小学校教員のキャリア教育への意識向上とその効果 ： 教員研修と授業実践を通して
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(2) ある。今回、授業指導案には、新たな観点とし. 教員による、「児童が学んだことを、自分の身の. て、「キャリア教育の視点とめざす子どもの姿」. 周りから社会に、そしてもっと広い世界に目を. とrキャリア教育の視点における支援と手立て」. 向ける」ことを大事にした働きかけが、言葉・. が示された。教員からの児童への支援と手立て. 写真・映像・新聞・インターネットを活用して. は、次の5点である。①視覚として捉えられる. 進められている。これらにより児童には、学び. 立体模型、②既習学習公式の掲示、③自分の考. を社会と繋ぎ将来の自分の姿と繋ぐ発言や様子. えを確認するためのグループ交流、④課題解決. が見られるようになった。児童の知的好奇心が. の見通しを持つためのグループ交流、⑤本時の. 喚起され、社会や将来に目を向けるようになり、. 学習と社会との繋がりを意識させる働きかけ。. 学びの重要性や必要性への理解が深まった。ま. 児童の学びで得た知識を実社会に応用する発. た、これらの児童の変化は、教員に児童を見る. 想、職業と関連付けした言葉、次の授業のめあ. 視点の多様化・拡大化・深化をもたらしている。. てに繋がる発言などから、キャリア教育の視点. 本研究によって、児童の将来の姿を意識でき. を教員が意識し働きかけることが、児童に影響. るキャリア教育を推進するうえで、教員が自分. を及ぼし重要な意味を持つと確認された。事後. 自身に向き合いながら教育活動を行うことの有. 検討会では、キャリア教育の視点を入れた授業. 効性が示された。キャリア教育の視点を持った. における児童の姿から、r目指す子どもの姿が達. 教員の育成は、児童の発言や様子を適切に評価. 成されたか」「教員の支援と手立てが有効であっ. し、成果と課題を明確にでき、教育活動の工夫・. たか」について協議され、r児童による課題設定. 改善を行うことができる教育実践につながる。. の活動は、課題発見能力を育てることに加え、. また、教員が自身の教育活動をリフレクション. 意欲的に課題に向き合い思考する過程で、課題. することは、児童の新たな課題に対する新たな. 対応能力も育つ」、「グループ交流は、人間関係. 働きかけが期待でき、教員としての力量を高め. 形成能力を育てることに繋がる1つの方法とし. ることにも繋がると考える。児童へのキャリア. て有効である」とまとめられた。. 教育を進めることが、同時に将来につながる教. 第1回研修の感想では、自身をふり返り教師. 員自身のキャリア教育を行うことでもあると捉. の役割を再確認したことや、キャリアの大切さ. えることができよう。. を再認識しキャリア教育について考えるきっか. 教員研修と授業実践を通して、小学校教員の. けとなったこと等が述べられた。第2回研修の. キャリア教育への意識向上が見られたことから、. 感想にも、受講者一人一人がキャリア教育に関. 教育活動におけるキャリア教育の実践の1つの. 心を示したことや、必要性を理解し実践に繋げ. 方向性を示すことができたと考える。今後もキ. ようとする意欲や意気込みが述べられていた。. ャリア教育の充実に繋がる教育実践を重ね、小. 研修前後のアンケートを比較した結果、研修は、. 学校におけるキャリア教育の推進に努めたい。. 教員が小学校におけるキャリア教育と教育活動 の関連性を考え、必要性について認識を高める. 修学指導教員 松 本 剛. ことに貢献したと考えられる。. 現在、キャリア教育の視点を意識した小学校. 指導教員 松本 剛.
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