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鳴門教育大学学術研究コレクション

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Academic year: 2021

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絵本の読み聞かせに関わる保育実践の研究

ーエリック

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カー/レの絵本による保育実践の提案一

教科@領域教育専攻 言語系コース(国語) 神 崎 光 彦 I 研究の目的 本研究では、保育活動の際、絵本を読み聞か せることで、どのような保育活動を展開できる のかを、先行の保育実践を分析することによっ て明らかにし、保育実践の中核に絵本を据えた 絵本保育と言うべき、保育実践の提案をするこ とを目的とする。 耳 論 文 の 構 成 第1章絵本を用いた保育実践事例の分析 第 2章エリック@カーノレの学生と絵本創作 第3章絵本『できるかな?あたまからつまさ きまで』の保育実践の提案 亜 論 文 の 概 要 第1章では、第1節で先行の保育実践を分析 する為に、『保育者と学生・親のための乳児の絵 本・保育課題絵本ガイド.~ (2009年、ミネノレヴァ 書房)を取り上げた。本書に掲載されている事例 の内、保育実践が絵本の読み聞かせに始まり、 保育者との様々なやり取りのなかで表現活動に 発展し、生活発表会を経て、子どもたちのリク エストによるその絵本の読み聞かせに続く実践 事例は、『ぽんたのじどうはんばし、き~ (1984年、 ひさかたチャイルド)だけで、あった。 第2節、第 3節ではこの保育実践事例につい て分析し考察した。本実践事例では、保育者が 指 導 教 員 余 郷 裕 次 明確にねらいを挙げ、絵本の選択を行い、読み 聞かせを実践している。そこから展開した劇遊 びでは、保育者が一人ぼっちのぼんこの気持ち を子どもに問し哨当ける場面がある。子どもたち は、一人ぼっちでは寂しいのではなし泊吃感じ、 勇気を出して自分から誘うことが必要だという ことを絵本の物語から学んでいる。恥ずかしい 気持ちを抑えて、自分から友だちを誘っている ことや、仲間に入りたくても入れない子どもに 優しく声をかけている姿が見受けられるように なっていた。絵本の読み聞かせから段階を経て、 保育者が目指していた子ど、もの姿になった。絵 本の読み聞かせから始まった本実践事例で、は、 読み聞かせから遊びに発展し、遊びから劇に展 開させ、再び読み聞かせに戻るとし、う過程を経 ていたことがわかった。筆者が目指す絵本保育 と言うべき保育の展開がなされていたのである。 第2章では、第1節、第2節、第3節でエリ ック・カーノレの半生と絵本創作についてまとめ た。エリック@カー/レは、 1929年 6月 25日、 アメリカのニューヨーク州シラキュ一一スで生ま れ、 6歳の時に父親の故郷であるドイツのシュ ツットガノレトに家族とともに移住した。そこで、 クリエイティピティの原点と言える子ども日割

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の天国と脳試を体験する。その後シュツットガ ルト造形美術大学で絵について学び、 23歳の時 にニューヨークで、グラフィックデザイナーやア に - u Q d 1 9よ

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ートディレクターとして働く。ピ、ノレ@マーチン の挿絵を行ったことがきっかけで絵本作家とな り、 1969 年に『はらぺこあおむし~ (翻訳出版 1969年、借成社)を創作し、日本を始めとする 多くの国で翻訳出版されるようになる。 第3章では、第 1節で保育実践の提案の際に 用いる絵本『できるかな?あたまからつまさき まで~ (番事

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出版1997年、借成社)についてま とめた。この絵本は、保育実践に取り入れる場 合にも基本的には、まねっこ遊ひ、が想定される。 しかし、この絵本の構成のほとんどが、動物か ら人間に対して「できるかな?Jと問し市冶けて いる。子どもたちに、他者の動きを観察してそ の糊敷を把握し、その動きを真似することによ って、他者の良さを認めるような心理過程を想 定することができる。また、最後は、人間が動 物に「できるかな?Jと閉し、かける逆転によっ て自分自身を内省的に観察し、自分の良さを認 め、それを動作化することによって、他者に伝 えようとする心的過程を保育実践の中に想定す ることがで、きる。 第 2節では、エリック・カーノレの創作意図や 絵本の特性を活かし、 2歳児から 5歳児までの 各年齢、発達段階に応じた保育指導計画を考え 6案作成し提案を行った。① 2歳児は、まねっ の関わりを深めることを挙げている。設定保育 の内容は、前半は 2歳児同様、絵本に登場する 動物の動きをみんなで真似して遊ぶのだが、後 半は、自分自身の好きな動きやポーズを披露し、 保育者や友だちと一緒に身体を動かして楽しく 遊ぶのである。③ 4歳児は、油粘土遊びであ る。ねらいとして、油粘土の感触を味わいなが ら、好きな動物を作って楽しむことや自分のイ メージをもとに、動物の動きを工夫しながら制 作することを挙げている。設定保育の内容は、 読み聞かせ後に絵本に登場する動物の動きをみ んなで真似して遊ぶ。その後、絵本に登場する それぞれの動物の鮪教的な動きをイメージしな がら油粘土で動物を制作するのである。④ 5 歳児は、子どもと一緒につくる劇である。ねら いとして、動物になりきって、台詞のやり取り そ唆現遊びを楽しむこと、自分の考えを出し、 他者の意見を受け入れたりして、工夫して劇を 作ることなどを挙げている。設定保育の内容は、 1日目で絵本の読み聞かせと動物のまねっこ遊 びを行う。⑤ 2 日目で動物になりきったごっ こ遊びを行う。⑥ 3日目で保育者の関わりの もと子ども主体の創作劇を構成から作っていく 活動を行う。 こ遊びとして保育指導計画を立てた。ねらいと

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今後の課題 して、絵本に登場する動物の動きを真似し、元 今後は、保育現場での絵本を中核とする保育 気よく身体を動かすことなどを挙げている。設 実践を検討したい。実際に子どもたちが活動を 定保育の内容は、読み聞かせ後に絵本に登場す どのように展開していくのか、直接見てみて考 る動物の動きを真似し、保育者や友だちと一緒 究していきたい。 に身体を動かして楽しく遊ぶのである。② 3 歳児は、できるかな遊ひやである。ねらいとして、 絵本に登場する動物の動きを真似し、元気よく 身体を動かすこと。保育士や友だちと一緒にま ねっこ遊びを楽しむこと。遊びを通して他者と - 196

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主要参考文献 @『保育者と学生・親のための乳児の絵本・保育 課題絵本ガイド~ 2009年、ミネノレヴァ書房、 編者福岡貞子・

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動尺淳子

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