• 検索結果がありません。

2019年8月19日(月)実施 化学グランプリ2019二次選考 解答例

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "2019年8月19日(月)実施 化学グランプリ2019二次選考 解答例"

Copied!
5
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

【実験1】問

1.

ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で展開したもの

酢酸エチルで展開したもの

【実験

2

】問

2

観察事項

A

①では

R

f

= 0.90, 0.70

に濃いスポットが、

R

f

= 0.80, 0.60

に 小さく薄いスポットが観察された。

A

②では

R

f

= 0.90

に濃い スポットが、

R

f

= 0.70, 0.58

に薄いスポットが観察された。

そのうち、

R

f

= 0.70

365 nm

UV

照射で青紫の発光が観察 された。これは化合物

1

による蛍光であると考えられる。

また、

Pd(II)

から

Pd(0)

が生成するときに得られるカップリング物

4,4'-

ジメトキシビフェニル)が

R

f

= 0.90 ~ 0.92

に現れたと考えられる。

展開溶媒:ヘキサン

/

酢酸エチル

=3/1 (v/v)

←R

f

= 0.45

A

ナフタレン

B 2-

ナフトール

R

f

= 0.85→

展開溶媒:酢酸エチル

←R

f

= 0.95

A

ナフタレン

B 2-

ナフトール

R

f

= 0.95→

A ① A ②

展開溶媒:酢酸エチル

R

f

= 0.80

R

f

= 0.70

R

f

= 0.60 R

f

= 0.92

化合物

1

OCH3 CH3O

B(OH)2

CH3O

COOH CH3O

Br COOH

COONa CH3O

Br COONa

OCH3 CH3O

メトキシフェニル ボロン酸

ブロモ 安息香酸

R

f

= 0.80→

←R

f

= 0.60

展開溶媒:酢酸エチル

(2)

3

観察事項

B

①では

R

f

= 0.80

に比較的明瞭なスポットが、

R

f

= 0.75, 0.05

に薄い小さなスポットが観察された。

B

②の結果も全く同じであった。また、波長

365 nm

UV

を照射しても発光は観察されなかった。

R

f

= 0.80

が化合物

2

に相当し、

R

f

= 0.75

が副生成物、

R

f

= 0.05

がメトキシフェニルボロン酸に相当すると

考えられる。

ブロモベンゼンの

R

f 値は

0.85~ 0.90

に確認された。

4

A

①の

R

f値について。

展開溶媒の酢酸エチルは極性溶媒であるため、極性の高い分子も展開されやすい。

化合物

1

4-

ブロモ安息香酸はどちらもカルボン酸であり非常に極性の高い分子であるが、疎水性基 の小さい

4-

ブロモ安息香酸の方がシリカと相互作用し吸着しやすいため、最も小さい

R

f値を示した。

また、

4-

メトキシフェニルボロン酸と化合物

1

を比較すると、

4-

メトキシフェニルボロン酸の方が低い 極性を持つため、化合物

1

よりも大きい

R

f値を示したと考えられる。

5

A

①と

A

②の比較。

A

①は塩酸で処理したため、

4-

ブロモ安息香酸や化合物

1

がナトリウム塩

COONa

からカルボン酸

COOH

に変化することで有機層へ移動した。そのため両者のスポットが

TLC

で現れた。

A

②は強い塩基

NaOH

で処理したため、

4-

ブロモ安息香酸も化合物

1

も水溶性のナトリウム塩となり、

4-

メトキシフェニルボロン酸とともに水層に移動した。そのため、有機層には原料も生成物もほとんど 存在しなかったと考えられる。ただし、わずかに有機層に化合物

1

が抽出されたため、

A

②にも非常に 薄いスポットが現れた。

6

B

①と

B

②の比較

溶液

B

に含まれるブロモベンゼンも生成物

2

もカルボン酸などの官能基を持っていないため、水層の

pH

に関わらず有機層に移動する。そのため、

B

B

②ともに両者のスポットが現れたと考えられる。

B ① B ②

展開溶媒:ヘキサン

/

酢酸エチル

=3/1 (v/v)

CH3O

OCH

3

CH

3

O

B(OH)

2

CH

3

O

CH3O

OCH

3

CH

3

O

B(OH)2 CH3O

Br

メトキシフェニル ボロン酸

ブロモ ベンゼン

R

f

= 0.05→

←R

f

= 0.85~0.90

展開溶媒:ヘキサン

/

酢酸エチル

=3/1 (v/v)

揮発性が高いため、

「不明」でも可

(3)

【実験

3

】問

7

観察事項

溶液

C

では

R

f

= 0.60

に比較的明瞭なスポットが、

R

f

= 0.40, 0.05

に薄い小さなスポットが観察された。

R

f

= 0.60

が副生成物に相当し、

R

f

= 0.40

が化合物

3

R

f

= 0.05

がメトキシフェニルボロン酸に相当すると考えられる。

8

化合物

3

やフェノールは

NaOH

の塩基性によりナトリウム塩となって水層に溶解しているため、

C

の有 機層からは化合物

3

が検出されなかったと考えられる。または、現れたとしても化合物

3

のスポットは 非常に薄い、または小さいために目視できなかったと思われる。

9

溶液

C

に塩酸を加えることでナトリウムフェノキシドがフェノールになり、有機層へ抽出されやす くなり、化合物

3

のスポットが明瞭に確認されるはずである。具体的には下記の通り。

溶液

C

HCl

水溶液

(6.0 mol L

−1

) 1.0 mL

を加え、フタをしてよく振とうする。この溶液の有機層をヘ キサン

/

酢酸エチル

(3/1, v/v)

混合溶媒で

TLC

展開し、

UV

照射(波長

254 nm

)で観察されたスポットの

R

f値から化合物

3

が特定できる。

塩酸処理後の

C

では

R

f

= 0.60

040

に比較的明瞭なスポットが、

R

f

= 0.45, 0.05

に薄い小さなスポット が観察された。

R

f

= 0.80

が副生成物に相当し、

R

f

= 0.40

がブロモフェノール、

R

f

= 0.40

が化合物

3

R

f

= 0.05

がメトキシフェニルボロン酸に相当すると考えられる。

塩酸処理後の

C

の有機層 展開溶媒:ヘキサン

/

酢酸エチル

=3/1 (v/v)

Br OH

OH CH

3

O

OCH

3

CH

3

O

B(OH)

2

CH

3

O

C

の有機層

展開溶媒:ヘキサン

/

酢酸エチル

=3/1 (v/v) OCH

3

CH

3

O

B(OH)

2

CH

3

O

ONa CH3O

メトキシフェニル ボロン酸

ブロモ フェノール

←R

f

= 0.45

R

f

= 0.05→

展開溶媒:ヘキサン

/

酢酸エチル

=3/1 (v/v)

(4)

【実験

4

】問

10

(ア) 蛍光無し。

(イ) 黄色い蛍光。(アセトン水混合溶液なのでミントや緑色に見える場合もある。)

(ウ) 有機層から青い蛍光。水層から淡黄色の蛍光。(水層からの蛍光はかなり薄い)

11.

各種有機溶媒中における蛍光挙動

溶媒 蛍光の色や観察事項 蛍光波長

λ (nm) E

T

(30)

*

kcal mol

-1

ヘキサン 青紫

433 31.0

トルエン 空色

459 33.9

ジエチルエーテル 青~空色

457 34.5

テトラヒドロフラン シアン~青緑

480 37.4

酢酸エチル 青緑

481 38.1

クロロホルム ミント

490 39.1

アセトン 緑

503 42.2

イソプロピルアルコール 黄緑

531 48.4

エタノール 黄

545 51.9

メタノール やまぶき、ただしかなり薄い

554 55.4

*

文献値

(J. Phys. Org. Chem. 2014, 27, 512-518. Chem. Rev. 1994, 94, 2319-2358.)

12.

400 450 500 550

30 40 50 60

グラフ用紙に軸線、軸ラベル、単位、

数値を記載すること。エラーバーは

無くても構わない。

(5)

13.

グラフから読み取れる事柄の説明

グラフでは

E

T

(30)

値が大きくなるほど蛍光波長が大きくなる関係が認められた。炭化水素系溶媒と 非プロトン性極性溶媒のプロットはほぼ同一直線上の相関(傾き

6 nm kcal

-1

mol

)が認められたが、プ ロトン性極性溶媒は傾きが低くなる(傾き

3 nm kcal

-1

mol

)傾向が認められた。

溶媒により蛍光発色が異なった理由

化合物

4

は基底状態では平面性のねじれた非共役系の構造をしているが、励起状態

4*

では共役系が 伸展し平面性の高い分子構造となり、分子内電荷移動型の極性構造へと変化している。

4*

のような双性イオンのような分子は、極性溶媒分子と相互作用しやすい。特に水素結合性の高い 溶媒分子により溶媒和されることで

4*

は安定化され、励起状態のエネルギー準位が低下する。そのた め、基底状態とのエネルギー差が小さくなり、蛍光として放出される光の波長が長くなったと考えら れる。

一方、炭化水素系溶媒や非極性溶媒中では

4*

は溶媒和による安定化の効果は得られず、励起状態で は比較的高いエネルギー準位にあり、基底状態とのエネルギー差が大きい。そのため、比較的大きな エネルギーを持つ光が放出され、青や紫などの短波長の蛍光が観察されたと考えられる。

溶媒和の効果は極性の大きな溶媒、すなわち

E

T

(30)

値の大きな溶媒ほどに大きく現れるため、蛍光 波長と

E

T

(30)

値が比例関係を示したと考えられる。また特に、アルコール類のような水素結合性の高 いプロトン性極性溶媒は他の極性溶媒よりも

4*

分子と相互作用を示すため、蛍光波長のシフトが大き く(グラフの傾きが低く)他の溶媒との相関とは異なったと考えられる。

参考図

参考までに、

化合物

4

は正のソルバトクロミズムを示し、化合物

30

は負のソルバトクロミズムを示す。

N

S H3C

CH3

CH3 O

N

S H3C

CH3

CH3 O

4 4*

基底状態

負のソルバトクロミズム 正のソルバトクロミズム

極性溶媒

励起状態 溶媒和による

安定化

蛍光

非極性溶媒 極性溶媒

δ+ δ−

非極性溶媒

+ − + −

基底状態 で低極性 励起状態 でイオン性

δ+δ−

δ+ δ− δ+ δ− 分子内電荷移動による 双極子モーメントの低下

極性溶媒 非極性溶媒

蛍光 基底状態

励起状態

基底状態で イオン性 蛍光

+ − + −

蛍光

参照

関連したドキュメント

・水素爆発の影響により正規の位置 からズレが生じたと考えられるウェル

関東 テレビ神奈川 取材 海と日本プロジェクト連携 関東 新潟放送 取材 海と日本プロジェクト連携 関西 化学と教育 67巻4号 報告書. 関西 白陵高等学校 生物部 twitter

2018 年度 2019 年度 2020 年度 2021 年度 2022 年度 2023 年度 2024 年度 2018 年度入学生 1 年次 2 年次 3 年次 4 年次. 2019 年度入学生 1 年次 2 年次

春学期入学式 4月1日、2日 履修指導 4月3日、4日 春学期授業開始 4月6日 春学期定期試験・中間試験 7月17日~30日 春学期追試験 8月4日、5日

<第2次> 2022年 2月 8 日(火)~ 2月 15日(火)

大正13年 3月20日 大正 4年 3月20日 大正 4年 5月18日 大正10年10月10日 大正10年12月 7日 大正13年 1月 8日 大正13年 6月27日 大正13年 1月 8日 大正14年 7月17日 大正15年

■実 施 日: 2014年5月~2017年3月. ■実施場所:

■実 施 日:平成 26 年8月8日~9月 18