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「 人 間 的 な 成 長 」 を 見 据 え た 課 題 探 究 型 初 年 次 教 育 の 提 案

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Academic year: 2021

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「 人 間 的 な 成 長 」 を 見 据 え た 課 題 探 究 型 初 年 次 教 育 の 提 案

― 人 生 の 価 値 と 健 康 問 題 を 中 心 に ―

村 上 祐 介 ・ 大 畑 昌 己 ・ 松 久 眞 実 ・ 柿 木 章

1 . 問 題 と 目 的

学 士 課 程 教 育 の 質 保 証 が 叫 ば れ て 久 し い 。そ の 取 り 組 み の 一 つ と し て 、「 高 等 学 校 か ら 大 学 へ の 円 滑 な 移 行 を 図 り 、大 学 で の 学 問 的 ・ 社 会 的 な 諸 条 件 を 成 功 さ せ る べ く 、主 と し て 大 学 新 入 生 を 対 象 に 作 ら れ た 総 合 的 教 育 プ ロ グ ラ ム 」( 文 部 科 学 省 , 2017) で あ る 初 年 次 教 育 が 、 本 邦 に お い て も 多 様 な 展 開 を み せ て き た 。9 割 を 超 え る 高 い 普 及 率 を 示 す 反 面 、今 後 の 課 題 と し て 、各 機 関 の ニ ー ズ に 特 化 し 学 士 課 程 と の 連 続 性 を 視 野 に 入 れ た 効 果 的 な プ ロ グ ラ ム を 開 発 す る こ と が 指 摘 さ れ て い る ( 山 田 , 2013) 。 加 え て 、 文 部 科 学 省 ( 2012) は 、 大 学 進 学 率 が 一 挙 に 増 大 し た 我 が 国 に お い て 、そ の 受 け 皿 と な る 私 立 大 学 が 、「 日 本 社 会 の 持 つ 文 化 、学 術 、地 域 性 な ど の 多 様 性 に 十 分 対 応 し て 、 日 本 社 会 の 将 来 を 予 測 し 、 そ れ に 必 要 な 人 材 を 育 て 」 る 、 と い う 役 割 を 十 分 に 果 た せ て い な い と 指 摘 す る 。そ の た め 、「 自 立 過 程 に あ る 若 者 に 対 す る 社 会 人 と し て の 素 養 の 涵 養 と 個 人 の 人 生 の 満 足 度 を 高 め る た め の 出 発 点 」、「 地 域 社 会 に 貢 献 す る 人 材 育 成 と 学 生 を 原 動 力 と し た 地 域 社 会 の 発 展 の 核 」と い っ た 大 学 の 役 割 を 遂 行 す べ く 、「 私 立 大 学 は 個 々 の 大 学 の 教 育 目 標 を 実 現 し 、社 会 の 負 託 に 応 え る べ く 、充 実 し た 教 育 を 実 践 し 続 け て 行 か な く て は な ら な い 」 と い う 。

以 上 の こ と か ら 、本 研 究 で は 、私 立 大 学 と し て の 役 割 、大 学 独 自 の 教 育 目 標 や 学 士 課 程 と の 連 続 性 を 念 頭 に 置 き 、学 部 や コ ー ス の 特 色 や 専 門 性 に よ り 特 化 し た 初 年 次 教 育 を 提 案 し て い き た い 。 そ の 作 業 に あ た り 、 ま ず 、 本 稿 の 研 究 対 象 で あ る 桃 山 学 院 教 育 大 学 ( 以 下 、 「 本 学 」 ) の 教 育 目 標 ( 理 念 )を 確 認 し て お く と 、そ れ は 、 教 育 者 ( あ る い は 学 習 者 ) と し て 必 要 な 知 識 や ス キ ル を 修 得 す る だ け で は な く 、そ れ を 使 用 す る 教 育 者( あ る い は 学 習 者 )自 身 の 人 間 力 を 磨 く 「 人 間 教 育 」 と し て 表 現 さ れ て い る 。 よ り 具 体 的 に は 、( 1 ) 自 己 理 解 や 自 己 受 容 、 自 己 内 対 話 に よ る 「 自 己 実 現 」( 一 人 ひ と り の 可 能 性 を 全 面 的 に 開 花 ・ 実 現 ) 、( 2 )「 『 我 の 世 界 』 ( 自 分 に 固 有 の 人 生 を 生 き 抜 く 力 ) と 『 我 々 の 世 界 』 ( 内 面 的 な 「 我 の 世 界 」 を 土 台 に 、 世 の 中 の 行 き 方 を 考 え る ) を 生 き る 力 」 、 そ し て 、( 3 ) 知 識 や 技 能 の 獲 得 は も と よ り 、 思 考

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力 や 判 断 力 等 の 高 次 で 複 合 的 な 力 を 身 に つ け 、自 己 の 探 究( 学 び に 向 か う 力 、人 間 性 等 )へ と 向 か う 「 習 得 ・ 活 用 ・ 探 究 」 、 と い う 主 と し て 三 領 域 の 教 育 プ ロ セ ス が 相 互 に 関 与 し な が ら 、 人 間 的 な 成 長 や 発 達 、す な わ ち「 人 格 の 完 成 」の プ ロ セ ス を 促 進 す る こ と を 目 的 と し て い る( 桃 山 学 院 教 育 大 学 , 2019) 。

本 学 で は 、こ う し た「 人 間 的 な 成 長 」を 念 頭 に 置 き 、入 学 か ら 卒 業 後 ま で の キ ャ リ ア パ ス と し て 、 1 年 次 生 を 「 意 欲 」 、 2 年 次 生 を 「 体 験 」 、 3 年 次 生 を 「 本 気 」 、 4 年 次 生 を 「 本 番 」 と 位 置 づ け 、キ ャ リ ア 系 科 目 や 実 習 等 を 適 宜 配 置 し な が ら 、実 践 的 指 導 力 や 学 び 続 け る 人 間 像 を 段 階 的 に 獲 得・形 成 で き る よ う な カ リ キ ュ ラ ム を 構 成 し て い る 。本 研 究 の 対 象 と な る 初 年 次 教 育 科 目「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 1 」と「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 2 」は 、こ う し た キ ャ リ ア の 段 階 的 発 達 の 基 盤 と な る 卒 業 必 修 科 目 で あ る 。そ の 到 達 目 標 は 、「 1 .大 学 で の 4 年 間 を『 意 欲 』『 体 験 』『 本 気 』『 本 番 』と し て 学 修 の 見 通 し を 持 ち 、必 要 な ス キ ル を 身 に つ け る 」、「 2 . 多 様 な 経 験 を 通 し て 『 子 ど も 』 や 『 教 育 』 の 理 解 を 深 め る 」 、「 3 . キ ャ リ ア ・ プ ラ ン ニ ン グ の 基 礎 を 理 解 す る 」、「 4 .演 習 や 体 験 行 事 を 通 し て 、企 画 実 行 力・コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力・

問 題 解 決 力 を 高 め 、 人 間 力 を 獲 得 す る 」 と な っ て い る 。

こ う し た 大 学 の 理 念 や キ ャ リ ア 科 目 の 到 達 目 標 を 達 成 す る 具 体 的 な 方 法 の 考 案 に あ た っ て 、 本 論 で は 、第 一 に 、「 価 値 」( value)に 注 目 す る 。価 値 と は 、「 永 続 的 な 目 標 と し て 、行 動 の 動 機 づ け や 評 価 、 選 択 に 影 響 を 及 ぼ す 生 来 的 な 願 望 を 言 語 的 に 表 明 し た も の 」 ( 坂 野 ・ 武 藤 、 p.71) で あ り 、 ま た 、「 人 生 で ど の よ う に 振 る 舞 い た い か 、 ど の よ う に 世 界 と 、 他 者 と 、 そ し て 自 分 自 身 と か か わ り た い か に つ い て の 、心 の も っ と も 深 い 部 分 か ら く る 欲 求 」( Harris, 2007 岩 下 訳 2015, pp.209-210)と 定 義 さ れ る 。各 自 が 、唯 一 無 二 の 人 生 に お い て 大 切 に し た い「 価 値 」を 確 認 す る こ と は 、何 を 人 生 の 軸 と し て 生 き て い き た い の か 、と い う 根 本 的 な「 意 欲 」を 刺 激 す る と と も に 、自 己 実 現 の 構 成 要 素 と し て 想 定 さ れ る 自 己 理 解 や 自 己 内 対 話 を 促 進 し 、ひ い て は「 我 の 世 界 と 我 々 の 世 界 を 生 き る 力 」の 基 盤 を 形 成 す る こ と に な る だ ろ う 。価 値 と い う 内 面 世 界 を 土 台 に し な が ら 、他 者 や 社 会 と ど の よ う に 関 わ り な が ら 、自 ら が 生 き て い け ば 良 い か を 考 え る 契 機 と な る か ら で あ る 。

第 二 に 着 目 す る の は「 健 康 課 題 」で あ る 。心 身 の 健 康 に 関 わ る 諸 問 題 は 、多 く の 人 に と っ て の 関 心 で あ り 、本 研 究 の 対 象 と な る 健 康・ス ポ ー ツ 教 育 コ ー ス は 、こ う し た 健 康 問 題 に 対 し て 、 科 学 的 根 拠 に 基 づ く 支 援 を 可 能 と す る 人 材 の 育 成 を 謳 っ て い る 。当 該 コ ー ス に 在 籍 す る 学 生 の 多 く は 、何 ら か の 形 で ス ポ ー ツ に 関 わ っ て き た 者 が 多 い が 、大 学 の 学 び に お い て 求 め ら れ る の は 、「 自 ら が プ レ ー し て き た ス ポ ー ツ ( あ る い は 、ス ポ ー ツ を プ レ ー し て き た 自 分 ) 」を 一 度

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客 体 視 し 、「 ス ポ ー ツ を 活 用 し て 他 者 の ウ ェ ル ビ ー イ ン グ( よ り 良 い 状 態 )増 進 に い か に 寄 与 す る か 」 を 考 究 し て い く こ と で は な い だ ろ う か 。 こ う し た 質 的 な 転 換 を 促 し て い く た め に は 、 ま ず 、健 康 問 題 の 実 態 を 把 握 し た う え で 、そ れ を 改 善 す る た め の 具 体 的 な ア プ ロ ー チ や 、健 康 増 進 に 寄 与 す る 多 様 な 職 業 に つ い て 学 び 、そ う し た 大 き な 枠 組 み の 中 で 、自 ら の 得 意 ・ 関 心 で あ る ス ポ ー ツ に ど の よ う な 役 割 を 担 わ せ 得 る か を 考 察 し 続 け て い く こ と が 肝 要 と な る 。し た が っ て 、「 健 康 課 題 」に 関 す る 探 究 型 の 学 習 は 、と り わ け 健 康 ・ ス ポ ー ツ 教 育 コ ー ス に 所 属 す る 学 生 個 々 人 の 可 能 性 を 実 現 さ せ 、「 我 の 世 界 」と「 我 々 の 世 界 」の 関 係 性 を 考 え る 契 機 と な り 、 学 び に 向 か う 力 や そ れ を 支 え る 意 欲 を 刺 激 す る の に 適 し た ト ピ ッ ク で あ る と 考 え ら れ る 。

管 見 な が ら 、こ れ ら の 議 論 を 反 映 し た 初 年 次 教 育 は 報 告 さ れ て い な い こ と か ら 、本 研 究 で は 、 大 学 の 理 念 や 教 育 目 標 を 実 現 す る 具 体 的 な 教 育 方 法 と し て「 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト 」と「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」と い う 2 つ の 課 題 探 究 型 の 実 践 を 開 発 し 、そ の 概 要 や 成 果 を 報 告 す る こ と を 目 的 と す る1 )

2 . 研 究 1 2-1 目 的

人 間 的 な 成 長 を 目 標 と し た 課 題 探 究 型 初 年 次 教 育 の 一 環 と し て 、「 人 生 で 大 切 に し た い 価 値 」 に 基 づ く ア ク シ ョ ン を 起 こ す 「 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト 」 を 開 発 し 、 そ の 概 要 を 報 告 す る 。

2-2 方 法 2-2-1 参 加 者

桃 山 学 院 教 育 大 学 教 育 学 部 健 康 ・ ス ポ ー ツ 教 育 コ ー ス の 1 年 次 生 で 、「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 1 」 な ら び に 「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 2 」 の 受 講 生 75名 ( 男 子 41名 、 女 子 34名 ) で あ っ た 。 2-2-2 手 続 き

2018年 7 月 18日( 水 )に 開 講 さ れ た 「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 1 」 の 授 業 に お い て 、「 夏 期 休 暇 の 課 題 」と し て 、ワ ー ク シ ー ト を 配 布 し 概 要 説 明 を 行 っ た 。課 題 内 容 は「“ 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト ” を プ ラ ン ニ ン グ し て 『 自 分 を 磨 く 』 」 と し 、( 1 ) 翌 週 の 授 業 内 で プ ラ ン 発 表 ( 一 ク ラ ス 約 20名 全 員 に 向 け た 宣 言 ) 、( 2 ) 夏 期 休 暇 中 に 実 行 ( 「 渾 身 の 1 枚 」 と 称 し た 写 真 も 撮 影 ) 、( 3 ) レ ポ ー ト 作 成 、( 4 ) 後 期 授 業 で ス ラ イ ド を 用 い て 、 プ ロ ジ ェ ク ト の 成 果 発 表 を 行 う 、 と い う 一 連 の ス ケ ジ ュ ー ル を 提 示 し た 。 次 い で 、 受 講 生 は 、 ACT の ワ ー ク ブ ッ ク

( Ciarrochi, Hayes, & Bailey, 2012 武 藤 監 修 , 2016) か ら 引 用 し た 価 値 の リ ス ト2 )に 、

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「 0 : 全 く 重 要 で は な い 」〜「 10: 最 高 に 重 要 」と し て そ れ ぞ れ 評 定 を 行 っ た 後 、自 分 が 重 視 し た い 価 値 を 選 び 、そ の 価 値 を 実 現 す る プ ロ ジ ェ ク ト の プ ラ ン ニ ン グ を 行 な っ た 。プ ラ ン ニ ン グ に あ た っ て は 、 例 を 示 し な が ら 、 「 法 に は 触 れ な い こ と 。 自 分 や 他 者 の 命 を 侵 害 す る こ と 、 危 険 な こ と は し な い 」 と 「 『 今 や っ て い る こ と 』 を 含 め な い 」 を 注 意 事 項 と し 、「 実 現 し た い 価 値 」「 そ の 価 値 を 選 ん だ 理 由 」「 そ の 価 値 を 実 現 す る プ ロ ジ ェ ク ト 」「 プ ロ ジ ェ ク ト の 実 施 時 期 ・ 場 所 」「 プ ロ ジ ェ ク ト を 阻 害 す る 要 因 と そ の 解 決 策 」を 記 入 す る よ う 教 示 し た 。プ ラ ニ ン グ を 終 え た 受 講 生 は 、授 業 担 当 者( チ ュ ー タ ー )に よ る チ ェ ッ ク を 受 け 、必 要 に 応 じ て 修 正 し た 。な お 、補 足 資 料 と し て 、大 学 が 斡 旋 し て い る ボ ラ ン テ ィ ア 情 報 、心 理 学 系 講 座 の 案 内 も 同 時 に 提 示 し 、 プ ラ ン ニ ン グ の 参 考 に す る よ う 教 示 し た 。

夏 季 休 暇 中 の プ ロ ジ ェ ク ト 実 施 を 経 て 、 同 年 10月 10日 、 18日 の 「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 2 」 に お い て 、パ ワ ー ポ イ ン ト 等 で 作 成 し た プ レ ゼ ン 資 料 に 基 づ き 、プ ロ ジ ェ ク ト の 成 果 報 告 が 実 施 さ れ た 。 な お 、 成 果 報 告 の 際 に は 、「 声 量 」「 ス ピ ー ド 」「 要 点 」「 熱 意 」 の 観 点 か ら ル ー ブ リ ッ ク 評 価 を 実 施 し 、ク ラ ス 内 の 全 て の 学 生 が 、互 い の 発 表 に 対 す る 評 価 を 行 な っ た 。学 生 に よ る 相 互 評 価 の ほ か 、授 業 担 当 者 の 評 価 結 果 等 を 総 合 的 に 勘 案 し 、各 ク ラ ス よ り 代 表 発 表 者 を 数 名 選 定 し 、10月 25日 の 同 授 業 内 で 、健 康 ・ ス ポ ー ツ 教 育 コ ー ス の 全 学 生( 合 同 開 講 )の 前 で 、 代 表 発 表 者 に よ る 発 表 と 、 担 当 教 員 に よ る 講 評 を 行 な っ た 。

2-3 結 果 と 考 察

以 下 、代 表 発 表 者 に 選 抜 さ れ た 学 生 8 名 の プ レ ゼ ン テ ー シ ョ ン を 分 析 対 象 と し 、本 プ ロ ジ ェ ク ト を 通 じ た 学 修 成 果 の 概 要 を 論 じ る 。 各 学 生 の プ ロ ジ ェ ク ト 、 学 び や 課 題 の 詳 細 は Table1 を 参 照 さ れ た い 。 ま ず 、 Aは 、 「 自 分 の 向 上 」 や 「 知 識 の 向 上 と 生 き 方 を 変 え る 」 と い う 価 値 を 、Bは「 人 と の 関 わ り を 大 事 に す る 」と「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 高 め る 」と い う 価 値 を 実 現 す る た め 、 い ず れ も 、 母 校 で の バ ス ケ ッ ト ボ ー ル 部 の 指 導 を プ ロ ジ ェ ク ト に 据 え ( Aは リ ー ダ ー シ ッ プ 論 に 関 す る 読 書 も 実 施 )、指 導 場 面 で の 難 し さ や ポ イ ン ト を 学 ん で い た 。Aは 、「 ス ポ ー ツ だ け や っ て い る の で は 駄 目 」で 、選 手 も 指 導 者 も「 人 間 性 」を 高 め る こ と が 重 要 で あ る こ と を 学 ん で お り 、 Bも ま た 、 プ レ ー 実 績 の あ る 顧 問 か ら か つ て 指 導 を 受 け て い た 際 に 、 挨 拶 や 清 掃 等 の 生 活 面 を 徹 底 さ れ て い た こ と に 言 及 し 、そ う し た 顧 問 の 指 導 を 学 ぶ た め に も 、積 極 的 に 母 校 で の 部 活 動 指 導 に 関 与 し た い 旨 を 発 表 し て い た 。 さ ら に Bは 、 昨 今 の 中 高 生 像 を 踏 ま え た 上 で 、 指 導 者 が 意 見 を 押 し 付 け る の で は な く 、 自 分 た ち で 考 え さ せ る 指 導 を で き る よ う 、 自 分 自 身 が 、 周 囲 の 人 を 大 切 に し 、 心 の 広 い 人 間 に な る こ と を 今 後 の 課 題 と 感 じ て い た 。

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Table 1 「 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト 」 代 表 発 表 者 の 成 果 報 告 概 要

学 校 教 育 領 域 と い う 点 で は 、 Gも 「 積 極 的 で あ る こ と 」 と い う 価 値 を 実 現 す る た め 、 母 校 の 中 学 校 で 、体 育 大 会 の 準 備 や 当 日 補 助 の プ ロ ジ ェ ク ト を 実 行 し た 。教 職 の 大 変 さ を 身 近 で 痛 感 す る と と も に 、何 気 な い 雑 談 を 通 じ て 教 員 が 生 徒 と 信 頼 関 係 を 構 築 し て い る こ と や 、生 徒 を 大

対象 価値

概要 感じたこと・学んだこと 今後の課題

A ①自分の向上 ・バスケを 解し 自分を向上

<8/11>

・高校(母校)に 行きクラブ指導の あり方を勉強する

①バスケの奥深さ

②指導するときのポイント

③「人間性」の重要性

①バスケを深く知る

②バスケのレベルアップ

②知識の向上と き方 を変える

・本を読み、リー ダーとしての考え を身につけたい

<8〜9月>

・プロ野 指導者 の著書を2冊読む

①勝つためには何が必要か

②リーダーとして何が必要か(野 だけで は駄目で、「人間性」が重要)

・人間性の向上(挨拶等から)

B ①コミュニケーション 能力を高める

②人との関わりを大事 にする

<8/24>

・高校(母校)で バスケットボール 部の練習指導

①他人に自分の思考や感情を伝える難しさ

②選手に分かりやすいように技術説明や戦 術等を言葉で伝える難しさ

③色んな考えを持った

徒が複数いる中、

集団としての目的やきまりを作る

④ただ指導をするだけではなく、選手の体 調やメンタル面にも気を配る

①人と関わる時間を大事にする

②母校に行ける日があれば積極的に 指導に行く(自分の指導+顧問から 学ぶ)

③周りの人を大切にし、心の広い人 間になる(意見を押し付けるのでは なく、自分たちで考えさせる)

C ①親切である

②コミュニケーション が上手

・来日韓国人の助 けになりたい

<8〜9月>

・韓国語の勉強

・渡韓

・帰国後、他者に 教えられる韓国語 を勉強

①日本で見たことのあるものが多い

②道路の風景がちょっと違う

③オシャレな場所が多い

④観光客慣れしてる

⑤みんな優しい(空港等での日本語での対 応/街中で声をかけてくれる)

①初の海外で、旅行中話しかけても らって安心できたので、今度は自分 が不安を軽減できるようになりたい

②助けになりたいという気持ちが大

③英語力を鍛える D ①行動力があること

②人助けをする

・台風などによる 被害で困っている 人が多い

・実際の 場の雰 囲気などを体験す

・やり遂げられな い自分がいるから

<8/13〜15>

・広島県呉市天応 地区

・土の運搬、支援 資の整

①テレビで見る災害

場と実際に行って自 分の目で見た災害

場は全く違った

②災害

場には多くのボランティア参加者 がいて人助けのために多くの人が集まって いるのに驚いた

③全く知らない人達とチームで活動したの で、周りへの声掛けなどコミュニケーショ ンを取る力が大切だと知った

①事前の準備が

かった("もしも"

を考える)

②自分一人で何かを成し遂げるとい う経験をして、達成感を強く感じる ことができた。今後は、様々な活動 に積極的に参加できるようにして、

多くの経験を得ていきたい

E ・平和教育について学

①平和について学 びたい

②昔の人々の暮ら しについて学びた

<9/12〜14>

・長崎(平和公 園・原爆落下中心 地・山

神社・ 足鳥居等)、軍艦

<平和>

①言葉の大切さ:命を簡単に捨ててしまっ たり、軽々しく人を傷つけるような言葉を 発してはいけないと改めて学んだ

②命の大切さ:あの時代に

きたくても きれなかった人のためのも命を粗末にして はいけないと感じた

<軍艦島>

軍艦島での炭鉱作業(蒸し暑い中穴にも ぐって石炭を掘る)で命を落とす人もいた らしい。私は将来就いた仕事に責任を持ち たいと感じた

①中学校の修学旅行では平和につい て学ぶ事が多い。社会科の先

だけ でなく、体育の先

も平和について 知っておくべきである

②戦争の悲惨さを学び、後世に伝え ていくことは私たちの責務である

F ①社会を客観的に見る

②自然に触れる

・ネット社会に なっているので、

今の自分や社会を 見つめ直し初心に 戻る

<8/11~19>

・山口県萩市で自 然(萩マリーナ、

萩明神

)に触れ

①日本には美しい自然がたくさんあり、自 然を一人で感じることによって、目まぐる しい毎日や心をリセットできることを知っ

②穏やかな心を持つことができることも 知ったし、

舎の人の優しさ、器の大きさ も感じることができた

③都会に移住してから、当初驚いていたこ とが「当たり前」になっている自分に気づ いた

①SNSを遮断すると言ったが、日頃た くさんSNSを使

するため、気になっ て仕方がなかったので、次回は圏外

(制的にSNSを遮断できる 境)で行 いたい

②都会の「当たり前」は地方の「当 たり前」ではない。様々なことに感 謝できる人間になりたい

G ・積極的であること ・教職への第一歩

(実際に中学校に 行き、教育

場を 体験)

<9/11〜28の計6 日間>

・中学校(母校)

での体育大会補助 役員(にがりま き、係合同練習、

体育大会の手伝 い)

①先

徒とのコミュニケーション:雑 談等を通じて信頼関係を築く

②先

の毎日の仕事の大変さ:早朝から夜 遅くまで、授業準備、会議、部活指導、体 育大会の準備…

徒への思い:

徒のことが大切と思え るから行動ができる

①人とのコミュニケーション(自分 から行動できるように)

②教師としての動き(教師に一歩で も近づけるよう勉強していきたい)

③何事も積極的に!!!(他人から言わ れてからではなく、自分から動き、

気づいたことを他者に伝える)

H ・命の大切さを学ぶ ・捨て や捨て など、

不尽に失 われる命について 知るため

<9/23>

・NPO法人と協力し て、保護

の街頭 募金活動

①仕事として活動している中で参加させて 頂いたので緊張感があり、真剣に取り組む ことができた

②募金はお金をせびるのではなくあくま で、協力してもらうことが目的だと再認識 できたこと

③真摯に取り組めば興味がない人も立ち止 まってくれることに気付けた

①継続して参加する

②声が小さいとの指摘をいただいた ので、日常

活でもハッキリと話せ るよう努めていく

③寿命を全うして欲しいので、保護 が減るよう微力ながら協力する

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切 に 思 う 心 情 に 触 れ 、教 員 像 が よ り 具 体 化 さ れ た 様 子 が 伝 わ っ た 。こ う し た 学 び か ら 、教 職 に 必 要 な 知 識 や 技 能 の 習 得 に 対 す る 意 欲 が 向 上 す る と と も に 、自 分 か ら 積 極 的 に 動 き 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン を 高 め て い く 必 要 性 を 感 じ て い た 。

学 生 に と っ て 身 近 な 学 校 の 枠 を 超 え 、国 内 外 へ と プ ロ ジ ェ ク ト の 場 を 広 げ た 者 も い た 。Cは 、 外 国 人 か ら 道 を 尋 ね ら れ る こ と が よ く あ る と い う 経 験 か ら 、「 親 切 で あ る 」「 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン が 上 手 」と い う 価 値 の 実 現 の た め 、韓 国 語 を 学 ん で 実 際 に 訪 韓 す る と と も に 、日 本 人 に 知 っ て お い て ほ し い 韓 国 語 を 整 理 す る 、と い う プ ロ ジ ェ ク ト を 考 案 し た 。韓 国 で の 旅 の 道 中 、日 本 語 で の 対 応 や 、街 中 で 声 を か け て も ら う 、と い う 体 験 か ら 、現 地 の 方 の 優 し さ や 、話 し か け て も ら え る こ と の 安 心 感 を 経 験 し 、自 身 も 、語 学 を 勉 強 し 、他 者 の 助 け に な り た い 、と い う 気 持 ち を 強 く し て い た 。一 方 、Eは 、「 平 和 教 育 に つ い て 学 ぶ 」と い う 価 値 の も と 、被 爆 地 で あ る 長 崎 市 や 軍 艦 島 を 訪 問 し た 。プ ロ ジ ェ ク ト を 通 じ て 、生 き た く て も 生 き る こ と の で き な か っ た 人 の 存 在 を 知 り 、命 を 粗 末 に し て は い け な い こ と 、他 者 を 傷 つ け る よ う な 言 葉 を 軽 々 し く 発 し て は い け な い こ と な ど 、命 や こ と ば の 大 切 さ を 学 ぶ と と も に 、将 来 、就 職 し た 際 に は 、自 ら の 仕 事 に 責 任 を も ち た い と 考 え る に 至 っ た 。ま た 、社 会 科 教 員 だ け で は な く 、体 育 教 員 も 平 和 に つ い て 理 解 を 深 め る と と も に 、 戦 争 の 悲 惨 さ を 後 世 に 伝 え て い く こ と の 重 要 性 を 感 じ て い た 。

Cと Eは 、 初 め て 訪 問 す る 場 所 で 様 々 な 学 び を 得 て い た が 、 Fは 、 こ れ ま で 慣 れ 親 し ん だ 土 地 に SNSを 遮 断 し て 戻 る こ と で 、 改 め て 自 分 や 社 会 を 見 つ め 直 し 初 心 に 戻 る 、 と い う プ ロ ジ ェ ク ト を 考 案 し て い た 。 Fは 、 美 し い 自 然 の 存 在 を 再 確 認 し 、 そ の 中 で 自 ら の 心 を リ セ ッ ト す る と い う 体 験 を す る と と も に 、地 方 在 住 の 方 の 優 し さ に 触 れ た り 、都 会 に 移 住 し た て の 頃 の 新 鮮 さ を 失 っ て い る 自 分 に 気 づ い た り し て い た 。こ れ ら の 体 験 を 通 じ て 、現 代 社 会 に 存 在 す る 様 々 な 便 利 な 情 報 機 器 や 交 通 網 な ど 、「 当 た り 前 」に な っ て い る 事 柄 に つ い て 、感 謝 の 気 持 ち を 忘 れ な い 人 間 に な り た い 、 と い う 想 い を 強 く し て い た 。

Dと Hは 、 他 者 と 協 力 し て 行 う 社 会 貢 献 活 動 に 関 す る プ ロ ジ ェ ク ト を 実 行 し た 。 Dは 、 台 風 等 の 被 災 者 が 多 い 現 状 や 、こ れ ま で 何 か を や る と 決 め て も 最 後 ま で や り 遂 げ ら れ な い 自 分 が い る こ と を 理 由 に 、「 人 助 け を す る 」「 行 動 力 が あ る こ と 」 と い う 価 値 を 実 現 す る た め に 、 広 島 の 被 災 地 で 、3 日 間 の ボ ラ ン テ ィ ア 活 動 を 行 っ た 。テ レ ビ で 観 る の と は 違 う 実 際 の 災 害 現 場 を 目 の 当 た り に し た だ け で は な く 、そ こ で 多 く の ボ ラ ン テ ィ ア が 参 加 し て い る こ と に 驚 き を 感 じ る と と も に 、初 対 面 の 人 同 士 が チ ー ム で 活 動 す る に あ た っ て 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 が 大 切 で あ る こ と を 実 感 し た 様 子 だ っ た 。事 前 準 備 の 甘 さ を 教 訓 と し な が ら も 、一 人 で 何 か を 成 し 遂 げ る 体 験 を 通 じ て 達 成 感 を 得 る と と も に 、今 後 も 様 々 な 活 動 に 積 極 的 に 参 与 し て い き た い 、と い

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う 意 欲 が 高 ま っ た よ う だ っ た 。ま た 、学 生 Hは 、NPO法 人 と 協 力 し て 、保 護 犬 の 街 頭 募 金 活 動 を 実 施 し た 。 NPO活 動 の 一 環 で あ る こ と か ら 、 一 定 の 緊 張 感 の も と 真 剣 に 活 動 を 行 い 、 真 剣 に 取 り 組 め ば 、一 見 興 味 の な さ そ う な 人 で も 立 ち 止 ま っ て く れ る こ と や 、募 金 は お 金 を た だ 集 め る の で は な く 、 市 井 の 人 々 か ら 協 力 を 得 る こ と が 目 的 で あ る こ と を 再 認 識 し た と の こ と だ っ た 。 こ れ ら の 体 験 を 通 じ て 、日 常 生 活 で も ハ キ ハ キ と 話 せ る よ う 努 力 す る と と も に 、人 間 の 勝 手 な 都 合 で 殺 処 分 さ れ る 保 護 犬 が 減 る よ う 、 協 力 し た い 、 と い う 気 持 ち を 強 め て い た 。

3 . 研 究 2 3-1 目 的

人 間 的 な 成 長 を 目 標 と し た 課 題 探 究 型 初 年 次 教 育 の 一 環 と し て 、文 献 発 表 を 通 じ て 健 康 問 題 へ の 意 識 を 深 め る 教 育 実 践 ( 「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」 ) を 開 発 し 、 そ の 概 要 を 報 告 す る 。

3-2 方 法 3-2-1 参 加 者

桃 山 学 院 教 育 大 学 教 育 学 部 健 康 ・ ス ポ ー ツ 教 育 コ ー ス に 所 属 す る 1 年 次 生 で 、「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 2 」 の 受 講 生 74名 ( 男 子 40名 、 女 子 34名 ) で あ っ た 。

3-2-2 手 続 き

2018年 10月 31日( 水 )に 開 講 さ れ た 「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 2 」 に お い て 、「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」の 冊 子 を 配 布 し 、当 該 プ ロ ジ ェ ク ト の 概 要 を 説 明 し た 。具 体 的 に は 、ま ず 、前 期

「 子 ど も 教 育 学 基 礎 演 習 1」 で 実 施 し た 見 学 実 習 や 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト の 学 修 内 容 や 、 健 康 ・ ス ポ ー ツ 教 育 コ ー ス の 人 材 育 成 像 等 を 紹 介 し 、 健 康 問 題 ( =ど の よ う な ニ ー ズ が あ る か ) を 把 握 し 、 改 善 に 効 果 的 な ア プ ロ ー チ ( =具 体 的 な 介 入 方 法 ) や 職 業 に つ い て 理 解 を 深 め 、 自 身 の キ ャ リ ア を 見 つ め る き っ か け と し て 、本 プ ロ ジ ェ ク ト を 実 施 す る 旨 を 伝 え た 。次 い で 、ス ケ ジ ュ ー ル ( 健 康 増 進 法 と し て の ヨ ー ガ の 体 験 学 習 、 文 献 発 表 の 日 程 ) を 確 認 し た 。

ま た 、当 該 プ ロ ジ ェ ク ト は 、健 康 課 題 に つ い て 理 解 を 深 め る 指 定 文 献 と 、グ ル ー プ で 自 発 的 に 調 べ た 文 献 を 、3 名 程 度 で 構 成 さ れ る 小 グ ル ー プ で ま と め 、プ レ ゼ ン す る こ と が 主 た る 活 動 で あ る こ と を 伝 え た 。 プ レ ゼ ン は 、 21分 の 文 献 発 表 と 4 分 の デ ィ ス カ ッ シ ョ ン か ら 構 成 さ れ 、 プ レ ゼ ン で 使 用 す る ス ラ イ ド の 最 終 ペ ー ジ に は 、文 献 を 調 べ た り ま と め た り し て 、「 自 分 た ち が 考 え た こ と( あ る い は 、み ん な に 考 え て ほ し い こ と )」を ま と め る よ う 指 示 し た 。Table 2 に 示 す 各 領 域 の テ ー マ3 )に つ い て 順 を 追 っ て 概 要 を 説 明 し た 後 、文 献 検 索 の 方 法 と し て 、「 Go

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Table 2 「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」 の テ ー マ と 指 定 文 献 一 覧

ogle Scholar、 CiNii、 Science Direct、 図 書 館 等 」 の 検 索 エ ン ジ ン を 紹 介 す る と と と も に 、 受 講 生 の ス マ ー ト フ ォ ン 上 で 、Google Scholarを 用 い て 文 献 検 索 の 実 演 を 行 な っ た 。残 り の 時 間 は 各 ク ラ ス に わ か れ て グ ル ー プ 構 成 を 行 い 、 授 業 を 終 え た 。

各 グ ル ー プ に よ る プ レ ゼ ン は 、11月 14、21、28日 の 3 週 に わ た っ て 行 わ れ た 。プ レ ゼ ン の 評 価 は 、科 目 担 当 教 員 ( ク ラ ス チ ュ ー タ ー ) の み 行 い 成 績 に 反 映 し た 。11月 28日 に は 、「 ① 本 授 業 で 学 ん だ 日 本 の 健 康 課 題 の 現 状 を 簡 潔 に ま と め 、② そ れ ら に 対 し て 、あ な た 自 身 の キ ャ リ ア

( 職 業 )の 中 で 、ど の よ う に 向 き 合 っ て い き た い か 、論 述 し て く だ さ い 」と い う テ ー マ で 、プ ロ ジ ェ ク ト の 総 括 レ ポ ー ト を 作 成 す る 時 間 を 設 け た 。授 業 時 間 内 で 書 き 終 え ら れ な か っ た 場 合 は 、 授 業 時 間 外 に 記 入 し 提 出 す る よ う 指 示 し た 。

3-3 結 果 と 考 察

以 下 、総 括 レ ポ ー ト の 内 容 を 基 に 、プ ロ ジ ェ ク ト を 通 じ た 学 び の 概 要 を 報 告 す る 。な お 、結 果 の 記 述 に あ た っ て 、「 当 該 プ ロ ジ ェ ク ト で 学 ん だ 内 容 」は 多 岐 に わ た る た め 、特 に 、「 各 自 の キ ャ リ ア の 中 で 健 康 課 題 と ど の よ う に 向 き 合 い た い か 」に 関 す る レ ポ ー ト の 内 容 に 焦 点 を あ て た 。得 ら れ た 72の レ ポ ー ト を 、各 自 が 思 い 描 く キ ャ リ ア を 基 準 に 分 類 し た と こ ろ 、中 高 保 健 体 育 教 諭 と 養 護 教 諭 の「 学 校 教 員( 28名 / 38.9%)」、ト レ ー ナ ー や イ ン ス ト ラ ク タ ー の「 ス ポ ー ツ 職 ( 4 名 / 5.5%) 」 、「 公 務 員 ( 1 名 / 1.4%) 」 の カ テ ゴ リ ー が 得 ら れ た 。 ま た 、 複 数 の 進 路 で 悩 ん で い る 様 子 や 、具 体 的 な 職 業 で は な く 就 労 全 般 に 関 す る 記 述 を 行 な っ て い る も の は

「 模 索 中( 18名 / 25%)」、就 労 と の 関 連 が 読 み 取 れ ず 、自 己 や 他 者 、あ る い は 世 間 一 般 の 健 康

領域 テーマ 指定文

代人と健康 A.身体の健康の危機

口 貞善 (2012). 健康・運動の科学 講談社

 ( 活習慣

,健康寿命等)

労働統計協会 (編) (2015). 図説 国民衛

の動向 厚

労働統計協会

B.心の健康の危機 久富 義之・佐藤 博 (2012). 新採教師の死が遺したもの 高文研

 (メンタルヘルス,自殺等)

労働統計協会 (編) (2015). 図説 国民衛

の動向 厚

労働統計協会

C.健康と社会(健康格差) マイケル・マーモット (2017). 健康格差: 不平等な世

への挑戦 日本評論社

NHKスペシャル取材

(2017). 健康格差: あなたの寿命は社会が

める 講談社

健康増進への介入 D.食事 ティム・スペクター (2017). ダイエットの科学:

      「これを食べれば健康になる」のウソを暴く 白揚社 E.運動 岡野 五郎 (2015). 体を動かすと心が変わる ストーク

F.

労回復

(2018). スタンフォード式 

れない体 サンマーク出

健康の維持・増進とその職業 G.健康に関する仕事 川上 清市 (2017). 図解入門業 研究

最新健康ビジネスの動向とカラクリがよ〜くわかる本 秀風システム H.スポーツに関する仕事 湯浅 真弥 (2017). 図解入門業

研究

最新スポーツビジネスの動向がよ〜くわかる本 秀風システム

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Table 3 「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」 レ ポ ー ト の カ テ ゴ リ ー 化 と 記 述 例

課 題 に つ い て 言 及 し て い る も の は「 就 労 へ の 言 及 な し( 19名 / 26.4%)」と し 、健 康 課 題 等 の 本 質 的 な テ ー マ へ の 言 及 が な い 場 合 は「 そ の 他( 2 名 / 2.8%)」の カ テ ゴ リ ー を 得 た( Table 3 )。

カテゴリー

から得られたレポートの記述 学校教員(38.9%)

)年々増加傾向にある「 活習慣

」のことや、職業や出

・所得などから

まれ、寿命にまで関わる「健康格差」の問 題、また社会の複雑化による様々なストレスが原因となる「うつ

」などの精神的問題について知った。今まであまり気にかけ ていなかったこれらの問題について初めて知ることも多かった。また「スポーツ」と言うのはこれら全てのものに対して、予防 効果や改善効果がある。それだけではなく、スポーツをすることによる経済効果というのはかなり大きいと言う事を知った。私 が将来体育教師になった際には、これらの健康課題に対して、

涯スポーツを続けていくことを教えたいと思う。(

)たとえ 若い間は無

でも、年を重ねていく上で、このことを思い出し「スポーツを予防のためにそろそろしようかな」と思ってもらい たい。なので、できるだけ多くのスポーツを授業で取り入れ、その時に始めるスポーツの選択を増やしていければ良いと思う。

また自分の問題としては、うつ

など精神

患による休職

が高い「教師」と言う職業につくつもりなので、そのようにならな いための対策や、

気にかかるまでの原因などを知りたいと思った。せっかく夢が叶っても

気などで休職したくないので、健 康について今までより考えていくことが今後の課題としていくべきことだと思った。

)社会的に健康であることについてはキーワードとして「健康格差」があるが(

)、

に子どもの貧困については「見え ない貧困」と言われており実態が把握しきれていない。また教員を目指すものとして、子どもの貧困については

に詳しく しておく必要があり、子どもの接し方、保護者対応など各家庭

境に配慮する必要があると考える。(

)低所得者に対する支 援、障害がある人の雇

形態や待遇の改善などを国が

先して行うと同時に、人と人との繋がりを大切にすることで、地域の体 育大会などに参加したり、精神的にも安定してくるのではないかと思う。今できることとしては、ボランティアに参加するなど だが、将来的には自ら地域ぐるみの何か健康に繋がるようなイベントを提供、企

できるような人になりたいと思う。

)ストレス社会、不健康社会にある今、健康について学んでいる私たちが先頭に立って、健康社会を作らなければならない と思った。そのためにもこの授業のように健康について深く考える機会を作り、健康づくりに興味を持ってもらうことが大切で ある。私は今日の授業で「こころの健康」について発表をしたが、学んでいるうちに心が

くなってしまった。耐えられない重 圧から逃れる方法が「自殺」とならないように、養護教諭として、

徒だけではなく教師たちのカウンセリングを行いたいと思 う。養護教諭になろうと今多くのことを学んでいるが、カウンセリングについてはまだ学べていないので

学でも学んでいきた いと考えている。身体の健康ばかりを大切にしている日本であるが、根本的にこころが健康でなければ意味がないということを 今の日本に広めていきたいし、こころに苦しみを抱えている人たちの支えになりたいと思っている。

スポーツ職(5.5%) 健康についてあまり最近考えていなかったけれど、肥満の話だったり、いろいろな人の発表を聞いているとしっかりと考えない といけないと思いました。(

)ビジネスとしてスポーツを活かしていくために、スポーツをもっと多様化していき、スポーツ 企業を増やしていきたいと思った。(

)国民のニーズを考えて起業している人たちはすごいと思った。スポーツビジネスにつ いて学んだけれど、自分は将来スポーツに関わっていく人間としてこれまでに学んだことを活かして就職に使っていきたいと思 いました。

公務員(1.4%) 日本の健康課題の は、(

)まだまだみんなの意識が足りないと思うし、もっと健康課題への取り組みを強化するべきだと 思う。健康な体は自分で作っていくものだと考える。(

)将来、

在よりもっと高齢化は進んでいると思うので、今のうちか ら健康問題への意識を強めて、(

)若いうちに体を動かして、高齢になる前に鍛えるのがよいと思う。(

)警察官は一日中 働き、自分の時間がなく、ゆっくり寝ることもできないので、体を壊さないように食

活には気を使っていきたい。

模索中(25%) 今回の「健康課題について考える」を学んで、今後の職業や、

きていく中にも活かしていきたいと思いました。(

)調べた ことを発表するだけではなく、初めにヨーガの体験をできたのがさらに良かったと思う。(

)新たな

論などが次々と れる と思うので、常に学び続けたいと思う。教師になった時には、今回学んだことを伝えられるようにし、自分自身が見本となれる ようにする。また、教師以外のインストラクターなどになったときも同じく見本となれるようになろうと思った。だが、もし教 師にならずに健康のための職業につくとしたら、今ある仕事ではなく新しいものを作って、それを広めていきたいと思った。そ のためには、常に学び続け、そして時代の流行なども知っておかないといけないので、とても難しいことだとは思う。(

)健 康に関わりのない職についたとしても、健康であるための関心を持ち、おじいちゃんになっても元気でいたいと思った。

)他人事じゃなく自分のことのように考えることができた。身体的・精神的・社会的に健康でないといけない。私は今まで 試合に勝つためがむしゃらにスポーツをしていたが、健康のためにスポーツをする人もいる。だが、大人になりスポーツをする 時間がない人がいる。(

在、精神

患を患う人が増えてきている。うつ

などにならないためにリフレッシュする時間を 作ったり、ストレスを発散しないといけないと思った。私が職に就いたら、相手とのコミュニケーションをしっかりとり、変化 に気づき助けられるように成長していきたい。

就労への 言及なし

(26.4%)

)健康というのは、

きているうえで、人間の永遠の課題だと思います。(

)時間がない社会人がどうしたらスポーツや 運動ができるのかということが、日々、協議されていることも知り、そういったこともしてみたいなと思いました。(

)ただ 温泉に入るだけでも健康に良いし、精神的にもすごく良いので、私も定期的に温泉に行きたいなと思いました。今まで、スポー ツのことしか目が行っていなかったけど、今回の授業のおかげで、健康の分野にも目を向けることができるようになったので、

日頃の

活から意識していきたいです。

)座り続けることにより骨盤などの色々な骨が左右非対称になっていき

労がたまりやすくなっていくこと、(

)運動を する時間も取れず(

)太りやすくそこから

気になっていく人もいることを知った。(

)だから、これからは働き続けた り、勉強し続けないで、30分に1回は立ったり、昼休みには軽い運動をしたり、休みの日には少しでも体を動かしたりと

労を ためないことが一

大切だと分かった。色々な人に効果的に仕事、勉強をするためには適度な運動をすることが大切だというこ とを伝えていけたらいいと思った。

日本の健康課題の

は、運動を週に1回以上でも取り組んでいる人が少ないということである。(

)私は、この 況ではい けないと考えるので、世間の人が楽しめて、運動を少しずつ頑張ってみようと志す人が増えるような運動を考えることから始め ようと思う。運動をしない人の原因は何なのか考えて把握して、簡単な動作から行ってもらうと、無

なダイエットをすること もなくうつ

や肥満の減少にもつながり、やがて健康な人が増えるだろうと考える。

その他(2.8%)

)ニーズ(困りごと)を把握しエビデンス(効果が認められている)に基づく介入を行うことは、対人援助の基本とされて いる。その中で自分自身のキャリア(職業)について考えると、大学4年間の中で教育とは一体何なのかを学ぶ必要があると感 じた。(

)自分はこの大学

活で人間力を上げると言う意味でも相手とのコミュニケーション能力を向上させていかないとい けない。

註:下線部は筆者による。また、誤字脱字等を含め、文意を損ねない範囲で適宜修正している。

(10)

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以 降 の 結 果 の 記 述 に お い て は 、本 研 究 の 探 索 的 性 質 を 考 慮 し 、各 レ ポ ー ト に 含 ま れ る 主 題 の 意 味 内 容 を 判 断 の 基 準 と し な が ら 、 学 修 成 果 の 多 様 な 側 面 を 抽 出 し た 。

( 1 ) 学 校 教 員

将 来 、体 育 教 員 を 志 望 す る 学 生 か ら 、自 身 や 子 ど も の 健 康 改 善 に 取 り 組 み た い 、と す る 旨 の 論 述 が 得 ら れ た 。例 え ば 、自 分 自 身 の 健 康 に つ い て 、「 自 分 が ま ず 健 康 で な い と 生 徒 に 健 康 に つ い て 教 え る こ と は で き な い し 、 生 徒 が 表 に 出 せ な い SOSの サ イ ン も 見 逃 し て し ま う 」 と い う 記 述 の ほ か 、精 神 疾 患 で 休 職 ・ 退 職 す る 教 員 の 存 在 に 触 れ 、運 動 や 生 活 改 善 の サ ー ビ ス を 通 じ て 健 康 的 な 生 活 を 維 持 し 、悩 み を 打 ち 明 け ら れ る 相 手 を 探 し た い と い う 記 述 も 得 ら れ た 。ま た 、 子 ど も の 健 康 に つ い て 、「 運 動 を 教 え る だ け で は な く 、運 動 を 好 き に な っ て ず っ と 続 け て 欲 し い 」 や 、「 健 康 格 差 の 事 実 に つ い て 伝 達 し 、 子 ど も の 健 康 意 識 を 高 め る 」 、「 保 健 を 通 じ て 食 事 、運 動 、健 康 に つ い て 発 信 す る 」と い っ た 記 述 も 得 ら れ た 。あ る 学 生 は 、も し 教 師 と は 違 う 職 に 就 い て も 、「 大 学 で 学 ん だ 知 識 を 基 に 、職 場 で の 呼 び 掛 け を 積 極 的 に 行 お う と 思 う 。( 略 ) そ の た め に 、今 回 の 授 業 だ け に 止 ま ら ず 、 運 動 と 健 康 に つ い て 、( 略 ) 特 に 、 疲 労 回 復 の 事 柄 に つ い て た く さ ん の こ と を 学 べ た ら と 考 え て い る 」 と 、 更 な る 学 び へ の 意 欲 を 高 め て い た 。

ま た 、子 ど も の 貧 困 に つ い て 理 解 し 、保 護 者 対 応 等 に 活 か す だ け で な く 、「 今 で き る こ と と し て は 、ボ ラ ン テ ィ ア に 参 加 す る な ど だ が 、将 来 的 に は 自 ら 地 域 ぐ る み の 何 か 健 康 に 繋 が る よ う な イ ベ ン ト を 提 供 、企 画 で き る よ う な 人 に な り た い 」と 、社 会 貢 献 へ の 意 識 を 高 め た 学 生 も い た 。同 様 に 、教 職 の 責 任 は 重 く 、精 神 的 に も 肉 体 的 に も 不 健 康 に な り や す い に も か か わ ら ず 、 労 働 条 件 等 が 改 善 さ れ な い こ と に 疑 問 を 抱 く な ど 、 社 会 制 度 へ の 関 心 を 高 め た 者 も い た 。 ま た 、養 護 教 諭 志 望 者 か ら は 、子 ど も や 教 員 の 心 身 の 健 康 を 守 り た い 、と す る 論 考 が 得 ら れ た 。 例 え ば 、睡 眠 や 食 事 の 授 業 実 践 、「 う つ 病 に な る 前 の 対 策 と し て 、運 動 法 や 呼 吸 法 な ど を し っ か り 勉 強 し 、 伝 え て い き た い 」 や 、 「 保 健 室 に 来 た 子 ど も た ち が 安 ら げ る 環 境 を 作 り た い 」 、

「 耐 え ら れ な い 重 圧 か ら 逃 れ る 方 法 が『 自 殺 』と な ら な い よ う に 、養 護 教 諭 と し て 、生 徒 だ け で は な く 教 師 た ち の カ ウ ン セ リ ン グ を 行 い た い 」 と い っ た 記 述 が 得 ら れ た 。

( 2 ) ス ポ ー ツ 職

イ ン ス ト ラ ク タ ー や ト レ ー ナ ー を は じ め 、ス ポ ー ツ に 関 わ る 職 業 を 志 望 す る 学 生 の 記 述 か ら 得 ら れ た カ テ ゴ リ ー で あ り 、「 ま さ か 低 所 得 の 人 と 高 所 得 の 人 の 死 亡 率 を 比 べ た と き に 、高 所 得 の 人 に 比 べ 低 所 得 の 人 の 死 亡 率 が 約 3 倍 に な っ て い る と は 思 わ な か っ た の で 驚 き ま し た 」と い う 健 康 格 差 や 、 現 代 人 の 食 生 活 に 言 及 し 、 こ れ ら 健 康 問 題 に 対 応 で き る 職 業 人 に な り た い 、 と い う 記 述 が 得 ら れ た 。ま た 、ス ポ ー ツ ビ ジ ネ ス に 触 れ 、「 国 民 の ニ ー ズ を 考 え て 起 業 し て い

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る 人 た ち は す ご い 」と 感 じ る と と も に 、自 身 も ス ポ ー ツ 企 業 を 増 や す こ と に 賛 同 し 、学 修 内 容 を 就 職 に 活 用 し て い き た い 、 と す る 感 想 も 得 ら れ た 。

( 3 ) 公 務 員

警 察 官 を 目 指 す 学 生 よ り 、健 康 な 体 は 自 分 で 作 っ て い く も の で あ り 、高 齢 化 が 進 む 昨 今 、若 い う ち か ら 体 を 鍛 え る こ と の 必 要 性 や 、睡 眠 時 間 等 不 規 則 な 警 察 の 仕 事 に 就 い て か ら は 、体 を 壊 さ な い よ う 食 生 活 に 気 を つ け た い 、 と い う 記 述 が 得 ら れ た 。

( 4 ) 模 索 中

教 職 や 健 康 関 連 の 職 業 等 で 悩 ん で い る も の の 、ど の 仕 事 で あ れ 、休 息 や 運 動 の 時 間 を こ ま め に と る な ど し て 健 康 に 配 慮 し た い 、と す る 記 述 が 得 ら れ た 。ま た 、「 新 た な 理 論 な ど が 次 々 と 現 れ る と 思 う の で 、常 に 学 び 続 け た い( 略 )健 康 の た め の 職 業 に つ く と し た ら 、今 あ る 仕 事 で は な く 新 し い も の を 作 っ て 、そ れ を 広 め て い き た い 」や 、「 よ く 考 え て 自 分 の や り た い 事 と 時 間 が 作 れ る 就 職 先 を 探 し て い き た い と 思 っ た 。こ れ か ら の 人 生 に つ い て 深 く 考 え て い か な け れ ば な ら な い 」と い う よ う に 、学 び 続 け 、生 き 方 を 問 い 続 け る 姿 勢 の 高 ま り が 示 唆 さ れ る 記 述 も 得 ら れ た 。こ の 他 、あ る 学 生 か ら は 、「 私 は 今 ま で 試 合 に 勝 つ た め が む し ゃ ら に ス ポ ー ツ を し て い た が 、健 康 の た め に ス ポ ー ツ を す る 人 も い る 。だ が 、大 人 に な り ス ポ ー ツ を す る 時 間 が な い 人 が い る 」と い う よ う に 、ス ポ ー ツ の 目 的 や 、ス ポ ー ツ を 当 た り 前 の よ う に 続 け て き た 自 分 を 相 対 化 す る 契 機 に な っ た こ と が 伺 え る レ ポ ー ト を 得 た 。

ま た 、 就 業 先 で 出 会 う 他 者 ( 生 徒 、 顧 客 等 )の 心 身 の 健 康 状 態 に 配 慮 し た り 、身 体 的 ・ 心 理 的 ・経 済 的 な 負 担 を お さ え た ス ポ ー ツ や 運 動 、ヨ ー ガ 等 を 企 画 し た り し て 、他 者 の 健 康 増 進 に 寄 与 し よ う と す る 意 識 を 高 め た 者 も い た 。一 方 、教 師 が 心 理 的 問 題 を 抱 え る 場 合 が 少 な く な い こ と を 学 ん だ 学 生 は 、「 そ の 対 処 法 に つ い て も 正 面 か ら 向 き 合 い 、こ こ ろ の 健 康 に 寄 り 添 う こ と が 大 切 で あ る が 、 い ざ そ う い っ た 人 に 出 会 っ た と き ど の よ う に 話 し か け る か な ど 難 し い 問 題 」 と 論 述 し て お り 、 心 理 相 談 の 知 識 と い う 次 の 問 題 意 識 へ の 高 ま り を 伺 わ せ た 。

( 5 ) 就 労 へ の 言 及 な し

具 体 的 な 就 労 に つ い て 言 及 が あ っ た わ け で は な い が 、自 己 や 他 者 の 健 康 へ の 意 識 の 高 ま り を 示 唆 す る 記 述 が 得 ら れ た 。例 え ば 、「 食 事 、運 動 、睡 眠 と い っ た 基 本 的 で 常 識 的 な こ と が 案 外 で き て い な い 」こ と や 、「 自 分 で は 健 康 を 意 識 し て い る つ も り で も 、他 者 の 助 言 で 気 づ く こ と も あ る 」と い っ た 気 づ き か ら 、自 身 の 生 活 改 善 へ の 意 欲 を 高 め た 学 生 が い た 。ま た 、「 健 康 管 理 が 必 要 な の は 高 齢 者 だ け だ と 思 っ て い た が 、若 者 の 健 康 が 企 業 の 競 争 率 の 向 上( 略 )、ス ポ ー ツ ビ ジ ネ ス の 向 上 、高 齢 化 社 会 を 支 え る 人 材 の 向 上 に つ な が る こ と を 改 め て 考 え る こ と が で

(12)

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き る 授 業 で し た 」と い う 記 述 の 通 り 、健 康 課 題 を 我 が 国 の 課 題 と 結 び つ け 、自 身 の 問 題 と し て 捉 え 直 す 学 生 も い た 。

こ う し た 自 己 の 健 康 の み な ら ず 、「 周 り の 人 た ち に も 声 か け を す る こ と が 大 切( 略 )日 本 と い う 国 の 健 康 状 態 が 良 く な る し 、そ の 影 響 に よ り 世 界 も 動 き 出 す と 思 う の で 微 力 で は あ る が 頑 張 っ て い こ う と 思 い ま し た 」や 、「 こ の 状 況 で は い け な い と 考 え る の で 、世 間 の 人 が 楽 し め て 、 運 動 を 少 し ず つ 頑 張 っ て み よ う 、と 志 す 人 が 増 え る よ う な 運 動 を 考 え る こ と か ら 始 め よ う と 思 う 」、「 運 動 の 楽 し さ を 通 じ て 、運 動 不 足 に な ら な い よ う 伝 え て い き た い 」な ど 、他 者 や 社 会 、 世 界 の 健 康 に 問 題 意 識 を 広 げ た 学 生 も い た 。

( 6 ) そ の 他

こ の カ テ ゴ リ ー は 、パ ワ ー ポ イ ン ト を 使 っ た 発 表 が わ か り や す く 勉 強 に な っ た 、と い う 感 想 や 、対 人 援 助 職 を 希 望 す る 者 と し て 、教 育 と は 何 な の か を 考 え 、自 身 の コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 を 向 上 さ せ て い く こ と の 必 要 性 に つ い て 言 及 さ れ た レ ポ ー ト か ら 構 成 さ れ た 。

4 . 総 合 考 察

本 論 の 目 的 は 、大 学 の 理 念 や 教 育 目 標 を 実 現 す る 初 年 次 教 育 科 目 に つ い て 、「 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト 」と「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」と い う 2 つ の 課 題 探 究 型 の 教 育 実 践 を 開 発 し 、そ の 成 果 を 報 告 す る こ と で あ っ た 。

ま ず 、「 人 間 力 向 上 プ ロ ジ ェ ク ト 」 の 代 表 発 表 の 分 析 を 通 じ て 、 価 値 と し て 、自 己 成 長 、積 極 性 、 行 動 力 、 人 助 け 、 コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、 平 和 等 、 「 自 己 」 、 「 人 間 関 係 」 、 「 世 界 」 そ れ ぞ れ の カ テ ゴ リ ー に 関 連 す る も の が 選 ば れ た こ と を 明 ら か に し た 。そ の プ ロ ジ ェ ク ト も 、学 校 で の 指 導 補 助 、 ボ ラ ン テ ィ ア 、 読 書 、 自 然 散 策 や 旅 等 、 様 々 な 形 態 を と っ て い た 。 学 生 は 、 プ ロ ジ ェ ク ト を 通 じ て 、様 々 な 理 念 や 思 い を も っ て 仕 事 に 従 事 し て い る 他 者 や 、外 国 人 、歴 史 や 自 然 に 触 れ る こ と を 通 じ て 、人 間 性 、利 他 性 、指 導 理 念 や 指 導 法 、コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 、命 の 大 切 さ 、平 静 さ 、仕 事 の 大 変 さ な ど を 学 ん で い た 。さ ら に 、こ れ ら の 学 び を 通 じ て 、個 々 の キ ャ リ ア 上 の 専 門 性 を 向 上 す る こ と 、他 者 を 大 切 に す る こ と 、積 極 性 や 感 謝 の 気 持 ち を も つ こ と 、 平 和 を 継 承 す る こ と 、 社 会 参 加 す る こ と に 対 す る 動 機 づ け を 高 め た 様 子 が 示 唆 さ れ た 。

こ れ ら の 分 析 か ら 、本 実 践 を 通 じ て 、学 生 が 価 値 を 中 心 に 自 己 内 対 話 を 行 い 、さ ら に は そ う し た 内 面 世 界 を 軸 と し な が ら も 、他 者 や 世 界 と ど の よ う に 関 わ っ て い け ば よ い か 、と い う 人 間 的 な 成 長 の プ ロ セ ス が 促 進 さ れ る 様 子 が 示 唆 さ れ た 。な お 、大 学 生 対 象 の 調 査 で は 、日 頃 、自 分 と は ど の よ う な 存 在 で 、人 生 で 何 を 大 切 に し た い の か 、と い っ た「 生 き る う え で の 価 値 の 希

Table 2  「 健 康 課 題 に つ い て 考 え る 」 の テ ー マ と 指 定 文 献 一 覧

参照

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