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[資料]琉球大学医学部附属病院におけるモルヒネ使用動態: 沖縄地域学リポジトリ

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Academic year: 2021

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Title

[資料]琉球大学医学部附属病院におけるモルヒネ使用動

Author(s)

渡久山, 京子; 芳原, 準男; 池村, 政次郎; 喜屋武, 典; 比嘉,

保; 伊波, 忠; 佐久本, 薫; 東, 政弘; 金澤, 浩二

Citation

琉球医学会誌 = Ryukyu Medical Journal, 16(3): 147-151

Issue Date

1996

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12001/3207

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琉球大学医学部附属病院におけるモルヒネ使用動態

渡久山京子、芳原準男、池村政次郎、喜屋武 典、比嘉 保

伊波 忠*、佐久本 薫*、東 政弘*、金港浩二*

琉球大学医学部附属病院薬剤部 *琉球大学医学部産科婦人科学講座 (1995年12月4日受付、 1996年11月18日受理)

Dosage and period of morphine treatment

at the

Ryukyu University

Hospital

Kyoko Tokuyama,

Norio Hobara,

Seijirou

Ikemura,

Kyan Nori,

Higa Tamotsu,

Tadashi

Iha*, Kaoru Sakumoto

,

Masahiro

Higashi*

and Koji

Kanazawa*

Department of Hospital Pharmacy and Department of Gynecology and Obstetrics, Faculty of Medicine,

University of the Ryukyus

ABSTRACT

The World Health Organization (WHO) issued Guidelines for cancer pain releaf in 1986 and recommended the positive application of morphine for pain control. We reviewed the use of morphine at the Ryukyu University Hospital from 1993 to 1995. 126 patients received morphine in 1993 and 155 patients in 1995, excluding the use of morphine for operation purposes. The amount of parenterally administered morphine gradually increased. The dose in 1995 (518. 5g) was 2. 5 times as much as that of the previous year. Seventy one percent of the patients were prescribed the sustained-release morphine tablets in 1993. The maximal period for morphine treatment was 359 days in 1993 and 342 days in 1995. Maximum dose (mg/day) prescribed for injection, tablet, solution and suppository was 5200mg, 600mg, 120mg and lOOmg, respectively. We calculated that the maximum period of morphine treatment using tablets was 27 days at 60mg/day, suggesting that the pain of many patients disappear with an oral dose of 60mg/day. The data suggest that the effective use of morphine could be employed to improve the quality of life of patients. Ryukyu Med. J., 16(3)147-151, 1996

Key words: cancer pain, WHO guidelines, morphine, quality of life

はじめに WHOが1986年に「WHO方式がん捧痛治療法」を公表し た。要約するとがんの痛みの特徴として、 0がんが進むにつ れて痛みを訴えることが多くなり末期になると70%の主症 状が痛みであること、 ②痛みの大多数がモルヒネをはじめと する鎮痛薬が有効な痛みであること、 ③普通の鎮痛薬つまり 非麻薬性鎮痛薬が効く軽い痛みは20%と少なく、 50%はか なり強く、 30%は耐えがたいほど強い痛みで、あ-ん系麻 薬が必要となると発表しているl)。さらに鎮痛薬投与の5つ の基本原則と基本的鎮痛薬三段階治療ラダーを掲げた。いま では、ほとんどの国でこれが標準的治療法として採用されて いる。その普及の状況はわが国の調査によるとがんセンター では65%、大学病院では47%の医師がこの方式を採用して いることが分かった2)。琉球大学医学部附属病院においても 塩酸及び硫酸モルヒネ(モルヒネと略)の使用は毎年増加し ているが、モルヒネ使用の確実な現状を把握すべく調査を行っ たので報告する。 調査方法 麻薬の使用量推移は、麻薬年間報告書に基づいて1983年 から1995年の13年間に使用された仝麻薬について調査した。 モルヒネの使用量は、麻薬処方葺と麻薬管理簿に基づいて 調査した1992年10月1日から1993年9月30日の1年間は 全剤形の使用量を調べた。また注射剤と錠剤の使用量が年毎 に増加しているので、 1994年は注射剤の患者毎の1日最大 使用量を、 1995年は錠剤、注射剤などの使用量を調査した。

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148 琉球大学病院におけるモルヒネ使用動態 結果及び考察 1.使用量の推移 麻薬使用量の推移は図1に示した。クエン酸フェンタニー ル注射液のアンプル数の使用量が横ばい状態に対し塩酸モル ヒネ注射液のアンプル数の使用量推移は急勾配に増加した。 特に1994年、 1995年は各々の前年比が3.2倍、 2.5倍となっ た。モルヒネの内服用剤及び外用剤の総使用量は1991年か ら注射剤以上に著しい使用増加傾向を示し、 1995年は467g で前年248gの1.7倍の使用量増加であった。塩酸ペチジン注 射液のアンプル数、アヘンナンキの使用量の変化は小さく、 塩酸コカインはほとんど使用されなくなった。モルヒネ剤形 別使用量を図2に示した1989年錠剤の採用に伴い錠剤が 散剤にとって変わるようになったc 1995年には前年の2倍 を超えて投与されたO散剤外用剤は変化なく、むしろ僅かに 減少傾向にあった1995年は注射剤、錠剤の使用量は著し い伸びを示し、特に注射剤の使用量は注射剤を除くモルヒネ の内用剤とモルヒネの外用剤の総使用量を超えた激増が認め られた。

Tablet So】  Suppository Injection

Fig.3 Patient population and mode of administering morphine.

2.モルヒネの投与方式 図3に示した様に麻酔前投薬を除いた投与患者数は1993 年126人、 1995年155人で、 1995年は29人の増加であった。 1993年では錠剤単剤投与の患者数は使用患者126人中43人で、 他の剤形に比し34%と多かった。図には示していないが錠 剤と注射剤の2剤形併用患者が18人で、 14%を占めた。こ の投与方式は1993年、 1995年でほとんど変わらなかった。 注射剤単剤投与例では1993年14人、 1995年39人で2. 8倍 の増加であった。 3剤形併用は前年より6人の増加であっ た。 4種類の剤形のうち単剤形投与の合計は1993年60%、 2剤形併用患者数は服用患者の30%であった。錠剤服用患 者は1993年89人と投与患者の71%を示し、多くの患者に投 与されていた。 3.投与日数について モルヒネの各剤形毎に単剤で投与された患者数を調べた。 また91日以上に複数の剤形でモルヒネ投与を受けた患者に ついても調べ、 1993年と1995年を比較した(表1)0 剤形別にみると、錠剤のみ単独に91日以上投与された患 者が圧倒的に多く1995年は1993年より7人多く54%の増加 であった。複数のモルヒネの剤形で投与を受けた患者の投与 日数別に患者数を観察すると1993年23人、 1995年32人であっ た1995年は91日以上のモルヒネ投与を受けた患者数が 1993年に比べて39%の増加を認めた。 更に200日以上の長期投与例を表2に示した1995年の患 者数は1993年の2倍に増加しており患者毎の投与期間も上 位3位まではほぼ同じ日数であった。その投与方式では、 錠剤のみの使用及び錠剤からスタートした例が大半の75% を占めた。錠剤と他の剤形併用患者でも錠剤の服用期間が他 の併用剤形の服用期間よりかなり長かった。水剤では1日 120mg投与で200日以上が2人、坐剤は1日100mg投与で 204日が1人であった。 200日以上鍍剤のみの投与が5人(42%)であった。長期 のモルヒネ投与で痛みがコントロールされ、生活の質 (Quality of Life)が向上したと思われたO

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Table 1 Number of patients treated with morphine for more than 91 days in 1993 and 1995

Administration form

Treatment period (days) 91-100        101-150        150-1993   1995   1993   1995   1993 Tab et Solution Suppository 叫ection Others C T >     -サ   C M     -t O O U 3   M H O H T H H H ハ サ   ー I   ー 蝣   O   ォ l C O C O C > J     蝣 -i C O 1                         2 O N C O h N O ^ ^ ^ ^ ^ ^ K l <

Table 2 Cases of morphine treatment for more than 200 days m 1993 and 1995

・,Caseサoy,,一蝣Administrative Year--AgeSexClinics, No.-form 1993  1   56   M Otorhinolaryngology 82   F Gynecology 53   F Gynecology M Otorhinolaryngology Solution Tab et

Maximum dose Treatment

( mg/'day)   period

[芯。n L 2芸呂

Suppository 1 00 359 29-1 245 67 204 1 995  1  38   F Gynecology 69   M Rad io】ogy 4 2   F Gynecology 73   M Otorhinolaryngology 6 1  M Urology 60   F Radiology 70   F Oral Surgery 49   F Neuropsychiatry [芯[6 L5233 Tablet40 Tablet Suppository 叫∝tion Tab et [吉ua呂Iet p。sit。ry呈呂 Tablet180 Solution120 Tablet r214 L128 294 [2i; 245 [呈去76 224 212 210 4.投与量について 注射剤の1日最大投与量は1993年は500mgであったのが 1994年で2400mg、 1995年は5200mgと約10倍も投与量に おいて著しい増加が認められた。 硫酸モルヒネ徐放錠1日最大投与量分布について1993年、 1995年で比較してみると、 1995年では1日60mg以下の投 与量の患者数は1993年に比べて5 %の減少、 120mg以下で は8%の減少であり、その減少分が1日180mg以上の投与 量の患者数に移行し、 240mg以上の投与量が1993年は1 % であったが1995年では5%の増加を示した。このように投 与量分布でみると投与量が高用量に移行していることが図 4からも明白であった。なお、各年の硫酸モルヒネ徐放錠 1日最大投与量は1993年では280mgであったが1995年は 600mgに増加していた。 淀川キリスト教病院のホスピスのデータでは240mg以上 が13%3)で当院の5%より多かった.埼玉県立がんセンター の経口モルヒネ1日最高投与量の分布においても1日量60 mg以下の経口投与量では45-50%の患者の痛みが消えるに すぎないと言われている。なお、 1日量60mg以下の経口低 用量使用量の患者は淀川キリスト教病院の場合は53%であ り、当院では1993年に78%であったが1995年は73%に減少 していた。文献的にみても充分な除痛効果を示していない様 に思えた。このような用量の分布は、どの病院でも概ね同じ であると報告している】).さらに、武田の報告によると日本 のがん専門病院での末期がん患者の痛みの除痛率は1993年 には58%、大学病院の平均は44%と発表されている1)。この ことより当院の硫酸モルヒネ徐放錠1日最大投与量も将来 増量の余地、或いは可能性が考えられる。 水剤、坐剤の1日最大投与量は1993年、 1995年共に同値 で、水利は120mg、坐剤は100mgで両剤にかぎって、今後、 より増量される可能性は観察されなかった。 5.投与量と投与日数について 錠剤について投与量と投与日数について調べ、図5に示

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150 琉球大学病院におけるモルヒネ使用動態

Fig.4 Percentage of patients and oral controlled-release of morphine perday.

Treatment days

Fig.5 Dosage and t∫eatment period with a controlled-release morphine su】fate tablet. した。これは各投与量が何日間服薬されているかを見たもの である。主な投与量における投与日数を集計した。錠剤の投 与量が1日60mg、 120mgの順に投与日数が長く、この投 与量で安定した除痛が得られた事を示唆していると思われる。 これは武田らの文献と一致していた4)。水剤においては1日 当たり80mgから120mgで長い投与日数を示した。 図6に産科婦人科における入院患者の大量投与例を示し た。これは39歳、女性、子宮頚がんの投薬歴で、硫酸モル ヒネ徐放錠を214日、 1日最大投与量は600mg、塩酸モルヒ ネ注射液は128日、 1日最大投与量は5,200mgであった。 注射液投与34日後にカルハマゼピンを投与し、 200mgから

Fig.6 Chronological profile of a patient administered with 5400mg of morphine per

day-800mgまで増量され除痛については良好なコントロールが 得られた。しかしモルヒネの投与量が減少しなかったのは痛 みの種類が異なるためと考えられた。患者は明るくおおらか な性格で、 5,200mgもの多量のモルヒネ投与を受けながら も車椅子で戸外に出て人々と談笑している姿も見られた。更 に外泊も出来るようになった。 最近ではモルヒネは痛みが消失するまで増量でき、その量 が患者の至適量といわれている。 Detlevら5)も進行がん患者 の痔痛緩和治療の中核はモルヒネ経口剤の投与であると報告 している。 おわりに モルヒネはクエン酸フェンタニール、その他の麻薬に比べ てその使用量は年毎に急上昇してきた。これはモルヒネ投与 患者数、その日数及び投与量の増加によるものであった。こ のことは当院のPain Controlの改善を示唆していると思われ た。 WHO方式治療法に従って鎮痛薬を使っていれば90%以 上の痛みは解決することが医療制度の異なる国で実証されて いると言われている2-0 文  献 1)厚生省薬務局麻薬課監修:がん痔痛緩和とモルヒネの 適正使用一普及と理解に向けて- ミクス,東京, 14-33, 1995. 2)厚生省薬務局麻薬課監修:医療用麻薬の利用と管理 -がん痔痛緩和へのモルヒネの適正使用- ミクス, 東京, 8-9, 1995. 3)柏木哲夫:ターミナルケアマニュアル 第2版 淀川 キリスト教病院ホスピス編,最新医学私 大阪, 30, 1992. 4)武田文和:がんの痛みの鎮痛薬治療マニュアル,金原, 東京, 79-80, 1994.

5) Detlev, F.J. Zech., Stefan, Grond., John, Lynch., Dagmar, Hertel., and Klaus, A. Lehmann.: Validation of World Health Organization Guidelines for cancer pain ralief: a 10-year prospective study. Pain 63: 65-76. 1995.

Table 1 Number of patients treated with morphine for more than 91 days in 1993 and 1995 Administration form Treatment period (days) 91‑100        101‑150        150‑ 1993   1995   1993   1995   1993 Tab et Solution Suppository 叫ection Others CT&gt;  ‑サ CM

参照

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