成人
ICU
患者においてはどの鎮静スケールが有用か?
— 文献を用いた
4
つの鎮静スケールの比較—
卯野木 健
*1芹田 晃道
*2四本 竜一
*3要約:人工呼吸患者管理において鎮静深度のコントロールは非常に重要であり,そのためのツー ルは信頼性,妥当性に富み,使用が容易でなければならない。現在,主観的な鎮静スケールが 多く使用され,Ramsay Scale,Sedation-Agitation Scale(SAS),Motor Activity Assessment Scale(MAAS),Richmond Agitation-Sedation Scale(RASS)が,成人患者に対して用いられ る代表的なスケールである。本解説ではそれら4つのスケールに関し,文献を用いて総合的に 検討した。Ramsay Scaleは古く,現在でも広く使用されているが,妥当性の検討は限られて おり不穏のスケーリングができないため,現在のICU管理には適さない。SAS,MAAS, RASSは不穏のスケーリングが可能であり,いずれも信頼性,妥当性の評価が行われているが, SAS,MAASにおけるそれらの評価は限られたものである。RASSは最も多くの側面から信 頼性,妥当性の評価が検討されており,現時点では最も有用なスケールであると言える。
Key words: ① sedation, ②ICU, ③Richmond Agitation-Sedation Scale(RASS) , ④Motor Activity Assessment Scale(MAAS) , ⑤Ramsay Scale, ⑥Sedation-Agitation Scale
ケールとしてRichmond Agitation-Sedation Scale
Ⅰ.はじめに
(RASS) 5)などが知られているものの,現状では鎮静 スケールのゴールデンスタンダードはないと言える。 集中治療における鎮静管理は,危機的状況にある患 そこで本稿では,有用な鎮静スケールとは何かを,現 者を精神的・身体的苦痛から保護するほか,治療を安 行の主要な鎮静スケールと思われるRamsay Scale, 全かつ円滑に行うために重要である。適切な鎮静管理 SAS,MAAS,および比較的新しいスケールである は,集中治療室(ICU)在室日数の減少や鎮静薬使用量 RASSについて,それぞれの特徴,信頼性,妥当性,さ の減少など,経済的効果にまで影響を及ぼすと言われ らに使いやすさといった点から文献を用い総合的に検ている 1),2)。2002年,Society of Critical Care Medicine 討し,紹介する。
(SCCM)により刊行された成人における鎮痛・鎮静 薬使用に関する臨床ガイドライン 3)によると,鎮静は
Ⅱ.各鎮静スケールの特徴と比較
患者に応じた鎮静度の目標を設定し,そのための評価 は信頼性・妥当性の確立された鎮静スケールによって 鎮静スケールに求められる特徴は,①記憶・解釈が 行うことが推奨されており,評価者の観察によって鎮 容易で,②各クライテリアの鑑別が容易であり,③再 静度の評価を行う主観的評価法であるSedation- 現性があり,④鎮静のクライテリアが薬剤の調節を行Agitation Scale(SAS),Motor Activity Assessment うために十分であり,⑤鎮静レベルと同様に不穏のレ
Scale (MAAS)などが記載されている。主観的な鎮静 ベル評価が十分であること,さらに⑥様々な患者層に スケールは1974年に発表されたRamsay Scale 4)以降, おいて評価者間の一致度が高いことが確認されている SASやMAASを含めいくつも開発されており,前述 こと,⑦妥当性が証明されていることである 6),7)。 のガイドライン以降に開発された比較的新しい鎮静ス *1 聖路加看護大学成人看護学(〒104-0044 東京都中央区明石町10-1) 受付日2007年 5 月22日 *2 東京歯科大学市川総合病院集中治療室(〒272-8513 千葉県市川市菅野5-11-13) 採択日2007年11月 6 日 *3 国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科修士課程保健医療学専攻看護学分野看護援助学 (〒107-0062 東京都港区南青山1-3-3)
Table 1 Ramsay Scale Score Description 1 不安があり不穏を呈している。あるいは落ち着きがない。または両方。 2 協力的で見当識があり,平穏。 3 指示のみに従う。 4 軽い眉間への刺激,あるいは大きな声に即座に反応。 5 軽い眉間への刺激,あるいは大きな声にゆっくり反応。 6 軽い眉間への刺激,あるいは大きな声に反応せず。
Table 2 Sedation-Agitation Scale(SAS)
Score Term Description
7 危険な不穏 気管チューブを引っ張る,カテーテルを抜こうとする,ベッド柵に上る,スタッフを叩く, 転げまわる。 6 高度な不穏 頻回の言葉による静止にかかわらず穏やかでない。抑制帯が必要であり,気管チューブを噛む。 5 不穏 不安があり,軽い不穏がある。座ろうとする。言葉で静止すると穏やかになる。 4 穏やか /協力的 容易に覚醒し,言葉による指示に従う。 3 鎮静 覚醒が困難。声をかけるか軽くゆすると覚醒するがすぐに眠ってしまう。簡単な従命動作は行 える。 2 過剰鎮静 身体への刺激で覚醒するが,コミュニケーションがとれない。従命動作は行えない。 1 覚醒せず 痛み刺激に対してもほとんど,あるいは,まったく反応がない。コミュニケーションがとれず, 従命動作は行えない。
1
)各鎮静スケールの特徴(Table 1
~4
) (1)Ramsay Scale(Table 1) Ramsay Scaleは1974年にRamsayら 4)によって報 告された。この鎮静スケールはICU患者の幅広い鎮 静深度を臨床でアセスメントするために開発されたも のではなく,元々は静脈麻酔薬であるアルファキサロ ン/アルファドロンの鎮静コントロールに対する効果 を検討するために作成されたものである。この鎮静ス ケールは6段階に分かれており,1〜3は覚醒している 状態,4〜6は眉間への刺激に反応または反応しない 状態である。不穏に関しては1段階のみである。非常 に広く使用されている鎮静スケールであり,2002年 のカナダにおける調査では鎮静スケールを使用してい ると答えた医師のうち67%がRamsay Scaleを使用し ており 8),米国で42.5%(1998年,Modified Ramsay Scale) 9 ),欧州で74%(調査時期不明) 10)がRamsay Scaleを使用していた。 (2)SAS(Table 2) SASは1994年にRikerら 11)がハロペリドールの不 穏に対する影響を評価するために作成したものであ る。この鎮静スケールは不穏の評価が3段階に分かれ ており,Ramsay Scaleと比較し,不穏の評価をより正 確に行うことができる。この鎮静スケール自体の有用 性に関しては1999年に発表された論文 12)で評価され ている。当初,SASは-3〜+3で表記されていたが, ICU看護師による表現妥当性(face validity)の評価に よって1〜7に変えられている。また,表記や記述も 変更,追記されている。SASによる3段階の不穏の評 価(5〜7)における5と6の違いは,声掛けによって制 止できるかどうかで区別される。患者が覚醒していな い場合の痛み刺激の種類に関しては記載がないが,論 文中 12)では気管挿管患者に対し,軽い刺激に反応しな い場合,体位交換,気管内吸引を行い評価したと記載 されている。 (3)MAAS(Table 3) MAASは幅広いICU患者の鎮静状態をカテゴライ ズするためにClemmerら 13)によって作成されたもの である 14)。この鎮静スケールはSASを改良して作成 されており,患者の動きに焦点を当ててカテゴリーが 作成されている 13)。鎮静スケールは7段階で,不穏は 3段階で評価される(4〜6)。5と6は言葉による静止 に従うかによって分けられる。3〜4では患者が毛布 などを自分で剥いだり,服を脱いだりといった行動に も焦点が当てられている。0〜1は痛み刺激による反 応を見るが,痛み刺激に関しては,気管内吸引,ある いは5秒間の眼窩,胸骨,爪床への圧迫と定義されてTable 3 Motor Activity Assessment Scale(MAAS)
Score Term Description
6 危険な不穏/非協力的 外的刺激を必要とせずに動きが見られ,かつ,患者はチューブやカテーテルを引っ 張る,またはベッドの上を転げまわる,スタッフを叩く,ベッドから降りようと する,かつ,言葉による静止に従わない。 5 不穏 外的刺激を必要とせずに動きが見られ,かつ,患者はベッド上で立とうとする,腕 をベッドから外に出そうとする,かつ,持続的に言葉による静止に従うことができ ない(静止に一時的に従うが,すぐに再度ベッド上で立とうとしたり腕を外に出そ うとする)。 4 落ち着きがない/協力的 外的刺激を必要とせずに動きが見られ,かつ,患者はシーツやチューブをつかも うとする,あるいは毛布などを自分で剥ぐが,指示に従う。 3 穏やか/協力的 外的刺激を必要とせずに動きが見られ,かつ,患者はシーツ類や服を合目的的に 整え,そして指示に従う。 2 軽い刺激に反応 触ったり,大きな声で名前を呼ぶと,開眼,または眉を動かす,あるいは刺激の ある方に顔を向ける,または腕を動かす。 1 痛み刺激に反応 痛み刺激に対し,開眼,または眉を動かす,あるいは刺激のある方に顔を向ける, または腕を動かす。 0 反応なし 痛み刺激に対し反応がない。 痛み刺激:気管吸引,あるいは5秒間の眼窩,胸骨,爪床への圧迫
Table 4 Richmond Agitation-Sedation Scale(RASS)
Score Term Description
+4 闘争的 明らかに闘争的であり,暴力的。スタッフへの危険が差し迫っている。 +3 高度な不穏 チューブ,カテーテルを引っ張ったり抜いたりする。または,スタッフに対して 攻撃的な行動が見られる。 +2 不穏 頻繁に目的のない動きが見られる。または,人工呼吸器との非同調が見られる。 +1 落ち着きがない 不安あるいは,そわそわしているが,動きは攻撃的であったり活発であったりは しない。 0 覚醒/穏やか -1 傾眠 完全に覚醒はしていないが,声に対し10秒を超えて開眼し,アイコンタクトがある。 -2 浅い鎮静 声に対し短時間(10秒に満たない)開眼し,アイコンタクトがある。 -3 中程度鎮静 声に対してなんらかの動きがある(しかし,アイコンタクトがない)。 -4 深い鎮静 声に対し動きは見られないが,身体刺激で動きが見られる。 -5 覚醒せず 声,身体刺激で反応は見られない。 1 .患者を観察する。患者は覚醒し静穏か?(Score 0) 患者は落ち着きがない,あるいは不穏とされるような行動が見られるか?(Score +1〜+4,上記のクライテリアの記述を参照) 2 .もし患者が覚醒していない場合,大きな声で患者の名前を呼び,開眼するように指示し,こちらを見るかを確認する。必要であれ ば再度行う。こちらを持続的に見るかを確認する。開眼し,アイコンタクトがとれ,10秒以上継続するのなら,score -1 。開眼し, アイコンタクトがとれるが,10秒以上継続しないのなら,score -2 。開眼するがアイコンタクトがとれないのならscore -3 。 3 .患者が呼びかけに反応しないのなら,肩をゆする。それに反応しないのならば胸骨を圧迫する。患者がこれらに反応するのならば, score -4 。反応しないのならば,score -5 。 いる 14)。不穏が3段階,平穏な状態が4段階という分 のクライテリア(+4〜-5)で構成されている。ス け方はSASと同様であるが,SASよりも各カテゴ ケーリングのための介入が少なくなるように考慮さ リーにおける定義は詳細に記載されている。 れ て お り,平 穏,不 穏,あ る い は 落 ち 着 き の な さ (4)RASS(Table 4) (restless)を示す0〜+4は患者の行動を観察するだ RASSはSesslerら 5)によって2002年に発表された けでスケーリングが可能である(指示に従うかどうか 鎮静スケールである。この鎮静スケールの開発には は関係がない)。軽度の鎮静状態では声掛けに対する 医師,看護師,薬剤師という多職種が参加しているこ アイコンタクトを重視しており,声掛けに対してアイ とが一つの特徴となっている。RASSは合計10段階 コンタクトが可能か,さらに,持続時間はどの程度か
で,-1〜-3までスケーリングする。声掛けに対し て反応がない場合,物理的刺激を与える(肩をゆする。 反応がなければ胸骨を圧迫する)ことによって-4, -5をスケーリングする。物理的刺激には特殊な刺激 (気管内吸引など)を含まない。一つのクライテリア に多くの反応を入れることを避けており,患者の反応 がいくつかのクライテリアに渡ることを避けている。
2
)鎮静の評価に関する比較 適切な鎮静状態を表現することが多いと思われる, 覚醒/穏やか/協力的といったカテゴリーは各鎮静ス ケールに存在する(Ramsay Scale 2, SAS 4, MAAS 3, RASS 0)。しかし,SASでは覚醒して平穏であるとい う項目が存在しない(SAS 4では「容易に覚醒」であ る)。具体的には,覚醒して不安などが存在しない,と いう状態を適切に表すカテゴリーが存在しない。これ は評価者を戸惑わせる結果になることが考えられる。 各スケールの鎮静部分に関しては,Ramsay Scaleで は眉間への刺激に対する反応性を見るのに対し,SAS では覚醒可能か否かと指示に従えるかの組み合わせ, MAASでは開眼可能か否か,あるいは刺激に対する反 応(顔を向ける,腕を動かす)がスケーリングのポイン トとなっている。RASSでは呼びかけに対する動きの 他に,アイコンタクトができるかどうかがポイントと なっている。この点に関しては後述する。3
)不穏の評価に関する比較 Ramsay Scaleは最も古くから使用されているが, 様々な問題点が指摘されている。Ramsay Scaleに対 する主な問題点は,不穏の程度をスケーリングできな いことや,各クライテリア間が等間隔でないこと,各 クライテリアの定義があいまいなことである 15)。不 穏はICUにおける主要な問題の一つである 16)。内科 ICUの人工呼吸器使用患者のうち高度な不穏を呈した 患者は16.1% 17),内科・外科ICU患者で不穏を呈した 患者は52% 18)というデータがある。不穏は自己抜管 率増加 17),19),20),ICU滞在日数増加 18)などと関連して いる。系統的な不穏の評価により不穏の頻度を減少さ せることができる 21)とされ,その評価は非常に重要で ある16)。このような観点から見ると,Ramsay Scale は幅広く使用されているために多施設での実践や研究 との比較が容易であるという利点は存在するものの, 不穏をモニタリングできないという非常に大きな欠点 があると言える。 一方,他の鎮静スケールはいずれも不穏の評価を重 要視して作成されている。MAAS,SASで不穏に関連 するカテゴリーは3段階,RASSで4段階作成されて いる。RASSでは「+4:闘争的(combative)」,「+3: 高度な不穏(very agitation)」と,強い不穏状態が2つ に分けられていることが特徴である。しかしながら, +4,+3両者ともスタッフへの攻撃的な要素を含ん でおり,その違いはやや明確さに欠けるように感じる。 この両者の攻撃的要素は如何に分けられるのであろう か。RASSを作成したSesslerによると,この+4は実 際に攻撃的でスタッフへ暴力を振るうという点がポイ ントで,+3では自己抜管や,スタッフに敵意を抱き, 例えば罵ったり,唾を吐きかけるなどの行為が見られ るが,物理的にスタッフに対して暴力を振るう可能性 は少ない状態と説明している(Sessler CN, 私信, March 26, 2007)。SASとMAASでは言葉による静止 に従うかが不穏部分でのカテゴリーを分ける一つのポ イントとなっている。MAASの開発経緯 13)から考え て,SASと似ているのは当然であろう。MAASは基 本的にSASの各クライテリアを詳細に記載しており, 定義はより多様になっている。例えば,MAASでは毛 布を剥ぐ,服を脱ぐといった,不穏患者に特徴的な行 動を含み具体性に富んでいる半面,実際,患者が毛布 を剥ぐ場合,その行動は目的のない行動(不穏/落ち 着きのなさと関連している行動)と一義的に解釈して 良いかは疑問である。この点では,患者の行動が目的 に沿っているか否かで判断するRASSの方が,状況に 沿った解釈が可能である。しかしながら,状況に沿っ た判断は評価者間での一致度を減少させる結果になる かもしれない。4
)使いやすさに関する比較 鎮静スケールに関する理解のしやすさと使いやすさ は重要な要素である 6),7),22)。評価の方法では,RASS では評価法(刺激を与える順序など)が表に記載され ているものの,他の鎮静スケールでははっきりとしな い。評価に要する時間はRamsay Scale,SAS,MAAS では明確ではないが,RASSでは一回の評価は20秒で 行えるとしている 5)。患者に与える刺激に関しては SASでははっきりとした定義が存在しないが,前述の ように論文中では,体位交換,気管内吸引を行ったと 記載されている 12)。鎮静の評価のために体位交換, 気管内吸引を行うというのは現実的ではないと言える (これらがまた患者の鎮静状態に影響を与える因子と なり得る 7))。RASSは評価の方法が定義されており, 未経験の評価者も使用しやすいと考えられる。さらに, MAASは各クライテリアに多くの定義を含んでいる ため,実際の患者の状態を想像しやすい反面,比較的 覚えにくい鎮静スケールであると言える。5
)その他の評価 これらの鎮静スケールのうち,人工呼吸器との非同調を含んでいるのはRASSのみである。人工呼吸器と 患者の同調は鎮静の目的の一つであり 23),非同調は患 者の不安を表しているかもしれない 24)。そのため, 人工呼吸器との同調を含んだ鎮静スケールは望ましい と言えるが,一方,鎮静スケールに含まれる他の概念 (意識・意識内容・不穏など)と異なる,人工呼吸器と の非同調という概念を加えることにより,患者の状態 をスケーリングする際,クライテリアが複数当ては まってしまうという欠点も存在する(例えば,動きは 目的に沿っているが,非同調が存在するとき)。今回 検討した鎮静スケール以外に,人工呼吸器との同調を モニタリングできる鎮静スケールはいくつか存在する 〔Adaptation to the Intensive Care Environment (ATICE) 25), American Association of Critical-Care
Nurses’ Sedation Assessment Scale26)〕。これらの鎮
静スケールは複数のサブスケールを持ち〔Glasgow coma scale(GCS)が発声,動き,開眼という3つのサ ブスケールを持つように〕,他の状態とは独立して人 工呼吸器との非同調をスケーリングできるというメ リットがある反面,複雑になっている。
Ⅲ
.
各鎮静スケールの信頼性と妥当性
1
)信頼性(reliability
) 信頼性とは,結果がどれだけ一定しているかを示す (この際,その結果が目的とする変数を適切に表して いるかは問われない)。そのうち,特に様々な評価者 が同じ鎮静スケールを使用して,同じ現象に対して一 定した結果を示すというものを評価者間信頼性(inter-rater reliability)と呼ぶ。鎮静スケールの主な評価者 は看護師であるため,看護師間で評価が一定するか否 かを検討している報告が多い。また,医師,薬剤師, 看護師といった多職種間で評価が一定しているかを検 討している論文もある 5)。評価者間信頼性の評価とし ては,kappa statistics(κ),weighted κがよく使用 される。κ値が0.75を超えると非常に高い一致度と考 えることができる27)。 (1)Ramsay Scale このスケール自体に焦点を当てた信頼性の評価は行 われていないものの,歴史的に広く使用されており, 数多くの鎮静スケールの妥当性評価において比較され ている。Rikerら 12)のSASに関する検討,Elyら 28)の RASSに関する検討の中で,Ramsay Scaleの評価者間 信頼性の検討がなされており,信頼性を示すweighted κはそれぞれ0.76 12),0.94 28)と良好であることが報告 されている。Rikerら 12)の検討では気管挿管患者,非 気管挿管患者に分けて分析が行われており,相関係数 r2はそれぞれ0.72,0.88といずれも非常に良好な相関 を示した。 (2)SAS 評価者間信頼性は9人のICU看護師によって評価さ れ,高値を示した(weighted κ=0.92,P<0.001)。 気管挿管患者,非気管挿管患者に分けた分析も行われ ており,相関係数r 2はそれぞれ0.79,1.0と良好であっ た12)。 (3)MAAS Devlinら 14)が1999年に外科系ICUの人工呼吸器使 用中の成人患者において信頼性,妥当性に関する検討 を行った。信頼性は合計32人の看護師から25人の患 者についての400のアセスメントデータを得て検討さ れ,高い信頼性が確認された〔κ=0.83(0.72〜0.94)〕。 なお,脳神経系外科患者はこの検討から除外されてい る。さらにこの検討は,比較的術後短期間の人工呼吸 器使用患者に対して行われていることが特徴である 〔ICU入室からの時間:中央値(最小〜最大):32(16 〜777)〕。 (4)RASS 医師2人,看護師2人,薬剤師1人における評価者間 信頼性が人工呼吸器非使用患者,鎮静薬投与を受けて いないICU患者も含め検討された。5つの異なるICU で検討され,weighted κは0.73(0.71〜0.75)と非常 に良好とは言えない結果であった5)。これは他職種間, かつ,いくつかの異なるタイプのICUで行われたため と思われる。各ICUでweighted κは異なり,最も高 いmedical-respiratory ICUでは0.81,最も低いneuro-science ICUでは0.64(0.60〜0.68)であった。内科 ICUにおける看護教員とベッドサイドナース間での評 価者間信頼性の評価において,weightedκは0.80 (0.69〜0.90)と良好な値が得られた 5)。Elyらが行っ た人工呼吸・気管挿管患者,それ以外の患者を含んだ 検討では,内科ICUでの看護師間のweightedκは0.91 (0.86〜0.95)と高値を示した 28)。人工呼吸器使用患 者,人工呼吸器非使用患者に分けたSesslerら 5)の検討 では,それぞれのweightedκは0.68〜0.82,0.66〜 0.74であったものの,Elyらの検討においては気管挿 管患者でweightedκは0.88(95% CI:0.78〜0.97)と 高値を示した。2
)妥当性(validity
) 妥当性(validity)とは,鎮静スケール測定の目的と する現象を鎮静スケールがどれだけ適切に表している かを示す概念である 29)。様々な妥当性が存在するが, 大きくは表現妥当性(face validity)を含んだ内容妥当性(content validity),基準妥当性(criteria-related validity),構成概念妥当性(construct validity)に分け られることが多い 29)。内容妥当性は,評価項目の内 容がどれだけ評価対象をよく反映しているかを表す概 念であり,主に専門家による合議が行われる。表現妥 当性は,尺度が実際に何を測定しているかではなく, 何を測定しているように見えるか,の主観的評価であ り,主に評価者によって検討される(鎮静スケールの 場合,看護師によって評価されることが多い)。基準 妥当性は,研究する対象と関連するアウトカムや他の 尺度とどれほど相関するか,また,ゴールデンスタン ダードとの比較で相関するかを示す概念である。鎮静 スケールの場合,確実に真の鎮静レベルを表すツール は存在しないので,既存の鎮静スケールやvisual analog scale(VAS),bispectral index(BIS)などと比 較することが多い。構成概念妥当性は,スケールが評 価しようとするものの構成概念を正しく表現している か否か,理論・仮説に基づいてツールが作成されてい るかどうかを表す概念である。鎮静スケールがどのよ うな構成成分を評価しようとしているのかに関しては 一定の見解はないと思われるが,Elyら 28)はRASSの 構成概念妥当性の検討の中で,意識状態を見るGCS, 意識内容を見るattention-screening examination,鎮 静状態を見るBIS,鎮静薬の投与量をRASSと比較し ており,鎮静のみならず,意識状態,意識内容などの 評価が鎮静スケールに期待されていると推測してい る。 (1)Ramsay Scale 信頼性同様,妥当性に関してもこの鎮静スケールに 焦点を当てた検討は行われていないが,鎮静スケール のスタンダードとして他の鎮静スケールとの比較は多 く行われている。SASとは強い相関を示し(r 2=0.83, P<0.001) 12),RASSとは比較的弱い相関(r=0.78, P<0.001) 5)を示すことが報告されている。BISとの比 較も行われており,弱い相関〔τ =-0.27,P<0.01 (BIS使 用 時 )&τ =-0.40,P<0.01(BIS-XP使 用
時)〕 30)が報告されている。他の妥当性に関しては評 価されていない。 (2)SAS すでに述べたように,Ramsay Scale とは強い相関 を 示 す(vs Ramsay Scale, r 2= 0.83,P < 0.001)。 BIS との比較では弱い相関が見られている。(r 2= 0.21,P < 0.001 31):r = 0.60,P < 0.001 32):r 2= 0.36,P < 0.001 33)。 (3)MAAS 妥当性の検討としてはVAS,心拍数(heart rate, HR),血圧(blood pressure, BP),不穏の発生と比較 され,いずれも良好な関係が見られた(vs VAS,slope =0.5, P<0.001:vs BP,slope=3.13,P<0.001:vs HR,slope=3.91, P<0.001:vs 不 穏 の イ ベ ン ト, slope=1.02,P<0.001) 14)。BISなどの客観的指標 との比較はされていない。 (4)RASS 5つのICUにおいて主任研究者が測定したVASと 他職種で測定したRASSには高い相関関係が認められ た(r=0.93,P<0.0001) 5)。他の妥当性に関しては, Elyら 28)が内科系ICUの人工呼吸患者で検討してい る。基準妥当性に関する評価では,神経精神科のエキ スパートによる意識の評価とRASSは高い弁別性を示 した(P<0.001)。患者の鎮静深度の変化に対する追随 性に関しても,RASSは神経精神科のエキスパートによ る評価と良好な相関が得られた(P<0.001)。構成概 念妥当性は前述のようにいくつかの方法で測定され た。せん妄の重要な構成因子の一つである,意識内容 の変調を測定するattention-screening examination 34) とRASSにおける評価には,高い相関/弁別性が見ら れた(r=0.78,P<0.01)。GCSとRASSも高い相関/ 弁別性が見られた(r=0.91,P<0.01)。評価前のベ ンゾジアゼピン系鎮静薬の投与量とRASSにも良好な 相関が得られた(投与量が多いほどRASSは低値を示 した)。さらにBISとRASSに関しては弱い相関が見 られた(r=0.64,P<0.001)。患者の腕の動きの頻度 とRASSに関しては弱い相関(r=0.58,P<0.001)が あることがアクチグラフィー(腕や足の動きを定量化 する機器)を使用したGrapら 35)の検討で示されてい る。表現妥当性の評価としては,26人のベッドサイド ICU看護師が評価を行い,不穏に対するRASSのスコア リングに対して92%が強く同意あるいは同意すると答 えた 28)。SAS,Ramsay Scaleとの相関はそれぞれr= 0.78,P<0.0001:r=-0.78,P<0.0001であった 5)。
3
)信頼性(reliability
)の比較 信頼性に関しては,すべての鎮静スケールで高い信 頼性を示している。評価者間信頼性は評価者の職種, 対象特性によって差が生じる 5)。RASSは各鎮静ス ケールのうちで唯一薬剤師も含めた多職種間,そして いくつかの異なるICU間での評価者間信頼性の差が 検討され,さらに最も多い観察数で検討が行われてい る5)。多職種間における信頼性の違いに関しては, RASSと比較できる検討が存在しないため,ここで議 論はできない。しかし,臨床で主に鎮静スケールを使 用するのが看護師であることを考えると,看護師間で 良好な評価者間信頼性を示すということは,この鎮静スケールは臨床応用において十分な信頼性を持つと 言って良いだろう。 対象患者の母集団が異なるため,各文献間の評価者 間信頼性の比較は容易ではない。しかしながら,同じ 母集団を対象にした鎮静スケール間の評価者間信頼性 の評価は存在する。Rikerら 12)は,同じ母集団を対象 にSASとRamsay Scaleの評価者間信頼性を評価し, SASはRamsay Scaleと比較しweightedκが若干高値 を示すことを報告した(SAS vs Ramsay Scale : 0.92 vs 0.88)。Elyら 28)の 検 討 で は,RASSはRamsay Scaleと比較し若干低値を示した(RASS vs Ramsay Scale : 0.91 vs 0.94)。イスラエルにおけるSASと RASSに関する比較では,RASSがSASに比較し高い 評価者間信頼性を示した(RASS vs SAS:0.86〜0.91 vs 0.83〜0.86, 職種間で異なる) 36)。各論文で若干の 差が存在するものの,いずれも高い評価者間信頼性を 示すと考えて良いと思われ,現段階で評価者間信頼性 に関して優劣は付けがたい。
4
)妥当性(validity
)の比較 妥当性の評価に関しては,必ずしも内容妥当性,構 成概念妥当性,基準妥当性など様々な側面で検討がな されているわけではない。最も多く行われているのは 基準妥当性の評価であるが,ゴールデンスタンダード が存在しない鎮静スケールで他の尺度,ツールとの比 較から妥当性を検討するのは容易な作業ではない。 鎮静スケールには,鎮静の目的に沿って不安,安楽, 不穏,健忘,睡眠,意識,人工呼吸器との同調,せん妄 など,様々な測定項目が要求される。これら多様な鎮 静スケールに要求される測定項目に関して妥当性を検 討することは重要である。様々な概念のうち,特にせ ん妄に関して注目してみる。RASSでは他のスケール にあるような「開眼」「覚醒」でなく,アイコンタクト の有無や持続時間がクライテリアを分ける評価基準に なっている。開眼という動作の中には何かに注意して アイコンタクトが可能な場合と,それが不可能な場合 が含まれているため,RASSは開眼という物理的な動 作のみでなく,患者の注意を維持する能力を含んだア セスメントスケールと言うことができる。注意力の欠 如はせん妄の構成要素の一つであり,それは部分的に ア イ コ ン タ ク ト の 可 否 で 判 断 す る こ と が で き る28)。前述のように,Elyら 28)はRASSの構成概念妥 当性を検討し,構成概念の一つである意識内容の変調 を測定するためにattention-screening examination 34)と RASSを比較し,結果として,高い相関/弁別性が見ら れることを報告している。同時に,RASSと意識ス ケール(GCS)などとも比較し,高い相関/弁別性が認 められたことを報告している。RASSのほか,MAAS も不穏の発生率,他のバイタルサインと比較され良好 な相関が証明されている 14)が,検討は術後の比較的人 工呼吸日数が短い患者を対象に行われている 14)ため, ICUの重症患者すべてに適応できるかどうかはさらに 検討が必要であろう 37)。現在のところ,最も多様な 側面からの構成概念妥当性の検討はRASSで検討され ていると言える。 表現妥当性に関しては,論文に記載が存在するのは RASS 12),28),SAS 6)のみである。この評価によって, SASは1994年に発表されたものから内容が若干変更 になっている(例えばスケールが-3〜+3だったも のが1〜7に変更になった)。内容の表現妥当性に関し て同意するかに関する具体的な数値は,SASでは報告 されていない。RASSの表現妥当性に関してはすでに 評価されている12),28)。 基準妥当性は多くの論文で検討されている。しかし, 適切に鎮静深度を計ることができる鎮静スケール/機 器が存在しないため,その評価には注意が必要である。 前述のようにRamsay Scale,SAS,RASSのいずれも お互いに比較的高い相関を示している。MAASは他 のスケールとの比較はなされていないものの,VAS と 比 較 さ れ,良 好 な 相 関 関 係 が 得 ら れ て い る 14)。 RASSのみ,他の鎮静スケール,生理学的パラメーター 以外に精神神経科の専門家による意識の診断と比較さ れ,良好な相関が得られている 28)。さらに意識レベ ルの経時的変化に関してもRASSは専門家による判断 と十分な相関を示している28)。ゴールデンスタンダー ドとなり得る鎮静スケールが存在しない中,最も適切 な基準と比較しているのはRASSであると考えること ができる。 客観的な鎮静モニターであるBISは,様々な鎮静ス ケールと比較されている。しかしながら,現時点にお いてBISをICUにおける鎮静尺度のゴールデンスタン ダードと考えるのは難しい。BISは頭部に皮膚電極を 貼付し,様々な脳波解析と臨床的データを加味した上 で0〜100に数値化し,麻酔鎮静度を評価する指標で ある。完全に覚醒している状態を100,平坦脳波の状 態を0とし,鎮静状態のBIS値は60〜80程度とされて おり,数値が小さくなるほど深い鎮静を表現する。 BISの数値化に関するアルゴリズムなどは開示されて いないが,筋電の混入によって数値が影響される可能 性がある 33)。2002年のSCCMによる成人における鎮 痛・鎮静薬使用に関する臨床ガイドライン 3)では, BISは完全に評価されているとは言えず,ICUにおけ る有用性は未だ証明されていないと記載されている。最近のレビューにおいてもBISと鎮静スケールの相関 は比較的小さく,未だ発見されていない,BISに影響 を与える鎮静以外の因子が多く存在すると予想されて いる38)。そのため,BISとの相関が良いことがそのま ま鎮静スケールの高い妥当性に繋がるとは言えないで あろう。
5
)適用性(applicability
)の比較 多様なICU患者に使用可能な鎮静スケールであるか 否かは,鎮静スケールを評価する際の重要なポイント であると考えられる。前述のようにRamsay Scale, SAS,RASSは人工呼吸器非使用患者でもその信頼性, 妥当性が評価されているのに対し,MAASは評価され ていない。よって現段階では,MAASは人工呼吸患者 を対象に使用すべき鎮静スケールと言えるであろう。 対象患者によってその鎮静スケールの信頼性,妥当性 は変化すると考えられる。現時点で様々なタイプの ICUで鎮静スケールの信頼性を評価しているのは RASSのみである。評価者間信頼性の比較では,RASS は脳神経ICUで低い評価者間信頼性を示した 5)。これ は頭部疾患に起因する,鎮静と関連しない意識障害が 関連していると考えられる。他の鎮静スケールでこの ような母集団を対象とし,評価者間信頼性を求めた研 究は存在しないので,RASSが頭部疾患をもつ患者の 鎮静評価に向いていないのか,あるいは,すべての鎮 静スケールにそのような傾向が見られるかは不明であ る。しかしながら,頭部疾患患者にRASSを適応する 場合は注意が必要とされるであろう。 さらに,鎮静スケールの評価を行った研究において RASS,MAASではSASに比較し,不穏状態を観察し た数が少ないことも特徴である。各研究において, 不穏状態(当該スケールで判定)の割合はRASSで 10% 5)と2% 28),MAASで14% 14),SASで45% 12)で ある。よって,MAASとRASSでは不穏患者に対して の信頼性,妥当性の検討はさらに必要であると思われ る。Ⅳ.おわりに
頻用されていると考えられる4つの鎮静スケールを 比較した。現時点で,すべての鎮静スケールで多種多 様な母集団に対する信頼性,妥当性は十分に検討され ているとは言い難い。また,使用者の使いやすさや, 評価に必要な時間といった点に関しては,ほとんど客 観的な評価が行われていないのが現状である。さらに, 信頼に足るゴールデンスタンダードが存在しないこと から,妥当性の検討は一般的に困難である。このよう な現状の中,最も信頼に足る検討がなされているのは RASSで あ る と 言 え る で あ ろ う。 し か し な が ら, RASSにも不穏患者に対する信頼性や妥当性の検討な ど,引き続き検討すべき事項が存在する。 文 献1) MacLaren R, Plamondon JM, Ramsay KB, et al. A pro-spective evaluation of empiric versus protocol-based sedation and analgesia. Pharmacotherapy. 2000;20:662-72. 2) Brook AD, Ahrens TS, Schaiff R, et al. Effect of a nurs-ing-implemented sedation protocol on the duration of me-chanical ventilation. Crit Care Med. 1999;27:2609-15. 3) Jacobi J, Fraser GL, Coursin DB, et al. Clinical practice
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Abstract
Which sedation scale is the most useful for adult ICU patients? —A comparison among
Ramsay Scale, Sedation-Agitation Scale, Motor Activity Assessment Scale, and Richmond
Agitation-Sedation Scale—
Takeshi Unoki*1 , Akimichi Serita*2 , Ryuichi Yotsumoto*3
*1 Department of Adult Health Nursing, St. Luke’s College of Nursing *2 Intensive Care Unit, Tokyo Dental College Ichilkawa General Hospital
*3 Master’s Program, School of Nursing, International University of Health and Welfare *1 10-1 Akashicho, Chuo-ku, Tokyo 104-0044, Japan
*2 5-11-13 Sugano, Ichikawa, Chiba 272-8513, Japan *3 1-3-3 Minamiaoyama, Minato-ku, Tokyo 107-0062, Japan
Sedation plays an important role in managing patient care in the ICU. Adequate control of sedation depth is asso-ciated with outcomes, including duration of mechanical ventilation and ICU length of stay. Therefore, assessment tools for depth of sedation should have enough reliability, validity, and clinical usability. To date, subjective scales are most commonly used to assess the depth of sedation. The Ramsay Scale, Sedation-Agitation Scale(SAS) , Motor Activity Assessment Scale(MAAS) , and Richmond Agitation-Sedation Scale(RASS)are frequently used for adult patients. In the present review, we clarify the most useful scale from those discussed in the literature. The Ramsay Scale, the oldest scale(developed in 1974) , is frequently used around the world, however, assessment for level of agitation is limited. Reliability and validity of SAS and MAAS have been evaluated, however, their evaluation did not cover all aspects of validity in different populations. In contrast, validity and reliability of RASS has been more evaluated than other scales, and suggests that RASS has enough validity and reliability for clinical use. Thus, to date, RASS is the most useful scale for assessment of depth of sedation in adult ICU patients among the sedation scales.
Key words: ①sedation, ②ICU, ③Richmond Agitation-Sedation Scale(RASS) , ④Motor Activity Assessment Scale (MAAS), ⑤Ramsay Scale, ⑥Sedation-Agitation Scale