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視覚障害者に適したプライバシ保護方式の基盤構築

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Academic year: 2021

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視覚障害者に適したプライバシ保護方式の基盤構築 

筑波技術大学  保健科学部  情報システム学科 

岡本 健 

キーワード:プライバシ保護,ID 情報,ペアリング,情報保障

現在、ICT社会が浸透し、個人の身元を証明するの に生体情報を用いる方法が普及している。この方式は 利用者の身体的特徴を利用しており、個人がその特徴 を有しているかどうかにより、認証を行う。このよう な認証方式は、バイオメトリクス認証と呼ばれ、実社 会における利用例として、銀行 ATM における手のひ ら認証や、研究機関で主に用いられている網膜認証等 がある。これらの方式では、利用者は最初に本人の身 体的特徴をセンタに登録する。このため、もし身体障 害者がバイオメトリクス認証を利用する場合、以下の ような問題がある。

 障害に関する情報をセンタに伝える必要があり、

利用者の精神的な負担、および著しいプライバシ 侵害を導く。

 身体的な部位の欠損により、認証処理が行えない 場合がある。

他にも社会的、技術的な問題が多く残されている。

このように現行システムは身体障害者に十分適用可能 な方式には至っていないため、身体障害者の利用を考 慮にいれた新しいプライバシ保護技術が求められる。

本研究では、実社会において視覚障害者がプライバ シ侵害されることない快適で効率的な方式を提案し、

プライバシ保護に関する基盤技術を構築した[1-5]。本 研究では、利用者を特定するために、生体情報とは属 性情報を使用した。この情報は、ID情報と呼ばれ、利 用者の氏名や住所など、身体障害者に対して精神的負 担にならない情報を用いることができる。

ID 情報を公開鍵暗号系における公開鍵として使用 することにより、本研究では、以下のような認証処理 を行うシステムを構築した。 

 初期段階:最初に利用者はセンタと直接手続きを 行い、本人であることを確認する。センタは利用 者にIDベース暗号系に基づく秘密情報を発行す る。この情報を公開鍵暗号系における秘密鍵とし て使用する。

 認証段階:利用者は秘密鍵を用いて、センタと対 話を行い、最終的に署名文を作成する。次に氏名 などのID情報と共に署名文をセンタに提示する。

 検証段階:センタは署名文が正しいかどうかを検 証する。このとき、署名文が正しければ本人であ ると受理し、正しくなければ受理しない。

要素技術としては、「ペアリング」と呼ばれる楕円曲 線暗号に基づく暗号系を用いる。本研究のアプローチ としては、

 既存の福祉工学に基づくプライバシ保護技術に 対し、伝送効率のよい方式の提案

 従来は持っていなかった有益な特徴を持つプラ イバシ保護技術の提案

という流れで行った。また、ペアリングには、超楕 円曲線上の双線形写像というものが提案されており、

こちらを応用するとステップ数が通常の楕円曲線ペア リングよりも少なくなる可能性がある。ただし、1 ス テップの演算量が楕円曲線上の演算よりも大きいため、

この問題に対する解決策についても研究を行った。

参考文献 

[1] 岡本健, 山口通智, 三宅輝久, 石塚和重, 野口栄

太郎, 大越教夫:バリアフリーなCAPTCHAの基 盤構築:視覚に障害をもつ医療系学生を事例とし て, 暗 号 と 情 報 セ キ ュ リ テ ィ シ ン ポ ジ ウ ム

― 54 ―

筑波技術大学 紀要

 National University Corporation  Tsukuba University of Technology

(2)

(SCIS2014), 4B2-1, 電子情報通信学会, 2014.

[2] 山口通智, 岡本健:人間ロボット判別テストのバ リアフリー化のための言語的作問とその自然文 生成技法, コンピュータセキュリティシンポジ ウム (CSS2013) , pp.941-948, 3D3-3,情報処理学 会, 2013.

[3] 山口通智, 中田亨, 岡本健:ユーザ認証での画像 視認テストを代替する言語的テスト, 感覚代行 シンポジウム2013, No.4, 2013.

[4] 山口通智, 中田亨, 岡本健:インターネット上に 湧出する文章の特徴とそのチューリングテスト のバリアフリー化への利用, 情報科学技術フォ ーラム(FIT2013), 第3分冊, pp.669-670, K-049, 情 報処理学会, 2013.

[5] 山口通智, 中田亨:人間ロボット判別テストのバ リアフリー化のための言語的作問技法, 情報処 理学会研究報告, CSEC, コンピュータセキュリ ティ, 2013(30):1‒8, 2013.

― 55 ―

筑波技術大学 紀要

 National University Corporation  Tsukuba University of Technology

参照

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