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自動運転から手動運転切り替え時の運転行動の特性の検討 1180308

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Academic year: 2021

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平成29年度 学士学位論文梗概 高知工科大学 情報学群

自動運転から手動運転切り替え時の運転行動の特性の検討

1180308

片山 健人 【 知覚認知脳情報研究室 】

1

はじめに

近年、車の自動化が急速に進行し, 2020年には高速道 路における自動運転(レベル3)の導入がなされると予 測される[1]. 自動化が進むことにより,渋滞緩和,交通 事故の減少が見込まれる一方で,自動運転車と手動運転 車の混在や交通事故の責任所在が問題点となりうる. ,自動運転レベル3までの段階ではシステムにおいて 安全な走行を保つことができない場合,ドライバが運転 に介入する可能性がある. 自動運転では, 運転行動自体 のタスクがシステムに任されるため,先行研究では, 動運転中は覚醒度の低下や運転以外のタスクに従事す る傾向があることが報告されている[2]. そこで本研究 では,運転行動中に運転以外のタスクに相当する認知負 荷を与えることで, 危険場面において, 自動運転から切 り替わった時の運転行動の特性を明らかにすることを目 的とした. 実験はヘッドマウントディスプレイ(HMD)

を用いて,バーチャルリアリティ(VR)環境内において ドライビングシミュレーター(DS)による運転行動を 行った.

2

実験方法

2.1 装置および被験者

視覚刺激とVR環境はDSUC-win/Road ver.12)を 用いて作成した. 刺激の提示,運転にはHMDOculus

Rift),ステアリングコントローラ,アクセルペダル,

レーキペダル(Logicool G29 Driving Force)を使用し た. 被験者は正常な視力(矯正視力を含む)で,普通免 許を有する20代の大学生18(女性1名)が参加した.

2.2 刺激および実験条件

被験者は自動運転による自動条件または自身で運転す る手動条件下で,ある地点での危険場面でのブレーキ操 作による回避行動を行った. 危険場面は直進, 右折, 折の3 つの運転条件の場面においてそれぞれ人の飛び 出し,横断,停止している車を模擬したもの(目標刺激)

であった. また,走行中に認知負荷をもたらす2 back 題を行う条件(課題あり)と課題を行わない条件(課 題なし)を設定した。刺激の提示にはカーナビの画面

(HMD 65 cm 前方かつ40 cm 左方)に数字の刺激

を提示した.

2.3 手続き

被験者は HMDを装着し, 2 km四方の碁盤目状の道

路のある空間内を指定した順路に沿って運転した. この 時,自動条件ではハンドルを握った状態で時速60 km 走行した. また, 手動条件では制限速度を60 km で走 行した. 目標刺激は被験者が特定の位置を通過すると出

現した. 被験者はこの目標刺激を認識した時にブレーキ 操作による回避行動を行い,停止した. 課題あり条件で はカーナビ上に表示される課題に注意しながら走行し た. 課題は0 9の数字の中からランダムに提示され.

被験者は提示された数字が2 つ前の数字と同じ場合の 時, 口答で「はい」と答え, 違う場合は「いいえ」と答 えた. 提示した数字は黒色の背景に白色で提示した. 験者は実験前に, 8分程度の練習走行を行い,実験は, 転方法を2 水準(自動/手動),認知負荷を2水準(課 題あり/課題なし)の計4条件で行った. 各条件での目 標刺激の出現回数はそれぞれ1 回ずつ, 3回(直進, 右折,左折)とした.

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実験結果

危険場面での停止時の被験者と目標刺激間の距離を指 標とした平均値について被験者内で分散分析を行った結 果, 自動条件と手動条件の間に有意な差が認められ, 動条件に比べ,自動条件では目標刺激により近い距離で 停止した(p= .000). 同様に課題の有無の条件間で有 意な差が認められ,課題なし条件にくらべて課題あり条 件で目標刺激により近い距離で停止した(p= .031).

運転方法と認知課題の有無による交互作用は認められ なかった(p= .836)(図1).

1 各条件における停止位置と目標刺激との距離

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まとめ

本研究では自動運転と手動運転という走行方法の違 いがある中で,危険場面に遭遇したときにおける特性に ついて検討した. 実験の結果,自動運転時の方が危険回 避反応が遅くなることが示唆された. また,どちらの運 転方法においても認知負荷がかかると運転への注意の 配分が疎かになることが明らかとなった.

参考文献

[1] 高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部, ”官 ITS 構想 ・ ロードマップ2017”

[2] 本間,若杉,小高, ”高度自動運転における権限移譲 方法の基礎的検討”, 自動車技術会論文集, vol.47, no.2, p537-542.

参照

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