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A Study on an Appropriate Domestic Wastewater Tariff - A Case Study in Ho Chi Minh City, Vietnam

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Academic year: 2021

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A Study on an Appropriate Domestic Wastewater Tariff ‑ A Case Study in Ho Chi Minh City, Vietnam

著者 LE THI PHUONG TRUC

学位授与大学 東洋大学

取得学位 博士

学位の分野 国際地域学

報告番号 32663甲第457号

学位授与年月日 2019‑09‑25

URL http://id.nii.ac.jp/1060/00011255/

Creative Commons : 表示 ‑ 非営利 ‑ 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by‑nc‑nd/3.0/deed.ja

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氏 名 ( 本 籍 地 ) LE THI PHUONG TRUC(ベトナム)

学 位 の 種 類 博士(国際地域学)

報 告 ・ 学 位 記 番 号 甲第457号(甲(国)第27号)

学 位 記 授 与 の 日 付 2019年9月25日

学 位 記 授 与 の 要 件 本学学位規程第3条第1項該当

学 位 論 文 題 目 A Study on an Appropriate Domestic Wastewater Tariff - A Case Study in Ho Chi Minh City, Vietnam

(和訳:途上国における適切な下水道料金体系に関する研究ー ベトナム・ホーチミン市を対象として)

論 文 審 査 委 員 主査 教授 博士(工学) 荒巻 俊也 副査 教授 工学博士 北脇 秀敏 副査 教授 博士(工学) 松丸 亮 副査 東京大学大学院准教授

博士(工学) 栗栖 聖

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東洋大学大学院

学位論文審査結果報告書〔甲〕

【論文審査】

開発途上国の大都市域では急速な都市化と経済発展が進む一方で,生活環境の健全性を保ちつつ市民 の生活や経済活動を支えるさまざまなインフラの整備は遅れ気味である。特に下水道施設は生活環境の 健全性を保つうえで重要な施設ではあるものの,他のインフラと比べ整備が遅れる傾向にある。下水道 施設は都市内の雨水や廃水を収集し都市の外に排除する管路施設と,集めた廃水を処理し,受水域の水 質保全を図る水処理施設からなり,これらの施設の建設および運用には多額の費用がかかる。雨水の排 除など公的な負担として考えるべき部分はあるものの,廃水の収集は直接利用者への便益となること,

および汚染者負担の原則から,利用者からの料金負担によりこれらの費用は賄われるべきものである。

しかし,水道などの他のインフラサービスと異なり,下水道導入による利用者への効果は直接的に利用 者にとって感じづらいものである。そのようなこともあり,開発途上国では下水道の導入は進みつつあ るものの,下水道料金という形で利用者に直接費用負担を求められていない都市もある。

ホーチミン市は人口規模,経済規模ではベトナム第一の都市であり,現在下水処理施設の導入計画が 作成され,導入が徐々に行われている。しかし,下水道料金は導入されておらず,すでに導入されてい る処理施設の維持管理費用などは水道料金に対して一律の割合の金額を環境保護費という名目で回収 し,その一部を充てている状況である。今後処理施設の導入を急速に進める計画となっているが,その 建設費ばかりでなく維持管理費をどのように確保していくかが重要な課題となっている。下水道料金と して回収したときにどのような料金体系や料金レベルの設定が適切なのか,事業者側および利用者側の 双方の視点から検討しておく必要がある。

利用者側の視点では,利用者の支払い意思や,どの程度のレベルの料金であれば許容されうるのかを 検討しておく必要がある。まだ,下水道が導入されていない時点で利用者の支払い意思やその金額を推 定することになるが,その方法として仮想評価法(CVM)が広く用いられている。しかし,ベトナムに おいては都市域の下水道とそれに伴う料金体系の導入について,仮想評価法により地域住民の支払意思 額を検討した事例がなく,支払意思の有無やそのレベルについて十分な検討が行われていない。

そこでこの論文では,ホーチミン市において下水道への支払意思額や水環境などさまざまな意識等を 問う住民アンケートを実施し,仮想評価法により支払意思額を推計するとともに,支払意思に影響を与 える要因について分析を行った。さらに,このアンケート調査の結果と関係者へのヒアリングや文献調 査をもとに下水道料金の体系や料金レベルをシナリオとして設定し,2020 年から 2025 年にかけて下水 道整備計画に基づいて必要となる費用に対して十分な収入が確保できるか,支払意思額や収入に対して 受容可能な料金水準にあるかを検討している。

本論文は 9 章から構成されているが,以下にその概要を示す。

第 1 章の序論の後,第 2 章では対象となるホーチミン市の概要と水道や下水道の現況および計画を整 理している。第 3 章は CVM の方法論と途上国や水分野での適用事例についてレビューするとともに,下 水道における料金体系の設定に関する研究事例を調査している。

第 4 章から第 6 章にかけては,アンケート調査の方法や結果,考察について記述している。第 4 章で は,CVM 調査のための質問票のデザインについて検討するとともに 2 段階 2 肢選択方式を採用すること

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について述べるとともに,アンケート調査の実施概要について説明している。第 5 章では,アンケート 調査における各質問の結果を記述するとともに,アンケートの実施前に市の下水道計画について説明を 行ったケースと行わなかったケースでの結果の違いについて議論を行った。第 6 章では,支払いに対す る抵抗解答とその理由について分析するとともに,2 段階 2 肢選択の結果すべてを利用したケースや 1 段階目のみの表明結果を利用したケースなど複数のケースにおいて,支払意思に影響を与える要因につ いて分析を行った。さらに得られた結果から複数のモデルを用いて平均的な支払意思額を推定した。

第 7 章から第 8 章にかけては,料金体系や料金レベルのシナリオの設定とそれにもとづく分析結果を 議論した。第 7 章ではホーチミン市の下水部門における資金調達の現状や課題について説明するととも に,その在り方について議論している。第 8 章では,複数の料金体系や料金レベルについてのシナリオ を設定し,2020 年~2025 年にかけて必要となるコストを算出してシナリオで設定した料金レベルで回 収できる金額との比較を行うとともに,支払意思額や収入レベルと料金レベルを比較することにより受 容可能性について議論を行った。さらに,料金体系の公平性等について議論を行っている。

これらの結果をもとに 9 章で結論をまとめている。

3 回実施された審査会では,下水道の導入過程にある地域において利用予定者の支払意思額を推定し ていること,さらに他のインフラと異なり導入の直接的な効果が実感しづらい下水道事業において支払 意思だけでなく,支払意思にかかわる要因を詳細に分析していること,など独創的な成果であることが 確認された。さらに料金体系や料金レベルのシナリオについて,必要とされる費用や支払意思額等との 比較,支払いに対する抵抗解答の分析など実務的な面からも有用な成果であることが確認された。

【審査結果】

下水道などの社会インフラの料金体系や料金レベルについては通常実務的な観点から多くの検討が なされている。しかし本論文では,下水道の導入過程にあり,かつ下水道料金が導入されていない地域 において,支払意思額や支払い意思とその要因についての調査結果とともに適切な料金体系や料金レベ ルについて議論した点において,実用的な価値だけでなく,十分な学術的な価値を有している。利用者 が直接的な効果を実感しづらい下水道というインフラストラクチャ―を発展途上の都市に導入してい くうえで貴重な知見を提供するものと思われ,国際地域学研究科(国際地域学専攻)の博士学位審査基 準に照らしても妥当な研究内容であると認められる。

従って、所定の試験結果と論文評価に基づき、本審査委員会は全員一致をもって Le Thi Phuong Truc 氏の博士学位請求論文は、本学博士学位を授与するに相応しいものと判断する。

参照

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