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教科・領域教育専攻

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Academic year: 2021

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- 235 -

A Diachronic Study of No‑negation in English 

教科・領域教育専攻

言語系コース(英語) 来 原 崇 丈

本研究では英語における否定辞m を用いた 否定表現

( n

σnegation)について通時的に考察 する。現代英語では否定の意味を表す擦には一 般的に否定辞notを用いる(notnegation)。

(I) a. He did notwrite any letters that day.  b. He wrote no letters that day. 

(

τ

出ie

1991: 87) 

このようにnotnegationとnσnegationの両方 を用いること可能な場合もあるが,それぞれの 使用法には違いもある。また,このnotを用い た否定表現は比較的新しいものであり,過去に は否定辞 noを用いた否定表現の方が多く用い られており3 その使用頻度の割合は一定で、はな し、(家入2001)。

(2) a. 

Not any rain fell. 

b.  Norain fell.  (ibid.

  , :

88) 

先行研究により, (2)のように,現代英語では notを用いた否定表現は定動詞より前に現れる ことができないが,noを用いた場合は可能であ ることや(Tottie,1991),  be動詞やhaveが主動 詞の場合にnσnegationが現れやすいなどの特 徴の違いが指摘されている侶ib 1999)。この ように notを用いた否定表現についてや,no  とnotの関係性,また大まかな鞘蜘こついては

指導教員 虞 野 美 穂

明らかにされているが,noを用いた否定表現の 持つ鞘敷については明らカヰこされていなし

L

そ こで,近代英語(1700年以降)から現代英語にか けてnσnegationの頻度・用法がどのように変 化したかについて,コーパスを用いて調査を行 った。

な お , 本 研 究 で は , Penn  Corpora  of  Historical English (

P

PCl四)とし、う中英語期 (1100年'"'‑'1500年)から第一次世界大戦までの イギリスの散文を収録したコーパスを主に用い,

コンコーダンサとして使用頻度の変化などの量 的分析にはAntconc

任 . a

urens,2011)を,統語的 特性などの質的分析には

τh

油 田 武 田arch (Tsukno加,2013)を用いた。

本研究ではまず,これらのコーパスを用いて 初期中英語から現代英語までのnσnegationと notnegation rr,使用頻度の割合の変化を明らか にした。その結果 nσnegationは中英語期ま ではnotnegationより多く用いられていたが,

1400年ごろを境にその使用頻度は入れ替わり,

その後現在に至るまで notnegationの方が主 に使用されていることが明らかとなったO この 日寺代はW出品m Cctonによる印刷技術の普及 など,標準英語の普及が急速に加速した

H

t

で あり,それらの影響でnotnegationが優勢にな ったと考えられる。

次に,分析対象を PennParsed Corpus of  Modern British English (pPCl¥居E) とし、う

(2)

- 236 - 近 代 英 語 に 限 定 さ れ た コ ー パ ス に 絞 り ,

nσnegationの持つ統諦句特性lこついて詳細に 考察を行った。この際,後期近代英語期さらに 17001769

1770"1839

, 

18401914の約70年 ごとの三つのH割~~こ分け,各時代毎に調査・分 析を行った。

まず,noの含まれる句をその麟買と統諦句特 性によって分類したO 名詞句・副詞句・形容詞 句という視点で見た場合,名詞句としての使用 が増えていることが明らかとなっ t~ さらに,

名詞句を,主語・目的語・数量詞句・前置詞句・

名詞句 .the:re沼会re構文に分けた場合,主語位 置と thθ're構文で、の使用は増加する一方で,目 的語位置と数量詞句内での使用は減少している

ことが分かった。

次に,noの直後に現れる語とその品詞につい て調査を行った。その結果,noの直後にはmore,

Inerの頻度が有意に減少し,doubtが現れる ことが多くなっていることが分かった。これら の単語を品詞ごとに見た場合, n肘名言可'の形で、

の使用は増加し, no十数量詔'で、の使用が減少し ていることが分かったO しかし,それぞれの単 語の使用頻度は入れ替わってし、るが共起しやす い語全体を見ると大きく変化はなかった。

また,統語的特性として特に顕著に増加して い た 泊θ m構文で、の使用に関してさらなる分析 を行ったところ,純粋なnσnegationの使用量 という点でも, notnegationとの使用頻度の割 合の変化という点でも顕著に増加しているとい

う結果となった。

最後に nσnegationの現れる文の主動詞と してどのようなものが現れやす九、のかを調査し た。調査にあたって,主動詞を,there構文の bebe動詞 .haveA助動調用法を除く)・その他 の動詞,の

4

区分に分けた。その結果,まず先

述のように there構文で、の使用は増加している が,それ以外にも主動詞として be動詞が用い られることが多かったO 次に,これらの主動詞 ごとに noが主言割立置で王尉もるのか, 目的語位 置に現れるの料こよって分類した結果,be動詞 とその他の動詞が主主訪詞として用いられる際の 主語位置での使用が増加しており,その一方で その他の動詞の目的語位置で用いられているこ とは減少していることが分かったO 主動詞の使 用傾向に大きく影響を与えているその他の動詞 について詳細に見た結果,出現数の上位に現れ る単語に時代毎に大きな入れ替わりや増減は確 認されなかったが,他動詞が多いとし、う傾向が 見られた。

これらの結果から,後期近代英語期を通して nσnegationは文の主語位置に正取しやすくなっ ていることが明らかとなった。この原因として,

否 定 要 素 が 文 の 前 方 に 移 動 す る negative rrusmg"や negativeinversion"の影響が考えら れ,文の先頭に位置しやすい主語としての使用 頻度の増加と関係があるのではないだろうか。

以上のようにHσnegationの統語的特性など を見た場合,先行研究との調査方法の違し1によ り過去と現在のつながりは見えにくいものの,

現代英語でのHσnegationの使用法の傾向や特 徴は少なくとも後期近代英語期の頃から続し、て いるものだといえるだろう。

本研究により nσnegationに関して詳細に 明らかにされていなかった通

H

拍句変化の一端を 見ることができた。しかし9 現代英語とのつな がりや近代英語以前の過去の英語からの使用の 変化の詳細,また主動詞としてあらわれやすい 動詞の詳細についての分析,そして主語位置で 使われやすくなったことの明確な理由の解明は,

今後の課題としてさらなる調査が必要だろう。

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