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デジタルシネマ推進に関する調査研究 報告書

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(1)

平成17年度 日本自転車振興協会補助事業 デジタルコンテンツに関する調査研究

デジタルシネマ推進に関する調査研究 報告書

平成 18 年 3 月

財団法人デジタルコンテンツ協会

(2)

この事業は、競輪の補助金を受けて実施したものです。

(3)

目 次

第1章 はじめに...1

1.1 本委員会の目的...1

1.2 本年度の活動状況...1

1.2.1 第1回委員会...1

1.2.2 第2回委員会...3

1.2.3 第3回委員会...5

1.2.4 第4回委員会...6

1.2.5 第5回委員会...7

1.3 本研究委員会の推進体制(事務局)...8

第2章 日本におけるデジタルシネマの状況...10

2.1 撮影のデジタル化...10

2.1.1 撮影のデジタル化のメリット(大橋委員)...10

2.1.2 撮影機器...13

2.1.3 撮影のデジタル化の状況...15

2.2 配給・上映のデジタル化...18

2.2.1 配給・上映のデジタル化のメリット...18

2.2.2 上映機器...19

2.3.3 映画館のデジタル化の現状...21

2.4 事例紹介...22

2.4.1 デジタルシネマ共同トライアル「4K Pure Cinema」...22

第3章 デジタルシネマの政策ならびに標準化動向...30

3.1 米国の標準化動向...30

3.1.1 DCI規格の概要...30

3.1.2 DCDM(デジタルシネマ配給マスター)...33

3.1.3 画像圧縮規格...37

3.1.4 パッケージング...38

3.1.5 シアターシステム...41

3.1.6 プロジェクション...43

3.1.7 セキュリティ...48

3.2 日本の政策ならびに標準化動向...52

3.2.1 デジタルシネマ推進フォーラム...52

3.2.2 デジタルシネマの標準技術に関するJSTプロジェクト...54

3.2.3 ディジタルシネマ・コンソーシアム...70

(4)

3.3.1 デジタルシネマ推進の背景...70

3.3.2 デジタルシネマ産業動向...70

3.3.3 デジタルシネマを取り巻く環境...71

3.3.4

政策ビジョン及び目標

...73

3.3.5 デジタルシネマ産業発展政策ビジョン発表後の動向...77

3.4 中国の政策ならびに標準化動向...78

3.4.1 政府のデジタルシネマ500スクリーン体制の方針...78

3.4.2 デジタルシネマの区分...79

3.4.3 中国農村部の移動上映2131工程...79

3.4.4 中国映画の第2級市場...80

3.4.5 中国政府の移動上映デジタル化政策...81

3.4.6 農村移動映画のデジタル化業務の実行状況紹介...81

3.4.7 移動上映の暫定基準...89

3.5 欧州の標準化動向...89

3.5.1 欧州のデジタルシネマの分類...89

第4章 デジタルシネマに関する海外動向調査報告...90

4.1 デジタルシネマの普及状況...90

4.2 米国動向調査...91

4.2.1 デジタルシネマ米国調査報告...91

4.2.2 SIGGRAPH関連のアメリカ視察報告...105

4.2.3 ShoWest2006報告...109

4.3 韓国動向調査...115

4.3.1 Digital Cinema International Conferece ...115

4.3.2 KOFICとの事前打合せ...134

4.3.3 米国へのDCCSDPの活動紹介...134

4.3.4 韓国・中国に対するDCCSDPの活動紹介...134

4.3.5 BIFCOM(Busan International Film Commission & Film Industry Showcase)...135

4.3.6 PPP(Pusan Promotional Plan)...135

4.3.7 「ロボットテゴンV」デジタルリマスター...136

4.4 中国動向調査...138

4.4.1 デジタル化5大プロジェクト...138

4.4.2 商業映画館100スクリーンデジタル化プロジェクト(中国電影集団公司 中影数字電影院線公司)...138

4.4.3 デジタルプロダクション(華龍電影数字制作有限公司)...143

4.4.4 中国電影科学技術研究所...143

(5)

4.4.5 北京映画学院 数字媒体技術研究所...145

4.4.6 現在の商業映画館のデジタルシネマオペレーション...147

第5章 デジタルシネマの将来動向...150

5.1 3Dシネマ...150

5.1.1 フルCGIアニメ映画『チキン・リトル』が立体視対応...150

5.1.2 「空のカケラが落ちてくる」がストーリーの伏線に...153

5.1.3 映画舘の退潮傾向を食い止めるきっかけになるか?...154

5.2 ユビキタスシネマ...155

5.2.1 カメラ付携帯電話によるデジタル短編映画制作...156

5.2.2 ロケーションベースド・エンタテイメントにおけるユビキタスシネマ...157

5.3 シネアド...158

5.3.1 SAWAデジタル・シネアド規格...158

5.3.2 米国のデジタル・シネアド規格...162

5.4 映像配信...165

5.4.1.さまざまな動画配信サービスが誕生...165

5.4.2 期待ふくらむ携帯型メディアプレイヤー向けコンテンツ配信...167

5.4.3 果たしてモバイルムービー/ビデオのニーズはあるか?...168

5.4.4 iPodの成功要因...168

5.4.5 ウェアラブル・ディスプレイにより携帯型コンテンツを視聴する...171

5.4.6 携帯電話でのコンテンツ視聴はテレビなどとは異なる...172

5.4.7 ユビキタスビデオにおいても担う業界がシフトする可能性が高い...173

5.4.6 米国でもPC向けに人気テレビ番組、映画のオンデマンド配信...173

5.4.7 米Sprint Nextelが携帯電話向けに世界で始めて映画全編を配信...174

5.5 ネット動画配信の新たな潮流...175

5.5.1 「ブロードキャスト」から「エニーキャスト」へ...175

5.5.2 日本でも本格的なネット個人放送ポータルがオープン...176

5.5.3 NHK技研もパーソナルキャストを支援するツールを開発...178

5.5.4 ニッチを集約するインターネット動画配信...180

第6章 おわりに...183

付録1 映画産業発展を加速させるための若干の意見...付録-1 付録2 《映画のデジタル化の発展綱要》紹介...付録-12

付録 3 「十一五」期間(2006~2010 年)の、農村映画発展計画にともなう全

体思想の紹介...付録-16

(6)

図 表

表2.1-01 撮影用記録媒体の体積と記録時間...10

図2.1-01 シリアル・デジタル・インターフェース(SDI)...11

図2.1-02 撮影現場で映像信号の品質を検証するベースシステム...11

図2.1-03 撮影用記録媒体がそのままPCで扱える Panasonic P2 システム...13

表2.1-02 デジタルシネマに利用されている主なカメラリスト...14

図2.1-04 VariCam...14

図2.1-05 origin...15

表2.1-03 2005年度公開作品のデジタル撮影の状況...15

図2.1-06 2005年度公開作品のデジタル撮影の状況(円グラフ)...16

表2.1-04 デジタル撮影作品の内訳...16

図2.1-07 デジタル撮影作品の内訳(円グラフ)...17

表2.1-05 フィルム撮影作品の内訳...17

図2.1-08 フィルム撮影作品の内訳(円グラフ)...17

図2.2-01 QuVIS Cinema Player™...19

表2.2-01 GDCサーバーの利用状況...19

図2.2-02 4K SXRD Projector SRX-R110...20

表2.2-02 2005年映画館におけるデジタル上映状況...21

図2.3-01 2005年映画館におけるデジタル上映状況...21

図2.4-01 「4K Pure Cinema」実験システムの構成...22

図2.4-02 「Time Express Boiler」 ⓒ2005Tatsunoko/C_LAB...24

図2.4-03 テスト制作のワークフロー...26

図2.4-01 キャリブレーションモニタの調整と4Kプロジェクタとのカラーマッチング...27

図3.1-01 DSMを構成するデータ...30

図3.1-02 映画館での暗号化キー認証およびJPEG2000の伸張処理工程...31

図3.1-03 DCI要求仕様での画像データシステムワークフロー...32

表3.1-01 DCDMイメージデータ...33

表3.1-02 変換係数...34

表3.1-03 イメージのアスペクト比...34

表3.1-04 MXF形式メタデータ構造でのデータ定義...35

表3.1-05 8チャンネルのマッピング...35

表3.1-06 6チャンネルのマッピング...36

図3.1-04 8チャンネルのオーディオスピーカーの位置提案...36

表3.1-07 JPEG2000コードストリームの構造...37

3.1-05 DCP ...38

(7)

図3.1-06 上映リストのイメージ...39

図3.1-07 配給パッケージのイメージ...39

図3.1-08 トラックファイル構造...40

図3.1-09 KLVコーディング構造...40

図3.1-10 複数のKLV構造による複合化...40

図3.1-11 シングルスクリーンでのシステム構成...42

図3.1-12 シネマコンプレックスでのシステム構成...42

表3.1-08 シアター側ローカルサーバーに必要な記憶容量...43

表3.1-09 映画館上映に関わる要求仕様...44

図3.1-13 DCI推奨仕様での色空間...45

表3.1-10 テストパターンの値...45

図3.1-14 ガンマ係数測定用グレースケール...46

図3.1-15 色再現性判定用のカラーパッチ...47

表3.1-11 色再現性判定用のカラーパッチ...47

図3.1-16 セキュリティ情報のフローチャート...48

図3.1-17 シアター内部のセキュリティ情報の流れ...49

図3.1-18 シアターでのシステム起動時に行われるセキュリティ認証のフローチャート...50

図3.1-19 映画本編上映時のセキュリティ認証のフロー...51

図3.1-20 暗号化解読キーの情報フロー...52

図3.2-01 デジタルシネマ・ムービー支援の考え方...53

表3.2-01 デジタルシネマ普及に向けた12の提言...54

図3.2-02 「デジタルシネマの標準技術に関する研究」の5つのWGの構成...55

図3.2-03 シアター内風景...58

図3.2-04 デジタルテストベッド蒲田座席配置図...58

表3.2-02 メタデータの一例(抜粋)...60

図3.2-05 実写撮影を想定したDSSのテストケース...61

図3.2-06 ダイナミックシミュレーションシステムのインタフェイス例...61

図3.2-07 a day in Simoda編集カットNo.28...66

図3.2-08 和・なごみ編集カットNo.09 ...67

図3.2-09 Color and Tone編集カットNo.13 ...68

図3.2-10 Color and tone編集カットNo.T-05...69

図3.3-01 SWOT分析...72

表3.3-01 政策ビジョン...73

図3.3-02 5大核心推進課題...73

図3.3-03 ロードマップ...77

(8)

表3.4-01 中国のデジタルシネマの規格...79

図3.4-02 農村映画の役割...80

表3.5-01 EDCFのデジタルシネマの規格...89

表4.1-01 世界のデジタルシネマスクリーン数とその分布...90

図4.2-01 International Video Conversions, Inc...92

図4.2-02 Technicolor Digital Intermediates...92

図4.2-03 Sunset Digital...97

図4.2-04 ETC Digital Cinema Laboratory ...102

図4.2-05 Fotokem ...104

図4.2-06 SIGGRAPH2005が開催されたロスアンゼルスのコンベンションセンター....105

図4.2-07 「Film and Digital Cinema Color: BOF and Hint Fast」の会場の風景...107

図4.2-08 「Film and Digital Cinema Color: BOF and Hint Fast」で決定された事項の メモ...107

図4.2-09 「Film and Digital Cinema Color: BOF and Hint Fast」の会議風景...108

図4.2-10 映画を支える要素図... 111

表4.3-01 Digital Cinema International Confereceスケジュール表...115

図4.3-01 Digital Cinema International Confereceの主な参加者...116

表4.3-02 技術仕様での主要パラメータ...122

表4.3-03 「A World without a thief」の配給現況...126

表4.3-04 「KUNGFU Hustle」の配給現況...126

表4.3-05 「The Shark Tales」の収益分析...127

図4.3-01 DCCSDPの目標...129

図4.3-02 ネットワークを利用したデジタルシネマの活用...131

表4.3-06 ディズニー社のデジタルシネマ...131

表4.3-07 MEGABOX CINEPLEX社のデジタルシネマ機材...134

図4.3-03 BIFCOM案内板...135

図4.3-04 PPP会場の様子...136

表4.3-08 作業の分量及び期間...136

図4.3-05 「ロボットテゴンV」デジタルリマスターのワークフロー...137

図4.4-01 中国電影集団公司...139

図4.4-02 8m以下の商業スクリーン用デジタルシネマシステム...140

図4.4-03 デジタルシネマ館の分布...141

図4.4-04 華龍電影数字制作有限公司...143

図4.4-05 数字電影研究所のCINEALTA...146

図5.1-01 エルキャピタン劇場入口の電光掲示板...150

5.1-02 偏光めがね...152

(9)

図5.2-01 美容室における映画鑑賞システム...155

図5.2-02 携帯電話で撮影し、携帯電話で鑑賞する映画...157

図5.2-03 MYSQの映像表現 (C)2005-2006 UTUTU Co., Ltd. All Rights Reserved....158

表5.3-01 SAWAのデジタルシネアドの規格概要...159

表5.3-02 現在の映画館での音響形式...159

図5.3-01 欧州各国の広告市場に占める映画広告の売上比率...160

図5.3-02 シコフスキー氏のとらえた映像コンテンツ市場の構造...160

図5.3-03 映像コンテンツ市場のトライアングル構造に対する規格化団体の動きと守備範 囲...161

図5.3-04 D/E-Cinema市場成長予測結果...162

図5.3-05 AMC関連のデジタル・シネアドコントロールルーム...162

図5.3-06 リーガル関連のデジタル・シネアドコントロールセンター...163

表5.3-03 ナショナル・シネメディア社のデジタル・シネアドコンテントの規格...164

表5.3-04 音響データの適合性...164

図5.3-05 720Pへのアップコンバートに対する考え方...165

(10)
(11)

第 1 章 はじめに

1.1 本委員会の目的

従来の映画はフィルムを使用して制作、流通、上映が行われてきたが、これをデジタル により行うことについて米国ハリウッドを始め各方面で取り組みが進められており、実証 的な事例が多数公開されている。しかしながら、現在は種々の方式がそれぞれに採用され、

改良が続けられている状況であり、今後数十年にわたり標準的に定着する技術として確立 するに至っていない。

本事業では、デジタルシネマに関する技術動向の調査及び長期的に安定した技術の採用 に向けた諸課題を調査研究し、その成果を広く公表することによりデジタルシネマの制作、

流通、上映に関わる産業の健全な発展に資することを目的とする。

1.2 本年度の活動状況

具体的な活動状況として、デジタルシネマの技術動向及びその適用における諸問題に関 する内外の情報を収集し、学識経験者及び産業界の専門家により構成される研究委員会を 計5回開催し、調査研究を行った。

さらに海外の動向調査を目的として、釜山国際映画祭内で開催された「Digital Cinema Internatiional Conference」において韓国および中国のデジタルシネマの動向調査を実施 し、また米国のハリウッド周辺のプロダクション等に対し、DCIの規格化を踏まえたデジ タルシネマについての調査を実施した。

1.2.1 第 1 回委員会

日時:平成17年6月28日(火) 13:00~15:00 場所:(財)デジタルコンテンツ協会 A会議室 主な議題:

資料を元に、本年度の事業内容の検討をおこなった。各委員のご意見の概要は下記の通 り。

· 例えば短編映像など、劇場映画でない部分のデジタル化を考える事が重要。

· NAB2005の印象としては、ハリウッドではデジタルシネマにDCIの規格が採用さ

れるが、インドなどその他の国は、DCIだけが採用されるわけではない。

· デジタルシネマの研究をおこなっている団体はいくつか存在する。予算も考慮し、

DCAjのカラーが出せるように、分野をフォーカスした活動が必要である。

(12)

· 調査をする事は正しい事であるが、それだけでは進まない。今回の研究委員会では

「アジアンデジタルシネマフォーラムの開催」を中心とした活動を行うべきである。

· 10月11日に韓国釜山で開催されるフォーラムにおいて、DCAjが中心的な役割を果 たしてもらいたい。

· より実践的な活動が必要である。

· ハリウッド無視ではいけない。バランスが重要である。

· 10 月11日に韓国釜山で開催されるフォーラムで発表するためには、具体的なシナ リオが必要である。

· 具体的なシナリオとしては、例えばショートフィルムやアニメーションをデジタル で上映できる拠点作りなどを考えてもらいたい。

· 今までの議論は観客不在の議論が多かった。これからはデジタルシネマが観客にと ってどういったメリットがあるかを議論すべき。

· 企業ができることは限られている。

· 日本独自の流通や配信が面白い切り口になると考えている。

· 映画館以外で映画を見る環境をどう広げるべきか。

· 本研究委員会とDCCSDPとの差別化が必要。

· 地上波デジタル放送のHD化は、2005年4月の段階で、民法で70%、NHKで90%

に達している。HDの編集もノートPCでできる時代であり、HDが日常的になって いるといえる。

· 具体的な作品制作や実験を通じて、デジタルシネマに対して共通認識を持つような 事業が必要。

· 「ワンコイン(500円)シネマ」のような事ができないか考えている

· フィルムのハンドリングは大変である。であるからこそデジタルだから「カンタン」

なシステムを提供すべき

· デジタルであればフィルムと違って別の場所でも同じような表現ができる。

· デジタルシネマを見る場所がまだまだ少ない。

· 国内の映画祭はたくさんある。そういった映画祭でショートフィルムをデジタルで 見る機会を作ってはどうか。

· HD撮影可能なカメラも増えてきている

· デジタルシネマを若手のクリエータを育てるためと捉えたい。

· 大切なことはデジタルによるワークフローを確立する事である。

· クリスティとAIX社は、2年間で北米2500スクリーンを対象にデジタルシネマの 設備を無償で提供する事を計画している

· ワークショップを実現したい。公募形式の研究発表を実施し、インターナショナル のワークショップにまで発展させたい。

(13)

· デジタルシネマフェスティバルを実施したい。テーマとしてはSFXや3Dが考えら れる。

· デジタルシネマコンテストを実施したい。これは他のコンテストで選出された優秀 作の中からさらなる優秀作品を選出する形式としたい。

· 技術動向調査の実施も必要である。

· アジアンデジタルシネマもぜひ参加すべきである。

· デジタルシネマ関連のイベント情報を集積して欲しい。

· 1,000人のスクリーンと200人のスクリーンで同じシステムは必要ではない。

· 根本的にフィルムとデジタルの映像は違うものである。

· 脳に優しい情報かどうかも調査すべき。例えばSDとHDではα波の出方が違うと いう調査もある。

· 感動・リラックスを生み出すコンテンツ作りを考えている。

· どのような環境で上映されるかを考えたコンテンツ作りを考えている。

· 撮影したものをどう圧縮・解凍するかも重要である。

· 誰でも作品が作れるようになったが、画作りの基礎知識が無い人が多い。

· デジタルによる大画面のための作り方を考える必要がある。

1.2.2 第 2 回委員会

日時:平成17年8月10日(水) 15:30~17:30 場所:(財)デジタルコンテンツ協会 A会議室 主な議題:

(1) 事業内容検討

① 米・欧のデジタルシネマの規格化動向調査

② 米デジタルシネマ動向調査

③ 韓国デジタルシネマ動向調査 (KoreaDigitalCinemaForum)

④ 国内のデジタルシネマ動向調査

事務局より、本年度の活動の基本は調査とし、米国調査を予定している旨を説明。同時 に、DCI 及び EDCF の勉強会と翻訳を委員会でおこなうことを提案した。また、韓中及 び国内の動向にも注視した活動にしたいことを説明した。

委員からの主な意見は以下の通り。

· 基本的にハード、システム、シアターの調査が中心と考える。出入力関連、編集等 も見るか一考したい。

(14)

· 東海岸のインディペンデント系シアターチェーンを廻るか?また、他地域の大小チ ェーンを廻るか?更にスタジオを廻るか?考えたい。

· 11月にニューヨークで開催されるSMPTEのテクニカルカンファレンスに行っては どうか?

· 調査結果は発表/配布できる質の高い内容のものにしたい。

· 米国のデジタル制作の現状(事実)を摑むことは有効と考える。4K・2Kが現実的 にどの工程でどのように処理されるか、実態を知る事は重要だ。

· インターネットで見れらる内容では意味が無い。

· プロダクションの色管理の実際をできるだけ多く調べたい。

· ハリウッド、ヨーロッパ、日本の制作条件は違う。根本的違いをレポートする事は 必要だ。

· 国内の調査は重要だと思う。アニメに関して考えると、正式にHD処理をしている ところは殆どない。D2のアップコンサイズであったり、紙の質感が出たスキャニン グであったり、粗悪である。規格に合ってなくても最終的にHDテープであれば認 められるというのが実態である。圧縮の方法も統一されていないのが現状である。

· 米国の場合 CG系に関しては実写と比較して、いち早く規格に合わせていけるので はないかと思う。

· ハリウッドのビジュアルエフェクトプロダクションは当然フィルム納品だが、必ず

しも2K4Kで処理しているわけではない。某大手プロダクションも、1ピクセルで

も減らしてレンダリングしようと試行錯誤し、最小サイズからの限界引き伸ばしレ ベルを見つけ出し、中途半端な画素数を内部フォーマットにしている。よって、今 後2K4Kという規格があっても、プロセス全部がそのとおりに適用されるとは思え ない。

· そのような事情を考察すると、アプコン、ダウンコン、圧縮、解凍(伸張)が重要 になると思う。

· DCIはプロセスごとの規約を何も明示していない。

· 日本におけるデジタル作業の入り口から出口迄の流れを明確に規格化しようと考え ている。

· 海外では日本発の映像制作現場情報や諸々の運用ノウハウ、ガイドラインなどの情 報を期待しているが、日本からの発信が無い。

· 日本はメーカー単位ではワークショップに参加するなどして情報を出している。

· 国に準ずるような組織としての情報発信はない。

· 日本の調査の場合、キーパーソンがいれば、インタビュー形式によって問題点の抽 出をしてはどうか。

· フィルムを使わずに映像を制作し出力する一連の作業に関する問題点を聞けばよ い。

(15)

· 電子映像系の宿命は品質を上げるためにはコストを掛けなければならない。その関 係は正比例である。基本的にフォーマットを変えない限り質の向上はないと思って よい。電子映像とフィルムを同じ土俵で考えると混乱する。余談になるかもしれな いが、ハイディフィニションが出た時、機材費が1日100万だった。現在は 12万 程度である。業界としてこの経緯を見ると、今後のデジタルシネマの進展状況をど う捉え関係していくか、重大問題である。

· 本日の総括として、今年度は議題(2)の事業内容検討①~④に関する調査をおこなう 年と位置づけ、デジタルに関連する問題点を明らかにしたいと思う。委員の皆様の 協力をお願いしたい。

· 来年度のアジアデジタルシネマフォーラムとコンテスト開催を視野にいれた動きも 考えたい。

(2) SIGGRAPH2005 報告

SIGGRAPH2005の報告を、委員長、および副委員長より行っていただいた。

(3) 6 月以降の D-cinema&DigitalAdvertising

資料を元に、委員より、ハリウッドの興行と D‐cinema/E‐cinema/D‐Cine-Add の現状について説明いただいた。

1.2.3 第 3 回委員会

日時:平成17年11月22日(火) 10:00~12:00 場所:(財)デジタルコンテンツ協会 A会議室 主な議題:

(1) DCI 規格について

資料を元に、DCI規格について検討を行った。

(2) 韓国調査報告

資料を元に、事務局より韓国デジタルシネマの現状について報告をおこなった。

(3) 米国調査報告

資料を元に、委員の方より米国のデジタルシネマの現状について報告をおこなった。

(16)

(4) 国内調査案検討

当初は、デジタルシネマの普及の妨げとなる現場レベルでの課題が明確になっていない ことから、デジタルシネマ関連の有識者に対する現状のデジタルシネマの問題点について のヒアリング調査を実施する予定であったが、議論の結果、それ以前に実際にデジタルシ ネマがどの程度普及しているか明確でないことから、「デジタルシネマで制作(撮影)され ている作品のリストアップ」および「「DLP のみならず液晶も含め、実際の映画館で利用 されているデジタルシネマについての調査」を実施することとした。

(5) 報告書の章構成検討

資料を元に、本年度の調査報告の章立ておよび担当について議論を行った。

1.2.4 第 4 回委員会

日時:平成18年1月31日(火) 10:00~12:00 場所:(財)デジタルコンテンツ協会 A会議室 主な議題:

(1) 国内調査進捗報告

資料を元に、映画館のデジタル上映の状況調査、および 2005 年度のデジタルシネマの 撮影状況の調査の説明を行った。

基本的な調査方法については、了承いただいた。また映画館のデジタル上映の状況調査 に関しては、コマーシャルのデジタル化の状況についても追加で調査することとした。

また、2005年度のデジタルシネマの撮影状況については、委員の方にも分かる範囲で協 力いただくこととした。

(2) 韓国現状報告

資料を元に、韓国のデジタルシネマの政策について検討した。韓国は20-10年までに50%

のスクリーンをデジタルシネマとする計画を打ち出しており、また日本に対しては技術的 な協力を求めている。今後も韓国の動向に注視し、情報交換をおこなう必要があるとの結 論を得た。

(3) 報告書執筆概要検討

報告書の執筆について、資料を元に検討を行った。大筋は了承された。

(4) その他

委員の方より、デジタルシネマの現状について下記のような意見をいただいた。

(17)

· フィルムは現在危機的な状況にある。現像に際し、様々な薬品が利用されているが、

現像の薬品は中国などでしか作られていないケースもあり、また一般のカメラのデ ジタル化もあって、現像液のコストは上がっている。今後もフィルムのコストはデ ジタルと比較してどんどん上がっていくことが予想される。

· HDマスターをどのように造っているのか技術的に不透明である。

· DI(デジタルインターメディエイト)は各社異なる技術を利用している出口のフォ

ーマットしか決まっていない。ハイエンドな部分だけでなく、標準的なDIの方式を 提案してもらいたい。

· シネコンは充実してきているが、独立館の採算は成り立っていない。独立館をデジ タル技術で手助けする必要がある。

· 映画はC&C(カルチャー&コミュニティ)の場になっていくのではないか。

· フィルムからデジタルへの転換期には、人材育成が大切になるが、古い人材を育成 し直すよりも新しい人材を育成する方が必要。

· 米国の予測では、次世代DVDはそれほど伸びない。HDレベルのコンテンツは、パ ッケージメディアの伸びよりもネットワーク配信が伸びていくと考えられているか らである。

1.2.5 第 5 回委員会

日時:平成18年3月6日(火) 13:00~15:00 場所:(財)デジタルコンテンツ協会 A会議室 主な議題:

(1) 国内調査進捗報告

資料を元に、映画館のデジタル上映の状況調査の説明、および 2005 年度のデジタルシ ネマの撮影状況の調査の説明を行った。

デジタル上映の状況調査については、本編上映とコマーシャル上映は分けることとした。

報告書には詳細をそのまま載せるのではなく、県別などの統計データとして紹介すること とした。

(2) 欧州最新動向発表

川上委員より、Arts Alliance Media(AAM)が20億円を投資して240スクリーンのデ ジタル化を計画している事など、欧州のデジタルシネマの最新動向を発表いただいた。

· AAM のデジタル化は、再生装置に Qubit が利用されている。またプロジェクター

としてChristieのCP2000もしくはNECビューテクノロジーのiS8-2kが利用され

(18)

ており、その割合は7:3くらい。興行収入は30:20:50の割合で、AAM:EUのTAX:

映画館に分配されるとのこと。

· ノルウェイでは今年度 15 スクリーンのデジタル化が計画されており、ソニーの

SX-RDが2台導入されている。

· スウェーデンでは全作品をDI(デジタルインターメディエイト)で制作している(年 間10作品程度)。

(3) 報告書確認

報告書の執筆担当より、資料を元に概要を発表していただいた。報告書の内容や体裁等 の修正は事務局で行うこととした。

(4) その他

その他委員の方より、デジタルシネマの現状について下記のような意見をいただいた。

· 10年くらいはデジタルとフィルムが共存するのではないかとの意見が多い。

· 日本の映画のコマーシャル(シネアド)配信は、サンライズ、コダック、トライメ ディアの3社のシェアが多いため、それらの動向について調べる必要がある。

· 米国のシネアドのマーケットは、2~3年で100億円市場になると予想されている。

· 自国で映画制作能力がある国は30数カ国で、興行収入は全世界で2.5兆円程度であ り映画のマーケットは小さいものであり、これを単にデジタル化しても意味が無い

(デジタル化でマーケットを大きくする事が重要)。

· NATOがDCIに対し、予告編を上映者側が運営できるように、セキュリティを変更 するよう要求書を出した。DCIからスペックは発表されたが、ハリウッドの仕様に よるデジタルシネマの普及にはまだ時間がかかりそうである。

· ハリウッドは興行収入の減少に頭を痛めている。劇場での公開は DVD 販売のため のCMと考える向きもある。デジタル化による新たなビジネスモデルの構築が必要 である。例えばスティーブン・ソダーバーグ監督作品で DVD 販売と同時に映画の 公開を行うという試みが行われた。

1.3 本研究委員会の推進体制

本研究委員会は、(財)デジタルコンテンツ協会(DCAj)における事業開発事業として、

事業開発政策委員会のもと推進体制を組んでいる。

委員会メンバーは、下記の通りで本研究委員会委員長を東京工業大学情報理工学研究科 の中嶋正之教授で推進する体制とした。

事務局は、DCAj事業開発本部デジタルシネマ推進部がこれを担当する。

(19)

役割 氏名 会社 所属・役職

委員長 中嶋 正之 東京工業大学 情報理工学研究科 教授

副委員長 稲蔭 正彦 慶應義塾大学 環境情報学部 教授

委員 半澤 衛 クリスティーデジタルシステムズ 日本支社 支社長

委員 鈴木 昭男 ソニーPCL(株) 映像サービス事業本部 デジタルシネマソリュー ション部 統括部長

委員 三上 浩司 東京工科大学 片柳研究所 クリエイティブラボ プロデューサ

委員 川上 一郎 東京工業大学 情報理工学研究科 主任研究員

委員 辻 英男 東北芸術工科大学 情報デザイン学科(未来デザイン学系) 教授

委員 柴田 恭志 日本ビクター㈱ ILA センター企画グループ グループ長

委員 森 俊文 (株)ビデオテック 技術部長

委員 大橋 豊 プログレッシブ・ピクチャーズ(株) 制作技術部 取締役 部長

委員 杉邨 一人 三洋電機(株) プロジェクターBU 事業企画部 部長

オブザーバー 秋山 雅和 (株)IMAGICA FORCE 技術アドバイザー

オブザーバー 清水計宏 (有)清水メディア戦略研究所

事務局 田中 誠一 (財)デジタルコンテンツ協会 常務理事/事業開発本部長 常務理事/事業開 発本部長

事務局 工藤 浩輔 (財)デジタルコンテンツ協会 参与

事務局 清野 一道 (財)デジタルコンテンツ協会 先導的事業推進部 デジタルアーカイブ推進室 室長

事務局 須藤 智明 (財)デジタルコンテンツ協会 事業開発本部 主任

(20)

第 2 章 日本におけるデジタルシネマの状況

2.1 撮影のデジタル化

2.1.1 撮影のデジタル化のメリット

一口にデジタル撮影といっても競合メーカーが各々で採用する記録媒体(テープ・ディ スク・半導体メモリ etc.)、記録方式(データ構造・圧縮アルゴリズム・暗号化 etc.)は多 種多様であり個別に異なる特徴を備えているが、以下の4つはおおむね共通したメリット と考えられる。

(1) 省スペース&軽量で高効率

デジタル記録を採用したカメラやレコーダーは画像圧縮技術の進化により長時間・高画 質記録を実現し、同一体積・重さで比較した場合おおむねフィルムより効率よく記録でき る (表 2.1-01) 。また、デジタル伝送技術を用いて映像信号と複数チャンネルの音声信号 を重畳し一本の同軸ケーブルで送受信するSDI(シリアル・デジタル・インターフェー

ス)(図2.1-01) も現場のコンパクト化に大きく貢献している。

表2.1-01 撮影用記録媒体の体積と記録時間

カメラ名称 SONY HDW-F900

Panasonic Varicam AJ-HDC27F

Panasonic P2

HVX200 アリフレックス535

圧縮方式 HDCAM DVCPRO HD DVCPRO HD -

記録媒体 磁気テープ BCT-40HD

磁気テープ AJ-HP64ELG

半導体メモリ

AJ-P2C008HG 35mm フィルム サイズ 616.448立方センチ 142.35立方センチ 23.112立方センチ

x 2枚使用

約2080立方センチ 1000 ft 最大記録時間

(秒間24コマ) 50分 32分 40分 約11分

(21)

図2.1-01 シリアル・デジタル・インターフェース(SDI)

(2) 撮影後に即時再生が可能

内容を確認するために必ず現像工程が必要なフィルム撮影と違って即時にプレイバッ クが可能なデジタル撮影であれば、屋外のロケ現場でも撮影直後にポータブルタイプのマ スターモニタや波形モニタで最終品質とほぼ同じクオリティの映像を確認できる(図 2.1-02)。このように撮影されたショットをその場で分析し再度トライすべきか否か判断で きる点は、デジタル撮影の大きなアドバンテージである。前述したSDIを活かし、高速度 撮影の結果をハードディスクレコーダーに記録しスロー映像として再生する、あるいは現 場の視察に訪れたCMクライアント向けに巨大なプラズマディスプレイを用意して仕上が り品質に限りなく近いプレゼンテーションを実施するといった、オプション次第では実に 多彩なパフォーマンスを発揮するのがデジタル撮影現場の特色といえる。

(22)

(3) 同一媒体の再利用が可能で経済的

デジタル撮影は消去(上書き)により同一媒体を簡単に再利用可能なものがほとんどで、

使い捨てのフィルムに比べて環境にやさしく経済的である。また物理的に同一の記録媒体

(例;金属テープへの磁気記録)であってもアナログ信号を直接記録・再生するのに比べ、

デジタル信号記録はシャッフリングやエラー訂正の恩恵を受けられるため繰り返し利用で 懸念される映像品質の劣化を大幅に抑えることができる。

(4) コンピュータ環境への取り込みがスピーディ

高性能で安価なコンピュータを利用したCG(コンピューターグラフィックス)制作や ノンリニア編集が業界の主流となりつつある昨今、コンピュータ環境と相性がよい点はデ ジタル撮影の大きなメリットである。

フィルムで撮影された映像素材とCGで作成された映像素材をコンピュータ上で合成 するためには、フィルムを高解像度データに直接変換するフィルムスキャニング工程が必 要であり、フィルム自体の実尺に比べて膨大な時間を必要とする。

他方、デジタル撮影された映像素材については記録媒体がランダムアクセス可能かどう かで事情が異なる。記録媒体にビデオテープを採用したデジタル撮影システムの場合、撮 影された映像素材を再生しビデオキャプチャボードを介してハードディスクなどのランダ ムアクセス可能な記録媒体へ取り込むキャプチャ工程が必要となるが、再生に伴い実尺で 処理できる(高速再生・転送を実現し実尺以内でキャプチャが完了するシステムも存在す る)ため、フィルムスキャニング工程にくらべ能率的である。

最新のデジタル撮影では記録媒体そのものがコンピュータで直接扱える物理および論 理構造を備え、キャプチャ工程すら必要とせずコンピュータ環境へスムースに移行できる システム(図 2.1-03)も登場しており、利便性においてフィルム撮影とデジタル撮影の差は さらに大きく開きつつある。

ほかにも光ディスクやハードディスクなどのランダムアクセス可能な記録媒体を採用 した撮影システムがここ数年の間に次々と実戦投入されており、ほとんどのメーカーはP Cへの親和性をおもんばかりビデオテープからの路線転換を図る傾向にある。

(23)

図2.1-03 撮影用記録媒体がそのままPCで扱える Panasonic P2 システム

2.1.2 撮影機器

デジタルシネマ用のカメラとしては、一般的には、ソニーの1920×1080での撮影が可 能 な 「CineAlta」 と 、 松 下 電 器 産 業 の 1280×720 で の 撮 影 が 可 能 な 「Varicam

(AJHDC-27F)」が利用されている。CineAlta には、とHDW-F900 と HDC-F950があ る。HDW-F900が4:2:2RGB出力であるのに対し、HDC-F950は4:4:4 RGB出力対応で ある。

その他、フランスのThomson GrassValley社からCineAltaと同様の1920×1080での 撮影が可能な「VIPER」、ドイツの ARRI GROUP から 2880×2160 での撮影可能な

「ARRIFLEX D-20」、カナダのDALSA社から4K×2K(4046×2048)での撮影が可能な

「origin」などが発売されている。

(24)

表2.1-02 デジタルシネマに利用されている主なカメラリスト

図2.1-04 VariCam

24 25 30 50 1920×1080

3板2/3” CCD Thomson

Viper F.S

1~60 3018×2200

単板 35㎜ CMOS ARRI

ARRI D-20

1~50 1920×1080

単板 35㎜ CCD Panavisio

Genesis

0~36 4096×2048

単板 35㎜ CCD DALSA

Origin

4~60 1280×720

3板2/3” CCD 松下電器

VariCam

24 25 30 1920×1080

3板2/3” CCD Panavisio

HD-900F

HDW-F-900 Sony 3板2/3” CCD 1920×1080 24 25 30 HDW-F950

コマ数 有効画素

撮像素子 メーカー

製品名

(25)

図2.1-05 origin

2.1.3 撮影のデジタル化の状況

今年度、本委員会において、デジタルシネマの国内における現状調査として、どの程度 撮影のデジタル化が普及しているかについて調査を実施した。

調査の方法としては、「allcinema ONLINE 映画データベース

(http://www.allcinema.net/prog/powersearchform.php)」から2005年に公開された作品 数を検索し、該当する357作品についてWEBおよび電話アンケートにて撮影方法につい て調査を実施した。結果は以下のとおり。

(1) 2005 年度公開作品のデジタル撮影の状況

表2.1-03 2005年度公開作品のデジタル撮影の状況

フィルム撮影 133 デジタル撮影 144 アニメーション 38 未確認・不明 42

合計 357

(26)

図2.1-06 2005年度公開作品のデジタル撮影の状況(円グラフ)

調査の結果、フィルム撮影が 37%、デジタル撮影が 40%であり、デジタル撮影の作品 のほうが割合が多かった。また現在はそのほとんどがデジタルで制作されているアニメー

ションも11%あり、撮影のデジタル化は思ったより進んでいることが判明した。

(2) デジタル撮影作品の内訳

表2.1-04 デジタル撮影作品の内訳

デジタルで撮影された144作品のうち、VARICAMもしくはCINEALTAで撮影された と回答があった作品は 27 作品であった。しかしながら、制作会社においてもカメラのメ ーカーを把握していない会社も多く実際はもっと多くの作品が VARICAM もしくは

CINEALTAで撮影されていることが推測される。

なお、その他のデジタル撮影の内訳としては、DVやminiDVによる撮影が非常に多く、

予算が少ないためやむなくデジタル撮影を行っているケースが多かった。

37%

40%

11%

12%

フィルム撮影 デジタル撮影 アニメーション 未確認・不明

VARICAM 10

CINEALTA 17

その他・未確認 117

小計 144

(27)

7%

12%

81%

VARICAM CINEALTA その他・未確認

図2.1-07 デジタル撮影作品の内訳(円グラフ)

(3) フィルム撮影作品の内訳

表2.1-05 フィルム撮影作品の内訳

83%

15% 2%

35mm 16mm その他

35mm 111

16mm 20

その他 2

小計 133

(28)

フィルム撮影の内訳は、ほとんどが35mmフィルム撮影であった。そう考えると、16mm フィルムでの撮影は、ほぼその役割をデジタル撮影に譲ったのではないかと考えられる。

2.2 配給・上映のデジタル化

2.2.1 配給・上映のデジタル化のメリット

フィルムでの映画制作をデジタル化することにより、撮影に関して、以下の期待が持て ることについて前述した。

① 省スペース&軽量で高効率

② 撮影後に即時再生が可能

③ 同一媒体の再利用が可能で経済的

④ コンピュータ環境への取り込みがスピーディ

それに加えて、配給・上映面においても、デジタル化によって以下のようなことが期待 される。

⑤ フィルムを扱う人件費や配達、保管費のコスト削減

35mmフィルムは、1本の映画で30~40kg以上になり、1本のコピー料金が20~30万 円以上になる。スペース面も含めて、多額の保管費がかかる。また劣化することがある。

⑥ ストリーミング配信等、柔軟な上映形態の実現

⑦ アーカイブの効率化

その他、間接的な効果として、制作コストの削減により映画製作が活発化すれば、若手 クリエイターの製作機会増加や海外共同製作の拡大に繋がると期待される。また、デジタ ルコンテンツは上映の簡便さから上映場所を増やすことにつながり、地域での上映機会が 増加することも期待される。

一方、流通面から捉えると、一旦デジタルの配給ならびに上映システムが整備されると フィルムのプリントと輸送コストに比べて圧倒的な流通コストの低減が図れる。世界の 国々の中では映画流通においてフィルムコストの占める割合が大きな国は少なくはない。

そのような国においてデジタル化は流通システムの構図改革としての意味合いが重要にな ってくる場合もある。

(29)

2.2.2 上映機器

( 1 ) 再生機器

国内では、QuVIS 社の製品が多く利用されている。QuVIS 社は、「QuVIS Cinema

Player™ 」が、DCIの規格である4Kの解像度、JPEG2000の圧縮方式に対応している。

図2.2-01 QuVIS Cinema Player™

海外ではAVICA社の「FilmStore」やEVS社の「CineStore」等も利用されているが、

最近ではGDC Technology社のデジタルシネマ用の低価格サーバーがアジア諸国を中心に

急速にシェアを拡大しており、2006年1月末時点で、17ヶ国411台が導入されている。

表2.2-01 GDCサーバーの利用状況

No. 国名 導入数

1 Austria 8

2 China 146

3 France 2

4 Ger. 47

5 H.K. 1

6 India 72

7 Kenya 1

8 Korea 7

9 Netherlands 30 10 Singapore 26

11 Slovakia 3

12 Spain 7

13 Switzerland 2

14 Taiwan 5

15 Thai. 6

16 U.K. 13

17 U.S.A. 35

(30)

(2) プロジェクター

デジタルシネマとして利用されているプロジェクターは、テキサス・インスツルメンツ 社の開発したデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)素子を利用したDLPシネマ プロジェクターが一般的である。DLPシネマプロジェクターは、NECビューテクノロジ ー株式会社/DPI社、クリスティ・デジタル社、およびバルコ社から発売されている。

プロジェクターには、DLPの他に、液晶、L-COSといった方式がある。DLPは2Kま で上映することが可能である。液晶は三洋電機からフルHD(1920×1080)までの上映が 可能な「LP-HD10」が発売されている。L-COS(SONYはSXRD、JVCはD-ILAと名付 けている)のプロジェクターはソニーと日本ビクターの2社から販売されており、ソニー は、SXRD(Silicon X-tal Reflective Display)素子を利用した4K(4096×2160)プロジ ェクターである「SRX-R110(10,000 ANSIルーメン)」「SRX-R105(5,000 ANSIルーメ ン)」の2機種の販売している。

図2.2-02 4K SXRD Projector SRX-R110

(31)

2.3.3 映画館のデジタル化の現状

今年度、本委員会において、デジタルシネマの国内における現状調査として、どの程度 デジタルによる上映が普及しているかについて調査を実施した。

調査の方法としては「AOLエンタテインメント

(http://entertainment.aol.co.jp/movie/schedule/0010/mo-schedule.html)」から映画上映 館を検索し、該当する703館についてWEBおよび電話アンケートにて上映方法について 調査を実施した。結果は以下のとおり。

表2.2-02 2005年映画館におけるデジタル上映状況

7%

4%

0%

1%

73%

15%

DLPプロジェクター上映 過去にDLP上映あり 液晶プロジェクター上映 過去に液晶上映あり DLP上映なし 不明

図2.3-01 2005年映画館におけるデジタル上映状況

DLPプロジェクターによる上映を行っている映画館は 52 館(スクリーン数は70程度 である)また過去にイベントなどでDLPをレンタルして上映を行ったところも25館ある。

映画館数 DLPプロジェクター上映 52 過去にDLP上映あり 25 液晶プロジェクター上映 2

過去に液晶上映あり 6

DLP上映なし 516

不明 110

合計 703

(32)

を考えている予備軍と考えられるが、それをあわせても映画館全体の10%程度しかなく、

圧倒的にフィルムの映画館が多いのが現状である。

また、最近では「チキンリトル」の上映による 3D デジタルシネマが話題となったが、

国内では、AMCイクスピアリ16とワーナー・マイカル・シネマズ多摩センターの2ヶ所 の映画館において上映が行われたのみである。

2.4 事例紹介

2.4.1 デジタルシネマ共同トライアル「4K Pure Cinema」

2005年7月、DCIからデジタルシネマの技術仕様が発表された。それを受け、「Warner

Bros. Entertainment Inc.」「ワーナー エンターテインメント ジャパン」「NTT」「NTT

西日本」「東宝」が10月22日より、世界初の商業映画館へのDCI準拠の4Kデジタルシ ネマの配信「4K Pure Cinema」を開始した。

NTTの報道発表資料(http://www.ntt.co.jp/news/news05/0510/051011.html)を参照

図2.4-01 「4K Pure Cinema」実験システムの構成

なお今回の共同トライアルの目的は、DCI仕様デジタルシネマの配給から興行までのプ ロセスについて総合的な評価を実施することである。このためトライアルでは、DCI仕様

(33)

において最高水準となる4K規格(4,096×2,160画素、800万画素クラス)と、その4分 の1の画素数を持つ2K規格(2,048×1,080画素、200万画素クラス)の両方での上映を 予定しており、映像品質、運用体制、セキュリティ、ネットワーク配信や劇場運営のコス ト等について、映画鑑賞者による評価も交えながら、技術や運用などの観点から幅広く実 用性を検証する。

具体的には、日米間を高速光ファイバー実験回線でつなぎ、米国ワーナー・ブラザーズ とNTT横須賀研究開発センタで上映作品を加工した後、NTT西日本の大阪データセンタ へ配信、NTT横須賀研究開発センタおよびNTT西日本の大阪データセンタ内のサーバー から「VIRGIN TOHO CINEMAS 六本木ヒルズ」、「シネマ メディアージュ」、および

「TOHOシネマズ高槻」の3劇場にコンテンツを配信する。セキュリティについてはNTT 西日本の大阪データセンタからコンテンツを利用するための暗号鍵を生成し、上記3劇場 に配信される。なお各社の役割分担については、下記の通りである。

【ワーナー・ブラザーズおよびワーナー・ブラザーズジャパン】

· 送出センタの構築・運用管理

· DCI仕様準拠の高品質デジタルシネマコンテンツの提供

【NTT】

· 米国-日本、国内配信センタ間、都内劇場までの高速光ファイバー網の提供

· 配信センター(横須賀研究開発センタ)の提供

· DCI仕様に準拠したデジタルシネマ配信システムの提供

【NTT西日本】

· 西日本エリアにおける高速光ファイバー網の提供

· 配信センタ(大阪データセンタ)の提供

· デジタルシネマ用劇場機器制御装置の開発・提供

【東宝】

· 上映劇場の提供

· 劇場興行の運営

· デジタルシネマ上映システムの運用管理

(34)

2.4.2 4K D-Cinema テ ス ト プ ロ ダ ク シ ョ ン “ Time Express Boiler”

(1) はじめに

東京工科大学とタツノコプロダクションが共同で制作した“Time Express Boiler”は、

4Kディジタルシネマのパイロット映像である。このプロジェクトは将来の4KのDCI Spec ディジタルシネマ制作のための新しいワークフローの検討のためにおこなわれた。2005 年7月に公開された、「Digital Cinema System Specification V1.0」(以下「DCI Spec」

で指定される画質を生み出す上で、実際にどのような問題が想定されるのかを実験した。

実験結果は、2005年9月に開催されたiGrid2005 において、慶應義塾大学DMC機構

からSan Diegoまで、リアルタイム送信され上映された。また、東京国際映画祭Digital

TIFFシンポジウム「デジタルシネマのもたらす未来」にて公開された。

(2) 制作コンテンツの概要

テスト映像制作にあたり、対象となるコンテンツの企画、脚本、設定、デザインをタツ ノコプロダクションに依頼し、共同制作実験を行った。単なる実験用の映像ではなく、将 来的な商品としての展開を考慮することで、より実践的なテストを実現するためである。

次にTime Express Boilerのコンテンツ概要を示す。

· タイトル:「Time Express BOILER」

· ジャンル:タイムスリップ活劇3Dアニメーション

· 尺:1分強

図2.4-02 「Time Express Boiler」 ⓒ2005Tatsunoko/C_LAB

(35)

本テスト制作の目的は、DCI Spec に沿った映像素材制作における現状の課題を明らか にすることである。既存のハードウェア、ソフトウェアを駆使して3DCGアニメーション を制作し、その中で起きた問題点を分析する。そしてこのテスト結果を将来的なディジタ ルシネマコンテンツ制作における道標にすることを目標とした。

本テスト制作では、DCI Specにおける2種類の解像度のうち4K(横4,096×縦2,160)

による制作を行うこととした。2K(横2,048×縦1,080)と比較し、画面領域が4倍であ り画像処理にかかる負荷が増大する。4K のディジタルシネマ素材を CG で制作する事例 は世界初であり、より高負荷な制作環境により、多くの課題を明らかにする。

実際にDCI Specでは流通時の解像度の指定はあるものの、制作の素材の解像度に対し

ては指定がない。そのため、DCI Spec よりはるかに低い解像度で制作し、コンピュータ 上での拡大や、アップコンバートすることに対して制限がない。その場合は品質と作業コ ストとのバランスにより、制作スタジオが判断することになる。その際のひとつの指標と して、現時点で規格化されている解像度に対して、一切のアップコンバートなくマスタと して利用できる、4Kサイズを実験制作の制作解像度として決めた。

DCI Specを元に想定した当初の映像・音響素材の条件を示す。

· 解像度:4,096×2,160

· フレームレート:24fps

· 色深度:12bit以上

· 音楽音響:16ch、非圧縮

(3) 制作報告 (a) 制作環境

本テスト制作では市販されているハードウェア、ソフトウェアを使用した。テスト制作 に使用したハードウェアのスペックは次のとおり。

· DELL:Dimension XPS

· CPU:Pentium4 3.2GHz

· Memory:2GB

· Graphic:ATI Radeon 9800XT 256MB

ソフトウェアの選定に当たっては、コンテンツの映像素材としての条件を満たすものを 選んだ。しかし、プロジェクト開始時点では、12bit の色深度の画像ファイルの入出力に

対応した3D,2DCG制作ソフトウェアが存在しなかった。そのため、各色16bit Tiff形式

の画像ファイルの入出力に対応したソフトウェアを選び、最終出力を各色16bitのTiff形

(36)

· 3DCG制作:Autodesk 3ds MAX 7.5,Alias MAYA 6.5

· 合成:Discreet Combustion 3,Adobe After Effect 6

· 2DCG制作:Adobe Photoshop 7,Illustrator 10

· エンコード:自社開発(NTT)

· サウンド・MA:Protools他

(b) ワークフロー

本テスト制作は東京工科大学が進める3DCGアニメーション制作手法である「C-PALS 手法」に沿って行われた。C-PALS手法では、モデリングはプロダクション以前に行う。

このモデルを元に絵コンテに合わせて「ダイナミックコンテ」と呼ばれるプレビジュアラ イゼーションを行う。これによりカメラワークの確定や動きのタイミングなどを早めに FIXができる[4][5]。

デザイ ン 絵コ ン テ

モ デリ ン グ ダイ ナミ ッ ク コ ン テ

追加モ デリ ン グ アニメ ーシ ョ ン 設定 リ ギン グ・ 質感設定 エ フ ェ ク ト

カ ッ ト 制作

3 Dレ ン ダリ ン グ 合成・ グレ ーディ ン グ

2 Dレ ン ダリ ン グ

D-Cinem aデータ へのエ ン コ ード 音楽制作

効果音作成・ MA 連番画像

フ ァ イ ル

サウン ド フ ァ イ ル

カ ラ ー テ スト

図2.4-03 テスト制作のワークフロー

(c) ネットワーク体制

本テスト制作では、4K解像度、各色16bitレンダリングという点から、レンダリングサ ーバを用いたネットワークレンダリングが不可欠となる。中心的な制作スタジオとなる「コ ンテンツ・テクノロジー・センター」(以下「CTC」)に 100Mbps のネットワークを構築

(37)

し、その中に20台のレンダリングサーバ(Pentium4 Xeon 2.8GHz, Memory 1GB)を設 置した。また、他の建物内の28台のPC(Pentium3 Xeon 1GHz Dual,Memory 1GB)も レンダリングサーバとして利用した。

(4) 制作における問題点とその対処 (a) カラーマッチング

現時点では、DCI Spec の映像を制作スタジオ内で上映し確認することは困難である。

そのため、制作者はコンピュータディスプレイやマスタモニタの色再現からディジタルシ ネマの色再現をするしかない。本テスト制作では、所有するキャリブレーションモニタ

(Barco 社製 CID 421)とディジタルシネマ用プロジェクタの色見を視覚的に手作業で調 整することで対応した。キャリブレーションモニタを NTT 横須賀研究所に持ち込み、同 研究所の所有する 4K ディジタルシネマ用プロジェクタ(Sony 製 SXRD)の色味と劇場 に近い映写環境で調整した。

図2.4-01 キャリブレーションモニタの調整と4Kプロジェクタとのカラーマッチング

(b) ネットワークレンダリングの負荷

当初から3DCGのレンダリング処理に対する負荷については想定し、レンダリング体制 を構築した。しかし、当初は素材を蓄積しておくサーバと、レンダリング結果を蓄積する サーバを同じネットワークディスクとしていた。通常のスタンダードサイズの制作であれ ば、問題とはならなかったが、これがボトルネックとなり、素材サーバとレンダリング結 果の保存サーバを別にした。また、制作終盤に同時にレンダリング負荷がかかることを想 定し、素材サーバは高速な専用サーバを用意しネットワークもギガビットで構築すべきで ある。また、2D の合成処理も同様にレンダリングに時間がかるため、事前から作業時間 を予測しておく必要がある。

(38)

(c) 分散レンダリングにおけるソフトウェアの仕様

レンダリングサーバを用いる場合でも、1台のネットワーク上の CPU では処理が出来 ないケースが多発した。そのため、複数の CPU に振り分けてレンダリングを行った。試 行の結果、1枚の画像を10台のCPUに分けることで安全にレンダリングが出来ることが わかった。しかし、アニメーション特有のモーションブラー処理を加えた場合、ファイル を分割するつなぎ目のところが整合性が取れないという事態が起きた。最終的にブラーは 2DCGソフトウェア上で行った。

(d) メモリ不足による限界

今回のテストで使用したソフトウェアの多くは最新バージョンのものである。しかし、

事前に4K,DCI Specの制作に対応したものではない。そのため、ソフトウェアが推奨す

るハードウェアスペックを満たしていても、いくつかの点で問題が生じた。次にその問題 について示す。

· 3DCG ソフトウェアでマップ用素材の出力の際 6,000×3,164pixel では圧縮できず BMP形式で出力した

· 上記の素材に対して2DCGソフトウェアのフィルタ処理が完了できなかった

(e) 音響・音楽の制作および視聴環境の問題

音響・音楽は映像以上に制作環境や視聴環境に配慮が必要である。DCI Spec で要求され ている 16ch の非圧縮音響・音楽のためのソース制作は行ったが、視聴環境がないため最 終的にミックスダウンを余儀なくされた。その際 16ch に対応したパンナーがない点やそ もそも、16chで作成者ですら視聴できないなどの問題が明らかになった。

(5) 今後の展望

デジタルシネマが普及し、4K 解像度の制作に対する要求が高くなった場合、特に重要と なるのがネットワークの速度である。現時点では、大容量サーバと高速ネットワーク、高 速なレンダリングサーバといった部分が基本的なボトルネックである。もちろん現時点で も、すでに多くの製品がこの問題を解決している。しかし、制作会社が独自で調達し維持 していくことを考えると、こうした高速ネットワークを介した計算力の提供は、今後の日 本のデジタルシネマコンテンツ制作に必要な技術のひとつであると考えられる。

(39)

参考文献:

[1] Digital Cinema Initiatives,:” Digital Cinema System Specification V1.0”, Digital Cinema Initiatives, LLC, Los Angeles(2005)

[2] 東京工科大学編:“デジタルアニメマニュアル 2004-2005”,東京工科大学 東 京 (2005)

[3] Charles S. Swartz,:“Understanding Digital Cinema”, Focal Press, Boston(2004)

[4] 岡本直樹, 三上浩司, 金子満:”分業型セルタッチアニメ制作の効率的なワーク フローの実証と考察”,第18回NICOGRAPH論文コンテスト論文集,pp75-80,(2002)

[5] 岡本直樹, 金子満, 三上浩司他 3 名:”次世代のテレビアニメ制作手法の研究開

発”,第17回NICOGRAPH論文コンテスト論文集,pp105-110,(2001)

[6] 藤井哲郎, 萩本和男, 小野定康,:”超高精細(SHD)映像流通プラットフォーム”, NTT R&D, Vol.50 No.8, pp534-537( 2001)

(40)

第 3 章 デジタルシネマの政策ならびに標準化動向

3.1 米国の標準化動向

米国ハリウッドの大手映画制作・配給会社7社(ディズニー、ソニーピクチャーズエン ターテインメント、ワーナー・ブラザーズ、ユニバーサル・スタジオ、パラマウント・ピ クチャーズ、20世紀フォックス)によって設立された有限責任会社Digital Cinema

Initiative LLCから、ハリウッド映画のデジタル配給・上映に対する要求仕様Ver1.0(以

下DCI-SpecV1.0と称する)が平成17年7月に公開された。

具体的な規格審議については米国映画テレビ技術協会(SMPTE:Society of Motion Picture and Television Engineers)のデジタルシネマのフォーマットを標準化する委員会

であるDC-28に一任することになった。

本節ではDCI-SpecV1.0に記載されている要求仕様の概要について紹介する。

3.1.1 DCI 規格の概要

図3.1-01 DSMを構成するデータ

(41)

図3.1-01には映画制作スタジオ・プロダクションから納品されるDSM(Digital Source Master)を構成する映像・音声・字幕・タイトル・制作者一覧などのデータをデジタル配 給用マスターファイルに変換し、JPEG2000形式による圧縮と暗号化処理の工程を経て、

配給興業契約にもとづくか暗号化処理を行った後に、衛星・ネットワーク・物理的手段な どにより映画館に配給され、興業契約にもとづく認証キーによる暗号化解除とJPEG2000 による圧縮処理の複合化処理がなされて上映に至る工程が示されている。

この工程図でしめされているように、映像・音声・字幕(subtitles)・注釈・補助データ により構成される映画配給用マスター(DCDM)は映像データとイメージ化された字幕デ

ータがJPEG2Kで圧縮された後にセキュリティマネージャーによりリール単位で映像・

音声・字幕・注釈データが暗号化されて配給用パッケージファイル(DCP)となる。

DCPの配給は衛星/地上通信回線または物流(HDDまたはDVDが主流)により配給さ れるが、セキュリティマネージャーによる暗号化解読キーは別の輸送手段を使用して興業 契約を結んだ映画館に送付される。

暗号化されない補助データは表示制御用の映像・休憩・エンドクレジットの先頭フレー ムとエンドクレジット暗転先頭フレーム、映像最終グレームのタイムコードが

SMPTE12Mによる24FPSLTC形式(毎秒24フレームのリニアデータタイムコード)で

記載されている

図3.1-02 映画館での暗号化キー認証およびJPEG2000の伸張処理工程

図 2.1-01  シリアル・デジタル・インターフェース(SDI)  (2)   撮影後に即時再生が可能 内容を確認するために必ず現像工程が必要なフィルム撮影と違って即時にプレイバッ クが可能なデジタル撮影であれば、屋外のロケ現場でも撮影直後にポータブルタイプのマ スターモニタや波形モニタで最終品質とほぼ同じクオリティの映像を確認できる(図 2.1-02)。このように撮影されたショットをその場で分析し再度トライすべきか否か判断で きる点は、デジタル撮影の大きなアドバンテージである。前述した SDI を活かし
図 2.1-03  撮影用記録媒体がそのまま PC で扱える  Panasonic P2  システム  2.1.2   撮影機器 デジタルシネマ用のカメラとしては、一般的には、ソニーの 1920×1080 での撮影が可 能 な 「 CineAlta 」 と 、 松 下 電 器 産 業 の 1280 × 720 で の 撮 影 が 可 能 な 「 Varicam (AJHDC-27F)」が利用されている。CineAlta には、と HDW-F900 と  HDC-F950 があ る。HDW-F900 が 4:
図 2.1-05  origin  2.1.3  撮影のデジタル化の状況    今年度、本委員会において、デジタルシネマの国内における現状調査として、どの程度 撮影のデジタル化が普及しているかについて調査を実施した。    調査の方法としては、「allcinema ONLINE  映画データベース  (http://www.allcinema.net/prog/powersearchform.php)」から 2005 年に公開された作品 数を検索し、該当する 357 作品について WEB および電話アンケー
図 2.1-06  2005 年度公開作品のデジタル撮影の状況(円グラフ)    調査の結果、フィルム撮影が 37%、デジタル撮影が 40%であり、デジタル撮影の作品 のほうが割合が多かった。また現在はそのほとんどがデジタルで制作されているアニメー ションも 11%あり、撮影のデジタル化は思ったより進んでいることが判明した。  (2)  デジタル撮影作品の内訳  表 2.1-04  デジタル撮影作品の内訳  デジタルで撮影された 144 作品のうち、VARICAM もしくは CINEALTA で撮影された
+7

参照

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