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コージェネット vol.10

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コージェネレーションでネットワークを広げていく「コージェネット」

Vol.10

Spring 2016

電力自由化と

新たな経済成長

平成27年度

「コージェネ大賞」発表!

特集

柏木 孝夫

経済産業省

資源エネルギー庁 長官

東京工業大学 特命教授/名誉教授

コージェネ財団 理事長

日下部 聡

コージェネシンポジウム2016レビュー

コージェネ導入事例

医療法人 徳洲会 札幌東徳洲会病院

株式会社 北海道熱供給公社

赤れんが前エネルギーセンター

Jファーム苫小牧 スマートアグリプラント

特別対談

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Vol.10

Spring 2016

特別対談

電力自由化と新たな経済成長

電力小売り全面自由化がもたらすインパクトと

分散型エネルギーシステムの可能性

日下部 聡

× 柏木 孝夫

特 集

コージェネシンポジウム 2016 レビュー

変貌するエネルギー市場におけるコージェネの未来

[ 基調講演 ]電力システム改革と電力広域的運営推進機関の役割

金本 良嗣

[ 特別講演 ]ドイツにおけるコージェネを活用した

シュタットベルケ事業視察報告

秋澤 淳

[ パネルディスカッション ]日本の成長戦略とコージェネレーション

[ 一般講演 ]

[平成 27 年度コージェネ大賞]

コージェネ導入事例

Case1

医療法人 徳洲会 札幌東徳洲会病院

コージェネ導入とエネルギーサービス活用で

「断らない救急医療」「地域のライフライン」の機能強化

Case2

株式会社 北海道熱供給公社 赤れんが前エネルギーセンター

総合効率 75.8%のコージェネとフリークーリングで

エネルギー効率と環境負荷低減を高度に両立

Case3

J ファーム苫小牧 スマートアグリプラント

国内初の大規模ガスエンジン・トリジェネレーションで

高効率かつ環境配慮型の新たな農業生産モデルを提案

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電力自由化と

新たな経済成長

※本記事は、日経BP社のウェブサイト「日経ビジネスオンライン スペシャル:熱電併給 エネルギーインフラの未来」  http://special.nikkeibp.co.jp/atclh/NBO/15/cogene/に掲載した内容を再構成したものです。禁無断転載。

日下部

経済産業省 資源 ー庁 長官

柏木

孝夫

東京 業大学 特命教授/名誉教授 財団 理事長

電力小売り全面自由化がもたらすインパクトと

分散型エネルギーシステムの可能性

構成・文/桜井敬三 写真/加藤康 3

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柏木孝夫   この春から 、 ようやく電力 小売りが全面自由化します 。   英 国 で は サ ッ チ ャ ー 政 権 時 代 の 1990年に 、 ドイツも 98年に自由化 しました 。 それから 20∼ 30年たちます 。 英国の場合 、 自由化で約100社の小 売事業者が参入しました 。 ドイツの場 合は 、 最初 20%くらいのシェアを新電 力 が 占 め ま し た 。 現 在 は 50% 程 度 に なっています 。   その中にはシュタットベルケ ︵ 地域 インフラ公社 ︶ と呼ばれる自治体主導 のものもあり 、 いろいろな意味で経済 活性化に役立っています 。   世界的にみると 、 日本の自由化は一 歩 遅 れ て い る よ う に も 言 わ れ ま す が 、 私はそうは思っていません 。 英国やド イツが自由化したのは 、 アナログの時 代だった 。 日本の場合は 、 デジタル革 命でインターネットとエネルギーが一 体化した時代の自由化になるわけです 。 そのデジタルの時代に最初に自由化す るのが日本だということです 。 世界は 日本に注目しています 。   そして 、 約8兆円もの市場が新たに 開放されるわけです 。 いろいろな意味 で 、 経済 、 産業へのインパクトは非常 に大きいと思います 。 氏(   英 国 の 自 由化は国営企業から民営化する際に始 まったわけですが 、 民間の電力会社が 電力供給を担うということでは 、 日本 は先行していました 。 民営化したのは 1951年です 。   その後 、 高度経済成長期には電源不 足になり 、 電源の開発が急務となった 。 そ こ で 、 電 力 会 社 以 外 の プ レ ー ヤ ー 、 電源開発だとか 、 あるいは新日鉄や住 友金属のような素材系の大企業の自家 発電というものが発達していきました 。 実は高度成長期から 、 既存の電力会社 と 、 大企業の自家発との擬似的な競争 はあったのだと 、 私は考えています 。   需要を制御するデマンドレスポンス 的なものも 、 すでに需給調整契約とい う大型契約者向けのメニューを 、 電力 会社と当時の通産省と素材系の産業と で開発していました 。 ピーク時に電気 が足りなければ 、 需要家が自ら需要を 抑制することで 、 電気料金がディスカ ウントされるというものです 。 省エネ 、 省電力を促す料金体系も 、 実は当時か ら開発していた 。   ですから 、 日本における自由化は遅 れたように見えますが 、 既にこういっ た土台があったということです 。   その上で今回 、 初めて全ての消費者 が 電 力 を 選 べ る よ う に な る わ け で す 。 電 力 産 業 全 体 の 市 場 規 模 は 現 在 、 約 18兆 円 に も な り ま す 。 そ の う ち の 約 8兆円もの市場が開放されるというこ とは 、 日本の産業史の中でも 、 かなり 大きなインパクトだと思います 。   消費者の関心は 、 思いのほか高いよ うですね 。 東日本大震災後 、 日本は不 幸なことに電力不足になり 、 電気料金 は高騰しました 。 そして 、 電気代に対

く さ

さ と し

経済産業省 資源エネルギー庁 長官 1960年生まれ。82年、横浜国立大学経済学部卒、 通商産業省(現・経済産業省)入省。89年、米国ロ チェスター大学留学。97年、資源エネルギー庁公益 事業部公益事業制度改正審議室長。2002年、経済 産業政策局産業組織課長。10年7月、大臣官房審議 官(経済産業政策局担当)。同年10月、内閣官房内閣 審議官(国家戦略室)。12年、大臣官房総括審議官。 13年、官房長。15年7月より現職。

競争

  4月 。家 8兆 。様 の参 され 、新 。電 によ 、エ 、経 、こ ム研 、電 議論 提言

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[特別対談]電力自由化と新たな経済成長

[特別対談]電力自由化と新たな経済成長

代にかけて 、 自家発を持つ企業が増え て 、 ガスタービンなどの技術革新が起 こり 、 数十万 kWの規模でも相当程度に 安く供給できるようになった 。 IPP ︵ 独 立 発 電 事 業 者 ︶ が 登 場 し 、 自 家 発 を持つ大企業が参入できるだけの競争 力を持つようになったので 、 部分自由 化が始まったわけです 。   現在は 、 さらに技術が進んで 、 新た な発電形態が実用化されています 。 で すから 、 全面自由化するには非常によ いタイミングだと思います 。   これからは送配電の高度な技術も必 要になるでしょう 。 デジタル化やIo T ︵ モ ノ の イ ン タ ー ネ ッ ト ︶ と い う 、 違う分野の技術との融合で 、 新たなブ レークスルーが起きてくる 。   送 配 電 を イ ン テ リ ジ ェ ン ト 化 、 スマート化する 。 それから 、 デマンド サイドに分散型が入り 、 不安定な太陽 光や風力も取り込み 、 デジタル革命も 進んで 、 スマートコミュニティができ てくる 。 これらをうまく融合させるこ とで 、 日本が世界に誇れる先進的なエ ネルギー需給構造のグランドデザイン を示せるんじゃないでしょうか 。 日下部   行政の機能は 、 おそらく二つ あって 、 一つは 、 エネルギー事業への 参入障壁を 、 どのエネルギー源でもフ ラットにしていくこと 。 今度の自由化 によって 、 かなりフラットになります 。

か し わ

た か

お 東京工業大学 特命教授/名誉教授 コージェネ財団 理事長 1946年東京生まれ。70年、東京工業大学工学部生産機械 工学科卒。79年、博士号取得。東京工業大学工学部助教授、 東京農工大学工学部教授、東京農工大学大学院教授など を歴任後、2007年より東京工業大学ソリューション研究機 構教授、12年より特命教授・名誉教授。11年よりコージェネ 財団理事長。経産省の総合資源エネルギー調査会新エネル ギー部会長などを歴任し長年、国のエネルギー政策づくりに 深くかかわる。現在、同調査会の省エネルギー・新エネルギー 分科会長、基本政策分科会委員などを務める。主な著書に 「スマート革命」「エネルギー革命」「コージェネ革命」など。

技術が

仕組

柏木   原子力発電所の事故の影響とい うのは 、 ずいぶん大きかった 。 それに よって 、 技術の進展が加速したという 面もあります 。 そして 、 それまではエ ネルギーにあまり関心がなかったよう な一般的な消費者の関心が高まってい る 。 この時期だからこそ 、 自由化によ る経済効果は 、 大いに期待できますね 。 日下部   実は2000年当時 、 私は小 売りの部分自由化を始めるための議論 に関わっていました 。 当時の参入者は と い う と 、 素 材 系 の 大 企 業 の 自 家 発 だったわけです 。 想定していたのは火 力発電で 、 具体的には重油だとか 、 残 渣油だとかを燃料とする火力発電です 。   当時から 、 スマートメーターの議論 もありましたが 、 それは意味がないと いう意見が大半でした 。 ピークに合わ せて電気料金を変えても 、 需要家は反 応しない 、 節電するようなことはない と考えられていました 。 なぜなら電気 は必需財だから 。   その後 、 発電技術が多様化し 、 需要 家サイドが意外と料金に感応的に行動 するようになってきた 。 当時からの技 術の変化は大きいですね 。 柏木   かつては 、 電源といえば熱機関 でしたから 、 大きなものでないと効率 が 上 が ら な か っ た 。 と こ ろ が 今 で は 、 燃料電池のような技術が開発され 、 実 用化されています 。 電気化学反応で発 電 し 、 規 模 の メ リ ッ ト は あ ま り な い 。 光電変換で発電する太陽電池もそうで すね 。 大きくなったからといって 、 効 率が上がるわけではない 。   こ う し た 発 電 シ ス テ ム の 多 様 性 も 、 今回の自由化によるインパクトを大き くするのだと思います 。 日下部   もともと電気事業法の体系と いうのは 、 ある特定の技術を与件とし ています 。 それは 、 大規模な火力発電 所や原子力発電所をつくり 、 規模の経 済性で安く大量の電力を供給する技術 だった 。 従って 、 独占も許容した 。 と 同時に 、 通産省が間に入って料金を規 制し 、 交渉力のない消費者を守ったの です 。   ところが 、 1980年代から90年 する消費者のセンシティビティが 、 も のすごく上がりました 。   また 、 技術が変わるという極めてよ いタイミングでスタートを切られるこ とも 、 大きな影響を与えるのではない かと考えています 。 5

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の中で 、 2030年にはデマンドサイ ド で 使 う 電 力 量 が 9 8 0 8 億 k W h で 、 それを全て大規模集中型で供給す れ ば 発 電 量 は 1 兆 6 5 0 億 k W h と な っ て い ま す 。 コ ー ジ ェ ネ の 場 合 は 、 9808億kWhの中に置かれること になります 。 そのうちの1190億k Wh 、 12%超を供給するという数値目 標が初めて明記されたわけです 。 これ は非常に画期的なことです 。   コージェネの電力がデマンドサイド に入り 、 うまくコミュニティの中で機 能し出すと 、 より多くの再生可能エネ ルギーを取り込めるようにもなってく る 。 再生可能エネルギーの不安定性を 、 コージェネによってうまく調整できる からです 。   BCP ︵ 事業継続計画 ︶ の観点でも コージェネの注目度は上がっています 。   あの原発事故の際にも 、 六本木ヒル ズは停電の心配がなかった 。 特定電気 事業として 、 全ての電力を自前のガス 柏木   今回の自由化での新規参入者は 、 いきなり大規模な電源はつくりにくい 。 また 、 メリットオーダーで 、 効率が低 く 、 稼働率の上がらない電源は脱落し ていくでしょう 。 となると 、 熱も使え て効率の高いコージェネのような分散 型が増える可能性は高いと思います 。   これまでは市場が十分に機能してお らず 、 コージェネの余剰電力を適正な 価格で販売することができませんでし た 。 自由化によって市場が機能し 、 デ ジタル革命できめ細かな制御も可能に なる 。 技術開発によって発電効率は上 がり 、 デマンドレスポンスも導入する などして 、 うまく制御すると 、 余剰電 力の売電による収入がかなり見込める ようになります 。 コージェネ導入の初 期投資のペイバックタイムも短くでき るでしょう 。 自由化を機に 、 分散型で も効率の高いものは 、 経済性も良くな り投資が進む可能性があります 。   昨年策定されたエネルギーミックス

分散型が

コージェネで賄っていたからです 。 そ の点が評価され 、 この地区のビルの稼 働率は上昇し 、 デベロッパーもエネル ギーの自立をより積極的に評価される ようになったと聞いています 。   BCPの観点から 、 企業が万が一の 際にも事業を継続できるようにするこ とで 、 その不動産の価値が下がらない ということが言えるわけです 。 いわゆ るノンエナジーベネフィットですね 。 日下部   これまで自家発を整備してき た 業 種 と い う の は 、 病 院 で あ っ た り 、 ホテルであったり 、 それから通信 、 鉄 道 、 素材系などの企業ですね 。 自らの 営業活動や顧客との信頼関係のために 、 必ず何らかの備えが必要な業種が自衛 的に導入してきた 。   ですから 、 蓄電やコージェネによっ て将来に備えることへのインセンティ ブは潜在的にあるでしょう 。 必ずそれ をやらなければいけない業種はもとも とあったし 、 東日本大震災の経験を踏 まえれば 、 その備えは 、 企業価値にお いて決してマイナスにはならない 。 こ れはコストではなくて 、 投資の一環だ と考えるような産業群が増えつつあり ます 。   家庭でも 、 エネファームだとか 、 プ ラグインハイブリッドカーだとか 、 価 格だけで考えれば割高であっても 、 い ざという時に自家発として使えること を評価する人が少しずつ増え始めてい ます 。 こうした今の状況は 、 イノベー ションのチャンスですね 。 分散型エネ ルギーは 、 イノベーションの大きなフ ロンティアになる可能性があります 。 ですから 、 そこはきちんと進めていく 。   それから 、 もう一つは 、 仕組みを変 えていくこと 。 技術が変われば 、 仕組 みが変わるのだと 、 私は考えています 。 行政が硬直的だと批判を受けるとする ならば 、 技術が変わったけれども 、 仕 組みが変わらない場合でしょう 。 そこ は変えなければなりません 。

分散型

、イ

可能性

日下部氏

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[特別対談]電力自由化と新たな経済成長 も 、 実は立地場所を選べば 、 相当程度 、 競争力があることも分かってきました 。 その需給のマッチングが大変だという 議論になってくると 、 需要制御の技術 も進展した 。 そういう変化を我々は実 際に見てきました 。 技術革新のタネは たくさんあるということです 。   電気事業の制度だとか 、 エネルギー システムの規制制度だとかは 、 そうし た新たな事態が起これば 、 臨機応変に 変えていくというような柔軟性がある と 、 実は 、 産業の発展や経済成長に資 する最大の支援になるのだと 、 私は思 います 。 柏木   資源エネルギー庁が 、 そして長 官ご自身が 、 こういうお考えで 、 とて も積極的に 、 ポジティブに取り組んで おられる 。 非常に心強いです 。 それを 、 ひしひしと感じることができました 。 れども 、 みんなのために費用を払うも のもあります 。 送配電ネットワークが そうですし 、 再生可能エネルギーの賦 課金もそうですよね 。 この電気型のよ うに設計するのか 、 それとも鉄道型の ようにするのか 。   熱導管の場合は 、 それほど規模が大 きくないので 、 鉄道型なのかもしれま せんね 。 エリアを特定して 、 そこの需 要家のコンセンサスを得て 、 共通して 使う共有財産を建設するための 、 例え ば仲介ルールのような 、 新たなルール づくりが必要なのかもしれません 。 柏木   これからはエネルギーもコンパ クト&ネットワークですよね 。 適切な 規模のコンパクトシティ化 、 コンパク トコミュニティ化を進めて 、 そこで合 理的にローカルエネルギーを取り込み 、 さらに全国規模のネットワークの中で うまく機能させる 。 それを目指すべき でしょう 。 日下部   エネルギーの世界は 、 部分自 由化を始めた段階では 、 技術の革新な どあまりない 、 それならばシステムも 変 え る 必 要 が な い と 考 え ら れ て い ま し た 。 け れ ど も 、 石 油 の 世 界 一 つ を とっても 、 シェールの技術が出ること で 、 価格が劇的に下がるということが 起 こ っ た 。 電 力 シ ス テ ム も 、 再 生 可 能エネルギーなんてだめなんじゃない かと言われていた時代があったけれど 柏木   コージェネは熱電併給で効率も 上がってきた 。 自由化になるとキャッ シュの流れもできて 、 投資家もメリッ トを感じるようになるでしょう 。 こう した民間の投資を喚起して 、 アベノミ クスにプラスにするためには 、 例えば 熱導管を 、 公益性のある事業と捉えて 、 後押しするということも必要だと思い ます 。   例えば 、 ゴミ焼却炉の排熱を流し込 む熱導管を市庁舎までつなげば 、 そこ に適切な規模のコージェネが入り 、 デ マンドもコントロールして 、 なるべく

制度

柔軟性が

最大

支援

ピークを出さずに 、 系統への負荷を軽 減できるようになる 。 ローカルな自然 エネルギーも取り込みやすくなる 。   そうなれば 、 大規模集中型の電源は 少し減ってくるけれども 、 効率の高い も の だ け が 残 っ て 、 稼 働 率 が 上 が る 。 これが 、 低炭素型国家を実現する一つ の柱になると思います 。 日下部   公益性のある施設にも 、 いく つかタイプがあります 。 例えば 、 エリ ア が 特 定 さ れ る 鉄 道 み た い な も の は 、 そこで使う人が費用を払うわけです 。   自分が使ったかどうか分からないけ

[特別対談]電力自由化と新たな経済成長

自由化

分散型

効率

経済性

投資

可能性

柏木 7

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2016年2月4日、コージェネ財団主催による「コージェネシンポジウム2016」が東 京・イイノホールで開催された。「変貌するエネルギー市場におけるコージェネの 未来」をテーマに有識者らが講演やパネルディスカッションを行った。改革が進む 日本のエネルギー市場の中でコージェネレーション(熱電併給)システムはいかな る役割を担うべきか。さらなるコージェネ普及を促進するには何が必要か。有識者 らの意見や議論から浮き彫りになった。 柏木孝夫 コ ー ジ ェ ネ 財団理事長

」を

う実現

ー ジ ェ ネ 財 団 は 2 0 1 6 年 2 月 4 日 、東京 ・ イイノホールにおいて ﹁ コー ジェネシンポジウム2016 ﹂ を開催 し た 。﹁ 変 貌 す る エ ネ ル ギ ー 市 場 に お けるコージェネの未来 ﹂ と題して官民 学の有識者や実務者らによる講演やパ ネルディスカッションを行った 。   この4月からの電力小売り全面自由 化を受け 、 また来年4月からのガス小 売り全面自由化を控え 、 日本のエネル ギーシステムは大転換を遂げつつある 。 その中で排熱を有効利用でき 、 省エネ や C O ︵ 二 酸 化 炭 素 ︶ 排 出 削 減 効 果 が高く 、 災害時などBCP ︵ 事業継続 計画 ︶ にも対応できるコージェネレー ション ︵ 熱電併給 ︶ システムへの期待 は高まっている 。   経 済 産 業 省 は 昨 年 7 月 、﹁ 長 期 エ ネ ルギー需給見通し ﹂ を決定し 、 日本に おける2030年のエネルギーミック ス ︵ 電源構成 ︶ について目安とすべき 具 体 的 数 値 を 定 め た 。 そ の 中 で 、 多 様 な エ ネ ル ギ ー 源 活 用 の 一 環 と し て コージェネにも言及し 、 2030年に 1190億kWh程度の導入という具 体的な数値目標も掲げた 。   シンポジウムの開会に当たり挨拶に 立った柏木孝夫コージェネ財団理事長 は ﹁ コージェネはマチュアな技術にな り つ つ あ る 。 エ ネ ル ギ ー ミ ッ ク ス に

変貌する

エネルギー市場における

コージェネの未来

コージェネシンポジウム2016レビュー

エネルギーミックスに数値目標

コージェネ元年、さらなる普及促進を

取材・構成・文/小林佳代 写真/加藤康

[特集]

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状の2倍である1190億kWhとい う チ ャ レ ン ジ ン グ な 目 標 達 成 に 向 け 、 国 と し て も 最 大 限 に サ ポ ー ト し て い く ﹂ と明言した 。   続いての基調講演では電力広域的運 営 推 進 機 関 の 金 本 良 嗣 理 事 長 が 登 壇 。 電力システム改革の中で同機関が果た している役割について説明した 。   特別公演では東京農工大学大学院工 学研究院先端機械システム部門の秋澤 淳教授が2015年6月に財団が行っ た ド イ ツ で の 視 察 ・ 調 査 結 果 を 報 告 。 コージェネを活用したシュタットベル ケ ︵ 地域インフラ公社 ︶ 事業の概要を 紹介し 、 日本版シュタットベルケを考 える上での材料を示した 。   各講演では大林組 、 ヤンマーエネル ギ ー シ ス テ ム 、 山 梨 県 、 三 井 造 船 が 、 コージェネの導入拡大に寄与する技術 開発やシステム導入に際しての取り組 みなどを紹介した 。   今回で4回目となる ﹁ コージェネ大 賞 ﹂ の表彰式も行い 、 民生用部門 、 産 業用部門 、 技術開発部門でそれぞれ理 事長賞 、 優秀賞 、 特別賞を受賞した事 業 者 を た た え た 。 省 エ ネ ・ 省 C O に 加え 、 BCP対応 、 電力自由化を見据 えた新たなビジネスモデルなども大き な評価ポイントとなった 。   パネルディスカッションでは ﹁ 日本 の 成 長 戦 略 と コ ー ジ ェ ネ レ ー シ ョ ン ﹂ を テ ー マ に 議 論 が 進 ん だ 。 コ ー デ ィ ネーターは柏木コージェネ財団理事長 。 鈴木康友浜松市長 、 工藤禎子三井住友 銀 行 執 行 役 員 成 長 産 業 ク ラ ス タ ー ユ ニット長 、 重永智之パシフィックコン サルタンツ取締役事業マネジメント本 部長 、 村関不三夫東京ガス常務執行役 員エネルギーソリューション本部長が 活発に意見を交わした 。   閉会の挨拶で土方教久専務理事はこ の日 、 4 30人の来場者があったこと を 報 告 し 、﹁ コ ー ジ ェ ネ へ の 期 待 が 高 ま っ て い る こ と の 表 れ ﹂ だ と 述 べ た 。 ま た 、﹁ エ ネ ル ギ ー ミ ッ ク ス に 盛 り 込 まれた数値目標を達成するため 、 財団 として多くの取り組み 、 多くの知恵を 集 め 、 コ ー ジ ェ ネ 導 入 拡 大 に 向 け て 努力していく ﹂ と改めて決意を表明し 、 シンポジウムを締めくくった 。

改革

できめ細やかに制御するデジタル革命 をベースに市場原理も取り入れながら 、 地産地消のエネルギーをどう取り込ん で新たなエネルギーシステムを作り上 げ て い く の か 、 世 界 が 注 目 し て い る 。 技術開発 、 制度改革などあらゆる手段 を講じて 、 世界のリーダーとなるよう な先進的なモデルを作り上げる必要が ある 。 コージェネはその要の存在であ り 、 財団がイニシアティブをとって普 及を進めていきたい ﹂ と意欲を示した 。 コージェネの数値目標が書かれたこと は 大 き な 一 歩 で あ り 、 2 0 1 6 年 は コージェネ元年といえる 。 電力全体の 11∼ 12%を占める1190億kWhを どのように実現するか 、 多面的に考え ていかなくてはならない ﹂ と強調した 。   その上で 、 この4月に始まる日本の 電 力 自 由 化 に つ い て 、﹁ 欧 米 に 比 べ て 遅いと言う人もいるが 、 全くそんなこ とはない 。IoT ︵ モノのインターネッ ト ︶ 時代に入って初の自由化 。 需要側   来賓として挨拶した経済産業省資源 エネルギー庁省エネルギー ・ 新エネル ギー部熱電併給推進室の戸邉千広室長 は 、﹁ エ ネ ル ギ ー ミ ッ ク ス の 実 現 と シ ステム改革の実行に向けて 、 徹底した 省エネルギー 、 再生可能エネルギーの 拡大 、 新たなエネルギーシステムの構 築が柱となる 。 コージェネはこれらに 貢献する重要なツールと位置づけてい る ﹂ と国の姿勢を示した 。 また 、 コー ジェネに関係する2016年度予算と して 、 地産地消型再生エネルギー面的 利用等推進事業費補助金に 45億円 、 電 気 ・ 熱エネルギー高度利用支援事業費 補助金に 15億円 、 家庭用燃料電池 ︵ エ ネファーム ︶ 導入支援補助金に 95億円 などを用意していることも説明し 、﹁ 現 経済産業省 資源 エ ネ ル ギ ー庁 省 エ ネ ル ギ ー ・ 新 エ ネ ル ギ ー部 熱電併給推進室 戸邉千広室長 土方教久 コ ー ジ ェ ネ 財団専務理事 [特集]コージェネシンポジウム2016レビュー 9

(10)

調

電力システム改革と

電力広域的運営推進機関の

役割

「コージェネシンポジウム2016」では電力広域的運営推進機関の金本良嗣理事長が登壇し、「電力 システム改革と電力広域的運営推進機関の役割」をテーマに基調講演を行った。広域機関の主な 業務であるルールの策定、需給監視・連系線管理、供給力・調整力の確保などについて、2015年4 月の発足以来、取り組んできたことを説明。現在、直面する様々な課題を解決し、供給安定性と効 率性を両立するベストソリューションをつくっていく意思を明らかにした。 か ね も と   よ し つ ぐ 電力広域的運営推進機関 理事長

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700社を超えています 。 役員は総会 で選出されます 。 需要家や学識経験者 から成る評議員会を備え 、 運営に関す る重要事項等を審議しています 。   広 域 機 関 は 東 日 本 大 震 災 を 契 機 に 、 電源の広域的な活用に必要な送配電網 の整備を進めるとともに 、 全国で平常 時 ・ 緊急時の需給調整機能を強化する ことを目的として創設されました 。   主 な 業 務 内 容 は 以 下 の 5 つ で す 。 ❶ 会員その他電気供給事業者が遵守す べ き ル ー ル を 策 定 す る こ と 、 ❷ 需 給 を 監 視 し 連 系 線 を 管 理 す る こ と 、 ❸ 電 力 需要予測と電力供給計画を取りまとめ 供 給 力 ・ 調 整 力 を 確 保 す る こ と 、 ❹ 周 波 数変換所や地域間連系線など広域連系 系統の整備計画を立案し推進すること 、 ❺ 系統利用者の利便性を向上すること 。   ❶ に関しては 、 小売り全面自由化後 、 全会員に対してルールが必要となるこ とから定款 、 業務規程 、 送配電等業務 指針を広域機関が策定しています 。

ムの

金本 良嗣 氏 (かねもと よしつぐ) 電力広域的運営推進機関 理事長 1972年東京大学経済学部卒業。77年コーネル大学Ph.D.取得、同年 カナダのブリティッシュ・コロンビア大学経済学部助教授に。80年筑波 大学社会工学系助教授、88年東京大学経済学部助教授、92年同教 授、2008年東京大学公共政策大学院院長、10年政策研究大学院大 学教授、13年同大学副学長等を経て、15年より電力広域的運営推進 機関初代理事長に就任。   ❷ の需給監視 ・ 連系線管理では 、 電 力需給状況が迫した際 、 電力会社に 焚き増ししたり融通したりするよう指 示を出します 。   そんな局面は当面訪れないであろう と思っていたところ 、 広域機関の発足 直後の昨年4月8日に 、 いきなり訪れ ました 。 春なのに雪がちらつく寒さで 暖房需要が急増 、 東京電力管内で供給 力が不足したのです 。 東北電力 、 中部 電力に相談し 、 東北電力に融通するよ う指示を出しました 。 同年9月 26日に は天気が曇り太陽光発電の発電量が下 がったこともあり四国電力で供給不足 が発生 。 中国電力に融通するよう指示 を出しました 。   電力会社間を結ぶ連系線の利用管理 も 始 め て い ま す 。 全 体 の 容 量 の 中 で 、 安定供給のために必要な余力を ﹁ マー ジン ﹂ として取り置き広域機関が管理   2015年4月 、 電力広域的運営推 進機関 ︵ 広域機関 ︶ が発足しました 。   私は 、 この機関を ﹁ 電力システムの 番人 ﹂ と位置づけています 。 日本は今 、 電力システム改革のまっただ中にあり ます 。 そのシステムが破綻しないよう 、 見守っていくのが我々の役割です 。 同 年9月には電力取引監視等委員会が発 足しましたが 、 こちらは ﹁ 電力市場の 番 人 ﹂。 こ の 2 つ が 両 輪 と な っ て 、 電 力の自由化を支えていくのだと考えて います 。   ここでは電力広域的運営推進機関の 詳細を紹介していきたいと思います 。   まずは組織体制 。 役員は理事長であ る私を含めて5人です 。 電気事業者か ら3人 、 経済産業省から1人という構 成ですが 、電気事業者出身者には ﹁ ノー リターン ﹂ ルールが厳格に適用されま す 。 会員は全電気事業者で 、 その数は [特集]コージェネシンポジウム2016レビュー 11

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と様変わりしています 。 以前は真夏の 暑 い 昼 間 が 電 力 需 要 の ピ ー ク で し た 。 最近では昼には太陽光発電の電力が出 てくるため 、 火力発電や水力発電の需 要ピークは夕方5時ごろになっていま す 。 こうした実情に合わせて予備電源 の持ち方も変える必要があります 。   また 、 再生可能エネルギーは出力調 整が難しいという特徴があり 、 規模の 小 さ い 区 域 に 大 量 の 再 生 可 能 エ ネ ル ギーを導入すると調整力を超えてしま います 。 連系線を介し 、 規模が大きい 他の区域と一体で調整する仕組みがつ くれないかと検討しています 。 その場 合の費用を誰がどう負担するかといっ たルールも整備が必要であり 、 併せて 検討しているところです 。 場合には入札で電源を確保します 。   電力は需要と供給が1秒1秒ぴった り合っている必要があります 。 合わせ るためには調整力 ・ 予備力を持ってい なくてはなりません 。 長期の供給予備 力については昭和 30年代から考え方が 全く変わっていないため 、 ゼロベース で検討し 、 新しいシステムをつくって いくことが重要です 。   広 域 機 関 で は 有 識 者 を 中 心 と し た ﹁ 調 整 力 等 に 関 す る 委 員 会 ﹂ を 設 置 し て検討を開始しています 。 すべての課 題を解くのは難しく 、 中間的な取りま とめにならざるを得ませんが 、 今年度 末には報告したいと考えています 。   太陽光発電が大量に導入されている 今は調整力 ・ 予備力の持ち方が数年前 します 。 それ以外で運用可能な部分を 電 力 事 業 者 に 先 着 優 先 で 確 保 し ま す 。 連系線を使わないことが判明したら速 やかに手放し 、 他事業者の連系線利用 を阻害しない ﹁ 空おさえの禁止 ﹂もルー ルとしています 。 海外では先着優先で はなく市場原理を導入しているところ がほとんどであり 、 今後 、 日本でどう するかは大きな課題です 。   需給監視 ・ 連系線管理については現 在 、 広域機関ができる前に連系線を管 理していた機関 ︵ 電力系統利用協議会 ︶ が持っていたシステムを使って運用し ています 。 各電力会社管内の需給状況 、 発電機の出力状態などをリアルタイム

  ❹ の広域系統整備計画立案に関して は 、 2つのことをやっています 。 1つ は日本全体の連系線網 、 送電網の整備 に関する長期方針をつくること 。 電力 需給 、 送電網の状況を把握しながら将 来 、 どこをどのように整備すべきかを 検討しています 。   もう1つは地域間連系線の整備です 。 で監視するために新たなシステムを開 発中で 、 この4月に運用を始める予定 です 。 このシステムで事業者の需給計 画を受け付ける機能も果たし 、 計画値 同時同量を実現します 。   ❸ の供給力 ・ 調整力の確保について は 、 こ の 4 月 以 降 、 小 売 り 、 送 配 電 、 発電のすべての電気事業者に 10年間の 需要見通しと電気の供給等の計画を届 け出てもらいます 。 広域機関は各事業 者の計画を取りまとめ 、 国に届け出を します 。 その過程で需給に懸念がある 場合には広域機関が意見をつけて経済 産業大臣に提出します 。 将来 、 供給不 足が起きる可能性が高いと見込まれる

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ては 、 いろいろなサービスを提供しよ うと考えています 。 例えば 、 この4月 の自由化後には電力事業者の間で契約 変更にかかわる事務処理が大幅に増加 す る と 想 定 さ れ る こ と か ら 、﹁ ス イ ッ チング支援システム ﹂ を開発し 、 契約 前 、 契約手続き中に必要な情報を受け 渡すなど 、 スムーズな手続きを支援し ます 。現在 、システムの最終的なチェッ クをしている段階で 、 3月中にも稼働 させたいと思っています 。   系統につなぎたい電気事業者向けの サービスも行います 。 従来 、 系統への 接続を希望する事業者は直接 、 電力会 社に申し込むしかありませんでしたが 、 例えば 、 広域機関が発足する前から東 京電力と東北電力の間の連系線の容量 が不足していると指摘されていました し 、 東京電力と中部電力間の周波数変 換所についても増設が必要といわれて いました 。 昨年9月 、 この2つの整備 計画を決めました 。 東北東京間は総工 費1590億円 、 7 ∼ 11年程度を目標 に550万kW分を増強します 。 東京 中部間については総工費1750億円 、 工 期 10年 程 で 90万 k W を 増 強 し ま す 。 具体的にどこに 、 どういう形でつくる かを取りまとめ 、 今年の秋には工事に 入りたいと思っています 。   ❺ の系統利用者の利便性向上につい 事業者の間には ﹁ 中立 ・ 公平に扱って もらえるのか ﹂ といった懸念も生じて いました 。 そこで広域機関に申し込ん でもらうこともできるようにしていま す 。 電力会社への申し込みにやや心配 がある時には利用していただければと 思います 。   このサービスの中で 、 新しい仕組み も 準 備 し て い ま す 。﹁ 電 源 接 続 案 件 募 集プロセス ﹂ というもので 、 発電設備 等を電力系統に連系するに当たって大 規模な工事が必要で負担金が高額とな る場合に 、 複数の電気事業者が工事費 を共同負担して系統増強を行う手続き です 。 過去に東京電力が群馬県で実施 した例がありますが 、 今後は広域機関 が一括で請け負っていきます 。   発足以来1年間 、 これらの業務に取 り組んできましたが 、 まだ課題はたく さんあります 。 目指すのは供給安定性 の確保ですが 、 そのために巨額のコス トをかけては意味がありません 。 系統 設備をいかに効率的に運用 ・ 整備する かを考え 、 ベストソリューションをつ くっていくことが重要です 。   新しい時代の電力システムが供給信 頼性と効率性とをどう両立していくか は極めて大きなチャレンジです 。 我々 広域機関は誠心誠意 、 取り組んでいき ます 。

時代

電力

供給信頼性

効率性

両立

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ドイツにおける

コージェネを活用した

シュタットベルケ事業視察報告

東京農工大学大学院の秋澤淳教授は「ドイツにおけるコージェネを活用したシュタットベルケ事業 視察報告」と題した特別講演を行った。ドイツの代表的なシュタットベルケ(地域インフラ公社)が どのような経営体制の下、どんな事業を営み、どう収益を安定させているのかを解説。日本版シュ タットベルケを導入し成功させるための材料を示した。電力価格が安い時にコージェネの経済性 をどう確保するかという課題も浮き彫りになった。

特別講演

秋澤 淳

あきさわ あつし 東京農工大学大学院 工学研究院先端機械システム部門 教授

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の売上高合計を比べると 、 シュタット ベ ル ケ の 方 が 若 干 多 く な っ て い ま す 。 ドイツ市民の間では 、 銀行 、 メディア 、 大企業などと比べ自治体への信頼度が 高 く 、 自 治 体 に 密 着 し た 存 在 の シ ュ タ ッ ト ベ ル ケ の 強 み と な っ て い ま す 。 電力 、 ガス 、 熱 、 上水と分野ごとに見 てもシュタットベルケの占めるシェア は以前に比べ拡大しています 。 ドイツ で は 今 後 、 交 通 、 電 力 需 給 イ ン フ ラ 、 省エネなどのビジネスが期待できると 見られているようです 。   今回 、 私たちが視察したのはマンハ イム市のMVVエナジー 、 ハイデルベ ルク市のシュタットベルケ ・ ハイデル ベルク 、 シュベビッシュハル市のシュ タットベルケ ・ シュベビッシュハルの 3つです 。

ジェ

秋澤 淳 氏 (あきさわ あつし) 東京農工大学大学院 工学研究院先端機械システム部門 教授 1961年生まれ。85年3月東京大学工学部卒業、87年同大学院修士課 程修了。三菱総合研究所を経て95年東京大学大学院工学系研究科博 士課程修了。東京農工大学工学部機械システム工学科講師、准教授を 経て2007年より教授。熱駆動ヒートポンプサイクル、太陽集光・集熱、 排熱有効利用システム、コージェネレーションシステムの解析などの研 究に従事する。日本太陽エネルギー学会副会長、日本冷凍空調学会理 事を務める。日本機械学会、電気学会、エネルギー資源学会、日本エネ ルギー学会ほかの会員。   M V V エ ナ ジ ー は マ ン ハ イ ム 市 が 50・1%出資するほか 、大手エネルギー 会社などが出資するシュタットベルケ です 。 従業員数は5000人超 。 シュ タ ッ ト ベ ル ケ 唯 一 の 上 場 企 業 で あ り 、 最大規模を誇ります 。 事業は電力 、 ガ ス 、 地域熱供給 、 上水 、 エネルギー管 理など 。 マンハイム市内での世帯シェ アは電力が 50% 、 熱が 60%に達してい ます 。   MVVエナジーは大手エネルギー会 社と競争する存在であり 、 現在は ﹁ 中 央 集 中 型 モ デ ル ﹂ か ら ﹁ 分 散 型 モ デ ル ﹂ へビジネスの展開を図っています 。 エネルギー管理ソフトウエアを商業化 し 、 分散型エネルギーを統合管理する 、 日本のスマートグリッドのようなプロ ジェクトを進めています 。   また 、 再生可能エネルギー開発会社 のユーイ社と提携し 、国内外で太陽光 ・ 風力 ・ バイオマス発電 、 地域熱供給事 業などを手掛けています 。   その中ではコージェネも活用してい ます 。 マンハイム市外 、 また国外にも   昨年6月 、 コージェネ財団はドイツ を訪れ 、 シュタットベルケを視察して き ま し た 。 こ こ で は 視 察 団 を 代 表 し 、 その報告をしたいと思います 。   シュタットベルケとは電力を中心に ガ ス 、 熱 な ど の エ ネ ル ギ ー を 供 給 し 、 上下水道 、 公共交通 、 廃棄物処理など のサービスを提供する事業体です 。 通 常 、 自治体からの出資比率は 50%超で 地元と密着した存在です 。 ただし経営 は自治体から独立し 、 人材も独自採用 しています 。   ドイツ全体で約1400のシュタッ ト ベ ル ケ が あ り 、 そ の う ち 、 エ ネ ル ギー事業を手掛けるシュタットベルケ が1000弱あります 。 民間では手当 てできないインフラの整備と運営を行 う存在として発展してきました 。   ドイツの4大エネルギー会社の売上 高合計とシュタットベルケ1400社 [特集]コージェネシンポジウム2016レビュー 15

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大規模なコージェネプラントを持って います 。   例えば 、 石炭を燃料とする大規模プ ラント ﹁ グロスクラフトベルクマンハ イム ﹂ は大規模な発電ユニット4つを 稼働させ 、 発電容量は合計200万 kW に及びます 。 排熱は地域熱供給システ ムに活用 。 ハイデルベルクなどへ 15∼ 20㎞の熱導管を敷設し 、 熱を供給して います 。   こ の プ ラ ン ト の 特 徴 は 欧 州 最 大 級 の 蓄 熱 設 備 を 備 え て い る こ と 。 直 径 40m 、 高 さ 3 6 m の 巨 大 タ ン ク に 4万3000tの 98℃の温水を蓄えて います 。 視察団は設備の上をぐるっと   シュベビッシュハルで課題に挙げら れていたのが電力の価格変動です 。 太 陽光や風力の発電量が多くなれば電力 価格は下落します 。 ガスコージェネの 運転 ・ 維持管理費は1MWh当たり 40 ∼ 60ユーロ ︵ 約5 ∼ 8円 / kWh ︶ ほ ど 。 卸電力価格が 40ユーロを超えない とコージェネの経済的メリットは出な いとされています 。 熱を供給するため 、 電力価格が安くてもコージェネを稼働 せざるを得ない場合があるのが課題と いう指摘が出ていました 。   規模の大きなMVVエナジーの場合

一回りしてみましたが 、 足がすくむよ うな高さでした 。   蓄 熱 設 備 の 役 割 は 、 電 気 と 熱 の デ カップリングです 。 コージェネは電気 と熱を同時に発生しますが 、 オペレー ション上 、 2つを切り分けるために蓄 熱設備を活用しています 。 風力や太陽 光による発電が多く 、 電力価格が低い 時 に は 発 電 量 を 抑 え 、 売 電 を 控 え る 。 地域熱供給への不足分は蓄熱設備から 供給する 。 電力価格が高い時にはコー ジェネを運転して売電すると同時に熱 を蓄える 。   このようにコージェネの運転を最適 化しています 。   シュタットベルケ ・ シュベビッシュ ハ ル は 人 口 約 4 万 人 の 町 、 シ ュ ベ ビ ッ シュハル市が100%出資しています 。 従 業 員 数 は 5 0 0 人 。 事 業 分 野 は 電 力 、 ガ ス 、 地 域 暖 房 、 上 水 、 ネ ッ ト ワ ー ク 、 サ ー ビ ス プ ロ バ イ ダ ー 、 駐 車 場 、 ス イ ミ ン グ プ ー ル な ど 多 岐 に わ た り ま す 。   こ こ の 大 き な 特 徴 は 配 電 網 を 所 有 し て い る こ と に あ り ま す 。 電 力 会 社   マ ン ハ イ ム の よ う な 大 規 模 な シ ュ タットベルケが他社と連携し 、 再生可 能エネルギーを導入したり大規模な電 源コージェネを入れたり 、 海外にも投 資したりとスケールの大きな取り組み をしているのに対し 、 中小規模のシュ タットベルケは地域に密着し 、 また近 隣の地域と連携しながら積極的な事業 展開の糸口を探ろうとしています 。 が ユ ー ザ ー に 電 気 を 販 売 す る 場 合 も 、 シュタットベルケには配電網の使用料 が入るため 、 収益が安定するメリット があります 。   また 、 近隣のシュタットベルケに投 資し 、 立ち上げを支援し 、 サービスを 提供することでも収益力向上を図って います 。   投 資 先 の 一 つ が シ ュ タ ッ ト ベ ル ケ ・ ジンデルフィンゲン 。 シュタットベル ケを設立しようと決めたものの 、 ノウ ハウがなかったジンデルフィンゲン市 からの要請を受け 、 現地の配電網を買 い取るかたちで新しいシュタットベル ケをつくり運営しています 。 自分たち のノウハウやシステムを商業化し 、 他 のシュタットベルケに水平展開すると いう戦略は 、 シュベビッシュハル成功 の大きな要素となっています 。   市内には熱供給のための導管が張り 巡らされ 、 コージェネから発生した熱 も地域熱供給に活用しています 。 補助 金が付与されるバイオガスの利用を進 め 、 収益性向上に努めています 。   家庭用電力販売というのは実際のと ころ 、 利ざやが薄いビジネスです 。 1 kWh当たり1ユーロセントぐらいし かかりません 。 このシュタットベル ケの場合は 、 電力を売ることよりも他 の事業で収益をしっかり確保している というのが強みになっています 。

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は大型の蓄熱設備を導入することで対 応していましたが 、 シュベビッシュハ ルのような中小規模のシュタットベル 網を持つというのは難しいと思います 。 一方 、 上下水道や廃棄物処理は自治体 が担っています 。 そういう中で 、 複合 的なメニューを持つシュタットベルケ 的事業をどう成立させていくのか 。 ド イツでも 、 中小規模のシュタットベル ケでは規模の経済性が稼げないことが 弱みという話が出ていました 。 他地域 との連携も含め 、 事業性を上げていく ための工夫が必要です 。   ドイツは寒くて暖房負荷が高い国と いうこともあり 、 地域熱供給が大変充 実していました 。 一方 、 日本では地域 熱供給のためのインフラ整備に弱みが あ り ま す 。 熱 を 供 給 す る た め の 導 管 ネットワークをどう整備していくのか も 、 今後の大きな課題だと思います 。   まとめると 、 ドイツのシュタットベ ルケには3つの特徴があります 。   第 一 に 、 行 政 か ら 独 立 し た 経 営 を 行 っ て い る こ と 。 日 本 で は 第 三 セ ク ターのような形態を思い描きがちです が 、 シュタットベルケは組織も自治体 とは別であり 、 市から人が来ることも ありません 。 独立性が保たれています 。   第 二 に 、 エ ネ ル ギ ー 事 業 だ け で な く 、 たくさんのメニューを事業化して いること 。 配電 、 上下水道 、 廃棄物な ど 、 ほかの事業者と競合しない分野に 、 しっかりと収益源を確保しています 。   第三に 、システム共有 、他のシュタッ トベルケへの出資 、 サービス提供など 水平展開が活発なこと 。   日本では 、 現実的に 、 自治体が配電 ケでは 、 それは難しく 、 今後この課題 をどのように解決するかが問われるこ とになりそうです 。

供給す

導管ネ

整備

今後

課題だ

[特集]コージェネシンポジウム2016レビュー 17

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パネル

ディスカッション

日本の成長戦略と

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エネルギーの地産地消と

付加価値ビジネスで

地域経済を活性化

「コージェネシンポジウム2016」では「日本の成長戦略とコージェネレーション」をテーマとするパネルディスカッ ションが開かれた。パネリストは浜松市の鈴木康友市長、三井住友銀行の工藤禎子執行役員成長産業クラスター ユニット長、パシフィックコンサルタンツの重永智之取締役事業マネジメント本部長、東京ガスの村関不三夫常務 執行役員エネルギーソリューション本部長。コージェネ財団の柏木孝夫理事長がコーディネーターとなり、エネルギー システムが変革する中、コージェネレーション(熱電併給)システムのさらなる普及促進を日本の経済成長にどう つなげるべきかを語り合った。 [特集]コージェネシンポジウム2016レビュー 19

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にまで高めたいと考えています 。 その 重要な核としてとらえているのがコー ジェネ 。 既に浜松駅近くにある ﹁ ザザ シティ浜松 ﹂ ではガスコージェネを導 入し 、 熱電併給事業を実施しています 。 再生可能エネルギーとコージェネを取 り入れた新工業団地の実現可能性も調 査中です 。 さらには地場の木質チップ を燃料とするバイオマスコージェネシ ステムで発生した熱電を温泉街に活用 するプロジェクトも検討しています 。   スマートシティの担い手として昨年 10月 、 地 域 新 電 力 会 社 ﹁ 浜 松 新 電 力 ﹂ を設立しました 。 今後 、 ドイツのシュ タットベルケ ︵ 地域インフラ公社 ︶ の ように生活支援総合サービスの展開を 加速していきたいと思います 。 柏木   電力自給率 20%超を目指すとは 非常に意欲的ですね 。 自治体として極 め て 先 進 的 な 取 り 組 み だ と 思 い ま す 。 工藤さん 、 金融機関からコージェネ市 場はどう見えていますか 。 工藤禎子氏 (以下敬称略)   エネルギー を取り巻く環境は大きく変化していま すが 、 その中で 、 安定供給 、 経済効率 性 、 環境適合 、 安全性という ﹁ 3E+ S ﹂ の 視 点 か ら 、 地 域 分 散 型 エ ネ ル ギーシステムには大いに注目していま す 。 中でもコージェネは地域分散型エ ネルギーシステムの重要な構成要素と 認識しています 。 東日本大震災後の2011年 、 再生可 能エネルギーの導入 、 省エネ推進 、 エ ネルギーマネジメントシステムの導入 などに言及した ﹁ 浜松市エネルギービ ジョン ﹂ を策定しました 。 直近 10年間 で平均日照時間日本一という気候を生 かし 、 太陽光発電を積極的に推進して 導入量日本一を達成しました 。   現在は ﹁ 浜松版スマートシティ ﹂ の 実現に向けて動き出しており 、 できる ことには何にでも取り組む考えです 。   浜 松 市 の 電 力 自 給 率 は 8 ・ 2 % ︵ 水 力含むと 54・ 8% ︶ ですが 、 2030 年 に 20・ 3 % ︵ 水 力 含 む と 66・ 9 % ︶ 浜松市長

鈴木 康友

す ず き や すとも 柏木孝夫   2015年に政府が策定し たエネルギーミックスでは 、 2030 年に1190億kWh 、 電力全体の 11 ∼ 12%をコージェネレーション ︵ 熱電 併給 ︶ システムで生み出すという目標 が掲げられました 。   折しも今年4月には電力 、 来年4月 にはガスが小売り全面自由化されます 。 1957年静岡県浜松市生まれ。80年慶應義塾大学法学部を卒業後、松下政経 塾に入塾(第1期生)し85年に同塾卒塾。ステラプランニング代表取締役を経 て、2000年6月に衆議院議員に初当選、2期務める。この間、経済産業委員会理 事等を歴任。07年4月浜松市長に就任(現在3期目)し、08年マニフェスト大賞 受賞。現在、三遠南信地域(愛知県東三河地域、静岡県遠州地域、長野県南信 州地域)連携ビジョン推進会議(SENA)会長。11年12月から指定都市市長会 副会長。

エネルギーシステムの構造が激変する 中 、 コージェネを活用した新たなビジ ネスモデルをどのように構築していく べきか 。 皆さんと議論していきたいと 思います 。   鈴木さん 、 自治体の首長という立場 でどのような政策を進めていますか 。 氏(   浜 松 市 は

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三井住友銀行執行役員成長産業クラスターユニット長

工藤 禎子

くどう ていこ 1987年慶応義塾大学経済学部卒。同年住友銀行に入行。2006年ストラ クチャードファイナンス営業部制度金融グループグループ長、09年ストラ クチャードファイナンス営業部環境ソリューション室長、12年プロジェクト ファイナンス営業部部長成長産業クラスター室長を歴任。14年から現職。

できる体制としました 。 今年度中に豊 洲 、 2019年度には日本橋でもスマ エネを稼働させる予定です 。 柏木   パシフィックコンサルタンツは 長年 、 地域関連のコンサルティングを 手掛けてきましたが 、 エネルギーシス テム変革が進む今 、 どんな取り組みを していますか 。 氏(   今 、 地 方 は経済成長の停滞 、 人口減少に直面し 、 疲弊しています 。 一過性の町おこしな どではなく 、 産業を興し 、 住みやすい 地域をつくり 、 人口を維持または拡大   従来 、 廃棄されていた熱エネルギー を活用できるコージェネは高効率 、 低 炭素という特徴があります 。 非常時の BCP ︵ 事業継続計画 ︶ に対応可能と いうのも大きなメリットです 。   事業者に融資を行う金融機関という 立場で見た時 、 エネルギーコスト削減 に伴う収益の増加で事業者の返済能力 が高まること 、 環境負荷軽減やBCP への対応で事業者の価値が向上し担保 価値が増加することなどの効果が期待 できます 。   三井住友銀行は専門機関と共同で作 成した独自の評価基準に基づいてビル のサステナビリティを評価し 、 その結 果に応じた条件で融資を実行する ﹁ S MBCサステイナブルビルディング評 価資金調達 ﹂ も導入しています 。 柏木   事業者のキャッシュフローが増 えれば銀行も融資しやすくなるという ことですね 。 東京ガスはエネルギーシ ステム改革の主役とも言えます 。 コー ジェネをどのように活用していますか 。 氏(   東 京 ガ スはガス 、 電気 、 サービスを組み合わ せた最適なエネルギーソリューション の提供を目指しています 。 その一つの ツールとしてコージェネを活用してい ます 。 例えば 、 我々がガスコージェネ を提供している東京 ・ 港区の六本木ヒ ルズはデマンド全量の発電容量を備え 、 何があっても 24時間356日 、 エネル ギーが切れない体制です 。 こうしたB CP性能は特に外資系企業からの評価 が非常に高く 、 都市としての東京の国 際競争力を高める重要な要素にもなっ ていると考えています 。   今後は 、 こうしたコージェネや再生 可能エネルギーを導入し 、 ICT ︵ 情 報通信技術 ︶ を活用したスマートエネ ルギーネットワークの構築を進め 、 熱 と電気を面的に最適利用していきます 。 先行事例となるのが東京 ・ 田町駅東口 北 地 区 の ﹁ 田 町 ス マ エ ネ パ ー ク ﹂。 低 炭素で防災に強いまちづくりを行うた めに自治体と協力 。 児童福祉施設 、 公 園 、 病院など異なる用途の複数の施設 を取り込み 、 エネルギーを最大限活用 21

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