し合う場、教え合う場 ②言語活動そのもの③相互評価の場。つまり、英語活動・ 英語科の授業全体が「言葉で伝え合う場」である。よって、 これらの「場」を活発にする具体的な手立てを講ずること. .. で、児童生徒の実態を改善し、より高い学習効果が期待で. 1. 確かな学力の形成. きると考える。 [確かな学力が形成されるだろう] 4 研究仮説. …本研究の帰結部である。小・中共通で「積極的にコミュ. 児童生徒の実態、昨年度の研究の成果と課題を受けて、. ニケーションを図ろうとする態度の育成(国際理解面)」. 仮説を以 ̄Fのように設定する。. を検証する。さらに中学校は、スキル面から四技能の 「話すこと」の力を検証する。. 一斉指導において、次の手立てを講じればどの児童生 徒も「わかる、できる」喜びを感じ、すすんでコミュニ. 5 小学校英語活動と中学校英語科をつなぐために. ケーション活動に取り組み、確かな学力が形成されるだ. 附属釧路小・中では、系統的にコミュニケーションの質. ろう。. を高めるための「学び方」系統図を作成した。これらは児 童生徒の発達段階を考慮し、国際理解の視点から系統性を. [一斉指導において]. ・‥現在、附属小・中ともに日常的に行っている一斉指導. 図式化したものである。 具体的には、友達とのかかわり. を研究の場とする。. 合いについての「聞く・応答する・かかわり合う・発表す る」の4つの場面に注目し、児童生徒が「どの学年」で「ど. [次の手を講じれば]. の程度」できるようになるべきかを表にまとめたものであ. ‥・昨年の研究の成果と課題から、下記の3点を本研究の. 手立てとする。. る。. ①発達段階にあった「活動形態」の工夫 ②9年間を見通した「学び方」の指導 ③児童生徒が目的意識を持てる授業展開 [どの児童生徒も]. ・‥一斉指導の際の児童生徒の習熟度の差を埋めるために 協同的な学びのある授業を目指す。 [「わかる、できる喜びを感じ、」]. …学習意欲のもとになる成功体験を指す。児童生徒の実 態(発達段階)に応じた指導を必要とする。 [すすんでコミュニケーション活動に取り組み]. …成功体験をもとに、児童生徒が自信を持ってコミュニ ケーション活動に臨む、自発的な学習の姿を指す。. 84一.

(14) 2006年度北海道教育大学附属釧路小・中学校・大学共同研究報告. (一部抜粋したもの). 小学校3・4年. 小学校5年. ト軋く身近1牒線など、疇≡ ̄。=・碧より良いものをコ.ペアであるIやグル・1lな仲間と活動聞き手を意識目f旨してペアやグトピックに閲一定時間英語ープで、ある内か皇き。jしながら発表lすることで≡えき。分かない友達に手助ける亡〕)ループで協力き。(相の意見とトピックに間して一定時開英語で議にぶつけ合いより良ものを作上げうとする。)英語で会話き論 ・ペアやクンレーフ. 小学校6年. 中学校1年. 中学校2年. 中学校3年. か. わ. り. きる。. で会話できる。 自分の意見を適切. ノ△、 ロ う. l. 評価することがで l. 友達と話したり、人前で発表したりするのが苦手な児童. ●一部のペア・グループには「パートナーの声が小さくて. 生徒がおり、学級経営・教科経営上の障害となることが少. 活動がうまくできない」と感じている児童生徒がいた。. なくない。実態調査では、発言・発表への意欲、態度は先. 協同的な学びの成立には適切に「言葉で伝え合う」こと. 細りの傾向で、憂慮される現状である。さらに、小学校の. が不可欠で、児童生徒に取り組み方を明確に示す必要が. 時点ですでに、プライベートで英語を学んでいる児童とそ. ある。. うでない児童では「習熟度の差」が生じ、それに起因する. ○前回の調査と比較し、会話場面や挙手・発表に対し「積. 「英語嫌い」が存在していることが明らかになった。「協同. 極的になった」と感じている児童生徒が増加した。. 的な学び」は、これらの問題に対処できる手立てであると. ●みんなの前で会話(発表)することに対し、抵抗が少な. 考える。. くなってきてはいる。しかし依然「とても嫌だ・少し嫌. 中学校英語科同様、小学校英語活動においても、可能な. だ」といった消極次元の児童生徒が多い。成功体験を蓄. 限り英語で授業を展開することは大事である。しかし、児. 積させ、追跡調査をしたい。 ○本年度は小5・6、中1・2で詳細な実態調査を行った。. 童の実態を知っており心理的距離の近く、授業展開に慣れ、 他教科と関連付けた指導ができる学級担任が主導的役割を. 来年度も同様の実態調査を行い、いわゆる「中1プロブ. 担いALTを活用するスタイルで授業を展開することによ. レム」への対応としてノJ\学校から中学校に上がってきた. り、「わかる、できる、楽しい」授業となり、中学校英語へ. 生徒の変容について検証可能にした。. とうまく接続すると考えられる。. ●小学校英語における「文字」の扱いについて、附属釧路 小・中としてどうするか具体的に話し合う段階にきてい. 6 成果と課題. る。. 0小・中がお互いを理解する段階から研究を一歩進め、そ の系統性に着目し自分たちの学習指導のあり方がどうあ. 【音楽科】. るべきかを考えた。結果、児童生徒の実態の改善および. 1 はじめに. 「系統図」を作成できた。 ○発達段階に沿った「活動形態のあり方」と「学び方」を. 近年、情操教育の重要性が教育界のみならず多くの立場 から強調されてきている。. ある程度明らかにでき、「活動形態の系統図」や「学び方. 学校教育において、音楽科はその責務を果たすことので. 系続図」はその成果を形にしたものである。英語を専門. きる重要な教科の一つであると考えている。なぜなら、音. としない教員が小学校英語活動を指導する際はもちろん、. 楽科という教科の学習内容である「リズムをとること」、「声. 中学校英語を指導される先生にも活用していただける内. を出すこと」、「イメージを音に表すこと」、「音を聴いて感. 容となった。. 動すること」などは、人間の感情を表出する行動そのもの. ●小学校中学年と中1については実践が不十分である。実 践を進め、系統図を検証したい。. であるからである。そこで、附属小中の音楽科では、授業 の中で音楽のもつ良さや素晴らしさを享受できる能力を育. ○児童生徒には、ある程度協同的な学びの姿勢が身につい. て、生涯にわたって音楽とかかわりをもつことができる児. てきているといえる。ペアやグループ活動の際「積極的. 童生徒を育てることを目指している。次に音楽科の学力構. に」「頼り過ぎない」「協力して」という意識が高く、互. 造のイメージ図(目指す児童生徒像)を示す。. いの良さを認め合い、共に高まりあおうとしながら活動 していることがうかがえた。. 85−.

(15) 林 政孝 他 ・楽曲を鑑賞した際に、その楽曲を特徴づけている音 楽的諸要素がどのような効果をもたらしているのか を述べ合い交流することができる。また、仲間の発 言を聴き、自分の考えを深め表現活動に生かすこと ができる。 4 研究仮説. 創作活動や鑑賞活動で、苦楽を特徴づける要素や表現 方法等について意見交流を行い、音楽の多様性を理解し、 それを表現活動に生かすことにより、音楽を深く理解し 確かな学力が身に付くであろう。. 2 研究の経過. 研究の初年度である昨年度は、音楽科における小学校・ 中学校の実態を互いに把梶することから始めた。小・中合. 5 小学校音楽と中学校音楽をつなぐために. 同の教科部会や授業交流等の結果、次の問題点が明らかに. 小学校と中学校の音楽ににおいて、9年間で取り上げる. なった。. 学習内容を洗い出し、題材や教材曲を確認し、系統件のあ. (1)読譜力が不足していること。. る学習となるよう再構築を行った。特に、小学校から中学. (2)音符や休符、その他の基礎的な楽典などの理解が十. 校へ移行する段階での難易度に開きが見られたため、双方. 分ではないこと。. の歩み寄りにより、スムーズに学習が継続できるようにし. (3)小学校から中学校に入る時点での学習の難易度に段. た。. 差が見られること。. 児童生徒に基礎的な力を付けさせるために、小学校の段 階では早期にリズムを中心とした読譜トレーニングを行っ. (4)教材曲に重複するものがあること。. これらを踏まえ、昨年度は次の点について研究を進める. た。それを受け、中学校でも合唱時などによく見られがち. こととした。. な「耳コピー」に頼らず、楽譜からリズムを取る学習を随. 昨年度は特に(3)のリズム学習を中心に授業に取り入. 時行った。. れる試みを行った。早期にリズムを楽譜から読み取り、自 分のものとすることが重要と考え、小学校での試行実践を. 6 成果と課題. 取り入れた。その結果、蒸拍にかかるタイの部分で子ども. 小申達携による教科研究も2年目に入った。音楽が好き. たちにつまづきが多いことがわかった。また、それまで聞. な子どもたちとともに良い音楽環境の中で授業研究を進め. き覚え(いわゆる「耳コピー」)に慣れてきた児童にとって. ることができ、大変幸せに感じている。それだからこそ、. は、読譜の重要性や必要感の意識が低いことがわかった。. 担当者である私たちは、子どもたちにいっそう充実した音 楽活動を経験させてあげたい、音楽に触れる喜びを経験し. 3 今年度の研究の視点. てほしいという強い思いをもって研究に取り組んできた。. 附属釧路小中の音楽科として学力を次のようにおさえた。. 今回の研究では、昨年度に引き続き、児竜生徒の実態の. 【関心・意欲】. 把握から始まり、その後、音楽を特徴づける音楽的諸要素. ○音楽に触れる喜びをもち、主体的に音楽活動にかかわ. のはたらきを切り口として、小学校、中学校それぞれの発. ることができる。. 達段階や興味・関心を考慮し、児童・生徒に確かな学力が. 【平楽的な感受や表現の工夫】. 身に付くための授業改善に取り組んだ。また、学力を高め. ○音楽的諸要素を理解し、音楽を感じ取ることができる。. るための「言葉で伝え合う場」の効果的な方法について、. ○自分の中に思い浮かんだイメージを自由な発想で表現. 試行実践をとおして模索を続けてきた。. に生かそうとすることができる。. これらの研究の結果、児童・生徒の興味・関心を高めつ. 【表現の技能】 ○楽譜上のリズムや音程を正しくとらえ、演奏すること. つ確かな学力を接待するための適切な学習課題の設定や教 材曲の選定について一定の成果があげることができた。ま. ができる。. た小学校から中学校への受け渡し時期に起こりうる学習課. ・楽譜を声に出してリズム読みしたり、リズムの違い. 題の難易度の段差をなくしスムーズに移行することや、音. を指摘し合うことができる。. 楽的諸要素をもとに音楽の特徴をとらえ、音魂のもつ多様. 【鑑賞の能力】. 性を認識することなどができた。. ○音楽的諸要素を理解しながら、表現の多様性やおもし. 今後の課題として、「言葉で伝え合う場」において、交流. ろさを聴き二取ることができる。. 前の段階における個人レベルでの課題解決能力を高めるた. 一86−.

参照

関連したドキュメント

金沢大学学際科学実験センター アイソトープ総合研究施設 千葉大学大学院医学研究院

都道府県 高等学校 体育連盟 都道府県

小学校 中学校 同学年の児童で編制する学級 40人 40人 複式学級(2個学年) 16人

棘皮動物 物 箒虫・腕足動物 軟体動物 脊索動物. 節足動物

【 大学共 同研究 】 【個人特 別研究 】 【受託 研究】 【学 外共同 研究】 【寄 付研究 】.

話題提供者: 河﨑佳子 神戸大学大学院 人間発達環境学研究科 話題提供者: 酒井邦嘉# 東京大学大学院 総合文化研究科 話題提供者: 武居渡 金沢大学

本稿筆頭著者の市川が前年度に引き続き JATIS2014-15の担当教員となったのは、前年度日本

Jumpei Tokito, Hiroyoshi Miwa, Kyoko Fujii, Syota Sakaguchi, Yumiko Nakano, Masahiro Ishibashi, Eiko Ota, Go Myoga, Chihiro Saeda The Research on the Collaborative Learning