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主体的で対話的で深い学びを促す文学講義科目 -

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The main purpose of this report is to introduce an approach to teach English and American literature through proactive, interactive and deep learning. This report consists of three parts: 1. explaining the merit and background of teaching literature through proactive, interactive and deep learning, 2. activities and trials in the lessons and 3. responses from learners with an appendix. In this report, effectiveness of “teaching literature through proactive, interactive and deep learning” will be revealed as the result.

はじめに

本稿は2018年度春学期開講科目「英語圏の文学I」に関する授業実践報告で ある。この授業は主として国際教養学部の選択科目でありながら、同時に全学 共通カリキュラム開放科目ならびに教職免許課程選択必修科目ということも あり、履修者は約100名、所属も全学部、全学年と多岐にわたる科目であった。

本稿では、まず授業運営の前提として情報伝達型の一斉講義形式ではなく履修 者同士の対話を多く含む、「主体的で対話的で深い学びを促す」アクティブラ ーニング形式で行ったため、その定義や意義、導入に至った経緯といった背景 について触れる。つぎに、実際に授業で行った様々な試み、文学をどのように 学んで、そして教えていくか、また科目としての文学の授業をどのように運営 していくか、を具体的な授業の内容、項目、活動形式と共に紹介する。最後に、

最終授業の際に行ったこれらの授業、活動に対するアンケートとその結果を紹

主体的で対話的で深い学びを促す文学講義科目

-「英語圏の文学」授業実践報告

関戸 冬彦

A Literature Class through Proactive, Interactive and Deep Learning

-A Practical Report of “English Literature”

SEKIDO Fuyuhiko

-163-

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介、分析しながら一斉講義形式との比較やアクティブラーニング形式がもたら す効果、特筆すべき点あるいは問題点についても最後に言及する。

1 主体的で対話的で深い学びと文学講義科目について

従来型のいわゆる一斉講義的授業の中には普段出席は取らず、最終的にテス トないし評価を満たせば単位取得というケースがある。こうした運営方法は学 生に自主的に学ぶ、あるいは学ばない、の選択の自由を与えるものであると考 えるならばどちらを選ぶかも履修者次第という点において大学の授業のあり方 のひとつかもしれない。しかし、そうしたあり方とは別に学びの観点からする とそうした運営は自由な反面、言葉を変えるとやや放任、ともとれるのではな かろうかという疑念もある。よって執筆者は担当するにあたって、学びの機会 が半ば強制的にふんだんで、履修者同士のインタラクションなどの機会も多く ある授業展開にしたいと思ったのがこの「英語圏の文学」という科目に「主体 的で対話的で深い学び」を導入するに至った経緯である。

こうした「主体的で対話的で深い学び」は小中高の学びのあり方として文科 省からすでに提唱されてきてはいるが、大学も学びの場である限り、その姿勢 を積極的に取り入れてもよいのではないだろうか。いやむしろ、小中高で「主 体的で対話的で深い学び」を通して能動的な学習を行ってきたのに、大学に来 た途端にそうではなくなる、つまり一斉講義型授業をただ聞いているだけ、で いいのだろうか。先の表現を皮肉的に借りるならば、大学に入ったら「対話的 でない浅い学び」になる、というのはどこか違和感がある。そう感じるように なったのは、執筆者自身がいわゆる学習者同士の学びあい、クラス内でのコミ ュニケーションについて近年、菊池省三、本間正人らの考え方に強く感化され、

またコーチングという、教員側から一方的に教え込むのではなくすでに学習者 が持っているものを内から引き出すという姿勢、学習者の動機を高め主体的な 学びへと促す考え方、について菅原秀幸より大きな影響を受けた背景がある。

要は学ぶべき対象科目が何であれ、学びには主体的な関わりが不可欠であると いうことを複数の情報源より見聞きするにつれ、「主体的で対話的で深い学び」

の姿勢が学びの場には必要不可欠であるということに関しては確証に近いもの を得たと言ってよい。

ではここでアクティブラーニングの定義を一度整理しておきたい。文科省の

用語集によるとアクティブラーニングとは「教員による一方向的な講義形式の

教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の

(3)

総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、

教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、

体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、

ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法であ る。」となっている。つまり換言するならば、極力情報伝達だけにならないよ うな授業展開が望ましい、ということだろう。よって、菊池、本間、菅原らの 考え方に倣ってアクティブラーニングの意義を改めて考えるならば、先にも述 べたようにその手法は当然学ぶ科目の如何を問わず、また履修者の大小によっ て個々の運営方法は異なるものの、学習者の学びに主軸をおいて授業を展開す るという根本的な部分は共通している。ゆえに「英語圏の文学」という科目を 大教室で大人数の履修者を対象とする場合においてもアクティブラーニングは 十分駆使できると判断し、導入を決断した。その旨はシラバスにもはっきりと

「ただ聞いているだけではないアクティブラーニング形式で行う」と明記した

(Appendix 1)。

2 授業での様々な試み

冒頭で紹介したように、この授業の履修者は名簿上約100名、所属も全学部、

全学年と幅広く集まった。なお、実際に授業が始まって以降は若干減り(履修 登録しただけで一度も授業に参加しなかったものなどを10名近く含む)、最終 的には約80名に落ち着いた。いわゆる一斉講義型であれば履修者が誰であろう とあまり関係ないのかもしれないが、1で紹介したアクティブラーニング形式 を用いるなら、学部、学年を飛び越えた交流、議論などは普段そうしたチャン スがない履修者にとっては大いに刺激になるであろうと予見出来た。よって授 業の運営方法としてはそうした利点を活かすべくグループ制を導入、履修者た ちは常に4名1チームのグループを構成し、そのグループ内での議論や活動を 中心とした。グループ内の4名にはそれぞれの役割があり、ファシリテーター

(進行役)、タイムキーパー、レポーター、お助けマン、の4つのうちのいずれ かが常に割り振られる。役割は毎回異なるものを担当することとし、全ての役 割が回った頃にグループ替え、つまり4回に1回は全員が異なる別のグループ を新たに形成する、ということを数回繰り返すこととなった。

実際に扱った文学的な内容は、執筆者の専門がアメリカ文学ということもあ り、アメリカ文学の中でも4人の作家、マーク・トウェイン、F・スコット・

フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、サリンジャーに絞り、2、3回で一作

-165-

(4)

家を学ぶという流れにした。授業内では極力こちらからの一方的講義は避け、

作家や作品の基本情報は予習、ないし授業内にスマートフォンなどを用いて収 集、それを基に受講者同士が情報交換や意見交換をし、それらを各自が振り返 りつつ、また授業を重ねるたびに得た知識や他者の意見、考えを統合する形で 最終的には作家(作品)ごとに約1000字のレポートにまとめる、という学びの スタイルを用いた。つまり、結果として履修者たちは最終授業までに小レポー トを4つ、それに加えて最終レポート、の合計5本のレポートを書くわけであ る。では以下簡単ではあるが、それぞれの際に扱った内容、また特徴的な活動 をいくつか紹介していきたい。

まず、初回の授業では上記グループを作るのと、グループ活動に慣れても らうために「笑顔のコーチング」というコミュニケーションゲーム

を行った。

そうしてペア、グループで活動する基盤が出来た後に、科目のテーマでもあ る「文学とは何か?」という問いを投げた。そしてまず各自が思う「文学」の 定義を書いてもらい、それをグループ内で共有、その後こちらから「アメリカ 文学とは何か?主題は?主な作家は?イギリス文学や日本文学との違いは?」

といった質問や「文学と小説の違いは?日本人が英語で小説を書いたら何文 学?」、あるいは村上春樹の例を紹介しつつ、「英語で書いて日本語に訳したら 何文学?」といった項目も議論してもらった。これらはあくまで文学という科 目に入っていくための前提としてのトピックであり、またグループで学習内容 に関して積極的に意見交換をするということへのキックオフ的トピックとし て用いたまでで、こちらから「これが文学である」といったような模範的正解 を後に提示したわけではない。そうした姿勢は、必要なのはあくまで問いであ って、唯一絶対の正解がどこかにあるわけではないという意味でもある。また、

授業を展開していく上でビブリオバトル、ないしビブリオバトル的手法、が有 効であると思っていたので、その紹介も行った。ビブリオバトル

とはごく簡 単に言うと、自分の読んだ本を5分で他者に紹介する知的(言語)ゲーム、で ある。この日は試しに、自分の一番好きな本を3分間で紹介、という活動をし てもらったが、以後調べた情報や読んだ作品を3分ないし5分で紹介するとい

1 「笑顔のコーチング」に関しては柳瀬、関戸の「―「笑顔のコーチング」をもとにした 大学英語科目実践報告」(執筆中)に詳細を報告する予定である。

2 ビブリオバトルの英語科目での運用については関戸の「英語教育実践報告:スピーキン グを促す2つのイベント-Presentation Championship & Bibliobattle」(2017b)を参照。

(5)

う活動は毎回のように行った。つまり、疑問点に関してはグループ内で積極的 にディスカッション、調べものについては準備した情報をもとに共有、という ことがこの授業での基本方針であり、それを具体的活動と共に初回授業で示し たわけである。

作家として最初に取り上げたのはアメリカの国民的作家とも言えるマーク・

トウェインである。2回目の授業は「マーク・トウェインとその時代(南北戦 争とミシシッピ)」をテーマにし、「南北戦争とは何か?」といった歴史的背景 から入った。その際、議論すべきテーマとして「ひとつの共同体で違う2つの 意見が対立した場合、どうなったか?その結果とその後は?」をあげ、アサー ションという概念を紹介した。アサーションとは意見の対立があった場合、ど ちらかに帰依するのではなく双方が合意できる第三局を目指すというものであ る。南北戦争をより理解してもらうために、グループごとに南軍と北軍に分か れてそれぞれの立場からの主張をグループ同士ディベート形式でしてもらい、

最終的には両グループがアサーションする、というグループ活動はなかなか好 評だったようで授業後の振り返りでは「ディスカッションやアサーションを通 して南北戦争をより理解できた」という声が多く聞かれた。

トウェインの人生については各自が調べてくるというのが予習項目だったの でそれを共有してもらったあと、「トウェインは日本でいるところの誰と言え るか?」との質問を投げ、各自が思う日本の作家とトウェインとの共通点と 相違点を考えてもらった。次回への準備としては「『ハックルベリーフィンの 冒険』を3分間で紹介」というビブリオバトル形式の予習課題を出した。よ って3回目は「トウェイン( Adventures of Huckleberry Finn )を読む」と し、まずはグループ内で各自がまとめた作品のストーリーの発表、その確認な どをするのと同時に、論点はどこかを時間内に把握してもらった。とはいえ、

こうしたグループ活動に際して、もちろん必要なポイントはこちらからも提示 している。『ハックフィン』に関しては第31章のハックのセリフ、“I will go to hell.”以後の章をどう考えるか、例えばヘミングウェイは、第31章以降は不要 であると酷評している、などを紹介、それをもとに各自の『ハックフィン』観 の形成へと誘った。なお、4回目の授業は「マーク・トウェインの英語表現/

晩年のトウェイン」をテーマにし、トウェインの代表作である『トムソーヤー の冒険』と『ハックフィン』の原文とリトールドの比較も行った。「英語圏の 文学」である以上、やはり英語、またその表現、に触れないわけにはいかない。

履修者全員が英語そのものに関心があるかどうかは別にして、原文とリトール

-167-

(6)

ドが英語としてかなり異なっていることには気づきが多かったようで、振り返 りとしてはリトールドの是非をめぐる意見も多くあった。そしてここまでの3 回の授業をまとめる形で、トウェインに関して学んだこと、自分が考えた疑問 点についてまとめるレポートを書いてもらった。

レポートというとどうしても書いた後に教員に提出することだけに意識が向 きがちなことはある程度は当然かもしれない。しかし、この授業ではレポート の内容を「共有」することも、とても大きな学びのポイントのひとつとしてい る。よって5回目の授業、「フィッツジェラルドと時代(1920年代とアメリカ ンドリーム)」ではこの日のテーマに入る前にレポートの内容をグループ内に て各自3分で紹介、その後1分間の質疑応答の時間も設け、合計4分をひとり の持ち時間とし、共有してもらった。一通り終わった後、今度は違うメンバー とも共有するためにグループ替えを試みた。とはいえ約80名もいる教室で4人 1組を新たなメンバーにするのは容易なことではない。「4人集まれば誰でも いい」などのようにしてしまうと友人同士などで固まってあまりよい状況には ならない。よってグループ替えに際してはこちらから一定の条件(全員が一度 も同じグループになっていない、同じ学部/学年がいないようにする)などの 詳細を出し、極力知らない履修者同士がグループになれるよう努めた。これ は様々な意見が共有できるようになることと、知らない相手、時に先輩や後輩、

であっても積極的にコミュニケーションをしようという姿勢を養うといった 隠れた意味も含まれている。いずれにせよ、そうした状況の中で履修者たちは 新しいグループを作り、再びレポートの紹介、共有を行った。その後ようやく、

この日のテーマである、「アメリカンドリームとは何か? 1920年代のアメリカ はどんな時代?」に入り、フィッツジェラルドの人生を概観した。続く6回、

7回の授業は「フィッツジェラルドの作品( The Great Gatsby )を読む」、「フ ィッツジェラルドの英語表現/短編小説と映画」で、 The Great Gatsby に関 しては同じ場面に対して3つの翻訳を読み比べてもらい、翻訳についても検討、

議論をしてもらった。また、短編についてはThree Hours Between Planes

を取りあげ、 The Great Gatsby との比較の中でフィッツジェラルドの特徴と は何かを考えた。それをさらに発展させるべく、次回への準備として「トウェ インとフィッツジェラルドの共通点と相違点を3分で述べる」を課題とし、8

3 フィッツジェラルドを教材とした授業実践例は関戸の「文学教材を英語の教室で用いる

ならこんな風に-文学教材と4技能育成の共存を目指して」(2017a)が詳しい。

(7)

回目の授業「トウェインとフィッツジェラルドの比較(事実と影響)」に入っ た。トウェインとフィッツジェラルドの関係性については執筆者自身の研究

があるのでそれを引き合いに出し、共通点の一例として初恋の人へのこだわり、

ローラ・ライトとジネブラ・キングの存在の紹介もした。こうして3回の授業 を通して学んだフィッツジェラルドについてもトウェインの時と同様、1000字 程度でレポートにまとめてもらった。

レポートに関してはこれまでテーマの選び方や書き方、フォーマット上で注 意すべきことを口頭で伝えてきていたが、やや浸透しつくしていない部分も散 見されたのでレポートチェックリスト(Appendix 2)を作成し、内容とは別 にフォーマットなどの観点からペアで相互に評価を行ってもらった。最初は自 分のレポートを他者に見せるということに戸惑っている履修者もいたようだが、

その反面、「自分の出来ていないところがわかってよかった」など素直にコメ ントや指摘を受け入れている様子も見られた。やはり多いのは参考文献リスト がない、あったとしてもどこが引用なのかがはっきりしていない、といった文 学だけを問わずあらゆるレポートにおいて確認すべき事項が抜けているケース で、これはなかなか浸透させるのに苦労を要した。

ヘミングウェイに関しては導入の「ヘミングウェイと時代(アメリカンドリ ーム以後のアメリカ)」でヘミングウェイのイメージ、人生について触れ、10 回目の授業「ヘミングウェイの作品(短編小説)を読む」ではIndian Camp、

11回目の「ヘミングウェイの英語表現とフィッツジェラルドの影響」では短編 のならべかえ

をグループで行ってもらった後、ヘミングウェイとフィッツジ ェラルドの関係について拙論

をベースに説明、具体的には『ギャツビー』と

『日はまた昇る』の比較、関係性の考察を行い、各自ヘミングウェイのレポー トを1000字でまとめる課題を出した。これまで3回の授業が終わるたびにレポ ート、のペースだったのだがヘミングウェイに関しては1回減の2回になって しまったので、この点については「サイクルが早い(=レポート作成が大変)」

との履修者からの声もあり、反省すべき点でもある。

4 関戸「トウェインとフィッツジェラルドを結ぶもの-ノスタルジアと女性をめぐって」

(2011a)を参照。

5 この手法については関戸の“An Effective Way to Use Short Stories in the Language Classroom”(2013)を参照。

6 関戸「ロマンティック・ヒーローの系譜-『日はまた昇る』と『グレート・ギャツビー』

におけるヒーロー像、そして恋愛」(2011b)

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(8)

最後のサリンジャーについては残りの授業回数も限られてきているので、ヘ ミングウェイのレポートチェックを行った後の12回目「サリンジャーとその時 代(第二次大戦以後のアメリカ)」でサリンジャーの人生と第二次世界大戦に ついて触れ、13回目では「サリンジャーの作品( The Catcher in the Rye )を 読む」として補助プリントを使いながらグループで The Catcher in the Rye ストーリー全体像の把握、また謎の多いこの作品について8つの疑問点を提示 し、次回までに4人グループなので基本的にひとり2つの疑問点に自分なりの 答えを見つけてくる、といった課題も与えた。14回目は「サリンジャーの英語 表現/翻訳と村上春樹」と題し、 The Great Gatsby のときにも行ったような 翻訳同士の比較と共に、前回の課題とした謎について拙論

をもとに解題、ジ ョン・レノン殺害事件との関連性などについても言及した。そして今回はあえ て作家ではなく作品論として The Catcher in the Rye のまとめと考察を行うこ とを課題とした。

最後の授業では前回の課題としてレポート、 The Catcher in the Rye 作品論 と授業総まとめとしての最終レポートの2種類をこれまで行ってきたやり方、

4人1グループで内容説明に3分、質疑応答に1分、の計4分間、でそれぞれ 発表してもらった。最終レポートに関しては「これまで学んだトウェイン、フ ィッツジェラルド、ヘミングウェイ、そしてサリンジャーから誰か一人を取り 上げる、あるいは2者、3者、4者の関係、作家または作品について、を考察 してみよう」ということで基本的にどういう内容にするかは自由とした。た だし最終レポートなので字数は日本語で2500~3000字(英語なら1000 words)

程度(以上)とし、さすがに1週間で書き上げるには時間的に厳しいだろうと の配慮から、すでに数回前の授業時よりこの情報についてはアナウンスをして いた。よって、先に述べた The Catcher in the Rye 作品論と同時に書くことを 指示したわけではない。また、最終レポートを書くにあたっての注意点は先に も言及したチェックリストの活用を促した。こうして全15回、アメリカ文学に 焦点をあてた「英語圏の文学I」は最終レポートの作成とグループ内での発表 をもって、終わりを迎えた。

7  関戸「『ライ麦畑』論を整理して―新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』以降の日本 における研究動向の行方」(2006)

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3 履修者からの反応

さて、では履修者たちはこのような「主体的で対話的で深い学び」を主軸に した「英語圏の文学I」の授業に参加し、どのような反応を抱いたのであろう か。最終授業の際にアンケート(Appendix 3)を実施して回答を得たので質 問した5項目の問いそれぞれに対してコメントを記し、それをここでまとめる。

なお、回答数は75名であった。

まず、「一斉授業型(講義形式)ではない参加型授業はあなたによって良か ったと思いますか?」に対しては大変そう思う、そう思うが67名と全体の9割 近くを占めた。

この数字だけをもってして参加型授業のほうが一斉授業型よりも効果があると 一般論的に言い切ることはとても出来ないが、9割近くの履修者たちが「良か った」という印象を持っているのなら、少なくともこの授業の履修者たちの学 びたい好奇心と知的欲求を満たすにはいい授業形式であったと判断出来る。

次に、「参加型授業は笑顔やコミュニケーションを意識する良い機会になっ たと思いますか?」に関しても大変そう思う、そう思うが72名とほぼ10割に近 い数となった。これは初回の授業の際に行った「笑顔のコーチング」の効果が 大きいだろう。

こ の 数 字 だ け を も っ て し て 参 加 型 授 業 の ほ う が 一 斉 授 業 型 よ り も 効 果 が あ る と 一 般 論 的 に 言 い 切 る こ と は と て も 出 来 な い が 、 9 割 近 く の 履 修 者 た ち が 「 良 か っ た 」 と い う 印 象 を 持 っ て い る の な ら 、 少 な く と も こ の 授 業 の 履 修 者 た ち の 学 び た い 好 奇 心 と 知 的 欲 求 を 満 た す に は い い 授 業 形 式 で あ っ た と 判 断 出 来 る 。

次 に 、「 参 加 型 授 業 は 笑 顔 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 意 識 す る 良 い 機 会 に な っ た と 思 い ま す か ? 」に 関 し て も 大 変 そ う 思 う 、そ う 思 う が72名 と ほ ぼ 10割 に 近 い 数 と な っ た 。 こ れ は 初 回 の 授 業 の 際 に 行 っ た 「 笑 顔 の コ ー チ ン グ 」 の 効 果 が 大 き い だ ろ う 。

「 笑 顔 の コ ー チ ン グ 」 は ペ ア や グ ル ー プ で の 活 動 を や り や す く す る た め の ア イ ス ブ レ イ キ ン グ 的 扱 い で 行 っ た の だ が 、 初 回 の 授 業 で の 活 動 だ っ た と い う こ と も あ り 印 象 も 強 く 、 結 果 と し て グ ル ー プ 間 で の 活 動 の 際 に 笑 顔 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 意 識 し た 履 修 者 が 多 か っ た の だ ろ う 。

ま た 、「 ペ ア ワ ー ク の 相 手 や グ ル ー プ の メ ン バ ー と う ま く 協 力 で き た と 感 じ ま す か ? 」 は 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う が 69 名 と こ れ も 9 割 を 超 え て い る 。 や は り た く さ ん 行 っ た グ ル ー プ 活 動 が こ う し た 回 答 の 支 え に な っ て い る の だ ろ う し 、 自 由 記 述 に お い て は 「 そ も そ も そ う し な い と 始 ま ら な い 」 と い う 声 も あ っ た 。

大変そう思う 44%

そう思う 46%

どちらとも言えない 8%

そう思わない

1% 全く思わない 1%

大変そう思う 52%

そう思う 44%

どちらとも言えない 4%

そう思わない

0% 全く思わない 0%

-171-

(10)

「笑顔のコーチング」はペアやグループでの活動をやりやすくするためのアイ スブレイキング的扱いで行ったのだが、初回の授業での活動だったということ もあり印象も強く、結果としてグループ間での活動の際に笑顔やコミュニケー ションを意識した履修者が多かったのだろう。

また、「ペアワークの相手やグループのメンバーとうまく協力できたと感じ ますか?」は大変そう思う、そう思うが69名とこれも9割を超えている。やは りたくさん行ったグループ活動がこうした回答の支えになっているのだろうし、

自由記述においては「そもそもそうしないと始まらない」という声もあった。

よって概ねこの授業におけるグループ活動は功を奏したと言えよう。しかし、

ここで数字的には現われてはいないが自由記述のコメントによると若干の問題 点も指摘されており、それに関しては後に述べる。

「授業以外でもペアワークの相手やグループのメンバーと仲良くなったと思 いますか?」という質問に関しては若干上記3つとは異なる数値となり、大変 そう思う、そう思う、が46名、どちらとも言えないが22名であった。

こ の 数 字 だ け を も っ て し て 参 加 型 授 業 の ほ う が 一 斉 授 業 型 よ り も 効 果 が あ る と 一 般 論 的 に 言 い 切 る こ と は と て も 出 来 な い が 、 9 割 近 く の 履 修 者 た ち が 「 良 か っ た 」 と い う 印 象 を 持 っ て い る の な ら 、 少 な く と も こ の 授 業 の 履 修 者 た ち の 学 び た い 好 奇 心 と 知 的 欲 求 を 満 た す に は い い 授 業 形 式 で あ っ た と 判 断 出 来 る 。

次 に 、「 参 加 型 授 業 は 笑 顔 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 意 識 す る 良 い 機 会 に な っ た と 思 い ま す か ? 」に 関 し て も 大 変 そ う 思 う 、そ う 思 う が

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名 と ほ ぼ

10

割 に 近 い 数 と な っ た 。 こ れ は 初 回 の 授 業 の 際 に 行 っ た 「 笑 顔 の コ ー チ ン グ 」 の 効 果 が 大 き い だ ろ う 。

「 笑 顔 の コ ー チ ン グ 」 は ペ ア や グ ル ー プ で の 活 動 を や り や す く す る た め の ア イ ス ブ レ イ キ ン グ 的 扱 い で 行 っ た の だ が 、 初 回 の 授 業 で の 活 動 だ っ た と い う こ と も あ り 印 象 も 強 く 、 結 果 と し て グ ル ー プ 間 で の 活 動 の 際 に 笑 顔 や コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 意 識 し た 履 修 者 が 多 か っ た の だ ろ う 。

ま た 、「 ペ ア ワ ー ク の 相 手 や グ ル ー プ の メ ン バ ー と う ま く 協 力 で き た と 感 じ ま す か ? 」 は 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う が

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名 と こ れ も 9 割 を 超 え て い る 。 や は り た く さ ん 行 っ た グ ル ー プ 活 動 が こ う し た 回 答 の 支 え に な っ て い る の だ ろ う し 、 自 由 記 述 に お い て は 「 そ も そ も そ う し な い と 始 ま ら な い 」 と い う 声 も あ っ た 。

大変そう思う 44%

そう思う 46%

8% 1% 1%

大変そう思う 52%

そう思う 44%

どちらとも言えない 4%

そう思わない

0% 全く思わない 0%

よ っ て 概 ね こ の 授 業 に お け る グ ル ー プ 活 動 は 功 を 奏 し た と 言 え よ う 。 し か し 、 こ こ で 数 字 的 に は 現 わ れ て は い な い が 自 由 記 述 の コ メ ン ト に よ る と 若 干 の 問 題 点 も 指 摘 さ れ て お り 、 そ れ に 関 し て は 後 に 述 べ る 。

「 授 業 以 外 で も ペ ア ワ ー ク の 相 手 や グ ル ー プ の メ ン バ ー と 仲 良 く な っ た と 思 い ま す か ? 」 と い う 質 問 に 関 し て は 若 干 上 記 3 つ と は 異 な る 数 値 と な り 、 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う 、 が

46

名 、 ど ち ら と も 言 え な い が

22

名 で あ っ た 。

「 ど ち ら と も 言 え な い 」 の 理 由 に あ っ た 複 数 の コ メ ン ト で は 「 そ う し た ( 授 業 以 外 に 学 内 で 会 う ) 機 会 が な い 」 と い う も の が 最 も 多 く 、 つ ま り は 授 業 時 以 外 に 接 す る 時 間 が な い と の こ と で 、 ゼ ミ な ど と は 違 っ て 濃 い 関 係 に は な か な か な り に く か っ た の か も し れ な い 。 と は い え 、 半 数 以 上 の

46

名 が 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う 、 と 答 え て く れ て い る の で 、 こ の 授 業 を き っ か け に 新 た な 交 友 が 広 が り 、 か つ 授 業 の 内 容 に つ い て 授 業 時 以 外 に も 話 す 機 会 が あ っ た と し た の な ら ば 喜 ば し い 限 り で あ る 。

最 後 に 「 参 加 型 授 業 を 通 し て ク ラ ス の 雰 囲 気 は 良 か っ た と 思 い ま す か ? 」 に 大変そう思う

そう思う 49%

43%

どちらとも言えな い 8%

そう思わない

0% 全く思わない 0%

大変そう思う 28%

そう思う 34%

どちらとも言えない 29%

そう思わない

8% 全く思わない

1%

Mathesis Universalis Volume 20, No.2/マテシス・ウニウェルサリス 第20巻 第2号

-172-

(11)

「どちらとも言えない」の理由にあった複数のコメントでは「そうした(授業 以外に学内で会う)機会がない」というものが最も多く、つまりは授業時以外 に接する時間がないとのことで、ゼミなどとは違って濃い関係にはなかなかな りにくかったのかもしれない。とはいえ、半数以上の46名が大変そう思う、そ う思う、と答えてくれているので、この授業をきっかけに新たな交友が広がり、

かつ授業の内容について授業時以外にも話す機会があったとしたのならば喜ば しい限りである。

最後に「参加型授業を通してクラスの雰囲気は良かったと思いますか?」に ついては最初の3つ同様、大変そう思う、そう思う、が66名と9割近い数字を 示し、肯定的な回答となった。

これまでの他の項目と共に考えあわせてみても、意図的に導入したグループ活 動などの影響もあり、クラス、あるいは授業そのもの、の雰囲気がよかったよ うに映ったのだろう。おそらく、一斉講義型の授業だけを行い、同じ授業を履

よ っ て 概 ね こ の 授 業 に お け る グ ル ー プ 活 動 は 功 を 奏 し た と 言 え よ う 。 し か し 、 こ こ で 数 字 的 に は 現 わ れ て は い な い が 自 由 記 述 の コ メ ン ト に よ る と 若 干 の 問 題 点 も 指 摘 さ れ て お り 、 そ れ に 関 し て は 後 に 述 べ る 。

「 授 業 以 外 で も ペ ア ワ ー ク の 相 手 や グ ル ー プ の メ ン バ ー と 仲 良 く な っ た と 思 い ま す か ? 」 と い う 質 問 に 関 し て は 若 干 上 記 3 つ と は 異 な る 数 値 と な り 、 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う 、 が 46名 、 ど ち ら と も 言 え な い が22名 で あ っ た 。

「 ど ち ら と も 言 え な い 」 の 理 由 に あ っ た 複 数 の コ メ ン ト で は 「 そ う し た ( 授 業 以 外 に 学 内 で 会 う ) 機 会 が な い 」 と い う も の が 最 も 多 く 、 つ ま り は 授 業 時 以 外 に 接 す る 時 間 が な い と の こ と で 、 ゼ ミ な ど と は 違 っ て 濃 い 関 係 に は な か な か な り に く か っ た の か も し れ な い 。 と は い え 、 半 数 以 上 の 46 名 が 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う 、 と 答 え て く れ て い る の で 、 こ の 授 業 を き っ か け に 新 た な 交 友 が 広 が り 、 か つ 授 業 の 内 容 に つ い て 授 業 時 以 外 に も 話 す 機 会 が あ っ た と し た の な ら ば 喜 ば し い 限 り で あ る 。

最 後 に 「 参 加 型 授 業 を 通 し て ク ラ ス の 雰 囲 気 は 良 か っ た と 思 い ま す か ? 」 に つ い て は 最 初 の 3 つ 同 様 、 大 変 そ う 思 う 、 そ う 思 う 、 が 66 名 と 9 割 近 い 数 字 を 示 し 、 肯 定 的 な 回 答 と な っ た 。

大変そう思う そう思う 49%

43%

8% 0%

大変そう思う 28%

そう思う 34%

どちらとも言えない 29%

そう思わない

8% 全く思わない

1%

こ れ ま で の 他 の 項 目 と 共 に 考 え あ わ せ て み て も 、 意 図 的 に 導 入 し た グ ル ー プ 活 動 な ど の 影 響 も あ り 、 ク ラ ス 、 あ る い は 授 業 そ の も の 、 の 雰 囲 気 が よ か っ た よ う に 映 っ た の だ ろ う 。 お そ ら く 、 一 斉 講 義 型 の 授 業 だ け を 行 い 、 同 じ 授 業 を 履 修 し て い る の に 話 し た こ と の あ る 履 修 者 が 皆 無 、 と い っ た 状 況 下 で は こ の よ う な 結 果 は 得 ら れ な い の で は な か ろ う か 。 雰 囲 気 作 り だ け で 学 習 の 度 合 い は 決 ま ら な い か も し れ な い が 、 学 び に 対 す る 積 極 的 な 気 持 ち が こ の 数 字 に 表 れ て い た と 思 い た い 。

よ っ て 上 記 ア ン ケ ー ト 結 果 か ら 、「 主 体 的 で 対 話 的 で 深 い 学 び 」を 加 味 し た ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ 的 手 法 、 ま た 文 学 と い う 従 来 で あ れ ば 一 斉 講 義 型 で あ っ た 科 目 を 学 習 者 参 加 型 の ス タ イ ル に 変 更 し た「 英 語 圏 の 文 学I」、は 履 修 者 た ち に 概 ね 好 意 的 に 受 け 入 れ ら れ た と 言 っ て よ い だ ろ う 。 ま た 、 以 下 は 自 由 記 述 回 答 を 基 に し た 共 起 ネ ッ ト ワ ー ク で あ る 。

大変そう思う 39%

そう思う 49%

どちらとも言えない 11%

そう思わない

1% 全く思わない 0%

学学 学学

友友 内内

ググググ メメメグ 先先

コココココグココメ 授授

機機

意意 協協

参参

先先 交交

初初初

理理

大大

デデデデデココメ

意意

普普 発発 グググググググ

参参参 講講

積積積 他学学

出出る

話す

聞く

機う 取る

感じる 知る

関わる

深まる

増える 学べる

聞ける 楽しし

良し

受受

多し

Subgraph:

01 02 03

04 05

Frequency:

10

20

30

40

主体的で対話的で深い学びを促す文学講義科目

-173-

(12)

修しているのに話したことのある履修者が皆無、といった状況下ではこのよう な結果は得られないのではなかろうか。雰囲気作りだけで学習の度合いは決ま らないかもしれないが、学びに対する積極的な気持ちがこの数字に表れていた と思いたい。

よって上記アンケート結果から、「主体的で対話的で深い学び」を加味した アクティブラーニング的手法、また文学という従来であれば一斉講義型であっ た科目を学習者参加型のスタイルに変更した「英語圏の文学I」、は履修者た ちに概ね好意的に受け入れられたと言ってよいだろう。また、以下は自由記述 回答を基にした共起ネットワークである。

これはKH Coderという計量テキスト分析ソフトを用いると作ることの出来る キーワードの連鎖図である。線でつながれたもの、あるいは近接する場所に位 置する語ほど関連性が高いことを示しており、ここからもグループワークでの 活動を通して学習者同士が話しながら新しい内容を学んでいくという参加型の スタイルへの言及が多いことがわかる。

とはいえ改善点が全くないというわけでもない。アンケートの自由記述欄に あったやや批判的なコメントをいくつか拾うと、「グループによって差がある

(意見を言えない/話さない人がいる)」「たまに欠席者がいて困った」という

こ れ ま で の 他 の 項 目 と 共 に 考 え あ わ せ て み て も 、 意 図 的 に 導 入 し た グ ル ー プ 活 動 な ど の 影 響 も あ り 、 ク ラ ス 、 あ る い は 授 業 そ の も の 、 の 雰 囲 気 が よ か っ た よ う に 映 っ た の だ ろ う 。 お そ ら く 、 一 斉 講 義 型 の 授 業 だ け を 行 い 、 同 じ 授 業 を 履 修 し て い る の に 話 し た こ と の あ る 履 修 者 が 皆 無 、 と い っ た 状 況 下 で は こ の よ う な 結 果 は 得 ら れ な い の で は な か ろ う か 。 雰 囲 気 作 り だ け で 学 習 の 度 合 い は 決 ま ら な い か も し れ な い が 、 学 び に 対 す る 積 極 的 な 気 持 ち が こ の 数 字 に 表 れ て い た と 思 い た い 。

よ っ て 上 記 ア ン ケ ー ト 結 果 か ら 、「 主 体 的 で 対 話 的 で 深 い 学 び 」を 加 味 し た ア ク テ ィ ブ ラ ー ニ ン グ 的 手 法 、 ま た 文 学 と い う 従 来 で あ れ ば 一 斉 講 義 型 で あ っ た 科 目 を 学 習 者 参 加 型 の ス タ イ ル に 変 更 し た「 英 語 圏 の 文 学

I

」、は 履 修 者 た ち に 概 ね 好 意 的 に 受 け 入 れ ら れ た と 言 っ て よ い だ ろ う 。 ま た 、 以 下 は 自 由 記 述 回 答 を 基 に し た 共 起 ネ ッ ト ワ ー ク で あ る 。

大変そう思う 39%

そう思う 49%

11% 1% 0%

学学 学学

友友 内内

ググググ メメメグ 先先

コココココグココメ 授授

機機

意意 協協

参参

先先 交交

初初初

理理

大大

デデデデデココメ

意意

普普 グググググググ 発発

参参参 講講

積積積 他学学

出出る

話す

聞く

機う 取る

感じる 知る

関わる

深まる

増える 学べる

聞ける 楽しし

良し

受受

多し

Subgraph:

01 02 03

04 05

Frequency:

10 20

30

40

Mathesis Universalis Volume 20, No.2/マテシス・ウニウェルサリス 第20巻 第2号

(13)

声もあった。もちろん、全員が必ず毎回出席というわけではなかったし、結果 的に出席はしたもののグループ活動の開始に間に合わずに遅刻、あるいは前回 欠席だったためグループ内での活動についていけない、発表すべき内容を持ち 合わせていない、といった状況は散見された。欠席者がいた場合はなるべく臨 時に4人になるよう指示したりもしたが、常時完璧であったわけではない。ま た、個人の積極性もそれぞれなので4人揃えば万事OKとも言いかねた。こう した点は参加型にするとどうしてもついてまわる問題でもあり、また大学生と いう自我がほぼ大人の状態になっている年齢においては、むしろ個人の資質、

つまりは積極性、を変えるにはなかなか難しく、現時点で「こうすればどんな 状況でも、どんな学習者でも対話的にできる」といった魔法のような解決法が あるわけではない。しかし、対話をしないと自分だけでなくグループとしても 困る、あるいは積極的に対話をしないことでグループが活性化しない、という 状況を経験することが若干遠回りではあるが「対話しよう」という姿勢を多く の履修者に伝える教育の場や機会と捉えられるのであれば辛抱強くそこは待ち、

この授業後であってもそうした履修者たちの今後の変化に期待をしたい、とい うのがささやかな願いでもある。

おわりに

本稿では「英語圏の文学I」の授業実践報告として、まず主体的で対話的で 深い学びと文学講義科目について、その導入に至った経緯やアクティブラーニ ングの定義などについて述べた。つぎに、授業での様々な試みとして実際に行 った授業の内容や活動を具体的に紹介した。授業内の雰囲気を文字だけで伝え るのは限界があるが、極力履修者たちがどのような学びをしていたかの再現を 試みたつもりである。そして最後に、履修者からの反応として、最終授業の際 に行ったアンケートの結果をもとに振り返りを行った。若干の問題点はあるも のの、今回参加してくれた履修者たちは概ね、この参加型授業スタイルに好反 応を示してくれた。これを受け、今後も継続的に参加型授業の運営を行い、一 斉講義型授業とのさらなる比較や履修者たちの学びの足跡を追いかけ、新たな 授業スタイルの確立を目指し、あわせて報告も行っていきたい。

参考文献

関戸冬彦(2006)「『ライ麦畑』論を整理して―新訳『キャッチャー・イン・ザ・ライ』以降 の日本における研究動向の行方」『ねびゅらす』第34号, 25-42.

関戸冬彦(2011a)「トウェインとフィッツジェラルドを結ぶもの―ノスタルジアと女性をめ

-175-

(14)

ぐって」『マーク・トウェイン 研究と批評』第10号, 113-118.

関戸冬彦(2011b)「ロマンティック・ヒーローの系譜―『日はまた昇る』と『グレート・ギ ャツビー』におけるヒーロー像、そして恋愛」『マテシス・ウニウェルサリス』第12巻 第2号, 49-62.

関戸冬彦(2017a)「文学教材を英語の教室で用いるならこんな風に―文学教材と4技能育成 の共存を目指して」『Encounters』第5号, 139-148.

関戸冬彦(2017b)「英語教育実践報告:スピーキングを促す2つのイベント―Presentation Championship & Bibliobattle」『マテシス・ウニウェルサリス』第18巻第2号, 99-109.

文部科学省(2012)「用語集」『新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて~

生涯学び続け、主体的に考える力を育成する大学へ~(答申)』August 28, Online.

Internet. September 2, 2018. Available: http://www.mext.go.jp/component/b_menu/

shingi/toushin/__icsFiles/afieldfile/2012/10/04/1325048_3.pdf

Sekido, Fuyuhiko.(2013)“An Effective Way to Use Short Stories in the Language Classroom.”『英文学思潮』第86巻, 115-123.

柳瀬真紀、関戸冬彦 「笑顔のコーチング」をもとにした大学英語科目実践報告(執筆中)

(15)

Appendix 1

英語圏の文学I 講義目的、講義概要

英語で書かれた代表的な文学(主に小説、アメリカ文学)を通して、その作 品における様々な英語表現が理解できるようになり、またその国や地域の文化 についても理解を深めることを目的とします。具体的には英語で書かれた代表 的なアメリカ文学作品、トウェイン、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、

サリンジャーなど、を読みながら英語表現や文化を積極的に学んでいきます。

なお、この科目は講義科目となってはいますが、教員側からの一方通行的講 義ではありません。90分間ただ座って聞いているだけ、という授業はほとんど せず、参加者全員が主体的に学び、対話をし、その場で調べ、分析しながら深 く学ぶことを目指す全員参加型のアクティブラーニング形式で進行します。よ って毎回の出席は当たり前、かつ授業内で毎回何をどう学んだのかを明確にし ていくことが評価へとつながっていきますので、その旨よく理解した上で履修 してください。

授業計画

1:イントロダクション文学とは何か?/アメリカ文学への招待 2:マーク・トウェインとその時代(南北戦争とミシシッピ)

3:トウェイン( Adventures of Huckleberry Finn )を読む 4:マーク・トウェインの英語表現/晩年のトウェイン

5:フィッツジェラルドと時代(1920年代とアメリカンドリーム)

6:フィッツジェラルドの作品( The Great Gatsby )を読む 7:フィッツジェラルドの英語表現/短編小説と映画 8:トウェインとフィッツジェラルドの比較(事実と影響)

9:ヘミングウェイと時代(アメリカンドリーム以後のアメリカ)

10:ヘミングウェイの作品(短編小説)を読む

11:ヘミングウェイの英語表現とフィッツジェラルドの影響 12:サリンジャーとその時代(第二次大戦以後のアメリカ)

13:サリンジャーの作品( The Catcher in the Rye )を読む 14:サリンジャーの英語表現/翻訳と村上春樹

15:トウェイン、フィッツジェラルド、ヘミングウェイ、サリンジャーの系 譜(まとめ)

-177-

(16)

Appendix 2

英語圏の文学 レポートチェックリスト フォーマット

1 名前、 学生番号、 タイトルがあるか? (名前だけ後から手書きはNG)

2 文字のポイントが10.5~12くらいになっているか?

3 無駄に複数枚になっていないか? (ページの半分以上が白紙になっていないか?)

4 誤字、 脱字はないか? (後から手書きで修正するのはNG。 その場合は直して再度プリントア ウトする)

5 「ですます」 調と 「である」 調が混在していないか?

6 規定の字数 (1000語もしくは400 words) をクリアしているか? (9割以上が常識の範囲。

多い分にはこの授業ではかまいません)

/ 6 内容

7 事実 (史実) と自分の意見とがバランスよく入っているか? (5 : 5~6 : 4くらいが理想)

8 事実誤認 (作家名や作品名など) をしていないか?

9 自分の意見に根拠はあるか?推測だけになっていないか?

/ 3 参考文献

10 参考文献を載せているか?

11 誰が書いたのかわかる文献か?

12 本文中のどこが引用かはっきり示しているか?

/ 3 Total /12 Comments (よかったところやもう少しこうしたらという部分があったら書いてあげましょう)

     Checked by       

(17)

Appendix 3

参加型授業運営 アンケート

無記名でアンケートにご協力お願いいたします。当てはまるものに〇をつけてください。枠 内には答えの理由を記入してください。成績等には一切関係しません。また、この結果は英 語教育の論文に掲載されることがありますので、ご了承ください。

1.一斉授業型(講義形式)ではない参加型授業はあなたによって良かったと思いますか?

1大変そう思う 2そう思う 3どちらとも言えない 4そう思わない 5全く思わない

2.参加型授業は笑顔やコミュニケーションを意識する良い機会になったと思いますか?

1大変そう思う 2そう思う 3どちらとも言えない 4そう思わない 5全く思わない

3.ペアワークの相手やグループのメンバーとうまく協力できたと感じますか?

1大変そう思う 2そう思う 3どちらとも言えない 4そう思わない 5全く思わない

4.授業以外でもペアワークの相手やグループのメンバーと仲良くなったと思いますか?

1大変そう思う 2そう思う 3どちらとも言えない 4そう思わない 5全く思わない

5.参加型授業を通してクラスの雰囲気は良かったと思いますか?

1大変そう思う 2そう思う 3どちらとも言えない 4そう思わない 5全く思わない

6.その他、コメントがあれば自由記入をお願いします。

なお、この授業を履修した理由は

内容(文学)に興味があった・たまたま時間が空いていた・単位が必要だった・その他(     )

-179-

参照

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