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個別化(テーラーメイド)医療のためのガイドラインを

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Academic year: 2021

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第74巻 第1号,2015

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       標準的医療のガイドラインに加えて,

個別化(テーラーメイド)医療のためのガイドラインを

近藤 直実(平成医療短期大学学長/岐阜大学名誉教授)

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 近年医療の世界で治療管理ガイドラインが多くの領域,多くの疾患で発刊 され,普及され,日常診療でそれなりに役立っている。アレルギー領域の喘息 食物アレルギー,アレルギー性鼻炎,アトピー性皮膚炎,そして川崎病心身症 肥満症糖尿病,高血圧症メタボリックシンドロームなどをはじめ実に多数 の疾患で発刊されている。そして,その成果が相当に上がり,それぞれの疾患 での重症患者さんの減少,QOLの向上,死亡率の著しい低下などの成果が著明 に上がってきている。それぞれの分野でガイドラインが診療レベルの向上に果 たしてきた役割は極めて大きい。ここでは,さらに今後の方向について提言し

てみたい。

 そもそも ガイドライン という言葉は,広辞苑では「指針,基本方針,指

導目標」と記載されている。医療分野では,診療ガイドラインmedical guidelineは医療現場において適切な診 断と治療を補助することを目的として,最新の研究結果に基づく医療(根拠に基づく医療,EBM)が,専門家 により,わかりやすくまとめられた標準的な治療の目安,指針であり,さらに改革が進められている。

 これらの 治療管理ガイドライン には,多くのガイドラインの序文に述べられているように,その疾患での 現在の標準的治療管理法が記載されている。さらに多くのガイドラインの序文では,実際の日常の診療では,こ のガイドラインをもとに個々の患者に対応して,適切に治療管理をすべきであると述べられている。これらの治 療管理ガイドラインの読者は,通常は,その疾患を診療するすべての医師等を対象にしている。したがって,医 師免許取りたての研修医や専門医取得前の若手医師から,ベテランの総合医,家庭医,さらには専門医までも。

また,ガイドラインによっては,種々の立場の医療関係者が主たる対象者となっている。長年その領域の診療に 専門的にあたってきた医師にとっても,個々の患者に対応した医療を展開し,より適切でより有効な医療を提供 することは,いつになっても容易でなく緊張感がある。日々の,そして医師の生涯のテーマでもある。すなわち 昔から良医の目指すところとして言われている 病気 だけではなく 病気をもった患者(もっと言えば,病気 をもった患者とその家族家系) を診るにあたり,同じ疾患であっても病因病態の違いや体質の違いなど,その

人その人に最も適した医療を提供することが求められる。つまり個別化の医療(personalized medicine),テーラー

メイド医療,オーダーメイド医療が重要であり,常に求められるということである。

 以上の点を鑑みる時現在の多くの疾患の治療管理ガイドラインが対象とする医師に対して,現在のガイドラ インに示されている標準的医療に加えて,さらに上記のような視点からの 個別化の医療 が展開できる治療管 理ガイドラインが今後の方向であると考える。現時点においても,疾患の重症度によっては治療管理法を使い分 けることは,多くの場合示されている。しかし,さらに治癒を追求することも含めて,医療の質の向上のためには,

よりステップアップした上記のような質の違いをもとにした治療管理ガイドラインが求められる。それには,疾 患の病態のさらなる解明が必要であり,その研究成果に基づいて,臨床の日々の現場において,個々の患者の病 態はもちろんのこと,個々の患者の特性などをより詳細に把握できるような診察診断法に加えて,マーカー,バ イオマーカー,遺伝子マーカーなどの開発も必要である。さらに薬に関しても,一部の癌などでは進められてい るが,同一疾患名の患者に使用されて,どのような病因や病態や患者に有効(例えば60〜70%)であるか,ある いは有効でないのか,さらに副反応の予測をチェックできるマーカー(コンパニオン診断等)の開発が必要である。

もちろん,臨床現場での思考(考える医療)が,それでもなお最も重要であることに変わりはない。さらに多く の領域で基礎研究が十分には臨床に活かされていない,つまりトランスレーショナルリサーチの流れが十分であ るとは言えないのが現状である。

 以上のような点を大いに解決して,次世代の治療管理ガイドラインのさらなる向上を提言したい。

Presented by Medical*Online

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