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救急医は何をすべきか? ―ER型救命医を目指して―

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Academic year: 2021

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救急医は何をすべきか?

ER 型救急医を目指して

1.は じ め に 現在, 日本の救急医療体制は, プライマリーケアを重 視した ER 型か, 全身管理を重視した ICU 型に大きく かれている. しかし, 救急医に求められる能力について, 日本のみならず世界におけて決まったスタイルはない. このため, 各々の地域特性および病院状況にあった救急 医療を行っているのが現状である. 救急医の特殊性は, 歴 や伝統のある内科や外科など の診療科と大きく異なり, 具体的に求められるスキルや 知識 (医療の部 でのテリトリー) が確立されていない. これが救急医と名乗り診療を行っている医師が全国的に 少ないことの原因であり, また救急医自身のジレンマで あると思われる. 2.救急医に求められるもの 自 自身は心臓血管外科医を志し, 途中, 移植免疫学 に興味を抱き, 紆余曲折の末, 救急医をさせて頂いてい る立場であり, 客観的に救急医というものを えさせら れることが多い. 救急医療はプライマリーケアの一環として, specialist としてのみ診療することが可能な大学病院および大病院 の医師以外の多くの医師にとっては避けて通れないとこ ろである. しかし, 救急医療のプライマリーケアは患者 の重症度および緊急度により求められるものが異なり, そこに救急医の必要性が生まれる. 各診療科の specialist に対し generalistとして救急医を位置づけられる. 重症 度および緊急性を判断し, 必要な緊急処置を施すこと, また可能なら治療およびそのマネージメントを行うこと が救急医の存在意義と思う. では, 救急医が必要とされるのはどのような患者なの か.臓器損傷や骨折を伴う外傷患者, 全身管理が必要な 熱傷患者, 心肺停止患者, 心臓血管疾患, 脳血管障害, 消 化管出血,重症感染症 の迅速な診断・加療などが必要さ れる患者などである. おそらく 30∼40年前, 診療科が細 化される前の内科医や外科医である大先輩方が行って いたことを, さらに専門的に探求し医学的に確立させ, 実践することと思われる. しかし, 現状の救急医療は多くの問題を抱えている. 社会的には救急医療の充実の必要性が求められる一方, 医師勤務体制の改善も必要とされ, 群馬県内の各病院の 救急体制も不十 であり, たらい回し などは群馬県だ けではなく全国的な問題となっている. 社会のニーズ は, 救急現場でプライマリーケア診療能力を持った ER 型の救急医が数多く必要とされているが, 絶対数が不足 している. また, 救急医そのものの存在意義がしっかりと確立さ れていないところに,救急教育 (ACLS,JATEC など),災 害医療 (DMAT), 航空医療 (ドクターヘリ) などに医学 教育の多様化や診療システムの変化が急速な速さで進ん でいる. これらの諸問題を解決するため, プライマリーケアす なわち generalistを育成する部門が必要であるが, 日本 235 Kitakanto Med J 2008;58:235∼236 1 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院医学系研究科病態循環再生学講座臓器病態救急学 野 平成20年3月27日 受付 論文別刷請求先 〒371-8511 群馬県前橋市昭和町3-39-22 群馬大学大学院医学系研究科病態循環再生学講座臓器病態救急学 野 荻野隆

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国内や全国的にみても全時点での成功例はない. また, プライマリーケアの観点で診療部門を効率化する必要性 がきている. 3.お わ り に 救急医療の 野は, 歴 が浅く, 他の医学 野と比較 して医学的に遅れている部 が多い. また医療の面でも, 前述の如く, 多くの問題点がある. これらの問題点を解 決するためには, 他診療科, 多くの医療機関および行政 機関の協力が必要である. また救急医療では, プライマリーケアを重視する ER 型の救急医が社会的にも, 救急現場でも必要とされてい る.救急現場では謙虚に襟を正し,慎重な診療と ER 型救 急医の育成および救急関連の研究を進めていかなければ ならないと思っている. 4.文 献

1. Seino K, Setoguchi Y, Ogino T et al. Protection against Fas-mediated and tumor necrosis factor receptor 1-mediated liver injury by blockade of FADD without loss of nuclear factor-kappaB activation. Ann Surg 2001: 681-688.

2. Hagiwara S,Ogino T,Isaka A et al.Tension pneumoper-icardium following a traffic accident. Injury 2007; 436-438.

3. Ogino T, Takahashi Y, Isaka A et al. Comparison between young and old patients in traumatic injury. Korea-Japan EMS conference 2007; 296.

4. Isaka A, Ogino T, Takahashi Y et al. The prognosis of septic patients with cloudy consciousness in emergency room was poor.Korea-Japan EMS conference 2007; 316. 5. 西田 豊,荻野隆 ,高橋有我,他.群馬県内における救急

患者搬送の実情と課題. 群馬医学, 86: 79-82, 2007. 救急医は何をすべきか? ―ER 型救急医を目指して―

参照

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