保育者効力感測定尺度の開発過程に関する批判的論評
井上
祐 子1)・ 高橋
順̲2).中嶋
和 夫3).黒木
保博4)
抄録
本研究は、保育者効力感測定尺度 を取 り上 げ、特 にその開発過程 に対 して統 計学的な観点か ら批判的論評 を行 うことを 目的 とした。研究論文の収集 には、
「CiN五」 と「ERIC」 を使用 した。収集 した15件の研究論文の中か ら抽 出で き た保育者関連の効力感測定尺度は7種類 に集約 された。分析では、尺度開発 に おける内容的妥当性と構成概念妥当性 に着 目し、その検討のために適切 な統計 学的手法が採用 されていたか否か を評価 した。その結果、著者 らは「多次元保 育者効力感尺度」のみが開発過程 において適切 な統計手法 を採用 していた と判 断 した。 この尺度が保育内容の一つである「人間関係」 に関す る効力感のみを 測定 していることを勘案す るな ら、今後 は、保育内容5領域 に関連 した保育者 効力感測定尺度の開発が望 まれ よう。
キーワー ド :保 育者、保育者効力感、測定尺度、批判的論評、妥当性
次 口序論 日本論
‑1.分析 に用いた研究論文の概要
‑2.保育者効力感 に関連する測定尺度の概要
‑3.保育者効力感 に関する測定尺度の内容的妥当性 と構成概念妥当性の 検討
.結論
1)鹿児島純心女子大学国際人間学部 こども学科
2)同志社大学大学院社会学研究科社会福祉学専攻博士後期課程
3)岡山県立大学名誉教授
4)同志社大学社会学部教授 目
I I
Ⅱ
Ⅱ
Ⅱ
Ⅲ
井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
I.序論
保育所保育指針 (以下、「保育指針」 という)の第4次改定 (2017)は 、幼 稚園教育要領 (以下、「教育要領」 という)の改訂1)に向けた検討 を踏まえた ものであ り(厚生労働省2016)、 また中央教育審議会初等中等教育分科会幼児 教育部会においても、保育指針の改定2)と同時期に教育要領の改訂が審議され、
保育指針、教育要領の他、幼保連携型認定こども園教育・保育要領 (以下、「教育・
保育要領」 という)も改訂 されるに至っている。2020年 代か ら学習指導要領 の全面改訂が予定される中、今回の改訂では、子 どもの育ちを幼児教育から小 学校、中学校、高等学校 まで一貫 してとらえることが重視 されている。現行の 教育要領は、遊びを中心 とした生活を通 じて生涯にわたる人格形成の基礎 を培 うことを基本に、「健康」「人間関係」「環境」「言葉」「表現」 という5領域 を 示 し、それらを相互に関連させなが ら徐々に育むこととしている。それ故に幼 児教育は教科 を中心 とする小学校以上の教育 とは異なり、この点が幼児教育と 小学校教育 との円滑な接続における大 きな課題 として位置づけられよう。この 課題に対 して、保育者は教育要領、教育・保育要領 との整合性を図った保育指 針 を基準に、子 ども達の発達や学びの連続性に着 目し、小学校以降の生活や学 習の基礎 を培 う役割を求められる可能性があ り、高い保育能力を身につける必 要性が求められるものと推察される。
保育能力の向上については、「保育者効力感」 という概念が多様化する保育 環境において有効な保育を展開してい く要因になることが指摘 されている (田
辺2011)。 この保育者効力感は「保育場面において子 どもの発達に望ましい変
化をもたらすことができるであろう保育的行為 をとることができる信念」 と定 義 され、「教師効力感」の保育者版 ともいわれている (三木・桜井1998)。 教 師効力感はBandura,A。 (1977)の 自己効力感 (self―e五cacy)の概念 を教育に 応用 したものである。なお、自己効力感 とは、Bandura(1977)が提唱 した社 会的学習理論の中核 をなす概念のひとつであ り、「ある状況において、ある結 果を達成するために必要な行動を自分が上手 くできるかどうかの予期」 と定義 されている。この自己効力感は、①効力予期 (e五cacy expectancy;あ る結果
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評
を生 み出す ため に必要 な行動 を どの程度 うま く行 うことが 出来 るのか とい う 予期)と②結果予期 (outcome expectancy;あ る行動が どの ような結果 を生 み出すのか とい う予期)の2つに区分 される。そ こで、本研究では、保育者効 力感 について、Banduraが提唱 した社会的学習理論 における自己効力感 (seF
e五cacy)を援用 し、「子 ども達の発達のために、必要 な援助 を保育者が うま く で きるか どうかの予期」 と操作的に定義 し、保育能力の向上 に関 して、保育者 効力感 に着 目す ることとした。
従来の保育者効力感 に関す る研究 を概観す ると、 これ まで、保育者効力感尺 度の信頼1生と妥当性を確 かめた上で、1)保育者効力感 に与 える教育実習の影 響 を検討 した研 究 (三木 0桜 井1998)、 2)保育者効力感 と保育実習評価 との 関連 を検討 した研 究 (水野2001)、 3)保育者 の精神 的健康 に保育者効力感が 与 える影響 に関す る研究 (西坂2002;前田・金丸 ・畑 田2009)、 4)保育者効 力感 と心理社会的要因(共感1生・問題解決型行動特1生・1青緒的支援 ネ ッ トワーク) に対す る過去の遊び経験 (遊びの種類 0遊 びの要素)の影響 に関す る研究 (渡 部 ・嶋崎2004)、 5)学生 たちの保育者効力感 と食事行動 の関連 について探索 的資料 を得 た研 究 (岩井2004)、 6)保育者効力感の発達 に関す る研 究 (中村
2006)、7)実習 に対す る評価が保育者効力感 に与 える影響 に関す る研究 (浜崎0 加藤 ・寺薗 ・荒木 ・岡本2008)、 8)保育者効力感 と子 ども観 の関連 に関す る 研究 (朝木 ・鈴木2009)、 9)心身 ともに健康 な子 どもを育 むための保育実践 の内容 について保育者効力感の視点か ら検討 した研究 (田辺2011)、 10)保育 者のス トレッサーが職務 に対す る精神状態 に及 ぼす影響 に関す る研究 (池田・
大川2012)、 11)保育職就労者の保育者効力感が離職動機 に及 ぼす影響 を検討 した研究 (田頭2012)、 12)保育者効力感 に、保育者志望動機、一般性 自己効 力感、学業 ス トレス対処方略が どの ように影響 を及ぼすのか検討 した研究 (田 頭2015)、 13)レジリエ ンス と保育者効力感の関連 を検討 した研究 (川村・庄司・
三木2015)、 14)保育職への理解や適 性感 な どの職業認知 に関わる要 因が保育 者効力感 を高めるか否かについて検討 した研究 (小河 。長屋2015)、 15)保育 者効力感の因子構造 を、短期大学1年生 ・2年生 と保育者の調査結果か ら検討
井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
するとともに、保育者の保育者効力感に焦点を当て、保育者効力感の変化を検 討 した研究 (田頭2016)、 16)実習直前直後の保育士職就業適性度を含む実習 自己評価 とPTE(Pre―school Teacher Ettcacy:保 育者効力感)との関係につ いて検討 した研究 (三木2016)などが蓄積 されている。
上記の研究論文において、保育実践の内容から保育者効力感を検討 した研究 は、田辺 (2011)の みであ り、「健康」に限定 した保育者効力感尺度 を用いて 保育者の資質向上について検討 していた。今後、保育指針、教育要領、教育・
保育要領の3法令の整合性が図られたことによる、子 ども達の発達や学びの連 続性に着 目した保育者効力感の構成概念 を検討 して尺度開発に取 り組み、研究 成果を蓄積する必要があろう。そのためには保育者効力感の数量化が可能な尺 度の開発 もまた重要な研究課題 となってこよう。保育者効力感 という現象 を測 定する尺度を開発するには妥当性 (内容的妥当性や構成概念妥当性等)と信頼 性の検討が大前提である。保育者による子 どもの発達の援助において、科学的 に有効な介入を検討するためには、統計学的に妥当性が検討 された保育者効力 感測定尺度を開発することが急務 と言えよう。
そこで本研究では、保育者効力感の尺度開発に関する指針 を得ることをねら いとして、保育者効力感測定尺度を用いた国内外の研究論文について統計学的 な視点から批判的論評を行 うことを目的とした。
研究論文の収集において、国内文献の検索には「CiN五」(NII学術情報ナビ ゲータ [サイエィ])を用い、 この ときの検索 キーワー ドは「保育者効力感
AND保育者 AND尺度」 とした。海外文献の検索 には「ERIC」 (Education Resources lnbrmatiOn Center)を 用 い、 この と きの検 索 キ ー ワ ー ドは
「preschool teacheris sense of emcacy AND preschool teacher AND research, scale,index」 とした。
上記のデータベースにおいて抽出された文献は、さらに以下の①〜⑦の選定 基準に従い、分析に資する文献の絞り込みを行った。その選定基準は、①重複 している文献は削除すること、②出典不明の文献は削除すること、③入手困難 な文献は削除すること、④保育者と保育専攻の学生を研究対象としていること、
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評
⑤実証的に検討 していること、⑥保育内容 に関わる保育者効力感 について検討 していること、⑦保育者効力感 を測定す るための尺度が使用 されていること、
である。 なお、「⑤実証的に検討 していること」 とい う選定基準 を設 け、定性 的研究 (質的研究や事例研究、文献研究等)を除いた理 由は、質的研究や事例 研究、文献研究等 においては、数量化 された測定尺度が用い られていない こと
に依 る。
以上の基準で選定 した研究論文 に対 し、尺度開発 における内容的妥当性 と構 成概念妥当性 に着 目し、それぞれに適切 な統計学的手法が採用 されているか否 かを整理 した。内容的妥当1生は、①探索的因子分析が最尤法 もしくは最小二乗 法 を用いてなされているか (豊田2000)、 ② 因子抽 出における回転法 は直交回 転 ではな く因子 間に相 関 を認 め る斜交 回転 であ るか (豊田1998)を 評価基準 とした。 また構成概念妥当性 に関 しては、③構造方程式モデ リング (Structural Equation Modeling)を用 いて確 認的因子分析 が なされてい るか (豊田1998) を評価基準 とした (高橋 ・黒木 ・中嶋2014;孟 2015;山本 ・西村0山口0出井 ・ 中嶋2017;西村 ・出井 ・中嶋 ・山口2017)。
なお、倫理的配慮 として、「 日本社会福祉 学会 研究倫理指針 第
2
指針 内容 A 引用」 に基づ き、先行業績の検討 に際 しては、現著者名 ・文献 ・出 版社 ・出版年 ・引用箇所 を明示 し、 自説 と他説 との峻別 を行 った。Ⅱ日本論
Ⅱ‑1.分析に用いた研究論文の概要
「CiN五」において、検索キーワー ドを「保育者効力感
AND保
育者AND尺
度」としたとき、18件 の研究論文が抽出された。
また「ERIC」 において、検索 キーワー ドを「preschool teacheris sense of ettcacy AND preschOol teacher AND research,scale,index」 としたところ、
25件の研究論文が抽出された。 ―
それ ら43件の研究論文を上記の①〜⑦の選定基準に従い、検討すべ き論文 を選定 した。なお、CiNiiでは、さまざまな機関が提供 しているデータベース
ヽ 増 一
井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
のデー タを収録 してお り、データベース毎 に検索結果が示 される。 このため、
国立国会 図書館 デジタル コレクシ ョンとJ̲STAGEの 2機関にデー タが収録 さ れている研究論文 (西坂2002)、 CiNii PDFオープンアクセス と機関 リポジ ト リの2機関にデー タが収録 されてい る研 究論文 (三宅2005)、 J―STAGEと 保 育学研 究の2機関 にデー タが収録 されてい る研 究論文 (西山2006)の 3件の 研 究論文 を重複 した文献 とした。43件の うち、重複 した文献が3件、 出典不 明の文献が2件、入手 困難 な文献が2件、親や子 ども、小 中高一貫校 の教 師 等 を研究対象 とした文献が6件 (Petrie,et a1 2006;Barnes,et a1 2006;Fetet al.2008;Buysse,et a1 2012;Pekdogan,et al.2016;VukuSic 2018)、 事例研究、
対照実験、インタビュー、文献研究等の文献が10件 (三宅 2005;Davis,et al 2007;Jalni1 2012;Tanriseven 2013;Tortop 2014; 井 上 2014;Ottley,et al.
2015;Akcay 2016;Wetzels,et a1 2016;Pracana,et al.2016)、 算 数や理科 と いった教科教育、 と特別支援教育に関わる保育者効力感 について検討 している 文献が3件 (Hakan,et a1 2009;Aydogdu,et a1 2016;Aslan,et a1 2016)、 保育 者効力感 を測定す るための尺度 を用いず、Psychological Capital(心 理的資本)、
Professional Commitment(専門的 コミッ トメン ト)、 教育実習不安 を測定す る ための尺度 を用いた文献が2件 (本多 ・櫻井 2011;Lee,et a1 2017)で あった。
それ らを除 き、保育者効力感 を測定す るための尺度が使用 されている ものに限 定す る と、15件が分析 の対象論文 として残 った (図1)。
上記の15件の研究論文の研究対象 に関す る内訳 は、重複 している もの もあ るが、保育者 (幼稚 園教論 と保育士 を含 む)を対象 とした文献が8件、学生 を 対象 とした文献が10件であった。分析対象 とした15件の研究論文 において使 用 されている保育者効力感測定尺度 は7種類 あ り (重複 している尺度 はカウン トせず)、 それは三木 ・桜井 (1998)に よる「保育者効力感尺度」が5件 (西 坂2002;小薗江2009;桐村 ・岡本0森田2010;小薗江2013;小薗江2014)、
「Tschannen―Ⅳ[oran and Hoy(2001)に よるThe Ohio State teacher e任 にacy scale(OSTES)」 が1件 (Cobbold and Boateng 2016)、 岩井式 の「保育者効 力感尺 度」 を用 いてい る研 究論 文 は1件 (岩井2003)、 capa,caklroglu and Sankaya(2005a)に よ る「Turkish version of Teachers'Sense of E五 ciacy
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評
Scale」 が2件 (Orcan 2013;Toran 2017)、 西 山 (2005)に よる12項目「人 間関係」尺度が1件 (西山2005)、 西 山 (2006)による「多次元保育者効力感 尺度」が5件 (西山2006;小林・浅野 2016;中 山2016:芝時2017;京林・中村 。 佐藤 ・中野 。池 田・新 山 ・樟本2017)、 小薗江 (2009)に よる「保育実習 自己 効力感尺度」が3件 (小薗江2009;小薗江2013;小薗江2014)であった (表1)。
検索 された先行研究 n=43
① 重複 している先行研究 n=3
② 出典が不明である先行研究 n=2
③ 入手困難な先行研究 n=2
④ 親や子ども、小中高一貫校の教師等を研究対象とした 先行研究 n=6
保育者及び保育専攻の学生 を研究対象 にしている先行研究n=32
事例研究、対照実験、インタビュー、文献研究等 n=10
実証的に検討 された先行研究 n=22
算数や理科 といった教科教育、及び特別支援教育に関わる 保育者効力感について検討 している先行研究n=3
保育内容に関わる保育者効力感について検討 している先行研究 n=19
PsychO10gocal Capital(心 理的資本)、 Professional
Commitment(専門的コミットメン ト)、 教育実習不安 を 測定するための尺度 を用いた先行研究 n=2
保育者効力感を測定す るための尺度を用いた先行研究 n=15 図
1
分析 に必要な研究論文の選定の流れ8 井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
表
1
保育者効力感測定尺度 を用いた研究論文筆 者 タイ トル 対象者 使用 した尺度 概 要
西坂 (2002)
幼稚 園教諭の精神 的健康 に及ぼすス トレス、ハーデ イ ネス、保育者効力 感の影響
幼稚園 教諭
n=186 幼稚 園教諭のス トレス評
価 に保育者効力感が与 え る影響 につ い て検 討 し た。
岩井 (2003)
保育者効力感 と親 か らの 自立 保育専攻
n=180短大生
保育者効力感尺度 (岩井2003)
保育者効力感 と親か らの 自立 について、探索的資 料 を得た。
西 山 (2005)
幼児の人 とかかわ る力 を育むための 保育者効力感尺度 の開発
保育者 n=276 大学生 n=313
12項 目「人間関係」尺度 (西山2005)
「人間関係」保育者効力 感に特化 した、単因子構 造 を仮定 して作成 された 12項 目か らな る尺 度 を 開発 した。
西 山 (2006)
幼児の人 とかかわ る力 を育むための 多次元保育者効力 感尺度の作成
保育者n=378 大学生n=258
多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
探 索 的 因子 分 析 に よ り
「人間関係 」保 育者効力 感 を多次元か ら測定す る 新たな尺度 を作成 し、確 認的因子分析 によ り、そ の構造 を検討 した。
小薗江 (2009)
保育実習 自己効力 感尺度作成の試み
保育専攻 短大生n=125
保育者効力感尺度 (三木・桜井1998) 保育実習 自己効力感尺度
(小薗江2009)
保育実習 を通 して 自己効力感が どの 変化す るか を明 ら 実習の効果 を検討
学生の ように かに し した。
本同本寸 ・ 岡本 ・ 森田
(2010)
常勤保育者 と学生 の保育者効力感の 比較
常勤保育者 n=373 保育専攻学生 n=79
保育者効力感尺度 (三木 ・桜井1998)
保育専攻学生 と常勤の保 育 者 効 力 感 尺 度 を比 較 し、学生 と常勤保育者の 違いを分析 した。
NIaide Orcan (2013) トル コ
Eramination of Self-Efficacy and Burnout Dynamics of Preschool Teachers in Turkey and the United States
ア メ リカの 保 育者 n=32
トル コの 保 育者 n=58
Turkish version of Teachers' Sense of
Efficiacy Scale (Capa, Cakiroglu
and Sarikaya 2005a)
トルコとアメリカにおけ る保育者の 自己効力感 と バー ンアウ トについて比 較検討 した。
小薗江 (2013)
保育実習が学生の 自己効力感に与 え る影響:保育専攻 学生2年間の縦断 的データの分析
保育者養成校 の学生 n=200
保育者効力感尺度 (三木 ・桜井1998) 保育実習 自己効力感尺度 (小薗江2009)
「机 上 の 学 習 の 進 行 に 伴 って学生の 自己効力感 は下が り、実際にスキル を身に着 けることによ り 自己効力感 は高 くなる」
という仮説 を検討 した。
小薗江 (2014)
保育実習が学生の 自己効力感に与 え る影響:実習回数 の違いによる自己 効力感の特徴
実習3回目の 学生n=210 実習4回目の n=150学生 実習4回目と 5回目の学生 n=200 初 回実習の n=200学生
感尺度 1998)
自 感尺度
実習前後の変化 について 比較す ることで、実習が 及 ぼす影響が 自己効力感 の どの ような部分 に作用 するのか検討 した。
保育者効力感尺度 (三木 。桜井1998)
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評
ヽR ず
筆 者 タイ トル 対象者 使用 した尺度 概 要
10 Cosmas Cobbold and Philip Boateng (2016) ガー ナ
Ilow Confident Are
Kincergarten Teachers in Their Ability to Keep
Order in the Classroom?
A Study of Teacher Efficacv in Classroom It4anagernent
保育者 n=299
The Ohio State teacher e饉cacy scale(OSTES)
(Tschannen― NIoran and Hoy 2001)
クラス運営 における保育 者の効力信念 について検 討 した。
11 小林 ・ 浅野
(2016)
大学生の保育者効 力感の規定要因: 教育実習の効果 と 社会的スキルの影
墾
幼児教育 を主 として専攻す る大学生 n=35
多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
領域「人間関係」 に対す る保育者効力感の規定要 因について、 まず教育実 習の前後で保育者効力感 を測定 し、教育実習が保 育者効力感 に影響 を及ぼ すか どうか、次 に教育実 習前の学生の社会的スキ ルの程度が教育実習後の 保育者効力感 に どの よう な影 響 を及 ぼ して い る か、この2点を検討 した。
12 中山 (2016)
教育 ,保 育実習に よる保育者効力感 の変化 に二次元 レ ジリエ ンスが及ぼ す影響
保育学生n=92 多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
教育 。保育実習 を通 じた、
保育学生の保育者 として の効力感の変化 に、学生 自身の レジ リエ ンスが ど の ように影響 しているか を縦断的に検討 した。
13 芝時 (2017)
領域 「人間関係」
保育者効力感にお ける協 同学習の効 果の検討
n=50保育学生 多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
領域 「人間関係」 に関す る授業 における協 同学習 が保育学生の保育者効力 感 に与 える影響 を検討 し た。
14 京林 ・ 中村 ・ 佐 藤 ・ 中野 ・ 池 田 ・ 新 山 ・ 樟 本
(2017)
幼稚 園教諭免許状 取得の特例講座 を 受講す る保育士の 保育者効力感の特 徴:領域 「人間関 係」の保育者効力 感の観点か ら
保育士n=38 多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
保育教諭への対応のため に特例制度 を利用 し幼稚 園教諭免許状 の取得 を目 指す保育士の保育者効力 感 について、保育内容の 領域 「人間関係」の保育 者効力感 に焦点 を当てそ の特徴 を検討 した。
15 Mehmet Toran
(2017) トル コ
An Analysis of Preschool
tla
1
eacners Sense of Efflcacy: A Case of TRNC
保育者 n=191
Turkish version of Teachers' Sense of Efficiacy Scale
(Capa, Cakiroglu and Sarikaya 2005a)
保育者効力感 に影響 を及 ぼす要因について検討 し た。
10 井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
Ⅱ‑2.保育者効力感に関連する測定尺度の概要 前述 した①〜⑦の尺度の概要は以下のとお りである。
①保育者効力感尺度 (三木・桜井1998)
保育者効力感尺度 (三木・桜井 1998)は、桜井 (1992)が 作成 した教師効 力感尺度を保育者あるいは保育専攻学生に適用可能な内容に改訂 したものであ る。尺度は 10項 目 (表2)で構成 し、「非常にそう思う:5点」「ややそう思う: 4点」「どちらともいえない:3点」「あまりそうは思わない:2点」「ほとんど そうは思わない:1点」までの5段階評定を採用 している。
② The Ohio State teacher e五cacy scale(OSTES)(Tschannen― Moran and Hoy 2001)
The Ohio State teacher efficacy scale(OSTES)(Tschannen― Moran and Hoy 2001)は、現職教員 と大学生 を対象 と し、教 育方法 、学級 運営、学生 エ ンゲー ジ メ ン ト (生徒 の学校 へ の関わ り)に対 す る効力感 を捉 えた内容 であ る。尺度 は12項ロバ ー ジ ョン (表3)、 24項ロバ ー ジ ョン (表4)があ り、各項 目にお いて、「『とてもできる:9点』『かなりできる:7点』『い くつかできる:5点』『と てもできない:3点』『何 もできない:1点』」までの9段階評定を採用 している。
③保育者効力感尺度 (岩井2003)
保育者効力感尺度 (岩井 2003)は、三木・桜井 (1998)が 作成 した保育者 効力感尺度に、子 どもを支えるあるいは援助することに関する5項目を加えた ものである。尺度は 15項 目 (表5)で構成 し、「非常にそう思う 三5点」「やや そう思 う:4点」「どちらともいえない:3点」「あまりそうは思わない:2点」「ほ
とんどそうは思わない:1点」までの5段階評定を採用 している。
④ Turkish version of Teachers'Sense of E五 ciacy Scale(capa,caklroЁ lu and Sarlkaya 2005a)
Turkish version of Teachers'Sense of E五 ciacy Scale(capa,caklroElu and Sankaya 2005a)は ,Tschannen―Moran and Hoy(2001)が 作 成 し たThe
Ohio State teacher e五cacy scale(OSTES)の 24項ロバ ー ジ ョンを採 用 し、
トル コの現任教員 に適用可 能 な内容 に改訂 した ものであ る (表6)。 尺度 は、
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評 11
各項 目において、「『とて もで きる:9点』『か な りで きる:7点』『い くつかで きる:5点』『とて もで きない:3点』『何 もで きない:1点』」 までの9段階評 定 を採用 している。
⑤12項目「人間関係」尺度 (西山2005)
12項目「人間関係」尺度 (西山2005)は、保育者 あるいは保育専攻学生 を 対象 とし、保育内容「人間関係」 に関す る内容である。尺度は12項目 (表7)
で構成 し、「非常 にそ う思 う:7点 」「かな りそ う思 う:6点 」「ややそ う思 う:5点 」
「 どち らともいえない:4点」「ややそ う思わない:3点」「かな りそ う思わない! 2点」「全 くそ う思わない:1点」 までの7段階評定 を採用 している。
⑥多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
多次元保育者効力感尺度 (西山2006)は、保育者 あるいは保育専攻学生 を 対象 とし、「子 どもの人 とかかわる力 の育 ちに望 ましい変化 を与 えることがで きる」 とい う保育者 の信念 や実現可能 隆の認知 を提 える内容 である。尺度 は 25項目 (表8)で構成 し、「非常 に自信がある:7点 」「かな り自信がある:6点 」
「やや 自信がある:5点 」「 どち らともいえない !4点 」「やや 自信がない :3点 」「か な り自信がない:2点」「全 く自信がない:1点」 までの7段階評定 を採用 して いる。
⑦保育実習自己効力感尺度 (小薗江2009)
保育実習 自己効力感尺度 (小薗江 2009)は、保育学生 を対象 とし、保育学 生の自己効力感を実習生活全般か ら捉えた内容である。尺度は 28項 目 (表9) で構成 し、「非常にそう思う:5点」「ややそう思う:4点」「どちらともいえな い:3点」「あまりそう思わない:2点」「ほとんどそう思わない:1点」 まで の5段階評定を採用 している。
井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
表2 保育者効力感尺度 (三木 ・桜井 1998)
表
3
丁he(Dhio State teacher efficacy scale((DSTES)(丁schannen―Mloran and Hoy 2001)12:頁ロバ ー‐ジ ョン
番 号 保育者効力者尺度質問項 目
私 は、子 どもにわか りやす く指導す ることがで きると思 う 私は、子どもの能力に応 じた課題を出すことができると思う
3 保育プログラムが急に変更された場合でも、私はそれにうまく対処で きると思う
4 私は、どの年齢の担任になっても、うまくやっていけると思う 私のクラスにいじめがあったとしても、うまく対処できると思う 私は、保護者に信頼を得ることができると思う
私は、子どもの状態が不安定な時にも、適切な対応ができると思う
8 私は、クラス全体に目をむけ、集団への配慮 も十分できると思う
9 私 は、1人 1人の子 どもに適切 な遊びの指導や援助 を行 えると思 う 10 私は、子 どもの活動 を考慮 し、適切な保育環境 (人的、物的)に整え
ることに十分努力ができると思う
番 号 項 目
第1因子 :教 育方法 に対す る効力
さまざまな評価方法 をどの程度 まで使用で きますか?
2 生徒が混乱 している時、代 わ りの説明や例 をどの程度 まで提供で きま すか?
生徒 にどの程度 まで良い質問をすることがで きますか?
教室で代わりの方法をどれくらいうまく実施できますか? 第2因子:ク ラス運営 に対す る効力
学級 を混乱 させ る行動 を、 どれ くらい監督で きますか?
6 子ども達がクラスのルールに、どれくらい従うようにできますか?
混乱 させ た り、騒 々 しい学生 を、どれ くらい鎮 め る こ とが で きます か?
8 各生徒 グループと一緒に、 どのように上手に教室運営システムを構築 できますか?
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評 13
第3因子 :学生 のエ ングージメ ン ト (生徒 の学校へ の関 わ り)に対 す る効力
学校でうまくやることができると学生に思わせることが、どのくらい できますか?
10 生徒 の学 ぶ価値 を、 どれ くらい高 め る こ とがで きます か?
11 勉 強 に興 味が ない生徒 に動機 づ けす る こ とが、どの くらいで きます か? 12 子 どもが学校でうまくい くように、どの程度、家族を助けることがで
きますか?
筆者作 成 (資料 )The Ohio State teacher e五 cacy scale(OSTES) (Tschannen―MOran and Hoy 2001)
表
4
丁he(Эhio State teacher eficacy scale((DS〒ES)(丁schannen‐Moran and Hoy 2001)24項ロバージ ョン
番 号 項 目
第1因子 :教 育方法 に対す る効力
さまざまな評価 方法 を どの程度 まで使用 で きます か?
2 生徒 が混乱 してい る時、代 わ りの説明や例 をどの程度 まで提供で きま すか?
生徒 にどの程度 まで良い質問 をす ることがで きますか? 4 教室で代わりの方法をどれくらいうまく実施できますか?
生徒からの難しい質問にどれだけうまく対応できますか?
6 個 々の生徒 に とって適切 な レベ ル に、授 業 を どの くらい調 整 で きます か?
7 あなたが教 えていることをどの程度理解す ることがで きますか? 8 あなたは非常 に能力の高い生徒 にどのように適切な課題を提供で きま
すか?
第2因子 :クラス運営 に対す る効力
9 学級 を混乱 させ る行動 を、 どれ くらい監督で きますか?
10 子ども達がクラスのルールに、どれくらい従うようにできますか?
11 混乱 させ た り、騒 々 しい学生 を、どれ くらい鎮 め る こ とが で きます か? 12 各生徒 グループと一緒に、 どのように上手に教室運営システムを構築
できますか?
14 井上 祐子/高橋 順一/中嶋
和夫/黒木 保博
13 問題のある生徒が授業全体 を混乱 させないように、 どの くらいうまく 保つことができますか?
14 あなたは反抗的な生徒にどれだけうまく対応できますか?
15 学生の行動 について、どの程度 まで明確 に予想す ることがで きますか? 16 活動を円滑に運営するためのルーティンをどれ くらいうまく確立する
ことができますか?
第3因子 :学 生のエ ングージメ ン ト (生徒 の学校への関わ り)に対す る効力 17 学校でうまくやることができると学生に思わせることが、どの くらい
できますか?
18 生徒の学ぶ価値 を、 どれ くらい高めることがで きますか?
19 勉 強 に興 味が ない生徒 に動機 づ けす る こ とが、どの くらいで きます か? 20 子 どもが学校でうまくい くように、どの程度、家族を助けることがで
きますか?
21 勉強が遅れている学生の理解 を、 どれ くらい向上 させることがで きま すか?
22 生徒が批判的に考 えることを、 どれ くらい助 けることがで きますか?
23 生徒 の創造性 を、 どれ くらい育むことがで きますか? 24 最 も難 しい学生 に、 どの くらい関 わ る こ とが で きます か?
筆者作 成 (資料)The Ohio State teacher emcacy scale(OSTES) (Tschannen―Moran and Hoy 2001)
表5 保育者効力感尺度 (岩井2003)
番 号 項 目
子 どもにわか りやす く指導す ることがで きると思 う。
2 子どもの能力に応 じた課題を出すことができると思う。
3 保育プログラムが急に変更された場合でも、それにうまく対処できる と思う。
4 どの年齢の担任 になって も、 うま くやっていけると思 う。
5 クラスにいじめがあったとしても、うまく対処できると思う。
6 保護者に信頼を得ることができると思う。
7 子どもの状態が不安定な時にも、適切な対応ができると思う。
8 クラス全体に目をむけ、集団への配慮も十分できると思う。
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評
表6 ‐Turkish versiOn of・丁eachers'Sense of Eficiacy Scale (capa,cakiro言 lu and Sarikaya 2005a)
15
1人 1人の子どもに適切な遊びの指導や援助を行えると思う。
10 子 どもの活動 を考慮 し、適切 な保育環境 (人的、物的)に整えること に十分努力ができると思 う。
11 子どもの心の動きを読みとることができると思う。
12 子どもが安心 してそばに寄ってきやすいほうだと思う。
13 子どもとなんとなく気が通じ合うことが出来ると思う。
14 子どもは必ず私の言うことを聞いてくれると思う。
15 子どもの動きは、どんなことでも、すべて面白いと思う。
番 号 項 目
最 も難 しい学生 に、 どの くらい 関わ る こ とが で きます か?
2 生徒が批判的に考 えることを、 どれ くらい助 けることがで きますか? 3 学級 を混乱 させ る行動 を、 どれ くらい監督で きますか?
4 勉強 に興味がない生徒 に動機づけす ることが、どの くらいで きますか? 学生の行動 について、どの程度 まで明確 に予想す ることがで きますか? 6 学校でうまくやることができると思わせることが、どのくらいできま
すか?
7 生徒からの難しい質問にどれだけうまく対応できますか?
8 活動を円滑に運営するためのルーティンをどれ くらいうまく確立する ことができますか?
9 生徒 の学ぶ価値 を、 どれ くらい高めることがで きますか? 10 あなたが教えていることをどの程度理解することができますか?
11 生徒 にどの程度 まで良い質問 をす ることがで きますか? 12 生徒 の創造性 を、 どれ くらい育むことがで きますか?
13 子ども達がクラスのルールに、どれくらい従うようにできますか?
14 勉強が遅れている学生の理解 を、 どれ くらい向上 させることがで きま すか?
15 混乱 させた り、騒 々 しい学生 を、どれ くらい鎮 めることがで きますか?
16 井上
祐子/高橋
順一/中嶋
和夫/黒木
保博
16 各生徒 グループと一緒に、 どのように上手に教室運営システムを構築 できますか?
17 個 々の生徒 に とって適切 な レベ ル に、授 業 を どの くらい調 整 で きます か?
18 さまざまな評価 方法 を どの程 度 まで使用 で きます か?
19 問題のある生徒が授業全体 を混乱 させないように、 どの くらいうまく 保つことができますか?
20 生徒 が混乱 している時、代 わ りの説明や例 を どの程度 まで提供 で きま すか?
21 あなたは反抗的な生徒にどれだけうまく対応できますか?
22 子 どもが学校でうまくい くように、どの程度、家族を助けることがで きますか?
23 教室で代わりの方法をどれくらいうまく実施できますか?
24 あなたは非常に能力の高い生徒にどのように適切な課題を提供できま すか?
筆者作成 (資料)Turkish versiOn Of Teachers'Sense of E五 ciacy Scale (capa,caklrottlu and Sarlkaya 2005a;capa,caklroЁ lu and Sarlkaya 2005b)
表
7 12項
目「人間関係」尺度 (西山2005)番 号 項 目
私は、自発性や主体性を尊重 した遊びによる保育を実践できると思う
2 私は、友達 との関係の中で、自己主張や自己抑制 を学びとっていける ような保育ができると思 う
私は、子 どもとの愛情のあるある温かい人間関係 を保育の中で実現で きると思 う
4 私は、子 どもの人間関係の育ちについて一人一人の発達過程に即 した 援助ができると思う
私は、子 どもが様々な人 と触れ合いなが ら人間関係 を広げていけるよ う援助ができると思う
私は、園生活の中で、必要な道徳性を身につけるように保育すること は難しいと思う
私は、子どもが安心感を持てるように保育ができると思う
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評
表8 多次元保育者効力感尺度 (西山2006)
17
8 私は、子 どもが自分を好 きで、自信が持てるように保育ができると思
つ
私は、子 どもの人間関係の広が りを考慮 したクラス編成や保育形態 を 実践できると思 う
10 私は、子 どもが共同のものを大切にし、譲 り合って遊べるように指導 や援助ができると思う
11 私は、子 ども同士のコミュニケーシ ョン能力 を育む保育を実践できる と思 う
12 私は、保育の発展 と人間関係の育ちを結び付けて とらえることが出来 ると思う
番 号 多次元「人間関係」保育者効力感尺度項 目 第1因子
人 とかか わ る基 盤 をつ くる
信頼 される存在 として子 どものそばにいること 子 どもにとって心のより所になること
子 どもとの安定 した関係 を築 くこと
4 子 ども一人一人をあ りのままに受容す ること 5 子 どもの 自我 (思い、言い分)を大切 にす ること 第2因子 発達的視点で子 どもを捉 えかかわる
6 子 どもの人 間関係 の発 達 に応 じてかか わ る こ と
子 どもの人間関係の育 ちに即 して、環境 を構成す ること
子 どもの人 間関係 の発 達 につ いて、見通 しを もって援 助 す る こ と 保 育 の展 開 と人 間関係 の育 ち を結 び付 けて捉 える こ と
10 子 ど もの人 間関係 の育 ち につ い て専 門的 な知識 を生 かす こ と 第3因子 子 ども同士の関係 を育てる
11 けんかや葛藤 を経なが らも、子 ども同士で解決で きるように援助する こと
12 自己主張や反抗 も自我の育ち と捉 えて適切 に対応す ること
13 子 どもが他の子 どもの発言や気持ちを受け入れ られるよう援助するこ と
18 井上 祐子/高橋 順一/中嶋 和夫/黒木 保博
表9 保育実習 自己効力感尺度 (小薗江 2009)
14 園生活の中で、必要 な道徳性 を身につけるように保育す ること 15 子 どもが友達とかかわることで充実感や満足感を味わえるような保育
をすること
第4因子
基 本 的 な生活習慣 ・態度 を育 て る
16 子どもが生活上のルールを知ることができるように保育すること
17 社会生活上 の習慣や態度 を子 どもが身につけていけるよう援助す るこ と
18 きまりや約束の大切 さに気付 き、守ろうとする態度が育つ保育をする こと
19 子 どもがよいことや悪いことがあることに気付 き、行動できるよう実 践すること
20 園生活の中で子 どもの 自立心 を育む こと 第5因子 関係性の広が りを支 える
21 地域のお年寄 りなど身近な人に感謝の気持ちが もてるよう実践するこ と
22 子 どもが地域の人々など自分の生活に関係のある人に親 しみをもてる よう援助すること
23 特別 な支援 を要す る子 どもも含めたクラスの豊かな関係 をつ くること 24 外国の人などの文化の違いに気付 き、尊重する心が育つ よう保育する
こと
25 子 どもが様々な人と触れ合いながら人間関係を広げていけるよう援助 すること
番 号 尺 度項 目
ア ドバイス生かす 2 子 どもか ら学ぶ 3 ア ドバ イスの確実実行 4 命 を預かる責任感
手本 となる身の こな し 6 身だ しなみ清潔感
保育者効力感測定尺度の開発過程 に関する批判的論評 19
ス キ ンシ ップ 8 指導者の意図理解
ス トレス対処 (自己)
10 落 ち込 み対 処 方略 11 気持 ちの切 り替 え 12 困難時間題明確化 13 自己激励
14 事前学習 (児について)
15 事前学習 (園について)
16 環境整備安全等 17 事前準備手遊び等 18 児童興味把握
19 父母 と同視点での思考 20 親子関係実態読み取 り 21 父母 の相 談 にの る力量 22 玩具等手作 り工夫 23 活動 と道具使用の工夫 24 教 材 を蓄積 準備 25 身近 な出来事 を教材化 26 児への気配 り関わ り 27 児へ の意欲惹起の言葉 28 児への笑顔での言葉
Ⅱ‑3.保育者効力感に関する測定尺度の内容的妥当性と構成概念妥当性の検討 (1)内容的妥当性について
上記の検討に従い、批判的論評を行 う測定尺度は、①保育者効力感尺度(三木・
オ要井 1998)、 ② The Ohio State teacher ettcacy scale(OSTES)(Tschannen―
MOrm and Hoy 2001)、 ③保育者効力感尺度 (岩井2003)、 ④ Turkish version Of Teachers'Sense of E五 ciacy scale(capa,caklrOЁlu and Sarlkaya 2005a)、
⑤12項目「人間関係」尺度 (西山2005)、 ⑥多次元保育者効力感尺度 (西山