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量子コンピュータと量子計算 : 0.編集にあたって

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Academic year: 2021

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(1)特集. 量子コンピュータと量子計算. IPSJ Magazine Vol.47 No.12 Dec. 2006. 1309.

(2) 特集. 特集:量子コンピュータと量子計算. 量子コンピュータと量子計算. 編集にあたって 河野 泰人〔NTT コミュニケーション科学基礎研究所〕 [email protected] 白木 善尚〔湘南工科大学〕 [email protected]  インターネットの爆発的な普及に伴い,近年,コンピ.  本会誌における過去の量子コンピュータの記事を概観. ュータへの期待は高まり続けている.コンピュータの処. しよう.西野哲朗氏による《解説》『量子コンピュータ』. 理能力を測るために,重要で分かりやすい尺度が計算速. (1995 年 4 月号),竹内繁樹氏による《情報処理最前線》. 度である.高速コンピュータのランク付けは半年に一度. 『 「量子計算機」の現状と今後』 (1999 年 12 月号),今井. 行われており,その注目度は非常に高い.2006 年 6 月. 浩氏,松本啓史氏,富田章久氏らによる《解説》 『量子情. 時点での世界最速のコンピュータは,IBM の Blue Gene/. 報処理による新ムーアの法則─量子ビット並列による高. L である.高速コンピュータの開発はその国の技術水準. 速化─』(2002 年 11 月号) .また,量子コンピュータと. を示す最も重要な指標の 1 つであり,開発競争は国家の. 暗号の関係に関しては,小柴健史氏による 《解説》『量子. 威信をかけた戦いでもある.. コンピュータは公開鍵暗号にとって脅威なのか?』 (2006.  コンピュータの高速化競争の影で,ひそかに進んでい. 年 2 月号)などがある.. る戦いがある.量子コンピュータをめぐる競争である..  本特集では,量子コンピュータをめぐる最前線の技術. 量子コンピュータでは,光子や電子スピンなどの量子状. について,系統的に分かりやすく解説することを試みる.. 態を用いて情報が表現される.量子状態を使うと,0 と. はじめに,1. と 2. で量子コンピュータの計算原理と最. 1 のディジタル情報だけでなく,それらの重ね合わせ状. 近の研究展開に関して,ハードウェアも含めて概説する.. 態の表現が可能になる.この重ね合わせ状態は,量子ビ. 次に,3. と 4. では,量子アルゴリズムの中で最も有名. ットと呼ばれ,量子コンピュータにおける情報表現の単. な,Shor の因数分解アルゴリズムと Grover の検索アル. 位である.量子コンピュータの性能は,演算に用いる量. ゴリズムについて,最新の研究動向を交えながら解説す. 子ビットの数に大きく依存する.量子ビットの数が百を. る.続く 5. では,量子アルゴリズムの自動的な設計に. 超える量子コンピュータがハードウェアで実現できると,. 関する研究の最新動向を解説する.6. は,量子コンピュ. 従来のコンピュータでは解けなかった問題の一部が,短. ータと従来のコンピュータとの協調計算がもたらす,計. 時間で解けるようになると予想されている.残念ながら,. 算能力の向上に関する解説である.最後の 7. では,量. 現時点で最大の量子コンピュータの量子ビット数は,一. 子通信ネットワークで結合された量子コンピュータが協. 桁でしかない.量子ビットの数が百を超える量子コンピ. 調的に計算を実行する際に必要となる,量子通信量に関. ュータの開発には,まだ何十年もかかるといわれている.. する研究を解説する.. しかし,従来型コンピュータの速度性能の限界が見えは.  革新的な技術は地道な成果の積み重ねの上に初めて成. じめる中,量子コンピュータのハードウェア開発は,世. り立つ.量子コンピュータの研究も同様に,長い基礎. 界の主要研究機関の大きな目標の 1 つになっている.. 研究を経てようやく実りあるものになりつつある.1985.  量子コンピュータのハードウェア開発と並んで,アル. 年に Deutsch が量子コンピュータの数学的モデルを提案. ゴリズム開発も重要である.量子コンピュータの能力を. してから,今年で 21 年が経つ.この間,数多くの研究. 引き出すためには専用のアルゴリズムが必要不可欠とな. 努力に支えられ,量子コンピュータの研究が少しずつ着. る.従来のアルゴリズムをそのまま転用しても,量子コ. 実に進んできた.実用的な量子コンピュータが完成す. ンピュータの計算は速くならない.量子コンピュータの. るまでに,何年かかるのかは誰にも分からない.しかし,. 情報処理能力を引き出すための鍵を握るのは,量子アル. 人類の歴史に,新しい可能性をもたらすことは間違いな. ゴリズムである.しかし,その研究の歴史は浅く発展途. い.本特集によって,量子コンピュータの研究にささや. 上にある.. かな貢献ができれば,と願っている.(平成 18 年 11 月 9 日). 1310. 47 巻 12 号 情報処理 2006 年 12 月.

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