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ハイビジョンと映画のメディアミックス に関する研究

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Academic year: 2021

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ハイビジョンと映画のメディアミックス に関する研究

石 田 武 久

電気通信大学

2011 年 3 月

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ハイビジョンと映画のメディアミックス に関する研究

石 田 武 久

電気通信大学大学院電気通信学研究科

博士(学術)の学位申請論文

2011 年 3 月

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ハイビジョンと映画のメディアミックス に関する研究

博士論文審査委員

主査 兼子正勝 教授 委員 中嶋信生 教授 委員 高橋裕樹 准教授 委員 坂本真樹 准教授

委員 三木哲也 学長特別顧問

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著作権所有者

石田 武久

2011 年 3 月

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A study on Media Mix development of HDTV and Movie

Takehisa Ishida Abstact

This paper outlines research relating to the development of video media which has achieved great success synergizing HDTV and Movie (we call

“media mix development” that kind of development synergizing more than two media), which are two types of media that originally had differing backgrounds and characteristics. Mixing both media types has achieved content production results such as new production techniques,

nonconventional and innovative visual imagery, and revised workflows. In addition, mixing both media types has technically revolutionized content delivery and projection methods, causing a large impact on screening and performance aspects in the Movie industry. Based on a large number of practical case studies, this paper specifically examines and discusses various “content production” and “content delivery” problems that arose and effects that were achieved when HDTV and Movie media mixing was carried out.

In order to discuss these issues, this paper first studies the type of relationship between HDTV and Movie prior to the media mix of both media types started. Then, the diverse kinds of equipment needed to media mix of both media are examined, looking at, for example, how HDTV and film converters have been developed. A wide variety of technical problems that arise in the media mix process are also examined, such as the varying aspect ratio and differing number of images per second between HDTV and film. In addition, other issues that will be examined and discussed, drawing on a large number of practical case studies, include a look at how the wide variety of technology and knowledge developed and accumulated through the media mix of HDTV and Movie have influenced and been put to use in the expansion of video media driven by the rapid advancement of digitalization. Lastly, this paper will discuss and look to the future of video media development..

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ハイビジョンと映画のメディアミックスに関する研究

石 田 武 久 概 要

映 画 と テ レ ビ は 、 動 画 を 視 聴 す る と い う 点 で は 非 常 に 近 い メ デ ィ ア だ が 、 両 者 の 情 報 量 は 大 き く 違 い 、 物 理 特 性 や 視 聴 形 態 が 異 な っ て お り 、 互 い に 影 響 し つ つ も 相 互 交 流 す る こ と は 少 な く 、 別 々 の メ デ ィ ア と し て 成 長 し て き た 。 し か し 1980 年 代 初 頭 、 次 世 代 テ レ ビ と し て 、 映 画 に 匹 敵 す る 情 報 量 を 持 ち 、 ワ イ ド ・ 大 画 面 向 き と い う 特 徴 を 持 つ ハ イ ビ ジ ョ ン ( 当 初 高 品 位 テ レ ビ と も 呼 ば れ た ) が 開 発 さ れ 、 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 を 双 方 向 交 流 さ せ る こ と に よ り 、 コ ン テ ン ツ 制 作 お よ び 流 通 の 両 面 に お い て 、 従 来 と は 違 う 新 た な 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 を す る よ う に な っ て き た 。

「 メ デ ィ ア 」 に 関 す る 従 来 の 理 解 に は 、 1960 年 代 の マ ク ル ー ハ ン ら の 「 個 々 の メ デ ィ ア が 特 性 に よ っ て 区 別 さ れ る 」 こ と を 重 視 す る 立 場 と 、 近 年 の 「 メ デ ィ ア の 区 別 が 薄 れ 全 体 と し て 交 じ り 合 っ て い る 」 こ と を 重 視 す る 立 場 が あ る 。

本 研 究 で は 、 こ の 二 つ の 間 の 移 行 形 態 と し て 「 個 々 の メ デ ィ ア が そ れ ぞ れ の 特 性 を 保 持 し な が ら 、 相 互 に 歩 み 寄 り 相 互 変 換 や 相 互 交 流 を お こ な う 状 態 」 を 「 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」の 用 語 で と ら え 、そ の 具 体 的 な 事 例 と し て 、1980 年 代 か ら 90 年 代 に お こ な わ れ た ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の 双 方 向 的 交 流 を 考 察 し 、 そ の 技 術 史 的 ・ 表 現 史 的 意 味 づ け を 明 ら か に し て い る 。

本 論 文 で は 、 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 と い う 元 来 素 性 も 特 性 も 違 う 二 つ の メ デ ィ ア を ミ ッ ク ス す る た め に 行 わ れ た 様 々 な 技 術 開 発 や 課 題 の 解 決 策 に つ い て 、 そ し て そ の 成 果 と し て 行 わ れ た コ ン テ ン ツ 制 作 と 配 信 の 両 面 に お い て な さ れ た 技 法 や ノ ウ ハ ウ の 開 発 に つ い て 、 当 時 行 わ れ た 多 く の 実 践 を 通 し て 具 体 的 に 検 証 し 論 じ て い る 。 そ し て そ れ ら が 、 そ の 後 今 日 か ら 近 未 来 に 至 る 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に 与 え た 影 響 や 効 果 に つ い て も 考 察 し 、 展 望 し て い る 。

ま ず 、 標 準 テ レ ビ 時 代 に お け る 映 画 と テ レ ビ の 関 係 に つ い て 当 時 の メ デ ィ ア 状 況 を 技 術 史 的 に 明 ら か に し て い る 。 そ し て ハ イ ビ ジ ョ ン が 開 発 さ れ て 以 降 の 両 メ デ ィ ア 関 係 に つ い て は 同 じ 動 画 像 を 扱 い 情 報 量 が 近 い と は 言 え 、 化 学 メ デ ィ ア で あ る 映 画 と 電 子 メ デ ィ ア の ハ イ ビ ジ ョ ン は 、 画 像 を 形 成 す る 仕 組 み が 異 な っ て お り 、 毎 秒 コ マ 数 や ア ス ペ ク ト 比 、 色 再 現 性 や 階 調 再 現 性 、 鮮 鋭 度 や ノ イ ズ な ど の

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ン を 合 わ せ る た め の 映 像 調 整 系 、 そ し て 両 者 を メ デ ィ ア ミ ッ ク ス す る こ と で 相 乗 効 果 を 発 揮 さ せ る 映 像 加 工 ・ 合 成 系 な ど ハ ー ド 系 の 開 発 に つ い て 詳 細 に 述 べ て い る 。 さ ら に 両 メ デ ィ ア を 相 互 交 流 す る 上 で 問 題 と な る 技 術 的 要 件 を 調 べ 、 上 述 の ハ ー ド 系 を た く み に 使 い こ な す た め の 技 法 、 ノ ウ ハ ウ に つ い て も 論 じ て い る 。

そ の 次 に 、こ れ ら の ハ ー ド ウ エ ア お よ び ノ ウ ハ ウ の 開 発 の 蓄 積 を ベ ー ス に 、1980 年 代 か ら 1990 年 代 半 ば 頃 ま で 行 わ れ た 数 多 く の コ ン テ ン ツ 制 作 に お い て 、 ど の よ う な 問 題 に 遭 遇 し 如 何 に 課 題 を 克 服 し 、 新 た な 制 作 技 法 を 編 み 出 し 、 ど の よ う な 斬 新 的 な 映 像 表 現 を 創 り 出 し て き た の か 、 10 数 本 の 作 品 を 選 び 具 体 的 に 検 証 し て い る 。 そ れ ら の 中 の 代 表 的 ポ イ ン ト と し て 、 映 画 に お け る オ プ テ ィ カ ル 法 で は 困 難 だ っ た が 、 電 子 メ デ ィ ア の ハ イ ビ ジ ョ ン が そ の 威 力 を 存 分 に 発 揮 す る こ と が で き た 制 作 技 法 、 す な わ ち リ ア ル タ イ ム に 高 精 度 に 高 画 質 で 行 う こ と が で き る 映 像 合 成 ・ 加 工 処 理 法 に つ い て 、 実 践 例 に も と づ き 問 題 点 と 成 果 を 明 ら か に し た 。 そ れ ら の 技 法 を 使 う こ と で な さ れ た 映 像 表 現 力 の 向 上 、 ワ ー ク フ ロ ー に 与 え た 影 響 、 さ ら に 効 率 性 向 上 へ の 寄 与 な ど に つ い て 具 体 例 に 基 づ き 明 ら か に し て い る 。

そ し て そ の 次 に 、 こ の よ う な メ デ ィ ア ミ ッ ク ス に よ り 制 作 さ れ た コ ン テ ン ツ を 電 子 的 方 法 、 チ ャ ン ネ ル に よ り 配 給 、 配 信 す る 側 面 に つ い て 、 当 時 行 わ れ た 数 々 の 実 践 例 を 詳 細 に 検 証 し 、問 題 点 と 共 に 得 ら れ た 成 果 を 明 ら か に し た 。あ わ せ て 、 当 時 全 国 各 地 に 構 築 さ れ た ハ イ ビ ジ ョ ン シ ア タ ー や 映 像 多 目 的 ホ ー ル 、 ハ イ ビ ジ ョ ン ギ ャ ラ リ ー の 技 術 動 向 や 課 題 に つ い て 明 ら か に し 、 さ ら に そ れ ら が ト ー タ ル 的 に 当 時 の 映 像 産 業 的 側 面 に 与 え た 影 響 に つ い て 論 じ て い る 。

そ し て 、 こ こ ま で 論 じ て き た メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の 問 題 点 や 成 果 が 、 1990 年 代 半 ば 頃 か ら 急 速 に 進 ん だ デ ジ タ ル 化 に ど の よ う な 影 響 を 与 え 、 ど の よ う に 成 長 を 遂 げ 、 2000 年 代 半 ば 頃 か ら 急 展 開 し 始 め た デ ジ タ ル シ ネ マ に ど う 繋 が っ て い る か に つ い て 明 ら か に し た 。 そ の 上 で 、 決 し て と ど ま る こ と な く 成 長 を 続 け る 映 像 メ デ ィ ア が こ れ か ら ど の よ う な 展 開 を し て 行 く の か に つ い て 展 望 を 加 え て い る 。

「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 に 関 し て 、 技 術 史 ・ 映 像 表 現 史 、 さ ら に 映 像 産 業 的 な 視 点 か ら 総 合 的 に 考 察 し 意 味 づ け し た 研 究 は 他 に 類 が な く 、 独 自 性 は 高 い 。そ の 論 述 、考 察 の ベ ー ス は 、NHK 技 術 研 究 所 に お い て ハ イ ビ ジ ョ ン シ ス テ ム の 研 究 開 発 や 機 器 開 発 を 担 当 し 、 放 送 技 術 局 な ど に お い て 多 く の コ ン テ ン ツ 制 作 の 実 践 や 配 信 ・ 上 映 に 関 す る 研 究 調 査 に 携 わ っ て き た 筆 者 の 経 験 、 知 見 に 基 づ い て い る 。 そ れ ら を 通 し て 得 ら れ た 研 究 成 果 は 、 国 際 会 議 や テ レ ビ ジ ョ ン 学 会 、 映 画 テ レ ビ 技 術 協 会 な ど の 場 に お い て 報 告 ・ 公 開 さ れ 映 像 メ デ ィ ア の 進 展 に

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研 究 活 動 を 通 し て 蓄 積 し た 知 見 を ベ ー ス に 、 膨 大 な 文 献 や 資 料 、 関 係 者 か ら 入 手 し た 情 報 を 綿 密 に 調 査 、 検 証 し 書 い て い る 。 そ れ ら は 網 羅 性 、 普 遍 性 が あ り 資 料 的 な 価 値 を 持 っ て お り 、 本 研 究 の 成 果 物 で 意 義 の ひ と つ で あ る 。

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目 次

第1章 序論 1

1.1 本研究の社会的背景と研究の目的...1

1.2 本研究の学術的背景と目的...3

1.3 本論文の構成...7

第2章 標準テレビ時代におけるテレビと映画の関係 12

2.1 はじめに...12

2.2 標準テレビにおけるフィルムの利用...12

2.3 標準テレビにおけるフィルム送像システム...14

2.4 標準テレビにおけるフィルム録画システム...14

2.5 標準テレビにおけるフィルムとテレビのメディアミックス...15

第3章 ハイビジョンと映画のメディアミックスに関するハードウエア 17

3.1 はじめに...17

3.2 ハイビジョンと映画のメディアミックスの課題と効果...18

3.2.1 ハイビジョンと映画のメディアミックスに至る 映画システムの成長...18

3.2.2 メディアミックスを前提にした映画フィルムについての調査と評価...19

3.2.3 映画とのメディアミックスに至るハイビジョンの開発と成長...21

3.2.4 ハイビジョンと映画のメディアミックスの進展...24

3.3 ハイビジョンと映画のメディアミックスに対する推進策...25

3.4 ハイビジョンフィルム送像システムの開発...28

3.4.1 70mm フィルム 3 ビジコンテレシネ...28

3.4.2 70mm フィルムレーザーテレシネ...29

3.4.3 35mm フィルムレーザーテレシネ...33

3.4.4 その他のハイビジョン用テレシネ...39

3.5 ハイビジョンフィルム録画システム...39

3.5.1 ハイビジョンフィルム録画システム...40

3.5.2 電子ビームフィルム録画システム...42

3.6 ハイビジョンカメラの開発と成長...44

3.7 ハイビジョンVTRの開発と成長...46

3.8 ハイビジョン合成・加工・処理システム...48

3.8.1 映像合成用機器...48

3.8.2 映像加工・処理用機器...51

3.8.3 コンピュータ技術の活用システム...53

3.9 ハイビジョン大画面ディスプレイ...54

3.10 コンテンツ配信系...57

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3.11 まとめ...58

第4章 ハイビジョンと映画のメディアミックスに関する要件 62

4.1 はじめに...62

4.2 ハイビジョンとフィルム変換に伴う問題...62

4.2.1 ハイビジョンと映画の毎秒コマ数の違いに伴う問題...62

4.2.2 画面の横縦比(アスペクト比)に関する問題...70

4.3 フィルム画像とハイビジョン映像の画質に関する問題...74

4.4 フィルムとハイビジョン映像合成・加工・処理に関する問題...79

4.5 まとめ.....81

第5章 ハイビジョンと映画のメディアミックスによるコンテンツ制作の実践 83

5.1 はじめに...83

5.2 ハイビジョンと映画のメディアミックスの実践例...84

5.3 ハイビジョンと映画のメディアミックスにおける制作技法および 映像表現...101

5.3.1 多種多様な映像素材を混在し制作した最初のハイビジョン 利用の本格的商業映画『西遊記』...101

5.3.2 最先端の合成技術を多用した NHK 初のエレクトロ・シネマ 『出発』...109

5.3.3 絢爛豪華な映像美の世界を描いた日英共同作品 『プロスペローの本』...114

5.3.4 コンピュータ技術を投入し、新たな映像ジャンルを 開いた作品...120

5.3.4.1 "Ten Seconds After"...121

5.3.4.2 "The Screw and the Wall"...125

5.3.4.3 本節のまとめ...128

5.4 本章のまとめ...129

第6章 ハイビジョンと映画のメディアミックスにおけるコンテンツ配信・上映 に関する実践 132

6.1 はじめに...132

6.2 ハイビジョンシアター展開に向けて行われた実践...133

6.2.1 1990 年代以前の映画産業の状況とビデオシアターの動向...133

6.2.2 大型映像シアターに向けた研究調査...134

6.2.3 ハイビジョン・大型映像シアターに向けた様々な メディアミックスの実践...136

6.2.4 本節のまとめ...143

6.3 電子メディアの特徴を活かしたコンテンツ配信・上映...144

(11)

6.3.1 ハイビジョンによるコンテンツ配信の実践例...144

6.3.2 コンテンツ配信実践のまとめ...154

6.4 ハイビジョンシアターについての考察...155

6.4.1 ハイビジョンシアターを巡る状況...155

6.4.2 国内外におけるハイビジョンシアターの状況と展望...156

6.4.3 ハイビジョンシアターの実践のまとめ...159

6.5 本章の考察とまとめ...160

第7章 新たな映像メディアの成長と今後の展望 163

7.1 はじめに...163

7.2 メディアミックス時代からデジタル技術時代へ...163

7. 3 デジタル技術が映像メディアに与えた影響と効果...166

7. 4 デジタルシネマの登場と成長...167

7.4 .1 デジタルシネマの登場...167

7.4 .2 デジタルシネマの意味、定義...168

7.4 .3 デジタルシネマの規格化、標準化に関する動向...170

7.4 .4 デジタルシネマに向けたハードウエア・システムの成長...172

7.4 .4.1 F→V変換システム...173

7.4 .4.2 V→F変換システム...178

7.4 .4.3 デジタルシネマカメラの成長...180

7.4 .4.4 コンテンツ制作系の動向、状況...183

7.4 .4.5 コンテンツ記録・再生系...184

7.4 .4.6 デジタル符号化技術とコンテンツ配信・伝送の実践例...186

7.4 .4.7 コンテンツサーバ系...188

7.4 .4.8 コンテンツ上映ディスプレイ...188

7.4 .5 デジタルシネマの今後の展望...189

7.5 今後の映像情報メディアの展望...190

7.5.1 今後、映像情報メディアが目指す目標・方向...190

7.5.2 3D・立体映像メディアの展望...191

7.5.3 超臨場感映像メディア「スーパーハイビジョン SHV」の展望...196

7.6 まとめ...200

第8章 まとめとむすび 203

8.1 はじめに...203

8.2 本研究論文のまとめ...204

8.3 むすび...209

謝 辞...211

参考文献...212

研究業績...218

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付録編

付録1 第3章関連写真...1

付録2 第5章関連写真...5

付録3 第6章関連写真...13

付録4 第7章関連写真...19

付録5 ハイビジョン技術史...25

付録6 コンテンツリスト...29

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第 1 章 序 論

1.1 本 研 究 の 社 会 的 背 景 と 研 究 の 目 的

近 年 、 デ ジ タ ル 技 術 を ベ ー ス に 、 ネ ッ ト ワ ー ク の ワ イ ド バ ン ド 化 や イ ン タ ー ネ ッ ト の 普 及 に 合 わ せ 、 テ レ ビ 番 組 や 映 画 作 品 、 ゲ ー ム ソ フ ト と い っ た 映 像 コ ン テ ン ツ が 様 々 な チ ャ ン ネ ル で 配 信 ・ 流 通 さ れ る よ う に な っ て い る 。 従 来 、 別 々 の 役 割 を 担 い 、別 々 の 業 態 だ っ た 放 送 と 通 信 の 両 業 界 に お い て「 放 送 と 通 信 の 融 合 」1と い う こ と が し ば し ば 語 ら れ 、 そ れ ら を 推 進 す る 国 の 施 策 も 進 ん で い る2。 昨 今 、 ラ ジ オ 、 テ レ ビ に 代 表 さ れ る 放 送 メ デ ィ ア と 電 話 、 携 帯 電 話 、 イ ン タ ー ネ ッ ト な ど の 通 信 メ デ ィ ア が 相 互 に 乗 り 入 れ 、 新 た な 映 像 情 報 サ ー ビ ス が 急 速 に 進 ん で い る 。 具 体 的 な サ ー ビ ス 形 態 と し て 、 テ レ ビ と IP(Internet Protocol)を 融 合 し た IPTV 放 送 、 ネ ッ ト と 電 波 を 併 用 す る ワ ン セ グ 放 送 や VOD( Video On Demand)サ ー ビ ス な ど が 始 ま っ て い る 。 ワ イ ド バ ン ド の ネ ッ ト ワ ー ク 環 境 も 利 用 し た コ ン テ ン ツ の 制 作 コ ラ ボ レ ー シ ョ ン や 配 信 な ど 、 今 後 ま す ま す メ デ ィ ア の 融 合 に よ る 多 種 多 彩 な 展 開 が 予 想 さ れ て い る3

し か し 「 メ デ ィ ア の 融 合 」 は 放 送 と 通 信 と い う 特 定 の メ デ ィ ア 、 分 野 に 限 っ た こ と で は な く 、 技 術 面 だ け に 局 限 さ れ る も の で も な い 。 レ フ ・ マ ノ ビ ッ チ は 「 ポ ス ト・メ デ ィ ア の 美 学 」4に お い て 、マ ク ル ー ハ ン 的 な 個 別 メ デ ィ ア( medium)5の 差 異 が な く な る 状 況 を 描 き 出 し 理 論 化 し て い る 。マ ク ル ー ハ ン の メ デ ィ ア 論6が 主 張 し た の は 、 音 声 や 活 字 、 ラ ジ オ や テ レ ビ と い っ た 個 別 メ デ ィ ア は 、 そ れ ぞ れ 情 報 を 伝 達 す る 特 性 、 特 徴 を 異 に し て お り 、 違 う や り 方 で 人 間 や 社 会 集 団 に 影 響 を 与 え 、 そ れ ら を 組 織 化 し て い く と い う こ と だ っ た 。 マ ク ル ー ハ ン が 言 う 「 メ デ ィ ア は メ ッ セ ー ジ で あ る 」7の メ デ ィ ア と は 原 語 で は 「 個 別 メ デ ィ ア ( medium)」 の こ と で あ り 、 個 々 の メ デ ィ ア は そ れ ぞ れ の 特 性 に よ っ て 区 別 さ れ る と い う こ と が 基 本 に な っ て い る 。 そ の こ と は 、 例 え ば 、 ア ー ト と か メ デ ィ ア を 教 え る 大 学 の 学 科 構 成 が 、 絵 画 、 彫 刻 、 写 真 、 映 画 、 デ ザ イ ン 、 放 送 な ど 個 別 メ デ ィ ア ご と に 分 か れ て い る よ う に 、 学 問 や 社 会 制 度 に も 反 映 さ れ て い た 。

し か し 、 マ ノ ビ ッ チ は メ デ ィ ア の 「 区 分 」、「 領 域 」 が 近 年 、 時 代 と 共 に 曖 昧 に な っ て い る と 指 摘 す る 。 ビ デ オ ア ー ト 、 イ ン ス タ レ ー シ ョ ン 、 コ ン セ プ チ ュ ア ル ア ー ト 、メ デ ィ ア ア ー ト な ど 従 来 の 学 問 分 野 で は 分 類 で き な い よ う な 実 践 が 、1970 年 代 以 降 増 え て き て い る 。 さ ら に 最 近 の デ ジ タ ル 技 術 の 進 展 に よ り 、 写 真 や 絵 画

( 広 義 の ) に お い て も 制 作 過 程 で デ ジ タ ル 画 像 処 理 が 自 由 に 使 わ れ 、 映 画 や テ レ ビ 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 、 携 帯 電 話 な ど 多 様 な チ ャ ン ネ ル に デ ジ タ ル 動 画 が 同 じ よ う

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に 流 さ れ る 状 況 に な っ て い る 。「 個 別 メ デ ィ ア 」 は 従 来 の よ う に 区 別 す る こ と が で き な い ば か り か 、 多 数 の 個 別 メ デ ィ ア が 共 生 す る よ う な 「 メ デ ィ ア 環 境 」 全 体 を 単 位 に し て 考 え た 方 が 良 い と い う の が マ ノ ビ ッ チ の 論 で あ る 。

最 近 の 国 内 外 に お け る 様 々 な デ ジ タ ル メ デ ィ ア に 関 連 す る コ ン ベ ン シ ョ ン ・ エ キ ジ ビ シ ョ ン や イ ベ ン ト な ど に お け る 動 向 を 見 れ ば 、 マ ノ ビ ッ チ の 論 に 当 て は ま る よ う な メ デ ィ ア の 状 況 が 生 ま れ て い る 。 例 え ば 、 携 帯 電 話 は 今 や 単 な る 電 話 の 端 末 で は な く な り 、 放 送 、 イ ン タ ー ネ ッ ト 、 映 画 、 ゲ ー ム な ど あ ら ゆ る 映 像 ・ 情 報 を 入 手 し 発 信 す る 総 合 情 報 端 末 と な っ て お り 、 そ の 象 徴 と し て ス マ ー ト フ ォ ン な ど 従 来 に な い 情 報 ツ ー ル も 出 現 し て い る 。 ま た 印 刷 、 出 版 の 世 界 で は 、 電 子 書 籍 の 登 場 に 見 ら れ る よ う に 、 紙 に 代 わ る 電 子 デ ィ ス プ レ イ 、 本 屋 で の 物 販 に 替 わ る ネ ッ ト で の 配 信 と 言 う よ う に 、 大 き な メ デ ィ ア の 変 化 が 起 き て い る 。 さ ら に 、 静 止 画 を 扱 う 写 真 と 動 画 を 扱 う 映 画 や テ レ ビ と 言 う よ う に 、 従 来 は 別 の メ デ ィ ア で あ っ た の に 、 最 近 で は 、 プ ロ カ メ ラ マ ン の 間 に も デ ジ タ ル カ メ ラ に よ る 動 画 撮 影 が 急 速 に 進 展 し 、 そ れ ら の メ デ ィ ア 間 の 垣 根 が 低 く な る メ デ ィ ア 融 合 が 進 ん で い る 。 こ の よ う な 事 例 に 見 ら れ る よ う に 、 マ ノ ビ ッ チ が 唱 え る メ デ ィ ア 状 況 は 現 在 の 実 社 会 の 中 で 実 証 さ れ つ つ あ る 。

本 論 文 で は 、 マ ク ル ー ハ ン が 分 析 し た よ う な 「 個 々 の メ デ ィ ア が そ れ ぞ れ の 特 性 を 持 っ て 並 存 し て い る 」 状 態 か ら 、 マ ノ ビ ッ チ が 語 っ た よ う な 「 個 別 メ デ ィ ア の 間 の 垣 根 が な く な る 」 状 態 へ の 移 行 の 過 程 で 、「 個 々 の メ デ ィ ア が そ れ ぞ れ の 特 性 を 保 持 し な が ら 、 相 互 に 歩 み 寄 り 相 互 変 換 や 相 互 交 流 を 行 う 」 状 態 を 「 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 の 用 語 で 表 し 、 そ の 代 表 的 な 事 例 と し て 1980 年 代 か ら 1990 年 代 に い た る ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の 関 係 を 考 察 す る 。

な お 、 こ の 「 個 別 メ デ ィ ア の 並 存 と メ デ ィ ア 融 合 の 中 間 形 態 」 を あ ら わ す 用 語 は 、 学 術 的 に 定 ま っ て い る わ け で は な い 。 一 般 的 に 「 個 々 の メ デ ィ ア が そ れ ぞ れ の 特 性 を あ る 程 度 持 っ た ま ま で 交 叉 し た り 混 じ り あ っ た り す る 」 こ と を 「 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 あ る い は 「 ク ロ ス メ デ ィ ア 」 と 言 う が 、 両 者 の 用 語 と も 現 在 で は 、 複 数 メ デ ィ ア を 通 じ て 広 告 や 商 品 開 発 を 展 開 す る ビ ジ ネ ス モ デ ル を 指 し て 使 わ れ る こ と が 多 い 。 例 え ば 、 漫 画 や 小 説 を 映 画 や テ レ ビ ド ラ マ 化 し た り 、 同 じ キ ャ ラ ク タ ー を 、 ゲ ー ム か ら 映 画 、 人 形 、 さ ら に は 衣 類 や 装 身 具 に 用 い た り す る よ う な 場 合 で あ る 。 最 近 の 象 徴 的 な 事 例 と し て 、 デ ジ タ ル 技 術 が 大 き く 進 展 し た 2005 年 に 開 催 さ れ た 愛 知 万 博 で の 試 み が あ る 。 既 存 の メ デ ィ ア で あ っ た ネ ッ ト ワ ー ク 系

( WEB(PC)、携 帯 電 話 、場 内 情 報 提 示 装 置 な ど )、放 送 系( 地 上 デ ジ タ ル 放 送 、CATV、

海 外 放 送 系 な ど )、お よ び パ ッ ケ ー ジ・活 字 系 (自 治 体 大 型 映 像 表 示 装 置 、DVD・CD、

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万 博 新 聞 、 電 光 ニ ュ ー ス な ど ) に 対 し て 、 NHK、 民 放 、 新 聞 、 電 通 な ど が 共 同 し て 情 報 を 収 集 、 編 集 、 編 成 し 配 信 す る 実 験 を 行 っ た8が 、 こ れ も 現 代 版 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス で あ る と い う こ と が で き る 。

本 論 文 で は 、 前 述 の よ う な 「 複 数 メ デ ィ ア に ま た が る 事 業 展 開 」 と い う ビ ジ ネ ス モ デ ル な い し は マ ー ケ テ ィ ン グ の 用 語 と し て の 意 味 合 い を 包 含 し な が ら 、 「 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 と 言 う 言 葉 を 「 複 数 メ デ ィ ア が 混 じ り あ う 」 と い う 語 の 本 来 の 意 味 で 使 用 す る 。 そ の よ う な 「 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 が 進 む た め に 、 そ れ ぞ れ の メ デ ィ ア が ど う 成 長 し 、 ど の よ う に 相 互 に 交 流 し 、 相 乗 効 果 と し て ど の よ う な 成 果 を 上 げ て き た の か を 検 証 す る 。 本 編 で 詳 述 す る よ う に 、 そ の 過 程 で 行 わ れ た プ ロ セ ス は 紆 余 曲 折 に 富 み 、 課 題 は 多 く そ れ ら を 解 決 す る た め に な さ れ た 技 術 開 発 、 努 力 の 蓄 積 が あ っ て は じ め て 「 複 数 メ デ ィ ア の 融 合 」 が 可 能 に な っ た と 考 え る 。 本 論 文 で 論 じ る 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 の 実 践 は 主 に 1980 年 代 か ら 1990 年 代 半 ば に 行 わ れ た も の を 取 り 上 げ て い る が 、 筆 者 は 「 単 な る ハ イ ビ ジ ョ ン の 映 画 へ の 応 用 」 と 言 う よ り 、 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の 二 つ の メ デ ィ ア が 双 方 向 交 流 す る こ と に よ り 相 乗 効 果 を 発 揮 し つ つ 共 に 成 長 し 、 新 た な メ デ ィ ア 展 開 が な さ れ る と 考 え 、 本 論 文 で は そ の 意 を 汲 み 「 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 と 言 う 用 語 を 使 っ て い る 。ま た 、そ の 場 合 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の 範 囲 と し て は 、2 つ の メ デ ィ ア を ミ ッ ク ス し 「 コ ン テ ン ツ を 制 作 す る 側 面 」 と 、 制 作 さ れ た コ ン テ ン ツ を 「 配 信 ・ 上 映 ・ 興 行 す る 側 面 」 の 両 面 を 含 ん で お り 、 そ れ ぞ れ に つ い て 当 時 行 わ れ た 実 践 例 を ベ ー ス に 具 体 的 に 検 証 し 論 じ る こ と に す る 。

た だ し 当 時 行 な わ れ た メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の 試 み は 90 年 代 半 ば で 終 焉 し た も の で は な く 、 当 然 そ の 後 の 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に 影 響 を 与 え て 行 く こ と に な る 。 本 論 文 で は 、 そ の 後 、 今 日 に 至 る 映 像 メ デ ィ ア の 進 展 に 、 当 時 の 実 践 が ど の よ う に 影 響 し 、 寄 与 し て き た の か に つ い て も 検 証 し 、 さ ら に 今 後 、 近 未 来 に 向 け て 映 像 メ デ ィ ア が ど う 展 開 し て い く の か に つ い て の 展 望 も 行 っ て い る 。

1.2 本 研 究 の 学 術 的 背 景 と 研 究 の 目 的

1800 年 代 末 期 に 生 み 出 さ れ 1900 年 代 に 成 長 を 遂 げ た 映 画 、 そ し て 1920 年 代 に 開 発 さ れ 1950 年 代 放 送 を 始 め た テ レ ビ 、両 者 は 別 々 の 映 像 メ デ ィ ア と し て 成 長 し て き た 。同 じ 動 画 像 を 扱 う と は 言 え 、一 方 は フ ィ ル ム を 媒 体 と す る 化 学 メ デ ィ ア 、 他 方 は 電 気 信 号 を 媒 体 と す る 電 子 的 メ デ ィ ア で 、 両 者 の 特 徴 、 特 性 は 大 き く 異 な っ て い る 。 本 研 究 は 、 動 画 メ デ ィ ア の 主 役 の 座 を 担 っ て き た 「 映 画 」 と 「 テ レ ビ 」 二 つ の 映 像 メ デ ィ ア が 、 そ れ ぞ れ ど の よ う な 成 長 を 遂 げ つ つ 発 展 し 、 そ の 過 程 に

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お い て 両 者 が ど う 影 響 し あ い 、 互 い に 利 用 し て き た の か 、 そ し て 現 在 ど の よ う な 状 況 に あ り 、 今 後 さ ら に ど う 発 展 し て い く の か に つ い て 、 考 察 し 、 論 じ る も の で あ る 。

本 論 文 の 主 題 で あ る 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 に お い て 、 核 と な る ハ イ ビ ジ ョ ン は 、 1960 年 代 末 に NHK 総 合 技 術 研 究 所 ( 以 下 NHK 技 研 ) が 次 世 代 テ レ ビ を 目 指 し 開 発 し 、80 年 代 か ら 90 年 代 に か け 大 き く 成 長 し た 新 た な 映 像 メ デ ィ ア で あ る 。 そ の 開 発 の 経 緯 、 そ の 後 の 成 長 の 過 程 に つ い て は 第 3 章 に て 詳 述 す る 。 「 ハ イ ビ ジ ョ ン 」 と 言 う 呼 称 は つ く ば 科 学 博 ( 1985)を 機 に 命 名 さ れ た も の で 、 そ れ 以 前 の 次 世 代 テ レ ビ は 呼 び 方 が 定 ま っ て い な か っ た が 、 本 稿 で は 基 本 的 に 「 ハ イ ビ ジ ョ ン 」 の 表 記 を 使 う こ と に す る 。 ハ イ ビ ジ ョ ン は 映 像 メ デ ィ ア の 形 態 と し て は テ レ ビ ( 当 時 は 現 行 テ レ ビ と 呼 ん で い た が 、 本 稿 で は 標 準 テ レ ビ と 称 す る ) の ひ と つ で あ る が 、 高 精 細 度 で 大 画 面 向 き の 表 現 力 か ら し て も 当 時 の 標 準 テ レ ビ と は ま っ た く 性 格 の 違 う 映 像 メ デ ィ ア で あ る と 考 え る 。

本 論 文 で は 、 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 を 論 じ る の に 、 映 画 と テ レ ビ の 二 つ の 映 像 メ デ ィ ア の 態 様 の 時 間 的 変 遷 を ベ ー ス に 考 え る 。 図 1.1 は 映 像 メ デ ィ ア の 変 遷 の 概 念 を 示 す も の で 、 元 々 は 特 徴 、 特 性 、 役 割 が 異 な る 個 別

標準テレビ

ハイビジョン 1900

1950

1980

2000

テレビ 映画

デジタルシネマ 双方向交流

メディアミックス 一方向的利用

メディア フュージョン 個別メディア

未来メディ

ア空間 3D・SHV

2020

態様の変化

メディアの成長

映像メディアの変遷

図 1.1 映 像 メ デ ィ ア の 変 遷 の 概 念 図

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的 な 映 像 メ デ ィ ア 、 す な わ ち 先 発 す る 映 画 と 後 発 の テ レ ビ 、 さ ら に テ レ ビ の 発 展 形 と し て の ハ イ ビ ジ ョ ン が 、 時 間 の 経 過 と 共 に 互 い に 影 響 し つ つ そ れ ぞ れ の 特 性 ・ 機 能 を 成 長 さ せ 、 メ デ ィ ア 間 の 相 互 関 係 を 変 化 さ せ 、 一 方 向 的 利 用 か ら 徐 々 に 様 々 な 方 法 、 領 域 で 双 方 向 交 流 が 進 ん で い く 。 こ の 状 態 を メ デ ィ ア ミ ッ ク ス と 捉 え て い る 。 や が て そ れ ぞ れ の メ デ ィ ア の 境 界 は 重 な り 合 い メ デ ィ ア フ ュ ー ジ ョ ン ( 融 合 ) の 状 態 に な っ て い く 。

標 準 テ レ ビ 時 代 に お い て は 、 映 画 と テ レ ビ は 情 報 量 が 違 い す ぎ る た め 、 映 画 を テ レ ビ に 一 方 向 的 に 利 用 を す る こ と は あ っ て も 、 テ レ ビ を 映 画 が 利 用 す る こ と は ほ と ん ど 行 わ れ な か っ た 。 し か し 、 映 画 を 目 標 に 開 発 さ れ 、 情 報 量 が 35mm 映 画 と 同 程 度 で 標 準 テ レ ビ に は な い 迫 力 ・ 臨 場 感 を 有 す る 新 た な メ デ ィ ア 「 ハ イ ビ ジ ョ ン 」 の 登 場 に よ り 、 映 像 メ デ ィ ア の 様 相 は 大 き く 変 わ っ て い き 、 テ レ ビ と 映 画 の 双 方 向 的 交 流 が な さ れ メ デ ィ ア ミ ッ ク ス が 進 ん で 行 く よ う に な っ て い く 。 本 編 で 詳 述 す る よ う に 、 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 は 毎 秒 コ マ 数 や 画 調 な ど 両 者 の 特 徴 、 特 性 は ま っ た く 違 っ て お り 、 双 方 向 交 流 の た め の ハ ー ド ウ エ ア の 開 発 、 両 メ デ ィ ア を ク ロ ス す る 上 で の 様 々 な 問 題 を 克 服 し な け れ ば な ら な か っ た 。 そ れ ら の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の 成 果 と し て 、 従 来 に な い 斬 新 な 映 像 表 現 が 実 現 さ れ 、 新 た な ワ ー ク フ ロ ー に よ り 多 種 多 彩 な コ ン テ ン ツ が 制 作 さ れ た 。 ま た メ デ ィ ア ミ ッ ク ス は コ ン テ ン ツ の 配 信 や 上 映 面 に お い て も 、 従 来 の フ ィ ル ム よ る 配 給 方 法 に 加 え 、 電 子 メ デ ィ ア に よ る 配 信 ・ 上 映 も 可 能 に な っ て 行 く 。 当 時 、 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス に 向 け 、 様 々 な 研 究 調 査 、 各 種 イ ベ ン ト ・ 活 動 が 行 わ れ た が 、 そ れ ら は 本 論 文 の 主 題 に 関 連 す る 一 種 の 社 会 的 実 験 で あ り 、 そ れ ら の 意 義 、 成 果 な ど に つ い て 本 編 の 中 で 具 体 的 に 論 じ て い る 。 当 時 行 わ れ た 様 々 な メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の 実 践 は 、 映 像 業 界 の 態 様 、 産 業 的 側 面 に も 変 化 を も た ら し 、 新 た な 映 像 ビ ジ ネ ス を 誘 発 し 、 そ の 後 の 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に 大 き な 影 響 を 与 え て い く こ と に な っ た 。

本 論 文 で 扱 う ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス は 、主 に 80 年 代 半 ば か ら 90 年 代 半 ば 頃 ま で に 行 わ れ た も の だ が 、そ れ ら を 通 し て の 経 験 や 得 ら れ た 成 果 は 、 そ の 後 、 制 作 系 、 配 信 系 、 上 映 系 の あ ら ゆ る 分 野 で 急 進 展 し た デ ジ タ ル 化 に 伴 う 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に 大 き な 影 響 を 与 え 、さ ら に 2000 年 代 に お け る 映 画 と テ レ ビ の メ デ ィ ア フ ュ ー ジ ョ ン と も い え る デ ジ タ ル シ ネ マ へ と つ な が っ て い く 。さ ら に 、 技 術 の 進 歩 は と ど ま る こ と を 知 ら ず 、 映 像 メ デ ィ ア の 様 相 は こ れ か ら も 変 容 し 、 未 来 に 向 け 新 た な 展 開 を し て い く と 考 え る 。 本 論 文 で は そ れ ら の 一 連 の 映 像 メ デ ィ ア の 変 遷 、 成 長 に つ い て 考 察 し 、 論 じ て い る 。

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こ こ で 本 研 究 の テ ー マ に 関 連 す る 先 行 研 究 に つ い て 触 れ て お く 。映 画 部 門 に 関 し て 、 映 画 作 品 や 制 作 技 法 に つ い て 論 じ た 研 究 ・ 調 査 報 告 は 数 多 い が 、 そ れ ら は 個 々 の 作 品 あ る い は 個 別 メ デ ィ ア と し て の 映 画 に 視 点 を 置 い た も の で 、 映 画 と テ レ ビ の 関 係 に つ い て メ デ ィ ア 論 的 に 論 じ た も の で は な い 。 ま た 映 画 と テ レ ビ の 関 係 に お い て 、 標 準 テ レ ビ 時 代 の F→ V 変 換 も し く は V→ F 変 換 系 に つ い て の 技 術 面 で の 研 究 報 告9は 多 々 見 ら れ る が 、 本 研 究 の 主 題 の よ う に 二 つ の メ デ ィ ア を 相 関 づ け メ デ ィ ア 論 的 に 論 じ た も の で は な い 。 次 世 代 テ レ ビ の 研 究 開 発 を 始 め た 頃 、 医 療 分 野 や 航 空 撮 影 、 シ ミ ュ レ ー タ な ど の 分 野 で 高 精 細 度 テ レ ビ 技 術 に つ い て 提 案 あ る い は 実 験 さ れ た 研 究 報 告 は 散 見 さ れ る が 、 そ れ ら に つ い て は 草 創 期 の 次 世 代 テ レ ビ 用 の デ ィ ス プ レ イ や カ メ ラ の 試 作 開 発 ・ 実 験 の 参 考 に さ れ て い る1 0

本 研 究 の 主 題 で あ る 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 に 関 し て は 、 次 世 代 テ レ ビ 草 創 期 の 頃 、 そ れ に 関 す る 研 究 を や っ て い た の は NHK 技 研 の 一 部 所 だ け で 、 し か も そ の 中 で フ ィ ル ム に 関 す る 研 究 テ ー マ を 担 当 し て い た の は 筆 者 を 含 め き わ め て 少 人 数 だ け で あ り 、 本 研 究 テ ー マ に 関 す る 研 究 を 始 め た 当 時 、 他 に 先 行 研 究 事 例 は ほ と ん ど な か っ た 。 そ の た め 筆 者 は 映 画 に 関 連 す る 情 報 収 集 、 文 献 調 査 研 究 か ら 始 め 、そ の ひ と つ の 例 と し て『 70mm 映 画 の 調 査 と 評 価1 1』を ま と め 、 そ の 後 の 本 研 究 に 関 す る ハ ー ド 開 発 や そ れ ら を 使 っ た コ ン テ ン ツ 制 作 の 基 礎 デ ー タ と し て の 出 発 点 に な っ た 。 そ の 後 も 含 め 、 当 時 、 行 な わ れ 本 研 究 に 関 す る 研 究 成 果 に つ い て は 、 学 会 報 告 や 各 種 活 動 を 通 じ て 公 開 し 、 こ の 分 野 に お け る 実 践 に 貢 献 し て き た 。

本 論 文 の 中 で の 論 述 の ベ ー ス に な っ て い る の は 筆 者 の 経 歴 と そ れ を 通 し て の 研 究 業 績 に 拠 っ て い る 。筆 者 は 70 年 代 半 ば か ら 80 年 代 半 ば ま で 、NHK 技 研 に て ハ イ ビ ジ ョ ン シ ス テ ム の 研 究 、 と り わ け ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 フ ィ ル ム に 関 す る テ ー マ を 担 当 し た 。 ハ イ ビ ジ ョ ン が 実 用 化 さ れ る 段 階 で 放 送 セ ン タ ー に 異 動 し 、 衛 星 放 送 や ハ イ ビ ジ ョ ン 放 送 の 実 用 化 を 推 進 し 、 多 く の ハ イ ビ ジ ョ ン 番 組 制 作 に も 関 り を 持 ち 、一 時 期 、出 向 し た( 財 )NHK エ ン ジ ニ ア リ ン グ サ ー ビ ス に て ハ イ ビ ジ ョ ン の 産 業 応 用 と り わ け 映 画 応 用 を 担 当 し た 。 こ れ ら の 経 歴 を 通 し て 、 本 編 で 述 べ る よ う に 様 々 な 技 術 開 発 や 作 品 制 作 に 関 与 し 、 あ わ せ て NHK 内 外 で 行 わ れ た 各 種 研 究 会 や イ ベ ン ト に も 様 々 な 役 割 、 担 当 で 参 画 し た 。 こ の よ う に 本 研 究 分 野 に 関 係 す る 業 務 に 長 年 に わ た り 継 続 し て 従 事 し 、 そ れ ら を 通 し て 蓄 積 し た 経 験 や 知 見 、 さ ら に 局 内 外 に 築 い た 豊 富 な 人 脈 は 、 本 研 究 を 進 め る 上 で 役 に 立 っ た だ け で は な く 、 微 力 な が ら 映 像 メ デ ィ ア の 進 展 に 貢 献 し て き た 。

本 論 文 執 筆 に 際 し て は 、 客 観 性 を 重 視 す べ く 多 く の 事 例 を 裏 付 け る 膨 大 な 数 の

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文 献 や 資 料 を 調 査 、 参 照 し 、 そ の 上 で 単 に 事 例 を 紹 介 す る の で は な く 、 筆 者 が 関 与 し 経 験 、 蓄 積 し て き た 知 見 を ベ ー ス に 、 自 身 の 視 点 、 判 断 を 投 入 し 考 察 、 論 じ て い る 。 本 論 に 記 し た 参 考 文 献 、 引 用 文 献 な ど は 多 く の 実 践 に 関 わ っ て 来 た 過 程 で 筆 者 自 身 が 長 年 に わ た り 蓄 積 し て き た も の が 多 い が 、 本 研 究 の た め NHK、 民 放 、 映 画 界 、 映 像 業 界 、 関 連 機 器 メ ー カ な ど の 多 く の 関 係 者 に 取 材 し 入 手 し た も の も あ る 。 本 論 文 に 記 し た 実 践 が 行 わ れ た 時 点 か ら か な り 年 月 が 経 過 し て い る 事 例 に つ い て は 、 資 料 が 散 逸 し か か っ て い る も の も あ り 、 関 係 者 の 記 憶 が 薄 ら い で い る も の も 多 い 。 そ の 意 味 に お い て 、 本 論 文 で 論 述 の た め に 参 考 に し た 膨 大 な 文 献 や 資 料 を 整 理 し 保 存 す る こ と は 、 学 術 史 的 記 録 と し て 本 研 究 の 重 要 な 意 義 の ひ と つ で あ る 。 な お 、 論 文 で は 多 く の 図 面 、 写 真 を 貼 付 し て あ る が 、 そ れ ら は そ れ ぞ れ の 論 点 を 理 解 し や す く す る 意 味 も あ る が 、 前 述 の 文 献 資 料 と 共 に 本 研 究 の 成 果 物 で も あ る 。

1.3 本 論 文 の 構 成

本 論 文 は 本 編 の 8 章 と 付 録 資 料 編 で 構 成 さ れ る 。

本 研 究 の 大 ま か な 流 れ を 理 解 し や す く す る た め 、 映 画 と テ レ ビ の 二 つ の 映 像 メ デ ィ ア の 技 術 的 成 長 の 経 緯 と 、 本 論 文 の 各 章 で 論 述 す る 内 容 と の 関 係 、 そ れ ら が ど の よ う な 社 会 的 イ ベ ン ト の も と で 行 わ れ て い た の か 、 時 間 的 相 対 関 係 を 表 1 に ま と め て お く 。 こ の 表 に 示 す 大 き な 流 れ に 添 い 、 以 下 、 各 章 ご と の 論 点 概 要 を 整 理 し て お く 。

第 1 章 で は 、 本 研 究 の 社 会 的 お よ び 学 術 的 意 味 、 研 究 の 目 的 、 進 め 方 、 本 論 文 全 体 の 構 成 に つ い て 概 略 説 明 を 行 っ て い る 。 そ の 中 で 本 研 究 の 社 会 的 背 景 と し て

「 放 送 と 通 信 の 融 合 」 に 象 徴 さ れ る よ う に メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 化 が 進 む 映 像 メ デ ィ ア の 状 況 に つ い て 考 察 し 、 そ の 状 況 下 で 行 わ れ た 「ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 の 意 義 、 意 味 に つ い て 考 察 し て い る 。 本 論 文 全 体 を 通 し て 、 元 々 、 素 性 、 特 性 の 異 な る 二 つ の 映 像 メ デ ィ ア が メ デ ィ ア ミ ッ ク ス か ら メ デ ィ ア フ ュ ー ジ ョ ン へ と 態 様 を 移 行 し て い く 経 緯 に 添 い 論 じ て い く 。 さ ら に 本 研 究 の 主 題 に 関 連 す る 先 行 研 究 、 ま た 各 論 点 を 論 じ る 上 で ベ ー ス に な っ て い る 筆 者 の 研 究 履 歴 に つ い て も 触 れ て い る 。

第 2 章 で は 、 本 論 文 の 主 題 の 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 を 論 じ る 前 提 と し て 、1950 年 代 か ら 1970 年 代 頃 の 標 準 テ レ ビ に お け る フ ィ ル ム と テ レ ビ の 関 係 に つ い て 述 べ て い る 。 そ の 時 代 、 映 画 と テ レ ビ は 別 の 映 像 メ デ ィ ア で 、 フ ィ ル ム を テ レ ビ の 取 材 ・ 制 作 用 に 使 う と か 、 映 画 を 放 送 番 組 素 材 に 活 用 す る と

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表 1 映 画 と ハ イ ビ ジ ョ ン メ デ ィ ア の 進 展 と 本 研 究 の 関 係

イ ベ ン ト 映 画 テ レ ビ ・ ハ イ ビ ジ ョ ン 本 研 究 と の 関 係 映 画 の 誕 生 (1895)ル ミ エ ー ル 第 3 章

テ レ ビ 開 発 ・ 高 柳 「 イ 」 表 示(1926) 第 3 章 テ レ ビ 放 送

開 始(1954)

・ワ イ ド 、大 画 面 化 ( 50 年 代 )

・ 茶 の 間 に て 小 画 面 で 視 聴 第 2 章 、 SDTV 時 代 の フ ィ ル ム と の 交 流 東 京 オ リ ン

ピ ッ ク

(1964)

・ 低 落 傾 向 ・ 普 及 進 む 、 カ ラ ー 化 第 3 章 、 一 方 向 的 交 流 第 3 章 、 HV 草 創 期 双 方 向 交 流 進 む 次 世 代 テ レ ビ 研 究 開 始

・ 高 品 位 テ レ ビ 機 器 開 発 、

コ ン テ ン ツ 制 作 始 ま る

つ く ば 科 学 博(1985)

・ 「 ハ イ ビ ジ ョ ン 」 命 名 、 暫 定 仕 様 、 実 用 機 器 開 発 コ ン テ ン ツ 制 作 進 む

第 3 章 、 第 5 章 、 HV 実 用 期

ソ ウ ル オ リ

( 1988)

・ HV 利 用 の 映 画 制 作 始 ま る

・ 定 時 実 験 放 送 、 HV 街 頭 テ レ ビ 、 衛 星 生 中 継 映 画 応 用 進 み だ す

第 4 章 、 第 5 章 、 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス に よ る コ ン テ ン ツ 制 作 ビ ッ グ バ ン

(1991、 1992)

・映 画 館 へ の 電 子 配 信 実 験 実 施

・ HV 産 業 応 用 進 展 、 コ ン テ ン ツ 配 信 ・ 伝 送 実 験

第 6 章 、 国 内 外 で 各 種 伝 送 実 験 、 HV ギ ャ ラ リ ー 、 多 目 的 ホ ー ル デ ジ タ ル 放

(BS:2000、

地 上 波 : 03)

・デ ジ タ ル シ ネ マ の 流 れ 、 DI プ ロ セ ス 普 及

・ハ イ ビ ジ ョ ン が 基 幹 メ デ ィ ア に 、デ ー タ 放 送 、ワ ン セ グ 、 サ ー バ 型 放 送

第 7 章 、 メ デ ィ ア フ ュ ー ジ ョ ン か ら デ ジ タ ル シ ネ マ の 進 展 愛 知 博( 05)

NAB(07~ )

・ 3D 映 画 盛 ん に ・ SHV 国 内 外 で 展 示 公 開 、 急 速 に 展 開 進 む 3D

第 7 章 、 近 未 来 の 映 像 メ デ ィ ア の 展 望 、 3D、 超 臨 場 感 映 像

か 放 送 番 組 を フ ィ ル ム で 記 録 す る と 言 う よ う に 、 一 方 向 的 交 流 は な さ れ て い た 。 そ の た め に 使 わ れ た フ ィ ル ム 送 像 装 置 お よ び フ ィ ル ム 録 画 装 置 の 動 向 に つ い て 、 ま た 当 時 行 わ れ た フ ィ ル ム と テ レ ビ の 交 流 の 事 例 に つ い て も 述 べ て あ る 。

第 3 章 で は 、80 年 代 か ら 90 年 代 半 ば 頃 ま で に 行 わ れ た「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 を 実 践 す る た め に 必 要 な 各 種 ハ ー ド ウ エ ア の 開 発 経 緯 、 技 術 動 向 に つ い て 論 じ て い る 。 ま ず 、 本 研 究 の 主 題 で あ る ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 を メ デ ィ ア ミ ッ ク ス す る こ と の 意 義 を 考 察 し 、 そ の た め の 課 題 と そ れ に よ り 得 ら れ る 効

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果 に つ い て 論 じ て い る 。 そ れ を 行 う 前 提 と し て 、 両 者 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス が な さ れ る 以 前 の 映 画 シ ス テ ム と 映 画 フ ィ ル ム に つ い て 、 ま た 次 世 代 テ レ ビ と し て の ハ イ ビ ジ ョ ン が 開 発 さ れ た 経 緯 と そ の 後 の 成 長 に つ い て 、 さ ら に ハ イ ビ ジ ョ ン の 放 送 と 産 業 応 用 両 面 で の 進 展 の 経 緯 に つ い て 、 当 時 行 わ れ た 研 究 活 動 や 推 進 施 策 も あ わ せ て 述 べ て あ る 。 そ の あ と で 、 両 メ デ ィ ア の ミ ッ ク ス に と っ て 重 要 機 器 で あ る ハ イ ビ ジ ョ ン 用 フ ィ ル ム 送 像 と フ ィ ル ム 録 画 シ ス テ ム 、 コ ン テ ン ツ 制 作 用 ハ イ ビ ジ ョ ン カ メ ラ や VTR に つ い て 、 ま た 二 つ の 映 像 メ デ ィ ア を ミ ッ ク ス す る 上 で 効 果 を 発 揮 す る と 期 待 さ れ た 映 像 加 工 、 合 成 、 処 理 シ ス テ ム に 関 し て の 開 発 、 成 長 の 経 緯 、 そ れ ら を 活 用 す る こ と で 得 ら れ た 利 点 や 機 能 性 に つ い て 、 さ ら に メ デ ィ ア ミ ッ ク ス で 制 作 さ れ た コ ン テ ン ツ を 上 映 す る コ ン テ ン ツ 配 信 系 や 各 種 デ ィ ス プ レ イ に つ い て 、 そ れ ぞ れ の 開 発 経 緯 、 成 長 過 程 を 具 体 的 に 詳 し く 述 べ て あ る 。 第 4 章 で は 、 第 3 章 に 記 し た ハ ー ド ウ エ ア を 使 い 、 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 を メ デ ィ ア ミ ッ ク ス す る 際 の 様 々 な 技 術 的 問 題 や 要 件 に つ い て 考 察 し て い る 。 具 体 的 ポ イ ン ト と し て は 、 フ ィ ル ム と ハ イ ビ ジ ョ ン の 変 換 の 際 の 異 な る 毎 秒 コ マ 数 に 関 す る 問 題 が 大 き い が 、 そ の 点 に 関 し て NHK、 SMPTE、 日 本 映 画 テ レ ビ 技 術 協 会 が 行 っ た 研 究 成 果 と そ の 意 義 に つ い て 検 証 し て あ る 。 次 に 、 映 像 メ デ ィ ア に よ っ て 異 な る 画 面 の ア ス ペ ク ト 比 に 関 し て 、 一 体 化 制 作 ( 標 準 テ レ ビ と ハ イ ビ ジ ョ ン 番 組 を 一 体 的 に 制 作 す る 手 法 ) の 際 の 問 題 、 映 画 と ハ イ ビ ジ ョ ン で 異 な る ア ス ペ ク ト 比 に 伴 う 問 題 点 と 対 応 策 に つ い て 論 じ て あ る 。 次 に 、 フ ィ ル ム 画 像 と ハ イ ビ ジ ョ ン 映 像 で 異 な る 画 質 に 関 す る 問 題 と 、 そ れ ら を 混 在 使 用 す る 場 合 の 画 調 を あ わ せ る た め 制 作 技 法 に つ い て 論 じ て あ る 。 さ ら に 、 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス に と っ て 大 き な メ リ ッ ト し て 期 待 さ れ た フ ィ ル ム 画 像 と ハ イ ビ ジ ョ ン 映 像 を 合 成 ・ 加 工 処 理 す る 場 合 の 問 題 点 や 特 徴 に つ い て も 論 じ て い る 。

第 5 章 で は 、 本 研 究 の 主 題 で あ る 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 の 中 で 重 要 な 点 で あ る 「 コ ン テ ン ツ 制 作 の 側 面 」 に つ い て 論 じ て い る 。 第 3 章 で 述 べ た 制 作 用 の 各 種 機 器 、 シ ス テ ム を 使 い 、 第 4 章 で 述 べ た メ デ ィ ア ミ ッ ク ス に 伴 い 派 生 す る 様 々 な 問 題 を 乗 り 越 え つ つ 、1980 年 代 か ら 1990 年 代 前 半 に お い て 行 わ れ た 膨 大 な 数 の 制 作 実 践 の 中 か ら 、 特 に 重 要 と 思 わ れ る 作 品 を 取 り 上 げ 、 そ れ ぞ れ の 作 品 毎 に ど の よ う な 技 術 が 使 わ れ 、 ど の よ う な 問 題 に 遭 遇 し そ れ ら を ど う 克 服 し た の か 、 そ れ ら の 成 果 と し て ど の よ う な 制 作 技 法 が 編 み 出 さ れ 、 ど の よ う な 斬 新 な 映 像 表 現 が 創 ら れ た の か 、 さ ら に 制 作 ワ ー ク フ ロ ー に ど の よ う な 影 響 を 与 え 、 効 果 を も た ら し た の か な ど に つ い て 、 当 時 の 制 作 例 つ い て 検 証 し 論 じ て い る 。 そ し て そ れ ら の 実 践 を 通 し て 得 ら れ た 経 験 、 知 見 が そ の 後 の 映 像 メ デ ィ ア の

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成 長 に 与 え た 影 響 に つ い て も 考 察 を 加 え て あ る 。

第 6 章 で は 、 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の も う ひ と つ の 重 要 な 側 面 で あ る 「 コ ン テ ン ツ の 配 信 、 上 映 系 の 問 題 」 に つ い て 論 じ て い る 。 両 者 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス が 進 展 す る こ と に よ り 、 制 作 さ れ た コ ン テ ン ツ は 、 従 来 の 映 画 に お け る フ ィ ル ム で の 配 給 と 上 映 、 ハ イ ビ ジ ョ ン に よ る 電 子 的 な 配 信 と 上 映 、 さ ら に 両 者 を 混 在 す る ケ ー ス と 多 様 化 し て い く 。 同 章 で は 、 当 時 行 わ れ た こ れ ら の 多 種 多 彩 な 実 践 例 を ベ ー ス に し て 論 じ て い る が 、 そ の 前 提 と し て 、 ま ず 標 準 テ レ ビ 段 階 に お け る ビ デ オ シ ア タ ー の 進 展 の 経 緯 、 動 向 を 整 理 し 、 そ れ ら の 発 展 形 と し て の ハ イ ビ ジ ョ ン シ ア タ ー や 映 像 多 目 的 ホ ー ル な ど の 促 進 の た め 行 わ れ た 様 々 な 試 行 実 験 や 研 究 調 査 活 動 の 意 義 や 成 果 を 検 証 し て い る 。 そ れ ら の 活 動 成 果 と し て 全 国 各 地 に 構 築 さ れ た 数 々 の 多 目 的 映 像 ホ ー ル や ハ イ ビ ジ ョ ン ギ ャ ラ リ ー に 関 し 、 そ の 技 術 面 、 映 像 産 業 面 で の 意 味 、 意 義 に つ い て 論 じ て い る 。 そ の 次 に 、 コ ン テ ン ツ 配 信 に 関 し 、 電 子 メ デ ィ ア と し て の メ リ ッ ト を 活 か す べ く 国 内 外 で 行 わ れ た 映 画 や ハ イ ビ ジ ョ ン の 配 信 ・ 伝 送 実 験 に つ い て 具 体 的 に 検 証 し て い る 。 そ れ ら の 実 践 は 、 そ れ ま で の 映 像 業 界 の 態 様 、 産 業 的 側 面 に 変 革 を も た ら し 、 新 た な ビ ジ ネ ス を 掘 り 起 し 、 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に 大 き な 影 響 を 与 え て い く こ と に な っ た 。 そ の 上 で あ ら た め て ハ イ ビ ジ ョ ン シ ア タ ー の フ ィ ー ジ ビ リ テ ィ を 考 え 、 今 日 に 至 る 映 像 メ デ ィ ア に 与 え た 貢 献 、 影 響 に つ い て 考 察 し て い る 。

第 7 章 で は 、 第 6 章 ま で 論 じ て き た 数 多 く の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の 実 践 以 降 の 今 日 ま で の 映 像 メ デ ィ ア の 技 術 動 向 や 進 展 状 況 に つ い て 論 じ 、 さ ら に 今 日 か ら 将 来 に 向 け て の 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に つ い て の 展 望 を 語 っ て い る 。 そ の 前 提 と し て 、 メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 時 代 に 開 発 さ れ た 映 像 メ デ ィ ア 展 開 の 何 が 次 の 時 代 に ど の よ う に 引 き 継 が れ 、 90 年 代 後 半 頃 か ら あ ら ゆ る 分 野 で 急 速 に 進 展 し た デ ジ タ ル 技 術 に よ り ど の よ う に 影 響 を 受 け 、 さ ら な る 成 長 を 遂 げ て い っ た の か に つ い て 論 じ て い る 。 デ ジ タ ル 化 に よ り 映 像 信 号 は 単 な る デ ー タ と な り 、 映 像 シ ス テ ム は フ ァ イ ル 化 が 進 み 、 各 プ ロ セ ス は ネ ッ ト ワ ー ク で リ ン ク さ れ 、 コ ン テ ン ツ 素 材 の 共 有 、 共 用 化 が 進 ん で い る 。 コ ン テ ン ツ の 制 作 か ら 配 信 、 放 送 ま で 、 映 像 メ デ ィ ア は 大 き く 変 容 し 、 従 来 の よ う な 個 別 メ デ ィ ア の 境 界 は さ ら に 低 く な り 、 メ デ ィ ア フ ュ ー ジ ョ ン が 進 ん で い く 状 況 に つ い て 論 じ て い る 。

そ の 象 徴 的 事 例 と し て 、 最 近 大 き な 注 目 を 集 め 定 着 し つ つ あ る デ ジ タ ル シ ネ マ に 関 し て 、 映 像 メ デ ィ ア 論 的 意 味 、 規 格 化 ・ 標 準 化 の 経 緯 、 国 内 外 に お け る ハ ー ド ウ エ ア ( F⇔ V 変 換 系 、 4K カ メ ラ や デ ィ ス プ レ イ な ど ) の 開 発 状 況 に つ い て 詳 細 に 調 査 し 、 そ れ を ベ ー ス に 今 後 の 展 開 に つ い て 展 望 を し て い る 。 そ し て 最 後 に 、

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こ れ か ら の 映 像 メ デ ィ ア が 目 指 す べ き 目 標 、 方 向 に つ い て 、 今 進 み つ つ あ る メ デ ィ ア の 状 況 、 学 会 や 映 像 業 界 で 論 じ ら れ て い る 論 議 を 踏 ま え 、 筆 者 の 経 験 、 知 見 を ベ ー ス に 考 察 し 、 そ の 具 体 例 と し て 発 展 途 上 に あ る 「 3D 映 像 」 と 次 世 代 の 超 臨 場 感 映 像 シ ス テ ム 「 ス ー パ ー ハ イ ビ ジ ョ ン 」 に つ い て 、 今 後 の 進 展 を 展 望 す る 。 第 8 章 で は 本 論 文 の む す び と し て 全 体 的 ま と め を 書 い て あ る 。 「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」に 関 し て 、80 年 代 か ら 90 年 代 に か け 行 わ れ た「 コ ン テ ン ツ 制 作 面 お よ び 配 信 ・ 上 映 面 」 に お け る 様 々 な 実 践 を 通 し て 、 何 が 得 ら れ 、 何 が 明 ら か に な っ た の か 、 そ し て そ れ ら が そ の 後 の 映 像 メ デ ィ ア の 展 開 に 与 え た 影 響 や 効 果 に つ い て 、 本 研 究 の 成 果 の ま と め を 書 い て あ る 。 さ ら に 本 論 文 を 書 く 上 で 参 考 に し た 文 献 リ ス ト 、 本 研 究 の ベ ー ス に な っ た 筆 者 の 研 究 業 績 お よ び 関 係 各 位 に 対 す る 謝 辞 も 記 し て あ る 。

な お 、 本 論 文 全 体 に 関 わ る 補 足 資 料 と し て 、 付 録 編 で 各 章 の 論 述 に 関 連 す る 写 真 類 、 本 論 文 の 主 題 に 関 連 す る 「 ハ イ ビ ジ ョ ン 技 術 史 」 お よ び メ デ ィ ア ミ ッ ク ス の コ ン テ ン ツ 制 作 実 践 に 関 連 す る 「 コ ン テ ン ツ リ ス ト 」 を ま と め て あ る 。 こ れ ら の 技 術 資 料 や 文 献 リ ス ト を 整 理 、 記 録 、 保 存 す る こ と も 本 研 究 の 学 術 史 的 成 果 で あ る 。

1 音 好 弘 「 放 送 メ デ ィ ア の 現 代 的 展 開 」 ニ ュ ー メ デ ィ ア 、 pp.59-64、 2007

2 平 成 19 年 版 「 情 報 通 信 白 書 」 総 務 省 、 pp.250-253、 2008

3 本 間 祐 次 「 IPTV 通 信 ・ 放 送 融 合 サ ー ビ ス の 大 本 命 」 ニ ュ ー メ デ ィ ア 、 pp.99-111、 2007

4 Lev Manovich, "Post-media Aesthetics" 、http://www.manovich.net/

5 周 知 の よ う に 、 日 本 語 の 「 メ デ ィ ア 」 に 対 応 す る 語 は 、 英 語 ( あ る い は そ の 元 に な っ た ラ テ ン 語 、 そ こ か ら 派 生 し た フ ラ ン ス 語 な ど ) で は 単 数 形 medium の 複 数 形 media で あ る 。個 々 の「 媒 体・媒 介 」は medium で あ り 、複 数 の medium を ま と め て 論 じ る 時 に media の 語 を 使 う 。日 本 語 に は 両 者 を 区 別 す る 考 え 方 が な い た め 、本 論 文 で は 便 宜 的 に medium を 「 個 別 メ デ ィ ア 」 と あ ら わ し て い る

6 マ ー シ ャ ル ・ マ ク ル ー ハ ン 「 メ デ ィ ア 論 」、 み ず ず 書 房 、 1987( Marchal MacLuhan, Understanding Media,MacGraw-Hill Book Company,1964)

7 マ ー シ ャ ル 前 掲 書 、 pp.7

8 音 前 掲 書 、 pp.163-179

9 杉 浦 幸 雄 、 元 木 紀 雄 「 レ ー ザ ー を 用 い た カ ラ ー フ ィ ル ム 録 画 」 テ レ ビ ジ ョ ン 学 会 誌 、 VOL31、 No5、 pp.35-42、 1977

1 0 林 宏 三 「 高 精 細 度 テ レ ビ ジ ョ ン 」 テ レ ビ ジ ョ ン 学 会 誌 、 VOL28、 No9、 pp.2-7、 1974

1 1石 田 武 久 他 「 70mm 映 画 フ ィ ル ム に よ る 高 品 位 テ レ ビ 動 画 像 の 評 価 」 テ レ ビ ジ ョ ン 学 会 技 術 報 告 、 1975/9

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第 2 章 標 準 テ レ ビ 時 代 に お け る テ レ ビ と 映 画 の 関 係

2.1 は じ め に

第 3 章 で 詳 細 に 述 べ る が 、 次 世 代 テ レ ビ と し て の ハ イ ビ ジ ョ ン は 、 標 準 テ レ ビ が 東 京 オ リ ン ピ ッ ク を 機 に カ ラ ー 化 が 始 ま っ た 頃 、NHK 技 研 で 研 究 が 開 始 さ れ 、標 準 テ レ ビ か ら 成 長 、 発 展 し た も の で あ る 。 本 章 で は 本 研 究 の 主 題 の テ ー マ で あ る

「 ハ イ ビ ジ ョ ン と 映 画 の メ デ ィ ア ミ ッ ク ス 」 を 考 察 す る 前 提 と し て 、 標 準 テ レ ビ 時 代 に お い て テ レ ビ と 映 画 が ど の よ う な 関 係 に あ り 、 ど の よ う な 役 割 分 担 、 交 流 を し て い た の か に つ い て 整 理 し て お く 。

2.2 標 準 テ レ ビ に お け る フ ィ ル ム の 利 用

わ が 国 で テ レ ビ 放 送 が 始 ま っ た の は 1953 年 の こ と で あ る 。 当 時 、 主 に 使 わ れ て い た テ レ ビ カ メ ラ は 撮 像 管 に イ メ ー ジ オ ル シ コ ン を 使 っ た 大 型 の も の で 、 感 度 は 低 く 、 機 動 性 が 悪 く 、 フ ィ ー ル ド で の 撮 影 に は 適 さ ず 、 ほ と ん ど の テ レ ビ 番 組 は ス タ ジ オ か ら の 生 放 送 が 当 た り 前 だ っ た 。 し か し 、 テ レ ビ 放 送 の 成 長 に あ わ せ 、 様 々 な 番 組 が 制 作 、 放 送 さ れ る よ う に な る に つ れ 、 ニ ュ ー ス 報 道 、 ド キ ュ メ ン タ リ ー 、自 然・紀 行 も の な ど 多 く の ジ ャ ン ル の 番 組 で 、機 動 性 、操 作 性 に 優 れ た 16mm フ ィ ル ム カ メ ラ が 使 わ れ る よ う に な っ た 。海 外 取 材 な ど 大 型 の 企 画 番 組 な ど で は 、 画 質 を 重 視 し 35mm フ ィ ル ム が 使 わ れ る こ と も あ っ た 。

1960 年 代 に な り 、 小 形 の 光 導 電 型 撮 像 管 が 開 発 さ れ 、 初 期 モ デ ル の ビ ジ コ ン か ら プ ラ ン ビ コ ン や サ チ コ ン へ と 代 わ り 性 能 が 向 上 し 、 そ れ ら を 搭 載 し テ レ ビ カ メ ラ は 小 型 化 、 高 画 質 化 が 進 ん で い く 。 そ の 後 、 信 頼 性 の 向 上 、 一 層 の 小 型 化 を 目 指 し 、 映 像 プ ロ セ ッ サ ー は 真 空 管 か ら ト ラ ン ジ ス タ ー 化 さ れ て い く 。 1970 年 代 に な り シ ョ ル ダ ー 型 、 ハ ン デ ィ カ メ ラ が 開 発 さ れ 、 フ ィ ー ル ド で の テ レ ビ カ メ ラ の 使 用 が 急 速 に 増 え て い っ た 。 70 年 代 半 ば 頃 に な る と 、 取 材 し た 映 像 素 材 を い か に 早 く オ ン エ ア す る か 、迅 速 な 報 道 取 材 へ の 要 望 が 高 ま り 、小 型 カ メ ラ と 携 帯 型 VTR を 組 み 合 わ せ た 電 子 的 ニ ュ ー ス 取 材 シ ス テ ム ENG( Electronic News Gathering)

が 登 場し 、報 道 番 組 の 取 材 法 は フ ィ ル ム 撮 影 か ら 小 型 テ レ ビ カ メ ラ へ と 変 わ っ て い く こ と に な っ た 。し か し 緊 急 性 が 求 め ら れ る ニ ュ ー ス 報 道 以 外 の 一 般 番 組 で は 、 相 変 わ ら ず 機 動 性 の 高 い フ ィ ル ム カ メ ラ が 盛 ん に 使 わ れ て い た 。 そ の 後 、 1980 年 代 半 ば か ら 1990 年 代 に か け 、撮 像 デ バ イ ス は 撮 像 管 か ら 固 体 素 子 に か わ り テ レ ビ カ メ ラ は 一 層 小 型 化 さ れ 、 90 年 代 に は カ メ ラ ヘ ッ ド と VTR が 一 体 化 さ れ た カ メ ラ

( 通 称 カ ム コ ー ダ )も 登 場 し 機 動 性 が 大 き く 向 上 す る こ と に な っ た 。そ れ に つ れ 、

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テ レ ビ カ メ ラ 取 材 が 主 流 と な っ て い き 、 フ ィ ル ム カ メ ラ は 高 速 度 撮 影 や 高 感 度 撮 影 な ど 特 殊 な 場 合 を 除 き 徐 々 に 使 わ れ な く な っ て い っ た 。

一 方 、 標 準 テ レ ビ の 草 創 期 、 ま だ VTR が 開 発 さ れ て い な か っ た 頃 、 テ レ ビ 番 組 を 記 録 す る 唯 一 の 方 法 と し て 、 後 述 す る フ ィ ル ム 録 画 装 置 が 再 放 送 や 番 組 保 存 の た め に 大 い に 使 わ れ て い た 。1960 年 代 に VTR が 開 発 さ れ番 組 記 録 、再 生 に 使 わ れ る よ う に な る と 、 番 組 制 作 や 放 送 送 出 の や り 方 は 大 き く 変 わ っ て い く 。 生 放 送 番 組 の よ う に 時 系 列 で 順 番 に 撮 影 す る 必 要 は な く な り 、 順 不 同 で カ ッ ト 毎 に 撮 影 し た 映 像 素 材 を 編 集 し て 番 組 が 制 作 で き る よ う に な り 、 番 組 制 作 効 率 は 格 段 に 向 上 す る と 共 に 表 現 手 法 や 番 組 品 質 も 高 く な っ た 。 放 送 送 出 に お い て も 、 時 差 放 送 や 再 放 送 が 可 能 に な り 番 組 編 成 は 柔 軟 に で き る よ う に な っ た 。 こ の よ う に 放 送 メ デ ィ ア は VTR の 登 場 に よ り 革 命 的 に 変 質 し て い っ た 。

VTR に よ り 放 送 番 組 制 作 や 送 出 法 が 変 わ る の に あ わ せ 、フ ィ ル ム 録 画 の 利 用 法 も 次 第 に 変 わ っ て い っ た 。 VTR が 開 発 さ れ て か ら し ば ら く の 間 は 、 VTR テ ー プ は か な り 高 価 だ っ た の で 、 放 送 で の 番 組 再 生 が 終 わ る と テ ー プ を 消 去 し 次 の 番 組 に 再 利 用 す る の が 普 通 で 、 放 送 済 み 番 組 を VTR テ ー プ に よ り 保 存 す る こ と は ほ と ん ど な か っ た 。 そ の た め 1960 年 代 半 ば 頃 ま で 、 番 組 保 存 用 記 録 メ デ ィ ア と し て は 相 変 わ ら ず フ ィ ル ム 録 画 が 使 わ れ て い た 。 そ の お か げ で 、 当 時 の 放 送 番 組 が フ ィ ル ム 録 画 装 置 で フ ィ ル ム に 記 録 保 存 さ れ 、 貴 重 な 映 像 遺 産 と し て 残 さ れ て い る 文 化 的 意 義 は 大 き い も の が あ る 。 国 内 で VTR の 利 用 が か な り 進 ん だ 1970 年 代 に な っ て も 、 VTR 普 及 が あ ま り 進 ん で い な か っ た 海 外 放 送 局 と の 番 組 交 換 は フ ィ ル ム で な さ れ る こ と が 多 か っ た 。 1972 年 開 催 の 札 幌 オ リ ン ピ ッ ク の 際 に は 、 海 外 放 送 局 向 け に 競 技 映 像 や サ マ リ ー 映 像 を キ ネ レ コ で フ ィ ル ム 化 し 提 供 す る こ と が 行 な わ れ た 。 こ の よ う に テ レ ビ 放 送 草 創 期 に フ ィ ル ム 録 画 が 果 た し た 役 割 は 大 き い 。 し か し そ の 後 、年 々 VTR の 普 及 が 進 み テ ー プ が 安 価 に な る に つ れ 、番 組 制 作 は も ち ろ ん 番 組 保 存 も テ ー プ で 行 わ れ る よ う に な っ て い く よ う に な り 、 フ ィ ル ム 録 画 は ほ と ん ど 使 わ れ な く な っ て い っ た 。 映 像 メ デ ィ ア の 変 遷 の 象 徴 的 事 例 の ひ と つ で あ る 。 一 方 で 、 フ ィ ル ム は 草 創 期 の テ レ ビ 時 代 に 番 組 取 材 や 記 録 、 保 存 用 に 使 わ れ た だ け で な く 、 テ レ ビ 放 送 が 開 始 さ れ る 以 前 や 以 後 に 、 科 学 用 や 産 業 用 に フ ィ ル ム で 撮 影 さ れ た 映 像 資 料 や 映 像 資 産 も 多 く 、 そ れ ら を 放 送 用 素 材 と し て 活 用 す る こ と も 重 要 な こ と だ っ た 。 さ ら に 映 画 館 公 開 用 に 制 作 さ れ た 映 画 作 品 は 、 大 変 良 質 の 放 送 番 組 素 材 と し て 視 聴 者 の 人 気 は 高 く 、 放 送 が 始 ま っ た 頃 か ら 大 い に 利 用 さ れ て き た 。 ま た 、 民 放 局 の ド ラ マ や 時 代 劇 、 CM 素 材 の 撮 影 に 、 最 近 で も フ ィ ル ム が 使 わ れ る ケ ー ス が あ り 、 さ ら に 海 外 の 放 送 局 や ハ リ ウ ッ ド な ど の プ ロ ダ ク シ ョ

参照

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