九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Trends in the prevalence of airflow limitation in a general Japanese population:two serial
cross-sectional surveys from the Hisayama Study
緒方, 大聡
http://hdl.handle.net/2324/2236123
出版情報：九州大学, 2018, 博士（医学）, 課程博士 バージョン：
権利関係：
氏 名 ： 緒 方 大 聡
論 文 名 ：Trends in the prevalence of airflow limitation in a general Japanese population:
two serial cross-sectional surveys from the Hisayama Study
（ わ が 国 の 地 域 一 般 住 民 に お け る 気 流 制 限 の 有 病 率 の 時 代 的 変 化：久 山 町 研 究 の 2 時 期 の 横 断 研 究 ）
区 分 ： 甲
論 文 内 容 の 要 旨
目 的 ： 慢 性 閉 塞 性 肺 疾 患 は 気 流 制 限 を 特 徴 と す る 疾 患 で あ り 、 公 衆 衛 生 上 大 き な 負 担 で あ る 。 わ が 国 で は 、 最 近 の 数 十 年 間 の 大 気 汚 染 や 職 業 性 粉 塵 曝 露 の 低 下 と 喫 煙 者 の 割 合 の 減 少 に よ り 、 気 流 制 限 の 有 病 率 が 変 化 し て い る 可 能 性 が あ る 。 本 疫 学 研 究 は 、 わ が 国 の 地 域 一 般 住 民 に お い て 、 気 流 制 限 の 有 病 率 お よ び 気 流 制 限 に 対 す る 危 険 因 子 の 影 響 の 時 代 的 変 化 を 検 討 し た 。
研 究 デ ザ イ ン ：2 時 期 の 横 断 研 究 。
設 定 ：1961年 以 来 継 続 中 の 前 向 き 追 跡 研 究 で あ る 久 山 町 研 究 の デ ー タ 。
対 象 者 ：1967年 と 2012年 に 呼 吸 機 能 検 査 を 受 け た 40歳 以 上 の 男 女 1,842人 お よ び 3,033人 。 方 法：気 流 制 限 は 呼 吸 機 能 検 査 に お い て 努 力 性 肺 活 量 に 対 す る 1秒 量 の 割 合（ 以 後 1秒 率 ）70%未 満 と 定 義 し た 。 そ れ ぞ れ の 調 査 年 度 に お い て 、 年 齢 調 整 後 の 気 流 制 限 の 有 病 率 を 男 女 別 に 検 討 し た 。 気 流 制 限 に 対 す る 危 険 因 子 の オ ッ ズ 比 と 人 口 寄 与 割 合 を 調 査 年 度 間 で 比 較 し た 。
結 果 ： 年 齢 調 整 後 の 気 流 制 限 の 有 病 率 は 、 男 女 と も 1967 年 か ら 2012年 に か け て 減 少 し た （ 男 性 で は 26.3%か ら 16.1%、 女 性 で は 19.8%か ら 10.5%） 。 喫 煙 は い ず れ の 調 査 年 度 に お い て も 気 流 制 限 に 対 す る 有 意 な 危 険 因 子 で あ っ た が 、そ の 影 響 の 大 き さ は 1967 年 に 比 べ 2012年 で 有 意 に 高 か っ た（1967 年
：多 変 量 調 整 後 オ ッ ズ 比 1.63（95%信 頼 区 間 1.19-2.24）、2012年：2.26（95%信 頼 区 間 1.72-2.99）、
異 質 性 P 値 0.007）。喫 煙 の 気 流 制 限 に 対 す る 人 口 寄 与 割 合 は 、2012年 の 集 団 に お い て 33.5%で あ り 、 1967 年 の 集 団 の 21.1%と 比 較 し て 1.5倍 に 上 昇 し た 。
結 論：わ が 国 に お い て 、気 流 制 限 の 有 病 率 は こ の 45年 間 で 有 意 に 低 下 し た が 、喫 煙 の 気 流 制 限 に 対 す る 影 響 は 時 代 と と も に 強 ま っ た 。
