積極的に英語を話そうとする態度を育てる小学校外国語活動の授業づくりに関する研究-英語ノートを用いた課題解決学習を通して-
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(2) 前に,各学年の児童に対して,英語の授業を通し. ったことではないかと考える。児童は,事後調査. ての自分自身を振り返る質問紙調査を行った。本. の記述で「道案内は楽しかった」,「道案内の学習. 研究で使用した質問紙調査の内容については,主. で声に出して覚えようと思った」と述べていた。. に英語の聞くことと話すことに関する11項目の. しかし,課題解決学習の第4時の授業後,6年生. 設問を設定し,4件法(「1いいえ」「2どちらかと. の担任からの評価に「もっと子どもとALTがコ. いえばいいえ」「3どちらかといえばはい」「4は. ミュニケーションをすることができたらよかっ. い」)で回答を求めた。. た」という言葉があった。また,授業を録画して. ②この事前の質問紙調査を行った後,2009年. いたビデオからも,子どもとALTの間に授業者. 11月10日から12月15目の5週間に渡り,各学. である筆者が入ったり,ALTと筆者のやり取りが. 年それぞれに4時間構成の単元を実践した。. 多く,児童の話す活動があまりにも少なかったり,. ③この授業実践が終了した後,各学年の児童に. という授業の実態が明らかであった。だから,児. 対して事前調査の項目に1つの項目と記述式の設. 童とALTが関わることができず,児童の話す機. 問を付け加えた事後の質問紙調査を行った。. 会を遮ってしまう授業となってしまったことが. ④各学年の事前・事後の質問紙調査による結果. 原因だったのではないかと考える。そして,この. を比較し,考察を行った。. 原因から,児童の積極的に英語を話そうとする態. 2 研究の成果. 度の育成のため,課題解決学習を取り入れる際に. 各学年の事前・事後の質問紙調査による平均値. は,授業中における児童の話す機会を十分に配慮. について検定を行った結果,11項目の設問のう. することが必要であると考えた。. ち5年生では,2項目(「授業中,友だちと英語を. 3 今後の課題. 使って話すことができますか」と「英語で何と言. 児童の積極的に英語を話そうとする態度の育. ったらいいかわからないとき,先生や友だちの助. 成には,課題解決学習を取り入れた外国語活動の. けを得ながらでも,英語で自分の言いたいことを. 効果が少なからずあることが分かった。しかし,. 伝えようとしますか」)が有意であった。また,. 児童の話す機会を十分に設ける授業内容への改. 平均値は2項目とも上昇していた。よって,5年. 善という課題も残った。今後は,この課題を改善. 生での実践では,児童の積極的に英語を話そうと. した授業実践を続け,児童の積極的に英語を話そ. する態度の育成については,課題解決学習を取り. うとする態度が育つ授業づくりをより一層探っ. 入れた場合に,一定の効果がみられた。. ていく必要があると考えている。. 一方6年生では,1項目(「英語を使って発表し ている友だちを見て,自分も英語を使って発表し. 引用・参考文献. たいと思いますか」)が有意であった。しかし,. 桐生直幸(2009),r『英語ノート(試作版)』に見. 平均値は下降していた。また,この項目以外にも,. られる小学校外国語活動のコミュニケーショ. 話すことに関する項目の平均値は,いずれも有意. ン活動の分析」,鎌倉女子大学紀要,第16号,. 差ではないが,全て下がっていた。有意差はない. pp.43−50。. が,唯一上がっていると言える項目は,聞くこと. 東野裕子・高島英幸(2007),『小学校におけるプ. に関する設問であった。この結果から,6年生は,. iコジェクト型英語活動の実践と評価』,高陵杜. 積極的に英語を話そうとする態度の育成に効果. 書店。. がみられなかった。そこで,5年生は効果がみら. 文部科学省(2008),『小学校学習指導要領解説. れたが,6年生では,効果がみられなかった原因. 外国語活動編』,東洋館出版社。. として考えられる点を,以下に述べる。. その原因は,授業中に児童の話す機会が少なか. 一5ユ5一. 指導教員 別惣淳二.
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