表-1 流動化処理土の品質規定2)
用途 適用対象 試験項目 基準値
一軸圧縮強さ 130kN/m2以上500kN/m2以下 フロー値 160mm以上 ブリーディング率 3%未満
湿潤密度 1.35g/cm3以上 埋設管の埋戻し
ガス管 上下水道管
など
泥土a 2.664 34.2 25.3 104 泥土b 2.620 21.3 13.8 60
試料名 コーン指数
(kN/m2) 密度ρs
(g/cm3) 含水比
(%) 塑性指数Ip
表-2 発生土の物理特性
0 20 40 60 80 100
0.001 0.01 0.1 1 10 100
泥土a 泥土b
通過質量百分率 (%)
粒径 (mm)
シルト 細砂 粗砂 細礫 中礫 粗礫
0.075 0.425 2 4.75 19 75 粘土
0.005
50 773 694 13.9 230 0.13 1.518
75 780 683 9.1 250 0.13 1.538
50 950 621 12.4 260 0.92 1.621
75 1030 586 7.8 260 1.00 1.681
ブリーディング率 (%)
密度 (t/m3) 使用した
建設発生土 セメント量
(kg/m3)
建設発生土 (kg/m3)
水 (kg/m3) 泥土a
泥土b
W/C フロー値
(mm)
0 100 200 300 400 500 600
45 50 55 60 65 70 75 80 LSS(泥土a) 7日養生
LSS(泥土b) 7日養生
一軸圧縮強さ(kN/m2 )
セメント量(kg/m3)
※塗潰しは28日養生を示す。
埋戻し基準
943 掘削し解砕した
流動化処理土
土粒子密度 ρs(g/cm3)
含水比
(%) 塑性指数Ip
1036 コーン指数
(kN/m2) 掘削処理土a
<LSS(泥土a C=75kg/m3)>
掘削処理土b
<LSS(泥土b C=75kg/m3)>
2.718 2.644
79.8 55.0
28.6 20.7
表-4 掘削処理土の物理特性
再利用を考えた流動化処理土の力学特性及び溶出特性
福岡大学大学院 学生会員 ○大住 隼斗
福岡大学工学部 正会員 藤川 拓朗 佐藤 研一
1.
はじめに建設発生土のリサイクルを目的に、ここ
10
年で積極的に用いられるようになった流動化処理工法1)は処理土の 流動性を生かし、埋設管の埋戻し材料として多く利用されている。その中で水道管、ガス導管等といったライフラ インは、その維持修繕に伴い、数年後に掘削される可能性が十分に考えられる。ここで、その掘削された処理土を 有効利用しなければ、流動化処理工法は建設発生土のリサイクルの単なる一時しのぎになってしまう。そこで本研 究では掘削された流動化処理土(以後、掘削処理土)の物理・力学特性を把握し、それらに再び流動化処理を施し 再利用するという利用法を提案し、力学及び溶出特性の面から検討を行った(以後、この掘削処理土に再び流動化 処理を施した処理土のことを再生流動化処理土と呼ぶ)。2.
実験概要2-1
掘削された流動化処理土(掘削処理土) 掘削処理土は、表
-1
に示す埋戻し基準2)を満たした配合条件で作製した流動化処理土を容器内に打設し
28
日後に掘削し解砕したものとした。解砕は、コーン指数試験(
JIS A1228
)で定められた粒径3)(9.5mm
以下)になるま でハンマーを用いて行った。今回は、これまでの研究4)で明らかになった、採取場所の違う
2
種類の泥土に区分される建設発生土(
以後、泥土a,
泥土b
とする)
に高炉セメントB
種をそれぞれ75kg/m
3添加し作製した流動化処理 土を容器内に打設した。流動化処理土の作製に使用した試料の物理特性を 表-2
に、粒径加積曲線を図-1
に示す。参考のため、各流動化処理土の配合 及び品質管理値を表-3
に、一軸圧縮試験の結果を図-3
に示す。ここで、例 えば泥土a
を用いて作製した流動化処理土の場合はLSS
(泥土a
)と表記 する。また、セメント添加量はC
を用いて表す。2-2
再生流動化処理土2-1
で作製した流動化処理土を28
日養生後に掘削 した掘削処理土の物理特性を表-4
に示す。再生流動化処理土の作製にあたっては、水、掘削処理土、高 炉セメント
B
種をホバートミキサーで混合撹拌し、目標フロー値が
250±20mm
になるように予備練り試験を行い、配合を決定した。その後、作製した試料のフロー値(JHS A 313-1992)、 湿潤密度、ブリーディング率(
JSCE-1986
)を測定し、直径 φ5×
高さ h10
(cm
)の 塩ビ製モールドに打設する。翌日整形、翌々日に脱型し、ラップに包み20℃一定の
恒温室で養生させた。養生日数は7, 28
日とし各養生後に一軸圧縮試験を行った。3.
実験結果及び考察3-1
再生流動化処理土の品質及び力 学特 表-5
に再生流動化処理土に 用いた配合表及び品質管理値を示す。ここで、流動化処理土と同様に掘削処理土
a
を用いて作製した再生流動化処理土は キーワード 流動化処理土,一軸圧縮試験,再利用, 環告 46 号法試験, タンクリーチング試験連絡先 〒814-0180 福岡市城南区七隈 8 丁目 19 番 1 号 福岡大学工学部社会デザイン工学科 TEL092-871-6631 図-2 発生土の粒径加積曲線 表-3 流動化処理土の配合表及び品質管理値
図-3 セメント量と 一軸圧縮強さの関係
(流動化処理土)
土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)
‑881‑
Ⅲ‑441
50 525 790 15.1 260 0.64 1.365
75 510 788 10.5 260 0.48 1.373
100 480 791 7.9 270 0.39 1.371
50 770 693 13.9 240 0.80 1.513
75 750 692 9.2 260 0.55 1.517
100 700 703 7.0 250 0.49 1.503
掘削処理土a
<LSS(泥土a C=75kg/m3)>
掘削処理土b
<LSS(泥土b C=75kg/m3)>
W/C フロー値 (mm)
ブリーディング率 (%)
密度 (t/m3) 掘削し解砕した
流動化処理土
セメント量 (kg/m3)
掘削処理土 (kg/m3)
水 (kg/m3)
0 200 400 600 800 1000
50 75 100
Re-LSS(掘削処理土a) Re-LSS(掘削処理土b)
一軸圧縮強さ(kN/m2 )
セメント量(kg/m3)
埋戻し基準 7日養生
28日養生
表-5 再生流動化処理土の配合表及び品質管理値
図-4 セメント量と 一軸圧縮強さの関係
(再生流動化処理土)
0 200 400 600 800 1000
6 8 10 12 14 16
LSS Re-LSS
一軸圧縮強さ(kN/m2)
水セメント比(W/C) 埋戻し基準 セメント添加量 C=50kg/m3 セメント添加量
C=75kg/m3 セメント添加量
C=100kg/m3
図-5 水セメント比と 一軸圧縮強さの関係
(
28
日養生)0 200 400 600 800 1000
0 7 28 56
LSS C=50kg/m3 LSS C=75kg/m3 Re-LSS C=50kg/m3 Re-LSS C=75kg/m3
一軸圧縮強さ(kN/m2)
養生日数(日) 埋戻し基準
図-6 養生日数と 一軸圧縮強さの関係 表-6 溶出試験結果
Cr6+ Cd Pb pH Cr6+ Cd Pb pH
50 N.D. N.D. N.D. 9.6 N.D. N.D. N.D. 11.69
75 0.018 N.D. N.D. 9.59 N.D. N.D. N.D. 11.89 100 N.D. N.D. N.D. 11.53 N.D. N.D. N.D. 11.89 150 0.021 N.D. N.D. 11.72 N.D. N.D. N.D. 12.23 200 0.032 N.D. N.D. 11.82 N.D. N.D. N.D. 12.33
土壌環境基準値(mg/l) 0.05 0.01 0.01 0.05 0.01 0.01
改良区分 LSS Re-LSS
環告46号法試験 タンクリーチング試験
泥土a 掘削処理土a
<LSS泥土a+C=75kg/m3>
土質材料 セメント量
(kg/m3)
Re-LSS
(掘削処理土a
)と表記する。表より、どの条件もフロー値、湿潤密度、ブリーディン グともに品質規定を満たしていることがわかる。
図-4に再生流動化処理土のセメント量と一軸圧 縮強さの関係を示す。図より、再生流動化処理 土はセメント添加量が
75kg/m
3まではさほど強度 の増加は見られず、セメント添加量が100kg/m
3程 度で流動化処理土の要求強度を満たしていること が分かる。図-5
に水セメント比と一軸圧縮強さの 関係を示す。比較のため流動化処理土の値も併せ て示している。図より、一軸圧縮強さは水セメン ト比に依存しており、水セメント比が小さいほど一軸 圧縮強さは大きくなることが分かる。また、流動化処 理土と再生流動化処理土の水セメント比は同一セメント添加量においては再生流動化処理土の方が大きくなることが分かる。これは、
表
-3,
表-5
に示す配合表からも分かるように、再生流動化処理土の解泥作業に伴 い、流動化処理土に比べ単位水量が多くなるためと考えられる。3-2
再生流動化処理土の長期強度 再生流動化処理土は一度セメント固化した処理 土に再びセメントを添加している。そこで、長期的な強度にどのような影響を及ぼ すかについて検討を行った。図-6
に再生流動化処理土の養生日数と一軸圧縮強さの 関係を示す。比較のために、流動化処理土の結果も併せて示している。図より、再 生流動化処理土は、流動化処理土と同様に養生日数の増加に伴う強度発現が確認で きる。今後、長期的な条件についても検討を行っていき、初期に含まれるセメント量が再 生流動化処理土の強度発現に及 ぼす影響について明らかにして いく予定である。
3-3
再生流動化処理土の溶出特性 流動化処理土及び再生流動化処理土のようなセメント固化処理土を実地盤に打 設する際、地盤環境に与える影響を把握しなければならない。そこで、本研究では流動化処理土および再生流動化 処理土に対して、環告 46 号法試験及びタンクリーチング試験を行なった。環告 46 号法試験は、環境省の通達5)に 準拠して検液を作製し、タンクリーチング試験は国土交通省の通達6)に準拠して検液を作製した。検液作製後、Cd, Pb については、ICP プラズマ発光分析装置を用い、Cr6+についてはジフェニルカルバジド吸光光度法によりそれぞ れ重金属の濃度を分析した。表-6
に流動化処理土及び再生流動化処理土の溶出試験結果を示す。表より、環告 46 号法試験結果及びタンクリーチング試験において、すべての条件において土壌環境基準を満たしており、流動化処 理土に再びセメントを添加することに伴う重金属の影響は見られなかった。以上のことにより、流動化処理土の再 利用は地盤環境に対して安全かつ有効な工法であることが判明した。4.まとめ 固化した流動化処理土を解きほぐし、再び作製した流動化処理土は、強度発現に期待が持て長期的な強
度も見込めることが示された。また、溶出試験(環告46
号法試験及びタンクリーチング試験)結果より、重金属の 溶出は見られず、処理土の安全性が示された。参考文献
1
)財団法人日本建設情報総合センター:http://www.jacic.or.jp/
2
) 久野悟郎:
「土の流動化処理工法」技報堂出版,
pp.205, 1997. 3)
建設省 土木研究所:「流動化処理土利用技術マニュアル」技報堂出版, 2004.4)大住隼斗・藤川拓朗・佐藤
研一:掘削された流動化処理土の有効利用法の検討, 第
44
回地盤工学研究発表会投稿中, 2009.5)環境省 HP
土壌の汚染に係 わる環境基準について,URL:http://www.env.go.jp/kijun/dojou.hml6)国土交通省「技術調査係」タンクリーチング試験について, URL:http://www.mlit.go.jp/tec/kankyou/kuromu.html
土木学会第64回年次学術講演会(平成21年9月)