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はじめに 03 インドネシア消費者調査 消費者マインド 支出構成 ブランド選択と購買行動 購買チャネル 情報入手経路 台頭するe コマース 28 今後の展望 34 コンタクト 35

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3. ブランド選択と購買行動

15

4. 購買チャネル

22

5. 情報入手経路

25

6. 台頭するeコマース

28

今後の展望

34

コンタクト

35

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インドネシアはしばしば東南アジア最大の人口を抱える経済圏と表現される。消費者のオンライン 消費が急速に拡大している同国が、いずれ東南アジアにおけるeコマースのリーダーとなり、デジタ ル・イノベーションの中心地となることは想像に難くない。 4度目のデロイト コンシューマー・インサイトとなる本レポートでは、インドネシア消費者の最新の消 費パターンを検討する。2017年第1四半期に、バンドゥン、ジャカルタ、マカッサル、メダン、スラバ ヤという主要5都市の2,000世帯を対象にした対面インタビューの調査結果に基づき、最新のイン ドネシア消費者の購買・消費動向をご紹介する。加えて、過去3年間の調査との比較を通じて、ここ 数年間のインドネシア消費者の進化のポイントを考察する。 最も顕著な変化の1つは、オンラインショッピングの急速な普及である。前回調査からのわずか1年 間に、調査対象者におけるオンラインショッピングの利用経験者の割合が大幅に増加した。しかし、 インドネシアの巨大な潜在力を考えれば、この変化は氷山の一角にすぎない。実用性・価格・品揃 えという3点において消費者のニーズを十分に満たすことができれば、急速に拡大するオンライン チャネルの成長に乗って、事業を拡大することが出来ると多くの企業が期待している。 ただし、オンラインショッピングの普及にはまだ障壁が残っている。都市によって異なるが、セキュ リティへの不安、利用方法がわからない、返品や交換の難しさなどが主な課題として挙げられる。 各地域の課題に即してカスタマイズした戦略やキャンペーンを用いることが重要となる。 また、オンラインチャネルの拡大は、従来型のオフラインチャネルの重要性低下を意味するわけで はない。昨年までのレポート同様に、非デジタル領域における支出構成、購買行動、購買チャネル、 情報入手経路等を含む、消費者マインド、購買行動、動機の最新のトレンドの分析を行っている。 本レポートが、インドネシア消費者に対する理解を深め、高い成長ポテンシャルを有しているインド ネシアのオンライン市場攻略のための戦略を検討する上での一助となれば幸いである。 Eugene Ho

Southeast Asia Industry Leader Consumer & Industrial Products

はじめに

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4度目のデロイト コンシューマー・インサイトとなる本レポートでは、昨年までと同様に、インドネシアの消費者マインドと購買 行動に影響を与える様々なマクロ経済およびテクノロジーのトレンドを考察する。また、本レポートの後段では、特定の製品 カテゴリー別の消費・購買パターンも深く掘り下げ、デジタルテクノロジーが消費者の行動に与える影響について分析を行い、 デジタルテクノロジーの台頭に伴う、情報入手経路、購買チャネルの変化について考察する。 調査手法 2017年第1四半期に、バンドゥン、ジャカルタ、マカッサル、メダン、スラバヤという主要5都市、2,000世帯を対象に、対面イ ンタビュー形式で消費者調査を行った。対象者は、低所得層から高所得層まで7段階の所得階層から抽出し、地域、性別、 年齢の観点から、インドネシアの人口を代表するようにサンプル数を割り当てている。 本調査では、11の製品カテゴリーに関して、支出構成、消費者マインド、ブランド選択、購買行動、購買チャネル、eコマース の利用状況、並びに地域特性に関してインタビュー形式で聞き取り調査を行った。

インドネシア消費者調査

 AV機器 (オーディオ・ビジュアル製品および関連アクセサリー・ 機器)  飲料  衣料・靴  菓子類  大型白物家電 (冷蔵庫や洗濯機など持ち運べない家電製品)  小型白物家電 (電子レンジや炊飯器など、通常はカウンターなどに置 かれる持ち運び式または移動式の家電製品)  家庭用清掃用品  加工食品  パーソナルケア・衛生用品  タバコ  交通

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調査対象者の属性構成 スラバヤ 10% 10% 60% メダン ジャカルタ バンドゥン 10% 10% マカッサル 調査対象者の地理的分布 調査対象者の性別分布 50% 50% 都市別の世帯月収分布 21% メダン スラバヤ 8% 19% 18% 19% 12% 3% 5% 12% 15% 18% 16% 9% 13% 11% 10% 30% 21% 26% 13% 9% 41% 6% 13% ジャカルタ 18% 13% 28% バンドゥン 19% マカッサル 14% 16% 10超 7.5∼10 2∼3 3∼5 5∼7.5 1未満 1∼2 調査対象者の年齢分布 調査対象者の世帯月収分布 世帯月収 (100万インドネシア ルピア) 15∼24 36% 35∼49 29% 25∼34 19% 50∼64 16% 年齢階層(歳) 1∼2 6% 10超 1% 2∼3 3∼5 29% 22% 1未満 5∼7.5 7.5∼10 30% 11% 1% 世帯月収(100万インドネシアルピア) 3% 5% 4% 11%1%

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楽観論が増加 過去3年間のインドネシアの消費者マインドは一貫して良好 で、明るい見通しを持つ消費者は2015年の83%から2016 年 は 85% 、 2017 年 は 81% と 、 大 き な 変 化 は 見 ら れ な い (図1)。 しかしながら、今年の調査結果をより詳しく見ると、どちらか と言えば楽観的な見通しを示す回答者に比べて、明確に明 るい見通しを示す回答者の割合が大きく増加していることが 明らかとなった(図2)。 要因は複数考えられる。年率平均5%でGDPが成長し、 2020年までに2億6,800万人に人口が増加すると予測され ており*1、それが全体的な所得増加と中間所得層の台頭を 支えている。さらに、ジョコ・ウィドド大統領の現政権下での 積極的なインフラ支出が経済と雇用の明るい見通しを下支 えしている。

1. 消費者マインド

図1:今後の経済見通しに関する消費者マインド 83% 19% 2016 17% 2017 2015 81% 15% 85%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2015, 2016, 2017)

図2:消費者マインドの「楽観的」の内訳 楽観的 24% 35% 57% 50% どちらかと言えば 楽観的 2017 2016

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2016, 2017)

*1:Population Estimates and Projections. The World Bank

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大規模インフラ開発により楽観論が強いマカッサル メダンを除く全都市の対象者の50%以上が楽観的と回答した。昨年調査では、50%以上が楽観的と回答したのはバンドゥン のみであり、昨年から大きく改善したことを示す。 特にマカッサルが最も楽観的な消費者マインドを示しており、対象者の78%が楽観的と回答した(図3)。中央環状道路プロ ジェクトやマカッサル新港開発プロジェクトなど、都市の景観を大きく変える大規模インフラ開発に対し、国内外からの投資が 増加していることが要因と考えられる*2 同様の傾向はジャカルタとスラバヤでも見られる。例えばジャカルタでは、エアポート・エクスプレス・ライン、マス・ラピッド・ト ランジット(都市高速鉄道)、ライト・ラピッド・トランジット(次世代型路面電車)、首都統合沿岸開発(National Capital Integrated Coastal Development)、廃棄物管理のための中間処理施設の開発という5件の大規模インフラ開発プロジェク

トが現在進行中である*3。さらに後押しするのが5都市すべてでの最低賃金水準の上昇であり、ジャカルタとスラバヤで最も

上昇率が高い(図4)。

図4:都市別の最低賃金の増加

出所:インドネシア中央統計庁(Badan Pusat Statistik)

*2:"Public Projects of the Indonesian Government". Indonesia Investments. https://www.indonesia-investments.com/projects/public-projects/item72

*3:"Giant infrastructure projects in Jakarta". The Jakarta Post. 19 February 2016. http://www.thejakartapost.com/news/2016/02/19/weekly-5-giantinfrastructure-projects-jakarta.html

図3:都市別の消費者マインド

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

45% 51% スラバヤ メダン 78% ジャカルタ 22% 59% 19% 20% 28% 57% マカッサル バンドゥン 24% 21% 20% 27% 27% 楽観的 悲観的 どちらかと言えば 楽観的 消費者マインド 188 153 252 メダン スラバヤ 190 171 204 229 248 マカッサル 156 233 174 ジャカルタ 203 最低月給(米ドル) 185 150 171 バンドゥン 2017 2015 2016 2%

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引き続き慎重 消費者マインドは所得階層によって異なり、中間・高所得層の世帯は「楽観的」が多く、低所得層の世帯は「どちらかと言え ば楽観的」「悲観的」が多い(図5)。 ただし、すべての所得階層において今後の支出意向に対する慎重論が根強く、支出を増やす意向を示した対象者は26%に 留まり、残る74%はどちらともいえないまたは、今年は支出を増やさない意向であった(図6)。また、支出を増やす意向を示 した26%のうち半数以上は注意深く慎重で、支出を増やすとしても増加割合は10%未満と回答した。 さらに、楽観的な消費者マインドを示した対象者の中で、今後支出を増やすと回答した対象者は35%であった。「どちらかと 言えば楽観的」「悲観的」と答えた対象者では、それぞれ15%と17%に留まる(図7)。 図5:世帯収入別の消費者マインド

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

18% 64% 23% 47% 20% 22% 24% 2∼3 26% 67% 1未満 15% 5∼7.5 13% 3∼5 24% 26% 1∼2 22% 24% 54% 7.5∼10 54% 23% 10超 30% 50% 54% 消費者マインド 世帯月収 (100万インドネシアルピア) どちらかと言えば 楽観的 悲観的 楽観的

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図6:明るい見通しを持つインドネシア消費者の傾向(2017 vs. 2016)

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

図7:消費者の景況感と将来の支出意向(2017)

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2016, 2017)

26% 2017 74% 対 象 者 全 体 に 占 め る 割 合 いいえ はい 14% 9% 2017 53% 33% 10% 2016 支 出 増 加 意 向 の 対 象 者 に 占 め る 割 合 49% 28% 4% 10∼25% 50%超 10%未満 26∼50% 支出増加の意向 楽観的 65% 35% どちらかと言えば 楽観的 85% 15% 83% 悲観的 17% いいえ・ どちらとも言えない はい 支出増加の意向 支出増加の意向

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変曲点に変化なし 月間支出額のうち38%を食品・飲料が占めた(図8)。すべての所得階層 で月間世帯支出額が前年比15%∼34%増加し、全体では平均25%増加 した(図9)。 こうしたトレンドにもかかわらず、前回調査で見られた変曲点に変化は見 られなかった。引き続き、世帯月収500万インドネシアルピアが支出構成 の変曲点となっており、世帯月収が500万インドネシアルピアを超えると、 生活必需品から嗜好品に対する支出が増加する傾向が明らかとなった。 過去3回の調査では、飲料と加工食品のカテゴリーで消費支出の着実な 増加が見られた。これらのカテゴリーの支出割合は2015∼2016年に6%、 2016∼2017年は5%増加した。これはインドネシアにおける中間所得層 の拡大などのマクロ経済のトレンドと一致している。低所得・中間所得世 帯は所得増加に伴い、飲料・加工食品のカテゴリーでより多くの数・種類 の製品を購入している(図10)。 生活必需品、福祉・レジャー、住居・交通の3つのカテゴリーにおける支 出割合は比較的一定で推移している。生活必需品が前年からわずかに 増加し(2016年33%から2017年38%)、福祉・レジャー(15%から11%) と住居・交通(20%から16%)はわずかに減少した(図11)。

2. 支出構成

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017) 図8:世帯収入別の月間支出額の内訳 2% 5% 4% 5% 5% 3% 33% 4% 4% 4% 5% 5% 5% 9% 7% 6% 5% 15% 2% 4% 3% 1% 1% 3% 4% 8% 6% 6% 6% 11% 6% 6% 5% 30% 1∼2 2% 4% 9% 2% 6% 10超 4% 18% 8% 7% 6% 10% 5% 5% 8% 8% 2% 3% 3% 8% 4% 7% 12% 7.5∼10 34% 6% 3% 3% 4% 5% 4% 5% 4% 5% 7% 5% 3∼5 4% 6% 5% 3% 5% 5% 4% 35% 4% 2% 6% 5% 4% 9% 5% 8% 5% 4% 2∼3 1% 5% 34% 1未満 4% 3% 3% 2% 32% 6% 10% 5% 2% 4% 5% 3% 9% 5∼7.5 7% 8% 6% 2% 4% 4% 4% 6% 30% 7% 6% 6% 5% 最高・最低世帯月収 グループにおける差が拡大 最高・最低世帯月収 グループにおける差が縮小 食品・飲料 38% 世帯月収(100万インドネシアルピア) 全体 最高・最低世帯月収 グループのパーセン テージポイント(pp)差 食品以外 62% 家電製品 ∼13pp 住居・交通 ∼5pp 福祉・レジャー ∼19pp 生活必需品 ∼16pp パーソナルケア・衛生用品 通信・メディア 衣料・靴 小型白物家電 AV機器 クレジットカードの分割払い タバコ 住居・電気・ガス・水道 家庭用清掃用品 福祉・貯蓄 加工食品 飲料 レジャー・余暇 大型白物家電 交通 1% 2% 1%

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5.50 4.76 世帯月収(100万インドネシアルピア) 4.96 7.5∼10 6.30 6.10 4.90 5∼7.5 10超 8.40 5.90 4.30 3∼5 4.90 4.20 2.50 1.70 1.40 1∼2 2.40 1未満 3.30 3.20 1.14 1.77 3.70 2∼3 1.10 2015 2017 2016 図9:月間世帯収入・支出額の変化

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2015, 2016, 2017)

脚注:黒字(赤字)指数は、各所得階層における月間世帯収入の中央値と平均支出額の差(正・負)を示す。 黒字(赤字)指数 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 生活 必需品を 優先 嗜好品 支出が 増加 27% 38% 33% 5% 2017 33% 2016 6% 27% 2015 5% 22% 図10:2015∼2017年支出総額に占める飲料・加工食品の支出額の全体的傾向

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2015, 2016, 2017)

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人気は加工食品 製品カテゴリー間の支出構成はトレードオフの関係にあるため、昨年調査における今後の支出増加意向(支出計画)と今年 調査の支出額実績を比較すると、消費者の優先順位の変化を紐解くことが出来る。 この比較で見た場合、加工食品は実績の支出額が支出計画額を上回った唯一の製品カテゴリーである。支出額の計画値 に対する実績値の比率が2番目に高い製品カテゴリーは衣料・靴で、最も低いのは小型白物家電である(図12)。これは、イ ンドネシアの消費者が嗜好品よりも生活必需品を優先していること示している。中間所得層の拡大に伴う、消費支出の増加 は先ずは生活必需品に割り当てられるという予想と一致する。 小型白 物家電 パーソナ ルケア・ 衛生用品 家庭用清 掃用品 AV機器 衣料・靴 大型白 物家電 タバコ 飲料 加工食品 生活必需品 38% 33% 5% 図11:主要3分類別の月間支出割合 飲料 加工食品 4% 福祉・レジャー 11% 4% 3% クレジットカードの分割払い 福祉・貯蓄 レジャー・余暇 16% 9% 住居・交通 7% 交通 住居・電気・ガス・水道

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

図12:製品カテゴリー別の支出額における計画 vs. 実績比較

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2016, 2017)

支出の計画増加額 (2016年)に対する 実績増加額(2017年) の比率 B ÷ A ×100 43 42 38 36 36 28 22 13 300 実質増加額(2017年) B 計画増加額(2016年) A 10% 14% 12% 13% 11% 14% 18% 18% 15% 6% 5% 5% 4% 5% 5% 4% 2% 30%

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過去の調査と同様、世帯月収によって異なる以下の3つの支出パターンが浮かび上がった(図13)。 支出パターン1:すべての世帯所得層で支出割合が概ね一定 今年は、加工食品、衣料・靴、交通がこの支出パターンに当てはまる。一人当たり消費量に大きな変化がないと仮定した場 合、高所得者はより高価な製品を購入する傾向にあることを示す。 例えば、所得が2倍になっても食物摂取量が2倍になるとは限らないが、代わりにより質の高い製品やより幅広い製品を購 入する、あるいは利便性などの付加価値に対して追加で料金を支払うことになると考えれる。これらの製品カテゴリーでは、 所得階層別のニーズに合致する形で価格および製品を差別化する余地があることをこの調査結果は示している。 支出パターン2:世帯収入の増加に伴い支出割合が減少 世帯月収が増加するにつれて収入に占める支出割合が下がるのが、この支出パターンである。例えば、飲料、家庭用清掃 用品、パーソナルケア・衛生用品、タバコが挙げられる。 所得の増加に伴い全体的な消費量が減少する、あるいは、支出水準が変わらないため所得増加に伴って所得に対する比 率が下がる製品カテゴリーである。例えば、高所得世帯の家庭用清掃用品の消費量は低所得世帯より多くなるが、所得全 体に占める割合からすれば、使用量の増加割合は限定的である。 支出パターン3:世帯収入の増加に伴い支出割合も増加 世帯月収の水準が上がると所得に占める支出割合も増えるのがこの支出パターンの製品である。例えば、クレジットカード の分割払い、家電製品、レジャー・余暇、福祉・貯蓄が挙げられる。 高級品や贅沢品が含まれ、消費者の所得が増えると需要が高まる傾向にある。消費者は品質や高級感に追加料金を支 払ってもよいと思うようになり、投資やクレジットなどの金融商品への関心を高める。

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パターン2 世帯月収 が増えると 減少 パターン1 世帯月収 にかかわ らず一定 パターン3 世帯月収 が増えると 増加 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 加工食品 交通 衣料・靴 家庭用清掃用品 パーソナルケア・衛生用品 タバコ 飲料 レジャー・余暇 クレジットカードの分割払い 家電製品 福祉・貯蓄 図13:製品カテゴリーにおける世帯収入別の支出パターン

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2 支出割合(%) 10超 7.5 ∼10 5∼ 7.5 3∼5 世帯月収(100万インドネシアルピア) 2∼3 1 未満 1∼2

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ローカル・グローバル インドネシアの消費者は、ローカルブランド、グローバルブランド問わず製品を購入するようになっている。所得階層を問わ ずローカルブランドが好まれる傾向が顕著なのは、菓子類、加工食品、家庭用清掃用品、タバコである。ローカルブランドは 手頃な価格で高品質であると消費者に受け取られている。また、人気の高いグローバルブランドの中には、消費者にローカ ルブランドとして認知されているものがあることも特筆に値する。 一方、衣料・靴、AV機器、大型白物家電、小型白物家電などの製品カテゴリーでは、グローバルブランド志向が比較的強い (図14)。世帯月収の増加に伴い、この志向が強くなる傾向にある(図15)。 家電製品では、低所得者は一般的にローカルブランドを強く好む。全体的には中国ブランドへの志向は低いものの、低所得 者が中国製AV機器を好む傾向がわずかに強かった。一方、高所得者が欧米ブランドを志向する傾向、中・高所得世帯で特 に日本と韓国のブランドへの人気が根強い傾向が明らかとなった。(図16)。 ただし、地域的な差もある。家電製品でローカルブランドを最も好むのはバンドゥンとメダンの2都市であった(図17)。この両 都市の消費者は価格に敏感で、ローカルブランド志向が根強い。

3. ブランド選択と購買行動

6% 94% 5% 95% 99% 1% 12% 88% 65% 35% 100% 4% 96% 26% 74% 73% 27% 48% 52% グローバル ローカル 図14:製品カテゴリー別のブランド選択

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017) 加工食品 菓子類 家庭用 清掃用品 タバコ パーソナルケア・ 衛生用品 衣料・靴 AV機器 飲料 大型白物家電 小型白物家電 ブランド選択 ファッションへの情熱 流行に敏感な若い中間所得層の拡大に伴い、インドネシアのアパレル市場は競争が激化している。グローバルプ レーヤーがこの市場に熱視線を送り、市場シェアを獲得しようと積極的に進出している。主に、以下のような企業が ある。 H&M:調達拠点として1996年にインドネシア市場に進出。しかし近年は小売業の拡大に注力している。2013年10月 に同社で初めてオープンした路面店は、2016年現在で合計20店に拡大している。 ユニクロ:2013年6月にジャカルタに1号店をオープンして以来、事業を急拡大している。2016年9月には10店舗目を ジャカルタにオープンした。 Zara:1996年にインドネシア市場に進出し、2014年12月に東南アジア最大の店舗をジャカルタにオープンした。2017 年現在、インドネシア全土に16店舗を展開している。

出所:Detik Finance、FastRetailing Indonesia、H&M Indonesia、Tribunnews、Uniqlo Indonesia、Warta Ekonomi、Zara Indonesia、 デロイトの分析

(16)

6% 5∼7.5 3% 5% 27% 36% 27% 4% 2∼3 26% 28% 24% 10% 26% 37% 21% 21% 2% 34% 36% 13% 6% 8% 30% 31% 3∼5 1∼2 21% 3% 45% 1未満 28% 38% 45% 4% 10超 4% 4% 12% 7.5∼10 35% 24% 34% 5% 36% 6% 28% 2% 19% 36% 3% 32% 38% 3% 5% 22% 17% 3% 35% 29% 37% 23% 2% 3% 3% 34% 6% 5% 26% 18% 2% 48% 31% 3% 27% 55% 出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

図16:家電製品における世帯月収別のブランド選択 1∼2 5∼7.5 75% 100% 79% 89% 11% 7.5∼10 2∼3 100% 10超 21% 3∼5 14% 25% 86% 100% 1未満 4% 96% 96% 97% 100% 8% 100% 4% 96% 92% 3% 4% 100% 97% 100% 100% 100% 3% 100% 100% 8% 93% 96% 21% 12% 14% 86% 88% 79% 92% 7% 4% 5% 95% 76% 78% 22% 8% 92% 10% 83% 90% 17% 62% 42% 38% 58% 24% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 99% 100% 3% 1% 8% 8% 92% 4% 96% 97% 92% 99% 1% 38% 62% 46% 74% 27% 34% 36% 26% 12% 66% 88% 55% 64% 73% 69% 19% 71% 24% 29% 76% 75% 26% 81% 31% 52% 44% 48% 56% 48% 52% 62% 38% 51% 49% 79% 56% 23% 78% 44% 62% 21% 38% AV機器 大型白物家電 小型白物家電 図15:製品カテゴリー別および世帯収入別のブランド選択

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

図17:都市別のブランド選択 2% 4% ジャカルタ バンドゥン 96% 9% メダン 100% マカッサル 98% 91% スラバヤ 100%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

ローカル グローバル ブランド選択 日本ブランド 中国ブランド 欧米ブランド ローカルブランド 韓国ブランド 100% 3% 6% 97% 100% 100% 94% 100% 100% 100% 1% 100% 99% 1% 7% 3% 99% 97% 93% 50% 14% 50% 86% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 100% 1% 90% 10% 98% 99% 2% 13% 87% 87% 13% 36% 64% 36% 39% 61% 64% 30% 37% 70% 63% 67% 84% 16% 15% 33% 85% 62% 38% 50% 89% 50% 19% 81% 44% 56% 11% ローカル グローバル 88% 83% 17% 100% 95% 100% 5% 12% 3% 24% 79% 11% 16% 21% 36% 2% 19% 12%11% 15% 9% 3% 49% 27% 20% 13% 10% 2% 52% 5% 10% 9% 5% 78% 5% 63% 3% 17% 56% 5% 5% 5% ブランド選択 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 加工食品 菓子類 家庭用 清掃用品 タバコ パーソナルケ ア・衛生用品 衣料・靴 AV機器 飲料 ブランド選択 大型白物家電 小型白物家電 加工食品 菓子類 家庭用 清掃用品 タバコ パーソナルケ ア・衛生用品 衣料・靴 AV機器 飲料 大型白物家電 小型白物家電

(17)

敏感だが賢明 これまで同様、今回の調査結果からもインドネシア消費者は総じて価格に敏感であることが浮かび上がった。ただし、飲料 や加工食品から衣料・靴に至る幅広い製品カテゴリーで、健康やフィット感などの特定の製品特性に対する意識が増してい る。これは、健康への意識の高まり、および、ファッショナブルでありたい、流行を追いたいと望む意向が高まっていることを 示している(図18)。  飲料、菓子類、加工食品:購買の意思決定を行う上で、最重視点は依然として味であるが、今年の調査では健康が価格 に次ぐ3番目の重視点となった。これは、味と品質全般が上位であった2014年以来の変化である。所得の増加に伴い、 価格以外の要素の重要性が高まっている。これらのカテゴリーでは、健康に役立つものにより高い金額を払おうという消 費者が増えている。その一例が、Fitbar KalbeやRejuveなどローカルブランドのジュースやエネルギーバーの人気上昇 である。菓子類でも味が最も重要な要素で、価格と健康がそれに続く。  衣料・靴:このカテゴリーで最も重要な要素は着心地とフィット感で、価格より重要性が増している。この結果は、着心地 とデザインが上位となった2014年以来の進化を示している。スリムなファッションにトレンドが向かう中、消費者は流行の タイトなスタイルにも心地よさを求めており、フィット感がより重要になっている。世帯月収を問わず、価格よりも身に着け た時の見た目とその着心地を重視する消費者が増えている(図19)。これは、この製品カテゴリーで、素材やフィット感に 加えて流行の最先端であることが、価格よりも重要になりつつあることを示している。その一例が、「ジョガーパンツ」など の現代的なストリートウェアである。ZanerobeやElwoodなどグローバルブランドによって普及し、中・高所得層の間で人 気となった。  家庭用清掃用品:この製品カテゴリーでは、価格、安全性、品質全般が上位に浮上した。加えて、プロモーション活動が 4番目に重要な要素となっている。このことは、消費財メーカーと小売企業に重要な問題を突きつける。インドネシアの消 費者は製品の機能を比較するようになってきており、ブランドの市場シェアとマインドシェアの獲得には適切なプロモー ション戦略が求められる。  パーソナルケア・衛生用品:この製品カテゴリーでは、引き続き価格が最も重要な要素である。その次に重要な購買決定 要因は、品質全般、安全性、信頼性、プロモーション活動である。企業はブランディングと顧客からの信頼醸成に対する 投資を求められている。消費者はブランド全体の評価に基づいて、信頼性を評価するためである。 予想に違わず、低・中所得者の方が価格に敏感で、ローカルブランドを好む傾向があるのに対し、高所得者は品質全般 を重視する傾向が強い(図20)。これは企業にとって、各所得階層に合わせてマス製品とプレミアム製品のラインナップ を導入するなど、価格とポジショニングをセグメント化する余地があることを示している。  大型白物家電、小型白物家電、AV機器:これらの家電製品カテゴリーでは、テクノロジー、価格、ブランドの信頼性、品 質全般が消費者の主な購買決定要因である。プロモーション活動などのその他の要素の重要性は相対的に低い。これ は、消費者がテクノロジーと品質・価格とのトレードオフを基に購買の意思決定を行っていることを示している。一方、プ ロモーション活動などの要素は、必要不可欠な要素ではないと考えられる。  タバコ:この製品カテゴリーでは価格が最も重要な購買決定要因となった。これに続くのが、品質全般、味、香りであった。 さらに、革新性と安全性がパッケージやプロモーション活動より重要とされている。また、グローバルブランドよりローカル ブランドを選択する傾向が明らかとなった。

(18)

図18:各製品カテゴリーにおける購買決定要因 飲料

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

菓子類 13% 信頼性 8% 品質全般 8% 健康 12% 価格 香り 9% 7% 味 33% プロモーション活動 2% 2% 安全性 革新性 パッケージ 3% 購入のし易さ 3% 加工食品 衣料・靴 家庭用清掃用品 パーソナルケア・衛生用品 大型白物家電 小型白物家電 AV機器 タバコ 27% 8% 9% 味 価格 15% 9% 品質全般 14% 安全性 健康 4% 4% プロモーション活動 香り 7% 信頼性 革新性 パッケージ 1%2% 購入のし易さ 13% 11% 価格 安全性 10% プロモーション活動 14% 品質全般 19% 4% 7% パッケージ 9% 購入のし易さ 6% 健康 革新性 7% 香り 信頼性 18% 16% 価格 テクノロジー 23% 17% ブランドの信頼性 アフターサービス 購入のし易さ 2% 2% 革新性 6% プロモーション活動 7% デザイン 品質全般 9% テクノロジー 15% 8% デザイン 19% 16% 品質全般 ブランドの信頼性 11% 価格 20% 2% 7% 購入のし易さ プロモーション活動 革新性 アフターサービス 2% 購入のし易さ パッケージ 1% 2% プロモーション活動 革新性 4% 4% 香り 7% 9% 品質全般 価格 安全性 15% 8% 信頼性 9% 健康 14% 味 27% 3% プロモーション活動 6% 購入のし易さ 9% 1% パッケージ 安全性 2% 知名度 4% 品質全般 13% 価格 9% 14% 17% 外観 22% フィット感 着心地 耐久性 パッケージ 革新性 信頼性 8% 6% 香り 10% 4% 8% 10% 安全性 購入のし易さ 健康 13% 12% プロモーション活動 品質全般 10% 価格 19% 17% テクノロジー 21% アフターサービス デザイン 8% 2% 16% 購入のし易さ プロモーション活動 5% ブランドの信頼性 革新性 8% 価格 3% 20% 品質全般 健康 プロモーション活動 2% 3% 信頼性 パッケージ 3% 3% 安全性 9% 12% 香り 品質全般 購入のし易さ 15% 11% 革新性 11% 味 13% 価格 18%

(19)

図19:世帯収入別の衣料・靴の購買要因 図20:世帯月収別のパーソナルケア・衛生用品の購買決定要因 5% 5∼7.5 7.5∼10 10超 14% 6% 12% 14% 4% 2% 1% 19% 21% 12% 5% 11% 9% 1% 6% 7% 9% 24% 14% 2% 2% 22% 16% 12% 13% 11% 13% 15% 2% 6% 3∼5 3% 10% 13% 20% 2∼3 7% 16% 22% 15% 7% 3% 5% 20% 1% 5% 4% 23% 12% 5% 1% 1% 10% 3% 19% 3% 2% 1∼2 12% 3% 18% 1% 8% 20% 4% 1未満 16% 5% 2% 2% 7% 8% 22% 2% 4% 11% 10% 4% 1%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

知名度 安全性 パッケージ 購入のし易さ (どこでも売られている) 品質全般 耐久性 プロモーション活動 価格 外観 フィット感 着心地 11% 23% 6% 11% 5% 3% 10% 12% 1∼2 11% 1未満 9% 8% 11% 9% 10% 9% 9% 5% 23% 11% 4% 17% 10超 14% 9% 13% 11% 9% 5% 12% 7% 7.5∼10 16% 8% 3% 8% 5∼7.5 13% 10% 8% 15% 11% 8% 9% 4% 5% 13% 15% 17% 6% 10% 11% 7% 6% 3∼5 21% 14% 10% 10% 10% 8% 11% 7% 3% 22% 11% 11% 8% 11% 9% 7% 8% 8% 3% 2∼3 8%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

パッケージ 安全性 品質全般 購入のし易さ (どこでも売られている) プロモーション活動 革新性 香り 健康 信頼性 価格 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 購買決定要因 購買決定要因

(20)

価格が依然として最重要? 普段購入している製品の代替として、普段購入している製品よりも価格が安い、高い、同価格帯という3つの製品を提 示された場合、インドネシア消費者の14%は普段購入しているよりも高い製品を選択し、60%は同価格帯、26%が安 い製品を選択した(図21)。所得階層によって顕著に異なる傾向が見られ、世帯月収が最上位層の対象者の71%が 普段購入しているよりも高い価格又は同価格帯の製品を購入すると回答している(図22)。 14% 26% 2017 60% 普段購入している製品よりも低価格 普段購入している製品よりも高価格 普段購入している製品と同価格 図21:インドネシアの消費者による製品の価格帯の選択 選択した価格帯

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

図22:インドネシア消費者による価格帯の選択(世帯月収別)

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

7.5∼10 5∼7.5 29% 27% 10超 16% 13% 22% 10% 2∼3 37% 13% 60% 1∼2 31% 55% 60% 65% 3∼5 30% 53% 10% 1未満 60% 55% 9% 9% 36% 選択した価格帯 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 普段購入している 製品と同価格 普段購入している 製品よりも低価格 普段購入している 製品よりも高価格

(21)

購買決定の主な要素は全製品カテゴリーを通して前年から大きな変化は見られなかったものの、代替品として普段購入しているよりも高価格 帯の製品を購入するとした対象者の中では、購買決定要因が著しく変化している(図23)。説得力のあるバリュープロポジションの設定が、製 品の価格帯と機能の最適なバランスを見出すうえで最も重要だと言える。 図23:各価格帯で製品を購入する際の主な購買要因 飲料 菓子類 加工食品 パーソナルケア・衛生用品 #1 健康 (19%) 信頼性 (16%) #1 味 (26%) 味 (21%) #1 味 (25%) 味 (27%) #1 価格 (20%) 価格 (17%) #2 味 (16%) 価格 (15%) #2 価格 (16%) 健康 (15%) #2 健康 (16%) 価格 (15%) #2 安全性 (12%) 健康 (13%) #3 価格 (15%) 安全性 (15%) #3 健康 (14%) 価格 (13%) #3 価格 (15%) 品質全般 (13%) #3 プロモー ション活動 (11%) 品質全般 (13%) 衣料・靴 家庭用清掃用品 タバコ #1 着心地 (19%) 着心地 (23%) #1 価格 (22%) 安全性 (29%) #1 価格 (25%) 信頼性 (18%) #2 価格 (17%) フィット感 (17%) #2 プロモー ション活動 (16%) 信頼性 (16%) #2 香り (13%) 価格 (16%) #3 フィット感 (11%) デザイン (17%) #3 品質全般 (12%) 香り (8%) #3 味 (11%) 安全性 (15%) AV機器 大型白物家電 小型白物家電 #1 価格 (25%) テクノロジー (23%) #1 価格 (31%) テクノロジー (33%) #1 価格 (25%) テクノロジー (32%) #2 テクノロジー(16%) ブランドの 信頼性 (20%) #2 テクノロジー(21%) ブランドの 信頼性 (18%) #2 品質全般(18%) ブランドの 信頼性 (20%) #3 品質全般 (15%) 価格 (15%) #3 プロモー ション活動 (14%) 品質全般 (17%) #3 テクノロジー (15%) 品質全般 (14%)

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普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者

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脚注:%は調査対象者の割合

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普段購入しているよりも高価格帯を選択した対象者 出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

(22)

ミニマーケットにとって大きな市場 トラディショナルトレード、特にワルンが引き続き購買チャネルとしてよく利用されているものの、モダントレードが拡大を続け ている(図24)。 インドネシアの食料品店全体の売上高成長率は前年比11%だったが、ミニマーケットは前年比19%と大きく成長した*4。現在 のモダントレードの成長ペースはやや緩やかに見えるものの、その原因は消費者の需要が低いためではなく、投資が不十 分なことが原因である可能性が高い。例えば、国内企業のIndomaretは2012∼2017年にミニマーケットのネットワークを全 国で72%拡大した。小売企業側がインドネシア消費者に訴求するには、品揃えを充実させ、欠品率を抑えるだけでなく、利 便性、店舗の立地、価格を重視する必要がある(図25)。 ジャカルタの消費者のモダントレードを好む最大の理由は、近場で行きやすいということである(図26)。モダントレード店舗 には、家庭用清掃用品、パーソナルケア・衛生用品、AV機器、大型白物家電、小型白物家電といった日常の必需品を購入 するために訪れることが多いが、ジャカルタの消費者は衣料・靴を購入する際にも好んで利用している。所得が増加したこと に加えて、ブランドストアなどのモダントレードへのアクセスのし易さが要因と考えられる。(図27)。

4. 購買チャネル

*4:“Rise of Minimarkets: Indonesia’s Purchase Shift from Super and Hypermarkets to Minimarkets”. Snapcart, 10 March 2016. https://snapcart.asia/rise-minimarkets-indonesia

図24:購買チャネルの選択

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

10% 20% スーパーマーケット ワルン ハイパーマーケット ブランドストア 家電量販店 ウェットマーケット (生鮮市場) 10% 18% 10% ミニマーケット 露天商 11% チェーン店以外の家電店 6% 7% 8%

(23)

3% 17% 1% 29% 20% 15% 7% 8% 16% 6% 13% ブランドストア 10% 19% 13% 20% 8% 9% 5% 3% ミニマーケット 19% 4% 5% 7% 6% 8% 10% 14% ハイパーマーケット 18% 11% 16% 8% スーパーマーケット 14% 14% 7% 33% 18% 5% 24% ウェットマーケット (生鮮市場) 12% 9% 12% 8% ワルン チェーン店以外の家電店 23% 露天商 25% 1% 3% 13% 15% 11% 3% 3% 12% 家電量販店 18% 16% 33% 23% 15% 15% 19% 18% 3% 4% 5% 6% 6% 34% 10% 3% 4% 23% 14% 18% 図25:トラディショナルトレードとモダントレードの選択理由

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

利便性 品揃え 場所 欠品率の低さ 営業時間 サービス プロモーション活動 価格 選択要因 図26:都市別トラディショナルトレードとモダントレードの選択 スラバヤ 45% マカッサル 55% 43% 77% 58% 55% 57% 42% 45% バンドゥン メダン ジャカルタ 23% モダントレード トラディショナルトレード

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

チャネル選択 図27:製品カテゴリー別・都市別のトラディショナルトレードとモダントレードの選択 35% スラバヤ メダン マカッサル 54% 46% ジャカルタ 49% 62% 51% 65% 47% 38% バンドゥン 53% 菓子類 衣料・靴 パーソナ ルケア・ 衛生用品 タバコ 家庭用 清掃用品 加工食品 AV機器 飲料 大型白物 家電 小型白物 家電 41% 59% 15% 85% 31% 64% 69% 56% 36% 44% 59% 52% 51% 48% 41% 42% 59% 49% 36% 64% 44% 15% 85% 38% 43% 76% 57% 62% 24% 56% 56% 59% 45% 43% 44% 57% 55% 41% 50% 50% 27% 13% 59% 59% 60% 41% 41% 40% 73% 87% 89% 30% 86% 14% 43% 80% 57% 70% 20% 11% 95% 4% 31% 19% 31% 69% 5% 96% 69% 81% 2% 98% 33% 100% 67% 27% 78% 22% 73% 38% 9% 91% 62% 43% 57% 57% 100% 43% モダントレード トラディショナル トレード

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

(24)

(オンライン)ショッピングカートを満たす モダントレードにおける飲料、加工食品、家庭用清掃用品の1回あたりの平均購入金額は2016年以降、一貫して増加傾向 にある(図28)。 一方で、注目すべきトレンドとして、パーソナルケア・衛生用品の1回あたりの平均購入金額減少が挙げられる。スキンケア 製品やInnisfreeのような人気ブランドの化粧品などを購入する際に、eコマースの利用が増えている点が要因の一つと考え られる。消費財メーカーと小売企業にとって、これは非常に重要なポイントである。インドネシアの消費者は様々なチャネル を活用しており、企業は相互補完的なマルチチャネル戦略の開発が求められる。 図28:平均購入金額の推移

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2016, 2017)

60,465 2016 2017 55,133 飲料 +9.7% 来店1回当たり平均購入金額(インドネシアルピア) 74,953 2017 93,427 2016 加工食品 +24.6% 2017 105,795 94,777 2016 パーソナルケア・衛生用品 -10.4% 2017 84,757 2016 81,314 家庭用清掃用品 +4.2%

(25)

店頭プロモーション活動が重要 インドネシア消費者が製品やブランドの情報源として最もよく利用するのは依然としてテレビであるが、店頭プロモーション活 動の重要性が高まっている(図29)。消費財メーカーと小売企業にとって、適切な店内エクスペリエンスを提供することが、ト ライアル購入を促したり、複数の製品をクロスセルする上で、有効な手段となる。 特に、大型白物家電と小型白物家電のほか、AV機器、衣料・靴、パーソナルケア・衛生用品に当てはまる。これらの製品カ テゴリーは、購入前に製品のデザインと使用感の確認を消費者が望むカテゴリーである。また、インドネシアの消費者は基 本的にバーゲンハンターであり、割引品や販促商品を探すことを楽しむ傾向が強いため、店頭プロモーション活動において もこの心理を利用すべきである。 デジタルは信頼性をもたらす よく利用する情報源としての友人・同僚や親類からの口コミの位置づけは、一つ一つは低いものの、それら全体を合わせた 影響力は無視できず、特にデジタルメディアなどの他の情報源と組み合わせた場合の相乗効果は顕著である。衣料・靴や AV機器など、最新トレンドの情報を頻繁に収集する必要のある製品カテゴリーでは、デジタル情報源の重要性も増してきて いる(図30)。 デジタルメディアも、インドネシアの高所得者に訴求する上では特に重要である。彼らはデジタルメディアを通して、製品情報 を検索するだけでなく、オンラインチャネルで高付加価値、且つ、ハイテクな製品を購入することが多い。高所得者はまた、 メーカーが直接提供する従来の情報源に対して懐疑的になっており、代わりに第三者の中立的な立場からの意見を求める ようになっている(図31)。

5. 情報入手経路

図29:よく利用する情報源

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

1% 2% 2% 2% 5% 21% 24% 25% 親類 18% テレビ 専門家 印刷広告 デジタルメディア 店頭のプロモーション活動 屋外広告 友人・同僚 ラジオ

(26)

25% 2% 家庭用清掃用品 28% 2% 2% 17% 16% 25% 小型白物家電 26% 6% 3% 4% 24% 25% 17% 16% 7% 4% 3% 3% 1% 2% 2% 26% 1% 1% 19% 5% 18% 24% 26% 衣料・靴 15% 28% 8% 3% 3% 4% 1% AV機器 2% 15% 15% 25% タバコ 16% 19% 8% 1% 25% 1% 大型白物家電 パーソナルケア・ 衛生用品 28% 1% 27% 24% 20% 6% 2% 菓子類 23% 5% 2% 5% 18% 24% 加工食品 3% 2% 1% 20% 1% 27% 16% 2% 2% 20% 1% 1% 1% 22% 16% 5% 1% 1% 2% 2% 18% 26% 1% 1% 飲料 23% 5% 4% 1% 20% 図30:よく利用する情報源(製品カテゴリー別)

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

デジタルメディア 屋外広告 ラジオ 印刷広告 専門家 親類 テレビ 友人・同僚 店頭の プロモーション活動 図31:よく利用する情報源(世帯月収別) 2% 1∼2 22% 21% 17% 2% 1% 1% 26% 1% 1% 23% 1% 19% 6% 22% 1% 2% 19% 25% 4% 1% 1% 10超 25% 25% 20% 16% 4% 25% 3% 25% 2% 1% 4% 16% 7.5∼10 20% 1% 25% 1未満 6% 26% 2∼3 3% 24% 1% 5∼7.5 25% 6% 2% 3∼5 20% 23% 6% 2% 22% 2% 2% 2% 2% 26% 21% 17% 2% 2% 2% 6% 1% 19%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

デジタルメディア 専門家 屋外広告 友人・同僚 店頭の プロモーション活動 親類 テレビ ラジオ 印刷広告 世帯月収 (100万インドネシアルピア) 情報源 情報源

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テレビ vs. デジタル:競争の始まり

インドネシアの消費者に対するデジタルメディアの全体としての影響力は、テレビに比べ現時点では依然として限定的 だが、特に高価格製品の購入を検討する消費者にとっては重要性が高まっている。このトレンドは、飲料、菓子類、 パーソナルケア・衛生用品、大型白物家電、小型白物家電などの製品カテゴリーで特に顕著である(図32)。

図32:よく利用する情報源としてのテレビとデジタルの比較(価格帯別)

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

菓子類 衣料・靴 パーソナルケア・衛生用品 タバコ 家庭用清掃用品 加工食品 AV機器 飲料 大型白物家電 小型白物家電 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 8% 21% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 2% 26% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 20% 1% 27% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 3% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 1% 27% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 1% 29% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 19% 1% 29% 4% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 11% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 5% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 7% 13% 26% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 4% 1% 20% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 21% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 1% 25% 1% 21% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 4% 22% 4% 4% 23% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 2% 24% 普段購入しているよりも 高価格帯を選択した対象者 3% 20% 普段購入しているよりも 低価格帯を選択した対象者 1% 23% デジタルメディア テレビ 情報源

(28)

急成長とさらなる成長ポテンシャル 今年の調査では、モバイルデータの利用率、スマートフォン の普及率、インターネットの普及率の上昇に伴い、オンライ ンショッピングを利用したことがある対象者の割合が大幅に 増加したことが鮮明となった。昨年はわずか17%だったが、 今年は2倍以上の42%に急伸している(図33)。 これは恐らく始まりに過ぎない。インドネシアのeコマース市 場は2020年までに、東南アジア最大の1,300億米ドル規模 に達すると予測されている*5。市場の急速な拡大が既に始 まっており、近い将来インドネシアは、eコマース市場の成長 ポテンシャルを実現し、そのベネフィットを最大限に享受する ものと考えられる。 この絶好の機会を活かすため、企業はまず、消費者のオン ラインショッピングに対するニーズを理解する必要がある。 インドネシアの消費者がオンラインショッピングを選択する 上で特に重視しているのは、実用性、価格、品揃えである (図34)。 バーゲンハンティングを好む多くのインドネシア消費者は、 オンラインショッピングを通して、安く、他では入手できない 物を検索、購入することを楽しむ。これを理解した実に多く の企業が、例えばクーポンや価格比較機能を提供してショッ ピング・エクスペリエンスを充実させ、サイト訪問者を増やす ことによって、成長を加速させようと試みている。 オンラインで購入される製品カテゴリーの上位3カテゴリー は、全体で見ると、衣料・靴、チケット(航空券や映画の入場 券など)、パーソナルケア・衛生用品となっている。家電製品 などのカテゴリーでは所得階層ごとに傾向が異なる(図35)。

6. 台頭するeコマース

最高レベルに達する 2009年2月にオープンしたTokopediaは、今やインド ネシアで最も成功した、最も人気のあるeコマースサイ トの1つである。商品を販売したい企業・人を物流業 者やBCA KlikPay、ClickPay Mandiri、KlikBCA、 Mandiri e-Cashといった決済手段と繋ぎ、取引を円 滑にするプラットフォームを提供している。 Tokopediaは最近、Mitra Toppersプログラムを発表 した。これは、eコマース企業の資金調達支援を目的 とした融資企業とのパートナーシップである。 Tokopediaは、2014年にソフトバンクとSequoia Capitalから1億米ドルに上る信託資金を受けた東南 アジア初のインターネット企業でもある。これは東南ア ジアのスタートアップに対する投資額としては過去最 大である。 出所:Tech in Asia、Tokopedia.com

*5:“Indonesia will be Asia’s next biggest e-commerce market”. TechCrunch. 29 July 2016. https://techcrunch.com/2016/07/29/indonesia-willbe-asias-next-biggest-e-commerce-market

図33:オンラインショッピングの台頭

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2016, 2017)

オンラインショッピングの 利用経験者の割合 83% ない ある 42% 58% 17% 2016 2017

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図34:オンラインショッピングの購買要因 商品レビューの信頼性 品揃え(欠品率の低さ) プロモーション活動 12% 14% 価格 26% 31% 17% 実用性

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

図35:世帯収入別のオンライン購入の内訳 10% 3% 7% 15% 1% 2% 90% 1% 2% 1未満 2% 1∼2 44% 12% 10% 29% 13% 5% 8% 10超 31% 12% 17% 1% 11% 18% 14% 3% 1% 5∼7.5 2% 9% 5% 19% 19% 2% 7.5∼10 5% 8% 32% 16% 3% 1% 42% 6% 6% 3% 1% 2∼3 7% 1% 48% 3% 1% 54% 1% 4% 3∼5 18% 13% 6% 4%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

世帯月収 (100万インドネシアルピア) 製品カテゴリー パーソナルケア・衛生用品 家庭用清掃用品 加工食品 飲料 その他 衣料・靴 菓子類 書籍 家電製品 チケット

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新興企業 インドネシアのeコマース市場はいまだ黎明期にあるものの、複数の新興企業が既に登場している。最も多くの回答者が名 前を挙げたのは、Lazada(30%)、Traveloka(17%)、Tokopedia(16%)などである。これらのeコマースサイトはそれぞれ異 なる製品カテゴリーで強みを持っている。Travelokaが旅行チケットの購入で大きなシェアを獲得する一方、Tokopediaは菓 子類、加工食品、パーソナルケア・衛生用品、家庭用清掃用品に強い。Lazadaは家電製品のほか、衣料・靴でよく利用され ており、BukalapacとTokopediaは書籍のカテゴリーを攻略しているようである。さらにEleveniaは、飲料、菓子類、加工食品 といった食料品に比較的注力するポジションを取っている(図36)。 図36:最も利用するeコマース・プラットフォーム(製品カテゴリー別) 25% 50% 2% 9% 5% 1% 衣料・靴 2% 1% パーソナルケア・ 衛生用品 45% 5% 17% 9% 9% 36% 64% 9% 50% 飲料 3% 3% 38% 10% 24% 2% 4% 43% 加工食品 4% 14% 9% 菓子類 18% 49% 16% 6% 3% 53% 25% 3% 1% 8% 小型白物家電 3% 23% 4% 4% 17% 46% AV機器 17% 2% 3% 大型白物家電 13% 11% 4% 1% 書籍 2% 52% 1% 1% 1% 91% 5% 18% 4% 4% 11% 家庭用清掃用品 22% 33% 1% 2% 2% チケット 2% 25%

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

eコマース・ プラットフォーム Traveloka Toko Bagus OLX Lazada Elevania Zalora Tokopedia Bli Bli Bukalapak

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障壁は都市ごとに異なる 所得階層を問わず、オンラインショッピングを利用しない理由で最も多いのは、セキュリティの問題、利用方法がわからない、 返品や交換が難しそうに感じる、の3点である(図37)。 ただし、それぞれの都市が固有の課題を抱えており、各地域の事情に即した解決策が必要となると考えられる(図38)。例え ば、メダンとスラバヤでは消費者教育への投資が必要である。一方バンドゥンの消費者は価格に敏感で、さらにマカッサル の消費者は返品・交換が難しいことを問題視している。 ジャカルタとマカッサルでは、配達時間の長さが問題となっている。これを解消するため、eコマース企業は物流業者と提携し て翌日配達のオプションを提供するようになっている。例えば、BukalapakとGO-JEKの提携、TokopediaとGo Sendや Grabexpressとの提携などがある。eコマースサイトが独自の配送サービスを整備する動きも見られ、LazadaはLexという配 送サービスを開始した。その他の革新的なソリューションとして自動宅配ロッカーPopBoxなどがあるが、こうしたことも消費 者の期待に応えるために検討されている。 インドネシアでは、クレジットカード普及率が依然として低く、eコマース利用の大きな障壁となっている。クレジットカード保有 者は人口のわずか6.6%に留まる*6。Krevidoなど一部のプレーヤーは、限られた基礎的な身元確認情報によってクレジット カード無しで与信を行うソリューションも開発している(「クレジットカードが無い? Kredivoをどうぞ」を参照)。 インドネシアでeコマースの拡大を狙う消費財メーカーと小売企業にとって、今こそ、成功を加速させる戦略やキャンペーンを 策定するとともに、成長に向けて優先的に取り組むべき具体的な地域や都市を特定すべきタイミングである。これは特に、 市場が飽和し競争が激化しつつある製品カテゴリーで決定的に重要である。 また、デジタル・イノベーションは、eコマース以外にも、課題に対処し、競争優位を強化し、新しい成長の機会を活かすため の方法を企業にもたらす(「韓国を切望」「前進を続けるGO-JEK」を参照)。 クレジットカードが無い? Kredivoをどうぞ Kredivoは、消費者が金利無しで、30日以内の後払い、または3・6・12カ月の分割払いで商品を購入できる、オンライ ンショッピング向けのインスタント・クレジット・ソリューションである。Androidアプリで利用可能なサービスであり、イン ドネシアの金融企業PT BFI Finance Indonesia Tbkが運営をしている。すべてのKredivoローンは同社が融資する。 従来型の割賦払いサービスは、インドネシアのクレジットカード保有者の約600万人のみが利用可能であったが、 Kredivoはクレジットカードを持たない層に対しても割賦払いを利用できるサービスを提供している。年齢が18歳から 60歳までで、年収が300万インドネシアルピアを超えていれば、クレジットカードを保有しているか否かは問われない。 Kredivoは、Facebook、LinkedIn、Instagramなどのソーシャルメディア・サイトに投稿された情報を利用して顧客の身 元確認を行い、最大1,000の評価項目をわずか24時間で評価する。申請が承認されれば、顧客はBhinneka.comや Jualo.comやWellcomm Shopなど40のeコマースサイトにアクセスできる。 出所:Finaccel.com、Kredivo.com、Tech in Asia

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韓国を切望

Eleveniaはインドネシアに本拠を置くオンラインショッピングモールである。200万人以上の会員、3万の販売業者、 400万点以上の製品ラインナップを有している。充実した外国製品と独自サービスで差別化を図っている。

外国製品への需要が急速に高まる中、Eleveniaは「Titip Beli dari Korea」(直訳すると「韓国から買うのを手伝って」) というサービスを立ち上げた。この新サービスによって、消費者は韓国製品を1カ月足らずで入手できる。このサービ スは立ち上げ当初から人気となり、Eleveniaはたった1日で韓国ブランドのインスタント麺1万袋を受注した。 さらにEleveniaは、ファッション、アクセサリー、美容、食品、Kpopグッズなど、さまざまな韓国関連製品の販売に特化 する「Korea Avenue」を立ち上げた。 出所:Elevania.com 前進を続けるGO-JEK 2014年7月に設立されたGO-JEKは、1つのコールセンターと20人のオートバイライダーからなる集荷配送サービスと して始まった。Uberの強力な競争相手とされることが多い同社は、インドネシア人向けのバイクタクシー・サービスも 提供し、現在ではモバイルアプリで利用したオンデマンドのトランスポーテーションサービスの最大手プレーヤーとなっ ている。 GO-JEKの成功と進化は、デジタル・イノベーションがいかにインドネシアにおける特定のビジネス課題をチャンスに変 えるかについての示唆を提供する。GO-JEKの主な成功要因は、オフラインの異なるコンピテンシーをシームレスなデ ジタル・エクスペリエンスとして統合したこと、パーソナライゼーションによって消費者のロイヤルティを獲得したこと、利 便性と透明性を提供したこと、将来の成長を推進するためにデジタルチャネルを通じて消費者に関する相当量の情報 とインサイトを蓄積したことが挙げられる。 オフラインの異なるコンピテンシーをシームレスなデジタル・エクスペリエンスへと統合 インドネシアでは、悪名高い交通渋滞がラストワンマイルデリバリーサービスを展開する企業にとって大きな問題と なっている。この点において、GO-JEKは差別化を模索しているeコマース企業に対し、魅力的なソリューションを提供 している。 GO-JEKは、デリバリーのケイパビリティを活かしてサービス内容を拡大してきた。例えば、GO-FoodとGO-Martはそ れぞれ食品配送部門とコンビニエンスストア部門で、消費者は携帯端末から商品を注文し、GO-JEKを通して商品を 受け取る。一方GO-Massageはオンデマンドのマッサージサービスを提供している。 パーソナライゼーションにより消費者のロイヤルティと信頼を獲得 小売企業(ピザレストランなど)の多くが独自の宅配サービスを運営しているにも関わらず、インドネシアの多くの消費 者がGO-JEKを利用して商品(ピザなど)を取り寄せている。その理由は2つある。第1に、消費者のGO-JEKアプリに は個人の位置情報が既にすべて含まれており、その情報を繰り返し入力する必要がない。第2に、GO-JEKは、商品 や宅配の料金を支払うのに便利なGO-Payと呼ばれる電子ウォレット・サービスを提供している。第3に、GO-JEKは 価格および位置情報を利用者に開示し、リアルタイムのカスタマーサポートを提供することで、消費者の信頼を獲得し ている。 消費者の情報と洞察を蓄積 GO-JEKはデジタルプラットフォームを通して、属性、住所、趣向、よく利用する決済手段など、膨大な顧客情報を蓄積 している。このデータを駆使すれば、今後、異なる製品のクロスセルや、また消費者セグメンテーションに基づいた、宣 伝・プロモーション活動に活用することが可能である。 出所:GoJek.com、インタビュー、デロイトの分析

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図37:オンラインショッピングを利用しない理由(世帯月収別)

利用しない理由 世帯月収

(100万インドネシアルピア)

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017)

1% 1% 1% 7% 6% 8% 1% 8% 12% 20% 3% 7.5∼10 13% 8% 2% 25% 25% 4% 1% 1% 14% 10超 27% 1% 17% 3% 10% 4% 1% 8% 18% 6% 3∼5 25% 14% 3% 6% 19% 2% 5∼7.5 11% 11% 1% 9% 10% 9% 1% 14% 5% 2∼3 25% 25% 19% 14% 2% 8% 8% 6% 3% 2% 1未満 9% 25% 1% 1% 1∼2 15% 10% 30% 23% 19% 5% 14% 2% 1% 15% 13% 10% 信頼性がない 利用方法がわからない 返品や交換が難しい 配達時間 品揃え(欠品率の低さ)が悪い 商品を直接見られない 安全でない 価格が高い クレジットカードを持っていない 品質が低い アプリのインストールが必要 商品を選べない 嫌な経験をした 面倒 図38:オンラインショッピングを利用しない理由(都市別) 利用しない理由

出所:Deloitte Consumer Insights survey (2017) 32% 8% メダン 13% 33% 3% 1% 12% 26% 11% 13% 13% 23% 4% 2% 1% 2% 9% 14% 15% 15% 1% 1% マカッサル 7% 7% 18% 6% 1% 6% ジャカルタ 26% スラバヤ 31% 21% 5% 1% 8% 3% 1% バンドゥン 26% 3% 2% 2% 24% 15% 1% 12% 2% 7% 3% 9% 品質が低い クレジットカードを持っていない 返品や交換が難しい 配達時間 面倒 価格が高い 利用方法がわからない 嫌な経験をした 安全でない 品揃え(欠品率の低さ)が悪い 商品を直接見られない 商品を選べない アプリのインストールが必要 信頼性がない

参照

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