Rheo-dielectric Behavior of Entangled cis-Polyisoprene under Shear Flow

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(1)Title. Author(s). Citation. Issue Date. URL. Rheo-dielectric Behavior of Entangled cis-Polyisoprene under Shear Flow( Abstract_要旨 ). Horio, Kazushi. 京都大学. 2014-05-23. https://doi.org/10.14989/doctor.k18472. Right. Type. Textversion. Thesis or Dissertation. ETD. Kyoto University.

(2) 京都大学. 博士(工学). 氏名. 堀. 尾. 和. 史. Rheo-dielectric Behavior of Entangled cis-Polyisoprene under Shear Flow 論文題目. (せん断流下における絡み合ったシス-ポリイソプレンの流動誘電挙動). (論文内容の要旨) 高速流動下の高分子鎖は大きく伸長・配向され、そのため、平衡状態とは異なるダイナミクス を示す。この非平衡ダイナミクスを反映する非線形粘弾性は、これまで、流動によってからみ合い が消失し形態緩和が等方的に加速される Convective Constraint Release (CCR) 機構を取り入れた管 模型で良く記述されると考えられてきた。しかし、A 型双極子を有し、鎖末端間の大規模運動が誘 電活性となるシス-ポリイソプレン(PI)直鎖について、せん断勾配方向の誘電緩和に流動はほとん ど影響を与えないことも知られている。この流動誘電挙動は、CCR 機構を取り入れた現代の管模 型では記述できず、流動下の絡み合い鎖のダイナミクスの詳細は不明のまま残されてきた。 このような背景の下、本研究では、A 型鎖 (PI) のせん断流動下の誘電緩和関数の微視的表式が 理論的に解析され、また、易動度の異方性を考慮した分子モデルに基づいて、この緩和関数と粘弾 性関数の統一的記述が行なわれている。さらに、均一性が確認された流動場の下における直鎖 PI、 星形 PI の誘電応答データに基づいて、流動下の高分子ダイナミクスの詳細が検討されている。 本論文は、上記の研究の結果をまとめたものであり、6章より成る。 第1章は序論であり、絡み合い高分子の非線形粘弾性に対してこれまでに得られている知見と本 論文の目的、アウトラインが述べられている。 第2章では、線形域における A 型高分子に対して、粘弾性関数と誘電緩和関数の微視的表式お よび動的な分子モデルがまとめられている。 第3章では、高分子鎖の粗視化モデルに基づいて、定常流動および大振幅振動歪み (LAOS) 下 に お け る 直 鎖 PIの せ ん 断 勾 配 方 向 の 誘 電 応 答 関 数 の 解 析 が 行 な わ れ て い る 。 平 衡状態では、グリーン -久保理論が成立し、A型高分子の誘電緩和関数は双極子の総和に比 例する末端間ベクトル の自己相関関数と一致 する。ランジュバン方 程式に基づく理論解析 か ら 、 A型 高 分子 が 非線 形 粘 弾 性 を 示 す 高 速流 動 下 で も 、 せ ん 断 勾配 方 向 の 誘 電 緩 和 関 数 は末端間ベクトルの自己相関関数と一致し、グリーン-久保理論が成立していることが見出 さ れ た 。 一 方 、 LAOS下 の 誘 電 緩 和 関 数 は 、 LAOS と 同 期 し た 振 動 減 衰 を 示 す こ と も 理 論 的に示された。. 第4章では、第3章 で用いたモデルに易動 度の異方性を取り込み 、直鎖高分子のダイナ.

(3) 京都大学. 博士(工学). 氏名. 堀. 尾. 和. 史. ミクスについて新規なモデルを構築した。前記のCCR 機構では、せん断流動により鎖の形 態緩和が等方的に加速される。このため、CCR 機構を考慮した現代の管モデルでは、非線 形粘弾性の一般的特徴は記述できるものの、直鎖 PIの誘電緩和が流動に影響されないとい う実験事実が説明でき ない。一方、4章で構 築された新規モデルで は、流動速度の増加と 共に、せん断方向の易 動度は増加し、この方 向の緩和が加速される が、せん断勾配方向の 易動度、緩和速度は流 動に影響されない。こ のため、同モデルは、 定常粘度および第一法 線応力差係数がせん断 速度の増加に伴って減 少する一般的な非線形 粘弾性の特徴と、直鎖 PIのせ ん断勾 配方 向の誘 電緩和 関数 が流動 に影 響され ない という 実験 事実を 同時 に記述 で きる。この結果は、易 動度の異方性が流動下 の絡み合いダイナミク スを支配する重要な因 子のひとつであることを示唆する。 第5章では、直鎖および星型PIに対して定常流動下および LAOS 下の誘電緩和挙動を実 験的に検討した。さら に、高速流動下の絡み 合い高分子系では流動 場が不均一となる可能 性があることを考慮し て、少量の微小銀粒子 をトレーサーとして用 いて流動場の直接観察 も行なった。その結果 、流動場の均一性が確 認された範囲の高速定 常流下において、直鎖 PIの定 常粘度 およ び第一 法線応 力差 係数は せん 断速度 の増 加に伴 って 減少す るが 、その 誘 電 緩和は 流動 にほと んど 影響さ れな いこと を見 出した 。一 方、星 型PIで は 、流 動下の 誘 電 緩和はせん断速度の増 加ととも緩やかに加速 されることが見出され た。この直鎖と星形鎖 の差は、線形領域にお ける絡み合いセグメン トの相互平衡化(管膨 脹)の程度、および、 流動下における易動度の異方性の差を反映することが示唆された。また、LAOS下では直鎖、 星型鎖ともに、誘電緩和関数がLAOSと同期する振動減衰を示すことが確認され、3章の理 論的解析が支持された。 第6章は本論文の成果のまとめである。.

(4) 氏. 名. 堀. 尾. 和. 史. (論文審査の結果の要旨) 本論文は、定常せん断流動下および大振幅振動変形(LAOS)下における絡み合い高分子のダイ ナミクスを、主鎖骨格に平行な A 型双極子を有するシス-ポリイソプレン(PI)の流動下での誘電 緩和挙動と関連づけて明らかにしたものである。得られた成果の概要は以下の通りである。 高分子鎖の粗視化モデルを用いて、A型高分子(PI)の定常流動およびLAOS下におけるせん断 勾配方向の誘電応答関数を、ランジュバン方程式を基に解析した。その結果、定常流動下における 誘電緩和関数は、平衡状態と同様にグリーン-久保表式を満たし、末端間ベクトルの自己相関関数 に一致することを明らかにした。一方、LAOS下の誘電緩和関数は、LAOSと同期した振動減衰を 示すことが示された。 高せん断速度領域おいて PI が示す非線形粘弾性と誘電緩和に着目し、易動度の異方性を考慮し た高分子ダイナミクスのモデルを構築した。このモデルは、せん断によって鎖の緩和が等方的に加 速される従来の管モデルとは異なり、粘度のシアシニングに代表される非線形粘弾性データと、流 動に対して鈍感なせん断勾配方向の誘電緩和データを、同時に記述することが示された。 からみ合い高分子系では高速せん断下において流動場に不均一性が発現することに留意し、せん 断勾配方向に検出される PI の誘電緩和挙動が不均一流動の影響を受けないように、誘電測定と流 動場観察を同一の条件で実施した。均一性が確認された定常流下において、直鎖 PI の誘電緩和は 流動場にほとんど影響されないが、星型 PI の誘電緩和は流動場によって緩やかに加速することが 確認された。この差は、線形領域における絡み合いセグメントの相互平衡化(管膨脹)の程度、お よび、流動下における易動度の異方性の差を反映することが示唆された。一方、LAOS 下では LAOS と同期した振動減衰が観察され、上記の理論的解析が支持された。 以上、要するに、本論文は、高速流動下の絡み合い高分子鎖のダイナミクスの詳細を明らかにし たものである。本研究によって得られた成果は、学術上、実際上寄与するところが少なくない。よ って、本論文は博士 (工学) の学位論文として価値あるものと認める。また、平成 26 年 4 月 14 日 に論文内容とそれに関連した事項について諮問を行った結果、合格と認めた。.

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