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松 永 健 治

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Academic year: 2021

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英 語 と 日 本 語 の リ ズ ム の 違 い に 着 目 し た 音 声 指 導

‑ 強 勢 拍 リ ズ ム を 身 に 付 け る 英 語 活 動 ー 学 校 教 育 専 攻

総合学習開発コース 松 永 健 治

1 小学校英語を取り巻く状況

外国語として英語を選択することや,教科と しての英語と「総合的な学習の時間Jとしての 英語活動の違いについては言及を避ける。ただ,

早期に小学校で、英語を学ぶことが,中学校英語 教育の前倒しにつながらないように望まれてい る点は,一考を要する問題である。

言うまでもなく日本において,日本語母語話 者である児童・生徒に英語を教えることは,外 国語として英語を教授していることに他ならな い。この場合は, EFL (English as a Foreign  Language) とよばれ,英語圏に移住した非英 語話者が第二言語として英語を身に付けたりす

る場合のESL(Englishas a Second Language)と は区別して扱われる必要がある。生まれたとき から常に英語に触れながら成長する英語母語話 者の言語習得と,一日に限られた時間しか英語 に触れることのできない日本人の英語学習とを 同じように考えられないのも確かであり,早期 英語教育に多くの期待を寄せることには疑問の 余地が残る。

いずれにせよ音声面の指導が,小学生にとっ て英語の習得にどのような効果を与えるのかに 関心が集まることは想像に難しくない。早期英 語教育を裏付ける先行研究として音素識別能力 の調査があるが,本研究では,英語と日本語の

リズムの違いに着目した音声指導とその成果に ついて述べる。

指導教員 太 田 直 也

2  英語と日本語のリズムの違い

日本人の英語学習者が英会話を行うには, 1  つ 1つの単語の発音はもちろん大切だが,それ

とともに発話のリズムも必要とされている。

現在の中学校英語教育は,文法の教授を中心 に据えており,英語のリズム(強勢拍リズム) を身に付ける音声指導の意義を認めつつも,授 業時数の制約から十分な実現には至っていない。

そのような現状と,リズム指導の大切さや小学 生の音声に対する柔軟さを鑑みると,小学校英 語学習でリズムの指導を意識して行うことの意 義はあるはずだ。

リズムの違いに着目した研究例としては,

1)既出のリズムに合わせた指導 2)ナーサリ ー・ライムを用いた指導 3)英会話に強弱のリ ズムを付ける指導がある。しかし,リズム指導 を学校現場で行い,有効性を検証した先行例は 限られている。本研究では,筆者の考案した英 語と日本語のリズムの違いに着目した指導法を,

小 学 校 下 学 年 (2年 生 ) と 上 学 年 (5年生)を 対象に実施するO

各学年には実験群と統制群を配置し,実施の 前後にリズムの習得状況を調べるための面接調 査を行う。調査方法は,児童一人ずつALTと 英会話を行い,様子をビデオカメラで記録する。

それを6人の英語の不イティブスピーカーが,

英語のリズムに照らし合わせて

1 (Very Poor) ,2 (Poor) ,3 (Fair)  , 

p o  

A

'

(2)

4 (Good) ,5 (Very Good)の5段階で評価 を行う。第一要因は学年(2年生と 5年生), 

第二要因は実験群と統制群,第三要因は回数 (PretestとPosttest) とし 3要因からなる 2 X2X2の混合計画 (ABSCタイプ)を実施 する。分散分析結果からリズム指導の効果を 検証するとともに,下学年と上学年の習得状 況についても言及する。

学習者要因による小学生と英語の関係 学習者に内在する要因によって言語習得に違 いが生じることを明らかにする研究が広まって きている。換言するなら,リズムなどの音声指 導についての研究を進めるにせよ,習得状況の みを調べるのではなく,習得を目指す学習者要 因にも目を向けよということである。そこで,

学習者要因のうちのとりわけ年齢要因に着目し た調査を行う。

具体的には,リズム指導期間前に32項目から なる質問紙調査を下学年(2年生)と上学年

( 5年生)を対象に実施する。質問項目は,

「英語あるいは英語の授業に対する意識」につ いて問うよう作成されており,回答者は「たい へんそう思うJIだいたいそう思うJIどちらで もないJIあまり思わないJIぜんぜん思わな しリの5段階で答えるようにする。調査結果を 基に探索的因子分析を行い,年齢要因による英 語あるいは英語の授業に対する意識の違いをあ ぶりだす手だてとする。

面接・質問紙両調査やリズム指導の手順につ いては次の通りである。

①英語あるいは英語の授業に対する意識を 知る手掛かりを得るため,質問紙調査を 小学校2・5学年各2クラス合計4クラ スを対象に実施。(5月上旬)

②  英語のリズムを知るための面接 A を 4 クラスに実施。(5月上旬)

③  実験群の児童にリズム指導を実施。

毎週 1回45分の授業を 7回行う。

( 5月上旬'"'‑'6月下旬)

④  面接Bを4クラスに実施。(7月上旬)

4  研究のまとめと今後の課題

これまで、の小学生を対象とした言語習得研究 は,一部の私立小学校・私塾関係者による実践 や,大学関係者による理論研究によるところが 大きかった。また,英語と日本語のリズムの違 いについて理論研究は進んでいるが,実際の指 導方法や効果の検証を目的とした研究について は始まったばかりである。

本研究の面接調査の結果では,統制群よりも 実験群において指導の効果が見られた。また,

2年生では,統制群でもリズム習得の状況に実 験群と向様な伸びがみられたが, 5年生の統制 群では,実験群にみられたような伸びがあった

とはいえなかった。

質問紙調査については,探索的因子分析の結 果から 2年生は,発話に対する志向が強く,授 業全般に対して5年生よりも意識を高く持って いることがわかった。一方5年生は,英語を教 養として価値付ける意識が高く,授業全般にも 関心は示しているとの結果が出た。

これらの調査結果は,技能面(リズム指導) と情意面(因子分析)の両面から児童を捉える ことになり,それゆえ相互補完的に扱うのが望 ましい。結果から導かれる考えについては本編 で述べることにする。

今回は149名という限られた人数での調査研 究であったが,本研究結果を一般化するために

さらに多くの検証例が望まれる。

aA4・Anω

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