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Tokyo Medical and Dental University Study on Physical Fitness and Motor Ability in Varsity Students at Tokyo Medical and Dental U

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Academic year: 2021

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(1)

本学学生の体力・運動能力に関する研究

−2003、2004年度の測定結果から−

水野哲也

青柳直子

**

浅川陽介

小森康加

***

鈴木良之

****

日浦幹夫

*****

依田珠江

******

A Study on Physical Fitness and Motor Ability in

Varsity Students at Tokyo Medical and Dental University

− Level of physical fitness in 2003 and 2004 −

Tetsuya Mizuno

,Naoko Aoyagi

**

,Yosuke Asakawa

,Yasuka Komori

***

Yoshiyuki Suzuki

****

,Mikio Hiura

*****

,Tamae Yoda

******

Abstract

The purpose of this study is to determine the level of physical fitness among varsity students at Tokyo Medical and Dental University.

The subjects were male and female students in 2003 and 2004.

The obtained results were statistically analyzed; they were then compared with Japanese government data on ordinary Japanese males and females.

The results can be summarized as follows:

1) The results of the physical fitness test (side step, standing jump and handball throw) of male freshmen from T.M.D.U. in 2004 were significantly inferior to those of ordinary males of the same age (p<.001).

2) The results of the aerobic fitness test (20m shuttle run) of female freshmen from T.M.D.U. in 2004 were significantly inferior to those of ordinary females of the same age (p<.001).And it was found that the grip strengths of female freshmen at T.M.D.U. in 2004 were significantly inferior to those of ordinary females of the same age (p<.05).

3) Among both male and female subjects in 2004, results obtained from the skin-fold thickness test showed no tendency toward obesity.

4) Among both male and female subjects in 2003, it was found that the physical fitness test scores (back strength, grip strength and step test) in November were significantly superior to those of the same subjects in April (p<.001).

5) Among both male and female subjects in 2004, it was found that grip strengths in October were significantly superior to those of the same subjects in April (p<.001).

* Laboratory of Health Sciences and Physical Education, The College of Liberal Arts and Sciences, Tokyo Medical and Dental University

** Graduate School of Education, University of Tokyo

*** Doctoral program in comprehensive human science, Department of sports medicine, University of Tsukuba. **** Laboratory of Tennis, Nippon Sport Science University

***** Faculty of Human and Environment, Hosei University ****** Keio University, Institute of Physical Education

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6) Among male subjects in 2004, it was found that sit-up scores in October were significantly superior to those of the same subjects in April (p<.05).

These results suggest that provision of a reasonable and effective physical fitness program is important for students at T.M.D.U.

はじめに 近年、国の内外を問わず人々の健康志向が高まり、その保持並びに増進のために体力の維持 や運動の必要性が叫ばれている1−5)。そうした中、わが国の青少年の体力、特に行動体力に関し ては幼少期から向上が続き、男子ではそのピーク年齢が17歳頃また女子では14歳からほぼ停滞 状態となり、成人以後は男女とも加齢とともに徐々に下降する傾向にあることが知れている6) この現象はわが国が文明国として発展してきたことにより、14∼17歳頃までは学校体育をはじ めとした体育活動で総合的な体力は向上するが、その後は労働その他の生活における身体活動 が生活関連機器の機械化や交通手段の発達等によって極度に制限され、その結果として行動体 力も徐々に低下したものと考えられている1−4)。また、一方我が国は現在超高齢化社会への道を 急速なスピードで進んでおり、その対応として自立自活できうる個人の生活能力の維持が求め られている7, 8, 15) 本学教養部保健体育学研究室では、そうした社会背景の中、本学に入学する学生にも適切な フィットネス管理能力を指導・育成することが重要と考え、そのための基礎的資料収集の一環 として1974年(昭和49年)より継続的にフィットネスチェックを実施し、これまでにそれらの 結果についていくつか報告してきた9−11)。ここでその概略を述べると、本学に入学する男子学 生のフィットネスレベルは受験等の影響からその他の我が国の同年男子に比較して低い水準に あり、その傾向は測定開始当初から認められる傾向であった9, 10)。また近年、保健衛生学科の設 置並びに医学科、歯学科への女子学生の入学率の増加等から急増した女子学生についても同様 に、特に心肺持久力を中心とした総合体力の水準が全国の同年女子に比較して低い傾向にあっ た。また入学後における医学科学生のフィットネスレベル変化の検討からその体力水準は入学 後から向上し、男女とも2年後には同年男女に比較して有意な差はなくなることがわかってい る11) そこで、今回我々はここ数年における学生のフィットネスレベルを知る目的で、2003年並び に2004年度に入学した学生を対象に実施したフィットネステスト結果を検討し、いくつかの知 見を得たので報告する。 研究方法 1.研究対象 今回のフィットネスチェックの対象者は2003年並びに2004年4月に東京医科歯科大学に入学 した男女大学生である。 2.チェック項目と方法 今回実施した項目は以下のとおりである。 2003年度入学者には、以前より実施してきたフィットネスチェック項目の継続を考え、

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・敏捷性 ……… 反復横とび(120cm間隔) ・瞬発力 ……… 垂直とび ・筋 力 ……… 背筋力・左右握力 ・柔軟性 ……… 伏臥上体そらし、立位体前屈 ・心肺持久力 ……… 踏み台昇降 等の項目を、効果的なフィットネス向上のためのカリキュラムとして提供している身体運動 学実習の開始時(4月)並びに終了時(11月)に実施した。 また、2004年度入学者には、2003年度学生との比較並びに近年我が国の多くで実施されてい る文部科学省が提案した「新体力テスト」の導入を視野に入れ、 4月に ・敏捷性 ……… 反復横とび(120cm間隔) ・瞬発力 ……… 垂直とび ・筋 力 ……… 背筋力・左右握力 ・筋持久力 ………… 上体起こし ・柔軟性 ……… 立位体前屈 ・心肺持久力 ……… 踏み台昇降 ・身体組成 ………… 皮下脂肪厚測定(上腕背部・肩甲骨下部) 等を、 10月に ・敏捷性 ……… 反復横とび(100cm間隔) ・瞬発力 ……… 立ち幅跳び ・筋 力 ……… 左右握力 ・筋持久力 ………… 上体起こし ・柔軟性 ……… 長座体前屈 ・心肺持久力 ……… 20mシャトルラン(往復持久走) ・基礎運動能力 …… 50m走、ハンドボール投げ 等を実施した。 3.統計処理 各測定項目別の測定結果を平均±標準偏差で示した。また、得られた結果より各群間の有意 差をT検定法により検討した。 結 果 1. 2003年度入学者のフィットネステスト結果 2003年度入学者のうち、2003年4月、11月の2回行われたフィットネステストの全ての種目 について測定が実施された学生(男子70名、女子96名)の測定結果をTable1に示した。 測定結果からもわかるように、男女とも筋力の指標である握力、背筋力並びに心肺持久力の 指標である踏み台昇降については4月時点(入学直後)に比べて11月(7ヶ月後)においては、 有意に高い傾向が認められ(p<.001)、女子については柔軟性の指標である伏臥上体そらしの 項目でも有意な改善傾向が認められた(p<.001)。なお、敏捷性の指標である反復横とび (120cm間隔)、瞬発力の指標である垂直とび並びに柔軟性の指標である立位体前屈については

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有意な変化は認められなかった。 2. 2003年度と2004年度入学者の比較 入学年度間における学生のフィットネスレベルに差があるかを検討するために、2003年 度並びに2004年度入学者の入学直後に実施されたフィットネステスト結果を検討し、Table 2 に示した。 測定結果からもわかるように、男子においては2003年度入学者の方が敏捷性の指標である反 復横とび(120cm)並びに筋力の指標である右握力が2004年度入学者より有意に高く(p<.05)、逆 に心肺持久力の指標である踏み台昇降スコアでは有意に低い傾向にあった(p<.05)。また、女 子においては2003年度入学者の方が瞬発力の指標である垂直とびで2004年度入学者より有意に 高い傾向にあった(p<.01)。なお、その他の項目では有意な差は認められなかった。 3.2004年度入学者のフィットネステスト結果 (1)同年全国平均値との比較

(5)

全国的に広くまた継続的に実施されてきたフィットネステストの項目設定が、平成12年度よ り一新された。これは21世紀の生活文化を視野に入れ、これまでの運動機能中心の体力要素だ けでなく健康に関連の高い体力要素を加味し、広い年齢層でも同一項目による実施が可能で、 またその測定の簡便性や信頼・妥当性などを考慮した結果であるが12)、本学でもそうした点を 考慮して前述したような種目選択を行い、今回のような組テストを実施した。 Table3は2004年度入学者を対象に実施した新体力テストの結果であり、比較のために全国 値を併記した。なお、この際に用いた全国値は、分析時点で最新の情報である文部科学省の発 表した平成15年度のデータを用いるとともに、その際2004年度入学学生の2004年4月1日現在の 平均年齢に対応した数値を用いた(男子:19歳、女子18歳)6) 測定結果からもわかるように、男子においては2004年度入学者の方が敏捷性の指標である反 復横とび、瞬発力の指標である立ち幅とび並びに基礎運動能力の指標であるハンドボール投げ について全国の同年齢者より危険率0.1%水準で低く、また筋力の指標である握力について危 険率5%水準で有意に低かった。なお、その他の項目では有意な差は認められなかった。 また、女子においては2004年度入学者の方が全身持久性の指標である20mシャトルランスコ アについて全国の同年齢者より危険率0.1%水準で低く、また男子と同様に筋力の指標である 握力についても危険率5%水準で有意に低かった。なお、その他の項目では有意な差は認めら れなかった。 また、さらに皮下脂肪厚測定(上腕背部・肩甲骨下部)から体脂肪率を求めたが、その値は 男子で20.79±6.65%、女子で24.96±6.85%であり、一般に肥満判定で用いられる男子25%、女 子30%を越えるものではなかった13) (2)入学時と半年後の比較 次に2003年度と同様、入学後の変化を検討するために2004年度入学者に対して実施したチェ ック項目のうち4月並びに10月の2回実施された上体起こしと握力についてその測定結果を

(6)

Table4に示した(男子75名、女子112名)。 測定結果からもわかるように、男女とも筋力の指標である握力については4月時点(入学直 後)に比べて10月(半年後)においては、有意に高い傾向が認められ(p<.001)、男子につい ては筋持久力の指標である上体起こしでも有意な改善が認められた(p<.05)。なお、上体起こ しの女子においては有意な変化は認められなかった。 論 議 1.入学時における学生のフィットネスレベル 結果に示したように、2004年のデータから入学時の本学学生のフィットネスレベルは男女と も同年の全国値と比較して低いことが明らかになった。これは以前の報告にも述べたように本 学に入学する学生は全般に受験競争の影響から入学前の通常生活での身体活動が制限され、そ の結果として男子では他と比べて特に敏捷性・瞬発力・筋力・投力等が、女子では筋力並びに 心肺持久力が有意に低い傾向にあったものと考えられた。ここで少しフィットネスについて考 察すると、本来フィットネスなるものは「精神的な要素を含め、人間の活動と生存の基礎とな る身体的能力」であり1, 5)、人はその身体資源を充分に活用して社会生活を営むものといえる。 特に学齢期の青少年にとってこの時期は将来の社会的貢献のための準備期であり、より充実し たフィットネスの育成期であるとともに、その身体的基盤を十二分に活かして様々な社会的場 面で自らを鍛えるまたとない時期でもある。そして本学学生もその例外ではなく、特に将来の 高い社会的責任を担う医療従事者として自立するための準備期としてそのフィットネスの充実 は他にもまして望まれる課題であり、その改善は急務といえる。ここではこうした今日的な社 会問題ともいえる受験問題やその時期の教育のあり方等について論及することはしないが、こ の最終学齢期の学生にとって学園生活を充実した実りあるものにするためにもそのフィットネ スの向上並びにフィットネス管理能力の改善の必要性に異論をはさむ余地はないように思われ る。ただ、今回の結果から2003年、2004年それぞれに入学した学生のフィットネス要素別レベ ルが異なることが明らかになり、その個別性を考慮した木目の細かい指導並びにプログラムの 提供等の必要性が浮き彫りとなった。 2.入学後のフィットネス変動 次に問題となるのが、こうした入学時に低下しているフィットネスレベルが入学後どのよう に変化するかである。今回の結果では2003年、2004年とも半年から7ヶ月における変化しかわ からないが、共にその機能は有意に改善されることが確認された。具体的には男女とも2003年 度は筋力並びに心肺持久力が、2004年度は筋力が改善し、2004年度の男子では筋持久力の改善 も認められた。これは学生が入学後、教育カリキュラムである定期的な身体運動学実習授業を はじめ体育系のサークル活動並びに学園内外における体育・スポーツ活動に積極的に参加した 結果、向上したものと推察される。なお、この際敏捷性や瞬発力等の有意な改善は認められな かった。 3.健康関連体力について 前述したように、フィットネスチェック項目については、現在我が国でも新体力テストの発 案、実施にも見られるようにその内容は健康関連体力の方にシフトしてきている。

(7)

Fig. 1は文部科学省が新体力テストの実施に伴い提示した体力テストに関する図式である が、図からもわかるように健康評価には、特に心肺持久力、筋力・筋持久力、柔軟性等の評価 が必要であり、さらに言うならばこれらに身体組成の評価を加えることが望まれる。これはい うまでもなく前述した機械文明の恩恵を受けた結果として生じた人工的環境や運動不足が誘因 となって発症する生活習慣病の予防が重要な人類的課題であり、その予防のためには上述した ような5つのフィットネス内容の適正な維持が必要不可欠だからである1−8, 12, 14, 15)。我が国でも それについては、平成元年に「健康づくりのための運動所要量」なるものが策定され、その中 にはその維持目標となるフィットネスレベルとして最大酸素摂取量の具体的な維持目標値が設 定されているが14)、それらを見ると生活習慣病の危険因子との関連を示す内外の文献を検討し た 結 果 と し て 性 、 年 齢 別 に T a b l e 5 の よ う な 目 標 値 が 提 示 さ れ て お り 、 2 0 代 男 子 で は 、 41ml/kg/min、女子では35ml/kg/minとされている。ここで、この値を2004年度のフィットネス テストで実施された20mシャトルランテストの結果と照合すると、男子ではその折り返し数の 平均値が81.05±21.88で約44ml/kg/min、女子では折り返し数の平均値が37.81±10.27で約 34ml/kg/minとなり、男子は目標値を達成しているが、女子は目標値よりやや低いことがわか る。 また、ここでさらにもうひとつ見逃してはならないのが身体組成についてである。今回、身 体組成については皮下脂肪厚(上腕背部・肩甲骨下部)から推定した体脂肪率を用いた。結果 は男子で20.79±6.65%、女子で24.96±6.85%であり、ともに一般に肥満判定で用いられる男子 25%、女子30%を越えるものではなかったが、日本肥満学会が体脂肪率による肥満度判定基準 に定めるほぼ軽度肥満レベル(男子の20%、女子の25%)であり13)、この値は前回1994年に 我々が報告した男子14±5.68%、女子22.49±3.00%よりも男女ともやや高い数値であった。た だ、前回の測定法は超音波法による皮下脂肪厚からの推定値に対し今回はスキンキャリパーに テスト項目 50m 走 持久走・急歩 20m シャトルラン 立ち幅とび ボール投げ 握力 上体起こし 長座体前屈 反復横とび スピード 全身持久力 筋パワー 巧緻性・筋パワー 筋力 筋力・筋持久力 柔軟性 敏捷性 心肺持久力 筋力・筋持久力 柔軟性 ち しょう 基礎運動能力評価 体力評価 健康評価 Fig. 1 「新体力テスト」で測定評価される体力要素

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よる測定からの推定値であることから、その方法の相異が結果に影響していることも考えられ る。また、この傾向が2004年度だけにみられたものなのかなど、これらについては今後さらに 詳細な検討が望まれるところである。いずれにしても、こうした傾向は前述した受験競争の影 響から対象の入学前の通常生活での身体活動の制限やストレス等による過食等が合いまった生 活習慣の乱れに起因するものであることは容易に推察され、要注意事項であることに変わりは ない。 以上のように、今回検討した2003年、2004年度に本学に入学した学生のフィットネスレベル は、やや以前とは異なるフィットネス要素別のプロフィールではあるものの、入学時には全般 に全国値と比較して低い傾向にあるとともに、体脂肪率もやや高い傾向にあり、入学後に適切 なフィットネス管理のための指導並びにその自己管理のための実践能力を育成する必要性に変 わりはないと思われた。特に本学のような多くの国民の健康をあずかる職業に携わる学生の教 育現場では、以前から指摘しているような学生自身のフィットネス管理能力の育成とともにそ の基礎理論の学習が重要な教育課題であり、その意味では前回の報告でも述べたように「単に 病気でないという消極的健康体を指向するのではなく、将来の超高齢化社会に対応できうる自 分の意志に基づいた自由で責任ある行動(活動)のできる能力、さらには他からの要請や社会 の一員として社会秩序に応じた責任のもてる行動(活動)のできる能力を有した積極的健康体 を指向15)」したより積極的で木目の細かい取り組みが必要な時が来ているように思われる。具 体的には在学期間中に適度な運動はもとより食生活や生活時間を含めたトータルなライフスタ イルの健康化を図り、そのフィットネスレベルを適正に維持することはもちろんのこと、その 後の自己管理能力の開発を視野に入れた教育プログラムの提供が必須であると思われた。 まとめ 本研究では、本学学生を対象にここ2003並びに2004年度に入学した学生を対象に実施したフ ィットネステストの検討からいくつかの知見を得たのでここに報告する。 1.2004年度入学者を対象に実施した新体力テストの結果から、男子においては2004年度入 学者の方が反復横とび(敏捷性)、立ち幅跳び(瞬発力)並びにハンドボール投げ(基礎運 動能力)について全国の同年齢者より危険率0.1%水準で有意に低く、また握力(筋力) について危険率5%水準で有意に低かった。また、女子においては2004年度入学者の方が 20mシャトルランスコア(心肺持久性)について全国の同年齢者より危険率0.1%水準で 有意に低く、また男子と同様に握力(筋力)についても危険率5%水準で有意に低かった。 なお、その他の項目では有意な差は認められなかった。 2.皮下脂肪厚測定(上腕背部・肩甲骨下部)から推定された体脂肪率は男子で20.79± 6.65%、女子で24.96±6.85%であり、一般に肥満判定で用いられる男子25%、女子30%を 越えるものではなかった。 3.2003並びに2004年度とも入学後そのフィットネスは向上し、おおよそ半年後には2003年 で男女とも握力・背筋力(筋力)並びに踏み台昇降(心肺持久力)について危険率0.1% 水準で有意に改善し、女子では伏臥上体そらし(柔軟性)についても危険率0.1%水準で 有意な改善傾向が認められ、2004年度で男女とも握力(筋力)について危険率0.1%水準 で有意に向上し、男子では上体起こし(筋持久力)についても危険率5%水準で有意な改 善傾向が認められた。

(9)

以上の結果から、本学学生の入学時の体力水準は同年全国値と比較して低い傾向にあり、今 後も入学後の適切なフィットネス管理のための指導並びにプログラムの提供が不可欠であるこ とが示唆された。 《参考文献》 1) 池上晴夫:新版運動処方−理論と実際−、朝倉書店、1990 2) ピーター・マッキントッシュ:現代社会とスポーツ、大修館書店、1991 3) ハラルド・メラロヴィッチ:健康と運動−予防医学の手段としてのトレーニング−、ベー スボール・マガジン社、1993 4) 中村 誠・岩波 力:健康と体力科学、杏林書店、1994 5) J.F.サリス・N.オーウェン;身体活動と行動医学、北大路書房、2000 6) 文部科学省スポーツ・青少年局:平成14年度体力・運動能力調査報告書、2003 7) 鈴木路子:教育の基礎としての健康の科学、ぎょうせい1990 8) 宮下充正:体力を考える−その定義・測定と応用−、杏林書院、1997 9) 水野哲也、布施善克:本学学生の体力・運動能力に関する研究、東京医科歯科大学教養部 研究紀要、No.13、1-7、1983 10) 水野哲也、布施善克 ほか:本学学生男子学生の体力・運動能力に関する研究−過去10年 の体力変遷と入学後の体力変化、御茶ノ水医学雑誌、Vol.33、No.2、237-241、1985 11) 水野哲也、井上恵子 ほか:本学学生の体力・運動能力に関する研究−ここ数年における 体力の現状−、東京医科歯科大学教養部研究紀要、No.24、21-30、1994 12) 文部省:新体力テスト−有意義な活用のために−、文部省、2000 13) 日本肥満学会、肥満症診療のてびき編集委員会;肥満・肥満症の指導マニュアル、医歯薬 出版株式会社、1997 14) 健康・栄養情報研究会;第六次改訂・日本人の栄養所要量、食事摂取基準、第一出版、 1999 15) (財)体育科学センター編;成人病の治療と予防の基礎と実際−アクティブライフスタイル プランニングから−、杏林書院、1993

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Fig.  1は文部科学省が新体力テストの実施に伴い提示した体力テストに関する図式である が、図からもわかるように健康評価には、特に心肺持久力、筋力・筋持久力、柔軟性等の評価 が必要であり、さらに言うならばこれらに身体組成の評価を加えることが望まれる。これはい うまでもなく前述した機械文明の恩恵を受けた結果として生じた人工的環境や運動不足が誘因 となって発症する生活習慣病の予防が重要な人類的課題であり、その予防のためには上述した ような5つのフィットネス内容の適正な維持が必要不可欠だからである 1−8, 1

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