九州大学学術情報リポジトリ
Kyushu University Institutional Repository
Blood biomarkers of Hikikomori, a severe social withdrawal syndrome
早川, 宏平
https://doi.org/10.15017/2348702
出版情報:九州大学, 2019, 博士(医学), 課程博士 バージョン:
権利関係:(C) The Author(s) 2018 Open Access This article is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License0.
氏 名: 早 川 宏 平
論 文 名: Blood biomarkers of Hikikomori, a severe social withdrawal syndrome (重度の社会的ひきこもり症候群である、『ひきこもり』の血液バイオ マーカー)
区 分:甲
論 文 内 容 の 要 旨
社会的ひきこもり(以下、『ひきこもり』)は、6ヶ月以上にわたり仕事・学校に行かず 、殆ど の時間を家庭内に留まっている状態であり、世界的に大きな社会問題になっている。その病態は十 分に解明されておらず、確立された予防法・治療法は存在しない。そこで、我々は『ひきこもり』
の生物学的病態生理基盤に関する予備的探索を行った。まず、『ひきこもり』の背景に回避性パー ソナリティが存在するという仮説を立てた。そして、非『ひきこもり』者における回避性パーソナ リティ特性、血液バイオマーカー、『ひきこもり』に関連した心理学的特性、信頼ゲームによって 評価される行動特性の間にみられる関係性について調査した。その結果、回避性パーソナリティ特 性には、男性では血清尿酸値および血清 HDL コレステロール値との間に負の相関が、女性では血 漿FDP値および血清hsCRP値との間に正の相関が認められた。次に、我々は実際の『ひきこもり』
者群と、年齢をマッチさせた健常対照群の間で、回避性パーソナリティ特性、血液バイオマーカー、
心理学的特性を比較した。健常対照群と比較して、『ひきこもり』者群では男女どちらも回避性パ ーソナリティ特性が高く、男性では血清尿酸値が低く、女性では血清 HDL コレステロール値が低 かった。本研究は『ひきこもり』の血液バイオマーカーとなりうる物質に関する初めての報告であ り、『ひきこもり』の基盤にある生物学的病態生理を明らかにするための第一歩となるものである。