大学入試と数学の基礎学力
著者
大谷 晃也
雑誌名
関西外国語大学教育研究報告
巻
3
ページ
47-57
発行年
2004-02
URL
http://id.nii.ac.jp/1443/00005691/
大学入試 と数学 の基礎学 力
大
谷
晃
也
1.は じ め に 日本 の私 立 大 学 文 科 系 学 部 の入 学 試 験 科 目に 数 学 を 必 修 と して い ない 場 合 が 多 い こ とか ら、 私 学 文 系 学 部 入 学 に 勉 学 の 目標 を 早 くか ら絞 った 生 徒 は 、 高 校 で ほ とん ど数 学 の勉 強 を して い ない こ とが 懸 念 され る。 事 実 、 私 学 文 系 大 学 で 自然 科 学 や 経 済 学 を 担 当 す る教 員 か ら、 学 生 の 数 学 の基 礎 学 力 が 余 りに も低 い た め に 授 業 内容 を 切 り下 げ ざ るを え ず 、 学 問 の真 の面 白 さや 奥 の深 さを 学 生 に 伝 え る事 が で き ない 等 の意 見 が 多 く聞 か れ る。 学 生 は 大 学 で 諸 科 学 を 勉 強 す る ので あ るが 、 ど の よ うな分 野 の科 学 を 勉 強 す るに して も学 生 に は 論 理 的 思 考 能 力 が 要 求 され る。 そ の論 理 的 思 考 能 力 を 最 も鍛 え て くれ る のが 数 学 で あ る と 考 え られ る。 しか し、 最 近 の 戸 瀬 等 の調 査1)は私 学 文 系 学 部 学 生 、 と りわ け入 試 で数 学 を 受 験 しなか った 学 生 の数 学 の基 礎 学 力 は 極 め て 低 い こ とを 示 して い る。 そ の調 査 結 果 を 受 け て 、 多 くの論 者 に よ って 日本 の 教 育 のあ り方 等 に つ い て論 議 が 広 が っ て い る2)。著 者 は文 系 のK大 学 で 物 理 学 及 び 数 学 の授 業 を 担 当 して お り、 受 講 生 の数 学 の基 礎 学 力 が か な り低 く、 基 礎 に 戻 っ て 説 明 して も多 くの学 生 が 理 解 しない こ とを 肌 身 で 感 じて い る。 しか し、 具 体 的 に ど の程 度 の 数 学 の基 礎 学 力 が あ る のか に つ い て は 検 証 した こ とが ない 。 そ こで 、 他 大 学 と の比 較 を 容 易 に す るた め に戸 瀬 等 が 調 査 で用 い た 問題 と 同 じ問 題 に独 自の 問 題1問 を 加 え て 外 国語 学 部 の 数 学 (選択 科 目)受 講 生 を 対 象 に した 調 査 を 行 った 。 なおK大 学 で は 数 学 は 入 試 科 目に 入 って い な い ので 、 調 査 で は 、 ① 他 大 学 の入 試(セン タ ー試 験 を 含 む)で 数 学 を 受 験 した か 、 又 は 受 験 し なか った が 数 学 の入 試 勉 強 を した 者 の グル ー プ、 ② 数 学 の入 試 勉 強 を しなか った 者 の グル ー プ に 分 け 、 これ ら グル ー プ間 の基 礎 学 力 の差 を 調 べ た 。 また 入 学 後 の年 数 が 経 つ とそ の数 学 の基 礎 学 力 は ど う変 わ るか 、 入 試 タイ プ(公 募 製 推 薦 、 一 般 入 試 、 指 定 校 推 薦 等)の 違 い に よ って 数 学 の基 礎 学 力 に 差 が あ るか 、1年 間 の数 学 の授 業 を 受 け た 後 の数 学 の基 礎 学 力 は ど う変 わ った か 、 また 数 学 の入 試 勉 強 の有 無 に よ って そ の変 わ り方 に 差 が あ った か 等 を 調 べ た ので 以 下 に 報 告 す る。 なお 、K大 学 全 体 で の① と② の グル ー プ間 の数 学 の基 礎 学 力 の差 は 、 調 査 結 果 以 上 に も っ と大 きい と考 え られ る。 なぜ な ら、 数 学 の入 試 勉 強 を しない で 入 学 した 学 生 の中 で 、 数 学 の授 業 を 選 択 した 学 生 は 比 較 的 に 数 学 を 得 意 とす る少 数 の学 生 で 、 大 半 の学 生 は 数 学 を 苦 手 と して い るた め 選 択 科 目の数 学 の授 業 を 選 択 しなか った と推 測 され るか らで あ る。 2.調 査 方 法 調 査 は2001年 度 また は2002年 度 最 初 の数 学 の授 業(4月 の第2週)に 出席 した 外 国 語 学 部 の 学 生329名 につ い て行 った 。 調 査 に使 用 した 問題 を 表1に 示 す 。 これ らは 戸 瀬 等 が調 査 に 用 い た 問 題(表1の 問 題1か ら問 題21で 、 回 答 箇 所 数 は25箇 所 あ る)に1問(表1で 追 加 問 題 と表 記)を 加 え た も ので あ る。 時 間 不 足 のた め に で き ない とい う学 生 が い ない こ とを 確 か め て 試 験 を 終 え た た め 、 試 験 時 間 は 約40分 と長 くな った 。 また 、 授 業 の効 果 を 調 べ るた め に 、2003年2 月 に も4月 に 調 査 した 問 題 の中 の4問(表1の 問 題4で 回 答 番 号4、 問 題13で 回 答 番 号14、 問 題15で 回 答 番 号16、 問 題18で 回 答 番 号19)に つ い て 調 査 した 。 なお 、 採 点 基 準 で 問 題 と な る所 は 問 題llと 問 題19で 、 問 題llで はXとyの 両 方 が 正 解 の 場 合 の み 正 解 とす るの が 通 常 で あ るが 、 戸 瀬 等 の場 合 、Xとyの 回 答 箇 所 が 別 々 に な って い る の で 、Xま た はyの 片 方 の み が 正 解 の場 合 も得 点(正 解 数)1と 数 え 、 また 両 方 正 解 の場 合 は 得 点2と 数 え た 。 また 、 問 題 19で は 、"境 界 を含 む"の 条 件 が抜 け て い る回答 も正 解 と した。 表1数 学基礎学力調査で用いた問題 問題番号 問 題 答 レ ベ ノレ 1 1-1一(1) 3 40 小学 2 1÷1一(2) 5 42 小学 3 1÷1-1一(3) 34 9 小学 4 3×{5+(4-1)×2}一5×(6-4÷2)=(4) 13 小学 5 2÷0.25一(5) 8 小学 6 一5×{8-10÷(一5)}=(6) 一50 中学 7 拓 τ一(7) 8 中学 8 π ×痺7一(8) 9 中学 9 ll-ll-1-311=(9) 2 高校 10 3x+1=7の と きx=(10)で あ る. 2 中学
ll
{
3x+y=17 を 満 た す 、x,yはx=(ll),y=(12)あ る. 2x-5y=3 88(ll) 17 25(12) 17 中学 12 3x+1<4を 満 た すxの 範 囲 は(13)で あ る. x<1 中学 13{
2x+3<2 を 満 た すxの 範 囲 は(14)で あ る. 3x+1>一5 1 -2<x<一 L 中学 14 3x2-5x-2=0を 満 た すxは(15)で あ る. 一1/3 ,2 中学 15 x2+2x-4=0を 満 た すxはx=(16)で あ る. 一1± 揮 中学 16 17xy+7=19xyの と き4xy=(17)で あ る. 14 中学 1 17 2x一__119の と きx一(18)で あ る ・ 5 中学 18 lx+ll=3の と きx=(19)で あ る. 一4 ,2 高校 19{
y≦3x-2 を 満 た す( x,y)の 範 囲 を 図 示(20)せ よ. x≧0 欄外 高校 20 y=2一 ・と す る.x=0の と きy=(21)で あ り 、 x=3の と きy=(22)で あ る. (21)1 (22)1/8 高校 21 点A(5,一2),B(3,6)に つ い て 考 え る.(1)線 分ABの 中 点 の 座 標 は(23)で あ る.(]1)線 分AB上 の 点CでAC: BC=2:1で あ る 点 の 座 標 は(24)で あ る.(皿)線 分AB の 長 さ は(25)で あ る. (23)(4,2) (24)(ll/3,10/3) (25)2π 高校 追加問題 次 式 よ りxを 求 め よ. ax-x-1=0 (i)a≠1の 時 、 X-1/(a-1) (ii)a-1の 時 、 解 は な い 高校 問 題19の 解 答(20) 図 の 斜 線 部 分.但 し、 境 界 を 含 む. y\
2/3 0 一2 X3.調 査 対 象 学 生 の 分 類 調 査 対 象 学 生 は2001年 度 ま た は2002年 度 の年 度 始 め の 数 学 の授 業 を受 け た 学 生329名 で あ る。 学 生 の 自己 申告 に よ って 、 調 査 対 象 学 生 を 、 大 学 入 試(セン タ ー試 験 を 含 む)で 数 学 を 受 験 し た 学 生(100名)、 数 学 を 受 験 しな か った が 数 学 の 入試 勉 強 を した 学 生(29名)、 そ の他 の 学 生 (200名)に 分 類 した 。 入 試 で 数 学 を 受 験 した 学 生 を 含 め、 数 学 の 入 試 勉 強 を した学 生 が 意 外 と多 い のは 、 数 学 に 少 しで も 自信 を 持 つ 学 生 のほ うが 全 く自信 が ない 学 生 よ り数 学 を 履 修 す る 確 率 が 高 い と推 測 され 、 従 って 数 学 の入 試 勉 強 を した 学 生 の多 くが 数 学 の授 業 を 履 修 し ょ うと した か ら と考 え られ る。 調 査 分 析 で は ① 数 学 の入 試 勉 強 を した 学 生(入 試 で 数 学 を 受 験 した 学 生 と数 学 を受 験 しな か った が数 学 の 受 験 勉 強 を した学 生)、 と② 数 学 の 入 試 勉 強 を しな か った 学 生 の2つ の グル ー プに 分 け た。 また 、 ④ 大 学 入 学 直後 に 調 査 を 受 け た学 生158名 、⑤ 大 学 入 学 後1年 以上 経 過 して 調 査 を 受 け た 学 生171名 、 の2グ ル ー プに 分 類 した 。 さ らに 、 入試 タイ プ別(推 薦157名 、 一 般72名 、 指 定 校30名 、特 技29名 、 セン タ ー9名 、 編 入30名 、 社 会 人1名 、 帰 国 生 徒1名)に よ る分 類 も行 った 。 また 、 数 学 入 試 勉 強 の有 無 に よ る分 類 と入 学 後 経 過 期 間 別(入 学 直 後 か1年 以 上 経 過 して い るか の 別)を 同時 に 行 うと4グ ル ー プに な る。こ の4グ ル ー プ別 学 生 数 は 表2の とお りで あ る。 数 学 入 試 勉 強 の有 無 に よ る分 類 と入 試 区 分 に よ る分 類 を 同 時 に 行 うと16グ ル ー プに な るが 、 こ の16グ ル ー プ別 の学 生 数 は 表3の とお りで あ る。 表2入 学後経過期間別、受験勉強の有無別学生数 数学 の入試勉強有 り 数学 の入試勉強無 し 計 入学 直後 69 89 158 入学後1年 以上経過 60 lll 171 計 129 200 329 表3入 試 タイプ別、数学入試勉強の有無別学生数 数学 入試勉 強有 り 数学 入試勉 強無 し 計 推薦 57 100 157 一 般 45 27 72 指定校 5 25 30 特技 3 26 29 編 入 12 18 30 セン タ ー 7 2 9 社会人 0 1 1 帰国生徒 0 1 1 計 129 200 329
4.調 査 結 果 と分 析 調 査 対 象 が選 択 科 目の数 学 の授 業 を 受 け よ う と考 え た2年 度 分 の学 生329人 で あ るか ら、 こ の調 査 か らだ け で は 外 国 語 学 部 学 生(1学 年 約1700人)の 数 学 の基 礎 学 力 を 知 る こ とは で き な い 。 従 って 、 調 査 対 象 学 生 の調 査 テ ス トの平 均 値 は 問 題 と しない 。 しか し、 数 学 の入 試 勉 強 の 有 無 別 や 入 試 タイ プ別 や 入 学 か ら の経 過 期 間 別 に 分 類 して 調 査 結 果 を 分 析 す る こ とに は 意 味 が あ る と考 え られ る。 調 査 分 析 は 主 と して 戸 瀬 等 が 使 用 した 問 題(表1の 問 題1か ら問 題21、 解 答 数25)に つ い て 行 う。 まず 図1よ り分 か る こ とは 、 数 学 の入 試 勉 強 の有 無 に よ って 、 数 学 の基 礎 学 力 に 大 き な 差 が 認 め られ る こ とで あ る。 しか し、 入 試 勉 強 を した 者 の間 、 又 は 入 試 勉 強 を しなか った 者 の 間 で 比 較 す る と、 入 試 区 分 の違 い に よ る差 は ほ とん ど ない こ とが 分 か る。 これ は 少 し驚 きで あ る。 なぜ な ら、 指 定 校 入 試(特 別 入 試 の1つ)で 入 学 す る学 生 は 、 高 校 で は 入 試 勉 強 か ら開 放 され て 授 業 に 集 中 で き、 数 学 の基 礎 学 力 を 身 に つ け て 入 学 して くる も の と期 待 され て い るか ら で あ る。 腰 H 25 20 1' 10 5 0 推薦 一 般 指定校 特技 編 入 ■ 数 学 入 試勉 強 なし 1コ数 学 入 試 勉 強 あ り 図1入 試区分別、数学入試勉強の有無別 正解数の平均値
数 学 の入 試 勉 強 の有 無 に よ る数 学 の基 礎 学 力 の差 を 更 に 明 らか に す るた め に 、 入 学 直 後 で 比 較 した のが 図2で あ る。 図2か ら、 数 学 の入 試 勉 強 の有 無 に よ って 数 学 の基 礎 学 力 に 大 き な差 が あ る こ とが 分 か る。 こ の数 学 の入 試 勉 強 の有 無 に よ る大 き な差 は 戸 瀬 等 の報 告 と一 致 す る。 なお 、 戸 瀬 等 に よ る調 査 対 象 は 入 学 直 後 の1年 生 の学 生 で 、 そ の分 類 は 入 学 した 大 学 の入 試 で 、 そ の大 学 独 自 の数 学 の試 験 を 受 け た か 否 か や 、 セン タ ー試 験 で 数 学 を 受 験 した か 否 か で あ る。 と こ ろ で 、 入試 勉 強 の 有 無 に よ って25点 満 点 の平 均 点 で5.4点 もの 差 が あ る こ とは予 測 され て い た とは い え 驚 きで あ る。 そ もそ も、 テ ス ト内容 は 基 本 的 な問 題 で あ るか ら、 数 学 の入 試 勉 強 を して い な くて も22点 は 欲 しい と こ ろで あ る。 と こ ろで 、 戸 瀬 等 の調 査 に よ る と、 中 国 の トッ プ校 哲 学 科1年 生 で は 満 点 を 取 った 学 生 の割 合 は96%で あ るが 、 日本 の国 立 大 学 トップ校 の文 学 系 類 の1年 生 で は45%で あ り、 また 日本 の トッ プ私 立 大 学 の 文 学 部 で は4.7%で あ る。 こ の こ とか ら 日本 の文 科 系 大 学 生 、 と りわ け 私 学 文 系 の学 生 の数 学 の基 礎 学 力 の無 さが 分 か る。 因 み に 今 回 の調 査 で は 、 入 試 勉 強 有 りの場 合 、129人 中18人 が 満 点(但 し、 問題19の 採 点 を で "境 界 を 含 む"が 抜 け て い る解 答 を 不 正 解 とす る と 、13人 が 満 点)で 、 入 試 勉 強 無 しの場 合 は 200人 中5人 が満 点(但 し、 問題19の 採 点 を厳 格 にす る と、2人 が満 点)で あ った。 30% 25% 聾20%讐 蝋15% 膿 周10% 5% 0% 一 ト i I 「 l II i 陛 [ 5 [ L 1 1 012345678910111213115t171819202122232425 得 点(正 解 数)
「一
国 数学入試 勉強無し []数学 入試 勉強 有り 図2数 学 入 試 勉 強 の 有 無 に よ る得 点 分 布(入 学 直 後 の 場 合) な お 、 数 学 入 試 勉 強 有 りの 平 均 点 は22.4、 数 学 入 試 勉 強 な しの 平 均 点 は17.0入 学 直 後 で は 、 入 試 勉 強 を した 学 生 と しなか った 学 生 と の間 に 数 学 の基 礎 学 力 に 大 き な差 が 見 られ た が 、 入 学 後1年 以 上 経 過 した らそ の学 力 差 は ど の よ うに な るか 興 味 あ る と こ ろで あ る。 そ の こ とを 示 す のが 図3、 図4及 び 図5で あ る。 図3に よ る と、 入 学 後1年 以 上 経 った 場 合 、 数 学 の入 試 勉 強 の 有 無 に よる数 学 の 基 礎 学 力 の差 は平 均 点 で3.8と 入 学 直 後 よ り差 が縮 ま っ て い る。 しか し、 依 然 と して 差 は 歴 然 と して い る。 入 試 勉 強 の有 無 及 び 入 学 後 の経 過 期 間 に よ る差 が ど の レベ ル の問 題(小 学 レベ ル 、 中 学 レベ ル 、 高 校 レベ ル)で 生 じて い るか を 明確 に 示 す のが 図4で あ る。 図4に よ る と、 小 学 校 レベ ル の問 題 で は 入 試 勉 強 の有 無 や 入 学 後 の経 過 期 間 に よ る差 は 殆 どみ とめ られ ない 。 中 学 及 び 高 校 レベ ル の問 題 で は そ の差 が 明確 に な るが 、 特 に 高 校 レベ ル の問 題 で そ の差 は 著 しい 。 こ の こ とか ら、 数 学 の入 試 勉 強 を しなか った 学 生 は 高 校 生 の時 に 数 学 を ま った くと言 って 良い ほ ど勉 強 しなか った こ とが 窺 わ れ る。 図5は 、 具 体 的 に ど の問 題 で 差 が 出て い るか を 示 す 。 例 え ば 、 解 答 番 号16(表1の 問 題15の(16)の こ と)は そ の差 が 著 しい 。 これ は2次 方 程 式 の一 般 解 を 知 って い ない とで き ない 問 題 で 、 入 学 直 後 は 知 って い て も、1年 も経 て ば 忘 れ て しま うこ とを 意 味 す る。 た だ し、 忘 れ た こ と と、 最 初 か ら知 ら なか った こ と とは 異 な る。 16% 14% 12% 摂卜10% ヨ e 勲8% 神 圏6% 4% 2% 0% 曽 亨P一 騨1}1 1 1 ♂1 1 ♂ ♂ ' 012345678910111213141516171819202122232425 得 点(正 解 数) 薗数学入試 勉強無し 2数 学入試 勉強有り 図3数 学 入 試 勉 強 の 有 無 に よ る得 点 分 布 比 較(入 学 後1年 以 上 経 過 の 場 合) な お 、 数 学 の 入 試 勉 強 を しな か った 場 合 の 平 均 点 は15.7、 数 学 の 入 試 勉 強 を した 場 合 の 平 均 点 は19.5
100% 90% 80% 70% 60% 謎50% 40% 30% 20% 10' 0% 小学 レベル 中 学レベル 一一 凸.,・. 一一一一一 ■ 「曹甲 一 "一一 "...騨 1 高 校 レベル 一 日 入試 勉 強 有 り, 入学 直 後 團 入試 勉 強 有 り, 入 学後1年 以 上経 過 岡 入 試勉 強無 し, 入 学 直 後 圏 入 試 勉 強無 し, 入 学 後1年 以 上 経 過 図4数 学の入試勉強の有無及び入学後経過年数に よる数学の基礎学力差 100% 90% 80% 70% 60% 駐50% H 40% 30% 20% 10% 0%
」
1234567891011121314151171819202122232425 □ 数学 入試勉 強有 り、入学 直後(69人) 圏 数学 入試勉 強 有り、入学 後1年 以上 (60人) 日数 学入試勉 強 無し、入学 直 後(89人) 圃数 学入試勉 強 無し、入 学 御 年 以上 (11人) 解答番号 図5数 学入試勉強の有無及び入学後経過年数の違いに よる問題別正答率比較図6及 び 図7は2002年 度 の 最 初 に この調 査 の テ ス トを 受 け 、 そ の 後1年 間 数 学 の授 業 を 受 け た 後 、 再 度 同 じ問 題(但 し4問 の み)の テ ス トを受 け た 学 生109名 の テ ス ト結 果 で あ る。 図6 か ら、 授 業 後 の正 解 率 が 少 しで は あ るが 上 が って い る こ とが わ か る。 も し授 業 を 受 け て い なけ 駐 田 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 一 ¶ 雷 冒 曹 暫 ▼ 艦 一 一 一 ⋮ ﹁ ■ " レ .. N口 ."口r..',,O,噸 ー ー ・ ● ﹁ ﹁r , ● 職 " 。 卿."﹂●:、畠"." ヤ...争.'きp "i , 冒 ⋮ ■ ⋮ 一 ■■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ □圏 ■■ ■■ ■■ ■■■■■■■■■■■圏圏■薩■■■■圏 ■■■■■■■■■■圏圏曜■■■■■■■ ⋮ 一9 ■ 匿 曽1 ﹁ ﹂ ● ﹁ 璽 ・ ● . 占 ,9 5辱 ● 、 ・ , , ﹂ ・ 、 、 凸 ⋮ } ■ 闘 ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■■■圏■■■■■■■■■■■闘 ■圏■■■■■■■■■■■■■閾 曹 暫 。 一 冒 一 ' 雪 曹 ⋮ 一 ︻ → ↑r 一" ボ 桝 桝.一." " 56 , , "" ." ." ㍑ ' 噂""""r"'. . , ・ 印、 、 、﹁﹁畠"印印""r 阜.OO の㍉し ↑ , ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■国 ■■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■■■■■■■■圏■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■■■■■■胴■国■■圏■圏■■■■■■■■■■■■■ 冒 ⋮ 一 一一 暫 一 . 一 層 . ■ ・ ・ ' ● 墜 ' 、 ● 蟹 ● ,9 , ・曾 ● 曽 ● ・ ● ● 9 ● ・曾 ● ・ ● ・ し し蟹 ↑9 員・ 曽 ● 曹 9 ⋮ 9 ・ 一 一 一 ■■ ■ ■ ■ 圏 国 ■ ■ ■ ■ ■ ■■ ■■ ■■ ■ ■ ■ ■ ■ 圏 ■■ ■ 圏■ ■ ■■■闘■■翻■■■■■■■■■■■■■■■■■圃■■■■! ■■■■■■■■■■圏猶■■■■■■■■■闘■翻圏■■■■! . 嗣授 業前 正解率 遡 授 業 後 正解 率 4 14 16 18 解答番号 図6 1年 間の授業前後の正解率比較 卸 因 yo% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% ・ ・ 曹 曹 一 6唱 ,曹, 9 一 ㌻ 一.幽 一 一 「一..● 一,o. .■ 一 ■■■■一一」 圏」■一・ 巳 一一 昌 ● ・ 曾 , ●・・● 曾 曹 昌 匿 畠 畠 曾 , ●・● 噛・ ・ ● ・ 霧 嗣 o,曝:: .虚 ・・ ●・● ,P7 一 ,・,・ , 一 一一 ・: ,・. ・ "」, .「「 ,・o・ ・ 邑 ・,・, ● 7 ・ .. ,・ ・ 7 ・: ・,・, ・ 9 . 一 . 9・ " 7 層 ., 唱臨一 隔` . ・ 6 墨 響 ・ ・ ・ 匹 畠 , .,, .・ ・ 畠齢 ■ ・ ・ ,,.,.一.. ,畠 ■ 唱.・ ・一 噸. .o 一一一 畠 鰐 匹・ ・ . , 噂 ● ● ・ 一一 一 一 ● 一 一 畠一 層雫 ● ● ・ ・ , , ・ :' ・ ・ ・ ● ・ . ● ・ 一 :: 冒7▼- 曹 一9曹 ・ ・ .・.,. 冒 .・ ・.・ 9, 竃 ・ 噛・ ,, ... ・.9 .. .・.,噛 .. ・.・.9, ・.. ...,.囑. 幽o一 .. 層 一.,,・, ,・.・, 昌・邑 ● ・ b 緯 ・ ・.・.9 . ,・.・` . ・.・.9 陛 [ .瀞1 ・o・ 臼 数学 入試 勉強 有り 國 数学 入試 勉強無 し 4 14 16 19 解答番号 図7 誤答者1年 後の入試勉強有 り無 しに よる正答率比較 な お 、 回 答 番 号4、14、16、19の 解 答 を 最 初 の テ ス トで 間 違 え た 人 数 は 入 試 勉 強 有 りの 場 合 、 そ れ ぞ れ8、2、12、6人 で 、 入 試 勉 強 無 し の 場 合 、 そ れ ぞ れ16、30、51、46人 で あ る 。
れ ば 、 図5か ら推 測 す る と正 解 率 は さが って い た は ず で あ る。 こ の こ とを 考 慮 す れ ば 、 大 学 に お け る授 業 は 学 生 の基 礎 学 力 の維 持 向上 に 寄 与 で きた と言 え よ う。 図7は 、4月 の テ ス トで 不 正 解 で あ った 学 生 の中 、1年 間 の授 業 を 受 け た 後 の 同 じテ ス トで 正 解 に な った 者 の割 合 を 示 す 。 解 答 番 号16と19の デ ー タか ら数 学 の入 試 勉 強 を した 学 生 の方 が 、 入 試 勉 強 を しなか った 学 生 よ り基 礎 学 力 の回 復 力 が 大 きい とい え る。 表1の 追 加 問 題 を 加 え た 理 由は 、 そ の問 題 を 解 け る こ とは 、 少 しで も式 を 使 う科 目、 例 え ば 物 理 学 な ど の授 業 に つ い て い け る必 要 条 件 と考 え た か らで あ る。 図8か ら分 か る通 り、 数 学 の 入 試 勉 強 を して こ なか った 学 生 の正 解 率 は40%以 下 で あ り、 これ は 大 変 な こ とで あ る。 と こ ろ で 、 図8か ら こ の追 加 問 題 の面 白い 点 が 分 か る。 そ れ は 、 こ の追 加 問 題 を 解 く能 力 は 数 学 の入 試 勉 強 の有 無 に 強 く依 存 す るが 、 入 学 後 の経 過 期 間 の長 さに は ほ とん ど よ ら ない 点 で あ る。 ま た 、 図9に よ る と、 こ の追 加 問 題 ので き る学 生 は 戸 瀬 等 が 調 査 で 使 用 した 問 題 もで き る事 が わ か る。 従 って 、 追 加 問 題 は 数 学 の基 礎 学 力 を 測 定 す る問 題 と して 適 して い る と考 え られ る。 100% 90% 80弘 70% 60% 駐50% N 40% 30% 20% 10% 0% 入試直後 入 試 後1年 以 上 1...1 [. … 1 数学入試勉強有 り 数学入試勉強有り 入試 直後 入 試1年 以上 数学入試勉強 無し 数学入試勉 強無し 図8追 加 問 題(ax-x-1=0)の 正 解 率
25 20 躍 ︾ n ) ( 勲 腰 日 )噸 嘩 5 0 完全 正解(6人)部 分正解(164人)不 正解(159人) 図9追 加 問題(ax-x-1=0)の 正 解 度 別 平 均 得 点 5.お わ り に 今 回 の調 査 結 果 か ら、K大 学 に お い て も、 戸 瀬 等 の指 摘 の通 り、 数 学 の入 試 勉 強 を しない 高 校 生 の多 くは 、 高 校 で の数 学 の勉 強 を 全 くと言 って い い ほ ど して い ない こ とが 確 認 され た 。 大 学 で の教 育 は 、 そ の点 を 踏 まえ て 行 わ なけ れ ば な ら ない が 、 そ こに は 限 界 が あ る。 学 生 の数 学 の基 礎 学 力 を 高 め る方 策 は 、 や は り入 試 科 目に 数 学 を 入 れ る(例 え ば 、 セン タ ー試 験 の数 学 を 必 修 に して 総 点 の20∼30%を 占め る よ うに す る等)し か 他 に 方 法 は ない ので は ない か と考 え る。 こ の問 題 は 、1つ の大 学 だ け で で き る こ とで は ない か ら、 多 くの大 学 が 手 を 取 り合 って 取 り組 む べ き問 題 で あ る と考 え る。 こ の調 査 報 告 が 学 生 の数 学 の基 礎 学 力 向上 に 何 らか の寄 与 が で き れ ば 幸 い で あ る。 参考文献 1)戸 瀬 信 行 、 西 村 和 雄 「日本 の トッ プの 大 学 の 文 系 学 生 の数 学 カ ー 学 力 調 査 」 大 学 の物 理 教 育2000年3 月 号 日本 物 理 学 会 物 理 教 育 委 員 会 、 戸瀬 信 行 、 西 村 和 雄 「大 学 生 の学 力 を診 断 す る 」岩 波新 書 、 岡 部 恒 治 、 戸 瀬 信 行 、 西 村 和 雄 「分 数 が で き ない 大 学 生 」 東 洋 経 済 新 報 社 2)加 藤 幸 次 、 高 浦 勝 義 「学 力低 下 論 批 判 」 黎 明 書 店 、 左 巻 健 男 「理 数 力 崩 壊 」 日本実 業 出版 社 、 佐 藤 学 「学 力 を 問 い 直 す 」 岩 波 ブ ック レ ッ トNo.548、 市 川 伸 一 「学 力 低 下 論 争 」 ち くま新 書 、 国立 教 育 政 策 研 究 所 編 「数 学 教 育 ・理 科 教 育 の 国際 比 較 」 株 式 会 社 ぎ ょ うせ い (おお た に ・て るや 外 国 語 学 部 助 教 授)