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情報社会と情報倫理

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Academic year: 2021

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1 情報社会と情報倫理 講義レジメ

担当:和田知久 (ファイヤー和田)

所属:琉球大学 工学部 情報工学科

○皆さんは現在大学生で、毎日大変な勉強をしていると思います。「何故勉強するのか?」ということを 考えると、色んな答えがでてくるかと思います。

新たなことを学ぶと、何か自分が成長した気がします。また、それを実際に活用して、社会でなにか有 意義なことを実現したいと思うかと思います。それでも、自分が理想とする何かにはまだまだ不足で、

もっと色々なことを調べて新たな発想を生み出したいのかと思います。

学生時代には、教科書と教師がいて、勉強することができましたが、ある程度のレベルになると、形式 的に教えてもらう機会は少なくなり、国際学会で他人の発表(知見)を聞いて学んだり、専門の先生方 の特別なセミナーをわざわざ出かけたり、費用もかけて学ぶことになります。

1)「守・破・離」

指導者から何かを学び始めてから、ひとり立ちしていくまでに人は、『守』『破』『離』という順に段階 を進んでいきます。

『守』

最初の段階では、指導者の教えを守っていきます。 できるだけ多くの話を聞き、指導者の行動を見習っ て、指導者の価値観をも自分のものにしていきます。 学ぶ人は、すべてを習得できたと感じるまでは、

指導者の指導の通りの行動をします。 そして、指導者が「疑問に対して自分で考えろ」と言うことが多 くなったら、次の段階に移っていきます。

『破』

次の段階では、指導者の教えを守るだけではなく、破る行為をしてみます。 自分独自に工夫して、指導 者の教えになかった方法を試してみます。 そして、うまくいけば、自分なりの発展を試みていきます。

『離』

最後の段階では、指導者のもとから離れて、自分自身で学んだ内容を発展させていきます。

どの道にも必ず型というものがあります。そして、繰り返し繰り返し、型の稽古をしなければなりま せん。型は昔から代々受け継がれてきているが、実は少しずつ工夫が加わって次第に良いものだけが残 されてきています。 型は常に同じものではなく、変化しているのです。 受け継いだものを守り、現代

(いま)に合わなくなったものを捨て去り、そこに新しく、独自の工夫を加え、それを繰り返す。そし て今までの型を越える、独自の世界(オリジナリティ)を創り出していってください。

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○数年前までは、日本だけでなく世界的に好景気であり、職に対する求人も多数ありましたが、リーマ ンショック(金融ショック)を境に、景気が悪化し、社会に出ていくことに不安があるかと思います。

職業の目的として、正しい考え方を紹介します。「本当に自分で、正しいと思えるか」は日々の生活の 中で、色々なことに気付いたときに、再度「その考え方を確認」し、何度も何度も「確かに合っている」

という検証をすることで確信が持てます。

このような不況の時期になると、困ったことも発生し、精神的に不安になることもありますが、こん なときこそ「自分の中に確固たる強い考え=信念」をもつ必要があります。うわべの安易の考えに流さ れて行くと、自分を見失います。特に、信頼できる重要な先輩・友達・師をもてるとよいですね!

2)職業の目的

1.自己実現(職を通して自分を磨きたい、人間性を向上したい。)

2.社会奉仕

3.経済(お金を稼ぐ)

○職業の目的は自己実現を一番にすべきです。以前の穂苅先生の講義で、仕事の第一の目的が「金儲 け・生活の維持」ではどうか?という質問があった時、穂苅先生は以下のように回答しました。

「仕事の第一の目的を金儲けや生活の維持にすると、たいしたことのない人間になってしまう。自己 実現すなわち自己の成長を優先していないのだから、長年の間にがんばっている人たちと、精神的に も技量的にも差が生まれ、結果的に社会から責任のある仕事を任されたりするチャンスが減る。金儲 けや生活を目的にしているにも関わらず、成長していない人は成功から遠ざかり、収入も付いてこな くなる。」

これは面白いことで、目先の目標として「金儲け・生活の維持」を第一にしては、いけない。もっと大 きな何かを目標にすべきで、自己の成長にともなって「経済」もついてくるということです。

明治時代に札幌農学校(現北海道大学)の初代教頭だったクラーク博士が残した有名な言葉に“Boys be ambitious !”があります。 じつは、この後に続く言葉があります。

“Boys be ambitious ! Be ambitious not for money or selfish aggrandizement , not for that evanescent thing which men call fame . Be anbitious for the attainment of all that a man ought to be .”

訳すと、次のようになります。

少年よ、大志を抱け。

しかし、金を求める大志であってはならない。

利己心を求める大志であってはならない。

名声という、つかの間のものを求める大志であってはならない。

人間としてあるべき すべてのものを 求める大志を抱きたまえ。

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○学生の後は社会人へと人生が続くわけですが、すこし、学生と社会を比較してみましょう。

3)学生生活と社会生活の違い

学生生活 社会生活

自律性(コントロールするのは自分の意思) 他律性(上司や責任)

思考 行動

規則小 規則大

責任小(親が責任を取る) 責任大(所謂、社会人の自覚)

理論 実践

学生生活と社会生活の違いを上記に簡単にまとめてみました。大きな変化であることは間違いないが、

学生時代に育んだ「思考力」「理論武装」を実際の「行動」「実践」できる場であり、自己実現(自己の 成長)にとって、社会生活は必須です。

○学生時代の「思考力」「理論武装」が不足していると、基礎体力なしにスポーツをするようなもので、

社会での成長が遅くなるでしょう!

○学生生活の道のりの延長に社会生活があり。よい学生生活はよい社会生活へ自然につながります。

4)会社が望む人 (=実は 社会が望む人である ) 1.心身の健康な人

(ア) 人と環境の調和が取れた人 (イ) 適応性が高い人

2.責任感の強い人

(ア) 仕事に筋金を入れてゆく (イ) 上司が安心してまかせてゆく (ウ) 小さなことの積み重ね 3.協調性のある人

(ア) チームワークで生きている (イ) 個性を発揮しつつ調和を保つ 4.誠実な人

(ア) 自己反省の出来る人 (イ) 真心

(ウ) させて頂きます。

(エ) 感謝・報恩のできる

○社会に出る前に、このような人物になるために本来は「教育」があるのかと思う。

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【教育とは : 知識を豊かにし、正しい判断力と創造力を養い、豊かな情操を育て、意志の強い人間 に育てること。】

情操:真・善・美・聖などの人間の価値観で最も複雑で、高次の感情。感情の中で、最も安定した形 をとり、知的作用・価値を伴う。

○現在は、知識偏重主義の教育体系となっており、人間はもともと道徳的には善という前提にあるよう であるが、最近では「教育再生」等のキーワードがあるが、道徳的な教育を見直す話題が多くなってき ているように見える。

5)大卒に求められていること

1.社会では中卒・高卒・専門学校卒など沢山の人が働いている。大卒は、給与が高く設定されてい る。すなわち、専門的技能やリーダーシップで、人々を引っ張ってゆくことが望まれる場合が多い。

2.単なるプログラミングスキルでは、専門学校卒の方が優秀な場合があるかもしれないが、社会生 活では「未知なる問題」が多数発生する。そのような、教科書どおりでないことに対応する問題解決能 力が望まれている。そのためには、部分的な理解ではなく、全体的な理解、幅広い知識が求められてい る。

○そういう、社会が望む人間にどうすれば成長していけるのか?そういうことに疑問を持った学生も多 いのではないかと思います。前回の講義で、2つのことを身につける必要があると話しました。

1.学者・技術家・企業家になる技術 小さな努力で、大きな成果 合理化で社会効率をあげる

2.社会に認められる精神的能力(徳)

大きな努力で、小さな成果 人の精神を成長、品性を向上 より質の高い社会を実現する

1.は目に見える科学技術的な面であり、多くの大学の講義と合致する 2.は目に見えない精神的成長の面であり、心の成長が大切である。

以下、いくつかの心の成長へのヒントを紹介する。

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5 6)心の三つの特質

1.心をどのように使おうと自由である。

2.心をどれだけ使っても浪費はなく、無限大に使える。

3.そして、使った心が増大される。

○良い心をどんどん使うことが大切。

7)自分で自分を変えるヒント 明言(明らかに言うこと)

公言(人前で堂々と言うこと)

断言(はっきり言い切ること)

○最初の一歩として、どういう人になりたいか?紙に書いてみては?

○私の会社設立の一歩目も紙に書いた思いでした。

○書いてどうなるの?という因果律を求めがちであるが、経験では予測ができないことが多い。

逆に予測できる考え方では、人生が小さいものになってしまう。破天荒な生き方の逆である。

○破天荒な生き方:天荒とは天地が別れる前の混沌とした状態。そこから破天荒は『それまで誰もやら なかった驚嘆すべきことを成し遂げる、またはそういう現象が起こるさま』

8)自分の鍛え方(稽古の仕方)

○講義で理屈を学んでも、稽古しないと身につかない=成長しない

→成長しないと何の効果も現れない (成長することが大切!)

1.猿真似はしない。自分で工夫する。 (工夫ゲイコ)

2.本番とおなじような真剣な取り組み。 (数ゲイコ)

3.うまい人を見て研究する。(優れた人の事跡、偉人賢人の本を読む)(見取りゲイコ)

○どんどん大きな声で挨拶を続ける。

○ゴミひろいを続ける など

9)人生は選択の連続・岐路がある。プラス思考で乗り切れ!

出産、入学、就職、結婚など選択しなくてはならないことが人生には多々ある。

○ 判断の基準は、自分が進化する方向へ進む。退化する方向へ進んではいけない。

○ そして、その選択の責任を他のせいにしてはいけない。(負の考え方)はダメ!

○ 前向き、プラス思考 (広い心、感謝の心、とらわれない心、待つ心、受け入れる心、喜びの心)

が進化につながる。

○「何が起きても、好都合と言おう!」

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○以下やや蛇足であるが、工学部情報工学科を将来出て行って社会に出てゆく前に、社会のことを少し お話する。人間それぞれ、違っており、得意・不得意があるものである。リーダーシップの強いもの、

詳細な細かい技術に強いもの、物事を大きく捉えるのが得意なもの。それぞれの特性を生かして、社会 に貢献できる。

10)親会社・子会社という会社システムについて

よく、就職を控えた学生達に、なるべく親会社に行った方が良いのではと言っている。これには、以 下のような傾向があるからである。(絶対ではなく、あくまでも傾向である。)

1.結局実際の仕事をするチームは会社ごとに編成されるのではなく、親会社のメンバー、子会社の メンバー、その他協力会社のメンバーなどで組織される場合が多く。親会社がリーダーであるプロジェ クトである場合が多い。子会社系では、どうしてもリーダーとして(実質のリーダーである可能性は十 分あるが)活躍する機会が少なくなる。言い換えると、有能な人ほど、自分が中心になってうまく運営 したい欲求が強くなるが、そのためには活躍しやすい場に行くべきである。

2.一般的に、上記仕事の責任のレベルの違いにより、給与に差がでやすい。通常、子会社の社員は どうしても、親会社の社員より給与が低くなる。給与より、自己実現が優先と言っているのに、この話 は興ざめかも知れないが、逆に言うと、親会社の方が責任の強い、やりがいのある仕事にめぐり合うチ ャンスが大きいということである。

3.子会社の持ち主は誰か?これは、株式会社では株主が会社の持ち主となるので、子会社は親会社 の持ちものということになる。これは、社長や上部役員が、昇進で上がるのではなく、親会社からの出 向や転籍の場合が多いことを意味する。

4.しかし、個人の力で回りに影響を与え、次第に自分のまわりの状況を変えてゆくことももちろん できる。

5.このような「責任の強い、やりがいのある仕事」を任されるためには、成長(技術と精神の両方)

が必要であり、学生時代により大きい成長を目指してほしい。

11)学卒と修士卒の違い

1.年齢が2歳異なるが、知的な技量が求められているような会社では、学卒と修士の初任給は異な る場合がほとんど。(沖縄県内では差がない企業も多い、本土では少ない)

2.修士時代の研究経験などを考慮して、修士優先に社内での配属が決まる場合が多いので、特定の 分野で特に活躍したい学生は学歴をつけた方がよい。(誤解してほしくはないが、学歴という経歴が重要 ではなく、実力をつけることが重要で、その結果学歴がついてくる。

3.大手企業で、とくに開発研究系では将来論文等を書き、会社に属しながら博士号を取るケースが 多く(私もですが)、どこかで修士号が必要になる場合がある。

4.社会生活にて成長して、将来親会社に転籍して、「責任の強い、やりがいのある仕事」を任されて ゆくという方法もある。逆に、修士として教育を優先して、その間に成長するという方法もある。

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7 12)大きな成果を生むためには

個人でやれることの限界は低い。

大きな成果を生むには「チームワーク」が必須である。

チームにはリーダーとフォロワーがいる。

リーダーとは影響を与える人 フォロワーとは被影響者

リーダとしての資質・条件を紹介しておく。

1.人間的魅力 2.判断力・決断力 3.実行力

4.指導力

5.演技力・演出力・根回し上手

○1の人間的魅力とは「社会に認められる精神的能力(徳)」と同じかと思う。

13)リーダーシップの発揮

○全員がリーダーシップを発揮する必要はないかもしれないが、いつでも誰かがリーダーシップの発揮 を求められている。誰もいないと、そのグループは烏合の衆になってしまう。

○生まれつきの素質・権限・地位 :30%

○メンバーからの支持 :70%

メンバーからの支持を得るには

(1) リーダーの自己研鑽

(2) 率先垂範(先に立って模範を示すこと。 勇気が必要!)

(3) 人間味豊か

(4) 安全至上主義や和の至上主義はダメ!

○上に立つものは人一倍(一倍とは現在の2倍の意味)の努力が必要である。

烏合の衆:規律や統制もなく、ただ寄り集まっただけの群衆・軍勢。役立たずな人々の集まり。

以上

宿題2)以下を参照ください。

https://webclass.cc.u-ryukyu.ac.jp/

参照

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