絵本の読み聞かせに関わる保育実践の研究
ーエリック
gカー/レの絵本による保育実践の提案一
教科@領域教育専攻 言語系コース(国語) 神 崎 光 彦 I 研究の目的 本研究では、保育活動の際、絵本を読み聞か せることで、どのような保育活動を展開できる のかを、先行の保育実践を分析することによっ て明らかにし、保育実践の中核に絵本を据えた 絵本保育と言うべき、保育実践の提案をするこ とを目的とする。 耳 論 文 の 構 成 第1章絵本を用いた保育実践事例の分析 第 2章エリック@カーノレの学生と絵本創作 第3章絵本『できるかな?あたまからつまさ きまで』の保育実践の提案 亜 論 文 の 概 要 第1章では、第1節で先行の保育実践を分析 する為に、『保育者と学生・親のための乳児の絵 本・保育課題絵本ガイド.~ (2009年、ミネノレヴァ 書房)を取り上げた。本書に掲載されている事例 の内、保育実践が絵本の読み聞かせに始まり、 保育者との様々なやり取りのなかで表現活動に 発展し、生活発表会を経て、子どもたちのリク エストによるその絵本の読み聞かせに続く実践 事例は、『ぽんたのじどうはんばし、き~ (1984年、 ひさかたチャイルド)だけで、あった。 第2節、第 3節ではこの保育実践事例につい て分析し考察した。本実践事例では、保育者が 指 導 教 員 余 郷 裕 次 明確にねらいを挙げ、絵本の選択を行い、読み 聞かせを実践している。そこから展開した劇遊 びでは、保育者が一人ぼっちのぼんこの気持ち を子どもに問し哨当ける場面がある。子どもたち は、一人ぼっちでは寂しいのではなし泊吃感じ、 勇気を出して自分から誘うことが必要だという ことを絵本の物語から学んでいる。恥ずかしい 気持ちを抑えて、自分から友だちを誘っている ことや、仲間に入りたくても入れない子どもに 優しく声をかけている姿が見受けられるように なっていた。絵本の読み聞かせから段階を経て、 保育者が目指していた子ど、もの姿になった。絵 本の読み聞かせから始まった本実践事例で、は、 読み聞かせから遊びに発展し、遊びから劇に展 開させ、再び読み聞かせに戻るとし、う過程を経 ていたことがわかった。筆者が目指す絵本保育 と言うべき保育の展開がなされていたのである。 第2章では、第1節、第2節、第3節でエリ ック・カーノレの半生と絵本創作についてまとめ た。エリック@カー/レは、 1929年 6月 25日、 アメリカのニューヨーク州シラキュ一一スで生ま れ、 6歳の時に父親の故郷であるドイツのシュ ツットガノレトに家族とともに移住した。そこで、 クリエイティピティの原点と言える子ども日割t
の天国と脳試を体験する。その後シュツットガ ルト造形美術大学で絵について学び、 23歳の時 にニューヨークで、グラフィックデザイナーやア に - u Q d 1 9よートディレクターとして働く。ピ、ノレ@マーチン の挿絵を行ったことがきっかけで絵本作家とな り、 1969 年に『はらぺこあおむし~ (翻訳出版 1969年、借成社)を創作し、日本を始めとする 多くの国で翻訳出版されるようになる。 第3章では、第 1節で保育実践の提案の際に 用いる絵本『できるかな?あたまからつまさき まで~ (番事